JP4249442B2 - 両面粘着テープ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、支持体の両面に粘着剤層が設けられた両面粘着テープに関し、この両面粘着テープを巻回してロール状の製品とした場合において、巻回した積層間にセパレーター(離型材シート)を用いなくてもよい両面粘着テープに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、支持体両面に粘着剤層が設けられた両面粘着テープは、広く知られており、巻回しロール状の製品として、需要者に供給されている。そして、巻回した積層間には、離型紙等のセパレーターが挿入されている。セパレーターが挿入されていないと、積層間で粘着剤同士が接触して接着固化し、巻き戻すことが不能になるからである。
【0003】
しかしながら、このセパレーターは、巻き戻して、両面粘着テープを使用した後には、単なる廃棄物となってしまう。従って、省資源の観点からは、このセパレーターを不要にした両面粘着テープが求められている。
【0004】
このような要求に答えるものとして、異種のアクリル系粘着剤層を、支持体の両面に塗布した粘着テープが提案されている(特公昭35−7480号公報)。即ち、支持体の片面にはアクリル系粘着剤層Aを塗布し、他面にはアクリル系粘着剤層Bを塗布した粘着テープが提案されている。しかし、このような両面粘着テープは、アクリル系粘着剤層A及びBの組成を厳密に設定しなければ、巻回した積層間で接着固化を起こすということがあった。また、一応、巻き戻しが可能なように設定しても、積層間を剥離するのに未だ過大な力が必要となることもあった。そして、このため、支持体の選び方によっては、支持体が巻き戻し時に切断してしまうということもあった。
【0005】
このようなことから、支持体の両面にアクリル系粘着剤層を塗布し、一方の粘着剤層のみにシリコーン系ポリマーを含有させた両面粘着テープが提案されている(特開平5−70745号公報)。この両面粘着テープは、離型性を有するシリコーン系ポリマーを含有させた粘着剤層において、経日的にシリコーン系ポリマーが粘着剤層表面にブリードして、粘着剤層表面に離型性の被膜が形成された状態となるため、粘着剤同士の接着固化を防止しうるというものである。従って、支持体の両面に塗布するアクリル系粘着剤は、同一のものでも使用でき、その組成を厳密に設定する必要がないという利点を有するものである。しかしながら、このような両面粘着テープにおいては、シリコーン系ポリマーがブリードした粘着剤層の粘着力は、その表面に離型性の被膜が形成された状態となっているため、どうしても、低下するということがあった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明者等は、粘着剤同士が接着固化しにくく、しかも、粘着力の低下の少ない両面粘着テープを開発することを課題として、鋭意研究を行った結果、特定のポリエーテル系重合体をアクリル系粘着剤層中に含有させておけば、この課題を解決しうることを見出した。本発明は、このような知見に基づくものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、支持体の片面に、(メタ)アクリル酸エステルモノマーAを主モノマーとする重合体を含むアクリル系粘着剤層Aが設けられ、該支持体の他面には、該(メタ)アクリル酸エステルモノマーAとは異種の(メタ)アクリル酸エステルモノマーBを主モノマーとする重合体を含むアクリル系粘着剤層Bが設けられており、該粘着剤層A及び該粘着剤層Bの少なくともいずれか一方には、末端又は側鎖にアルコキシシリル基を有し、主鎖がポリオキシアルキレンエーテルであるポリエーテル系重合体が含有されていることを特徴とする両面粘着テープに関するものである。ここで、(メタ)アクリル酸エステルなる表現は、アクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルのいずれかであることを意味している。
【0008】
本発明で使用する支持体は、従来公知の任意のものを用いることができる。例えば、紙、不織布、織布、ポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリアミドフィルム、ポリイミドフィルム、アルミニウム箔等を用いることができる。特に本発明においては、巻き戻したとき、積層間を剥離するのに、過大な力は不要であるので、比較的強度の低い支持体であっても用いることができる。
