JP4246333B2 - 車両用ランプ - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の発光ダイオード素子を光源として備えた車両用ランプに関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来より、照明用ランプとしては、低電力、長寿命化等を目的として、複数の発光ダイオード素子を光源として用いたランプがある。例えば特開平１１−２７３４２３号公報には、平面状或いは半球面状に形成された基台（基板）上に光源としての発光ダイオード（ＬＥＤ）素子を多数個配置してなる発光部と、電源に直結されるソケットへの電気的な接続を自在に形成された口金を有して上記発光部が収納されるケーシングと、からなる発光ダイオード集合体ランプ（以下、ＬＥＤランプと称する）が開示されている。
【０００３】
ところで、電気自動車等の車両においては、航続距離を確保するため、車載補機等によるバッテリ消費電力を低減することが望まれている。また、エンジンを動力源とする一般の車両においても、バッテリ消費電力を低減してオルタネータによるエンジンへの負荷を軽減し、燃費の向上を図ることが望まれている。これに対処し、テールランプ、ストップランプ、ルームランプ等の車両用灯具の光源を、従来のフィラメントを有するランプ（以下フィラメントランプと称す）に代えて、上記ＬＥＤランプとすることも可能である。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、一般に、フィラメントランプのフィラメントは細長なコイル状に形成されており、このようなフィラメントランプから出射される光の配光特性は偏ったものであるため、車両用灯具は、フィラメントランプの配光特性に応じて反射鏡の形状を設定したりアウターレンズにリフレックスリフレクタを設ける等の対策が施されている。このため、フィラメントランプに代えて、平面状或いは半球面状の基板上に複数のＬＥＤ素子が配置されたＬＥＤランプを車両用灯具にそのまま適用した場合、適切な配光特性の照明光を得ることが困難である。その反面、ＬＥＤランプの配光特性に合わせて反射鏡やアウターレンズを交換することはコストの高騰等を招く。
【０００５】
本発明は上記事情に鑑み、安価で汎用性に優れ、車両用灯具の配光特性を良好なものとすることのできる車両用ランプを提供することを目的とする。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項１に記載の本発明による車両用ランプは、複数の発光ダイオード素子を基板上に光源として配設してなる発光部と、この発光部を導通支持しソケットに着脱自在に装着される口金と、を備えた車両用ランプであって、上記基板を略半円筒形状に形成して上記発光部から出射される光の配光特性を放射状としたことを特徴とする。
【０００７】
また、請求項２記載の発明による車両用ランプは、請求項１記載の車両用ランプにおいて、上記口金に、上記ソケットへの装着位置を規定する装着位置規定手段を設けたことを特徴とする。
【０００８】
また、請求項３記載の発明による車両用ランプは、請求項１または２に記載の車両用ランプにおいて、上記口金は、該口金に配設され上記発光部に接続される正極端子および負極端子のうち何れか一方を複数備え、複数の上記正極端子あるいは上記負極端子を、それぞれ異なる抵抗値の抵抗を介して上記発光部に接続したことを特徴とする。
【０００９】
また、請求項４記載の発明による車両用ランプは、請求項１または２に記載の車両用ランプにおいて、上記口金は、該口金に配設され、上記発光部に接続される正極端子および負極端子と、輝度切換信号を入力可能な信号端子と、を備え、上記正極端子或いは上記負極端子の何れか一方を、上記信号端子から入力される輝度切換信号に応じて抵抗値が切り換えられる抵抗切換回路を介して、上記発光部に接続したことを特徴とする。
【００１０】
また、請求項５記載の発明による車両用ランプは、請求項１または２に記載の車両用ランプにおいて、上記口金は、該口金に配設され、上記発光部に接続される正極端子および負極端子と、輝度切換デューティ信号を入力可能な信号端子と、を備え、上記正極端子或いは上記負極端子の何れか一方を、上記信号端子から入力される上記輝度切換デューティ信号に応じてＯＮ／ＯＦＦ切り換えされるスイッチ素子を介して上記発光部に接続したことを特徴とする。
【００１１】
また、請求項６記載の発明による車両用ランプは、請求項１または２に記載の車両用ランプにおいて、上記口金は、該口金に配設され上記発光部に接続される正極端子および負極端子のうち、何れか一方を複数備え、複数の上記正極端子あるいは上記負極端子を、上記基板に配設された複数の上記発光ダイオードを複数系統に分割して形成した複数の上記発光部に、それぞれ独立して接続したことを特徴とする。
【００１２】
また、請求項７記載の発明による車両用ランプは、請求項１または２に記載の車両用ランプにおいて、上記口金は、該口金に配設され、上記発光部に接続される正極端子および負極端子と、輝度切換信号を入力可能な信号端子と、を備え、上記正極端子或いは上記負極端子の何れか一方を、上記基板に配設された複数の上記発光ダイオードを複数系統に分割して形成した複数の上記発光部を上記信号端子から入力される上記輝度切換信号に応じて選択的に発光させる発光部切換回路を介して上記発光部に接続したことを特徴とする。
【００１３】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図１乃至図３は本発明の第１の実施の形態に係わり、図１はＬＥＤランプ及びソケットの分解斜視図、図２は車両用灯具の断面図、図３はＬＥＤランプの回路構成図、である。
【００１４】
ここで、本実施の形態は、例えば、ダブルフィラメントのランプを用いてテールランプとストップランプを一体に形成した車両用灯具に対し、上記ダブルフィラメントランプの代用として適用が可能な発光ダイオードを用いた車両用ランプ（以下、ＬＥＤランプと称する）の一例を示すものである。
【００１５】
そこで、先ず、本実施の形態の説明に先立ち、ダブルフィラメントランプを用いてテールランプとストップランプを一体に形成した従来の車両用灯具について簡単に説明する。図２（ｂ）に示すように、この車両用灯具２０は、略中央部にソケット２ａを介してダブルフィラメントランプ２４が装着されたハウジング２１と、このハウジング２１の開口部を覆うアウターレンズ２２と、を備えて構成されている。
