JP4236653B2 - 放送受信装置および検索方法 - Google Patents

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Description

この発明は、放送受信装置および検索方法に関し、特に、特定データを放送する特定放送局を検索する放送受信装置および検索方法に関するものである。
近年、交通量の増大に伴って交通事故および道路工事等が多発し、これらが原因で交通渋滞が発生しているが、このような交通渋滞の発生等を通知する交通情報をラジオ放送等の放送電波を介して運転ドライバーに通知することにより、交通渋滞等を緩和させようとする動きがある。
このような動きに鑑みて、各地域の交通データの中から、車両が走行している現在地域における交通データを容易に検出する多重放送用受信装置が知られている(特許文献1)。この多重放送用受信装置は、受信手段と、記憶手段と、地域コード抽出手段と、制御手段とを備える。
受信手段は、多重された多重データからなる放送電波を受信する。地域コード抽出手段は、受信手段によって受信された多重データから車両が走行している現在地域の地域識別コードを抽出する。制御手段は、地域コード抽出手段によって抽出された地域識別コードを記憶手段に記憶させ、交通データに係わる多重データを多重化した放送電波を受信手段に受信させ、当該受信された交通データに係わる多重データから地域識別コードを地域コード抽出手段に抽出させ、記憶手段に記憶された地域識別コードと同一の地域識別コードに係わる交通データを記憶手段に記憶させる。
すなわち、従来の多重放送用受信装置においては、到来する放送電波から車両が走行している地域の地域識別コードが抽出されて記憶手段に記憶され、交通データに係わる多重データからなる放送電波が受信され、その受信された放送電波から交通データの地域識別コードが抽出され、記憶された地域識別コード(車両が走行している地域の地域識別コード)と同一の地域識別コードを有する交通データが記憶される。
このように、従来の多重放送用受信装置は、地域識別コードを用いて、放送される各地域の交通データから車両が走行している地域の交通データを抽出して記憶する。
特開平8−204593号公報
しかし、従来の多重放送用受信装置において、車両が走行している地域の交通データを抽出する場合、交通データが多重化された多重データを受信する必要があるが、特許文献1には、放送されている各種の多重データから交通データが多重化された多重データを抽出し、交通データが多重化された多重データを受信する構成が開示されていない。すなわち、特許文献1には、交通データに係わる多重データを放送している放送局を選局する構成が開示されていない。
したがって、複数の放送局が多重データを放送している場合、その複数の放送局から交通データに係わる多重データを放送している放送局を選局するためには、複数の放送局の各々について交通データに係わる多重データを放送しているか否かを検索する必要があり、その検索に長時間を要する。その結果、ユーザに不快感が生じるという問題がある。
そこで、この発明は、かかる問題を解決するためになされたものであり、その目的は、交通データを放送している放送局を迅速に検索可能な放送受信装置を提供することである。
また、この発明の別の目的は、交通データを放送している放送局を迅速に検索可能な検索方法を提供することである。
この発明によれば、放送受信装置は、放送局識別コードを含み、かつ、多重化された複数のデータを変調して成る放送信号を各々が放送するn(nは正の整数)個の放送局の中から交通情報データを複数のデータに含めて放送する特定放送局を検索する放送受信装置であって、受信手段と、記憶手段と、検索手段とを備える。受信手段は、n個の放送局が放送するn個の放送信号を受信する。記憶手段は、特定放送局の識別コードである特定識別コードを記憶する。検索手段は、検索要求に応じて、受信手段によって受信されたn個の放送信号からn個の放送局に対応するn個の放送局識別コードを順次検出し、その検出したn個の放送局識別コードから記憶手段によって記憶された特定識別コードに一致する放送局識別コードを検出することによりn個の放送局の中から特定放送局を検索する。
好ましくは、検索手段は、復調手段と、検出手段と、比較手段と、判定手段とを含む。復調手段は、n個の放送信号を順次復調する。検出手段は、検索要求に応じて、復調されたn個の複数のデータからn個の放送局識別コードを順次検出する。比較手段は、検出されたn個の放送局識別コードを特定識別コードと順次比較する。判定手段は、放送局識別コードが特定識別コードに一致するとき、特定識別コードに一致する放送局識別コードを有する放送局を特定放送局と判定する。
