JP4243422B2 - 接着製品用剥離コーティングおよび製法 - Google Patents

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Description

【0001】
発明の背景
常態で粘着性および感圧接着性(PSA)の材料は、半世紀を超える長期間にわたり使用されてきた。テープ、ラベル、および他のタイプの接着剤被覆シートの形態をとるこのタイプの製品は、他の表面に誤って接着しないように保護しなければならない。従って、テープは、典型的には、ロールを形成するようにそれ自身のバッキング上に巻き取られ、ラベルは、他の表面に誤って付着しないように、また飛塵や他の汚染物質で汚染されないように、典型的には、剥離シートに積層される。テープバッキングへの接着剤の望ましからぬ転写を起こすことなくロール状テープを巻出すことができるように、低付着性バックサイズ(LAB)をテープバッキングに加えるのが通例である。同様に、典型的には接着剤被覆ラベルが積層される剥離シートまたはライナには、ラベルからライナを簡単に除去できるようにするために、剥離コーティングが設けられる。こうしたLABまたは剥離コーティングは、適切なレベルの剥離性を再現性よく目的の接着剤に付与し、接着剤に有害な影響を及ぼさず、しかも時間が経っても剥離レベルが比較的予測可能な状態に保持されるように耐老化性であることが期待される。
【0002】
Handbook of Pressure Sensitive Adhesive Technology、2nd Ed.,D.Satas Ed.,Van Nostrand, Rehinhold, New York, 1989, Chapter 23には、PSAテープ用の剥離剤として使用しうるポリマが記載されている。シリコーン、弗素含有ポリマ、長鎖アルキル鎖分枝ポリマなどのより低い臨界表面張力を有する種々のポリマは、剥離コーティングとして有用である。長鎖アルキル鎖分枝ポリマは、PSAテープには特に望ましい中程度の剥離値を有する剥離コーティングを調製するために使用することができる蝋質化合物である。剥離コーティングに関する多くの特許には、そのような長鎖アルキル鎖分枝ポリマの使用についての記載がある。例えば、Hendricksの米国特許第2,607,711号(1952)には、テープ剥離コーティングのためのアルキルアクリレートとアクリル酸とのコポリマの使用についての記載がある。Hendricksによると、16〜20個の炭素原子のアルキル側鎖を有するアルキルアクリレートはより好適であり、オクタデシルアクリレートは好ましいコモノマである。
【0003】
他の長鎖アルキル鎖分枝ポリマまたはコポリマとしては、例えば、ステアリルメタクリレート−アクリロニトリルコポリマ(米国特許第3,502,497号);ステアリルアクリレートまたはメタクリレートと他のモノマとのコポリマ(米国特許第4,241,198号);ポリビニルエステル、例えば、ポリビニルステアレート、ポリビニルパルミテート、ポリビニルアラキデート、およびポリビニルベヘネート(米国特許第2,829,073号);ステアリルマレエート−ビニルアセテートコポリマ(米国特許第3,285,771号);ポリビニルステアレート、ポリビニルラウレート、ビニルステアレートとビニルアセテートおよび無水マレイン酸とのコポリマ、オクタデシルアクリレートと他のモノマとのコポリマ(米国特許第2,913,355号);高級脂肪酸によってアクリル化されたポリエチレンイミン(米国特許第3,510,342号);ポリ−N−アシルイミン(米国特許第3,475,196号);ビニルステアレート、アリルステアレート、またはビニルオクタデシルエーテルと、無水マレイン酸との溶液重合ポリマ(米国特許第2,876,894号);N−ステアリルポリアクリルアミド(米国特許第3,051,588号);溶液重合されたステアリルイタコネート、モノアセチルイタコネート、およびモノベヘニルイタコネート(米国特許第3,052,566号);N−置換長鎖直鎖アルキルマレアミド酸とビニルモノマとのコポリマ(米国特許第3,342,625号);ならびにポリビニルアルコールとオクタデシルイソシアネートとを反応させることによって調製されるポリビニルN−オクタデシルカルバメート(米国特許第2,532,011号)が挙げられる。
【0004】
他の既知の剥離コーティング系としては、一般式CH=CR’COO(CHCHR”O)CONHR’”〔式中、R’およびR”はそれぞれ、水素またはメチル基を表し、R’”は、少なくとも12個の炭素原子を有するアルキル基または少なくとも6個の炭素原子を有するフルオロアルキル基を表し、nは1〜6の整数である〕で表されるビニルモノマの有機溶剤系重合物が挙げられる。このほかに、このビニルモノマと他のビニル化合物との重合物であって水性LABの調製物でないもの、またはこのようなモノマから得られる剥離コーティングが知られている。他の既知の剥離コーティング系としては、ポリマの安定化のために界面活性剤(乳化剤)を使用する系が挙げられる。例えば、米国特許第5,516,865号(Urquiola)には、乳化重合によって形成されたラテックス粒子を含み、全モノマの合計重量を基準に約0.5〜約8重量%の濃度で乳化剤を含有する水性ポリマ組成物が記載されている。ラテックス粒子は、長鎖アルキル鎖(メタ)アクリレートモノマと短鎖アルキル鎖(メタ)アクリレートモノマとを乳化重合することによって、形成される。米国特許第5,225,480号(Tsengら)には、乳化剤約0.05〜約4重量%を含み乳化重合によって調製される水性低付着性バックサイズおよび剥離コーティングラテックス組成物についての記載がある。ラテックス粒子は水性相中の乳化剤によって安定される。
【0005】
発明の概要
本発明の1態様は、置換基の結合したポリエチレン主鎖を含有するポリマを含んでなる剥離コーティング組成物である。好ましくは、置換基には、長さ方向に約5個以上の炭素原子を有しかつ末端メチル基を有するウレタン連結した窒素に結合した炭化水素側鎖と、酸素連結した水溶化基とが含まれる。置換基には更に、水素;ヒドロキシル;ハリド;末端ヒドロキシル基を有する、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、アリーレン基、もしくはそれらの混合物;−O−(C=O)−R;−O−R;−R;またはそれらの混合物〔式中、R、R、およびRは、それぞれ独立して、脂肪族基、芳香族基、およびそれらの混合物からなる群より選ばれる〕が含まれていてもよい。
【0006】
水溶化基とは、イオン化可能な官能基であるかまたはそれらのイオン化体であり、該イオン化体は、アニオンであってもカチオンであってもよい。例えば、水溶化基には、アニオン種を形成可能な酸性基が含まれていてもよい。水溶化基にアニオンが含まれる場合、好ましくは、アニオンは、−OSO、−SO、−CO 、(−O)P(O)O、−OP(O)(O、−P(O)(O、−P(O、および−PO(Oからなる群より選ばれる。同様に好ましいものとしては、−NH(R および−N(R 〔式中、Rは、フェニル基、脂環式基、および約1〜約12個の炭素原子を有する直鎖または分枝脂肪族基からなる群より選ばれる〕からなる群より選ばれるカチオンを含有する水溶化基がある。
【0007】
本発明の剥離コーティング組成物は、有機溶剤、水、またはそれらの混合物からコーティングしてもよい。したがって、剥離コーティング組成物には、有機溶剤、好ましくは、芳香族炭化水素、エステル、脂肪族炭化水素、アルコール、ケトン、およびそれらの混合物からなる群より選ばれる有機溶剤が含まれていてもよいし、あるいは水が含まれていてもよい。
【0008】
本明細書中で使用する場合、「剥離コーティング」とは、感圧接着剤(PSA)などの接着剤に対して弱い接着力を呈し、結果として、実質的に接着剤と剥離コーティングとの界面で分離を引き起こす要素、好ましくはフィルムを意味する。剥離コーティングはまた、「低付着性バックサイズ」またはLABとも呼ばれる。剥離コーティングは、接着テープロールに使用することができる。この場合、テープはそれ自体に巻き取られ、使用時にはテープロールを巻き出す必要がある。また、剥離コーティングは、ラベルや医療用ドレッシングバンデージ(dressing bandage)などの他の接着製品に対して「ライナ」として使用することもできる。この場合、接着製品は、一般に、ロール構造体としてではなくシート状構造体として供給される。
【0009】
本発明のもう1つの態様において、剥離コーティング組成物には、置換基の結合したビニル誘導主鎖を含有するポリマが含まれる。好ましくは、置換基には、先に記載したように、長さ方向に約5個以上の炭素原子を有しかつ末端アルキル基を有するウレタン連結した窒素に結合した炭化水素側鎖と、酸素連結した水溶化基とが含まれる。この場合、剥離コーティング組成物には、界面活性剤が約0.5重量%の量で含まれる。
【0010】
好ましくは、ビニル誘導主鎖は、エチレン、ビニルハリド、ビニルエーテル、ビニルエステル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、アミド、芳香族ビニル化合物、複素環式ビニルモノマ、アリル化合物、二酸のエステルおよび半エステル、ならびにそれらの混合物からなる群より選ばれる1種以上の前駆体から形成される。より好ましくは、ビニル誘導主鎖は、部分または完全加水分解ポリビニルアセテート、部分または完全加水分解エチレン/ビニルアセテート、およびそれらの混合物からなる群より選ばれるポリマ主鎖成分である。
