JP4240731B2 - 空調システム - Google Patents

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  • Sorption Type Refrigeration Machines (AREA)
  • Air Conditioning Control Device (AREA)
  • Central Air Conditioning (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、空調システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、例えば特開平6−313632号公報に記載されているように、吸着剤との接触によって乾燥させた空気を加湿冷却して、その冷却された空気を家屋の冷房に利用する空調システムが提案されている。
【0003】
上記公報に記載の空調システムにおいて、室内の空気は、吸着剤との接触によって除湿され、その除湿された空気は、水冷または空冷された後、再び室内へと戻される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記公報記載の空調システムの場合、吸着剤によって室内の空気から吸着された水分は、吸着剤を再生する際に単に室外へと排気されていて、何ら有効に利用されていない。その一方で、この種の空調システムにおいては、冷却が不充分となる場合に散水等による加湿冷却が行われることがあり(上記公報段落[0021]参照)、その場合は、散水に用いるための水を供給する必要がある。
【0005】
つまり、上記のような空調システムは、吸着によって水が得られるにもかかわらず、その水を有効利用することなく、加湿冷却のために系外から水を導入しており、この点において必ずしも効率のよいシステムにはなっていなかった。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、その目的は、吸着によって得た水を有効に利用して加湿冷却を実施可能な空調システムを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段、および発明の効果】
上述の目的を達成するために、請求項1に記載の空調システムは、
雰囲気の温度および湿度に応じて湿気を吸着または脱着し、吸着に伴って雰囲気温度を上昇させる一方、脱着に伴って雰囲気温度を低下させる吸着剤を利用して、室内空気の冷却および除湿を行う空調システムであって、
室外から空気を導入して前記吸着剤と接触させ、該吸着剤から湿気を脱着させて空気の温度を低下させ、その低温空気を利用して室内の空気を冷却する脱着冷却モードと、
室内から空気を導入して前記吸着剤と接触させ、該吸着剤に湿気を吸着させて空気の湿度を低下させ、その低湿空気を室内へ戻すことによって除湿を行う除湿モードと、
室外から空気を導入して前記吸着剤と接触させ、該吸着剤に湿気を吸着させる飽和吸着モードとを、いずれかに切り替えて作動可能に構成されている
ことを特徴とする。
【0007】
この空調システムにおいて、上記吸着剤としては、相対湿度40%〜100%における吸着/脱着能力が10%以上あるものを用いると望ましく、より具体的には、B型シリカゲルなどが好適である。吸着剤は、空気の流路をなす容器に充填されていてもよいし、空気の流路をなす壁面に添着されていてもよいし、空気の流路をなす容器ないし壁面そのものが吸着剤を主成分とする材料からなる成形体であってもよい。
【0008】
この空調システムにおいて、上記脱着冷却モードは、室内の空気を冷却するモードであると同時に、吸着剤を再生する(吸着剤の吸湿能を回復させる)モードでもある。
上記除湿モードは、室内の空気から除湿するモードであると同時に、吸着剤を湿らせるモードでもある。
【0009】
上記飽和吸着モードも、吸着剤を湿らせるモードであり、この点は上記除湿モードと同じであるが、室外から空気を導入する点で上記除湿モードとは異なる。
これら各モードは上記の通り機能するので、除湿モードで作動した後に脱着冷却モードで作動し、脱着冷却モードで作動した後に除湿モードで作動するようにモードを切り替えると、水分の吸着および脱着を繰り返し、冷却および除湿を実施することができる。これに加え、室外の湿度が高い場合には、上記飽和吸着モードも利用するとよく、具体的には、除湿モードでの作動に伴って除湿能力が低下した後、吸着剤の吸湿能が飽和状態に達していなければ、さらに飽和吸着モードで作動する。これにより、吸着剤が吸着している水分量を増大させ、脱着冷却モードに移行した時の冷却能力を高めることができる。
【0010】
脱着冷却モードにおいて得られる低温空気は、通常、そのまま室内へ放出すればよく、これにより、冷房を行うことができる。この場合、この低温空気は湿度が比較的高いので、一部を室内へ放出、残りの一部を室外へ排出することにより、室内の湿度上昇を抑制するようにしてもよい。あるいは、上記低温空気と室内の空気とを一旦熱交換器に導入して熱交換し、この熱交換によって冷却された室内の空気を再び室内へ戻すようにしてもよい。この場合は、室内の空気中の水分の絶対量が増大することはない。
【0011】
除湿モードにおいて得られる低湿空気は、そのまま室内へ放出することにより、室内の湿度を低下させることができる。
飽和吸着モードにおいて得られる空気は、室内の湿度よりも低湿度であれば、室内へ導入することにより、室内の除湿に利用することもできるが、室内の湿度より高湿度となる場合もあり得るので、その場合は室外へ排気する方がよい。したがって、この空気を室内の除湿に利用するのであれば、例えば、この空気の湿度を測定し、その測定結果に応じて空気を室内へ導入するか否かを制御するように構成するとよい。必要があれば、室内の湿度をも測定し、両湿度を比較して室内へ導入するか否かを制御するようにしてもよい。なお、このような制御が面倒であれば、常に室外へ排気するように構成し、除湿には利用しないようにしても構わない。