【0009】
支持体の片面には、アクリル系粘着剤層Aが設けられている。アクリル系粘着剤層Aは、(メタ)アクリル酸エステルモノマーAを主モノマーとする重合体を含むものである。(メタ)アクリル酸エステルモノマーAとしては、従来公知のものを用いることができる。代表的には、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを用いることができ、特にアルキル基の炭素数が2〜12の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを用いるのが好ましい。(メタ)アクリル酸エステルモノマーAは主モノマーであり、主モノマー以外のその他のモノマーとしては、(メタ)アクリル酸、スチレン、酢酸ビニル、アクリロニトリル等が用いられる。主モノマー単独で又は主モノマーとその他のモノマーとが重合され、重合体が得られる。アクリル系粘着剤層Aは、この重合体が主体となって形成されているが、この重合体を架橋するためのイソシアネートやメラミン等(架橋剤)が含有されているのが、一般的である。
【0010】
支持体の他面には、アクリル系粘着剤層Bが設けられている。アクリル系粘着剤層Bは、(メタ)アクリル酸エステルモノマーBを主モノマーとする重合体を含むものである。(メタ)アクリル酸エステルモノマーBと上記した(メタ)アクリル酸エステルモノマーAとは、本発明においては、異種であることが必要である。例えば、(メタ)アクリル酸エステルモノマーAとして、ブチルアクリレートを使用した場合には、(メタ)アクリル酸エステルモノマーBとして、ブチルアクリルレート以外の(メタ)アクリル酸エステルを使用する必要がある。(メタ)アクリル酸エステルモノマーBと(メタ)アクリル酸エステルモノマーAとが同種であると(例えば、両者共にブチルアクリレートを使用すると)、アクリル系粘着剤層Bとアクリル系粘着剤層Aとの親和性が高くなり、両粘着剤層が接触したとき、接着固化しやすくなる。従って、両面粘着テープとして巻回したとき、積層間にセパレーターが必要となり、本発明の目的を達成することができない。
【0011】
(メタ)アクリル酸エステルモノマーBも主モノマーであり、主モノマー以外のその他のモノマーとしては、(メタ)アクリル酸エステルモノマーAの場合と同様に、(メタ)アクリル酸、スチレン、酢酸ビニル、アクリロニトリル等が用いられる。そして、主モノマー単独で又は主モノマーとその他のモノマーとが重合され、重合体が得られる。アクリル系粘着剤層Bも、この重合体が主体となって形成されているが、アクリル系粘着剤層Aの場合と同様に、この重合体を架橋するためのイソシアネート等が含有されているのが、一般的である。
【0012】
本発明においては、アクリル系粘着剤層A及びアクリル系粘着剤層Bの少なくともいずれか一方に、末端又は側鎖にアルコキシシリル基を有し、主鎖がポリオキシアルキレンエーテルであるポリエーテル系重合体が含有されている。即ち、アクリル系粘着剤層A又はBのいずれか一方のみに、ポリエーテル系重合体が含有されているか、又はアクリル系粘着剤層A及びBの双方に、ポリエーテル系重合体が含有されている。ポリエーテル系重合体の末端又は側鎖を形成するアルコキシシリル基は、(R1O)n−Si(R2)3-n−で表されるものである。R1及びR2はアルキル基であればどのようなものでもよいが、一般的に、R1としては炭素数1〜12のアルキル基が用いられ、R2としては炭素数1〜6のアルキル基が用いられる。また、nは1〜3の整数である。そして、主鎖は、−(R3O)m−で表されるポリオキシアルキレンエーテルとなっている。ここで、R3は、アルキレン基であればどのようなものでもよいが、一般的に炭素数1〜4のアルキレン基が用いられる。特に、炭素数2のポリオキシエチレンエーテルや炭素数3のポリオキシプロピレンエーテルが好適に用いられ、また、両者が混合して重合されているポリオキシエチレンプロピレンエーテルも好適に用いられる。このようなポリエーテル系重合体の具体例としては、鐘淵化学工業社製の商品名MSポリマー203,MSポリマー303,サイリルSAT030,サイリルSAT200,サイリルSAT350,サイリルMA430,サイリルMA440,サイリルMA447,サイリルMA450等が挙げられる。
【0013】
