JP4269687B2 - ビタミンa誘導体の中間体の製造法 - Google Patents

ビタミンa誘導体の中間体の製造法 Download PDF

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  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、医薬、飼料添加物、食品添加物の中間体、例えばビタミンA誘導体の中間体として有用な化合物の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、すでに、一般式(1)で示されるアリールスルホン誘導体と一般式(2)で示されるアリルハライド誘導体とのカップリング反応によるビタミンA誘導体の重要中間体となりうる一般式(3)で示されるスルホン誘導体の製造方法(特許文献1参照。)を見出している。上記カップリング反応に用いる塩基類として、アルキルリチウム、アルカリ金属アルコキシド、アルカリ金属アミド、アルカリ金属水素化物などが挙げられるが、最も安価で工業的に取り扱いが容易であるアルカリ金属水酸化物を使用した場合、70%以上の収率で得るためには、回収再使用が困難な水溶性の有機溶媒が必要であるなどいくつかの問題点を有していた。
【0003】
【特許文献1】
EP1199303 A1
【0004】
【課題を解決するための手段】
このような状況下、本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、下記アリールスルホン誘導体(1)とアリルハライド誘導体(2)とを湿式粉砕により調製した粒子径0.5〜20μmのアルカリ金属水酸化物の存在下、反応させることにより、回収再使用が容易な疎水性有機溶媒中でも優れた収率でシクロヘキセン誘導体を製造させることができることを見出し、本発明に至った。
【0005】
すなわち、本発明は、
一般式(1)
Figure 0004269687
(式中、Arは置換基を有していてもよいアリール基を示す。)
で示されるアリールスルホン誘導体と一般式(2)
Figure 0004269687
(式中、Xはハロゲン原子、Rは水酸基の保護基を示し、波線はE/Z幾何異性体のいずれか一方もしくはそれらの混合物であることを示す。)
で示されるアリルハライド誘導体とを粒子径0.5〜20μmのアルカリ金属水酸化物、および相間移動触媒の存在下、疎水性有機溶媒中で反応させることを特徴とする一般式(3)
Figure 0004269687
(式中、R1は水素原子または水酸基の保護基を示し、Arおよび波線は前記と同じ意味を表す。)
で示されるスルホン誘導体および/または、一般式(4)
Figure 0004269687
(式中、R1および波線は前記と同じ意味を表す。)
で示されるトリエン誘導体の製造法を提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
一般式(2)で示されるアリルハライド誘導体におけるRは水酸基の保護基を示し、一般式(3)および(4)で示される化合物におけるR1は、水素原子または水酸基の保護基を示す。かかる水酸基の保護基としては、例えばホルミル、アセチル、エトキシアセチル、フルオロアセチル、ジフルオロアセチル、トリフルオロアセチル、クロロアセチル、ジクロロアセチル、トリクロロアセチル、ブロモアセチル、ジブロモアセチル、トリブロモアセチル、プロピオニル、2−クロロプロピオニル、3−クロロプロピオニル、ブチリル、2−クロロブチリル、3−クロロブチリル、4−クロロブチリル、2−メチルブチリル、2−エチルブチリル、バレリル、2−メチルバレリル、4−メチルバレリル、ヘキサノイル、イソブチリル、イソバレリル、ピバロイル、ベンゾイル、o−クロロベンゾイル、m−クロロベンゾイル、p−クロロベンゾイル、 o−ヒドロキシベンゾイル、m−ヒドロキシベンゾイル、p−ヒドロキシベンゾイル、 o−アセトキシベンゾイル、 o−メトキシベンゾイル、m−メトキシベンゾイル、p−メトキシベンゾイル、p−ニトロベンゾイル等のアシル基、トリメチルシリル、トリエチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、t−ブチルジフェニルシリルなどのシリル基、テトラヒドロピラニル、メトキシメチル、メトキシエトキシメチル、1−エトキシエチルなどのアルコキシメチル基、ベンジル基、p−メトキシベンジル基、t−ブチル基、トリチル基、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基等が挙げられ、通常、アセチル基が好ましく用いられる。
