JP4293494B2 - 冷房装置、および冷房システム - Google Patents

冷房装置、および冷房システム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、吸着剤を利用した冷房装置、および冷房システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、吸着剤を利用した冷房装置としては、例えば、特開平5−115737号公報に記載されているようなものがある。
同公報に記載された冷房装置では、高湿空気を吸着剤に接触させて低湿空気とし、その低湿空気に対して加湿機を使って加湿することにより、その低湿空気から水の気化熱を奪って低湿空気の低温化および高湿化を図り、その低温空気によって冷却を行っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記公報記載の冷房装置のように、空気を冷却するために加湿機による加湿を行う構成を採用した装置は、加湿機による強制的な加湿が行われるため、室内へ放出する空気中の水分量が飽和水蒸気量を超えてミスト状になることがあり、その場合、室内の空気が過剰に高湿度になって、室内の快適性が損なわれる恐れがあった。
【0004】
また、加湿機本体、加湿機に水を供給する配管、加湿用の水を貯めておくための給水タンクなどを設ける分だけ、冷房装置全体の構造が複雑化および大型化するという欠点があり、また、給水タンクにたびたび水を補給しなければならないため、その管理にも非常に手間がかかるという欠点があった。
【0005】
さらに、上記のような給水タンクへの水補給にかかる手間を軽減するだけであれば、固定配置された給水設備から供給される水道水や地下水などを加湿用の水として利用することも考えられるが、このような移動不能な給水設備から供給される水を利用することを前提とする場合には、例えば車載用冷房装置など、定位置に設置されない冷房装置を構成できない、という問題もあった。
【0006】
本発明は、上記諸問題を解決するためになされたものであり、その目的は、加湿機による強制的な加湿を行うことなく、飽和水蒸気量を超えない範囲内で加湿冷却を実施可能な冷房装置を提供することにある。また、本発明の別の目的は、水の補給が必要な給水タンクや移動不能な給水設備からの水を利用することなくを加湿冷却を実施可能な冷房装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段、および発明の効果】
上述の目的を達成するために、請求項1に記載の冷房装置は、
第1の吸着剤により、流路内の空気中から水分を吸着する吸着器と、
流路内の空気の熱を熱伝導部材を介して流路外へと放出する放熱器と、
第2の吸着剤により、流路内の空気中へ水分を脱着して該流路内の空気を冷却する脱着冷却器と、
空気の導入元から前記吸着器、前記放熱器、前記脱着冷却器を経て空気の放出先に至る流路に空気を流す送風手段と、
空気の放出先を室内または室外のいずれかに切り替える放出先切替手段と、
前記吸着器内の第1の吸着剤を加熱して該第1の吸着剤から水分を脱着させる加熱手段と
を備え、さらに、
主流路を流れる空気の一部を副流路に分流する分流手段と、第2の吸着剤により、前記副流路に分流された空気中へ水分を脱着して該副流路内の空気を冷却する補助脱着冷却器と、前記主流路内の空気と前記補助脱着冷却器によって冷却された前記副流路内の空気との間で熱交換を行うことにより、前記主流路内の空気を冷却する熱交換器とによって構成された補助冷却機構が、前記脱着冷却器の上流側に1または2以上設けられていて、該補助冷却機構の主流路を通過して冷却された空気が、前記脱着冷却器へ流入するように構成されており、
前記放出先切替手段によって空気の放出先を室内に切り替えて、前記加熱手段を作動させることなく、前記送風手段を作動させることにより、前記室内を冷房可能で、しかも、前記放出先切替手段によって空気の放出先を室外に切り替えて、前記加熱手段を作動させて、前記送風手段を作動させることにより、前記第1の吸着剤の吸湿能力および前記第2の吸着剤の脱着冷却能力を回復可能に構成されている
ことを特徴とする。
【0008】
この冷房装置において、吸着器は、内部に流入する空気を第1の吸着剤と接触させた上で流出させるもので、その具体的な構造については特に限定されないが、例えば、空気の流路をなす容器に第1の吸着剤を充填したもの、空気の流路をなす壁面に第1の吸着剤を添着したもの、空気の流路をなす容器ないし壁面そのものが第1の吸着剤を主成分とする組成物で成形されているものなどを利用できる。
【0009】
放熱器は、内部に流入する空気を熱伝導部材と接触させた上で流出させるものである。熱伝導部材は、流路内の空気から熱を奪い、その熱を流路外へと伝達するものであれば、その具体的な形態については特に限定されないが、例えば、熱伝導率の高い金属(銅、アルミニウム、これらを含む合金など)によって形成されたエロフィンやプレートを熱伝導部材として利用でき、この場合、外気との熱交換によって流路内の空気から放熱できる。あるいは、熱伝導率の高い金属からなる配管を熱伝導部材として利用してもよく、この場合、配管内部を流れる冷却水などの冷媒との熱交換によって流路内の空気から放熱できる。
【0010】
脱着冷却器は、内部に流入する空気を第2の吸着剤と接触させた上で流出させるもので、その具体的な構造は、吸着器と同様の構造、すなわち、空気の流路をなす容器に第2の吸着剤を充填したもの、空気の流路をなす壁面に第2の吸着剤を添着したもの、空気の流路をなす容器ないし壁面そのものが第2の吸着剤を主成分とする組成物で成形されているものなどを利用できる。なお、吸着器と脱着冷却器とで、同一の具体的構造を採用する必要はない。
【0011】