【0011】
本発明の更にもう1つの態様において、剥離コーティングを形成するための組成物が提供される。この組成物には、ポリマ主鎖成分(例えば、加水分解ポリビニルアセテート)と、約5個以上の炭素原子および末端メチル基を有するイソシアネート含有炭化水素ならびに水溶化性化合物と、を組み合わせることによって形成されるポリマが含まれる。場合により、イソシアネート含有炭化水素および/または水溶化性化合物と組み合わせる前に、1種以上のプレカーサと組み合わせることによって、ポリマ主鎖成分を調製することができる。
【0012】
本発明の剥離コーティング組成物の好ましい1実施形態において、ポリマには、次式:
【化9】
Figure 0004243422
[式中、Rは、それぞれ独立して、水素および脂肪族基からなる群より選ばれ、Rは、それぞれ独立して、Xと、式:
【化10】
Figure 0004243422
〔式中、qは約5以上である〕
で表されるウレタン連結した炭化水素と、式:
【化11】
Figure 0004243422
の酸素連結した水溶化基からなる群より選ばれ、Rは、それぞれ独立して、二価有機連結基であり、mは、0または1であり、X部分は、水素;ヒドロキシル基;ハリド;末端ヒドロキシル基を有する、アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基、およびそれらの混合物;−O−C(=O)−R;−O−R;または−Rからなる群より選ばれ、R、R、およびRは、それぞれ独立して、脂肪族基、芳香族基、またはそれらの混合物からなる群より選ばれ、更に、Y部分は、それぞれ独立して、イオン化可能な官能基を含むかまたはそれらのイオン化体である]の繰り返し単位が含まれる。ただし、このポリマには、ウレタン連結した炭化水素基および酸素連結した水溶化基のそれぞれが少なくとも1つ含まれるものとする。
【0013】
好ましくは、X部分は、それぞれ独立して、水素;ヒドロキシル基;ハリド;末端ヒドロキシル基を有する、アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基、またはそれらの混合物(好ましくは、1〜10個の炭素原子を有する);−O−C(=O)−R;−O−R;および−Rからなる群より選ばれ、R、R、およびRは、それぞれ独立して、場合によりヘテロ原子または官能基を含有する、脂肪族基、芳香族基、またはそれらの混合物からなる群より選ばれる。好ましくは、R、R、およびRは、それぞれ独立して、1〜20個の炭素原子を有する。
【0014】
Y部分は、それぞれ独立して、イオン化可能な官能基であるかまたはそれらのイオン化体であるので、このポリマは、水中に溶解または分散可能であり、好ましくは可溶化可能である。
【0015】
本発明の更なる実施形態において、剥離コーティング組成物には、
【化12】
Figure 0004243422
〔式中、Rは、それぞれ独立して、水素および脂肪族基からなる群より選ばれ、Xは、それぞれ独立して、水素;ヒドロキシル基;ハリド;末端ヒドロキシル基を有する、アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基、またはそれらの混合物;−O−C(=O)−R;−O−R;および−Rからなる群より選ばれ、R、R、およびRは、それぞれ独立して、脂肪族基、芳香族基、およびそれらの混合物からなる群より選ばれ、Rは、それぞれ独立して、二価有機連結基であり、Yは、それぞれ独立して、イオン化可能な官能基であるかまたはそれらのイオン化体であり、更に、qは、約5以上であり、mは、0または1であり、xは、約0〜約70であり、yは、約5〜約95であり、zは、約5〜約50であり、x、y、およびzは、それぞれ、モル%を表す〕
を含有するポリマが含まれる。場合により、剥離コーティング組成物には、以下に記載のように、添加剤が更に含まれていてもよい。
【0016】
本発明のもう1つの態様では、ポリマを製造ための方法が提供される。好ましい1方法には、ポリマ主鎖成分と少なくとも1種の有機溶剤とを混合するステップと、ポリマ主鎖成分を改質するために、長さ方向に少なくとも約5個の炭素原子を有しかつ末端メチル基を有するイソシアネート含有炭化水素を混合物に添加するステップと、ポリマ主鎖成分を改質するために、水溶化性化合物を混合物に添加するステップと、が含まれる。
【0017】
好ましくは、ポリマ主鎖成分のプレカーサの1つ以上は、エチレン、ビニルハリド、ビニルエーテル、ビニルエステル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、アミド、芳香族ビニル化合物、複素環式ビニルモノマ、アリル化合物、二酸のエステルと半エステル、およびそれらの混合物からなる群より選ばれる。好ましくは、ポリマ主鎖成分は、部分または完全加水分解ポリビニルアセテート、部分または完全加水分解エチレン/ビニルアセテート、およびそれらの混合物からなる群より選ばれる.
【0018】
好適な水溶化性化合物は、好ましくは、水溶化性化合物でポリマ主鎖成分を改質した後、−OSO、−SO、−CO 、(−O)P(O)O、−OP(O)(O、−P(O)(O、−P(O、および−PO(Oからなる群より選ばれるアニオンを含有するアニオン基を含んでなる水溶化基を形成可能である。同様に、もう1つの好適な水溶化性化合物は、好ましくは、−NH(R および−N(R 〔式中、Rは、フェニル基、脂環式基、および約1〜約12個の炭素原子を有する直鎖または分枝脂肪族基からなる群より選ばれる〕からなる群より選ばれるカチオンを含有するカチオン基を含んでなる水溶化基を形成可能である。好ましくは、Rは、約1〜約4個の炭素原子を有する低級アルキル基である。従って、好ましい水溶化性化合物は、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水グルタル酸、無水フタル酸、2−スルホ安息香酸環状無水物、およびそれらの混合物からなる群より選ばれる.
【0019】
本発明に係るポリマの製造方法において、好ましい有機溶剤は、芳香族炭化水素、N−メチル−2−ピロリジノン、ジメチルホルムアミド、ジグライム、およびそれらの混合物からなる群より選ばれる。このほか、方法には更に、架橋剤、脱泡剤、流動均展剤、着色剤、接着促進剤、可塑剤、チキソトロープ剤、レオロジー変性剤、フィルム形成剤、殺生物剤/抗真菌剤、腐食抑制剤、酸化防止剤、界面活性剤/乳化剤、増量剤、およびそれらの混合物からなる群より選ばれる任意の添加物を添加するステップが含まれていてもよい。好ましくは、本発明の方法には、増量剤を含む任意の添加物を剥離組成物に添加するステップが更に含まれる。
【0020】
本発明の方法において、塩形成性化合物、溶剤、および水を添加し、更に、有機溶剤を除去して、剥離コーティング組成物の水性分散物を形成することが望ましい場合もある。本明細書中で使用する場合、組成物の「水性分散物」には、水に分散可能であるか、部分的に可溶であるか、または容易に溶解する組成物が、その範囲内に含まれる。従って、本明細書中で使用する場合、「分散物」には「溶液」が含まれる。好ましくは、塩形成性化合物は、有機塩基または無機塩基のいずれであってもよい。好ましい有機塩基には第3級アミンが含まれる。好ましい無機塩基には、アルカリ金属の水酸化物または炭酸塩が含まれる。より好ましい塩形成性化合物は、アンモニア、水酸化アンモニウム、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、トリブチルアミン、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、およびそれらの混合物からなる群より選ばれる。
【0021】
本発明の更なる態様は、2つの対向した主要面を備えた製品であって、該主要面の少なくとも1つが上記のいずれかの方法により製造されるポリマを含む剥離コーティング組成物でコーティングされている、製品である。
本発明の更なる態様は、第1の主要面と第2の主要面とを有するバッキングと、バッキングの第1の主要面上にコーティングされた感圧接着剤と、第2の主要面上にコーティングされた低付着性バックサイズと、を含む製品である。好ましくは、低付着性バックサイズは、置換基の結合したエチレン含有主鎖を有するポリマを含んでなる剥離コーティング組成物から形成される。好ましくは、置換基には、先に記載したように、長さ方向に約5個以上の炭素原子を有しかつ末端メチル基を有するウレタン連結した窒素に結合した炭化水素側鎖と、酸素連結した水溶化基と、が含まれる。
【0022】
本発明のもう1つの態様では,置換基の結合したビニル誘導主鎖を含むポリマが提供される。好ましくは、置換基には、先に記載したように、長さ方向に約5個以上の炭素原子を有しかつ末端メチル基を有するウレタン連結した窒素に結合した炭化水素側鎖と、酸素連結した水溶化基と、が含まれる。
【0023】
本発明の更にもう1つの態様は、次式:
【化13】
Figure 0004243422
[式中、Rは、それぞれ独立して、水素および脂肪族基からなる群より選ばれ、Rは、それぞれ独立して、Xと、式:
【化14】
Figure 0004243422
〔式中、qは約5以上である〕
で表されるウレタン連結した炭化水素と、式:
【化15】
Figure 0004243422