アクリル系粘着剤層A及び/又はB中におけるポリエーテル系重合体の含有率は、特に限定されるものではないが、10〜50質量%程度含有させておけばよい。また、アクリル系粘着剤層A及び/又はB中における架橋剤(イソシアネート等)の含有率は、含有されていない場合も含めて、特に限定されるものではないが、1〜10質量%程度含有させておけばよい。また、アクリル系粘着剤層A及びBの厚さも、特に限定されるものではないが、10〜100μm程度であればよい。本発明に係る両面粘着テープは、例えば、支持体の片面にアクリル系粘着剤層Aを形成し、一方、支持体の他面に、ポリエーテル系重合体を含有するアクリル系粘着剤層Bを形成した後、これを巻回してロール状にすれば、容易に得ることができる。
【0014】
本発明に係る両面粘着テープは、従来の両面粘着テープが用いられている用途であれば、どのような用途にも使用することができる。例えば、カレンダー、ポスター、掲示板等を接着乃至は貼着するため、封筒を封緘するため、家具や雑貨等の製造時において部材を接着するため、皮革製品を仮止めするため、印刷版を印胴等の基体に固定するため、家電製品に銘板や装飾プレートを固定するため、自動車本体に内装部品や外装部品を固定するため、床材・壁材・天井材等を貼り合わせ施工するため等に用いることができる。
【0015】
【実施例】
以下、実施例に基づいて本発明を説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。本発明は、両面に異種のアクリル系粘着剤層が設けられた両面粘着テープにおいて、少なくともいずれか一方のアクリル系粘着剤層中に、特定のポリエーテル系重合体を含有させておけば、この両面粘着テープを巻回したとき、接触した粘着剤同士が接着固化しにくくなるとの知見に基づくものであるとして、解釈されるべきである。
【0016】
実施例1
厚さ25μmのポリエステルフィルム(東洋紡株式会社製、商品名「E−5107」、両面コロナ処理)の片面に、2−エチルヘキシルアクリレートを主モノマーとして重合されたアクリル系粘着剤「ボンドKH40」(不揮発分40質量%、コニシ株式会社製)100質量部と、有機イソシアネートであるコロネートL(不揮発分75質量%、日本ポリウレタン工業株式会社製)1質量部とからなる粘着剤組成物A(これにより得られる粘着層を、アクリル系粘着剤層Aとする。)を、加熱乾燥後の塗布厚さが50μmとなるように塗工した。そして、粘着剤組成物層表面には離型紙を貼り合わせた。
一方、ポリエステルフィルムの他面に、ブチルアクリレートを主モノマーとして重合されたアクリル系粘着剤「ボンドKH55」(不揮発分40質量%、コニシ株式会社製)100質量部と、ポリエーテル系重合体であるカネカサイリルSAT200(不揮発分100質量%、鐘淵化学工業株式会社製)5質量部と、有機イソシアネートであるコロネートL(不揮発分75質量%、日本ポリウレタン工業株式会社製)1質量部とからなる粘着剤組成物B(これにより得られる粘着層を、アクリル系粘着剤層Bとする。)を、加熱乾燥後の塗布厚さが50μmとなるように塗工した。そして、粘着剤組成物層表面には離型紙を貼り合わせた。そして、両面に離型紙が貼り合わされてなる積層物を、40℃のオーブン中で3日間養生させた。そして、両面の離型紙を取り除いて、ポリエステルフィルムの片面にはアクリル系粘着剤層Aが設けられ、他面にはアクリル系粘着剤層Bが設けられた両面粘着テープを得た。
【0017】
実施例2
ポリエーテル系重合体であるカネカサイリルSAT200(不揮発分100質量%、鐘淵化学工業株式会社製)の含有量を15質量部とした他は、実施例1と同様にして両面粘着テープを得た。
【0018】
実施例3
〔アクリル系粘着剤の重合例1〕
粘着性モノマーである2−エチルヘキシルアクリレート72.5質量部、非粘着性モノマーであるエチルアクリレート17.4質量部、非粘着性モノマーである酢酸ビニル7.5質量部、架橋性モノマーであるアクリル酸2.5質量部、架橋性モノマーである2−ヒドロキシエチルメタクリレート0.1質量部を、重合溶媒である酢酸エチル150質量部中に仕込み、重合開始剤である過酸化ベンゾイル0.2質量部を用いて、攪拌器付き反応容器中で、窒素雰囲気下、80℃で5時間反応を行って、透明で均一な反応溶液を得た。反応溶液中の不揮発分は、40質量%であった。
【0019】
〔アクリル系粘着剤の重合例2〕
粘着性モノマーである2−エチルヘキシルアクリレートに代えて、ブチルアクリレートを用いた他は、重合例1と同様にして、透明で均一な反応溶液を得た。反応溶液中の不揮発分は、40質量%であった。
【0020】
上記した重合例1及び2で得られたアクリル系粘着剤を用いて、以下のようにして両面粘着テープを得た。