好ましくは、複数のデータの各々は、放送局識別コードを含む。そして、検出手段は、複数のデータのうち、最初に受信されたデータに含まれる放送局識別コードを検出する。
好ましくは、特定識別コードは、特定データを含む複数のデータから検出手段によって予め検出された特定放送局の識別コードである。
好ましくは、放送受信装置は、送信手段をさらに備える。送信手段は、判定手段によって特定識別コードに一致すると判定された放送局識別コードをカーナビゲーション装置へ送信する。そして、検索手段は、カーナビゲーション装置からの検索要求に応じて特定放送局を検索する。
また、この発明によれば、検索方法は、放送局識別コードを含み、かつ、多重化された複数のデータを変調して成る放送信号を各々が放送するn(nは正の整数)個の放送局の中から特定データを複数のデータに含めて放送する特定放送局を検索する検索方法であって、n個の放送局が放送するn個の放送信号を受信する第1のステップと、n個の放送信号を順次復調する第2のステップと、検索要求に応じて、復調されたn個の複数のデータからn個の放送局識別コードを順次検出する第3のステップと、検出されたn個の放送局識別コードを特定識別コードと順次比較する第4のステップと、放送局識別コードが特定識別コードに一致するとき、特定識別コードに一致する放送局識別コードを有する放送局を特定放送局と判定する第5のステップとを備える。
好ましくは、検索方法は、放送局識別コードが特定識別コードに一致しないとき、複数のデータが特定データを含むかを判定する第6のステップと、複数のデータが特定データを含むとき、該複数のデータに含まれる放送局識別コードを検出して記憶手段に記憶する第7のステップとをさらに備える。
好ましくは、複数のデータの各々は、放送局識別コードを含む。そして、検索方法の第3のステップは、複数のデータのうち、最初に受信されたデータから放送局識別コードを検出する。
好ましくは、特定データは、交通情報データである。そして、検索方法は、特定識別コードに一致する放送局識別コードをカーナビゲーション装置へ送信する第8のステップをさらに備える。
この発明においては、交通情報データを放送する特定放送局の識別コードを予め記憶手段に記憶しておき、その記憶した特定放送局の識別コードに一致する放送局の識別コードを、新たに受信した放送信号から検出することによって、n個の放送局の中から特定放送局を検索する。
したがって、この発明によれば、特定放送局を迅速に検索できる。
本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
図1は、この発明の実施の形態による放送受信装置の構成を示す概略図である。図1を参照して、この発明の実施の形態による放送受信装置10は、アンテナ1と、FM多重チューナ2と、RDS(Radio Data System)デコーダ3と、CPU(Central Processing Unit)4と、メモリ5と、バッファ6とを備える。
欧州RDS放送は、FMの副搬送波を用いたFM多重放送の一種であり、IEC62106に規格されている。そして、放送受信装置10は、欧州RDS放送を行なっている欧州RDS放送局から、TMC(Traffic Message Channel)に関連する交通情報データを放送している特定放送局を検索する機能を有する放送受信装置である。
なお、放送受信装置10は、各種の機器と接続されるが、以下においては、たとえば、カーナビゲーション装置20と接続される場合について説明する。
アンテナ1は、到来する放送信号を受信する。FM多重チューナ2は、87.5MHzから108.0MHzまでの周波数のFM波を検波する。
RDSデコーダ3は、FM多重チューナ2によって受信されたFM波を復調し、欧州RDS放送局から放送されるRDSデータを得る。そして、RDSデコーダ3は、RDSデータをCPU4へ出力する。
CPU4は、RDSデコーダ3からRDSデータを受ける。そして、CPU4は、カーナビゲーション装置20から検索要求を受けると、後述する方法によって、TMCに関連する交通情報データを放送している特定放送局を検索し、その検索した特定放送局をカーナビゲーション装置20へ送信する。また、CPU4は、RDSデータから交通情報データのみを抽出し、その抽出した交通情報データをカーナビゲーション装置20へ送信する。
メモリ5は、CPU4に内蔵され、特定放送局の識別コードを記憶する。バッファ6は、CPU4に内蔵され、RDSデコーダ3によって復調されたRDSデータを一時的に保持する。