の酸素連結した水溶化基からなる群より選ばれ、X部分は、水素;ヒドロキシル基;ハリド;末端ヒドロキシル基を有する、アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基、およびそれらの混合物;−O−C(=O)−R;−O−R;および−Rからなる群より選ばれ、R、R、およびRは、それぞれ独立して、脂肪族基、芳香族基、およびそれらの混合物からなる群より選ばれ、更に、Rは、それぞれ独立して、二価有機連結基であり、mは、0または1であり、Y部分は、それぞれ独立して、イオン化可能な官能基を含むかまたはそれらのイオン化体である]の繰り返し単位を含むポリマである。ただし、このポリマには、ウレタン連結した炭化水素基および酸素連結した水溶化基のそれぞれが少なくとも1つ含まれるものとする。
【0024】
本発明の更にもう1つの態様では、次の構造:
【化16】
Figure 0004243422
〔式中、Rは、それぞれ独立して、水素および脂肪族基からなる群より選ばれる、Xは、それぞれ独立して、水素;ヒドロキシル基;ハリド;末端ヒドロキシル基を有する、アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基、またはそれらの混合物;−O−C(=O)−R;−O−R;および−Rからなる群より選ばれ、R、R、およびRは、それぞれ独立して、脂肪族基、芳香族基、およびそれらの混合物からなる群より選ばれ、Rは、それぞれ独立して、二価有機連結基であり、Yは、それぞれ独立して、イオン化可能な官能基であるかまたはそれらのイオン化体であり、更に、qは、約5以上であり、mは、0または1であり、xは、約0〜約70であり、yは、約5〜約95であり、zは、約5〜約50であり、x、y、およびzは、それぞれ、モル%を表す〕
を含むポリマが提供される。
【0025】
本発明のもう1つの態様は、第1の主要面と第2の主要面とを有する多孔質バッキングと、バッキングの第1の主要面上にコーティングされた感圧接着剤と、第2の主要面上にコーティングされた低付着性バックサイズと、を含む製品である。好ましくは、低付着性バックサイズは、置換基の結合したエチレン含有主鎖を有するポリマを含んでなる剥離コーティング組成物から形成される。置換基には、長さ方向に約5個以上の炭素原子を有しかつ末端メチル基を有するウレタン連結した窒素に結合した炭化水素側鎖と、酸素連結した水溶化基と、が含まれるが、これらに限定されるものではない。このような製品は、医療用テープであってもよいし、低アレルゲン性感圧接着剤を含むものであってもよい。
【0026】
好ましい実施形態の詳細な説明
本明細書中で使用する場合、「有機基」および「有機連結基」という用語は、脂肪族基、環式基、または脂肪族基と環式基との組合せとして分類される炭化水素基(例えば、アルカリール基およびアラルキル基)を意味する。本発明に関連して、「脂肪族基」という用語は,飽和または不飽和、直鎖または分枝の炭化水素基を意味する。この用語が使用されるときは,例えば、アルキル基、アルケニル基、およびアルキニル基が含まれる。「アルキル基」という用語は,例えば、メチル、エチル、イソプロピル、t−ブチル、ヘプチル、ドデシル、オクタデシル、アミル、2−エチルヘキシルなどの飽和の直鎖または分枝炭化水素基を意味する。「アルケニル基」という用語は,ビニル基のように1つ以上の炭素−炭素2重結合を有する不飽和の直鎖または分枝炭化水素基を意味する。「アルキニル基」という用語は,1つ以上の炭素−炭素3重結合を有する不飽和の直鎖または分枝炭化水素基を意味する。「環式基」という用語は,脂環式基、芳香族基、または複素環式基として分類される閉環炭化水素基を意味する。「脂環式基」という用語は,脂肪族基の性質に類似した性質を有する環状炭化水素基を意味する。「芳香族基」または「アリール基」という用語は,単核または多核芳香族炭化水素基を意味する。本明細書中で使用する場合、このような有機基また有機連結基には、ヘテロ原子(例えば、O、N、またはS原子)および官能基(例えば、カルボニル基)が含まれる。
【0027】
本発明に係るポリマは、例えば、テープ、バンデージ、ラベルなどの接着製品に使用のための剥離コーティングとして好適な組成物中で使用してもよい。本発明の剥離コーティング組成物は、水に分散してコーティングすることもできるが、有機溶剤または有機溶剤と水との混合物に分散してコーティングすることもできる。本明細書中で使用する場合、「水分散性」組成物には、水に分散可能であるに過ぎないか、部分的に可溶であるか、または容易に溶解する組成物が、その範囲内に含まれる。
【0028】
ポリマ主鎖成分
本発明に係るポリマには、先に示したように、置換基の結合したエチレン含有(例えば、ビニル誘導)繰返し単位の主鎖が含まれる。本発明に係るポリマは、様々な既知の方法により製造することができる。好ましくは、いずれも先に示したようにイソシアネート含有炭化水素および水溶化基を付加させてポリマ主鎖成分を改質すことにより、製造される。例えば、ポリマ主鎖成分には、好ましくは、ポリエチレンのようなエチレン含有繰返し単位が含まれる。このポリマには、少なくとも1個のペンダントヒドロキシル基が結合している。これは、購入することもできるし、より小さな単位(すなわち、プレカーサ)から調製することもできる。
【0029】
例えば、エチレン、ビニルハリド(例えば、ビニリデンクロリド)、ビニルエーテル(例えば、ビニルプロピルエーテル)、ビニルエステル(例えば、ビニルアセテート)、アクリル酸エステル(例えば、メチルアクリレート)、メタクリル酸エステル(例えば、エチルメタクリレート)、アクリル酸やメタクリル酸のような酸、アミド(例えば、アクリルアミド)、芳香族ビニル化合物(例えば、スチレン)、複素環式ビニルモノマ、アリル化合物、二酸のエステルと半エステル(例えば、ジエチルマレエート)、およびそれらの混合物などに属する1種以上のプレカーサからポリマ主鎖を形成することができる。ただし、これらに限定されるものではない。これらのうち、アクリレート基を含有しないプレカーサが、より好ましい。
【0030】
好ましいポリマ主鎖成分は、例えば、いずれも完全または部分加水分解によりポリビニルアルコールを生成するポリビニルアセテートおよびエチレン/ビニルアセテートコポリマを提供すべく、ビニルエステルを重合および共重合することによって調製される。市販の材料の中には,アセテート基が残存しているものもあると考えられる。本明細書中では,これらの材料をビニル誘導体とも記すが、好ましくは、非アクリレート誘導体である。
【0031】
従って、イソシアネート含有炭化水素および水溶化性化合物による改質を行う前、本発明に係るポリマ中の好ましい主鎖単位は、式:
【化17】
Figure 0004243422
を有する。式中、Rは、ポリマ中において、それぞれ独立して、水素および脂肪族基からなる群より選ばれる。Xは、それぞれ独立して、水素;ヒドロキシル基;ハリド;末端ヒドロキシル基を有する、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、アリーレン基、またはそれらの混合物;−O−C(=O)−R;−O−R;および−Rからなる群より選ばれ、R、R、およびRは、それぞれ独立して、脂肪族基、芳香族基、およびそれらの混合物からなる群より選ばれるが、ポリマ主鎖上の置換基Xのうちの少なくとも1つはヒドロキシル基でなければならない(改質前)。R基およびX基はそれぞれ独立して上記のリストから選択されるので,ポリマ主鎖成分(改質前)には1つ以上のタイプの単位が含まれていてもよいことが、当業者には分かるであろう。このことは本発明に係るポリマの場合にもあてはまる。末端ヒドロキシル基を有する、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、アリーレン基、またはそれらの混合物がXに含まれている場合、そこが改質箇所であり、得られるポリマには、主鎖と酸素連結基との間にそれぞれの介在基が含まれることが、更に当業者には分かるであろう。
【0032】
イソシアネート含有炭化水素
先に述べたように、本発明に係る組成物には、特定のイソシアネート含有炭化水素を用いて上記のエチレン含有主鎖、好ましくはビニル誘導主鎖を改質することによって得られるポリマが含まれる。本明細書中では,これらの炭化水素を「炭化水素イソシアネート」とも記す。例えば、ポリビニルアルコールとイソシアネートとを反応させると、主鎖上のヒドロキシル基がウレタン(またはカルバメート)基に改質される。好ましくは、ウレタンは、メチル基を末端に有する長い側鎖炭化水素に連結する。
【0033】
好ましくは、これらのイソシアネート含有炭化水素は、長さ方向に約5個を超える炭素原子を有しかつ末端メチル基を有するウレタン連結した窒素に結合した炭化水素側鎖を形成可能である。より好ましくは、窒素結合炭化水素側鎖は、長さ方向に、少なくとも約12個の炭素原子、更により好ましくは少なくとも約14個、最も好ましくは少なくとも約16個の炭素原子を有する。炭化水素側鎖の長さは、Dahlquistらによって教示されているように、それから調製されるポリマの融点に影響を及ぼす(例えば,米国特許第2,532,011号を参照されたい)。炭化水素側鎖の長さが短すぎると、すなわち、約5個未満の長さの場合、長鎖モノマは室温で結晶化せず、結果として、側鎖は、それから調製されるポリマの剥離性に寄与しない。
【0034】
典型的には、炭化水素イソシアネートは、一般式:
(C2q+1)・N=C=O
〔式中、qは、好ましくは約5を超える値、より好ましくは少なくとも約12、更により好ましくは少なくとも14、最も好ましくは少なくとも約16の値を有する〕