【0007】
一般式(1)および(3)で示される化合物におけるArは置換基を有してもよいアリール基を示し、アリール基としてはフェニル基、ナフチル基等が挙げられ、置換基としては、C1からC5の直鎖または分枝状のアルキル基、C1からC5の直鎖または分枝状のアルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基等が挙げられる。
Arの具体例としては、フェニル、ナフチル、o−トリル,m−トリル,p−トリル、o−メトキシフェニル、m−メトキシフェニル、p−メトキシフェニル、o−クロロフェニル、m−クロロフェニル、p−クロロフェニル、o−ブロモフェニル、m−ブロモフェニル、p−ブロモフェニル、o−ヨードフェニル、m−ヨードフェニル、p−ヨードフェニル、o−フルオロフェニル、m−フルオロフェニル、p−フルオロフェニル、o−ニトロフェニル、m−ニトロフェニル、p−ニトロフェニル等が挙げられる。
【0008】
一般式(2)で示されるアリルハライド誘導体におけるXはハロゲン原子を示し、具体的には塩素原子、臭素原子、沃素原子等が挙げられる。
【0009】
本発明の原料化合物であるアリールスルホン誘導体(1)はChem.Lett. 479(1975)に記載された方法により、またアリルハライド誘導体(2)は、米国特許US4175204に記載された方法により容易に製造することができる。
【0010】
上記反応に用いられるアルカリ金属水酸化物としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウムが挙げられ、好ましくは水酸化カリウムが用いられる。それらを疎水性有機溶媒中でスラリーにて使用することにより、反応を効率よく進行させることができる。かかるアルカリ金属水酸化物は粒子径0.5〜20μmの微粉状にすることにより、反応を有効に促進することができる。粒子径0.5〜20μmの微粉状に粉砕する方法としては、特に限定されないが、湿式粉砕法が好ましい。湿式粉砕機としては、ビーズミル、ボールミル、分散・乳化装置などが挙げられる。湿式粉砕により得られた粒子径0.5〜20μmの微粉状のアルカリ金属水酸化物のスラリーはゲル状を呈する。かかるアルカリ金属水酸化物の使用量はアリールスルホン誘導体(1)に対して通常、1〜50モル倍程度、好ましくは5〜25モル倍程度である。
かかるアルカリ金属水酸化物の純度は90%以上が好ましく、より好ましくは95%以上である。かかるアルカリ金属水酸化物の活性化のために、溶媒等の条件にも依存するが、微量の水分を共存させる方が好ましい場合もある。
【0011】
上記微粉状アルカリ金属水酸化物の調製には分散剤を用いてもよく、かかる分散剤としては、非イオン性界面活性剤が好ましく、例えば、ポリアルキレングリコール、ポリアルキレングリコール モノエーテル、ポリアルキレングリコール ジエーテル、ポリアルキレングリコール モノエステル、ポリアルキレングリコール ジエステル、ポリアルキレングリコール モノエーテル モノエステル、シリコーンから選ばれる化合物を主成分とする非イオン性界面活性剤が挙げられる。
具体的にはポリメチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシメチレン ジアセテート、ポリエチレングリコール モノメチルエーテル、ポリエチレングリコール モノエチルエーテル、ポリエチレングリコール モノプロピルエーテル、ポリエチレングリコール モノブチルエーテル、ポリエチレングリコール モノセチルエーテル、ポリエチレングリコール モノステアリルエーテル、ポリエチレングリコール モノラウリルエーテル、ポリエチレングリコール モノオレイルエーテル、ポリオキシエチレン イソオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン イソオクチルシクロヘキシルエーテル、ポリエチレングリコール モノアクリレート、ポリエチレングリコール モノメタクリレート、ポリエチレングリコール モノステアレート、ポリエチレングリコール モノラウレート、ポリエチレングリコール