カーナビゲーション装置20は、検索ボタン21を備えており、ユーザが検索ボタン21を押すと、特定放送局の検索要求をCPU4へ送信する。
図2は、RDSデータのデータフォーマットを示す図である。図2を参照して、RDSデータは、Groupと呼ばれる104ビットの情報で構成されている。そして、Groupは、4個のブロックBlock1〜Block4からなる。4個のブロックBlock1〜Block4の各々は、26ビットの情報からなる。
そして、4個のブロックBlock1〜Block4の各々は、16ビットの実データ部(Information Word部)と、10ビットのCheck+offset word部とからなる。このCheck+offset word部は、実データが破壊されていないことを示すチェックコードからなる。
ブロックBlock1は、PIコードと呼ばれる放送局を示す識別コードを格納する。このPIコードは、国コードと、地域コードと、放送局コードとからなる。国コードは、15−12の4ビットからなり、たとえば、Dhは、“ドイツ”を表し、Chは、“イギリス”を表し、9hは、“デンマーク”を表す(hは16進数)。
ただし、4ビットでは、16カ国しか表現できないので、遠く離れた国は、同じ国番号が割り振られている。たとえば、6hの“ベルギー”と、6hの“フィンランド”およびFhの“ノルウェー”とFhの“フランス”等である。
地域コードは、11−8の4ビットからなり、他の国へも放送されているか、および地域向けの放送か等の放送範囲を示す。
放送局コードは、7−0の8ビットからなり、欧州RDS放送局を識別する。
ブロックBlock2の上位5ビットは、RDSデータの種別(Group type)が格納される。表1は、Group typeを示す。
Figure 0004236653
表1に示すように、Group typeは、0A,0B,1A,・・・,15A,15Bの32種類のGroup typeからなり、0A,0B,1A,・・・,15A,15Bは、それぞれ情報の役割が異なる。そして、RDSデータが0AのGroup typeからなる場合、ブロックBlock2の上位5ビット(b15/b14/b13/b12/b11)には、[00000]が格納される。その他のGroup typeについては、表1に示すとおりである。
表1に示すGroup type0A,0B,1A,・・・,15A,15Bの中で、8Aが交通情報データを示すGroup typeである。
再び、図2を参照して、ブロックBlock3,Block4は、各Group typeのデータを格納する。上述したように、Group typeが8Aである場合、交通情報データを表すので、ブロックBlock3,Block4には、たとえば、「何処が何km渋滞」などの情報が格納される。この交通情報データ(TMC)については、IOS14819−1に規格されている。そして、交通情報データ(TMC)のデータ内容は、渋滞状況、路面状況、規制、工事、および天候等からなる。
図3は、RDS放送の内容を示す概念図である。図3を参照して、放送信号RF1は、Group typeが5A/1A/7B/6A/8A/0B/4B/5A/8A/3A/1AであるRDSデータからなる。この場合、Group typeが5A/1A/7B/6A/8A/0B/4B/5A/8A/3A/1Aである11個のRDSデータの各々は、C388hからなるPIコードをブロックBlock1に含む。そして、放送信号RF1は、88.0MHzの周波数で変調されて放送される。
また、放送信号RF2は、Group typeが4A/2A/7B/9A/6A/0B/4B/0B/1A/0A/2AであるRDSデータからなる。この場合、Group typeが4A/2A/7B/9A/6A/0B/4B/0B/1A/0A/2Aである11個のRDSデータの各々は、6122hからなるPIコードをブロックBlock1に含む。そして、放送信号RF1は、88.9MHzの周波数で変調されて放送される。
このように、欧州RDS放送局は、表1に示すGroup typeによって表される32種類のRDSデータの中から放送内容に応じた複数のRDSデータを適宜選択し、その選択した複数のRDSデータに同じPIコード(C388hまたは6122h)を格納し、さらに、複数のRDSデータを多重化して放送信号RF1またはRF2を作成する。そして、欧州RDS放送局は、その作成した放送信号RF1またはRF2を所定の周波数(88.0MHzまたは88.9MHz)で変調して放送する。
また、放送信号RF1およびRF2は、それぞれ、88.0MHzおよび88.9MHzの周波数で変調されて放送されると説明したが、放送信号RF1またはRF2は、87.5MHz〜108.0MHzの範囲の各種の周波数によって変調されて放送される。