を有する。本発明に使用するための好ましい炭化水素イソシアネートの1つは、窒素連結アルキル鎖中に18個の炭素を有する(オクタデシルイソシアネート)であり、式:
1837・N=C=O
を有する。例えば、これをポリビニルアセテート(部分または完全加水分解物)と反応させた場合、得られるN−オクタデシルカルバメート側鎖は、式:
【化18】
Figure 0004243422
〔式中、最も右側の炭素原子は主鎖中の炭素原子の1つであり、Rは,それぞれ独立して,水素または脂肪族基である〕
で表される構造を有する。窒素で連結された基は、連続した脂肪族炭化水素鎖である必要はなく、イソシアネート中に存在可能な他の原子または基が含まれていてもよい。ただし、それらはそれから形成されるポリマの所望の剥離性に悪影響を及ぼすものであってはならず、しかも、長さ方向に5個を超える炭素原子を有しかつ末端メチル基を有するアルキル基が末端に含まれる窒素連結側鎖を許容しうるものでなければならない。
【0035】
従って、長さ方向に約5個以上の炭素原子を有しかつ末端メチル基の結合したウレタン連結した窒素に結合した炭化水素側鎖を含む本発明のポリマ中の好ましい単位の1つは、
【化19】
Figure 0004243422
〔式中、qは約5以上であり、Rは、それぞれ独立して、水素および脂肪族基からなる群より選ばれ、yは、ポリマの約5〜約95モル%である〕
である。
【0036】
水溶化性化合物
水溶化基は、好ましくは、イオン化可能な官能基を含むかまたはそれらのイオン形である。これらの水溶化基は親水性であるため、ポリマ中に存在する場合、水中へのポリマの溶解または分散を助長し、恐らく、ポリマの水性分散物の安定性を増大させる。典型的には、長い炭化水素側鎖を有するウレタンは疎水性であり、水中への分散は容易でない。従って、水溶化基を非イオン化体としてポリマ中に導入し、その後、塩形成性化合物を添加してイオン化させることにより、ポリマを水中に分散させてもよい。
【0037】
水溶化性化合物を利用して本発明に係るポリマ中にこのような水溶化基を導入することが好ましい。「水溶化性化合物」とは,先に規定したように水溶化基を有しかつ酸素連結基、好ましくはエステル連結基を介してポリマ主鎖に結合可能な化合物を意味する。従って、水溶化性化合物には、イオン化体または非イオン化体の水溶化基が含まれていてもよい。例えば、カルボン酸基は、塩基との反応などで塩を形成することによりイオン化可能な酸性水溶化基である。
【0038】
水溶化基は、好ましくはカルボン酸の誘導体であり、より好ましくは環状無水物の誘導体である。最も好ましい水溶化基には、芳香族部分、または飽和もしくは不飽和、直鎖もしくは分枝であってもよいアルキル鎖が含まれていてもよい。ポリマ主鎖に結合させると水溶化基を形成する好ましい水溶化性化合物としては、例えば、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水グルタル酸、無水フタル酸、および2−スルホ安息香酸環状無水物が挙げられる。このほかの水溶化性化合物としては、ポリマ主鎖成分と反応することによりペンダント水溶化基を形成可能な化合物、例えば、クロロ酢酸などのハロアルキル酸が挙げられる。ポリマ上の官能基、好ましくはエステル連結酸基は、塩基による中和が可能であるため、ポリマの水分散性の面で重要であると考えられる。
【0039】
先に述べたように、ポリマの水分散性は、好ましくは水溶化基のイオン化により、好ましくは水溶化基の塩形成により達成される。すなわち、水溶化基の非イオン化体は有機溶剤(トルエンなど)に可溶であるが、水溶化基の塩の形態(またはイオン化体)は水に分散可能である。従って、塩形成性化合物は,好ましくは,有機塩基および無機塩基からなる群より選ばれる。有機塩基の好適な1クラスには、第3級アミン化合物が含まれる。好適な無機塩基には、アルカリ金属の水酸化物または炭酸塩が含まれる(例えば、水酸化カリウム)。より好ましくは、塩形成性化合物は、アンモニア、水酸化アンモニウム、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、トリプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、トリブチルアミン、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、およびそれらの混合物からなる群より選ばれる。トリエチルアミンは好ましい塩形成性化合物である。
【0040】
従って、水溶化基の結合した本発明のポリマのもう1つの好ましい単位は、
【化20】
Figure 0004243422
〔式中、Rは、それぞれ独立して、水素または脂肪族基からなる群より選ばれ、Rは、それぞれ独立して、二価有機連結基であり、mは、0または1であり、Yは、それぞれ独立して、イオン化可能な官能基またはそのイオン形であり、zは、ポリマの約5〜約50モル%である〕
である。
【0041】
その結果、こうして形成されるポリマは、基材表面上にコーティングする際に良好なフィルム形成特性(すなわち、ポリマ粒子は、融合してフィルムを形成する傾向を示す)および良好な表面接着性を呈する所望の構造をとる。このほか、ポリマ構造は、良好な剥離性(例えば、剥離値)を有し、この剥離性は、時間が経っても感圧接着剤(PSA)に対して安定している。特に高湿度条件下では、ポリマ中の水溶化基の量が少ないほど、より良好に剥離できることが分かった(本明細書中に記載の老化実験から示唆される)。
【0042】
任意の添加剤
特定の性質を強化または付与するために、本発明に係るポリマを含有する組成物に、他の化合物または添加剤を添加してもよい。このような組成物は剥離コーティングとして特に有用である。この場合、好適な任意の添加剤は、好ましくは、本発明に係る剥離コーティング組成物のフィルム形成性および剥離性に悪影響を及ぼさない物質であり、こうした物質は、剥離コーティング組成物の約99重量%までを占めてもよい。任意の添加剤は,好ましくは,架橋剤、脱泡剤、流動均展剤、着色剤(例えば、染料または顔料)、特定の基材と併用するための接着促進剤、可塑剤、チキソトロープ剤、レオロジー変性剤、フィルム形成剤(例えば、フィルム形成を助長する凝集有機溶剤)、殺生物剤/抗真菌剤、腐食抑制剤、酸化防止剤、光安定剤(UV吸収剤)、および界面活性剤/乳化剤、ならびに増量剤(例えば、ポリマエマルション、増粘剤、充填剤)、更にはそれらの混合物からなる群より選ばれる。好ましい添加剤は増量剤である。
【0043】
増量剤に属する特に有用な任意の添加剤としては、コスト節減対策として本発明の剥離コーティング組成物に添加可能でありかつこうして形成される剥離コーティングの剥離性に著しく悪影響を及ぼさない量で剥離コーティング組成物中に存在可能である増粘剤(湿潤剤とも記す)が挙げられる。増粘剤は、一般的には、セルロースエーテルである。セルロースエーテルは、典型的には、水分子を固定化することによって機能し、従って、分散物の粘度を増加させるために添加することができる。分散物の粘度の増加は、一般に、増粘剤濃度、重合度、および化学組成の関数である。好適な市販の増粘剤は、例えば、デラウェア州WilimingtonのAqualon Companyから商品名NATROSOLとして入手可能である。増粘剤の中には、粘度を増加させるために添加することのできる会合性増粘剤が含まれる。会合性増粘剤は、典型的には、各分子中に親水性部分と疎水性部分を有する。これらの部分同士およびこれらの部分と本発明に係るポリマとの間で優先に相互作用が生じ、分散物中に3次元網目構造が形成されると考えられる。好適な市販の会合性増粘剤は、例えば、ヴァージニア州SuffolkのAllied Colloidsから商品名RHEOVIS CR2として入手可能である。
【0044】
増量剤に属する他の有用な任意の添加剤は、ポリマエマルションの形態をとることができる。好適な市販のポリマエマルションとしては、例えば、ペンシルヴェニア州AllentownのAir Products, Inc.製のビニルアセテート/エチレンコポリマエマルションが挙げられる。
【0045】
典型的には、従来型水性剥離コーティング組成物には、重合中およびコーティング前、エマルション分散物を安定させるための界面活性剤/乳化剤が含まれる。(例えば、Tsengらに付与された米国特許第5,225,480号およびUrquiolaに付与された同第5,516,865号を参照されたい)。しかしながら、本発明の剥離コーティング組成物は、先に記載したように、好ましくは塩である水溶化基の含まれるポリマから形成される。この場合、好ましくは、剥離コーティング組成物には実質的に界面活性剤が含まれない。すなわち、本発明の好ましい剥離コーティング組成物には,重合時、エマルション分散物を安定化させるために、約0.5重量%未満、より好ましくは約0.05重量%未満の界面活性剤が含まれていてもよい。有利なことに、水溶化基のイオン化体を用いてポリマを改質することにより、水性剥離コーティング作製用のポリマを形成するためおよび該ポリマの安定性を増大させるためのいずれの目的に対しても、界面活性剤は不要になることが分かった。このことは重要である。なぜなら、特定の状況下において、界面活性剤を含有する剥離コーティング組成物から形成された剥離コーティングは、剥離コーティングの露出面上に、剥離コーティングの剥離性に悪影響を及ぼす恐れのある界面活性剤残留物を生じる可能性があることが判明したからである。
【0046】