【００１６】
ここで、ダブルフィラメントランプ２４の口金２４ｃには図示しないキーが設けられ、ソケット２ａには図示しないキー溝が設けられることによって、ダブルフィラメントランプ２４は、車両用灯具２０に対する装着位置が規定されている。すなわち、ダブルフィラメントランプ２４の発行部であるテールランプ用フィラメント２４ａ及びストップランプ用フィラメント２４ｂの装着位置（装着方向）が上記キー及びキー溝によって規定される。
【００１７】
そして、ハウジング２１の内面には反射鏡２５が形成されているとともに、アウターレンズ２２の裏面にはリフレックスリフレクタ２６が形成されており、これらを、上記キー及びキー溝によって規定されたフィラメント２４ａ，２４ｂの配光特性に応じて適切に設定することにより、ダブルフィラメントランプ２４からの出射光は適切に補正された後、アウターレンズ２２の外部に出射されるようになっている。
【００１８】
次に、本実施の形態による車両用ランプについて説明する。図中符号１はＬＥＤランプを示し、このＬＥＤランプ１は、複数の発光ダイオード素子（以下、ＬＥＤ素子）３を光源として有する発光部４と、この発光部４を導通支持する口金５と、この口金５の端部に設けられ発光部４を覆う外管６と、を備えて構成されている。
【００１９】
上記発光部４は、略半円筒形状に湾曲形成された基板７を備え、この基板７にＬＥＤ素子３が配設されて要部が構成されている。ここで、各ＬＥＤ素子３は、例えば基板７上に設けられた図示しない配線パターンによってシリーズパラレル接続されている（図３参照）。
【００２０】
上記口金５の上端部からは正負の給電線９，１０が延出されている。これらの給電線９，１０は、基板７に接続されることによって、各ＬＥＤ素子３と電気的に接続されているとともに、発光部４を支持する。
【００２１】
ここで、上記基板７（発光部４）の幅は、車両用灯具２０に適用可能なダブルフィラメントランプ２４のフィラメント２４ａ，２４ｂの幅と略同様に設定されていることが望ましい。また、口金５から発光部４までの高さは、車両用灯具２０に適用可能なダブルフィラメントランプ２４の口金２４ｃからフィラメント２４ａ，２４ｂまでの高さと略同様に設定されていることが望ましい。
【００２２】
すなわち、略半円筒形状に形成した基板７にＬＥＤ素子３を配設し、基板７の幅、及び、口金５から発光部４までの高さを所定に設定することにより、このＬＥＤランプ１は、車両用灯具２０に適用可能なフィラメントランプ２４と同様の配光特性で放射状に発光するようになっている。具体的には、発光部４は、ダブルフィラメントランプ２４と同様に、前方のみならず、側方及び後方にも光を出射する。
【００２３】
上記給電線９には、口金５内部で、互いに異なる抵抗値Ｒ１，Ｒ２を有する抵抗１１ａ，１１ｂがそれぞれ直列に接続され、これらの抵抗１１ａ，１１ｂは、口金５の底面に突出して設けられた正極端子１２ａ，１２ｂにそれぞれ接続されている。
【００２４】
また、口金５の側面は負極端子１３として形成され、この負極端子１３には、給電線１０が接続されている。
【００２５】
ここで、抵抗値Ｒ１は、正極端子１２ａ及び負極端子１３に所定の電圧が印加された際に、発光部４をテールランプ用の光源として規定の輝度で発光させ得る抵抗値に設定され、また、抵抗値Ｒ２は、正極端子１２ｂ及び負極端子１３に所定の電圧が印加された際に、発光部４をストップランプ用の光源として規定の輝度で発光させ得る抵抗値に設定されている。
【００２６】
また、口金５の側面には、口金５をソケット２（後述する）に装着した際に装着位置を規定するための装着位置規定手段としてのキー１４ａ，１４ｂが設けられている。
【００２７】
上記ソケット２は、上述したダブルフィラメントランプ２４に適用されるソケット２ａと同様に構成されるものであり、上記ＬＥＤランプ１と同規格のダブルフィラメントランプ２４も装脱自在なものである。
【００２８】
すなわち、ソケット２は、口金５を装脱自在に装着する口金穴１５を備え、この口金穴１５の底部には、正極端子１２ａ，１２ｂに接離自在な接点１６ａ，１６ｂが設けられている。
【００２９】
また、口金穴１５の側部内周には、負極端子１３と接離自在な接点１７が設けられているとともに、キー１４ａ，１４ｂに対応するキー溝１８ａ，１８ｂが設けられている。
【００３０】
また、ソケット２の外周には、該ソケット２が車両用灯具に装着された際に、その装着位置を規定するためのフランジ１９が設けられている。
【００３１】
次に、テールランプ及びストップランプが一体に形成された上記車両用灯具２０に、ＬＥＤランプ１をダブルフィラメントランプ２４の代用として適用した一例について説明する。
【００３２】
図２（ａ）に示すように、ＬＥＤランプ１は、フランジ１９によってソケット２のハウジング２１に対する装着位置が規定され、キー１４ａ，１４ｂ及びキー溝１８ａ，１８ｂによってＬＥＤランプ１のソケット２に対する装着位置が規定されることによって、発光部４が規定位置に配設された状態で車両用灯具２０に装着される。
【００３３】
具体的には、上記発光部４は、車両用灯具２０内部において、その長手方向がダブルフィラメントランプ２４が装着された際のフィラメント２４ａ，２４ｂの長手方向と同様の方向であって、その高さ位置が上記フィラメント２４ａ，２４ｂと同様の高さ位置となるよう配設される。
【００３４】
そして、ソケット２を介して端子１２ａ，１３にテールランプ用の電圧が印加されると、ＬＥＤランプ１はテールランプ用の光源としての規定の光量で発光する。このとき、ＬＥＤランプ１は、車両用灯具２０にダブルフィラメントランプ２４が装着されたときと同様の配光特性で発光するので、ＬＥＤランプ１からの出射光は、反射鏡２５及びリフレックスリフレクタ２６で適切に補正された後、アウターレンズの外部に出射される。
【００３５】
同様に、ソケット２を介して端子１２ｂ，１３にストップランプ用の電圧が印加されると、ＬＥＤランプ１はストップランプ用の光源として規定の光量で発光する。このとき、ＬＥＤランプ１は、車両用灯具２０にダブルフィラメントランプ２４が装着されたときと同様の配光特性で発光するので、ＬＥＤランプ１からの出射光は、反射鏡２５及びリフレックスリフレクタ２６で適切に補正された後、アウターレンズの外部に出射される。
