JP4240678B2 - タイヤ加硫設備 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、タイヤ加硫機のタイヤ搬出側にポストキュインフレータおよびタイヤ搬出用のアンローダを配設したタイヤ加硫設備に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種のタイヤ加硫設備は、例えば、特公平3−67006号公報によって提案されている。
この先願に係るタイヤ加硫設備は、タイヤ加硫機のタイヤ搬出側に加硫済みタイヤを冷却するためのポストキュアインフレータを配設するとともに、該タイヤ加硫機とポストキュアインフレータとの間にアンローダを介在させている。
この加硫設備においては、加硫機で加硫処理された加硫済みタイヤが上記アンローダによってポストキュアインフレータまで搬送される。そして、ポストキュアインフレータで冷却された冷却済みタイヤは、コンベアによって該ポストキュアインフレータから所定のタイヤ放出位置まで搬出される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の加硫設備では、冷却済みタイヤをポストキュアインフレータから搬出するため、上記コンベア等のタイヤ搬出手段を設けている。しかし、このように、専用の冷却済みタイヤ搬出手段を設けることは、コストの低減およびコンパクト化を図る上で望ましくない。
本発明の課題は、このような状況に鑑み、コストの低減およびコンパクト化を図ることができるタイヤ加硫設備を提供することを課題としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、タイヤ加硫機のタイヤ搬出側にポストキュアインフレータおよびタイヤ搬出用のアンローダを配設したタイヤ加硫設備であって、前記アンローダが、昇降体と、この昇降体に水平回転可能に設けた第1アームと、前記第1アームの先端部に水平回転可能に設けた第2アームと、該第2アームの先端部に設けたタイヤ把持手段とを備え、前記アンローダを、前記タイヤ把持手段の中心の移動軌跡が前記タイヤ加硫機の金型中心位置と冷却済みタイヤ放出位置を通るように設置し、前記ポストキュアインフレータを、前記タイヤ把持手段の中心が前記タイヤ放出位置に位置している状態で前記第2アームを回転させた場合の前記タイヤ把持手段の中心の移動軌跡上に配設したことを特徴としている。
請求項2の発明は、前記アンローダを前記加硫機に支持させたことを特徴としている。
請求項3の発明は、前記ポストキュアインフレータの回転支持部を前記加硫機のフレームのベース部に支持させたことを特徴としている。
請求項4の発明は、前記ポストキュアインフレータの外側リム昇降手段を前記アンローダの昇降体に取付けたことを特徴としている。
請求項5の発明は、前記ポストキュアインフレータの回転軸を駆動するアクチュエータとしてエアモータを用いたことを特徴としている。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら発明に係るタイヤ加硫設備の実施形態について説明する。図1は本発明に係るタイヤ加硫設備の平面図、図2は図1のA矢視図である。
このタイヤ加硫設備は、一対のタイヤ加硫機10と、個々のタイヤ加硫機10のタイヤ搬入側にそれぞれ設けたローダ20と、各タイヤ加硫機10のタイヤ搬出側にそれぞれ設けたポストキュアインフレータ(以下、PCIと略称する)30およびアンローダ50とを備えている。
【0006】
まず、PCI30について説明する。このPCI30は、図3に拡大して示すように、加硫機10のフレームベース部12に付設したブラケット31と、このブラケット31によって水平に支持された回転軸32と、この回転軸32に直交する態様で中央部を該回転軸32に固定した筒体33と、この筒体33の一端部と他端部にそれぞれ設けた内側リム34と、これらの内側リム34に対向する外側リム35とを有する。
上記回転軸32には、ウォームホイール32aおよびウォームギア32bを介して図示していないエアモータの回転動力が伝達される。なお、上記回転軸32を回転駆動するアクチュエータとして電動機を用いることも可能である。
【0007】