本発明のポリマは、有機溶剤、水、またはそれらの混合物(すなわち、キャリヤ溶剤)からコーティングすることができる。好ましくは、水からコーティングされる。従って、芳香族炭化水素(例えば、トルエンおよびキシレン)、エステル(例えば、エチルアセテート)、脂肪族炭化水素(例えば、ヘプタンおよびヘキサン)、アルコール(例えば、イソプロパノールおよびn−ブタノール)、ケトン(例えば、アセトンおよびメチルエチルケトン)、およびそれらの混合物などの有機溶剤から剥離コーティング組成物をコーティングすることが望まれる場合、本発明に係るポリマを含有する組成物には、有機溶剤が含まれていてもよい。含まれる可能性のある他の有機溶剤は、ポリマの合成に由来する残留反応溶剤である。こうして溶剤としては、好ましくは、N−メチル−2−ピロリジノン、ジメチルホルムアミド、ジグライム、およびそれらの混合物が挙げられる。
【0047】
剥離コーティング組成物の作製方法
本発明の剥離コーティング組成物は、好ましくは、水性分散物から剥離組成物を適用することができるように、ポリマ主鎖成分をイソシアネート炭化水素および水溶化性化合物と混合するステップと、変換を行うステップ(または水溶化基の非イオン化体をイオン化するステップ)と、を含む方法によって調製されるが、有機溶剤からコーティングする場合には、この必要はない。典型的には、ポリマ主鎖成分と少なくとも1種の有機溶剤との混合物を好適な反応容器に仕込む。好ましい有機溶剤には、芳香族炭化水素、N−メチル−2−ピロリジノン、ジメチルホルムアミド、ジグライム、およびそれらの混合物が含まれる。好適な芳香族炭化水素溶剤としては、例えば、トルエンおよびキシレンが挙げられる。共沸蒸留によりこの混合物を脱水し、次に、通常、約70℃〜約140℃の高温で、イソシアネート含有炭化水素が消費されるまで、約0.2時間〜約12時間にわたりイソシアネート含有炭化水素と反応させる。その後、約70℃〜約140℃の高温で、先に規定した水溶化性化合物を添加し、該水溶化性化合物が消費されるまで反応させる(約1時間〜約12時間)。有機溶剤から剥離コーティング組成物をコーティングすることが望まれる場合、この時点で、得られたポリマを任意の添加剤と共に剥離コーティング組成物中で使用してもよい。
【0048】
剥離コーティング組成物を水性分散物から適用する場合、該組成物をその水分散性誘導体に変換する。典型的には、こうした変換は、有機溶剤中に分散されたポリマに塩形成性化合物を添加することによって行われる。本発明に係るポリマの水性分散物を提供するための便利な方法は、有機溶剤(例えば、イソプロパノール)と水と塩形成性化合物との混合物にポリマを添加することである。その後、ポリマの水性分散物を形成するために、十分な量の有機溶剤を、例えば、蒸留により除去することができる。いかなる特定の理論にも束縛されることを望むものではないが、塩形成性化合物は水溶化基の非イオン化体を中和する(またはイオン化する)することによって水分散性になるようにポリマを「変換する」ものと考えられる。また、ポリマは、その変換体(またはイオン化体)として水中に分散された状態で残存し、続いて、剥離コーティング組成物が基材表面上で乾燥するにつれて、そのもとの状態(すなわち、水溶化基が酸性形として存在する状態)に戻るものと考えられる。従って、ポリマの安定な水性分散物を得るために界面活性剤/乳化剤を添加する必要はまったくない。
【0049】
ポリマの水性分散物として提供される剥離コーティング組成物は、経済的であるうえに、通常、有機溶液および分散物につきももの多くの問題、例えば、コーティングされる表面に及ぼす有機溶剤の悪影響、火災の危険性、健康障害および毒性の危険性、臭気、ならびに製造時のその他の環境問題および安全上の問題を解決する。
【0050】
本発明に係る剥離コーティング組成物は、透明であってもよく、この場合には溶液であり、室温でコーティングすることにより、実質的に均質なフィルムを形成することが可能であると考えられる。しかしながら、本発明に係る剥離コーティング組成物は、曇りを有するかまたは不透明であってもよく、この場合には、実質的に均質なフィルムを形成するために、熱を加えて剥離コーティング組成物の粒子を融合させる必要がある。
【0051】
剥離コーティングの施される材料
本発明の組成物は、一般に、固体基板用の剥離コーティングとして使用可能であり、この基板は、シート、繊維、または造形品であってもよい。1つの好ましいタイプの基材は、感圧接着製品用に使用される基材、例えば、テープ、ラベル、バンデージなどである。乾燥の開始前に好適な可撓性または不撓性バッキング材料の少なくとも1つの主要面に組成物を適用してもよい。有用な可撓性バッキング材料には、紙、プラスチックフィルム、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリビニルクロリド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、セルロースアセテートなどが含まれる。また、バッキングは、合成繊維もしくは綿などの天然素材またはこれらのブレンドの糸から形成される織布の形態であってもよい。このほか、バッキング材料は、合成繊維もしくは天然繊維またはこれらのブレンドのエアレイドウェブのような不織布であってもよい。更に、金属、フォイル、またはセラミックシート材料から好適なバッキングを形成することもできる。基材への剥離コーティング組成物の接着を助長するために、当技術分野で周知のプライマを利用することができるが、それらは一般的には必要なものでない。
【0052】
剥離コーティング組成物中のポリマの所望の濃度は、コーティングの方法および所望の最終コーティング厚さに依存する。典型的には、剥離コーティング組成物は、固形分約1%〜約15%でコーティングされる。
【0053】
剥離コーティング組成物は、従来型コーティング法、例えば、線巻きロッドコーティング法、直接グラビアコーティング法、オフセットグラビアコーティング法、リバースロールコーティング法、エアナイフコーティング法、およびトレーリングブレードコーティング法を利用して好適な基材に適用してもよい。コーティングの乾燥は、室温、高温、またはそれらを組合せた温度で行うことができるが、この場合、バッキング材料は高温に耐えられなければならない。典型的には、高温とは、約60℃〜約130℃である。得られる剥離コーティングは、多種多様な従来型感圧接着剤、例えば、天然ゴムをベースとする材料、アクリル系材料、粘着性ブロック共重合体材料、および他の合成フィルム形成エラストマ材料に対して有効な剥離性を提供する。
【0054】
本発明の剥離コーティングは、感圧接着(PSA)テープ用低付着性バックサイズ(LAB)などの種々の形態で使用することができる。例えば、図1に示されているように、ロール状テープ10には,可撓性バッキング11と、バッキングの一方の主要面12(すなわち、第1の主要面)上の感圧接着コーティングと、バッキングの反対側の主要面14(すなわち、第2の主要面)上の剥離コーティングと、が含まれる。剥離コーティングは、上記の組成物から形成される。テープは、感圧接着剤が剥離可能な状態で剥離コーティングと接触するように、ロール状に巻き取られる。図2は、テープ10(図1)のセグメントの分解断面図である。次に、図2について説明する。テープ20には,バッキング21と、感圧接着剤22と、剥離コーティング(またはLAB)23と、が含まれる。感圧接着剤に対する固有接着力は、感圧接着剤がコーティングされるバッキングの表面よりもLAB23の方が低くなる。これにより、感圧接着剤のずれまたはバッキングからの転写を起こすことなく、ロールからテープを巻出すことが可能になる。もう1つの形態は、2つの剥離ライナの間に感圧接着剤のフィルムを含んでなる転写テープであり、少なくとも一方の剥離ライナには、上記の剥離コーティング組成物がコーティングされている。
【0055】
本発明の剥離コーティング(またはLAB)を含む特に好ましい製品は、テープ、ラベル、創傷用ドレッシング、および医療等級のテープである。例えば、好ましい創傷用ドレッシングの1つには,整合性を呈する程度に、極めて薄く、可撓性があり、かつ柔軟性のあるポリマフィルムが含まれる。また、創傷用ドレッシングには、典型的には、フィルムの接着剤被覆表面を覆う剥離性保護ライナが設けられる。ライナを除去する時および/またはドレッシングが衣服やベッドリネンと擦れる時、接着剤被覆フィルムにしわが寄ったりフィルム同士が接着して患者の皮膚へのドレッシングの滑らかな無菌適用が妨げられるのをLABにより防止することが可能である。従って、接着剤の反対側のフィルム表面上に低付着性バックサイズコーティングを施すほかに、表面の摩擦係数を低下させて、ベッドリネンまたは衣服と擦れたときにドレッシングの縁が浮き上がるのを低減させることが望ましい。
【0056】
医療等級のテープ、または他の製品には、本発明の剥離コーティング組成物が含まれていてもよい。医療等級のテープ、または他の製品は、多孔質バッキングが使用され、透湿性があるので、典型的には「通気性」である。また、このようなテープは、柔軟性および整合性のような種々の特性を備えたものであってもよい。典型的には、織布、不織布、または編物材料が、このようなテープ中でバッキングとして使用される。好適なバッキングとしては、例えば、カード布、スパンボンド布、スパンレース布、エアレイド布、ステッチボンド布などの不織布;エラストマの使用によって得られる十分な伸縮性を有する織布;縦編および横編材料などの編布が挙げられる。
【0057】