図4は、Group typeが3AであるRDSデータの構成図である。図4を参照して、Group typeが3AであるRDSデータは、ブロックBlock4にアプリケーションID(AID:Application ID)=“CD46”を格納する。そして、この“CD46”は、TMCの一種であるAlert−Cプロトコルに準拠していることを示す。
放送信号RF1またはRF2に交通情報データ(TMC)が含まれているか否かは、放送信号RF1またはRF2に、Group typeが8AであるRDSデータと、Group typeが3AであるRDSデータとが存在し、かつ、Group typeが3AであるRDSデータのブロックBlock4中に“CD46”からなるAIDが格納されているかにより判定される。
図3に示すように、放送信号RF1は、Group typeが8AであるRDSデータと、Group typeが3AであるRDSデータとを含むので、放送信号RF1からGroup type8Aおよび3Aを検出し、さらに、Group typeが3AであるRDSデータのブロックBlock4から“CD46”を検出することによって、交通情報データ(TMC)が放送されていることを検知できる。
なお、RDSデータにおいては、Group typeが3AであるRDSデータと、Group typeが8AであるRDSデータとは、常に、同じ放送信号RF中に格納されるとは限らず、格納される順番も任意に変更される。
また、Group typeが8AであるRDSデータは、欧州RDS放送局内の各放送局によって放送される。すなわち、Group typeが8AであるRDSデータは、一定の周波数で放送されるとは限らず、各種の周波数で放送される。
さらに、Group typeが3AであるRDSデータは、約3秒に1回の間隔で送信され、Group typeが8AであるRDSデータは、1秒間に0.95個以上の割合で送信される。
この発明においては、CPU4は、交通情報データ(TMC)を放送している特定放送局を欧州RDS放送局内の各放送局の中から検索する場合、過去に交通情報データ(TMC)を受信したことがなければ、Group type3Aおよび8Aが放送信号RF中に含まれており、かつ、Group typeが3AであるRDSデータのブロックBlock4に“CD46”が格納されているときのPIコードを検出することによって、特定放送局を検索する。
CPU4は、この方法によって、特定放送局を検索すると、その検索した特定放送局の識別コードであるPIコードをメモリ5に格納しておき、その後の放送信号RFの受信時においては、受信された放送信号RFを構成する複数のRDSデータに格納されたPIコードを検出し、その検出したPIコードがメモリ5に格納されたPIコードと一致するか否かを判定する。そして、CPU4は、検出したPIコードがメモリ5に格納されたPIコードに一致するとき、その検出したPIコードを有する放送局を特定放送局と判定する。
一方、CPU4は、検出したPIコードがメモリ5に格納されたPIコードに不一致であるとき、交通情報データ(TMC)を初めて受信する場合の方法と同じ方法によって特定放送局を検索して特定放送局のPIコードをメモリ5に格納する。
図5は、交通情報データ(TMC)を放送している特定放送局を検索する動作を説明するためのフローチャートである。図5を参照して、一連の動作が開始されると、カーナビゲーション装置20の検索ボタン21が押下され、放送受信装置10のCPU4は、カーナビゲーション装置20から特定放送局の検索要求を受ける。
そして、CPU4は、カーナビゲーション装置20からの検索要求に応じて、FM多重チューナ2における検波周波数を87.4MHzに設定する(ステップS1)。その後、CPU4は、検波周波数を0.1MHzだけ増加する(ステップS2)。
そうすると、CPU4は、検波周波数が108.1MHzに達したか否かを判定し(ステップS3)、検波周波数が108.1MHzに達しているとき、一連の動作は終了する。
一方、ステップS3において、検波周波数が108.1MHzに達していないとき、CPU4は、87.5MHzの周波数を有する放送信号RFを検波するようにFM多重チューナ2を制御する。そして、FM多重チューナ2は、87.5MHzの周波数を有する放送信号RFを受信し(ステップS4)、その受信した放送信号RFをRDSデコーダ3へ出力する。
RDSデコーダ3は、FM多重チューナ2から受けた放送信号RFを復調し、その復調したRDSデータをCPU4のバッファ6へ出力する。そして、バッファ6は、RDデコーダ3からのRDSデータを一時的に保持する。