モノオレエート、ポリエチレングリコール ジメチルエーテル、ポリエチレングリコール ジエチルエーテル、ポリエチレングリコール ジプロピルエーテル、ポリエチレングリコール ジブチルエーテル、ポリエチレングリコール ジビニルエーテル、ポリエチレングリコール ジアクリレート、ポリエチレングリコール ジベンゾエート、ポリエチレングリコール ジメタクリレート、ポリエチレングリコール ジステアレート、ポリエチレングリコール ジラウレート、ポリエチレングリコール ジオレエート、ポリエチレングリコール メチルエーテル アクリレート、ポリエチレングリコール メチルエーテル メタクリレート、ポリプロピレングリコール モノメチルエーテル、ポリプロピレングリコール モノエチルエーテル、ポリプロピレングリコール モノプロピルエーテル、ポリプロピレングリコール モノブチルエーテル、ポリプロピレングリコール モノセチルエーテル、ポリプロピレングリコール モノステアリルエーテル、ポリプロピレングリコール モノラウリルエーテル、ポリプロピレングリコール モノオレイルエーテル、ポリプロピレングリコール モノアクリレート、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート、ポリプロピレングリコール モノステアレート、ポリプロピレングリコール モノラウレート、ポリプロピレングリコール モノオレエート、ポリプロピレングリコール ジメチルエーテル、ポリプロピレングリコール ジエチルエーテル、ポリプロピレングリコール ジプロピルエーテル、ポリプロピレングリコール ジブチルエーテル、ポリプロピレングリコール ジビニルエーテル、ポリプロピレングリコール ジアクリレート、ポリプロピレングリコール ジベンゾエート、ポリプロピレングリコール ジメタクリレート、ポリプロピレングリコール ジステアレート、ポリプロピレングリコール ジラウレート、ポリプロピレングリコール ジオレエート、ポリプロピレングリコール メチルエーテル アクリレート、ポリプロピレングリコール メチルエーテル メタクリレート、ポリジメチルシロキサンなどが挙げられる。かかる分散剤の使用量はアルカリ金属水酸化物に対して通常、0.001〜5重量%程度である。
【0012】
上記反応には相間移動触媒を用いることができ、例えば、第4級アンモニウム塩、第4級ホスホニウム塩、スルホニウム塩等が挙げられ、好ましくは、第4級アンモニウム塩が挙げられる。
第4級アンモニウム塩としては、例えば、塩化テトラメチルアンモニウム、塩化テトラエチルアンモニウム、塩化テトラプロピルアンモニウム、塩化テトラブチルアンモニウム、塩化テトラペンチルアンモニウム、塩化テトラヘキシルアンモニウム、塩化テトラヘプチルアンモニウム、塩化テトラオクチルアンモニウム、塩化トリオクチルメチルアンモニウム、塩化テトラデシルアンモニウム、塩化トリデシルメチルアンモニウム、塩化ジデシルジメチルアンモニウム、塩化テトラドデシルアンモニウム、塩化トリドデシルメチルアンモニウム、塩化ジドデシルジメチルアンモニウム、塩化ドデシルトリメチルアンモニウム、塩化ドデシルトリエチルアンモニウム、塩化テトラヘキサデシルアンモニウム、塩化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、塩化ヘキサデシルジメチルエチルアンモニウム、塩化テトラオクタデシルアンモニウム、塩化オクタデシルトリメチルアンモニウム、塩化オクタデシルトリエチルアンモニウム、塩化ベンジルトリメチルアンモニウム、塩化ベンジルトリエチルアンモニウム、塩化ベンジルトリブチルアンモニウム、塩化1−メチルピリジニウム、塩化1−ヘキサデシルピリジニウム、塩化1,4−ジメチルピリジニウム、塩化トリメチルシクロプロピルアンモニウム、あるいはこれら塩化物塩が、それぞれ対応する臭化物塩、沃化物塩、硫酸水素塩となった化合物等が挙げられる。
【0013】
第4級ホスホニウム塩としては、例えば、塩化トリブチルメチルホスホニウム、塩化トリエチルメチルホスホニウム、塩化メチルトリフェノキシホスホニウム、塩化ブチルトリフェニルホスホニウム、塩化テトラブチルホスホニウム、塩化ベンジルトリフェニルホスホニウム、塩化テトラオクチルホスホニウム、塩化ヘキサデシルトリメチルホスホニウム、塩化ヘキサデシルトリブチルホスホニウム、塩化ヘキサデシルジメチルエチルホスホニウム、塩化テトラフェニルホスホニウム、あるいはこれら塩化物塩が、それぞれ対応する臭化物塩、沃化物塩となった化合物等が挙げられる。