送風手段は、空気の導入元から空気の放出先に至る流路に空気を流すものであり、例えば、流路中に電動ファンなどの送風機を設置して構成される。この送風機の設置位置は、空気の導入元から空気の放出先に至る流路に空気を流すことができれば、空気の導入元から空気の放出先に至る流路のどこに設置してもよい。
【0012】
放出先切替手段は、2つの流路のいずれかに選択的に空気を流すことのできるダンパーなどによって構成される。
加熱手段は、吸着器内の第1の吸着剤を加熱できる手段であれば何でもよく、例えば工場の操業に伴って発生する廃熱、太陽熱などといった適当な熱源があれば、そのような熱源から得られる熱を吸着器内へ導入する手段を構成すればよい。また、車載用の場合は、自動車のエンジンから発生する熱を吸着器内へ導入する手段を構成すればよい。これらの熱源がない場合は、電熱線などの電力を利用した発熱手段によって熱を発生させてもよく、この場合、より安価な深夜電力などを利用してもよい。
【0013】
このように構成された冷房装置によれば、放出先切替手段によって空気の放出先を室内に切り替えた上で、加熱手段を作動させることなく、送風手段を作動させると、空気の導入元から流入する空気が、吸着器、放熱器、脱着冷却器を経て、室内へと放出される。以下、このような運転状態を冷房モードという。空気の導入元は、冷却効率のみを考慮すると室内が望ましいが、換気を行うのであれば室外としてもよく、室内と室外を切り替え可能に構成したり、室内および室外の双方から同時に空気を導入してもよい。
【0014】
冷房モードでの運転時には、吸着器では、空気中の水分が第1の吸着剤によって吸着されて空気の湿度が低下する。また、水分の吸着に伴って吸着熱が発生し、この吸着熱によって空気の温度が上昇する。水分の吸着に伴って湿度が低下し温度が上昇した空気は放熱器へと流入する。放熱器では、空気の熱が流路外へ放出され、空気の温度が低下する。そして、この空気が脱着冷却器へと流入する。脱着冷却器では、第2の吸着剤が、再生モード(後で詳述)での運転時に吸着した水分を脱着し、この脱着に伴って空気から熱が奪われ、空気の温度がさらに低下する。こうして温度が低下した空気が、室内へと放出されて室内の冷房が行われる。
【0015】
さて、この冷房装置が、上記冷房モードでの運転を続けると、吸着器中の第1の吸着剤が吸着できる水分の量が徐々に減少し、また、脱着冷却器中の第2の吸着剤が脱着できる水分の量が徐々に減少してくる。ここで、放出先切替手段によって空気の放出先を室外に切り替えた上で、加熱手段を作動させるとともに、送風手段を作動させると、空気の導入元から流入する空気が、吸着器、放熱器、脱着冷却器を経て、室外へと放出される。以下、このような運転状態を再生モードという。空気の導入元は、室外/室内のいずれでも構わないが、ある程度冷却された室内の空気が排出されてしまうのを防止したい場合には、室外から空気を導入する方がよい。
【0016】
冷房モードと再生モードとの切り替え時期は、利用者が手動操作によって切り替えるもの、予約された時刻になると切り替わるもの、室内や室外の温度条件、湿度条件などに基づいて切り替わるものなどを考えることができる。
再生モードでの運転時には、吸着器では、加熱手段によって第1の吸着剤が加熱されるため、第1の吸着剤が上記冷房モードでの運転時に吸着した水分を脱着し、これにより、第1の吸着剤が再生されて第1の吸着剤の吸湿能力が回復する。吸着器内において温度および湿度が上昇した空気は放熱器へと流入する。放熱器では、空気の熱が流路外へ放出され、空気の温度が低下する。この温度低下に伴って空気の相対湿度はさらに上昇することになる。そして、この空気が脱着冷却器へと流入する。脱着冷却器では、上記冷房モードでの運転時に水分を脱着した第2の吸着剤が水分を吸着し、これにより、第2の吸着剤が飽和吸着状態となって第2の吸着剤の脱着冷却能力が回復する。なお、脱着冷却器から流出する空気は、室外へと排気される。
以上説明したような構成に加えて、この冷房装置には、さらに上述した通りの補助冷却機構が設けられ、補助冷却機構の主流路を通過して冷却された空気が、脱着冷却器へ流入するように構成されている。すなわち、この冷房装置において、補助冷却機構は、脱着冷却器の上流側に設けられるもので、より具体的には、放熱器と脱着冷却器との間を結ぶ流路に、補助冷却機構が設けられる。
また、この補助冷却機構は、1または2以上設けられるが、各補助冷却機構は、それぞれが分流手段、補助脱着冷却器、および熱交換器によって構成される。
冷房モードでの運転時において、分流手段によって分流された副流路内の空気は、既に吸着器を通過した低湿度の空気なので、この空気が補助脱着冷却器に流入すると、第2の吸着剤が、再生モードでの運転時に吸着した水分を脱着し、この脱着に伴って空気から熱が奪われ、空気の温度が低下する。そして、熱交換器では、主流路内の空気と補助脱着冷却器によって冷却された副流路内の空気との間で熱交換が行われ、これにより、主流路内の空気が冷却される。したがって、この主流路内の空気は、絶対湿度が吸着器を通過した空気と同じで、しかも、単に吸着器を通過した空気よりも低温の空気となるので、この空気を脱着冷却器へと流入させることにより、最終的に得られる空気をさらに低温化することができる。
また、再生モードでの運転時において、分流手段によって分流された副流路内の空気は、吸着器内の第1の吸着剤の再生に伴って加湿された高湿度の空気なので、この空気が補助脱着冷却器に流入すると、第2の吸着剤が水分を吸着し、これにより、第2の吸着剤が飽和吸着状態となって第2の吸着剤の脱着冷却能力が回復する。
なお、補助冷却機構を2以上設ける場合には、通常、1つ目の補助冷却機構の主流路を通過した空気が、さらに2つ目以降の補助冷却機構の主流路を順に通過するように、2以上の補助冷却機構が直列に配設され、これにより、空気が各補助冷却機構を通過するたびに段階的に冷却されるようになる。ちなみに、2以上の補助冷却機構は、途中で2以上に分流して再び合流する流路の分流箇所に並列に配設することも可能であるが、この場合、分流された空気はそれぞれ1つの補助冷却機構を通過するだけなので、2以上の補助冷却機構を直列に配設した場合のように空気が段階的に冷却されることはない。
