JP4237416B2

JP4237416B2 - 固締具

Info

Publication number: JP4237416B2
Application number: JP2000602528A
Authority: JP
Inventors: フスコパスクエール
Original assignee: ヘンリーヴェナブルズリミテッド
Priority date: 1999-03-04
Filing date: 2000-03-06
Publication date: 2009-03-11
Anticipated expiration: 2020-03-06
Also published as: ATE269495T1; EA200100924A1; EP1159536A1; GB2347475B; PL350125A1; GB2347475A; BR0008720A; CA2363549C; GB0005386D0; CN1118639C; CN1342248A; CA2363549A1; EA002842B1; GB9904883D0; EP1159536B1; AU775936B2; PL198142B1; AU2927500A; WO2000052345A1; DE60011580T2

Description

【０００１】
本発明は、固締具に関し、特に、壁の一方の側に接近することが制限されている場合、壁またはその他のパネル内の開口部を通過させ、止め具部材を延長させて壁内に固定し、後に離脱するのを防止するのに適する固締具に関する。
【０００２】
多数のこうした一般的な種類の固締具構造が既知である。本発明の１つの目的は、こうした構造を改良し、特定の実施態様では、損傷せずに大きい離脱力に耐えることができる固締具を提供し、さらに止め具機構に触れずに離脱させることができる固締具を提供することである。
【０００３】
概して、本発明は、開口部を貫通して壁の手前側から裏側まで延在するシャンクと、固締具のシャンク内に保持される止め具とを具備する固締具であって、止め具が、シャンクの輪郭を越えて比較的少なくおよび比較的多くそれぞれ突出する第１の向きと第２の向きとを有し、その結果、止め具は、第１の向きでは適切なサイズの開口部を貫通することができるが、第２の向きでは壁の裏側に係合し、シャンクが開口部から離脱するのを防止するように構成されている固締具に関する。壁の手前側に対する反応により、開口部内でシャンクを緊張させるための手段を適切に設ける。
【０００４】
本発明の特定の実施態様では、止め具は、重力によって第１の向きから第２の向きに、および／または第２の向きから第１の向きに旋回するように構成される。本発明のいくつかの実施態様では、止め具は、開口部の側面を利用して止め具を第１の向きに保持し、開口部を貫通してシャンクを挿入する。いくつかの実施態様では、止め具を第２の向きから第１の向きに戻すことはできないが、特に、固締具が開口部を貫通して垂直に挿入されない場合、止め具は、シャンクの回転位置に応じて、シャンクが開口部内で回転する時に重力の作用により旋回するように配置される。
【０００５】
好ましい実施態様では、止め具は、固締具のシャンク内に取り付けられた保持アームを具備し、このアームは、アームが実質的に完全にシャンクの輪郭内に存在する第１の向きと、アームがシャンクの輪郭を越えて延在し、その結果、固締具を開口部から離脱させるのに役立つ張力が固締具に加わった時に、アームが壁の裏側に係合することができる第２の向きとの間で移動可能である。
【０００６】
本発明の特に好ましい実施態様では、シャンクには、止め具を第２の向きに支持する当接部が設けられる。
【０００７】
シャンクには、完全にシャンクを貫通して延在するスロットが設けられる。アームは、このスロットを横断して延在するピン上に旋回可能に取り付けられる。上記の当接部は、スロットの一方の端部にある肩状部により形成される。
【０００８】
止め具は、止め具の重心から偏位する軸線上で旋回する。シャンクを垂直にして固締具を固定するように考えられた特定の実施態様では、止め具の重心は、止め具が第１の向きで垂直なシャンクの輪郭内に位置する時に、シャンクの長手方向軸線から半径方向外側の方向に枢軸から偏位し、その結果、重力は止め具を回転させて第２の向きに旋回させるのに役立つ。シャンクを水平にして使用するように考えられたその他の実施態様では、止め具の重心は、シャンクの長手方向軸線に平行な方向に止め具の枢軸から変位し、その結果、重力は、固締具が開口部を貫通して水平に挿入された時に、止め具をその第２の向きに旋回させるのに役立つ。重心は、シャンクから軸方向および半径方向の両方に偏位し、固締具を様々な向きで使用することを可能にし、特に、固締具をその長手方向軸線上で回転させることにより、第１の向きと第２の向きとの間で止め具を切り換えることをさらに可能にする。
【０００９】