そうすると、CPU4は、バッファ6に保持されたRDSデータの周波数を検出し、その検出した周波数に基づいて、放送信号RFを送信している局がRDS局であるか否かを判定する(ステップS5)。より具体的には、CPU4は、検出した周波数が87.5MHz〜108.0MHzの範囲であれば、放送信号RFを送信している局をRDS局であると判定し、検出した周波数が87.5MHz〜108.0MHzの範囲外であれば、放送信号RFを送信している局は、RDS局でないと判定する。
放送信号RFを送信している局がRDS局でないと判定されたとき、一連の動作は、ステップS2へ移行し、ステップS5において、放送信号RFを送信している局がRDS局であると判定されるまで、上述したステップS2〜ステップS5が繰返し実行される。
そして、ステップS5において、放送信号RFを送信している局がRDS局であると判定されると、CPU4は、バッファ6に格納されたRDSデータを構成する複数のグループのうち、任意のグループのブロックBlock1からPIコードを検出する(ステップS6)。
そして、CPU4は、その検出したPIコードがメモリ5に記憶されたPIコードに一致するか否かを判定し(ステップS7)、検出したPIコードがメモリ5に記憶されたPIコードに一致すると判定された場合、一連の動作は、ステップS11へ移行する。
検出したPIコードがメモリ5に記憶されたPIコードに不一致である場合、CPU4は、Group typeが8AであるRDSデータを受信できるか否かを判定する(ステップS8)。より具体的には、CPU4は、3秒の間に、Group typeが8AであるRDSデータを受信した場合、Group typeが8AであるRDSデータを受信できると判定し、3秒の間に、Group typeが8AであるRDSデータを受信しない場合、Group typeが8AであるRDSデータを受信できないと判定する。
上述したように、Group typeが8AであるRDSデータは、1秒間に0.95個以上の割合で送信されるので、取りこぼしを考慮して3秒間待ってもGroup typeが8AであるRDSデータが到来しない場合には、Group typeが8AであるRDSデータを放送していないと判定することにしたものである。
ステップS8において、Group typeが8AであるRDSデータを受信できないと判定された場合、一連の動作は、ステップS2へ移行し、ステップS8において、Group typeが8AであるRDSデータが受信できると判定されるまで、上述したステップS2〜ステップS8が繰返し実行される。
そして、ステップS8において、Group typeが8AであるRDSデータを受信できると判定されると、CPU4は、Group typeが3AであるRDSデータを受信でき、かつ、Group typeが3AであるRDSデータのブロックBlock4に含まれるAIDが“CD46”であるか否かをさらに判定する(ステップS9)。
より具体的には、CPU4は、10秒の間に、Group typeが3AであるRDSデータを受信した場合、Group typeが3AであるRDSデータを受信できると判定し、10秒の間に、Group typeが3AであるRDSデータを受信しない場合、Group typeが3AであるRDSデータを受信できないと判定する。
上述したように、Group typeが3AであるRDSデータは、約3秒に1回の割合で送信されるので、取りこぼしを考慮して10秒間待ってもGroup typeが3AであるRDSデータが到来しない場合には、Group typeが3AであるRDSデータを放送していないと判定することにしたものである。
ステップS9において、Group typeが3AであるRDSデータを受信できないと判定された場合、またはGroup typeが3AであるRDSデータを受信できたが、Group typeが3AであるRDSデータのブロックBlock4に含まれるAIDが“CD46”でない場合、一連の動作は、ステップS2へ移行し、ステップS9において、Group typeが3AであるRDSデータを受信でき、かつ、そのAIDが“CD46”であると判定されるまで、上述したステップS2〜ステップS9が繰返し実行される。
そして、ステップS9において、Group typeが3AであるRDSデータを受信でき、かつ、そのAIDが“CD46”であると判定されると、CPU4は、ステップS6において検出したPIコードをメモリ5に保存する(ステップS10)。
そして、ステップS7において、検出したPIコードがメモリ5に記憶されたPIコードに一致すると判定された場合、またはステップS10の後、CPU4は、検出した周波数およびPIコードをカーナビゲーション装置20へ送信する(ステップS11)。