【0017】
このように、この冷房装置においては、脱着冷却器において第2の吸着剤から水分を脱着させることによって空気を冷却しているので、加湿機による加湿を行う構成を採用した冷房装置とは異なり、室内へ放出する空気中の水分量が飽和水蒸気量を超えてミスト状になるようなことはない。したがって、室内の空気が過剰に高湿度になることはなく、加湿機による加湿に比べ、室内の快適性が損なわれることがない。
【0018】
また、加湿機本体、加湿機に水を供給する配管などは不要なので、冷房装置全体の構造をコンパクトなものにすることができる。
さらに、第2の吸着剤から脱着させる水分は、冷房モードでの運転時に第1の吸着剤によって空気中から捕集して、再生モードでの運転時に第2の吸着剤へと移した水分なので、加湿用の水を貯めておくための給水タンクや、水道水や地下水などを加湿用の水として供給する給水設備などはいっさい不要である。したがって、給水タンクへの水補給に手間がかかるといった問題はなく、しかも、移動不能な給水設備を利用しないので、例えば車載用冷房装置など、定位置に設置されない形態の冷房装置を構成することもできる。
【0019】
なお、この冷房装置においては、送風手段による送風方向が冷房モードと再生モードとで同じなので、送風方向を切り替える制御を必要とするものに比べ、送風手段に対する制御が容易である。また、空気の流路を切り替えるための手段もについても、少なくとも上記放出先切替手段があればよいので、多数のダンパーなどを用いて複雑な流路の切替制御を行うものに比べ、放出先切替手段に対する制御が容易である。
【0020】
次に、請求項2に記載の冷房装置は、
第1の吸着剤により、流路内の空気中から水分を吸着するとともに、該吸着に伴って発生する吸着熱を熱伝導部材を介して流路外へと放出する放熱型吸着器と、
流路内の空気の熱を熱伝導部材を介して流路外へと放出する放熱器と、
第2の吸着剤により、流路内の空気中へ水分を脱着して該流路内の空気を冷却する脱着冷却器と、
空気の導入元から前記放熱型吸着器、前記放熱器、前記脱着冷却器を経て空気の放出先に至る流路に空気を流す送風手段と、
空気の放出先を室内または室外のいずれかに切り替える放出先切替手段と、
前記吸着器内の第1の吸着剤を加熱して該第1の吸着剤から水分を脱着させる加熱手段と
を備え、さらに、
主流路を流れる空気の一部を副流路に分流する分流手段と、第2の吸着剤により、前記副流路に分流された空気中へ水分を脱着して該副流路内の空気を冷却する補助脱着冷却器と、前記主流路内の空気と前記補助脱着冷却器によって冷却された前記副流路内の空気との間で熱交換を行うことにより、前記主流路内の空気を冷却する熱交換器とによって構成された補助冷却機構が、前記脱着冷却器の上流側に1または2以上設けられていて、該補助冷却機構の主流路を通過して冷却された空気が、前記脱着冷却器へ流入するように構成されており、
前記放出先切替手段によって空気の放出先を室内に切り替えて、前記加熱手段を作動させることなく、前記送風手段を作動させることにより、前記室内を冷房可能で、しかも、前記放出先切替手段によって空気の放出先を室外に切り替えて、前記加熱手段を作動させて、前記送風手段を作動させることにより、前記第1の吸着剤の吸湿能力および前記第2の吸着剤の脱着冷却能力を回復可能に構成されている
ことを特徴とする。
【0021】
この冷房装置は、上記請求項1に記載の冷房装置が備える吸着器に代えて、放熱型吸着器を採用したものである。この放熱型吸着器は、上記請求項1に記載の冷房装置と同様に、流路内の空気中から水分を吸着する他、上記請求項1に記載の冷房装置とは異なり、吸着に伴って発生する吸着熱を熱伝導部材を介して流路外へと放出するものである。熱伝導部材の具体的な形態については、放熱器で採用しているようなものを任意に利用できる。このような放熱型吸着器を採用すると、吸着器中の第1の吸着剤の温度が、上記請求項1に記載の冷房装置よりも上昇しにくくなる。
【0022】
このような冷房装置においても、上記請求項1に記載の冷房装置と同様の冷房モードでの運転、すなわち、放出先切替手段によって空気の放出先を室内に切り替えた上で、加熱手段を作動させることなく、送風手段を作動させることにより、室内の冷房を行うことができる。
【0023】
特に、放熱型吸着器は、第1の吸着剤の温度が上昇しにくいので、第1の吸着剤の単位量当りの吸着能力は、上記請求項1に記載の冷房装置よりも高くなる。そのため、例えば、上記請求項1に記載の冷房装置と同量の第1の吸着剤を備えている場合には、冷房モードでの連続運転時間をより長くすることができるようになる。あるいは、例えば、冷房モードでの連続運転時間が上記請求項1に記載の冷房装置と同程度で構わなければ、上記請求項1に記載の冷房装置よりも第1の吸着剤の量を減らすことができ、放熱型吸着器の構造をコンパクトなものにして、冷房装置の小型化を図ることができる。
【0024】
なお、この冷房装置においても、再生モードでの運転、すなわち、放出先切替手段によって空気の放出先を室外に切り替えた上で、加熱手段と送風手段を作動させることにより、第1の吸着剤の吸着能力を回復させるとともに、第2の吸着剤の吸着水を飽和状態にすることができ、この点は、上記請求項1に記載の冷房装置と同じである。
また、上述した通りの補助冷却機構が、脱着冷却器の上流側に設けられる点、より具体的には、放熱器と脱着冷却器との間を結ぶ流路に、補助冷却機構が設けられる点も、上記請求項1に記載の冷房装置と同じである。
【0025】
次に、請求項3に記載の冷房装置は、
第1の吸着剤により、流路内の空気中から水分を吸着するとともに、該吸着に伴って発生する吸着熱を熱伝導部材を介して流路外へと放出する放熱型吸着器と、
第2の吸着剤により、流路内の空気中へ水分を脱着して該流路内の空気を冷却する脱着冷却器と、