保持アームの移動は、当接部またはその他の手段により制限して、保持アームが第１の向きから第２の向きに１方向にのみ旋回することを可能にし、および／または第２の向きから第１の向きに、通常反対方向に１方向にのみ旋回することを可能にすることが望ましい。旋回アームが回転する自由を制限することにより、より容易に旋回アームを制御することができる。
【００１０】
緊張手段は、シャンクとねじ方式で係合するナット手段を具備すると良い。等価な効果を有するその他の手段も同様に使用することができる。
【００１１】
止め具を保持するシャンク部分が開口部内に収容されるか、または開口部を越えて収容されて見えない場合にも、シャンクの向きを指示する標示を固締具に設けると、使用者は、開口部内で固締具を適切に回転させることにより、重力作動止め具の向きをより容易に調節することができる。こうした標示は、使用時に壁の手前側に向くシャンクの端部に配置する。
【００１２】
本発明の2種類の実施態様を一例として添付の図面に示す。
【００１３】
図示の固締具は、強度の点で全体的に鋼から構成する。第１実施態様の図では、図１は、鋼ロッドから成るシャンク１０であって、一方の端部にねじ１２を有し、ロッドのねじ部と離れた端部との間でシャンクを完全に貫通して切断されているスロット１４を有するシャンク１０を示す。シャンクのねじ付き端部の端面は、スロットと整列する溝１６を形成するように完全に刻み目が付けられており、溝の向きはスロットの向きを示す。適切なマーカーは、固締具シャンクのどちら側が上に位置するかを示す指標として溝の一方の端部に設けられ、図３に示す位置と図４に示す位置とを区別することができる。
【００１４】
図２は、スロット１４の幅より短い幅の小さい鋼プレートから形成された止め具２０を示す。点線の輪郭は、プレートから材料を除去して止め具を形成するプレートの矩形形状を示し、止め具の上には、止め具の底縁２４の各端部に１つづつ、一対のニブ２２が形成される。枢止ピン用のアパーチャ２６は、矩形の輪郭の中央部でプレートを貫通して設けられる。矩形の上端２８は、傾斜縁部部分３０が残るように傾斜を付けて一方の隅を切断することにより除去され、アパーチャ２６の領域の中央部は、重量を減少させ、平坦な当接部分３２を形成するように比較的少ない程度まで除去されている。傾斜縁部部分３０に対向する上隅はそのまま残して耳部３４を形成し、止め具の両端間の重量差を増加させる。これら両端はアームを形成し、各々のアームは、ニブ２２とともに、止め具の向きに応じてシャンクの輪郭の内側または外側の位置を占める。
【００１５】
元の矩形の輪郭に比べて、枢止アパーチャ２６を貫通する想像上の水平線および垂直線により止め具を分割すると、止め具の下半分は上半分より重く、耳部３４を備えるアームは傾斜縁部３０を備えるアームより重いため、図２に示すように、止め具の重心は右下四分区間内にある。
【００１６】
図３は、スロット１４内の枢止ピン４０によりシャンク１０内に止め具をどのように取り付けるかを示し、スロット１４は、止め具２２の外形に実質的に対応する形状だが、止め具がピン４０上で図３に示す位置から図４に示す位置に旋回するように、シャンクの材料がさらに除去されている。特に、スロットは、止め具の傾斜縁部３０に一致するように、上方開口部が下方開口部より短くなっている。スロットの対応する傾斜端部がシャンクの上部の上に出ている場合、シャンクが逆転し、止め具が図４に示す位置に旋回する時に、止め具の平坦な当接部３２を支持する肩状部４２により形成される当接部が存在する。
【００１７】
シャンクが図３に示す状態にある場合、重力は、止め具を時計方向に回転させるのに役立ち、したがって、止め具は、傾斜縁部３０がスロットの対応する形状の端部に当接することにより、完全にシャンクの輪郭内においてスロット内に維持される。しかし、シャンクが、図４に示すように軸方向に１８０°逆転位置まで回転すると、重力は止め具を図示の位置まで回転させる。シャンクがさらに１８０°回転すると、当然、止め具は図３の向きに戻る。
【００１８】
使用時、図５に示すように、好ましくはワッシャ５２の次に、ナット５０をシャンクのねじ付き端部に当てる。壁５４は、手前側パネル５６と裏側パネル５８を具備するように示されており、両方の壁パネルを貫通して連続開口部６０を孔あけして、固締具のシャンクが手前側から裏側を通過できるようにする。これは、固締具のシャンクを図３の向きにして行われるので、止め具は開口部に接触しない。次に、固締具をその軸線上で１８０°回転させると、止め具が第２の向きに旋回し、ニブ２２が裏側壁パネル５８に面する。次に、止め具が壁に当たるまでシャンクを引き抜くと、ナット５０が締まり、図５に示す固締構成が得られる。溝１６は、ナット５０を締める時に、シャンクを回転させて保持するためのスクリュードライバのスロットとして使用することができる。ナットに相当なトルクを使用しても、止め具の平坦な当接部３２を圧迫する肩状部４２により支持されるため、旋回ピン４０に過度な応力が加わることはない。
【００１９】
固締具は、取付けの逆順に開口部６０から引き抜くことができ、つまりナット５０を緩め、固締具のシャンクを開口部内にさらに押し入れて１８０°回転させ、止め具をスロット内に落し入れてシャンクを開口部から引き抜く。