すなわち、実施例1で使用したポリエステルフィルムの片面に、重合例1で得られたアクリル系粘着剤(不揮発分40質量%を含む反応溶液)100質量部と、ポリエーテル系重合体であるカネカサイリルSAT200(不揮発分100質量%、鐘淵化学工業株式会社製)5質量部と、有機イソシアネートであるコロネートL(不揮発分75質量%、日本ポリウレタン工業株式会社製)1質量部とからなる粘着剤組成物A(これにより得られる粘着層を、アクリル系粘着剤層Aとする。)を、加熱乾燥後の塗布厚さが50μmとなるように塗工した。そして、粘着剤組成物層表面には離型紙を貼り合わせた。
一方、ポリエステルフィルムの他面に、重合例2で得られたアクリル系粘着剤(不揮発分40質量%を含む反応溶液)100質量部と、ポリエーテル系重合体であるカネカサイリルSAT200(不揮発分100質量%、鐘淵化学工業株式会社製)5質量部と、有機イソシアネートであるコロネートL(不揮発分75質量%、日本ポリウレタン工業株式会社製)1質量部とからなる粘着剤組成物B(これにより得られる粘着層を、アクリル系粘着剤層Bとする。)を、加熱乾燥後の塗布厚さが50μmとなるように塗工した。そして、粘着剤組成物層表面には離型紙を貼り合わせた。
そして、両面に離型紙が貼り合わされてなる積層物を、40℃のオーブン中で3日間養生させた。そして、両面の離型紙を取り除いて、ポリエステルフィルムの片面にはアクリル系粘着剤層Aが設けられ、他面にはアクリル系粘着剤層Bが設けられた両面粘着テープを得た。
【0021】
実施例4
粘着剤組成物A中の、ポリエーテル系重合体であるカネカサイリルSAT200(不揮発分100質量%、鐘淵化学工業株式会社製)の含有量を15質量部とした他は、実施例3と同様にして両面粘着テープを得た。
【0022】
比較例1
実施例1で使用したポリエステルフィルムの片面に、2−エチルヘキシルアクリレートを主モノマーとして重合されたアクリル系粘着剤「ボンドKH40」(不揮発分40質量%、コニシ株式会社製)100質量部と、有機イソシアネートであるコロネートL(不揮発分75質量%、日本ポリウレタン工業株式会社製)1質量部とからなる粘着剤組成物を、加熱乾燥後の塗布厚さが50μmとなるように塗工した。そして、粘着剤組成物層表面には離型紙を貼り合わせた。
一方、ポリエステルフィルムの他面にも、上記したのと同様の粘着剤組成物を、加熱乾燥後の塗布厚さが50μmとなるように塗工した。そして、粘着剤組成物層表面には離型紙を貼り合わせた。
そして、両面に離型紙が貼り合わされてなる積層物を、40℃のオーブン中で3日間養生させた。そして、両面の離型紙を取り除いて、ポリエステルフィルムの両面に同種のアクリル系粘着剤層が設けられた両面粘着テープを得た。
【0023】
比較例2
2−エチルヘキシルアクリレートを主モノマーとして重合されたアクリル系粘着剤「ボンドKH40」(不揮発分40質量%、コニシ株式会社製)に代えて、ブチルアクリレートを主モノマーとして重合されたアクリル系粘着剤「ボンドKH55」(不揮発分40質量%、コニシ株式会社製)を用いる他は、比較例1と同様にして両面粘着テープを得た。
【0024】
比較例3
アクリル系粘着剤層B中に、ポリエーテル系重合体〔カネカサイリルSAT200(不揮発分100質量%、鐘淵化学工業株式会社製)〕を含有させない他は、実施例1と同様にして両面粘着テープを得た。
【0025】
実施例1〜4及び比較例1〜3で得られた各両面粘着テープについて、以下の特性等を以下の方法で測定した。
〔剥離性試験〕
作成した各両面粘着テープを、幅25mmの短冊状にカットして試料片を得た。そして、実施例1〜4及び比較例3については、アクリル系粘着剤層Aとアクリル系粘着剤層Bとが接触するようにして、二枚の試料片を重ね合わせ、9.8kPaの荷重を負荷した状態で、40℃のオーブン中で3日間放置して、試料を得た。また、比較例1及び2については、同種のアクリル系粘着剤層が両面に設けられているものであるから、同種のアクリル系粘着剤層同士が接触するようにして、二枚の試料片を重ね合わせ、9.8kPaの荷重を負荷した状態で、40℃のオーブン中で3日間放置して、試料を得た。そして、各試料の試料片を、引張試験機を用いて剥離させ、その際の剥離強度(N/25mm)を測定し、その結果を表1に示した。
【0026】
【0027】
表1の結果から明らかなように、実施例1〜4に係る各両面粘着テープは、アクリル系粘着剤層A及びアクリル系粘着剤層Bとを接触させて二枚を接着させた後でも、小さな力でこの二枚を剥離することができる。これに対して、比較例1及び2に係る各両面粘着テープは剥離不能となり、また比較例3に係る両面粘着テープは剥離するのに大きな力が必要となる。