空気の導入元から前記放熱型吸着器、前記脱着冷却器を経て空気の放出先に至る流路に空気を流す送風手段と、
空気の放出先を室内または室外のいずれかに切り替える放出先切替手段と、
前記吸着器内の第1の吸着剤を加熱して該第1の吸着剤から水分を脱着させる加熱手段と
を備え、さらに、
主流路を流れる空気の一部を副流路に分流する分流手段と、第2の吸着剤により、前記副流路に分流された空気中へ水分を脱着して該副流路内の空気を冷却する補助脱着冷却器と、前記主流路内の空気と前記補助脱着冷却器によって冷却された前記副流路内の空気との間で熱交換を行うことにより、前記主流路内の空気を冷却する熱交換器とによって構成された補助冷却機構が、前記脱着冷却器の上流側に1または2以上設けられていて、該補助冷却機構の主流路を通過して冷却された空気が、前記脱着冷却器へ流入するように構成されており、
前記放出先切替手段によって空気の放出先を室内に切り替えて、前記加熱手段を作動させることなく、前記送風手段を作動させることにより、前記室内を冷房可能で、しかも、前記放出先切替手段によって空気の放出先を室外に切り替えて、前記加熱手段を作動させて、前記送風手段を作動させることにより、前記第1の吸着剤の吸湿能力および前記第2の吸着剤の脱着冷却能力を回復可能に構成されている
ことを特徴とする。
【0026】
この冷房装置は、上記請求項2に記載の冷房装置から放熱器を無くしたものである。
このような冷房装置においても、上記請求項1または請求項2に記載の冷房装置と同様の冷房モードでの運転、すなわち、放出先切替手段によって空気の放出先を室内に切り替えた上で、加熱手段を作動させることなく、送風手段を作動させることにより、室内の冷房を行うことができる。
【0027】
この冷房装置の場合、上記請求項1または請求項2に記載の冷房装置とは異なり、放熱器が存在しないが、上記請求項2に記載の冷房装置と同様の放熱型吸着器が存在するので、放熱型吸着器において吸着熱が逃がされる。つまり、この冷房装置は、放熱型吸着器の放熱能力が十分に高いことを前提として構成されたものであり、このような構成を採用すれば、放熱器を廃して冷房装置の全体構成をより簡素なものとすることができる。
【0028】
なお、この冷房装置においても、再生モードでの運転、すなわち、放出先切替手段によって空気の放出先を室外に切り替えた上で、加熱手段と送風手段を作動させることにより、第1の吸着剤の吸着能力を回復させるとともに、第2の吸着剤の吸着水を飽和状態にすることができ、この点は、上記請求項1または請求項2に記載の冷房装置と同じである。
また、この冷房装置においても、上述した通りの補助冷却機構が、脱着冷却器の上流側に設けられている。ただし、より具体的には、上記請求項1または請求項2に記載の冷房装置の場合とは異なり、請求項3に記載の冷房装置の場合は、放熱型吸着器と脱着冷却器との間を結ぶ流路に、補助冷却機構が設けられる。
【0034】
次に、請求項に記載の冷房装置は、
前記第1の吸着剤は、相対湿度0%における吸湿率と相対湿度50%における吸湿率との差が10%以上あり、
前記第2の吸着剤は、相対湿度60%における吸湿率と相対湿度100%における吸湿率との差が10%以上ある
ことを特徴とする。
【0035】
この冷房装置において、第1の吸着剤は、相対湿度0%における吸湿率と相対湿度50%における吸湿率との差が10%以上あるもので、代表的な例としては、平均細孔径2〜5nm程度のマイクロポアタイプのシリカゲル(例えば、A型シリカゲル)を挙げることができる。また、第2の吸着剤は、相対湿度60%における吸湿率と相対湿度100%における吸湿率との差が10%以上あるもので、代表的な例としては、平均細孔径5〜10nm程度のメゾポアタイプのシリカゲル(例えば、B型シリカゲル)を挙げることができる。
【0036】
このような冷房装置によれば、第1の吸着剤は、比較的低湿度の環境下であっても高い吸着性能を示すので、冷房モードにおいて低湿度の空気を得るのに好適である。また、第2の吸着剤は、比較的高湿度の環境下において多量の水分を吸着でき、上記のような第1の吸着剤に比べ、吸着した水分を比較的簡単に脱着させるので、冷却モードにおいて空気に対する加湿を行うのに好適である。
【0037】
ところで、以上説明した各冷房装置は、冷房モードでの運転後に再生モードでの運転を行うことにより冷房能力を回復するが、この再生モードでの運転中には冷房を行うことができないという制限がある。
このような制限は、例えば工場などにおいて、日中に冷房モードでの運転を行う一方、夜間に再生モードでの運転を行う場合に、冷房モードでの連続運転時間の後、再生モードでの運転時間を確保できれば特に問題はない。
【0038】
しかし、冷房モードでの連続運転時間の後、再生モードでの運転時間を必要最小限すら確保できない場合には、次の冷房モードでの連続運転時間が短くなって、早期に冷房能力が低下してしまうという問題を招く。
こうした問題を解決するには、請求項に記載したような構成を採用するとよい。
【0039】
すなわち、請求項に記載の冷房システムは、
請求項1〜請求項のいずれかに記載の冷房装置を複数備えてなる冷房システムであって、
各冷房装置が、運転モードとして、前記放出先切替手段によって空気の放出先を室内に切り替えて、前記加熱手段を作動させることなく、前記送風手段を作動させる冷房モードと、前記放出先切替手段によって空気の放出先を室外に切り替えて、前記加熱手段を作動させて、前記送風手段を作動させる再生モードとを備えていて、
前記複数の冷房装置が、それぞれ両運転モードを交互に繰り返すとともに、該複数の冷房装置の内の少なくとも1つは冷房モードで作動するように制御されている
ことを特徴とする。
【0040】
この冷房システムによれば、複数の冷房装置が、それぞれ両運転モードを交互に繰り返すとともに、複数の冷房装置の内の少なくとも1つは冷房モードで作動するように制御されているので、ある冷房装置の冷房能力が必要な水準を下回った時点で他の冷房装置が冷房モードでの運転を開始することにより、連続的に冷房を行うことができる。