【0012】
以上のように構成された空調システムによれば、上記各モードを切り替えることにより、吸着によって得た水を有効に利用して加湿冷却を実施できる。したがって、散水等による加湿冷却を行わなくても十分に冷却能力を高めることができる。また、散水のための配管等が不要となる分だけ装置構成を簡略化することができる。
【0013】
ところで、これらの各モードの切り替えは、手動操作によって切り替わるものや一定時間毎に切り替わるものなども考え得るが、上記請求項2に記載したように、
室内温度、室内湿度、室外温度、室外湿度、吸着剤との接触前後に変化した空気の温度差、および、吸着剤との接触前後に変化した空気の湿度差の中から選ばれる一または二以上の条件に基づいて、前記各モードでの作動および作動停止を制御すると望ましい。
【0014】
より具体的な例としては、例えば請求項3に記載の通り、
室内温度RT>26℃且つ室外湿度OH<60%の場合に、前記脱着冷却モードで作動し、
室外湿度OH>65%の場合、または、吸着剤との接触前後に変化した空気の温度差ΔT<3℃の場合に、前記脱着冷却モードでの作動を停止し、
室内湿度RH>70%の場合に、前記除湿モードで作動し、
吸着剤との接触前後に変化した空気の湿度差ΔH<10%の場合に、前記除湿モードでの作動を停止し、
室外湿度OH>80%の場合に、前記飽和吸着モードで作動し、
吸着剤との接触前後に変化した空気の湿度差ΔH<5%の場合、または、吸着剤との接触前後に変化した空気の温度差ΔT<2℃の場合に、前記飽和吸着モードでの作動を停止する、といったものを考え得る。
【0015】
このような空調システムによれば、室内温度、室内湿度、室外温度、室外湿度、吸着剤との接触前後に変化した空気の温度差、および、吸着剤との接触前後に変化した空気の湿度差の中から選ばれる一または二以上の条件が、上記各モードでの作動に適した状態(例えば、請求項3に記載した各状態)となった場合に、各モードで作動するので、上記諸条件とは無関係な条件(例えば、単なる時間条件等)に応じて各モードでの作動および作動停止を制御するシステムに比べ、吸着剤の吸湿能を有効に利用して、より効果的に冷房および除湿を行うことができる。
【0016】
なお、上記諸条件(室内温度、室内湿度、室外温度、室外湿度、吸着剤との接触前後に変化した空気の温度差、および、吸着剤との接触前後に変化した空気の湿度差)は、種々の組み合わせで作動条件とすることができ、上記請求項3に記載した条件以外にも種々の条件を設定し得る。
【0017】
例えば、冷房を行うか否かについては、絶対的な温度(室内温度または室外温度)に基づいて冷房を行うか否かを判断してもよいし、夏期の平均的な温度/湿度の相関を基準にすれば、湿度(室内湿度または室外湿度)から平均的な温度を予測できるので、これに基づいて冷房を行うか否かを判断してもよい。あるいは、冷房能力があるか否かを基準にすることとし、吸着剤との接触前後に変化した空気の温度差または湿度差に基づいて冷房を行うか否かを判断してもよい。さらに、これらの複数の条件を複合させてもよく、その場合、複数の条件の論理和をとって冷房条件を成立させやすくしてもよいし、複数の条件の論理積をとって冷房条件を成立させにくくしてもよい。除湿を行うか否かについても、同様の手法によって判断できる。
【0018】
設定した条件によっては、同時に2以上のモードについて作動開始条件を満たすようになる場合もあるが、その場合は、利用者が任意に選択したモードで作動するようになっていればよく、あるいは、いずれのモードで作動すべきかを別の条件に基づいて判断するようになっていてもよい。
【0019】
次に、請求項4に記載の空調システムは、上記請求項1〜請求項3のいずれかに記載した空調システムにおいて、
前記各モード毎にあらかじめ定められた時間帯であることを必要条件として、前記各モードで作動する
ことを特徴とする。
【0020】
このような空調システムによれば、上記各モードで作動する時間帯があらかじめ決められるので、一日の気温変化および湿度変化に関連づけて、比較的気温が上がって湿度が下がる時間帯には冷房を行い、比較的気温が下がって湿度が上がる時間帯に除湿を行うように、各時間帯を決めておくことができる。したがって、昼夜の気温変化および湿度変化をうまく利用して、さらに効率よく冷房および除湿を行うことができる。
【0021】
より具体的な例としては、例えば請求項5に記載の通り、
前記脱着冷却モードで作動するに当たっては、7時から18時に至る時間帯であることを必要条件とし、
前記除湿モードで作動するに当たっては、10時から24時に至る時間帯であることを必要条件とし、
前記飽和吸着モードで作動するに当たっては、0時から7時に至る時間帯であることを必要条件とする、といったものを考え得る。
【0022】
このような空調システムによれば、上記各時間帯である場合に限り、各モードで空調システムが作動するので、一日の内、比較的気温が上がって室外の湿度が下がる時間帯には冷房を行い、比較的気温が下がって室内の湿度が上がる時間帯に除湿を行うことができる。
【0023】
ちなみに、上記請求項5に記載の空調システムの場合、10時から18時に至る時間帯については、条件により、脱着冷却モードでの作動条件と除湿モードでの作動条件を同時に満足する可能性があるが、この場合は、どちらのモードで作動すべきかを利用者が任意に選択できるようになっていればよく、あるいは、必ず脱着冷却モードまたは除湿モードのいずれか一方で作動するようにあらかじめ決めてあってもよい。また、例えば、室内に人がいるか否かといった別の条件をも加味して、室内に人がいれば脱着冷却モードとし、人がいなければ除湿モードとするなど、こうした別の条件に基づいていずれのモードで作動すべきかを決定してもよい。
【0024】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施形態について一例を挙げて説明する。