【００３６】
このような実施の形態によれば、略半円筒形状に形成した基板７にＬＥＤ素子３を配設し、基板７の幅、及び、口金５から発光部４までの高さを所定に設定することにより、ＬＥＤランプ１を、車両用灯具２０に適用可能なフィラメントランプ２４と同様の配光特性で放射状に発光させることができる。
【００３７】
従って、フィラメントランプの配光特性に合わせて設計された車両用灯具に対してもこのＬＥＤランプ１を適用することができ、汎用性に富んだものとすることができる。換言すれば、このＬＥＤランプ１は、前方のみならず側方及び後方にもフィラメントランプと同様な配光特性で光を出射するので、フィラメントランプに代えて車両用灯具にＬＥＤランプ１を適用する際に、ＬＥＤランプの特性に合わせて反射鏡やアウターレンズを交換することなく、アウターレンズから出射される照明光を適切なものとすることができ、フィラメントランプに代えてＬＥＤランプ１を用いることによるコストの高騰を低減することができる。
【００３８】
このとき、キー１４ａ，１４ｂ及びキー溝１８ａ，１８ｂによって、車両用灯具内部における発光部４の配設位置は、フィラメントランプを適用した際のフィラメントの配設位置と同様に適切な位置に規定することができる。
【００３９】
また、口金５に２つの正極端子１２ａ，１２ｂを設け、これらの正極端子１２ａ，１２ｂを、それぞれ異なる抵抗値の抵抗１１ａ，１１ｂを介して、発光部４に接続することにより、ＬＥＤランプ１を、ダブルフィラメントランプ用のソケットにそのまま適用することができ、しかも、簡単な構成で異なる２段階輝度の発光を行うことができる。従って、ＬＥＤランプ１を、より汎用性に富んだものとすることができる。
【００４０】
また、ＬＥＤランプ１は、少量の消費電力で所望の光量を得ることができるので、車両用灯具による消費電力を低減することができ、車両の燃費向上、航続距離の向上等を図ることができる。
【００４１】
また、ＬＥＤ素子３はフィラメントに比べて一般に長寿命であるため、ＬＥＤランプ１の長寿命化を図ることができる。従って、車両用ランプの動作信頼性を向上することができる。
【００４２】
次に、図４は本発明の第２の実施の形態に係わり、図４はＬＥＤランプの回路構成図である。本実施の形態によるＬＥＤランプ１ａは、発光部４を異なる輝度で発光させるための回路構成が、上述の第１の実施の形態と異なる。なお、その他、上述の第１の実施の形態と同様な構成については、同符号を付して説明を省略する。
【００４３】
図４に示すように、給電線９は抵抗１１ａを介して正極端子１２ａに接続されている。さらに、抵抗１１ａには、抵抗値がＲ３に設定された抵抗１１ｃとこの抵抗１１ｃの導通をＯＮ／ＯＦＦ切換するスイッチ素子３０が並列に接続されている。
【００４４】
また、口金５の底面には、正極端子１２ｂに代えて信号端子３１が設けられ、この信号端子３１はスイッチ素子３０に接続されている。そして信号端子３１から入力される輝度切換信号に応じて、スイッチ素子３０は抵抗１１の導通をＯＮ／ＯＦＦ切換するようになっている。
【００４５】
すなわち、上記口金５の内部には、上記抵抗１１ａ，１１ｃ及びスイッチ素子３０によって、正極端子１２ａと発光部４との間の抵抗値を輝度切換信号に応じて切換可能な抵抗切換回路３２が形成されている。
【００４６】
ここで、抵抗値Ｒ１は、スイッチ素子３０がＯＦＦされた状態で、正極端子１２ａ及び負極端子１３に所定の電圧が印加された際に、発光部４をテールランプ用の光源として規定の輝度で発光させ得る抵抗値に設定されている。また、抵抗値Ｒ１，Ｒ３は、スイッチ素子３０がＯＮされた状態で、正極端子１２ａ及び負極端子１３に所定の電圧が印加された際に、発光部４をストップランプ用の光源として規定の輝度で発光させ得る抵抗値に設定されている。
【００４７】
このような実施の形態によれば、上述の第１の実施の形態と略同様の作用・効果を得ることができる。なお、正極端子１２ｂを信号端子３１に代えた場合においても、ソケット２の車両に対する配線を変更するのみで、上記ソケット２を車両用灯具にそのまま適用することが可能である。
【００４８】
次に、図５は本発明の第３の実施の形態に係わり、図５はＬＥＤランプの回路構成図である。本実施の形態によるＬＥＤランプ１ｂは、発光部４を異なる輝度で発光させるための回路構成が、上述の第１の実施の形態と異なる。なお、その他、上述の第１の実施の形態と同様な構成については、同符号を付して説明を省略する。
【００４９】
図５に示すように、給電線９は、抵抗値がＲ４に設定された抵抗１１ｄと、この抵抗１１ｄの導通をＯＮ／ＯＦＦ切換するスイッチ素子２５を介して正極端子１２ａに接続されている。
【００５０】
また、口金５の底面には、正極端子１２ｂに代えて信号端子３６が設けられ、この信号端子３６はスイッチ素子３５に接続されている。そして信号端子３６から入力される輝度切換デューティ信号に応じて、スイッチ素子３５は抵抗１１ｄの導通をＯＮ／ＯＦＦ切換するようになっている。
【００５１】
上記構成においては、信号端子３６から入力される輝度切換デューティ信号をに応じてスイッチ素子３６がＯＮ／ＯＦＦされることによって、発光部４の輝度を無段階調節することができる。従って、輝度切換デューティ信号を適切に設定することにより、ＬＥＤランプ１ｂをテールランプ用及びストップランプ用のランプとして適用することができる。
【００５２】
このような実施の形態によれば、上述の第１の実施の形態と略同様の作用・効果を得ることができる。なお、正極端子１２ｂを信号端子３６に代えた場合においても、ソケット２の車両に対する配線を変更するのみで、上記ソケット２を車両用灯具にそのまま適用することが可能である。
【００５３】
次に、図６は本発明の第４の実施の形態に係わり、図６はＬＥＤランプの回路構成図である。本実施の形態によるＬＥＤランプ１ｃは、発光部４を第１の発光部４ａと第２の発光部４ｂの２系統に分割した点、及びこれらの発光部４ａ，４ｂを発光させるための回路構成が、上述の第１の実施の形態と異なる。なお、その他、上述の第１の実施の形態と同様な構成については、同符号を付して説明を省略する。
【００５４】