【0014】
スルホニウム塩としては、例えば、塩化ベンジルメチルエチルスルホニウム、塩化ベンジルジメチルスルホニウム、塩化ベンジルジエチルスルホニウム、塩化ジブチルメチルスルホニウム、塩化トリメチルスルホニウム、塩化トリエチルスルホニウム、塩化トリブチルスルホニウム、あるいはこれら塩化物塩が、それぞれ対応する臭化物塩、沃化物塩となった化合物等が挙げられる。
【0015】
特に第4級アンモニウム塩が好ましい。
【0016】
かかる相間移動触媒の使用量は、アリールスルホン誘導体(1)に対して通常0.01〜0.2モル倍程度であり、好ましくは0.02〜0.1モル倍程度である。
【0017】
上記反応は、通常、有機溶媒中で実施され、アルカリ金属水酸化物が完溶せず、不均一に存在する疎水性有機溶媒が好ましい。使用される溶媒としてはn-ヘキサン、シクロヘキサン、n-ペンタン、ベンゼン、トルエン、キシレン等が挙げられる。これらは単一であっても2種以上の混合溶媒で使用してもよい。
【0018】
反応温度は通常、−78℃から溶媒の沸点までの範囲内で任意に選択できるが、好ましくは−20〜50℃程度の範囲である。反応が進行する温度範囲内では、アリルハライド誘導体(2)の安定性から、より低温の方が好ましい。また、反応時間は、用いる塩基の種類ならびに反応温度によって異なるが、通常0.5時間から24時間程度の範囲である。
反応後、通常の後処理、例えば水洗浄、抽出、晶析、各種クロマトグラフィーなどの操作をすることによりスルホン誘導体(3)および/またはトリエン誘導体(4)を製造することができる。
【0019】
【発明の効果】
本製造法によれば、安価で取り扱い容易なアルカリ金属水酸化物を0.5〜20μmまで粉砕することによって疎水性有機溶媒中、アリールスルホン誘導体(1)とアリルハライド誘導体(2)とのカップリング生成物を優れた収率で製造することができ、工業的製造法として優れている。
本製造法により得られるスルホン誘導体(3)および/またはトリエン誘導体(4)は、下記スキームに従って、ビタミンA(レチノール)へ誘導することができる。すなわち、スルホン誘導体(3)および/またはトリエン誘導体(4)をアルカリ金属のアリールスルフィン酸塩を使用してスルホン化反応に供し、スルホン誘導体(5)を得、該誘導体にアリルハライド誘導体(2)を反応させ得られるスルホン誘導体(6)を塩基と反応させることによりビタミンAを得ることができる(特許文献1参照)。
Figure 0004269687
(式中、●印は結合部位を表す)
【0020】
【実施例】
以下、実施例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
【0021】
(実施例1)
湿式粉砕により調製した粒子径0.5〜20μmの水酸化カリウム1.18g(純度95.5%、20mmol)/トルエン4mlスラリーに、30℃で臭化テトラ−n−ブチルアンモニウム16.6mg(0.05mmol)と水3.4μlを仕込み、アリルクロライド(II)0.42g(純度93.1%、2.4mmol)、およびアリールスルホン(I)0.29g(純度99.5%、1.0mmol)をトルエン1mlに溶解した溶液を加え同温で1時間攪拌した。反応後、飽和食塩水と飽和塩化アンモニウム水溶液を添加し、トルエンにて抽出した。得られた有機層は飽和食塩水で洗浄、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去することで粗生成物を得た。これを高速液体クロマトグラフィーにて定量したところ、スルホン化合物(III)、およびトリエン化合物(V)、(VI)の収率はそれぞれ0.6%、0.6%、92.1%、(合計93.3%)であった。
【0022】
(実施例2)
湿式粉砕による調製時にポリエチレングリコール(600)を水酸化カリウムに対して1重量%用いた以外は実施例1と同様に反応、後処理を行ったところ、スルホン化合物(III)、(IV)およびトリエン化合物(V)の収率はそれぞれ89.3%、1.0%、1.0%、(合計91.3%)であった。
【0023】
(実施例3)
反応時間を30分にした以外は実施例1と同様に反応、後処理を行ったところ、スルホン化合物(III)、(IV)およびトリエン化合物(V)、(VI)の収率はそれぞれ73.7%、3.7%、12.0%、0.8%(合計90.2%)であった。