以下に説明する空調システムは、図1(a)に示す通り、熱交換型吸着器1、第1流路3、第2流路5、第1ファン7、第2ファン9、第1ダンパー11、第2ダンパー13、第3ダンパー15、第4ダンパー17によって構成されている。
【0025】
熱交換型吸着器1は、第1流路3を流れる空気と第2流路5を流れる空気との間で熱交換を行うとともに、第1流路3を流れる空気と吸着剤とを接触させるものである。
本実施形態においては、熱交換型吸着器1として、図2に示すように、第1の段ボール状通気層1aと第2の段ボール状通気層1bとを交互に積層したものを採用している。2つの段ボール状通気層1a,1bは、通気方向が互いに直交するように配置され、第1流路3を流れる空気が第1の段ボール状通気層1aの内部を通過し、第2流路5を流れる空気が第2の段ボール状通気層1bの内部を通過するようになっている。段ボール状通気層1a,1bの基材部分は、蒸気断性および熱伝導性に優れた材料(本実施形態においてはアルミニウム)によって形成され、第1の段ボール状通気層1aの内部表面には、吸着剤(本実施形態においてはシリカゲル)が添着されている。なお、熱交換型吸着器1の具体的な構造については、同等の熱交換性能および吸着/脱着性能を備えるものであれば、上記のものとは異なる構造となっていてもよい。例えば、段ボール状通気層1a,1bの基材部分を吸着剤として機能する材料(例えばシリカ成形体)によって形成し、第2の段ボール状通気層1bの内部表面に蒸気断性を付与する材料(例えば樹脂)をコーティングしても、所期の熱交換型吸着器1を構成することができる。
【0026】
第1流路3、第2流路5は、いずれも空気の流れる流路であり、パイプやチューブ等の導管を使って構成されている。
第1ファン7、第2ファン9は、それぞれ第1流路3、第2流路5内の空気を流動させる装置で、少なくとも第1ファン7については、送風方向を正逆両方向のいずれかに切り替え可能なものが採用されている。
【0027】
第1ダンパー11、第2ダンパー13は、第1流路3の空気の吸入元または排出先を、室内または室外のいずれかに切り替える装置である。また、第3ダンパー15、第4ダンパー17は、第2流路5の空気の吸入元または排出先を、室内または室外のいずれかに切り替える装置である。
【0028】
本空調システムにおいて、上記第1ファン7、第2ファン9、第1ダンパー11、第2ダンパー13、第3ダンパー15、第4ダンパー17は、図1(b)に示すように、制御部21によって作動状態が制御されている。
制御部21は、CPU、ROM、RAMなどを数個のLSIチップに集積して構成されたマイクロコンピュータを中心にして、各種インターフェイス回路等を配して構成される周知のものである。
【0029】
この制御部21には、室内温度センサ23、室内湿度センサ25、室外温度センサ27、室外湿度センサ29、吸着器入口温度センサ31、吸着器入口湿度センサ33、吸着器出口温度センサ35、吸着器出口湿度センサ37といったセンサ群が接続されている。これらのセンサ群は、室内、室外、熱交換型吸着器1の入口、および熱交換型吸着器1の出口における温度および湿度を検出するもので、これらの検出結果から、後述する各運転モードでの運転開始/停止条件が満たされているか否かを判断するようになっている。
【0030】
なお、吸着器入口温度センサ31および吸着器入口湿度センサ33は、後述する脱着冷却モードにおいて熱交換型吸着器1の入口における温度および湿度を検出し、吸着器出口温度センサ35および吸着器出口湿度センサ37は、後述する脱着冷却モードにおいて熱交換型吸着器1の出口における温度および湿度を検出する。脱着冷却モード以外のモードになると、第1流路3内の空気の流動方向が切り替わる都合上、熱交換型吸着器1の入口と出口は入れ替わることになるが、その時は、吸着器入口温度センサ31および吸着器入口湿度センサ33が、熱交換型吸着器1の出口における温度および湿度を検出し、吸着器出口温度センサ35および吸着器出口湿度センサ37が、熱交換型吸着器1の入口における温度および湿度を検出する。いずれにしても、こうして熱交換型吸着器1の入口および出口における温度および湿度が検出され、これに基づいて「吸着剤との接触前後に変化した空気の温度差おとび湿度差」が算出されることになる。
【0031】
また、制御部21には時計39も接続され、この時計39によって24時間周期の時刻を管理できるようになっている。
次に、上記空調システムの運転モードについて説明する。
この空調システムでは、制御部21が、第1ファン7、第2ファン9、第1ダンパー11、第2ダンパー13、第3ダンパー15、および第4ダンパー17の作動状態を制御することによって運転モードを切り替える。運転モードとしては、「脱着冷却モード(図3(a)参照)」、「除湿モード(図3(b)参照)」、「飽和吸着モード(図3(c)参照)」の3つがあり、制御部21は、各モード毎に定められた開始条件/停止条件(後で詳述)が成立した場合に、各モードでの運転を開始/停止するように上記各部を制御する。なお、図3(a)〜同図(c)において、点線は、第1ダンパー11〜第4ダンパー17の切り替えに伴って空気が流れない状態になっている流路を示し、また、第1流路3の端部、第2流路5の端部、第1ファン7内、第2ファン9内に併記してある矢印は、空気が流れる方向を示している。
【0032】
脱着冷却モードでは、図3(a)に示すように、第1流路3内に室外の空気が導入されて熱交換型吸着器1に通され、同時に、第2流路5内に室内の空気が導入されて熱交換型吸着器1に通される。この時、熱交換型吸着器1内の吸着剤は、除湿モードや飽和吸着モードでの運転によって既に水分を吸着した状態になっていて、第1流路3内に導入された空気との接触に伴って水分を脱着するため、この水分の脱着に伴って第1流路3内に導入された空気が冷却される。また、熱交換型吸着器1内において第1流路3内の空気や吸着剤が第2流路5内の空気よりも低温になるため、第2流路5内の空気から熱が奪われ、第2流路5内に導入された空気も冷却される。こうして冷却された第2流路5内の空気が室内へと戻されて冷房が行われる。なお、第1流路3内の加湿された空気は、室外へと排出される。