【００２０】
本発明の第２の例示的な実施態様を図６〜図１０に示すが、これら図面はそれぞれ図１〜図５に対応する図である。対応図面を比較すると、第２実施態様に組み込まれた変形が分かる。以下では、これら２つの実施態様の相違点を主に説明し、固締具の特徴の変化について記載しない場合、その特徴は変化しないものと考える。
【００２１】
第２実施態様の固締具は、製造を容易にするために、図１に示されている矩形の肩状部４２が図６に示されている丸みのある凹状肩状部７２に置き換えられているシャンク７０を有する。スロット７４（スロット１４に対応する）の向きは、シャンクのねじ付き端部上の単純な凹部または刻印７６により示す。
【００２２】
図７に示す視点から見た止め具８０は、止め具が嵌合する想像上の矩形輪郭８８の下半分および右側半分に向かって重量の偏りが大きく、この矩形の中央には、旋回ピンのアパーチャ８６が位置する。これは、止め具２０のニブ２２を省略し、傾斜縁部３０を平坦な部分９０および傾斜移行部９１と置き換えて、当接部３２を当接部９２として固締具の軸線に近づけて行われる。
【００２３】
図８、図９および図１０は、固締具の動作は基本的には変わらないが、スロット７４は、止め具の縁部９０、９１および９２の形状に適合する内部形状を有することを示す。特に、肩状部７２により形成される当接部は肩状部４２より長く、その結果、止め具の当接部９２と肩状部７２との間に加わる力は、特に部分９２の表面形状が肩状部７２に適合するようにカーブしている場合、より広い面積上に分布することができる。
【００２４】
ニブ２２が存在しないことは、止め具７０と壁パネル５８との間で力がより広い面積に分布することを可能にする。力がより広く分布することは、局所的な圧力がより低いことを意味し、これは、使用または固締できる材料の範囲が増加するか、またはより大きい力を使用できるという点で有利である。
【００２５】
これら２つの実施態様には、同じ旋回ピン４０を使用する。このピンは、固締具の動作時にわずかな力を伝達する点に注目すべきである。図５および図１０に示すように、固締具をナット５０で締めて、壁５４のパネル５６、５８を止め具とワッシャ５２との間に把持すると、ピン４０は不要になる。止め具２０は、シャンク１０の肩状部４２により壁に圧迫され、止め具８０は、シャンク７０の肩状部７２により壁に圧迫される。ピン４０の目的は、止め具が約９０°旋回できるようにスロット内の所定の位置に止め具を保持することであり、止め具は、ポリアミドなどのような自滑性材料、好ましくは可撓性および弾性の材料から適切に製造されるので、変形が永続して止め具の動作を堅くする可能性は少ない。
【００２６】
類似の固締具は、垂直の向きで使用することができる。固締具を上向きに挿入するかまたは下向きに挿入するかによって、スロット１４、７４および止め具２０、８０の両端は図示のとおりであるか、または逆転する可能性がある。止め具の平衡は、旋回ピンのアパーチャ２６、８６の位置を変えるか、またはいずれかの端部の長さを延長することにより適合させることができる。固締具を垂直に挿入する場合、シャンクを急に回転させて止め具を展開させて、遠心力を使用して、平衡が取れていない止め具を旋回させることができる。垂直な固締具を取り外すには、ナットを取り外し、固締具を開口部から内側に押して、固締具を裏側に当てる。
【００２７】
本発明は多くの用途に有用だが、固締具は、２つの要素を損傷せずにこれら要素間に高度の圧力を加えることができるので、大きい構造強度が必要であるか、または厚い鋼シートなどのような比較的思い材料を一緒に固締する必要がある場合に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明による第１固締具のシャンクの平面図であり、止め具を取り付けることができるスロットを示す。
【図２】固締具用の止め具の側面図である。
【図３】シャンクの略側面図であり、スロットの手前側を切り取って、スロット内で第１の向きにあり、シャンクの輪郭内に完全に収容された止め具を示している。
【図４】図３に対応する図だが、シャンクをその軸線上で１８０°回転させてシャンクを逆転させて、止め具がシャンクの輪郭を越えて延在する第２の向きに９０°回転することを可能にしている。
【図５】壁内の開口部を貫通して組み立てられた完全な第１固締具を示す略側面図である。
【図６】本発明による第２固締具のシャンクの平面図であり、止め具を取り付けることができるスロットを示す。
【図７】第２固締具の止め具の側面図である。
【図８】シャンクの略側面図であり、スロットの手前側を切り取って、スロット内で第１の向きにあり、シャンクの輪郭内に完全に収容された止め具を示している。
【図９】図８に対応する図だが、シャンクをその軸線上で１８０°回転させてシャンクを逆転させて、止め具がシャンクの輪郭を越えて延在する第２の向きに９０°回転することを可能にしている。
【図１０】壁内の開口部を貫通して組み立てられた完全な第２固締具を示す略側面図である。