【0041】
したがって、この冷房システムによれば、冷房モードでの運転時間が再生モードでの運転時間に比べて長時間に及ぶ場合、特に、常に冷房モードでの運転が必要となる可能性がある場合にも、問題なく冷房を行うことができる。
【0042】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施形態について、いくつかの具体例を挙げて説明する。
[第1の実施形態]
以下に説明する冷房装置は、図1に示す通り、放熱型吸着器1、放熱器3、脱着冷却器5、送風機7、第1ダンパー8、第2ダンパー9などを備え、これらが配管11によって接続されている。
【0043】
放熱型吸着器1は、図2(a)に示すように、両端に開口を有する容器15と、容器15の内部に水平に配設された多数の金属板17と、隣り合う金属板17のなす隙間に配設された複数の金属管19と、隣り合う金属板17のなす隙間に充填されたA型シリカゲル(本発明でいう第1の吸着剤に相当)とによって構成されている。上述の送風機7によって送られる空気は、容器15の一端から内部に流入し、多数の金属板17のなす隙間を通過して容器15の他端から外部へ流出するようになっていて、空気が金属板17間を通過する際に、その空気がA型シリカゲルと接触する構造になっている。
【0044】
金属板17は、10cm×20cmのブリキ板で、容器15内には、20枚の金属板17が5mmピッチで平行に配設されている。
金属管19は、外径6mmの銅管で、図2(b)に示すように、数ヶ所で湾曲する形状になっており、その内部を冷却水が流れるようになっている。この金属管19は、本発明でいう放熱型吸着器の熱伝導部材として機能するものであり、放熱型吸着器1内のA型シリカゲルが水分を吸着する際に発生する吸着熱を、金属管19内を流れる冷却水へと伝達し、その吸着熱を放熱型吸着器1の外部へと放出することができる。
【0045】
金属板17間に充填されたA型シリカゲルは、相対湿度0%における吸湿率と相対湿度50%における吸湿率との差が10%以上ある、比較的低湿度域での吸着能力に優れたものである。
放熱器3は、内部の流路を通過する空気の熱を流路外に配設されたエロフィンに伝達するとともに、そのエロフィンに風を当てて放熱を促すように構成された直交流型熱交換器である。
【0046】
脱着冷却器5は、図3(a)に示すように、両端に開口を有する硬質ウレタンフォーム製の断熱容器21と、断熱容器21内に配置された2つのハニカム成形体23とによって構成されている。
ハニカム成形体23は、図3(b)に示すように、ハニカム状の内部構造を有する成形体で、主成分となるB型シリカゲル(本発明でいう第2の吸着剤に相当)に適量のバインダ等を添加してなる組成物によって形成されている。B型シリカゲルは、相対湿度60%における吸湿率と相対湿度100%における吸湿率との差が10%以上ある、比較的高湿度域での吸着能力に優れたものである。なお、各ハニカム成形体23とも、その外形は直径10cm、高さ10cmの円筒形で、重量は200gある。
【0047】
送風機7は、配管11内の空気を流動させる装置で、本発明でいう送風手段に相当する。
第1ダンパー8は、空気の導入元を室内側または熱源側のいずれかに切り替えるもので、空気の導入元を熱源側に切り替えることによって放熱型吸着器1内のA型シリカゲルを加熱する手段(本発明でいう加熱手段に相当)として機能する。なお、本実施形態においては、熱源として、工場設備から出る廃熱が利用されている。
【0048】
第2ダンパー9は、空気の放出先を室内側または室外側のいずれかに切り替える装置で、本発明でいう放出先切替手段に相当する。
このように構成された冷房装置によれば、第1ダンパー8によって空気の導入元を室内に切り替え(すなわち、加熱手段としての作動を停止させ)、第2ダンパー9によって空気の放出先を室内に切り替え、放熱型吸着器1の金属管19に冷却水を流通させて、送風機7を作動させると、室内から流入する空気が、放熱型吸着器1、放熱器3、脱着冷却器5を経て、室内へと放出される。なお、このような運転状態を冷房モードという。
【0049】
冷房モードでの運転時には、放熱型吸着器1では、空気中の水分がA型シリカゲルによって吸着されて空気の湿度が低下する。また、水分の吸着に伴って吸着熱が発生するが、この吸着熱は金属管19へと伝わり、冷却水によって系外へと放出されるため、放熱型吸着器1内の温度が過剰に上昇することはない。
【0050】
ちなみに、温度30℃、相対湿度80%の空気を、出口風速が1.8m/sとなるように放熱型吸着器1に流入させた場合、金属管19内に冷却水を流通させていないと、放熱型吸着器1内の温度は最大で60℃に達するが、金属管19内に25℃の冷却水を流通させると、放熱型吸着器1内の温度上昇は、最大で45℃程度までに抑制された。A型シリカゲルの単位量当たりの吸着能力は、雰囲気温度45℃の場合の方が雰囲気温度60℃の場合よりも高くなるので、放熱型吸着器1内からの放熱は、放熱型吸着器1における吸着能力の改善に寄与すると考えられる。
【0051】
さて、放熱型吸着器1から流出した空気は放熱器3へと流入し、放熱器3内において外気温と同程度(例えば30℃)まで温度が低下する。そして、この空気が脱着冷却器5へと流入する。
脱着冷却器5では、B型シリカゲルが水分を脱着し、この脱着に伴って空気から熱が奪われ、空気の温度が外気温よりも低下する。こうして温度が低下した空気が室内へと放出されて室内の冷房が行われる。
【0052】
ちなみに、放熱器3から流出して脱着冷却器5へと流入する空気が、温度29.7℃、相対湿度3%の場合、脱着冷却器5から流出する空気は、温度13.2℃、相対湿度71%となった。