【0033】
以上のような脱着冷却モードでの運転により、例えば、室外温度35℃、室外湿度50%、室内温度35℃、室内湿度40%の場合、室内へは温度28℃、湿度90%の空気を送り込んで冷房を行うことができる。
除湿モードでは、図3(b)に示すように、第1流路3内に室内の空気が導入されて熱交換型吸着器1に通され、同時に、第2流路5内に室外の空気が導入されて熱交換型吸着器1に通される。この時、熱交換型吸着器1内の吸着剤は、脱着冷却モードでの運転によってさらに水分を吸着可能な状態になっていて、第1流路3内に導入された空気との接触に伴って水分を吸着するため、この水分の吸着に伴って第1流路3内に導入された空気の除湿がなされ、その除湿された空気が室内へと戻されて室内の除湿が行われる。水分の吸着に伴って吸着剤からは熱が発生するが、その熱は第2流路5内の空気によって奪われるため、第1流路3内の空気の温度は室外の温度と同程度までしか上昇しない。そのため、熱交換型吸着器1内の吸着剤は、温度上昇に伴う吸着性能の低下を招かないので優れた吸着性能をより長時間にわたって維持することができ、さらに、室内へ空気を戻した際に室内の温度が過度に上昇することもない。なお、第2流路5内の加熱された空気は、室外へと排出される。
【0034】
以上のような除湿モードでの運転により、例えば、室外温度25℃、室外湿度90%、室内温度25℃、室内湿度90%の場合、室内へは温度25℃、湿度60%の空気を送り込んで除湿を行うことができる。
飽和吸着モードでは、図3(c)に示すように、第1流路3内に室外の空気が導入されて熱交換型吸着器1に通され、同時に、第2流路5内に室外の空気が導入されて熱交換型吸着器1に通される。この時、熱交換型吸着器1内の吸着剤は、さらに水分を吸着可能な状態になっていて、第1流路3内に導入された空気との接触に伴って水分を吸着する。水分の吸着に伴って吸着剤からは熱が発生するが、その熱は第2流路5内の空気によって奪われるため、第1流路3内の空気の温度は室外の温度と同程度までしか上昇しない。そのため、熱交換型吸着器1内の吸着剤は、温度上昇に伴う吸着性能の低下を招かないので優れた吸着性能をより長時間にわたって維持することができる。なお、第1流路3および第2流路5内の空気は、ともに室外へと排出される。
【0035】
以上のような飽和吸着モードでの運転により、吸着剤の吸着能力の範囲内において最大限に近い量の水分を吸着させることができる。
次に、上記各モードでの運転条件について説明する。
上述の3つのモードの内、脱着冷却モードは、温度が比較的高くて湿度が比較的低い場合の運転モードで、本実施形態においては、室内温度RT>26℃且つ室外湿度OH<60%の場合に、本空調システムが脱着冷却モードで作動し、室外湿度OH>65%の場合、または、吸着剤との接触前後に変化した空気の温度差ΔT<3℃の場合に、脱着冷却モードでの作動を停止するように構成されている。
【0036】
脱着冷却モードにおいて、作動条件として「室内温度RT>26℃」を設定した理由は、室内温度RTが26℃以下の場合は、冷房が必要なほど暑くはなく、むしろ、室内温度RTが26℃を超えた時のために、冷房能力を温存しておく方がよいとの判断からである。また、作動条件として「室外湿度OH<60%」、停止条件として「室外湿度OH>65%」を設定した理由は、室外湿度OHが60%〜65%を超えるような高湿環境下では、吸着剤から水分を効果的に脱着させにくく、十分な冷房能力を発揮させにくいためである。作動条件と停止条件とで5%の差を設けたのは、室外湿度OHの僅かな変化によって作動と停止を繰り返してしまうのを防止するためである。停止条件として「温度差ΔT<3℃」を設定した理由は、例えば吸着剤中の脱着させ得る水分が残り僅かになるなど、実質的な冷房能力が失われているためである。
【0037】
除湿モードは、湿度が比較的高くて温度が比較的低い場合の運転モードで、本実施形態においては、室内湿度RH>70%の場合に、本空調システムが除湿モードで作動し、吸着剤との接触前後に変化した空気の湿度差ΔH<10%の場合に、除湿モードでの作動を停止するように構成されている。
【0038】
除湿モードにおいて、作動条件として「室内湿度RH>70%」を設定した理由は、室内湿度RHが70%未満の場合は、除湿が必要なほど高湿ではなく、むしろ、室内湿度RHが70%以上となった時のために、除湿能力を温存しておく方がよいとの判断からである。停止条件として「湿度差ΔH<10%」を設定した理由は、例えば吸着剤が飽和するなど、実質的な除湿能力が失われているためである。
【0039】
飽和吸着モードも、湿度が比較的高くて温度が比較的低い場合の運転モードであり、除湿モードでの運転後に吸着剤が吸着している水分量をさらに増大させるためのモードである。本実施形態においては、室外湿度OH>80%の場合に、本空調システムが飽和吸着モードで作動し、吸着剤との接触前後に変化した空気の湿度差ΔH<5%の場合、または、吸着剤との接触前後に変化した空気の温度差ΔT<2℃の場合に、飽和吸着モードでの作動を停止するように構成されている。
【0040】
飽和吸着モードにおいて、作動条件として「室外湿度OH>80%」を設定した理由は、室外湿度OHが80%未満の場合は、吸着剤が吸着している水分量をさらに増大させることが難しいためである。停止条件として「湿度差ΔH<5%」を設定した理由は、例えば吸着剤が飽和するなど、実質的な除湿能力が失われているためである。停止条件として「温度差ΔT<2℃」を設定した理由も、吸着熱の発生が少ないことから、実質的な除湿能力が失われていると判断できるためである。
【0041】