外側リム35は、ロック軸36を備え、このロック軸36を筒体33に着脱自在に嵌合することによって該筒体33にセットされる。そして、外側リム35が筒体33にセットされると、該リム35と内側リム34とによってタイヤ50が把持される。
【0008】
PCI30は、図2に示したリム昇降部37も備えている。このリム昇降部37は、外側リム35を把持する把持機構37aと、該把持機構37aを昇降させるシリンダ38とを有し、図4に示した取付部材39を介してアンローダ50の可動枠51に支持されている。
なお、PCI30は、リム34,35で把持した加硫済みタイヤTに圧縮空気でインフレートして空冷する。
【0009】
アンローダ50は、図5に拡大して示すように、加硫機10の支柱11に昇降可能に支持された上記可動枠51と、この可動枠51に取り付けた支軸52によって水平回転可能に支持された第1アーム53と、この第1アーム53の先端部に連結軸54を介して水平回転可能に支持された第2アーム55と、この第2アーム55の先端部に取付けたタイヤ把持装置56とを備えている。
【0010】
可動枠51に付設されたブラケット57には、リンク58の中間部が水平回転可能に支持されている。そして、このリンク58の一端部とブラケット57間に旋回用第1シリンダ59を介在させるとともに、該リンク58の他端部と上記第1アーム間に旋回用第2シリンダ60を介在させてある。
一方、第1アーム53とタイヤ把持装置56間には、第2アーム旋回用シリンダ61が介在され、また、第2アームとタイヤ把持装置56間には、タイヤ把持用シリンダ62が介在されている。
【0011】
実線で示したように、シリンダ59,60および61をそれぞれ伸長、縮退および伸長させた状態では、タイヤ把持装置56の中心が冷却済みタイヤ放出位置P4上に位置される。そして、この状態からシリンダ61のみを縮退させると、軸54を中心として第2アーム55が時計回り方向に旋回し、その結果、タイヤ把持装置56の中心がPCIリム中心位置P3上に位置される。
【0012】
また、実線で示した状態からシリンダ59のみを縮退させると、リンク58がY方向に沿う位置まで時計回り方向に回転する。このため、第1アーム53および第2アーム55もY方向に沿う位置まで同方向に旋回し、その結果、タイヤ把持装置56の中心が待機位置P2上に位置される。
そして、タイヤ把持装置56の中心が待機位置P2に位置された状態においてシリンダ60を伸長させると、第1アーム53および第2アーム55が時計回り方向に回転して、タイヤ把持装置56の中心が加硫機10の金型中心位置P1上に位置される。
【0013】
なお、タイヤ把持装置56は、シリンダ62の伸縮動作によって開閉する複数(例えば6個)の把持爪56a(図2参照)を備え、この爪56aをタイヤTのビード部に係合させることによって該タイヤTを把持する。
また、上記アンローダ50は、加硫機10の支柱11と可動枠51間に介在させた図2に示す昇降シリンダ63によって昇降される。
【0014】
以下、上記構成を有した加硫設備の作用について説明する。
加硫機10の金型中心位置P1には、ローダ20によって未加硫タイヤが搬入される。いま、加硫機10において未加硫タイヤが加硫中であり、また、PCI30において加硫済みタイヤが冷却中であるとすると、このとき、アンローダ50のタイヤ把持装置56の中心が冷却済みタイヤ放出位置P4に位置している。
【0015】
(1) PCI30において加硫済みタイヤの冷却が終了すると、前記エアモータが作動される。このエアモータの回転動力は、図3に示したウォームギア32b、ウォームホィール32aを介して回転軸32に伝達され、その結果、該回転軸32が前記筒体33と共に180°回転して、冷却済みタイヤが回転軸32の上方側に位置される。
(2) アンローダ50のアーム55を旋回作動して上記タイヤ把持装置56の中心をPCIリム中心位置P3上に位置させる。
(3) 図2に示したシリンダ63によってアンローダ50がタイヤ把持高さまで下降された後、タイヤ把持装置56によって冷却済みタイヤが把持され、ついでアンローダ50が上昇される。
(4) アンローダのアーム55が旋回作動して、タイヤ把持装置56の中心がタイヤ放出位置P4上に再び位置される。