さて、この冷房装置が、冷房モードでの運転を続けると、放熱型吸着器1中のA型シリカゲルの吸着能力が徐々に低下し、また、脱着冷却器5中のB型シリカゲルの脱着能力が徐々に低下してくる。実質的に冷房能力が失われるまでの時間は、A型シリカゲルやB型シリカゲルの量、送風量、温度条件や湿度条件などに応じて変わるし、利用者の要求する冷房能力も一律ではないので、冷房能力が失われたと判断する基準については適宜変更し得るが、例えば、放熱型吸着器1へ流入する空気の温度と脱着冷却器5から流出する空気の温度との間に、ある程度以上の温度差がない場合には、冷房能力が失われたと判断できる。あるいは、脱着冷却器5から流出する空気の温度が、単に目標温度を上回ったことのみをもって、冷房能力が失われたと判断しても構わない。また、特定の装置構造と平均的な温度条件のモデルケースを想定すれば、あらかじめ平均的な連続冷房時間を算出できるので、この時間条件のみで冷房能力が失われる時間を推定することもできる。
【0053】
いずれにしても、冷房能力が失われたと考えられる場合には、第1ダンパー8によって空気の導入元を熱源側に切り替え(すなわち、加熱手段として作動させ)、第2ダンパー9によって空気の放出先を室外に切り替え、放熱型吸着器1の金属管19内の冷却水の流通を停止させて、送風機7を作動させると、熱源側から流入する高温の空気が、放熱型吸着器1、放熱器3、脱着冷却器5を経て、室外へと放出される。なお、このような運転状態を再生モードという。
【0054】
再生モードでの運転時には、放熱型吸着器1では、熱源側から流入する空気によってA型シリカゲルが加熱されるため、A型シリカゲルが冷房モードでの運転時に吸着した水分を脱着し、これにより、A型シリカゲルが再生されて吸湿能力が回復する。放熱型吸着器1内において湿度が上昇した高温の空気は放熱器3へと流入し、放熱器3内において外気温と同程度(例えば30℃)まで温度が低下する。そして、この空気が脱着冷却器5へと流入する。
【0055】
脱着冷却器5では、冷房モードでの運転時に水分を脱着したB型シリカゲルが空気中から水分を吸着し、これにより、B型シリカゲルが飽和吸着状態となって脱着冷却能力が回復する。なお、脱着冷却器5から流出する空気は室外へと排気される。
【0056】
以上説明したように、この冷房装置においては、脱着冷却器5においてB型シリカゲルから水分を脱着させることによって空気を冷却しているので、加湿機による加湿を行う構成を採用した冷房装置とは異なり、室内へ放出する空気中の水分量が飽和水蒸気量を超えてミスト状になるようなことはない。したがって、室内の空気が過剰に高湿度になることはなく、加湿機による加湿に比べ、室内の快適性が損なわれることがない。
【0057】
また、加湿機本体、加湿機に水を供給する配管などは不要なので、冷房装置全体の構造をコンパクトなものにすることができる。
さらに、脱着冷却器5においてB型シリカゲルから脱着させる水分は、冷房モードでの運転時に放熱型吸着器1内のA型シリカゲルによって空気中から捕集して、再生モードでの運転時に脱着冷却器5内のB型シリカゲルへと移した水分なので、加湿用の水を貯めておくための給水タンクや、水道水や地下水などを加湿用の水として供給する給水設備などはいっさい不要である。したがって、給水タンクへの水補給に手間がかかるといった問題はなく、しかも、移動不能な給水設備を利用しないので、車載用冷房装置など、定位置に設置されない形態の冷房装置を構成することもできる。
【0058】
加えて、この冷房装置においては、送風機7による送風方向が冷房モードと再生モードとで同じであり、送風機7については、モードに依らず常に作動させておけばよいので、送風機7に対する面倒な制御は不要であり、例えば送風方向の切り替え制御を必要とするものに比べ、送風機7に対する制御が容易である。
【0059】
また、空気の流路を切り替えるための手段もについても、少なくとも第2ダンパー9があればよいので、多数のダンパーなどを用いて複雑な流路の切替制御を行うものに比べ、第2ダンパー9に対する制御が容易である。なお、上記実施形態においては、熱源側からの空気を選択的に導入するために第1ダンパー8も設けてあるが、これは、本発明でいう加熱手段を構成するために設けたものであり、第1ダンパー8による流路切替制御が面倒であれば、放熱型吸着器1内に電熱線などを配置して加熱再生を行うようにしてもよい。
【0060】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記の具体的な一実施形態に限定されず、この他にも種々の形態で実施することができる。以下、他の実施形態について説明するが、以下の説明においては、上記第1の実施形態との相違点を中心に詳述し、差異がない部分についての説明は省略する。
【0061】
[第2の実施形態]
上記第1の実施形態では、放熱型吸着器1が備える熱伝導部材を利用して吸着熱を系外に放出するように構成してあったが、上記放熱型吸着器1に代えて、熱伝導部材を備えていない吸着器を利用してもよい。
【0062】
この場合、吸着器内の温度は、上記放熱型吸着器1を利用する場合に比べて高くなりやすいので、その分だけ、吸着器内の吸着剤(第1の吸着剤)の単位量当りの吸着能力は低くなるが、この点は、吸着剤の絶対量を増大することにより対処可能であり、冷房装置の設置に必要なスペースが十分に確保可能な場合には特に問題はない。
【0063】
また、熱伝導部材を備えていない吸着器を利用する場合には、吸着器内の吸着剤に対する加熱再生を行う際に、熱伝導部材を介して吸着器内の熱が逃げてしまう心配がないので、加熱再生のために与えた熱を吸着器内において有効に利用できる。
【0064】
[第3の実施形態]
上記第1の実施形態では、放熱型吸着器1を利用して吸着熱を系外に放出した後、さらに放熱器3を利用して空気中に残る熱を系外に放出するように構成してあったが、上記放熱型吸着器1の放熱能力が十分に高い場合には、放熱器3を廃してもよい。この場合、放熱器3が要らない分だけ、装置の全体構成が簡略化される。