図６に示すように、発光部４は、複数のＬＥＤ素子３が直列に接続された第１の発光部４ａと、複数のＬＥＤ素子３が直列に接続された第２の発光部４ｂと、を備え、これらの負極側は共に給電線１０を介して負極端子１３に接続されている。
【００５５】
また、第１の発光部４ａの正極側は、給電線９ａと、抵抗値がＲ５に設定された抵抗１１ｅと、を介して正極端子１２ａに接続され、第２の発光部４ｂは、給電線９ｂと、抵抗値がＲ６に設定された抵抗１１ｆと、を介して正極端子１２ｂに接続されている。
【００５６】
ここで、抵抗値Ｒ５は、正極端子１２ａ及び負極端子１３に所定の電圧が印加された際に、発光部４ａをテールランプ用の光源として規定の輝度で発光させ得る抵抗値に設定され、また、抵抗値Ｒ６は、正極端子１２ｂ及び負極端子１３に所定の電圧が印加された際に、発光部４ｂをストップランプ用の光源として規定の輝度で発光させ得る抵抗値に設定されている。
【００５７】
このような実施の形態によれば、上述の第１の実施の形態と略同様の作用・効果を得ることができる。
【００５８】
次に、図７は本発明の第５の実施の形態に係わり、図７はＬＥＤランプの回路構成図である。本実施の形態によるＬＥＤランプ１ｄは、発光部４ａ，４ｂを異なる輝度で発光させるための回路構成が、上述の第４の実施の形態と異なる。なお、その他、上述の第４の実施の形態と同様な構成については、同符号を付して説明を省略する。
【００５９】
図７に示すように、第１の発光部４ａの正極側は、給電線９ａと、抵抗１１ｅとを介して正極端子１２ａに接続され、第２の発光部４ｂの正極側は、給電線９ｂと、抵抗値がＲ７に設定された抵抗１１ｇと、スイッチ素子３０とを介して正極端子１２ａに接続されている。
【００６０】
また、口金５の底面には、正極端子１２ｂに代えて信号端子３１が設けられ、この信号端子３１はスイッチ素子３０に接続されている。そして信号端子３１から入力される輝度切換信号に応じて、スイッチ素子３０は抵抗１１の導通をＯＮ／ＯＦＦ切換するようになっている。
【００６１】
すなわち、上記口金５の内部には、上記抵抗１１ｅ，１１ｇ及びスイッチ素子３０によって、第１の発光部４ａのみの発光と、第１の発光部４ａ及び第２の発光部４ｂの発光と、を選択的に輝度切換信号に応じて切り換える発光部切換回路３３が形成されている。
【００６２】
ここで、抵抗値Ｒ５は、スイッチ素子３０がＯＦＦされた状態で、正極端子１２ａ及び負極端子１３に所定の電圧が印加された際に、第１の発光部４ａをテールランプ用の光源として規定の輝度で発光させ得る抵抗値に設定されている。また、抵抗値Ｒ５，Ｒ７は、スイッチ素子３０がＯＮされた状態で、正極端子１２ａ及び負極端子１３に所定の電圧が印加された際に、第１，第２の発光部４ａ，４ｂによるトータルの輝度をストップランプ用の光源としての規定の輝度とし得る抵抗値に設定されている。
【００６３】
このような実施の形態によれば、上述の第１の実施の形態と略同様の作用・効果を得ることができる。なお、正極端子１２ｂを信号端子３１に代えた場合においても、ソケット２の配線を変更するのみで、上記ソケット２を車両用灯具にそのまま適用することが可能である。
【００６４】
なお、上述の各実施の形態においては、ＬＥＤランプを、テールランプとストップランプが一体形成された車両用灯具に適用した一例を示したが、本発明はこれに限られるものではなく、例えば、テールランプ単体、ストップランプ単体、及びルームランプ等の車両用灯具にも適用が可能である。このような場合、適用される車両用灯具に応じて、ＬＥＤランプの輝度を単一の輝度に設定してもよいし、３段階以上の複数段に設定してもよい。このとき、設定される輝度数等に応じて、正極端子、負極端子、及び信号端子等の端子類やスイッチ素子及び抵抗等を任意に設定してもよい。
【００６５】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、複数の発光ダイオード素子を用いて車両用ランプを構成し、この車両用ランプの配光特性を、フィラメントを用いたランプと同様の配光特性としたので、安価で汎用性に優れ、消費電力を低減することができ、且つ、動作信頼性を向上することのできる車両用ランプを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】図１乃至図３は本発明の第１の実施の形態に係わり、図１はＬＥＤランプ及びソケットの分解斜視図
【図２】車両用灯具の断面図
【図３】ＬＥＤランプの回路構成図
【図４】本発明の第２の実施の形態に係わり、ＬＥＤランプの回路構成図
【図５】本発明の第３の実施の形態に係わり、ＬＥＤランプの回路構成図
【図６】本発明の第４の実施の形態に係わり、ＬＥＤランプの回路構成図
【図７】本発明の第５の実施の形態に係わり、ＬＥＤランプの回路構成図
【符号の説明】
１，１ａ〜１ｄ … ＬＥＤランプ
２ … ソケット
３ … 発光ダイオード
４ … 発光部
５ … 口金
７ … 基板
１１ａ〜１１ｇ … 抵抗
１２ａ，１２ｂ … 正極端子
１３ … 負極端子
１４ａ，１４ｂ … キー
３０，３５ … スイッチ素子
３２ … 抵抗切換回路
３３ … 発光部切換回路
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の発光ダイオード素子を光源として備えた車両用ランプに関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来より、照明用ランプとしては、低電力、長寿命化等を目的として、複数の発光ダイオード素子を光源として用いたランプがある。例えば特開平１１−２７３４２３号公報には、平面状或いは半球面状に形成された基台（基板）上に光源としての発光ダイオード（ＬＥＤ）素子を多数個配置してなる発光部と、電源に直結されるソケットへの電気的な接続を自在に形成された口金を有して上記発光部が収納されるケーシングと、からなる発光ダイオード集合体ランプ（以下、ＬＥＤランプと称する）が開示されている。
【０００３】
