JP4236789B2 - クリップ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば自動車のインストルメントパネル(取付板)にセンタクラスター(被取付部材)を着脱自在に装着するときに使用するクリップに関する。
【0002】
【従来の技術】
この種のクリップは、センタクラスターに形成されているリブなどに組み付けられる組付部と、インストルメントパネル(インパネと略称する)の表裏に貫通して形成されている取付孔に挿入される係合部とを備えている。この係合部には弾性(可撓性)を有する係合片があり、係合部を取付孔に挿入したときに係合片がインパネの裏面側において取付孔の縁に弾性的に係合するようになっている。そして係合部を取付孔から抜き取るときの作業性を考慮して、前記係合片は取付孔の縁に係合する部分を一定の角度で傾斜させたテーパ面を備えている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところでインパネなどの取付板における板厚が薄いときと厚いときとでは、取付孔にクリップの係合部を挿入したときの係合片の撓み量が異なり、この撓み量が大きいほど係合片の弾発力も大きくなる。一方、係合片のテーパ面と取付板の裏面とによってつくられる角度も係合片の撓み量の違いによって変化し、この角度は撓み量が大きいほど小さくなる。そこで取付孔から係合部を抜き取るときには、係合片の弾発力が小さく、かつテーパ面と取付板の裏面とによってつくられる角度が大きいほど係合片が小さい力で閉じ始める。
したがって係合部を取付孔から抜き取るときに、取付板の板厚が大きいときよりも小さいときの方が係合片が小さい力で閉じ始める。実際に係合部を取付孔から完全に抜き取るときの荷重は板厚が小さくても大きくても同じであるにもかかわらず、板厚が小さいときには、取付孔に対してクリップが取り付いている力(保持力という)が弱く、安定性に欠ける、と評価されてしまう。また、このように板厚が小さいときには保持力が弱いことから、実際にがたつきが生じるといったおそれもある。
【0004】
本発明は前記課題を解決しようとするもので、その目的は、取付板の板厚の違いにかかわらず、その取付孔からクリップの係合部を抜き取るときに係合片が閉じ始める荷重の差を縮めることにより、取付板の板厚が小さいときにクリップの保持力が弱いといった感覚的な評価を解消し、かつ実際のがたつきも避けることである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記目的を達成するためのもので、請求項1記載の発明は、所定の被取付部材を取付板に対し、その表裏に貫通して形成されている取付孔を利用して着脱自在に装着するためのクリップであって、前記被取付部材の筒形状の保持部内に差し込まれて被取付部材に組み付けられる組付部と、前記取付孔に対して取付板の表面側から挿入される係合部とを備えている。
組付部には、その両側に張り出して保持部の両内面に弾性力をもって接する一対の弾性片がある。一方、係合部には、これが取付孔に挿入されたときに取付板の裏面側において取付孔の縁に弾性的に係合する係合片があり、この係合片は、取付板の板厚に応じて取付孔の縁に選択的に係合する複数の係合面を有する。これらの各係合面が取付孔の縁に係合したときの個々の係合面と取付板の裏面とによってつくられる角度が、取付板の板厚が大きいときよりも板厚が小さいときに小さくなるように各係合面の傾きが設定されている。
【0006】
このように、係合片の各係合面と取付板の裏面とによってつくられる角度を取付板の板厚が大きいときよりも板厚が小さいときに小さくすることにより、取付板の板厚が小さいときのクリップの保持力を高めることができる。したがって、取付板の板厚の違いにかかわらず、取付孔からクリップの係合部を抜き取るときの荷重の差を縮めることができる。
また、クリップにおける組付部の両弾性片が被取付部材の保持部の両内面に弾性力をもって接することで、該保持部に対する組付部の組み付け状態が安定する。
なお、請求項1記載のクリップにおける係合面を無段階に連続する曲面にしてもよい。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