Claims

固締具であって、
開口部(６０)を貫通して壁(５４)の手前側から裏側まで延在する中実シャンク(１０、７０)であって、一方の端部にねじ(１２)と、他方の端部に該中実シャンク(１０、７０)を完全に貫通して延在するスロット(１４、７４)であって一方の端部に肩状部(４２、７２)を有しているスロット(１４、７４)と、を有している中実シャンク(１０、７０)と、
該スロット(１４、７４)内に保持される止め具(２０、８０)であって、前記止め具(２０、８０)が、スロット(１４、７４)内において、前記シャンク(１０、７０)上の固定位置において前記スロット(１４、７４)を横断して延在するピン(４０)上にて旋回可能に取り付けられ、その結果、該止め具(２０、８０)は、前記止め具(２０、８０)が前記シャンク(１０、７０)の輪郭内に存在する第１の向きと、前記止め具(２０、８０)の対向する両端部が前記止め具(２０、８０)の各々の側で前記シャンク(１０、７０)の輪郭を越えて突出する第２の向きと、を有し、その結果、前記止め具(２０、８０)が、前記第１の向きにおいて前記開口部(６０)を通過することができるが、前記第２の向きにおいて前記止め具(２０、８０)の両端が各々、壁の裏側に係合し、前記シャンク(１０、７０)が前記開口部(６０)から離脱するのを防止している止め具(２０、８０)と、
壁(５４)の手前側において前記ねじ(１２)へ対する反応により前記開口部(６０)内で前記シャンク(１０、７０)を緊張させる手段(５０)と、
を具備し、
前記止め具(２０、８０)が、前記ピン(４０)から偏位している重心を有しており、
その結果、水平位置にある前記シャンク(１０、７０)を、前記スロット(１４、７４)が垂直の向きになるまで回転すると、止め具(２０、８０)が、重力により第１の向きから第２の向きに旋回し、該止め具(２０、８０)が前記スロット(１４、７４)内の肩状部(４２、７２)に当たり、前記止め具(２０、８０)が第２の向きを保持するが、
前記シャンク(１０、７０)を更に１８０°回転して前記スロット(１４、７４)を逆転した垂直の向きに向けると、止め具(２０、８０)が、重力により第２の向きから第１の向きに戻る固締具。
前記肩状部(７２)が丸みがあって凹状であり、前記止め具(８０)が該肩状部(７２)に対してカーブして適合する、請求項１記載の固締具。
前記固締具が緊張して前記止め具(２０、８０)がその第２の向きにある時に、前記ピン(４０)は、止め具(２０、８０)に対して旋回可能な力を伝達するが、固締具の緊張に対向する力はほとんど伝達しない、請求項１〜２のいずれか１項に記載の固締具。
前記ピン(４０)が可撓性および弾性のプラスチック材料である、請求項１〜３のいずれか１項に記載の固締具。
前記シャンク(１０、７０)の向きを指示する標示(１６、７６)が、使用時に壁(５４)の手前側に向く前記シャンク(１０、７０)の端部に設けられる、請求項１〜４のいずれか１項に記載の固締具。
使用時に壁(５４)の手前側に向く前記シャンク(１０、７０)の端部に、スクリュードライバのスロット(１６)が設けられる、請求項１〜５のいずれか１項に記載の固締具。
前記緊張手段が、前記シャンク(１０、７０)にねじ式に係合するナット手段(５０)を具備する、請求項１〜６のいずれか１項に記載の固締具。