さらに、本空調システムにおいて、脱着冷却モードで作動するに当たっては、7時から18時に至る時間帯であることを必要条件とし、除湿モードで作動するに当たっては、10時から24時に至る時間帯であることを必要条件とし、飽和吸着モードで作動するに当たっては、0時から7時に至る時間帯であることを必要条件とする。すなわち、各モード毎に定められた時間帯である場合は、各モードでの運転を実施する一方、各モード毎に定められた時間帯でない場合は、他の運転開始条件を満足していても、各モードでの運転を実施しない。このような時間条件を設けると、一日の気温変化および湿度変化に関連づけて、比較的気温が上がって湿度が下がる時間帯には冷房を行い、比較的気温が下がって湿度が上がる時間帯に除湿を行うことができるので、昼夜の気温変化および湿度変化をうまく利用して、効率よく冷房および除湿を行うことができる。
【0042】
なお、10時から18時に至る時間帯については、条件により、脱着冷却モードでの作動条件と除湿モードでの作動条件を同時に満足する可能性があるが、本実施形態においては、脱着冷却モードでの運転が優先される。また、上述の通り、本空調システムは、昼間の高温低湿時に吸着剤から水分を脱着させる一方、夜間の低温高湿時に吸着剤に水分を吸着させ、一日を周期として水分の吸着/脱着を繰り返すのを基本とするが、梅雨時などには一昼夜にわたって湿度が低下しない日もあるので、それを想定して、吸着剤の量は、2日間程度は除湿モードでの連続運転ができる程度にしておくとよい。
【0043】
以上のように構成された空調システムによれば、最初は除湿モードで作動し、続いて脱着冷却モードで作動し、以後は、除湿モードでの作動と脱着冷却モードでの作動を繰り返して、冷却および除湿を実施することができる。また、室外の湿度が高い場合には、除湿モードでの作動に続いて飽和吸着モードでも作動して、吸着剤が吸着している水分量を増大させ、脱着冷却モードに移行した時の冷却能力を高めることができる。したがって、この空調システムによれば、吸着によって得た水を有効に利用して加湿冷却を実施でき、散水等による加湿冷却を行わなくても十分に冷却能力を高めることができる。また、散水のための配管等が不要となる分だけ装置構成を簡略化することができる。さらに、時間条件をも加味して各モードでの運転を制御しているので、昼夜の気温変化および湿度変化をうまく利用して、効率よく冷房および除湿を行うことができる。
【0044】
次に、上記第1の実施形態とは異なる第2の実施形態について説明する。
第2の実施形態として以下に説明する空調システムは、吸着器と熱交換器が別々に設けてある点において第1の実施形態とは相違するシステムであり、図4(a)〜同図(c)に示す通り、吸着器41、第1熱交換器43、第2熱交換器45、第1流路47、第2流路49、第3流路51、第1ファン53、第2ファン55、第3ファン57、第1ダンパー59、第2ダンパー61によって構成されている。
【0045】
吸着器41は、第1流路47を流れる空気と吸着剤とを接触させるもので、入口および出口となる2つの通気口を有する容器内に、吸着剤であるシリカゲルを充填した構造になっている。
第1熱交換器43は、第1流路47を流れる空気と第2流路49を流れる空気との間で熱交換を行うものであり、また、第2熱交換器45は、第1流路47を流れる空気と第3流路51を流れる空気との間で熱交換を行うものである。なお、これらの熱交換器の具体的な形態としては、エロフィン式、プレート式などを任意に採用できる。
【0046】
第1流路47、第2流路49、第3流路51は、いずれも空気の流れる流路であり、パイプやチューブ等の導管を使って構成されている。
第1ファン53、第2ファン55、第3ファン57は、それぞれ第1流路47、第2流路49、第3流路51内の空気を流動させる装置で、少なくとも第1ファン53については、送風方向を正逆両方向のいずれかに切り替え可能なものが採用されている。
【0047】
第1ダンパー59、第2ダンパー61は、第1流路47の空気の吸入元または排出先を、室内または室外のいずれかに切り替える装置である。
なお、本空調システムも、先に説明した実施形態と同様の制御部、各種センサ群、時計などを備え、その制御部によって、上記第1ファン53、第2ファン55、第3ファン57、第1ダンパー59、第2ダンパー61の作動状態が制御される。但し、これら制御部、各種センサ群、時計の各機能および制御条件については、上述の実施形態と同様に構成されているので、ここでの説明は省略する。
【0048】
次に、上記空調システムの運転モードについて説明する。
この空調システムも、先に説明したシステムと同様に、「脱着冷却モード(図4(a)参照)」、「除湿モード(図4(b)参照)」、「飽和吸着モード(図4(c)参照)」のいずれかで動作する。
【0049】
脱着冷却モードでは、図4(a)に示すように、第1流路47内に室外の空気が導入されて吸着器41に通される。この時、吸着器41内の吸着剤は、除湿モードや飽和吸着モードでの運転によって既に水分を吸着した状態になっていて、第1流路47内に導入された空気との接触に伴って水分を脱着するため、この水分の脱着に伴って第1流路47内に導入された空気が冷却される。続いて、その冷却された空気は、第1熱交換器43に通され、同時に、第2流路49内に室内の空気が導入されて第1熱交換器43に通される。第1熱交換器43内では、第1流路47内に第2流路49内の空気よりも低温の空気が通されるため、第2流路49内の空気から熱が奪われ、第2流路49内に導入された空気も冷却される。こうして冷却された第2流路49内の空気が室内へと戻されて冷房が行われる。なお、第1流路47内の加湿された空気は、室外へと排出される。
【0050】
除湿モードでは、図4(b)に示すように、第1流路47内に室内の空気が導入されて吸着器41に通される。この時、吸着器41内の吸着剤は、脱着冷却モードでの運転によってさらに水分を吸着可能な状態になっていて、第1流路47内に導入された空気との接触に伴って水分を吸着するため、水分の吸着に伴って第1流路47内に導入された空気の除湿がなされる。また、吸着剤から発生する熱によって第1流路47内の空気の温度は上昇する。続いて、この除湿された空気は第2熱交換器45に通され、同時に、第3流路51内に室外の空気が導入されて第2熱交換器45に通される。この時、第1流路47内の空気は、第2流路5内の空気によって熱を奪われ、第1流路3内の空気の温度は室外の温度と同程度まで低下する。そして、この空気が室内へと戻されて室内の除湿が行われる。なお、第3流路51内の加熱された空気は、室外へと排出される。