図1はクリップによる取り付け構造を一部破断によって表した正面図、図2は同じく取り付け構造を一部破断によって表した側面図である。この取り付け構造は、具体的には取付板であるインパネ10に被取付部材であるセンタクラスタ20がクリップ30によって取り付けられている。そしてインパネ10のコア材12、センタクラスタ20及びクリップ30は、それぞれに適した合成樹脂によって個々に一体成形されており、コア材12の表面は表皮14で被われている。
前記インパネ10(コア材12)には、その表裏に貫通するクリップ用の取付孔18があけられている。一方、センタクラスタ20はリブ22の端部に形成された角筒形状の保持部24を備えており、この保持部24の内部はその端面(上面)で開口している。また保持部24の片側の壁には内部に連通する係合窓28が形成されている。
【0009】
図3はクリップ30を拡大して表した正面図、図4は図3の右側面図である。これらの図面からも明らかなようにクリップ30の構造は、前記取付孔18に挿入される係合部32と、前記保持部24の内部に差し込まれてセンタクラスタ20に組み付けられる組付部42とに大別される。
この係合部32は、基板40の片側の面から垂直に延びる支柱34と、この支柱34の先端部の両側から基板40に向かって折り返すように形成された一対の係合片36とを備えている。これらの係合片36は合成樹脂がもっている弾性(可撓性)により、図3のフリー状態から支柱34に接近する(閉じる)方向へそれぞれ撓むことができる。
【0010】
また両係合片36のほぼ中間部は、それぞれ外側に張り出した係合肩38となっている。これらの係合肩38における基板40の側の斜面が、前記取付孔18の縁に係合する係合面39となっている。この係合面39は、係合部32の挿入方向にそって傾きの異なる複数の面に分かれている。個々の面の角度設定については後で説明する。
なお支柱34の両側には基板40から連続する補強部41があるが、これらは係合部32の背面側(図4の右側)に位置して両係合片36の撓み動作には支障をきたさないようになっている。
【0011】
前記組付部42は、基板40の反対側の面から垂直に延びる支持部44と、この支持部44の片面に形成されて前記係合窓28に係合可能な係合突起46と、同じく支持部44における先端寄りの両側から湾曲した形状に張り出し、かつそれぞれの自由端が基板40の側に向いている弾性片48とを備えている。この係合突起46が係合窓28に係合することにより、組付部42がセンタクラスタ20の保持部24に対して抜け止め状態に組み付けられる。また両弾性片48は保持部24の両内面に弾性力をもって接し、保持部24に対する組付部42の組み付け状態を安定させる。
【0012】
前記のように構成されたクリップ30によってインパネ10にセンタクラスタ20を装着するには、まずセンタクラスタ20の前記保持部24に対してその端面にクリップ30の基板40が当たるまで組付部42を差し込む。これによって前記のように保持部24の係合窓28に組付部42の係合突起46が係合するとともに、両弾性片48が保持部24の内面に弾性力をもって接触し、組付部42が保持部24に安定した状態で組み付けられる。
【0013】
つぎにクリップ30の係合部32をインパネ10の取付孔18に対し、センタクラスタ20の前記リブ22がインパネ10の表面(表皮14)に当たるまで挿入する。これによって両係合片36が閉じる方向に撓みながら取付孔18に入り込み、それぞれの係合肩38が取付孔18を通過してインパネ10の裏面16側に位置する。この状態において前記係合面39のうち、インパネ10の板厚に対応した面がインパネ10の裏面16側において取付孔18の縁に係合し、インパネ10に対してセンタクラスタ20が装着状態に保持される。
【0014】
図5は取付孔18に係合部32を挿入したときのインパネ10の板厚の違いによる係合片36の撓み量の変化を表した説明図である。図5(A)で示すようにインパネ10の板厚が小さいときには係合片36の撓み量も小さく、したがって係合片36の弾発力も弱い。これに対して図5(B)で示すようにインパネ10の板厚が大きいときは、係合片36の撓み量が大きくなってその弾発力も強くなる。こういった板厚の違いに伴う弾発力の差を縮めるために、前記係合面39を複数の面に分け、かつそれぞれの面の傾きに変化をもたせている。すなわち図5(A)において取付孔18の縁に係合している係合面39aと、図5(B)において取付孔18の縁に係合している係合面39bとのいずれも、インパネ10の裏面16とによってつくられる角度θ1,θ2がほぼ同一値となるように、これらの係合面39a,39bの傾きが設定されている。なおこの角度θ1,θ2が大きくなるほど、取付孔18に対するクリップ30の保持力は小さくなる。