【0065】
[第4の実施形態]
上記第1の実施形態では、第1ダンパー8により熱源側から高温の空気を導入していたが、これに代えて、熱源側において加熱された熱水を吸着器内に導いて吸着器内での加熱を行ってもよい。熱水を導く方法としては、専用の配管を設けて吸着器内に通してもよいし、冷却用に設けた金属管19内に、選択的に熱水を導入できるように構成し、再生モードにおいては、放熱用の熱伝導部材である金属管19が、加熱手段として機能するように構成してもよい。
【0066】
[第5の実施形態]
上記第1の実施形態では、放熱器3から流出した空気が、そのまま脱着冷却器5へ流入するように構成してあったが、脱着冷却器5から流出する空気をさらに低温化したい場合には、放熱器3と脱着冷却器5との間に、図4に示すような補助冷却機構30を設けてもよい。
【0067】
この補助冷却機構30は、主流路31aを流れる空気の一部を副流路31bに分流する配管31(本発明でいう分流手段に相当)と、B型シリカゲル(本発明でいう第2の吸着剤に相当)により、副流路31bに分流された空気中へ水分を脱着して副流路31b内の空気を冷却する補助脱着冷却器33と、主流路31a内の空気と補助脱着冷却器33によって冷却された副流路31b内の空気との間で熱交換を行うことにより、主流路31a内の空気を冷却する熱交換器35とによって構成される。なお。補助脱着冷却器33は、先に説明した脱着冷却器5と区別するために、便宜的に名称を分けているが、基本的な構造は同じものである。
【0068】
冷房モードでの運転時において、配管31内の空気は、既に放熱型吸着器1を通過した低湿度の空気なので、この空気が補助脱着冷却器33に流入すると、内部のB型シリカゲルが水分を脱着し、この脱着に伴って空気から熱が奪われ、空気の温度が低下する。そして、熱交換器35では、主流路31a内の空気と補助脱着冷却器33によって冷却された副流路31b内の空気との間で熱交換が行われ、これにより、主流路31a内の空気が冷却される。したがって、この主流路31a内の空気は、絶対湿度が放熱型吸着器1を通過した空気と同じ低湿度なもので、しかも、単に放熱型吸着器1を通過した空気よりも低温の空気となるので、この空気を脱着冷却器5へと流入させることにより、最終的に得られる空気をさらに低温化することができる。
【0069】
また、再生モードでの運転時において、配管31内の空気は、放熱型吸着器1内のA型シリカゲルの再生に伴って加湿された高湿度の空気なので、この空気が補助脱着冷却器33に流入すると、B型シリカゲルが水分を吸着して飽和吸着状態となって脱着冷却能力が回復する。
【0070】
なお、この補助冷却機構30は、必要に応じて2以上設けてもよい。その場合、通常は、1つ目の補助冷却機構30の主流路を通過した空気が、さらに2つ目以降の補助冷却機構30の主流路を順に通過するように、2以上の補助冷却機構30が直列に配設され、これにより、空気が各補助冷却機構30を通過するたびに段階的に冷却されるようになる。
【0071】
2以上の補助冷却機構30を並列に配設すること、すなわち、途中で2以上の分流路に分流して再び合流する流路の各分流路に配設することも可能であるが、この場合、分流された空気はそれぞれ1つの補助冷却機構を通過するだけなので、2以上の補助冷却機構を直列に配設した場合のように空気が段階的に冷却されることはない。
【0072】
また、上記第3の実施形態で説明したように、放熱器3を廃した場合には、この補助冷却機構30は、放熱型吸着器1と脱着冷却器5との間に設ければよい。
[第6の実施形態]
上記第1〜第4の実施形態では、単体の冷房装置について詳述したが、単体の冷房装置は、冷房モードでの運転と再生モードでの運転を交互に繰り返すものなので、連続的に冷房を実施できる時間には限界がある。
【0073】
こうした問題に対しては、上記のような冷房装置を複数台利用して、複数の冷房装置が、それぞれ両運転モードを交互に繰り返すとともに、複数の冷房装置の内の少なくとも1つは冷房モードで作動するように制御されるシステムを構成するとよい。
【0074】
このような冷房システムによれば、複数の冷房装置の内の少なくとも1つは冷房モードで作動するように制御されるので、ある冷房装置の冷房能力が必要な水準を下回った時点で他の冷房装置が冷房モードでの運転を開始することにより、いくらでも連続的に冷房を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態として説明した冷房装置の構成図である。
【図2】 放熱型吸着器の一例を示す図であり、(a)はその斜視図、(b)はその内部に配設された金属管の平面図である。
【図3】 脱着冷却器の一例を示す図であり、(a)はその斜視図、(b)はその内部に配設されたハニカム成形体の斜視図である。
【図4】 本発明の第5の実施形態として説明した冷房装置が備える補助冷却機構の構成図である。
【符号の説明】
1・・・放熱型吸着器、3・・・放熱器、5・・・脱着冷却器、7・・・送風機、8・・・第1ダンパー、9・・・第2ダンパー、11・・・配管、15・・・容器、17・・・金属板、19・・・金属管、21・・・断熱容器、23・・・ハニカム成形体、30・・・補助冷却機構、31・・・配管、31a・・・主流路、31b・・・副流路、33・・・補助脱着冷却器、35・・・熱交換器。

Claims (5)

  1. 第1の吸着剤により、流路内の空気中から水分を吸着する吸着器と、
    流路内の空気の熱を熱伝導部材を介して流路外へと放出する放熱器と、
    第2の吸着剤により、流路内の空気中へ水分を脱着して該流路内の空気を冷却する脱着冷却器と、
    空気の導入元から前記吸着器、前記放熱器、前記脱着冷却器を経て空気の放出先に至る流路に空気を流す送風手段と、
    空気の放出先を室内または室外のいずれかに切り替える放出先切替手段と、