(5) アンローダ50が下降して、タイヤ把持装置56に把持されていた加硫・冷却済みタイヤをタイヤ放出位置P4に放出し、ついで、再び上昇する。
(6) アンローダ50が回転して、タイヤ把持装置56の中心が前記待機位置P2上に位置される。
(7) 加硫機10による未加硫タイヤの加硫が終了して、該加硫機10の金型が開かれると、待機状態にあったアンローダ50が旋回作動して、タイヤ把持装置56の中心が加硫機10の金型中心位置P1上に位置される。
(8) アンローダ50が下降動作して加硫済みタイヤ把持し、その後、再び上昇する。
(9) アンローダ50が回転して、タイヤ把持装置56の中心がPCIリム中心位置P3に位置される。
(10) アンローダ50が下降し、図3に示すように、内側リム34上に加硫済みタイヤTを載置する。
(11) アンローダ30が上昇し、ついで、タイヤ把持装置56の中心がタイヤ放出位置P4上に位置するまで該アンローダが回転する。
【0016】
なお、上記手順(1),(2)の間には、図2に示したリム昇降部37を可動枠51と共に下降して、前記把持機構37aとシリンダ37bとによって外側リム35を筒体33から抜き出す操作が実行される。
また、上記手順(10),(11)の間には、図2に示したリム昇降部37を可動枠51と共に下降して、前記把持機構37aに把持されている外側リム35のロック軸36をシリンダ37bの動作でPCI30の筒体33に挿着する操作が実行される。
【0017】
以後、(1)〜(11)の動作が繰り返されて、タイヤ放出位置P4に加硫・冷却済みのタイヤTが順次放出される。そして、タイヤ放出位置P4に放出されたタイヤは、図示していないコンベア等の搬送手段によって次の工程まで搬送される。
【0018】
上記実施形態のタイヤ加硫設備によれば、金型中心位置P1から冷却済みタイヤ放出位置P4に至るアンローダ50の移動軌跡の内側にPCIリム中心位置P3を設けている。したがって、加硫機の金型中心位置P1からPCIリム中心位置P3まで加硫済みタイヤを搬送する操作と、該PCIリム中心位置P3からタイヤ放出位置P4まで加硫・冷却済みタイヤを搬送する操作とを単一のアンローダ50を用いて実施することができる。
【0019】
また、アンローダ50の第2アーム55を第1アーム53に対して旋回させることによって、タイヤ把持装置56の中心をタイヤ放出位置P4とPCIリム中心位置P3間で移動させることができる。したがって、冷却済みタイヤをタイヤ放出位置P4まで移動させる操作のサイクルタイムを短縮することができる。
【0020】
更に、図3に示したPCI30では、筒体33の32するアクチュエータとしてしているので、以下のような利点が得られる。すなわち、上記アクチュエータとして電動機を使用した場合には、上記筒体33がストッパに当接する位置まで回転された時点で該電動機が停止されることになるが、動力伝達系に設けられたギアのバックラッシュ等のために、この電動機の停止処理だけでは筒体33を精度良く停止位置に位置決めすることができない。
そこで、上記電動機を使用する場合には、別の位置決め用アクチュエータを配設し、該電動機の停止後、この位置決め用アクチュエータの押圧力で上記筒体33を強制的に停止用ストッパに当接させる必要がある。
【0021】
これに対して、上記エアモータを使用すれば、筒体33をストッパに当接するまで回転した後、継続してこのエアモータの駆動トルクで筒体33をストッパに押圧させることができるので、筒体33を停止位置に保持させることが可能である。
このように、上記エアモータを使用した場合、位置決め用アクチュエータを併用することなくポストキュアインフレータを精度良く位置決めすることが可能になるので、構成の簡素化を図ることができる。
【0022】
なお、上記PCI30では、上記エアモータの回転動力を回転軸32に伝達する動力伝達手段としてウォームギア32bおよびウォームホィール32aを用いいるので、動力の逆伝達が防止される。つまり、ウォームホィール32a側からウォームギア32b側に回転動力が伝達されることが防止される。
したがって、エアモータの駆動トルクによって筒体33を停止位置に維持させている状態で、万一、該エアモータに供給しているエアが洩れたとしても、筒体33が外力の作用で逆転するという虞はない。