【0051】
飽和吸着モードでは、図4(c)に示すように、第1流路47内に室外の空気が導入されて吸着器41に通される。この時、吸着器41内の吸着剤は、さらに水分を吸着可能な状態になっていて、第1流路47内に導入された空気との接触に伴って水分を吸着する。なお、第1流路47内の空気は、室外へと排出される。
【0052】
以上のように構成された空調システムの場合も、最初は除湿モードで作動し、続いて脱着冷却モードで作動し、以後は、除湿モードでの作動と脱着冷却モードでの作動を繰り返して、冷却および除湿を実施することができる。また、室外の湿度が高い場合には、除湿モードでの作動に続いて飽和吸着モードでも作動して、吸着剤が吸着している水分量を増大させ、脱着冷却モードに移行した時の冷却能力を高めることができる。したがって、この空調システムによれば、吸着によって得た水を有効に利用して加湿冷却を実施でき、散水等による加湿冷却を行わなくても十分に冷却能力を高めることができる。また、散水のための配管等が不要となる分だけ装置構成を簡略化することができる。さらに、時間条件をも加味して各モードでの運転を制御すれば、昼夜の気温変化および湿度変化をうまく利用して、効率よく冷房および除湿を行うことができる。
【0053】
次に、第3の実施形態について説明する。
第3の実施形態として以下に説明する空調システムは、水冷式になっている点において第1,第2の実施形態とは相違するシステムであり、図5(a)〜同図(c)に示す通り、熱交換型吸着器71、第1流路73、第2流路75、ファン77、ポンプ79、第1ダンパー81、第2ダンパー83によって構成されている。
【0054】
熱交換型吸着器71は、第1流路73を流れる空気と第2流路75を流れる水との間で熱交換を行うとともに、第1流路73を流れる空気と吸着剤とを接触させるもので、冷媒として水を用いる点以外は、第1の実施形態と同様に構成されたものである。
【0055】
第1流路73は、空気の流れる流路であり、パイプやチューブ等の導管を使って構成されている。また、第2流路75は、冷却水の流れる流路であり、これもパイプやチューブ等の導管を使って構成されている。なお、第2流路75の水源については特に限定されず、例えば地下水、水道水、貯水塔の水などを任意に採用できる。
【0056】
ファン77は、第1流路73内の空気を流動させる装置で、送風方向を正逆両方向のいずれかに切り替え可能なものが採用されている。また、ポンプ79は、第2流路75内の水を流動させる装置である。
第1ダンパー81、第2ダンパー83は、第1流路73の空気の吸入元または排出先を、室内または室外のいずれかに切り替える装置である。
【0057】
なお、本空調システムも、先に説明した実施形態と同様の制御部、各種センサ群、時計などを備え、その制御部によって、上記ファン77、ポンプ79、第1ダンパー81、第2ダンパー83の作動状態が制御される。但し、これら制御部、各種センサ群、時計の各機能および制御条件については、上述の実施形態と同様に構成されているので、ここでの説明は省略する。
【0058】
次に、上記空調システムの運転モードについて説明する。
この空調システムも、先に説明したシステムと同様に、「脱着冷却モード(図5(a)参照)」、「除湿モード(図5(b)参照)」、「飽和吸着モード(図5(c)参照)」のいずれかで動作する。
【0059】
脱着冷却モードでは、図5(a)に示すように、第1流路73内に室外の空気が導入されて熱交換型吸着器71に通される。この時、熱交換型吸着器71内の吸着剤は、除湿モードや飽和吸着モードでの運転によって既に水分を吸着した状態になっていて、第1流路73内に導入された空気との接触に伴って水分を脱着するため、この水分の脱着に伴って第1流路73内に導入された空気が冷却される。こうして冷却された第1流路73内の空気の内、半分程度が室内へと戻されて冷房が行われる。また、第1流路73内の空気の内、残りの半分程度は室外へと排出される。なお、第1流路73内の空気の全量を室内へ戻さないのは、室内の湿度上昇を抑制するためである。
【0060】
除湿モードでは、図5(b)に示すように、第1流路73内に室内の空気が導入されて熱交換型吸着器71に通され、同時に、第2流路75内に冷却水が導入されて熱交換型吸着器71に通される。この時、熱交換型吸着器71内の吸着剤は、脱着冷却モードでの運転によってさらに水分を吸着可能な状態になっていて、第1流路73内に導入された空気との接触に伴って水分を吸着するため、この水分の吸着に伴って第1流路73内に導入された空気の除湿がなされ、その除湿された空気が室内へと戻されて室内の除湿が行われる。水分の吸着に伴って吸着剤からは熱が発生するが、その熱は第2流路5内の冷却水によって奪われるため、第1流路73内の空気の温度は冷却水と同程度の温度になる。そのため、熱交換型吸着器71内の吸着剤は、温度上昇に伴う吸着性能の低下を招かないので優れた吸着性能をより長時間にわたって維持することができ、さらに、室内へ空気を戻した際に室内の温度が過度に上昇することもない。
【0061】
飽和吸着モードでは、図5(c)に示すように、第1流路73内に室外の空気が導入されて熱交換型吸着器71に通され、同時に、第2流路75内に冷却水が導入されて熱交換型吸着器71に通される。この時、熱交換型吸着器71内の吸着剤は、さらに水分を吸着可能な状態になっていて、第1流路73内に導入された空気との接触に伴って水分を吸着する。水分の吸着に伴って吸着剤からは熱が発生するが、その熱は第2流路75内の冷却水によって奪われるため、第1流路73内の空気の温度は冷却水と同程度の温度になる。そのため、熱交換型吸着器71内の吸着剤は、温度上昇に伴う吸着性能の低下を招かないので優れた吸着性能をより長時間にわたって維持することができる。
【0062】