ところで、電気自動車等の車両においては、航続距離を確保するため、車載補機等によるバッテリ消費電力を低減することが望まれている。また、エンジンを動力源とする一般の車両においても、バッテリ消費電力を低減してオルタネータによるエンジンへの負荷を軽減し、燃費の向上を図ることが望まれている。これに対処し、テールランプ、ストップランプ、ルームランプ等の車両用灯具の光源を、従来のフィラメントを有するランプ（以下フィラメントランプと称す）に代えて、上記ＬＥＤランプとすることも可能である。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、一般に、フィラメントランプのフィラメントは細長なコイル状に形成されており、このようなフィラメントランプから出射される光の配光特性は偏ったものであるため、車両用灯具は、フィラメントランプの配光特性に応じて反射鏡の形状を設定したりアウターレンズにリフレックスリフレクタを設ける等の対策が施されている。このため、フィラメントランプに代えて、平面状或いは半球面状の基板上に複数のＬＥＤ素子が配置されたＬＥＤランプを車両用灯具にそのまま適用した場合、適切な配光特性の照明光を得ることが困難である。その反面、ＬＥＤランプの配光特性に合わせて反射鏡やアウターレンズを交換することはコストの高騰等を招く。
【０００５】
本発明は上記事情に鑑み、安価で汎用性に優れ、車両用灯具の配光特性を良好なものとすることのできる車両用ランプを提供することを目的とする。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項１に記載の本発明による車両用ランプは、複数の発光ダイオード素子を基板上に光源として配設してなる発光部と、この発光部を導通支持しソケットに着脱自在に装着される口金と、を備えた車両用ランプであって、上記基板を略半円筒形状に形成して上記発光部から出射される光の配光特性を放射状としたことを特徴とする。
【０００７】
また、請求項２記載の発明による車両用ランプは、請求項１記載の車両用ランプにおいて、上記口金に、上記ソケットへの装着位置を規定する装着位置規定手段を設けたことを特徴とする。
【０００８】
また、請求項３記載の発明による車両用ランプは、請求項１または２に記載の車両用ランプにおいて、上記口金は、該口金に配設され上記発光部に接続される正極端子および負極端子のうち何れか一方を複数備え、複数の上記正極端子あるいは上記負極端子を、それぞれ異なる抵抗値の抵抗を介して上記発光部に接続したことを特徴とする。
【０００９】
また、請求項４記載の発明による車両用ランプは、請求項１または２に記載の車両用ランプにおいて、上記口金は、該口金に配設され、上記発光部に接続される正極端子および負極端子と、輝度切換信号を入力可能な信号端子と、を備え、上記正極端子或いは上記負極端子の何れか一方を、上記信号端子から入力される輝度切換信号に応じて抵抗値が切り換えられる抵抗切換回路を介して、上記発光部に接続したことを特徴とする。
【００１０】
また、請求項５記載の発明による車両用ランプは、請求項１または２に記載の車両用ランプにおいて、上記口金は、該口金に配設され、上記発光部に接続される正極端子および負極端子と、輝度切換デューティ信号を入力可能な信号端子と、を備え、上記正極端子或いは上記負極端子の何れか一方を、上記信号端子から入力される上記輝度切換デューティ信号に応じてＯＮ／ＯＦＦ切り換えされるスイッチ素子を介して上記発光部に接続したことを特徴とする。
【００１１】
また、請求項６記載の発明による車両用ランプは、請求項１または２に記載の車両用ランプにおいて、上記口金は、該口金に配設され上記発光部に接続される正極端子および負極端子のうち、何れか一方を複数備え、複数の上記正極端子あるいは上記負極端子を、上記基板に配設された複数の上記発光ダイオードを複数系統に分割して形成した複数の上記発光部に、それぞれ独立して接続したことを特徴とする。
【００１２】
また、請求項７記載の発明による車両用ランプは、請求項１または２に記載の車両用ランプにおいて、上記口金は、該口金に配設され、上記発光部に接続される正極端子および負極端子と、輝度切換信号を入力可能な信号端子と、を備え、上記正極端子或いは上記負極端子の何れか一方を、上記基板に配設された複数の上記発光ダイオードを複数系統に分割して形成した複数の上記発光部を上記信号端子から入力される上記輝度切換信号に応じて選択的に発光させる発光部切換回路を介して上記発光部に接続したことを特徴とする。
【００１３】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図１乃至図３は本発明の第１の実施の形態に係わり、図１はＬＥＤランプ及びソケットの分解斜視図、図２は車両用灯具の断面図、図３はＬＥＤランプの回路構成図、である。
【００１４】
ここで、本実施の形態は、例えば、ダブルフィラメントのランプを用いてテールランプとストップランプを一体に形成した車両用灯具に対し、上記ダブルフィラメントランプの代用として適用が可能な発光ダイオードを用いた車両用ランプ（以下、ＬＥＤランプと称する）の一例を示すものである。
【００１５】
そこで、先ず、本実施の形態の説明に先立ち、ダブルフィラメントランプを用いてテールランプとストップランプを一体に形成した従来の車両用灯具について簡単に説明する。図２（ｂ）に示すように、この車両用灯具２０は、略中央部にソケット２ａを介してダブルフィラメントランプ２４が装着されたハウジング２１と、このハウジング２１の開口部を覆うアウターレンズ２２と、を備えて構成されている。
【００１６】
ここで、ダブルフィラメントランプ２４の口金２４ｃには図示しないキーが設けられ、ソケット２ａには図示しないキー溝が設けられることによって、ダブルフィラメントランプ２４は、車両用灯具２０に対する装着位置が規定されている。すなわち、ダブルフィラメントランプ２４の発行部であるテールランプ用フィラメント２４ａ及びストップランプ用フィラメント２４ｂの装着位置（装着方向）が上記キー及びキー溝によって規定される。
【００１７】
そして、ハウジング２１の内面には反射鏡２５が形成されているとともに、アウターレンズ２２の裏面にはリフレックスリフレクタ２６が形成されており、これらを、上記キー及びキー溝によって規定されたフィラメント２４ａ，２４ｂの配光特性に応じて適切に設定することにより、ダブルフィラメントランプ２４からの出射光は適切に補正された後、アウターレンズ２２の外部に出射されるようになっている。
【００１８】
次に、本実施の形態による車両用ランプについて説明する。図中符号１はＬＥＤランプを示し、このＬＥＤランプ１は、複数の発光ダイオード素子（以下、ＬＥＤ素子）３を光源として有する発光部４と、この発光部４を導通支持する口金５と、この口金５の端部に設けられ発光部４を覆う外管６と、を備えて構成されている。