【0015】
そこでインパネ10からセンタクラスタ20を取り外す場合、このインパネ10の板厚の違いによって係合片36の弾発力には差があるものの、角度θ1,θ2に基づくクリップ30の保持力はほぼ均一となる。したがってインパネ10の板厚の違いにかかわらず、取付孔18から係合部32を抜き取るときに両係合片36が閉じ始めるときの荷重の差が縮められることになる。この結果、板厚が小さいときに係合片36の弾発力が小さいことから、感覚的にクリップ30の保持力が弱いと評価されるのを解消できる。
なお各係合面39a,39bの傾斜角度は、インパネ10の板厚の違いによる係合片36の撓み量を予め求め、それに基づいて設定される。またこれらの係合面面39a,39bの数は二面に限るものではなく、何種類の板厚のインパネ10を対象としているかによって決定される。
【0016】
すでに説明したようにインパネ10の板厚が小さいときには係合片36の弾発力が弱く、板厚が大きいときは弾発力も強くなる。この弾発力によるクリップ30の保持力と前記角度θ1,θ2によるクリップ30の保持力とが相反する関係となるように、この角度θ1,θ2を(θ1<θ2)とすることもできる。これによってインパネ10の板厚が小さいときよりも大きいときの方が係合片36の弾発力は強くなるが、このときの角度θ2は角度θ1よりも大きくなって角度θ2に基づくクリップ30の保持力が小さくなる。したがって係合片36の弾発力による保持力と角度θ1,θ2による保持力とが相殺し合うこととなり、取付孔18から係合部32を抜き取るときに係合片36が閉じ始める荷重をほぼ均一にできる。
【0017】
図6で示すように両係合片36の係合面39を無段階に連続する曲面にすることも可能である。すなわち図6(A)において取付孔18の縁に係合している係合面39aと、図6(B)において取付孔18の縁に係合している係合面39bとが互いに曲面で連続している。そしてこの場合も各係合面39a,39bとインパネ10の裏面16とによってつくられる角度θ1,θ2が、ほぼ同一値もしくは(θ1<θ2)となるように、これらの係合面39a,39bの傾きが設定されている。このように係合面39の傾きを徐々に変化させることで、インパネ10の板厚が僅かに違う場合でも的確に対応できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】クリップによる取り付け構造を一部破断によって表した正面図。
【図2】クリップによる取り付け構造を一部破断によって表した側面図。
【図3】クリップを拡大して表した正面図。
【図4】図3の右側面図。
【図5】インパネの板厚の違いによる係合片の撓み量の変化を表した説明図。
【図6】曲面形状の係合面をもつ係合片の撓み量の変化を図5と対応させて表した説明図。
【符号の説明】
10 インパネ(取付板)
16 裏面
18 取付孔
20 センタクラスタ(被取付部材)
30 クリップ
32 係合部
36 係合片
39 係合面
42 組付部
Claims (2)
- 所定の被取付部材を取付板に対し、その表裏に貫通して形成されている取付孔を利用して着脱自在に装着するためのクリップであって、
前記被取付部材の筒形状の保持部内に差し込まれて被取付部材に組み付けられる組付部と、前記取付孔に対して取付板の表面側から挿入される係合部とを備え、
組付部には、その両側に張り出して保持部の両内面に弾性力をもって接する一対の弾性片があり、係合部には、これが取付孔に挿入されたときに取付板の裏面側において取付孔の縁に弾性的に係合する係合片があり、この係合片は、取付板の板厚に応じて取付孔の縁に選択的に係合する複数の係合面を有し、これらの各係合面が取付孔の縁に係合したときの個々の係合面と取付板の裏面とによってつくられる角度が、取付板の板厚が大きいときよりも板厚が小さいときに小さくなるように各係合面の傾きが設定されているクリップ。 - 請求項1記載のクリップであって、
前記係合片の係合面が無段階に連続する曲面になっているクリップ。
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