以上のように構成された空調システムの場合も、最初は除湿モードで作動し、続いて脱着冷却モードで作動し、以後は、除湿モードでの作動と脱着冷却モードでの作動を繰り返して、冷却および除湿を実施することができる。また、室外の湿度が高い場合には、除湿モードでの作動に続いて飽和吸着モードでも作動して、吸着剤が吸着している水分量を増大させ、脱着冷却モードに移行した時の冷却能力を高めることができる。したがって、この空調システムによれば、吸着によって得た水を有効に利用して加湿冷却を実施でき、散水等による加湿冷却を行わなくても十分に冷却能力を高めることができる。また、散水のための配管等が不要となる分だけ装置構成を簡略化することができる。さらに、時間条件をも加味して各モードでの運転を制御すれば、昼夜の気温変化および湿度変化をうまく利用して、効率よく冷房および除湿を行うことができる。
【0063】
次に、第4の実施形態について説明する。
第4の実施形態として以下に説明する空調システムは、水冷式になっている点において第1,第2の実施形態とは相違し、さらに、吸着器と熱交換器が別々に設けてある点において第3の実施形態とも相違するシステムである。この空調システムは、図5(a)〜同図(c)に示す通り、吸着器91、熱交換器93、第1流路95、第2流路97、ファン99、ポンプ101、第1ダンパー103、第2ダンパー105によって構成されている。
【0064】
吸着器91は、第1流路95を流れる空気と吸着剤とを接触させるもので、入口および出口となる2つの通気口を有する容器内に、吸着剤であるシリカゲルを充填した構造になっている。
熱交換器93は、第1流路95を流れる空気と第2流路97を流れる冷却水との間で熱交換を行うものである。
【0065】
第1流路95は、空気の流れる流路であり、パイプやチューブ等の導管を使って構成されている。また、第2流路97は、冷却水の流れる流路であり、これもパイプやチューブ等の導管を使って構成されている。
ファン99は、第1流路95内の空気を流動させる装置で、送風方向を正逆両方向のいずれかに切り替え可能なものが採用されている。また、ポンプ101は、第2流路97内の水を流動させる装置である。
【0066】
第1ダンパー103、第2ダンパー105は、第1流路95の空気の吸入元または排出先を、室内または室外のいずれかに切り替える装置である。
なお、本空調システムも、先に説明した実施形態と同様の制御部、各種センサ群、時計などを備え、その制御部によって、上記ファン99、ポンプ101、第1ダンパー103、第2ダンパー105の作動状態が制御される。但し、これら制御部、各種センサ群、時計の各機能および制御条件については、上述の実施形態と同様に構成されているので、ここでの説明は省略する。
【0067】
次に、上記空調システムの運転モードについて説明する。
この空調システムも、先に説明したシステムと同様に、「脱着冷却モード(図6(a)参照)」、「除湿モード(図6(b)参照)」、「飽和吸着モード(図6(c)参照)」のいずれかで動作する。
【0068】
脱着冷却モードでは、図6(a)に示すように、第1流路95内に室外の空気が導入されて吸着器91に通される。この時、吸着器91内の吸着剤は、除湿モードや飽和吸着モードでの運転によって既に水分を吸着した状態になっていて、第1流路95内に導入された空気との接触に伴って水分を脱着するため、この水分の脱着に伴って第1流路95内に導入された空気が冷却される。こうして冷却された第1流路95内の空気の内、半分程度が室内へと戻されて冷房が行われる。また、第1流路95内の空気の内、残りの半分程度は室外へと排出される。なお、第1流路95内の空気の全量を室内へ戻さない理由は、第3の実施形態の場合と同じである。
【0069】
除湿モードでは、図6(b)に示すように、第1流路95内に室内の空気が導入されて吸着器91に通される。この時、吸着器91内の吸着剤は、脱着冷却モードでの運転によってさらに水分を吸着可能な状態になっていて、第1流路95内に導入された空気との接触に伴って水分を吸着するため、水分の吸着に伴って第1流路95内に導入された空気の除湿がなされる。また、吸着剤から発生する熱によって第1流路95内の空気の温度は上昇する。続いて、この除湿された空気は熱交換器93に通され、同時に、第2流路97内に冷却水が導入されて熱交換器93に通される。この時、第1流路95内の空気は、第2流路97内の冷却水によって熱を奪われ、第1流路95内の空気の温度は冷却水と同程度の温度になる。そして、この空気が室内へと戻されて室内の除湿が行われる。
【0070】
飽和吸着モードでは、図6(c)に示すように、第1流路95内に室外の空気が導入されて吸着器91に通される。この時、吸着器91内の吸着剤は、さらに水分を吸着可能な状態になっていて、第1流路95内に導入された空気との接触に伴って水分を吸着する。なお、第1流路95内の空気は、室外へと排出される。
【0071】
以上のように構成された空調システムの場合も、最初は除湿モードで作動し、続いて脱着冷却モードで作動し、以後は、除湿モードでの作動と脱着冷却モードでの作動を繰り返して、冷却および除湿を実施することができる。また、室外の湿度が高い場合には、除湿モードでの作動に続いて飽和吸着モードでも作動して、吸着剤が吸着している水分量を増大させ、脱着冷却モードに移行した時の冷却能力を高めることができる。したがって、この空調システムによれば、吸着によって得た水を有効に利用して加湿冷却を実施でき、散水等による加湿冷却を行わなくても十分に冷却能力を高めることができる。また、散水のための配管等が不要となる分だけ装置構成を簡略化することができる。さらに、時間条件をも加味して各モードでの運転を制御すれば、昼夜の気温変化および湿度変化をうまく利用して、効率よく冷房および除湿を行うことができる。
【0072】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記の具体的形態に限定されるものではなく、上記以外の形態でも実施可能である。