【００１９】
上記発光部４は、略半円筒形状に湾曲形成された基板７を備え、この基板７にＬＥＤ素子３が配設されて要部が構成されている。ここで、各ＬＥＤ素子３は、例えば基板７上に設けられた図示しない配線パターンによってシリーズパラレル接続されている（図３参照）。
【００２０】
上記口金５の上端部からは正負の給電線９，１０が延出されている。これらの給電線９，１０は、基板７に接続されることによって、各ＬＥＤ素子３と電気的に接続されているとともに、発光部４を支持する。
【００２１】
ここで、上記基板７（発光部４）の幅は、車両用灯具２０に適用可能なダブルフィラメントランプ２４のフィラメント２４ａ，２４ｂの幅と略同様に設定されていることが望ましい。また、口金５から発光部４までの高さは、車両用灯具２０に適用可能なダブルフィラメントランプ２４の口金２４ｃからフィラメント２４ａ，２４ｂまでの高さと略同様に設定されていることが望ましい。
【００２２】
すなわち、略半円筒形状に形成した基板７にＬＥＤ素子３を配設し、基板７の幅、及び、口金５から発光部４までの高さを所定に設定することにより、このＬＥＤランプ１は、車両用灯具２０に適用可能なフィラメントランプ２４と同様の配光特性で放射状に発光するようになっている。具体的には、発光部４は、ダブルフィラメントランプ２４と同様に、前方のみならず、側方及び後方にも光を出射する。
【００２３】
上記給電線９には、口金５内部で、互いに異なる抵抗値Ｒ１，Ｒ２を有する抵抗１１ａ，１１ｂがそれぞれ直列に接続され、これらの抵抗１１ａ，１１ｂは、口金５の底面に突出して設けられた正極端子１２ａ，１２ｂにそれぞれ接続されている。
【００２４】
また、口金５の側面は負極端子１３として形成され、この負極端子１３には、給電線１０が接続されている。
【００２５】
ここで、抵抗値Ｒ１は、正極端子１２ａ及び負極端子１３に所定の電圧が印加された際に、発光部４をテールランプ用の光源として規定の輝度で発光させ得る抵抗値に設定され、また、抵抗値Ｒ２は、正極端子１２ｂ及び負極端子１３に所定の電圧が印加された際に、発光部４をストップランプ用の光源として規定の輝度で発光させ得る抵抗値に設定されている。
【００２６】
また、口金５の側面には、口金５をソケット２（後述する）に装着した際に装着位置を規定するための装着位置規定手段としてのキー１４ａ，１４ｂが設けられている。
【００２７】
上記ソケット２は、上述したダブルフィラメントランプ２４に適用されるソケット２ａと同様に構成されるものであり、上記ＬＥＤランプ１と同規格のダブルフィラメントランプ２４も装脱自在なものである。
【００２８】
すなわち、ソケット２は、口金５を装脱自在に装着する口金穴１５を備え、この口金穴１５の底部には、正極端子１２ａ，１２ｂに接離自在な接点１６ａ，１６ｂが設けられている。
【００２９】
また、口金穴１５の側部内周には、負極端子１３と接離自在な接点１７が設けられているとともに、キー１４ａ，１４ｂに対応するキー溝１８ａ，１８ｂが設けられている。
【００３０】
また、ソケット２の外周には、該ソケット２が車両用灯具に装着された際に、その装着位置を規定するためのフランジ１９が設けられている。
【００３１】
次に、テールランプ及びストップランプが一体に形成された上記車両用灯具２０に、ＬＥＤランプ１をダブルフィラメントランプ２４の代用として適用した一例について説明する。
【００３２】
図２（ａ）に示すように、ＬＥＤランプ１は、フランジ１９によってソケット２のハウジング２１に対する装着位置が規定され、キー１４ａ，１４ｂ及びキー溝１８ａ，１８ｂによってＬＥＤランプ１のソケット２に対する装着位置が規定されることによって、発光部４が規定位置に配設された状態で車両用灯具２０に装着される。
【００３３】
具体的には、上記発光部４は、車両用灯具２０内部において、その長手方向がダブルフィラメントランプ２４が装着された際のフィラメント２４ａ，２４ｂの長手方向と同様の方向であって、その高さ位置が上記フィラメント２４ａ，２４ｂと同様の高さ位置となるよう配設される。
【００３４】
そして、ソケット２を介して端子１２ａ，１３にテールランプ用の電圧が印加されると、ＬＥＤランプ１はテールランプ用の光源としての規定の光量で発光する。このとき、ＬＥＤランプ１は、車両用灯具２０にダブルフィラメントランプ２４が装着されたときと同様の配光特性で発光するので、ＬＥＤランプ１からの出射光は、反射鏡２５及びリフレックスリフレクタ２６で適切に補正された後、アウターレンズの外部に出射される。
【００３５】
同様に、ソケット２を介して端子１２ｂ，１３にストップランプ用の電圧が印加されると、ＬＥＤランプ１はストップランプ用の光源として規定の光量で発光する。このとき、ＬＥＤランプ１は、車両用灯具２０にダブルフィラメントランプ２４が装着されたときと同様の配光特性で発光するので、ＬＥＤランプ１からの出射光は、反射鏡２５及びリフレックスリフレクタ２６で適切に補正された後、アウターレンズの外部に出射される。
【００３６】
このような実施の形態によれば、略半円筒形状に形成した基板７にＬＥＤ素子３を配設し、基板７の幅、及び、口金５から発光部４までの高さを所定に設定することにより、ＬＥＤランプ１を、車両用灯具２０に適用可能なフィラメントランプ２４と同様の配光特性で放射状に発光させることができる。
【００３７】
従って、フィラメントランプの配光特性に合わせて設計された車両用灯具に対してもこのＬＥＤランプ１を適用することができ、汎用性に富んだものとすることができる。換言すれば、このＬＥＤランプ１は、前方のみならず側方及び後方にもフィラメントランプと同様な配光特性で光を出射するので、フィラメントランプに代えて車両用灯具にＬＥＤランプ１を適用する際に、ＬＥＤランプの特性に合わせて反射鏡やアウターレンズを交換することなく、アウターレンズから出射される照明光を適切なものとすることができ、フィラメントランプに代えてＬＥＤランプ１を用いることによるコストの高騰を低減することができる。
【００３８】
このとき、キー１４ａ，１４ｂ及びキー溝１８ａ，１８ｂによって、車両用灯具内部における発光部４の配設位置は、フィラメントランプを適用した際のフィラメントの配設位置と同様に適切な位置に規定することができる。