    前記吸着器内の第1の吸着剤を加熱して該第1の吸着剤から水分を脱着させる加熱手段と
    を備え、さらに、
    主流路を流れる空気の一部を副流路に分流する分流手段と、第2の吸着剤により、前記副流路に分流された空気中へ水分を脱着して該副流路内の空気を冷却する補助脱着冷却器と、前記主流路内の空気と前記補助脱着冷却器によって冷却された前記副流路内の空気との間で熱交換を行うことにより、前記主流路内の空気を冷却する熱交換器とによって構成された補助冷却機構が、前記脱着冷却器の上流側に1または2以上設けられていて、該補助冷却機構の主流路を通過して冷却された空気が、前記脱着冷却器へ流入するように構成されており、
    前記放出先切替手段によって空気の放出先を室内に切り替えて、前記加熱手段を作動させることなく、前記送風手段を作動させることにより、前記室内を冷房可能で、しかも、前記放出先切替手段によって空気の放出先を室外に切り替えて、前記加熱手段を作動させて、前記送風手段を作動させることにより、前記第1の吸着剤の吸湿能力および前記第2の吸着剤の脱着冷却能力を回復可能に構成されている
    ことを特徴とする冷房装置。
  2. 第1の吸着剤により、流路内の空気中から水分を吸着するとともに、該吸着に伴って発生する吸着熱を熱伝導部材を介して流路外へと放出する放熱型吸着器と、
    流路内の空気の熱を熱伝導部材を介して流路外へと放出する放熱器と、
    第2の吸着剤により、流路内の空気中へ水分を脱着して該流路内の空気を冷却する脱着冷却器と、
    空気の導入元から前記放熱型吸着器、前記放熱器、前記脱着冷却器を経て空気の放出先に至る流路に空気を流す送風手段と、
    空気の放出先を室内または室外のいずれかに切り替える放出先切替手段と、
    前記吸着器内の第1の吸着剤を加熱して該第1の吸着剤から水分を脱着させる加熱手段と
    を備え、さらに、
    主流路を流れる空気の一部を副流路に分流する分流手段と、第2の吸着剤により、前記副流路に分流された空気中へ水分を脱着して該副流路内の空気を冷却する補助脱着冷却器と、前記主流路内の空気と前記補助脱着冷却器によって冷却された前記副流路内の空気との間で熱交換を行うことにより、前記主流路内の空気を冷却する熱交換器とによって構成された補助冷却機構が、前記脱着冷却器の上流側に1または2以上設けられていて、該補助冷却機構の主流路を通過して冷却された空気が、前記脱着冷却器へ流入するように構成されており、
    前記放出先切替手段によって空気の放出先を室内に切り替えて、前記加熱手段を作動させることなく、前記送風手段を作動させることにより、前記室内を冷房可能で、しかも、前記放出先切替手段によって空気の放出先を室外に切り替えて、前記加熱手段を作動させて、前記送風手段を作動させることにより、前記第1の吸着剤の吸湿能力および前記第2の吸着剤の脱着冷却能力を回復可能に構成されている
    ことを特徴とする冷房装置。
  3. 第1の吸着剤により、流路内の空気中から水分を吸着するとともに、該吸着に伴って発生する吸着熱を熱伝導部材を介して流路外へと放出する放熱型吸着器と、
    第2の吸着剤により、流路内の空気中へ水分を脱着して該流路内の空気を冷却する脱着冷却器と、
    空気の導入元から前記放熱型吸着器、前記脱着冷却器を経て空気の放出先に至る流路に空気を流す送風手段と、
    空気の放出先を室内または室外のいずれかに切り替える放出先切替手段と、
    前記吸着器内の第1の吸着剤を加熱して該第1の吸着剤から水分を脱着させる加熱手段と
    を備え、さらに、
    主流路を流れる空気の一部を副流路に分流する分流手段と、第2の吸着剤により、前記副流路に分流された空気中へ水分を脱着して該副流路内の空気を冷却する補助脱着冷却器と、前記主流路内の空気と前記補助脱着冷却器によって冷却された前記副流路内の空気との間で熱交換を行うことにより、前記主流路内の空気を冷却する熱交換器とによって構成された補助冷却機構が、前記脱着冷却器の上流側に1または2以上設けられていて、該補助冷却機構の主流路を通過して冷却された空気が、前記脱着冷却器へ流入するように構成されており、
    前記放出先切替手段によって空気の放出先を室内に切り替えて、前記加熱手段を作動させることなく、前記送風手段を作動させることにより、前記室内を冷房可能で、しかも、前記放出先切替手段によって空気の放出先を室外に切り替えて、前記加熱手段を作動させて、前記送風手段を作動させることにより、前記第1の吸着剤の吸湿能力および前記第2の吸着剤の脱着冷却能力を回復可能に構成されている
    ことを特徴とする冷房装置。
  4. 前記第1の吸着剤は、相対湿度0%における吸湿率と相対湿度50%における吸湿率との差が10%以上あり、
    前記第2の吸着剤は、相対湿度60%における吸湿率と相対湿度100%における吸湿率との差が10%以上ある
    ことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の冷房装置。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれかに記載の冷房装置を複数備えてなる冷房システムであって、
    各冷房装置が、運転モードとして、前記放出先切替手段によって空気の放出先を室内に切り替えて、前記加熱手段を作動させることなく、前記送風手段を作動させる冷房モードと、前記放出先切替手段によって空気の放出先を室外に切り替えて、前記加熱手段を作動させて、前記送風手段を作動させる再生モードとを備えていて、
    前記複数の冷房装置が、それぞれ両運転モードを交互に繰り返すとともに、該複数の冷房装置の内の少なくとも1つは冷房モードで作動するように制御されている
    ことを特徴とする冷房システム。
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