好ましいバッキングは,透湿性、柔軟性、整合性、降伏モジュラス、テクスチャ、外観、加工性、強度などの所望の性質を兼備する。性質の特定の組合せは、典型的には、所望の用途によって決まる。例えば、医療分野における多くの用途では、布は、低い降伏モジュラスを有し、所望の適用およびロールまたはパッド形態での取り出しに見合った十分な強度を有するであろう。
【0058】
感圧接着剤は、種々の既知材料のいずれであってもよく、一般的には、バッキング材料に適用される。一般に、感圧接着剤は、バッキング(または基材)と感圧接着剤とを含んでなるテープ中で使用される。感圧接着剤は、指圧以下の力を加えることにより接着し、永久的に粘着性であることができる。感圧接着剤は、プライマ、粘着付与剤、可塑剤などと併用可能である。感圧接着剤は、好ましくは、それらの標準乾燥状態で十分粘着性であり、それらの使用目的に応じて、接着性、凝集性、伸縮性、弾性および強度をバランスよく備えている。
【0059】
テープは、多種多様な用途で、例えば、2つの表面(例えば、パッキング材料のフラップ)を接合させるために、または医療分野(例えば、創傷用ドレッシング)において、使用可能である。後者の場合、感圧接着剤は、バッキングの皮膚に面した側のコーティングである。このような接着剤は、ヒト被験者に対する21日間のドレイズ試験において許容しうる性能を呈するという意味で、好ましくは「低アレルゲン性」である。
【0060】
実施例
特定の材料および量が導入された以下の実施例には、本発明の目的、特徴、および利点が示されているが、こうした記載内容によって本発明が不当な制約を受けるものではないと解釈しなければならない。材料はいずれも、特に記載のないかぎり、ウィスコンシン州MilwaukeeのAldrich Chemicalから市販されているものであるか、または自明なものである。実施例中に記載の部、パーセント、比などはいずれも、特に記載のない限り、重量基準である。
【0061】
NMR試験方法
本発明に係るポリマのサンプル(100mg)を、加熱しながら重水素化クロロホルム1g中に溶解した。次に、Varian INOVA 400 MHzSpectrometer(カリフォルニア州Palo AltoのVarian NMR Instruments)にサンプルを充填した。
【0062】
剥離強度試験方法
この試験では,室温または高温および種々の湿度条件において所定の期間のエージングを行った後、剥離コーティング組成物の有効性を測定する。初期またはエージング後の剥離値は、試験組成物のコーティングされた基材から特定の角度および除去速度で可撓性PSAテープを除去するのに必要な力を表す定量的尺度である。力は、100mmあたりのニュートン(N)で表現される。
【0063】
剥離コーティング組成物の水分散物を、#3または#6 Mayer Barを用いて厚さ40ミクロンの火炎処理2軸延伸ポリプロピレン基材上にコーティングした。オーブン中でコーティングを乾燥させ、次に、恒温室中で冷却させた。乾燥させた剥離コーティングの厚さは、約0.1〜0.2ミクロンであった。乾燥させたコーティングを、室温および相対湿度50%の条件下で24時間にわたり状態調節(またはエージング)した。
【0064】
エージング後剥離試験を次のように行った。まず、2kgゴムローラに6回通すことにより、剥離コーティング上に2.54cm×20cmのPSAテープのストリップを押圧した。所望の時間/温度条件でPSAテープ/剥離剤被覆フィルム複合体のエージングを行い、次に、両面被覆テープを用いて滑り/剥離試験機(マサチューセッツ州HinghamのIMASS Inc.製Model 3M90)のガラスプレートに接着させた。次に、230cm/分の剥離速度および剥離コーティングに対して180°の剥離角度で試験テープを剥離するのに必要な力を測定した。
【0065】
ガラスへの再接着試験方法
ガラスへの再接着性を次のように測定した。新たに剥離したテープ(上記の剥離強度試験方法に記載のテープ)をクリーンなガラスプレートに接着させ、上記のものと同じ滑り/剥離試験機(マサチューセッツ州HinghamのIMASS Inc.製Model 3M90)を用いて、この場合も230cm/分および180°の剥離角度で剥離することにより、標準的な手順で剥離接着力を測定した。2kgローラを用いてテープをガラスプレート上に押圧し、それ以上の保圧時間をかけずに直ちに再接着力を測定した。これらの測定値を利用し、剥離コーティングによる接着表面の望ましからぬ汚染が原因で接着値が低下するかを調べた。クリーンなガラスプレートからエージング後のサンプルを除去するのに必要な力(N/100mm)として再接着力を報告する。また、クリーンなガラスプレートから対照テープサンプル(剥離コーティングに接着させなかったテープサンプル)を剥離するのに要する力も測定した。
【0066】
「巻出し」および「ガラスへの接着」試験方法
巻出力を次のように測定した。滑り/剥離試験機(マサチューセッツ州HinghamのIMASS Inc.製Model 3M90)のスプール保持具にテープロールを取り付け、テープロールからテープを巻出すのに必要な力を、31cm/分の剥離速度およびテープロールに対して90°の角度で測定した。ガラスへの接着力は、ガラスへの再接着試験のところで先に記載したように測定した。ただし、テープサンプルは、テープロールから得たものであった。
【0067】
実施例1
この実施例では、98%加水分解(モル基準)ポリビニルアセテートを出発原料として用い、本発明に係る酸性水溶化基を有するポリマの調製、精製、および回収にいて説明する。
【0068】
次の成分:すなわち、デラウェア州WilmingtonのDupontから商品名ELVANOL 71−30として入手可能なポリビニルアセテートを(98モル%)加水分解することによって調製された中分子量ポリビニルアルコールのポリマ主鎖成分(5g、113.5ミリモル)、N−メチル−2−ピロリジノン溶剤(80ml)、およびトルエン(20ml)を250ml丸底フラスコに仕込んた。加熱および攪拌しながら、揮発分19mlを溶液から蒸留した。溶液を125℃の油浴中に入れ、ドイツのLeverkusenにあるBayerChemical Co.から商品名MONDUR Oとして入手可能なイソシアネート含有炭化水素のオクタデシルイソシアネート(21.8g、73.8ミリモル)を5分間にわたり添加した。更に15分間攪拌した後、水溶化性化合物の無水グルタル酸(6.7g、58.8ミリモル)およびジイソプロピルエチルアミン(7.55g、58.8ミリモル)を逐次的に添加し、125℃で溶液を5時間攪拌した。仕上げ処理として、酢酸(6g、100ミリモル)、イソプロピルアルコール(80ml)、次にメタノール(100ml)を加えて生成物を析出させた。イソプロピルアルコール(80ml)中に生成物を再溶解させ、次いでメタノール(40ml)を添加して沈殿させることにより、更なる精製を行った。乾燥後、ベージュ色の固体(28.7g)として生成物を単離した。
【0069】
上記の方法を用いてNMR分析を行って得られた実施例1に対する典型的な化学シフトを示す。H−NMR(CDCl、400MHz)δ4.7−5.2(少なくとも2つがオーバラップしたブロードピーク、ウレタンのNH共鳴およびR−OCH主鎖の共鳴、RはHでない)、3.8(ブロード、アルコールのOH)、3.7(ブロード、主鎖上のHO−CH)、3.1(ブロード、ウレタンに結合したNHCHメチレン)、2.4(ブロード、水溶化基上のカルボニルに結合したOOCCHCHCHCOOHメチレン)、1.1−2.0(メチレン水素が関与した多重ピーク)、0.88(3重線、ウレタン連結窒素含有長鎖アルキル置換基のCH末端メチル基)。ここで、NMR分析によって得られたシグナルを積分することにより、アルキル/酸/OHモル比が70/22/8であることが分かった。
【0070】
実施例2
この実施例では、98%加水分解(モル基準)ポリビニルアセテートを出発原料として用い、本発明に係る酸性水溶化基を有するポリマの調製、精製、および回収にいて説明する。
【0071】
次の成分:すなわち、ペンシルヴェニア州AllentownのAir Productsから商品名AIRVOL 103として入手可能なポリビニルアセテートを(98モル%)加水分解することによって調製された低分子量ポリビニルアルコールのポリマ主鎖成分(30g)、N−メチル−2−ピロリジノン溶剤(420ml)、およびトルエン(330ml)を1000ml丸底フラスコに仕込んた。加熱および攪拌しながら、揮発分227mlを溶液から蒸留した。溶液を100℃の油浴中に入れ、イソシアネート含有炭化水素のオクタデシルイソシアネート(145.1g)を3分間にわたり添加した。更に15分間攪拌した後、水溶化性化合物の無水グルタル酸(17.99g)およびジイソプロピルエチルアミン(22.2g)を逐次的に添加し、90℃で溶液を5時間攪拌した。仕上げ処理として、珪藻土を用いて溶液を熱時濾過し、メタノール(900ml)を添加して沈殿させた。乾燥後、白色固体(150g)として生成物を単離した。
【0072】
実施例1で記載したように、実施例2に対する典型的な化学シフトを調べた。ただし、実施例2のポリマ中のアルキル、酸、およびアルコールの各部分のモル%比は、それぞれ、スペクトル中の0.88、2.4、および3.7ppmに位置するシグナルを積分することにより求めた。ここで、NMRによって得られたシグナルを積分することにより、アルキル/酸/OHモル比は67/11/22であることが分かった。
【0073】
実施例3