【００３９】
また、口金５に２つの正極端子１２ａ，１２ｂを設け、これらの正極端子１２ａ，１２ｂを、それぞれ異なる抵抗値の抵抗１１ａ，１１ｂを介して、発光部４に接続することにより、ＬＥＤランプ１を、ダブルフィラメントランプ用のソケットにそのまま適用することができ、しかも、簡単な構成で異なる２段階輝度の発光を行うことができる。従って、ＬＥＤランプ１を、より汎用性に富んだものとすることができる。
【００４０】
また、ＬＥＤランプ１は、少量の消費電力で所望の光量を得ることができるので、車両用灯具による消費電力を低減することができ、車両の燃費向上、航続距離の向上等を図ることができる。
【００４１】
また、ＬＥＤ素子３はフィラメントに比べて一般に長寿命であるため、ＬＥＤランプ１の長寿命化を図ることができる。従って、車両用ランプの動作信頼性を向上することができる。
【００４２】
次に、図４は本発明の第２の実施の形態に係わり、図４はＬＥＤランプの回路構成図である。本実施の形態によるＬＥＤランプ１ａは、発光部４を異なる輝度で発光させるための回路構成が、上述の第１の実施の形態と異なる。なお、その他、上述の第１の実施の形態と同様な構成については、同符号を付して説明を省略する。
【００４３】
図４に示すように、給電線９は抵抗１１ａを介して正極端子１２ａに接続されている。さらに、抵抗１１ａには、抵抗値がＲ３に設定された抵抗１１ｃとこの抵抗１１ｃの導通をＯＮ／ＯＦＦ切換するスイッチ素子３０が並列に接続されている。
【００４４】
また、口金５の底面には、正極端子１２ｂに代えて信号端子３１が設けられ、この信号端子３１はスイッチ素子３０に接続されている。そして信号端子３１から入力される輝度切換信号に応じて、スイッチ素子３０は抵抗１１の導通をＯＮ／ＯＦＦ切換するようになっている。
【００４５】
すなわち、上記口金５の内部には、上記抵抗１１ａ，１１ｃ及びスイッチ素子３０によって、正極端子１２ａと発光部４との間の抵抗値を輝度切換信号に応じて切換可能な抵抗切換回路３２が形成されている。
【００４６】
ここで、抵抗値Ｒ１は、スイッチ素子３０がＯＦＦされた状態で、正極端子１２ａ及び負極端子１３に所定の電圧が印加された際に、発光部４をテールランプ用の光源として規定の輝度で発光させ得る抵抗値に設定されている。また、抵抗値Ｒ１，Ｒ３は、スイッチ素子３０がＯＮされた状態で、正極端子１２ａ及び負極端子１３に所定の電圧が印加された際に、発光部４をストップランプ用の光源として規定の輝度で発光させ得る抵抗値に設定されている。
【００４７】
このような実施の形態によれば、上述の第１の実施の形態と略同様の作用・効果を得ることができる。なお、正極端子１２ｂを信号端子３１に代えた場合においても、ソケット２の車両に対する配線を変更するのみで、上記ソケット２を車両用灯具にそのまま適用することが可能である。
【００４８】
次に、図５は本発明の第３の実施の形態に係わり、図５はＬＥＤランプの回路構成図である。本実施の形態によるＬＥＤランプ１ｂは、発光部４を異なる輝度で発光させるための回路構成が、上述の第１の実施の形態と異なる。なお、その他、上述の第１の実施の形態と同様な構成については、同符号を付して説明を省略する。
【００４９】
図５に示すように、給電線９は、抵抗値がＲ４に設定された抵抗１１ｄと、この抵抗１１ｄの導通をＯＮ／ＯＦＦ切換するスイッチ素子２５を介して正極端子１２ａに接続されている。
【００５０】
また、口金５の底面には、正極端子１２ｂに代えて信号端子３６が設けられ、この信号端子３６はスイッチ素子３５に接続されている。そして信号端子３６から入力される輝度切換デューティ信号に応じて、スイッチ素子３５は抵抗１１ｄの導通をＯＮ／ＯＦＦ切換するようになっている。
【００５１】
上記構成においては、信号端子３６から入力される輝度切換デューティ信号をに応じてスイッチ素子３６がＯＮ／ＯＦＦされることによって、発光部４の輝度を無段階調節することができる。従って、輝度切換デューティ信号を適切に設定することにより、ＬＥＤランプ１ｂをテールランプ用及びストップランプ用のランプとして適用することができる。
【００５２】
このような実施の形態によれば、上述の第１の実施の形態と略同様の作用・効果を得ることができる。なお、正極端子１２ｂを信号端子３６に代えた場合においても、ソケット２の車両に対する配線を変更するのみで、上記ソケット２を車両用灯具にそのまま適用することが可能である。
【００５３】
次に、図６は本発明の第４の実施の形態に係わり、図６はＬＥＤランプの回路構成図である。本実施の形態によるＬＥＤランプ１ｃは、発光部４を第１の発光部４ａと第２の発光部４ｂの２系統に分割した点、及びこれらの発光部４ａ，４ｂを発光させるための回路構成が、上述の第１の実施の形態と異なる。なお、その他、上述の第１の実施の形態と同様な構成については、同符号を付して説明を省略する。
【００５４】
図６に示すように、発光部４は、複数のＬＥＤ素子３が直列に接続された第１の発光部４ａと、複数のＬＥＤ素子３が直列に接続された第２の発光部４ｂと、を備え、これらの負極側は共に給電線１０を介して負極端子１３に接続されている。
【００５５】
また、第１の発光部４ａの正極側は、給電線９ａと、抵抗値がＲ５に設定された抵抗１１ｅと、を介して正極端子１２ａに接続され、第２の発光部４ｂは、給電線９ｂと、抵抗値がＲ６に設定された抵抗１１ｆと、を介して正極端子１２ｂに接続されている。
【００５６】
ここで、抵抗値Ｒ５は、正極端子１２ａ及び負極端子１３に所定の電圧が印加された際に、発光部４ａをテールランプ用の光源として規定の輝度で発光させ得る抵抗値に設定され、また、抵抗値Ｒ６は、正極端子１２ｂ及び負極端子１３に所定の電圧が印加された際に、発光部４ｂをストップランプ用の光源として規定の輝度で発光させ得る抵抗値に設定されている。
【００５７】
このような実施の形態によれば、上述の第１の実施の形態と略同様の作用・効果を得ることができる。
【００５８】
次に、図７は本発明の第５の実施の形態に係わり、図７はＬＥＤランプの回路構成図である。本実施の形態によるＬＥＤランプ１ｄは、発光部４ａ，４ｂを異なる輝度で発光させるための回路構成が、上述の第４の実施の形態と異なる。なお、その他、上述の第４の実施の形態と同様な構成については、同符号を付して説明を省略する。