例えば、上記第1,第2の実施形態においては、脱着冷却モードにおいて得られた冷気と室内の空気とで熱交換を行い、冷却された室内の空気を室内へ戻すように構成してあったが、これに代えて、第3,第4の実施形態で示したような、脱着冷却モードにおいて得られた冷気の一部を直接室内へ導入する構成を採用してもよい。また、この場合、上記第3,第4の実施形態では、冷気の半分程度を室内へ導入する旨の説明を行ったが、室内へ導入する冷気の流量をどの程度とすべきかは、空調システムの規模や室内の大きさに応じて適宜設定されていればよく、室内へ戻す流量と室外へ排気する流量はいずれかが多くても構わないし、室内の湿度に応じて可変制御されても構わない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施形態として説明した空調システムを示し、(a)はその概略構成図、(b)は電気系のブロック図である。
【図2】 熱交換型吸着器の主要部を表す斜視図である。
【図3】 第1の実施形態として説明した空調システムを示し、(a)は脱着冷却モードにおける空気フローを表す構成図、(b)は除湿モードにおける空気フローを表す構成図、(c)は飽和吸着モードにおける空気フローを表す構成図である。
【図4】 第2の実施形態として説明した空調システムを示し、(a)は脱着冷却モードにおける空気フローを表す構成図、(b)は除湿モードにおける空気フローを表す構成図、(c)は飽和吸着モードにおける空気フローを表す構成図である。
【図5】 第3の実施形態として説明した空調システムを示し、(a)は脱着冷却モードにおける空気フローを表す構成図、(b)は除湿モードにおける空気フローを表す構成図、(c)は飽和吸着モードにおける空気フローを表す構成図である。
【図6】 第4の実施形態として説明した空調システムを示し、(a)は脱着冷却モードにおける空気フローを表す構成図、(b)は除湿モードにおける空気フローを表す構成図、(c)は飽和吸着モードにおける空気フローを表す構成図である。
【符号の説明】
1・・・熱交換型吸着器、1a,1b・・・段ボール状通気層、3・・・第1流路、5・・・第2流路、7・・・第1ファン、9・・・第2ファン、11・・・第1ダンパー、13・・・第2ダンパー、15・・・第3ダンパー、17・・・第4ダンパー、21・・・制御部、23・・・室内温度センサ、25・・・室内湿度センサ、27・・・室外温度センサ、29・・・室外湿度センサ、31・・・吸着器入口温度センサ、33・・・吸着器入口湿度センサ、35・・・吸着器出口温度センサ、37・・・吸着器出口湿度センサ、39・・・時計、41・・・吸着器、43・・・第1熱交換器、45・・・第2熱交換器、47・・・第1流路、49・・・第2流路、53・・・第1ファン、55・・・第2ファン、57・・・第3ファン、59・・・第1ダンパー、61・・・第2ダンパー、71・・・熱交換型吸着器、73・・・第1流路、75・・・第2流路、79・・・ポンプ、81・・・第1ダンパー、83・・・第2ダンパー、91・・・吸着器、93・・・熱交換器、95・・・第1流路、97・・・第2流路、99・・・ファン、101・・・ポンプ、103・・・第1ダンパー、105・・・第2ダンパー。

Claims (5)

  1. 雰囲気の温度および湿度に応じて湿気を吸着または脱着し、吸着に伴って雰囲気温度を上昇させる一方、脱着に伴って雰囲気温度を低下させる吸着剤を利用して、室内空気の冷却および除湿を行う空調システムであって、
    室外から空気を導入して前記吸着剤と接触させ、該吸着剤から湿気を脱着させて空気の温度を低下させ、その低温空気を利用して室内の空気を冷却する脱着冷却モードと、
    室内から空気を導入して前記吸着剤と接触させ、該吸着剤に湿気を吸着させて空気の湿度を低下させ、その低湿空気を室内へ戻すことによって除湿を行う除湿モードと、
    室外から空気を導入して前記吸着剤と接触させ、該吸着剤に湿気を吸着させる飽和吸着モードとを、いずれかに切り替えて作動可能に構成されている
    ことを特徴とする空調システム。
  2. 室内温度、室内湿度、室外温度、室外湿度、吸着剤との接触前後に変化した空気の温度差、および、吸着剤との接触前後に変化した空気の湿度差の中から選ばれる一または二以上の条件に基づいて、前記各モードでの作動および作動停止を制御する
    ことを特徴とする請求項1に記載した空調システム。
  3. 室内温度RT>26℃且つ室外湿度OH<60%の場合に、前記脱着冷却モードで作動し、
    室外湿度OH>65%の場合、または、吸着剤との接触前後に変化した空気の温度差ΔT<3℃の場合に、前記脱着冷却モードでの作動を停止し、
    室内湿度RH>70%の場合に、前記除湿モードで作動し、
    吸着剤との接触前後に変化した空気の湿度差ΔH<10%の場合に、前記除湿モードでの作動を停止し、
    室外湿度OH>80%の場合に、前記飽和吸着モードで作動し、
    吸着剤との接触前後に変化した空気の湿度差ΔH<5%の場合、または、吸着剤との接触前後に変化した空気の温度差ΔT<2℃の場合に、前記飽和吸着モードでの作動を停止する
    ことを特徴とする請求項2に記載した空調システム。
  4. 前記各モード毎にあらかじめ定められた時間帯であることを必要条件として、前記各モードで作動する
    ことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載した空調システム。
  5. 前記脱着冷却モードで作動するに当たっては、7時から18時に至る時間帯であることを必要条件とし、
    前記除湿モードで作動するに当たっては、10時から24時に至る時間帯であることを必要条件とし、
    前記飽和吸着モードで作動するに当たっては、0時から7時に至る時間帯であることを必要条件とする
    ことを特徴とする請求項4に記載した空調システム。
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