【0023】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、加硫済みタイヤを加硫機の金型中心からポストキュアインフレータまで搬送する操作と、加硫・冷却済みタイヤをポストキュアインフレータから冷却済みタイヤ放出位置まで搬送する操作とを単一のアンローダ50を用いて実施することができるので、構成の簡素化、低コスト化およびコンパクト化を図ることができる。また、アンローダの第2アームのみの旋回動作によってタイヤ把持装置の中心をタイヤ放出位置とPCIリム中心位置間で移動させることができる。したがって、冷却済みタイヤをタイヤ放出位置まで移動させる操作のサイクルタイムが短縮される。
請求項の発明によれば、加硫機がアンローダの支持手段として利用されるので、低コスト化およびコンパクト化を一層図ることが可能になる。
請求項の発明によれば、加硫機がポストキュアインフレータの支持手段として利用されるので、更なる低コスト化およびコンパクト化を図ることが可能になる。
請求項の発明によれば、ポストキュアインフレータの外側リム昇降手段をアンローダの昇降機能を利用して昇降させることができるので、該外側リム昇降手段に設けられる昇降アクチュエータとして昇降ストロークの小さな小型、低コストのものを使用することが可能になる。
請求項の発明によれば、ポストキュアインフレータの回転軸を駆動するアクチュエータとしてエアモータを使用しているので、回転体をストッパに当接する位置まで回転した後、継続してこのエアモータの駆動トルクを該回転体に作用させることにより、この回転体を停止位置に精度良く位置決めすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るタイヤ加硫設備の実施形態を示した平面図。
【図2】図1のA矢視図。
【図3】ポストキュアインフレータの構造を示す側面図。
【図4】ポストキュアインフレータの外側リム昇降手段の構造および支持態様を示した側面図。
【図5】アンローダの構造および作用を示した拡大平面図。
【符号の説明】
10 タイヤ加硫機
11 支柱
20 ローダ
30 ポストキュアインフレータ
34 内側リム
35 外側リム
37 外側リム昇降部
50 アンローダ
51 可動枠
52 支軸
53 第1アーム
54 連結軸
55 第2アーム
56 タイヤ把持装置
58 リンク
59,60,61,62 シリンダ

Claims (5)

  1. タイヤ加硫機のタイヤ搬出側にポストキュアインフレータおよびタイヤ搬出用のアンローダを配設したタイヤ加硫設備であって、
    前記アンローダが、昇降体と、この昇降体に水平回転可能に設けた第1アームと、前記第1アームの先端部に水平回転可能に設けた第2アームと、該第2アームの先端部に設けたタイヤ把持手段とを備え、
    前記アンローダを、前記タイヤ把持手段の中心の移動軌跡が前記タイヤ加硫機の金型中心位置と冷却済みタイヤ放出位置を通るように設置し、
    前記ポストキュアインフレータを、前記タイヤ把持手段の中心が前記タイヤ放出位置に位置している状態で前記第2アームを回転させた場合の前記タイヤ把持手段の中心の移動軌跡上に配設したことを特徴とするタイヤ加硫設備。
  2. 前記アンローダを前記加硫機に支持させたことを特徴とする請求項1に記載のタイヤ加硫設備。
  3. 前記ポストキュアインフレータの回転支持部を前記加硫機のフレームのベース部に支持させたことを特徴とする請求項1または2に記載のタイヤ加硫設備。
  4. 前記ポストキュアインフレータの外側リム昇降手段を前記アンローダの昇降体に取付けたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のタイヤ加硫設備。
  5. 前記ポストキュアインフレータの回転軸を駆動するアクチュエータとしてエアモータを用いたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のタイヤ加硫設備。
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