この実施例では、50%加水分解(モル基準)ポリビニルアセテートを出発原料として用い、本発明に係る酸性水溶化基を有するポリマの調製、精製、および回収にいて説明する。
【0074】
次の成分:すなわち、ドイツのMunichにあるWacker Chemie GmbHから商品名POLYVIOL W45−450として入手可能なポリビニルアセテートを(50モル%)加水分解することによって調製されたポリビニルアルコールのポリマ主鎖成分(2.5g、18.73ミリモル)、およびキシレン溶剤(60ml)を250ml丸底フラスコに仕込んた。加熱および攪拌しながら、揮発分10mlを溶液から蒸留した。イソシアネート含有炭化水素のオクタデシルイソシアネート(3.92g、13.3ミリモル)を添加し、溶液を加熱して3時間還流させた。水溶化性化合物の無水コハク酸(0.543g、5.42ミリモル)およびトリエチルアミン(0.60g、5.9ミリモル)を逐次的に添加し、溶液を加熱して4時間還流させた。仕上げ処理として、イソプロピルアルコール(50ml)を添加し、次に、メタノール(100ml)と酢酸(10g)との溶液中に注いで沈殿させた。イソプロピルアルコール(10ml)中に生成物を再溶解させ、次いでメタノール(20ml)を添加して沈殿させることにより、更なる精製を行った。乾燥後、綿毛状白色固体として生成物を単離した。
【0075】
実施例1で記載したように、実施例3に対する典型的な化学シフトを調べた。ただし、実施例3のポリマ中のアルキル、酸、およびアルコールの各部分のモル%比は、それぞれ、スペクトル中の0.88、2.4、および3.7ppmに位置するシグナルを積分することにより求めた。ここで、NMRによって得られたシグナルを積分することにより、アセテート/アルキル/酸/OHモル比は52/35/10/3であることが分かった。
【0076】
実施例4
この実施例では、完全加水分解エチレン/ビニルアセテートコポリマを出発原料として用い、本発明に係る酸性水溶化基を有するポリマの調製、精製、および回収にいて説明する。
【0077】
次の成分:すなわち、商品名EVAL E 105A(イリノイ州LisleのEVALCA Co.)として入手可能なエチレン(44モル%)/ビニルアセテートコポリマを完全加水分解することによって調製された分子量約40,000の「エチレンビニルアルコール」コポリマのポリマ主鎖成分(1g、15.13ミリモル)、ジグライム溶剤(15ml)、およびキシレン(7.5ml)を250ml丸底フラスコに仕込んた。加熱および攪拌しながら、揮発分8.5mlを溶液から蒸留した。イソシアネート含有炭化水素のオクタデシルイソシアネート(2.91g、9.85ミリモル)を添加し、溶液を加熱して3.5時間還流させた。水溶化性化合物の無水コハク酸(0.58g、5.8ミリモル)およびジイソプロピルエチルアミン(0.75g、5.8ミリモル)を逐次的に添加し、溶液を加熱して5時間還流させた。仕上げ処理として、イソプロピルアルコール(7ml)を添加し、次に、メタノール(15ml)と酢酸(1.5g)との溶液中に注いで沈殿させた。乾燥後、綿毛状白色固体として生成物を単離した。
【0078】
実施例1で記載したように、実施例4に対する典型的な化学シフトを調べた。ただし、実施例4のポリマ中のアルキル、酸、およびアルコールの各部分のモル%比は、それぞれ、スペクトル中の0.88、2.4、および3.7ppmに位置するシグナルを積分することにより求めた。ここで、NMRによって得られたシグナルを積分することにより、アルキル/酸/OHモル比は64/30/6であることが分かった。
【0079】
実施例5
この実施例では、本発明に係るポリマの水中分散物の調製について説明する。この分散物は、実施例1のポリマから形成したものであり、水分散性ポリマを形成すべく水溶化基は中和されている。
【0080】
還流させながら約5分間加熱することにより、イソプロパノール(50g)および塩形成性化合物のトリエチルアミン(6g)中に、実施例1のポリマ生成物(25g)を溶解させた。激しく攪拌しながら、まだ熱い溶液に、1:1水/イソプロパノール混合液(20g)を徐々に添加し、次いで、3分間にわたり水(500g)を添加した。回転エバポレータを用いて液体95gを除去し、次に、珪藻土を用いて溶液を濾過した。得られた溶液は、ポリマ組成物の5%水中分散物であり、薄黄色透明であった。
【0081】
実施例6
この実施例では、98%加水分解(モル基準)ポリビニルアセテートを出発原料として用い、本発明に係る中和水溶化基を有するポリマの調製にいて説明する。
【0082】
商品名AIRVOL 103として入手可能なポリビニルアセテートを(98モル%)加水分解することによって調製された低分子量ポリビニルアルコールのポリマ主鎖成分(100g)およびN−メチル−2−ピロリジノン溶剤(333g)を、機械的攪拌機(ガラスロッド、テフロンブレード)および窒素送入口付きDean/Starkトラップを備えた容器に添加した。攪拌しながら125℃の油浴中で混合物を30分間加熱し、ポリビニルアルコールを溶解させた。ヘプタン(Dean/Starkトラップを満たすのに十分な量+50ml)を添加し、還流させながら混合物を加熱して溶液を脱水した(30分間)。次に、ヘプタンを留去し、ポリマを再溶解させた(約30分間)。イソシアネート含有炭化水素のオクタデシルイソシアネート(484g)を、攪拌しながら、約5分間にわたり溶液に添加した。約30分後、水溶化性化合物の固体無水グルタル酸(34.9g)をすべて、攪拌しながら一度に添加した。約4.5時間後、溶液を100℃まで冷却し、攪拌しながらメタノール(1500ml)を添加した。還流させながら溶液を加熱し、5分間攪拌し、次に、まだ熱いうちに液体部分をデカントとして除去した。メタノール1400mlを用いてこのステップを繰り返し、125℃で蒸留することによりメタノールを除去した。イソプロピルアルコール2500g)および塩形成性化合物のトリエチルアミン(34.1g)を添加し、得られた混合物を、固体生成物が溶解するまで、還流させながら加熱した。高速で攪拌しながら、高温脱イオン水(80℃、5570ml)を1分間にわたり添加し、還流させながら溶液を加熱して液体3351gを留去した。得られた溶液のpHをトリエチルアミンで8に調節し、珪藻土を用いて溶液を濾過した。得られたポリマ組成物の12%水中分散物は、薄黄色/透明〜ベージュ色/曇りの外観を呈した。
【0083】
実施例1で記載したように、実施例6に対する典型的な化学シフトを調べた。ただし、実施例6のポリマ中のアルキル、酸、およびアルコールの各部分のモル%比は、それぞれ、スペクトル中の0.88、2.4、および3.7ppmに位置するシグナルを積分することにより求めた。ここで、NMRによって得られたシグナルを積分することにより、アルキル/酸/OHモル比は71/12/17であることが分かった。
【0084】
実施例7
この実施例では、98%加水分解(モル基準)ポリビニルアセテートを出発原料として用い、本発明に係る中和水溶化基を有するポリマの調製にいて説明する。
【0085】
商品名AIRVOL 103として入手可能なポリビニルアセテートを(98モル%)加水分解することによって調製された低分子量ポリビニルアルコールのポリマ主鎖成分(8.7部)およびN−メチル−2−ピロリジノン溶剤(29.1部)を、機械的攪拌機およびデカンタトラップを備えた容器に添加した。攪拌しながら125℃で混合物を30分間加熱し、ポリビニルアルコールを溶解させた。ヘプタン(Dean/Starkトラップを満たすのに十分な量+50ml)を添加し、還流させながら混合物を加熱して溶液を脱水した(30分間)。次に、ヘプタンを留去し、ポリマを再溶解させた(約30分間)。イソシアネート含有炭化水素のオクタデシルイソシアネート(42.2部)を、攪拌しながら、約3分間にわたり溶液に添加した。約30分後、水溶化性化合物の固体無水グルタル酸(3部)をすべて、攪拌しながら一度に添加した。約4.5時間後、溶液を100℃まで冷却し、攪拌しながらプロピレングリコール(65部)および脱イオン水(120部)を添加した。還流させながら溶液を加熱し、10分間攪拌し、次に、まだ熱いうちに液体部分をデカントとして除去した(約50℃)。脱イオン水300部を用いてこのステップを繰り返した。イソプロピルアルコール150部)および塩形成性化合物のトリエチルアミン(3部)、更に、水(150部)を添加し、還流させながら溶液を加熱して液体135部を留去した。得られた分散物のpHをトリエチルアミンで8に調節し、乳状分散物(固形分24.7%)を容器から送出させた。この分散物の一部分(97.2部)を、脱イオン水(173.4部)、イソプロパノール(113.4部)、およびトリエチルアミン(0.09部)と共に容器に戻した。還流させながら溶液を30分間加熱して液体150部を留去し、次に、2枚の20ミクロンフィルタに通して濾過し、固形分11%の乳白色分散物を得た。その後、脱イオン水を添加して分散物を希釈し、固形分10%の分散物にした。
【0086】
実施例1で記載したように、実施例2に対する典型的な化学シフトを調べた。ただし、実施例2のポリマ中のアルキル、酸、およびアルコールの各部分のモル%比は、それぞれ、スペクトル中の0.88、2.4、および3.7ppmに位置するシグナルを積分することにより求めた。ここで、NMRによって得られたシグナルを積分することにより、アルキル/酸/OHモル比は75/11/14であることが分かった。
【0087】
実施例8〜22