【0028】
〔粘着力〕
幅25mmの短冊状にカットした両面粘着テープを、SUS304板(厚み2mm)の表面に質量2kgのロールで圧着した。そして、両面粘着テープの他面(圧着面の反対面)には、裏打ち材として厚さ25μmのポリエステルフィルムを貼り合わせた。圧着72時間後の180度剥離強さ(N/25mm)を、23±2℃の雰囲気下で測定した。なお、引張速度は300mm/分とした。この結果を表2に示した。
【0029】
〔耐熱保持性〕
幅25mmの短冊状にカットした両面粘着テープを、SUS304板(厚み2mm)の表面に質量2kgのロールで、長手方向に25mmだけ圧着した。そして、圧着されていない部分(長手方向に25mmを超える部分)は、内面を内側にして折り重ねた。また、両面粘着テープの他面(圧着面の反対面)には、裏打ち材として厚さ25μmのポリエステルフィルムを貼り合わせた。20分経過後、SUS304板の一端を留め金で止めて垂直に立て、折り重ね片が垂直に垂れ下がるようにした。そして、この状態で、80℃±2℃の熱風循環式恒温装置内に10分間放置した後、更に折り重ね片の端に、質量1kg±0.01kgの重錘を付け、両面粘着テープが落下するまでの時間(hr)を測定した。この結果を表2に示した。
【0030】
〔昇温耐熱性〕
幅25mmの短冊状にカットした両面粘着テープを、SUS304板(厚み2mm)の表面に質量2kgのロールで、長手方向に25mmだけ圧着した。そして、圧着されていない部分(長手方向に25mmを超える部分)は、内面を内側にして折り重ねた。また、両面粘着テープの他面(圧着面の反対面)には、裏打ち材として厚さ25μmのポリエステルフィルムを貼り合わせた。20分経過後、SUS304板の一端を留め金で止めて垂直に立て、折り重ね片が垂直に垂れ下がるようにした。そして、折り重ね片の端に、質量1kg±0.01kgの重錘を付けて加熱装置内に入れ、40℃から毎分1℃ずつ昇温させた際の粘着シートの落下温度(℃)を測定した。この結果を表2に示した。
【0031】
なお、粘着力の単位はN/25mmであり、耐熱保持性の単位は時間(hr)であり、昇温耐熱性の単位は℃である。
【0032】
表2の結果から明らかなように、実施例1〜4に係る各両面粘着テープは、比較例1及び2に係る各両面粘着テープと同等程度の概ね良好な粘着力を示し、粘着力の大きな低下がないことが分かる。また、特筆すべきことは、ポリエーテル系重合体を含有させたアクリル系粘着剤層、即ち、実施例1及び2においてはアクリル系粘着剤層B側で、実施例3及び4においてはアクリル系粘着剤層A側及びB側で、耐熱保持性及び昇温耐熱性に関し、格段に優れていることが分かる。
【0033】
【発明の効果】
本発明に係る両面粘着テープは、支持体の両面に形成されたアクリル系粘着剤層A及びアクリル系粘着剤層Bの少なくともいずれか一方に、特定のポリエーテル系重合体が含有されているので、粘着剤層A及びBが接触して接着しても、強固な接着にならず、小さな力で良好に剥離しうるものである。従って、本発明に係る両面粘着テープを巻回してロール状にしたとき、セパレーターがなくても、容易に巻き戻すことができ、セパレーター不要の両面粘着テープを提供することができる。依って、セパレーターを用いずに両面粘着テープを得ることができるので、省資源という効果を奏すると共に、使用時にセパレーターが廃棄物として発生しないので、環境に悪影響を与えないという効果を奏するものである。
【0034】
また、アクリル系粘着剤層に特定のポリエーテル系重合体を含有させると、耐熱保持性や昇温耐熱性が向上し、粘着性の向上が図ることができるという格別顕著な予期せぬ効果をも奏するものである。
Claims (1)
- 支持体の片面に、(メタ)アクリル酸エステルモノマーAを主モノマーとする重合体を含むアクリル系粘着剤層Aが設けられ、該支持体の他面には、該(メタ)アクリル酸エステルモノマーAとは異種の(メタ)アクリル酸エステルモノマーBを主モノマーとする重合体を含むアクリル系粘着剤層Bが設けられており、該粘着剤層A及び該粘着剤層Bの少なくともいずれか一方には、末端又は側鎖にアルコキシシリル基を有し、主鎖がポリオキシアルキレンエーテルであるポリエーテル系重合体が含有されていることを特徴とする両面粘着テープ。
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