【００５９】
図７に示すように、第１の発光部４ａの正極側は、給電線９ａと、抵抗１１ｅとを介して正極端子１２ａに接続され、第２の発光部４ｂの正極側は、給電線９ｂと、抵抗値がＲ７に設定された抵抗１１ｇと、スイッチ素子３０とを介して正極端子１２ａに接続されている。
【００６０】
また、口金５の底面には、正極端子１２ｂに代えて信号端子３１が設けられ、この信号端子３１はスイッチ素子３０に接続されている。そして信号端子３１から入力される輝度切換信号に応じて、スイッチ素子３０は抵抗１１の導通をＯＮ／ＯＦＦ切換するようになっている。
【００６１】
すなわち、上記口金５の内部には、上記抵抗１１ｅ，１１ｇ及びスイッチ素子３０によって、第１の発光部４ａのみの発光と、第１の発光部４ａ及び第２の発光部４ｂの発光と、を選択的に輝度切換信号に応じて切り換える発光部切換回路３３が形成されている。
【００６２】
ここで、抵抗値Ｒ５は、スイッチ素子３０がＯＦＦされた状態で、正極端子１２ａ及び負極端子１３に所定の電圧が印加された際に、第１の発光部４ａをテールランプ用の光源として規定の輝度で発光させ得る抵抗値に設定されている。また、抵抗値Ｒ５，Ｒ７は、スイッチ素子３０がＯＮされた状態で、正極端子１２ａ及び負極端子１３に所定の電圧が印加された際に、第１，第２の発光部４ａ，４ｂによるトータルの輝度をストップランプ用の光源としての規定の輝度とし得る抵抗値に設定されている。
【００６３】
このような実施の形態によれば、上述の第１の実施の形態と略同様の作用・効果を得ることができる。なお、正極端子１２ｂを信号端子３１に代えた場合においても、ソケット２の配線を変更するのみで、上記ソケット２を車両用灯具にそのまま適用することが可能である。
【００６４】
なお、上述の各実施の形態においては、ＬＥＤランプを、テールランプとストップランプが一体形成された車両用灯具に適用した一例を示したが、本発明はこれに限られるものではなく、例えば、テールランプ単体、ストップランプ単体、及びルームランプ等の車両用灯具にも適用が可能である。このような場合、適用される車両用灯具に応じて、ＬＥＤランプの輝度を単一の輝度に設定してもよいし、３段階以上の複数段に設定してもよい。このとき、設定される輝度数等に応じて、正極端子、負極端子、及び信号端子等の端子類やスイッチ素子及び抵抗等を任意に設定してもよい。
【００６５】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、複数の発光ダイオード素子を用いて車両用ランプを構成し、この車両用ランプの配光特性を、フィラメントを用いたランプと同様の配光特性としたので、安価で汎用性に優れ、消費電力を低減することができ、且つ、動作信頼性を向上することのできる車両用ランプを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】図１乃至図３は本発明の第１の実施の形態に係わり、図１はＬＥＤランプ及びソケットの分解斜視図
【図２】車両用灯具の断面図
【図３】ＬＥＤランプの回路構成図
【図４】本発明の第２の実施の形態に係わり、ＬＥＤランプの回路構成図
【図５】本発明の第３の実施の形態に係わり、ＬＥＤランプの回路構成図
【図６】本発明の第４の実施の形態に係わり、ＬＥＤランプの回路構成図
【図７】本発明の第５の実施の形態に係わり、ＬＥＤランプの回路構成図
【符号の説明】
１，１ａ〜１ｄ … ＬＥＤランプ
２ … ソケット
３ … 発光ダイオード
４ … 発光部
５ … 口金
７ … 基板
１１ａ〜１１ｇ … 抵抗
１２ａ，１２ｂ … 正極端子
１３ … 負極端子
１４ａ，１４ｂ … キー
３０，３５ … スイッチ素子
３２ … 抵抗切換回路
３３ … 発光部切換回路
Claims (7)
- 複数の発光ダイオード素子を基板上に光源として配設してなる発光部と、この発光部を導通支持しソケットに着脱自在に装着される口金と、を備えた車両用ランプであって、
上記基板を略半円筒形状に形成して上記発光部から出射される光の配光特性を放射状としたことを特徴とする車両用ランプ。 - 上記口金に、上記ソケットへの装着位置を規定する装着位置規定手段を設けたことを特徴とする請求項１に記載の車両用ランプ。
- 上記口金は、該口金に配設され上記発光部に接続される正極端子および負極端子のうち何れか一方を複数備え、
複数の上記正極端子あるいは上記負極端子を、それぞれ異なる抵抗値の抵抗を介して上記発光部に接続したことを特徴とする請求項１または２に記載の車両用ランプ。 - 上記口金は、該口金に配設され、上記発光部に接続される正極端子および負極端子と、輝度切換信号を入力可能な信号端子と、を備え、
上記正極端子或いは上記負極端子の何れか一方を、上記信号端子から入力される輝度切換信号に応じて抵抗値が切り換えられる抵抗切換回路を介して、上記発光部に接続したことを特徴とする請求項１または２に記載の車両用ランプ。 - 上記口金は、該口金に配設され、上記発光部に接続される正極端子および負極端子と、輝度切換デューティ信号を入力可能な信号端子と、を備え、
上記正極端子或いは上記負極端子の何れか一方を、上記信号端子から入力される上記輝度切換デューティ信号に応じてＯＮ／ＯＦＦ切り換えされるスイッチ素子を介して上記発光部に接続したことを特徴とする請求項１または２に記載の車両用ランプ。 - 上記口金は、該口金に配設され上記発光部に接続される正極端子および負極端子のうち、何れか一方を複数備え、
複数の上記正極端子あるいは上記負極端子を、上記基板に配設された複数の上記発光ダイオードを複数系統に分割して形成した複数の上記発光部に、それぞれ独立して接続したことを特徴とする請求項１または２に記載の車両用ランプ。 - 上記口金は、該口金に配設され、上記発光部に接続される正極端子および負極端子と、輝度切換信号を入力可能な信号端子と、を備え、
上記正極端子或いは上記負極端子の何れか一方を、上記基板に配設された複数の上記発光ダイオードを複数系統に分割して形成した複数の上記発光部を上記信号端子から入力される上記輝度切換信号に応じて選択的に発光させる発光部切換回路を介して上記発光部に接続したことを特徴とする請求項１または２に記載の車両用ランプ。
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