【0024】
(実施例4)
湿式粉砕により調製した粒子径0.5〜20μmの水酸化カリウム1.18g(純度95.5%、20mmol)/トルエン4mlスラリーを2℃に冷却してから臭化テトラ−n−ブチルアンモニウム16.6mg(0.05mmol)と水3.4μlを仕込み、アリルクロライド(II)0.42g(純度93.1%、2.4mmol)、およびアリールスルホン(I)0.29g(純度99.5%、1.0mmol)をトルエン1mlに溶解した溶液を加え同温で2時間攪拌した。反応後、飽和食塩水と飽和塩化アンモニウム水溶液を添加し、トルエンにて抽出した。得られた有機層は飽和食塩水で洗浄、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去することで粗生成物を得た。これを高速液体クロマトグラフィーにて定量したところ、スルホン化合物(III)、(IV)、およびトリエン化合物(V)の収率はそれぞれ91.5%、0.2%、0.3%、(合計92.0%)であった。
【0025】
(実施例5)
湿式粉砕により調製した粒子径0.5〜20μmの水酸化カリウム0.59g(純度95.5%、10mmol)/トルエン4mlスラリーを2℃に冷却してから臭化テトラ−n−ブチルアンモニウム16.6mg(0.05mmol)と水1.7μlを仕込み、アリルクロライド(II)0.28g(純度93.1%、1.6mmol)、およびアリールスルホン(I)0.29g(純度99.5%、1.0mmol)をトルエン1mlに溶解した溶液を加え同温で2時間攪拌した。反応後、飽和食塩水と飽和塩化アンモニウム水溶液を添加し、トルエンにて抽出した。得られた有機層は飽和食塩水で洗浄、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去することで粗生成物を得た。これを高速液体クロマトグラフィーにて定量したところ、スルホン化合物(III)、(IV)、およびトリエン化合物(V)の収率はそれぞれ94.5%、0.4%、1.2%、(合計96.1%)であった。
【0026】
(実施例6)
水を添加しない以外は実施例2と同様に反応、後処理を行ったところ、スルホン化合物(III)、(IV)、およびトリエン化合物(V)の収率はそれぞれ77.2%、1.6%、11.7%、(合計90.5%)であった。
【0027】
以下に実施例の化合物の構造式を記す。
但し、Tsは、p−トリルスルホニル基を示し、Acはアセチル基を示す。
Figure 0004269687

Claims (6)

  1. 一般式(1)
    Figure 0004269687
    (式中、Arは置換基を有していてもよいアリール基を示す。)
    で示されるアリールスルホン誘導体と一般式(2)
    Figure 0004269687
    (式中、Xはハロゲン原子、Rは水酸基の保護基を示し、波線はE/Z幾何異性体のいずれか一方もしくはそれらの混合物であることを示す。)
    で示されるアリルハライド誘導体とを粒子径0.5〜20μmのアルカリ金属水酸化物、および相間移動触媒の存在下、疎水性有機溶媒中で反応させることを特徴とする一般式(3)
    Figure 0004269687
    (式中、R1は水素原子または水酸基の保護基を示し、Arおよび波線は前記と同じ意味を表す。)
    で示されるスルホン誘導体および/または、一般式(4)
    Figure 0004269687
    (式中、R1および波線は前記と同じ意味を表す。)
    で示されるトリエン誘導体の製造法。
  2. 粒子径0.5〜20μmのアルカリ金属水酸化物が、疎水性有機溶媒中湿式粉砕することにより得られるものである請求項1に記載の製造法。
  3. 相間移動触媒が第4級アンモニウム塩、第4級ホスホニウム塩もしくはスルホニウム塩である請求項1または2に記載の製造法。
  4. アルカリ金属水酸化物が水酸化カリウムである請求項1〜3のいずれかに記載の製造法。
  5. 水酸化カリウムが90%以上の純度である請求項4に記載の製造法。
  6. 一般式におけるRがアシル基である請求項1〜5のいずれかに記載の製造法。
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