上記の実施例に従って、本発明の他のポリマ組成物を調製した。この際、反応物の量および反応条件を少し変化させた。実施例8〜12のポリマ組成物は、実施例1の記載に従って調製した。実施例13〜14のポリマ組成物は、実施例2の記載に従って調製した。実施例15〜22のポリマ組成物は、実施例3の記載に従って調製した。得られたポリマに対してNMRにより求めたモル比を、表1に示す。
【0088】
【表1】
Figure 0004243422
Figure 0004243422
【0089】
実施例23
中和された水溶化基を有する水分散性ポリマと、会合性増粘剤添加剤と、を含んでなる水分散性剥離コーティング組成物を用いて、ポリプロピレンフィルムにコーティングを施すことが可能であるかについて、この実施例で具体的に示す。
【0090】
実施例7で調製した水分散性ポリマの10%水分散物10gに、商品名RHEOVIS CR2(ヴァージニア州SuffolkのAllied Colloids)として入手可能な会合性増粘剤の30%水性分散物(0.068g)を添加した。混合物を約5秒間攪拌し、#6 Mayer Bar(ニューヨーク州WebsterのRDS Specialties)を用いて、50ミクロンの火炎処理2軸延伸ポリプロピレン(BOPP)フィルムの15cm×60cmシート上に、得られた溶液をハンドコーティングし、フィルム上に均一に溶液を展開させた。乾燥オーブン中において110℃で約1分間フィルムを乾燥させ、透明被覆フィルムを得た。
【0091】
実施例25
中和された水溶化基を有するポリマを含有し添加剤がまったく含まれない水分散性剥離コーティング組成物を用いて、セルロースアセテートフィルムにコーティングを施すことが可能であるかについて、この実施例で具体的に示す。
【0092】
実施例6で調製したポリマ組成物の12%水分散物(約0.25ml)を、マット仕上げセルロースアセテートフィルムの15cm×60cmシート上に、#6 Mayer Barでハンドコーティングし、フィルム上に均一に溶液を展開させた。周囲条件下で約15分間フィルムを乾燥させ、透明被覆フィルムを得た。
【0093】
実施例26〜28
これらの実施例では、中和された水溶化基を有するポリマの水分散性剥離コーティング組成物と、単独では剥離面が得られない水性フィルム形成剤と、のブレンドをコーティングしてなるポリプロピレン基材に適用された種々のPSAテープの試験について説明する。
【0094】
フィルム形成剤の55%水性エマルション(ペンシルヴェニア州AllentownのAir Products, Inc.から商品名AIRFLEX 100HSとして入手可能なビニルアセテート/エチレンコポリマエマルション)(8.2g)を、実施例7で調製したポリマの10%水分散物5gに添加した。水(86.8g)を加えて固形分5%を含む溶液にし、次に、この溶液をBOPP上に#6 Mayer Barでハンドコーティングし、更に、上記の剥離強度および再接着試験方法に従って、3種の商用感圧接着(PSA)テープを用いて、剥離強度およびガラスへの再接着力の試験を行った。異なる市販のテープ(いずれもミネソタ州St. Paulの3M Company製)を評価した。その試験結果は表2に示されている。
【0095】
【表2】
Figure 0004243422
Figure 0004243422
【0096】
表2中のテープに対する所望の目標剥離強度は、4〜8N/100mmの範囲である。表2のデータは、実施例26〜28のテープがこの範囲内のアクリレート接着テープの剥離力および再接着力を呈することを示している。
【0097】
実施例29
この実施例では、酸性水溶化基を有する実施例2のポリマの水分散性剥離コーティング組成物がコーティングされてなる、創傷用ドレッシングテープとして使用するのに好適なバッキング材料の調製および試験について説明する。実施例5の方法を用いて、実施例2のポリマの水性分散物を調製した。ただし、固形分8%の分散物が得られるように水の量を調節した。
【0098】
実施例2に記載のポリマ組成物の固形分8%の水性分散物を、米国特許第3,121,021号(Copeland)中の記載内容に従って調製した、剥離コーティングの施されていない多孔質不織布テープ材料上にコーティングした。90ラインルーリングミルグラビアロールを用い、ニップグラビアステーションに通してコーティングを施した。また、130℃乾燥オーブン中の滞留時間は10秒間であった。次に、得られたテープロールを種々の条件でエージングし、先に記載した方法に従って、巻出し力およびガラスへの再接着力を試験した。試験結果を市販のMICROPOREテープ(ミネソタ州St. Paulの3M Company)で得られた結果と比較し、表3に示す。
【0099】
【表3】
Figure 0004243422
【0100】
MICROPOREブランドテープの所望の剥離強度は、3〜18N/100mmの範囲である。表3のデータは、試験テープが所望の剥離および再接着特性を呈することを示している。特筆すべき点は、エージングを行っても剥離強度がそれほど増大しないことである。再接着力はいくらか減少するが、市販品と同等である。
【0101】
実施例30〜32
これらの実施例では、種々の水分散性剥離コーティング組成物のコーティングが施されたポリプロピレン基材に適用された、ゴムベース、Kratonベース、およびアクリルベースのPSAテープの試験について説明する。
【0102】
実施例5の方法を用いて、実施例1〜4のポリマの水性分散物を調製した。ただし、固形分10%の分散物が得られるように水の添加量を調整した。アミノ化ブタジエン下塗りポリエステルフィルム上に、これらの水性剥離コーティング組成物を#3 Mayer Barでハンドコーティングし、上記の試験方法に従って、3種の商用PSAテープを用いて、剥離強度およびガラスへの再接着力の試験を行った。異なる市販のテープ(いずれもミネソタ州St. Paulの3M Company製)を評価した。その試験結果は表4に示されている。
【0103】
【表4】
Figure 0004243422
【0104】
表4のデータから、実施例30〜20のテープは、異なるクラスの感圧接着剤の所望の剥離力および再接着力を示したことが分かる。
【0105】
すべての特許、特許出願、および出版物の全開示内容は、参照により、それぞれ個々に明示されたものとして、本明細書に組み入れる。本発明の範囲および精神から逸脱することなく本発明の種々の修正および変更が可能であることは、当業者には自明であろう。また、本明細書中に記載の例示用の実施例に本発明が不当に限定されるものではないこと理解しなければならない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明に係るロール構造型接着製品の略側面図である。
【図2】 図2は、本発明に係る接着製品の拡大断面図である。

Claims (3)

  1. 置換基の結合したポリエチレン主鎖を含有するポリマを含んでなる剥離コーティング組成物であって、
    該置換基が、
    長さ方向に5個以上の炭素原子を有しかつ末端メチル基を有する、ウレタン連結した窒素に結合した炭化水素側鎖と、
    酸素連結した水溶化基であって、‐OSO2-、‐SO2-、‐CO2 -、(‐O)2P(O)O-、‐OP(O)(O-2、‐P(O)(O-2、‐P(O-2、および‐PO(O-2からなる群より選ばれるアニオンを含有するか、又は、‐NH(R82 +および‐N(R83 +〔式中、R8は、フェニル基、脂環式基、および1〜12個の炭素原子を有する直鎖または分枝脂肪族基からなる群より選ばれる〕からなる群より選ばれるカチオンを含む、水溶化基と、
    を含む、剥離コーティング組成物。
  2. 第1の主要面と第2の主要面とを有するバッキングと、
    該バッキングの該第1の主要面上にコーティングされた感圧接着剤と、
    該第2の主要面上にコーティングされた低付着性バックサイズと、
    を含む製品であって、
    該低付着性バックサイズが、
    置換基の結合したエチレン含有主鎖を有するポリマを含んでなり、該置換基は長さ方向に5個以上の炭素原子を有しかつ末端メチル基を有するウレタン連結した窒素に結合した炭化水素側鎖と、酸素連結した水溶化基であって、‐OSO2-、‐SO2-、‐CO2 -、(‐O)2P(O)O-、‐OP(O)(O-2、‐P(O)(O-2、‐P(O-2、および‐PO(O-2からなる群より選ばれるアニオンを含有するか、又は、‐NH(R82 +および‐N(R83 +〔式中、R8は、フェニル基、脂環式基、および1〜12個の炭素原子を有する直鎖または分枝脂肪族基からなる群より選ばれる〕からなる群より選ばれるカチオンを含む、水溶化基とを含む、剥離コーティング組成物から形成される、製品。
  3. 置換基の結合したビニル誘導主鎖を含有するポリマであって、該置換基は長さ方向に5個以上の炭素原子を有しかつ末端アルキル基を有するウレタン連結した窒素に結合した炭化水素側鎖と、
    酸素連結した水溶化基であって、‐OSO2-、‐SO2-、‐CO2 -、(‐O)2P(O)O-、‐OP(O)(O-2、‐P(O)(O-2、‐P(O-2、および‐PO(O-2からなる群より選ばれるアニオンを含有するか、又は、‐NH(R82 +および‐N(R83 +〔式中、R8は、フェニル基、脂環式基、および1〜12個の炭素原子を有する直鎖または分枝脂肪族基からなる群より選ばれる〕からなる群より選ばれるカチオンを含む、水溶化基と、
    を含むポリマ。
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