その後、一連の動作は、ステップS2へ移行し、ステップS3において、周波数が108.1MHzに達したと判定されるまで、上述したステップS2〜ステップS11が繰返し実行される。すなわち、87.5MHz〜108.0MHzの範囲の周波数を有する全ての放送信号RFに対して、上述したステップS4〜ステップS11が実行されるまで、上述したステップS2〜ステップS11が繰返し実行される。
そして、ステップS3において、周波数が108.1MHzに達したと判定されると、一連の動作は終了する。
図5に示すフローチャートを用いて特定放送局の検索が初めて実行される場合、放送受信装置10は、交通情報データ(TMC)を受信したことがなく、メモリ5には交通情報データ(TMC)を放送している特定放送局のPIコードが保存されていないので、ステップS7における判定は、必ず、“No”になる。
そして、放送受信装置10が受信した放送信号RFにGroup typeが8AであるRDSデータおよびGroup typeが3AであるRDSデータが含まれ、かつ、Group typeが3AであるRDSデータのブロックBlock4に含まれるAIDが“CD46”である場合、放送信号RFを送信した放送局は、交通情報データ(TMC)を送信した特定放送局であると判定され、放送信号RFを送信した放送局のPIコードがメモリ5に格納される(ステップS10参照)。
したがって、図5に示すフローチャートを用いて特定放送局の検索が2回目以降に実行される場合、メモリ5には、最初の検索において検出された特定放送局のPIコードが保存されているので、放送受信装置10が受信した放送信号RFに特定放送局のPIコードが含まれる場合、ステップS7における判定は、“Yes”になり、ステップS8〜ステップS10の動作(Group typeが8AであるRDSデータを実際に受信したことを確認する動作)を行なわずに、特定放送局のPIコードおよび周波数をカーナビゲーション装置20へ送信する(ステップS11参照)。
その結果、図5に示すフローチャートに従って特定放送局を検索することによって、検索時間を大幅に短縮でき、特定放送局を迅速に検索できる。そして、ユーザの不快感を極力抑制できる。
また、図5に示すフローチャートに従えば、特定放送局のPIコードが検出されるまでは、ステップS1〜ステップS11が順次実行されるので、特定放送局のPIコードは、必ず、検出されてメモリ5に格納される。そして、特定放送局のPIコードがメモリ5に格納された後は、ステップS1〜ステップS7,ステップS11の順で図5に示すフローチャートを実行でき、特定放送局を迅速に検索できる。
さらに、交通情報データ(TMC)を放送する放送局は、1つの放送局とは限らず、複数の放送局が交通情報データ(TMC)を放送することも想定される。このような場合でも、図5に示すフローチャートは、交通情報データ(TMC)を放送する複数の放送局のPIコードを特定放送局のPIコードとしてメモリ5に格納できる。
すなわち、特定放送局のPIコードがメモリ5に既に格納されている状態において、図5に示すフローチャートが実行され、ステップS7において、任意のグループから検出したPIコードがメモリ5に格納されたPIコードに一致しないと判定された場合(ステップS7において“No”と判定された場合)、ステップS8〜ステップS11が順次実行され、メモリ5に既に格納されたPIコードと異なるPIコードがメモリ5に新たに格納される(ステップS10参照)。
したがって、図5に示すフローチャートは、複数の放送局が交通情報データ(TMC)を放送している場合でも、その複数の放送局のPIコードを検出してメモリ5に格納できる。この場合、カーナビゲーション装置20は、放送受信装置10から複数の放送局を特定放送局として受信することになる。
なお、上述したステップS6において、CPU4は、複数のグループのうちから任意に選択したグループのPIコードを検出すると説明したが、好ましくは、複数のグループのうち、最初に受信されたグループに含まれるPIコードを受信する。これにより、図5に示すフローチャートの1回当りの実行時間を短くでき、特定放送局の検索を迅速に行なうことができる。
また、図5に示すフローチャートのステップS4〜ステップS11が87.5MHz〜108.1MHzの範囲で0.1MHzづつ周波数を変えながら実行されるので、ステップS3において、周波数が108.1MHzに達したと判定されるまで、ステップS2〜ステップS11を繰り返し実行することは、n(nは正の整数)個の放送局から特定放送局を検索することに相当する。
さらに、上記においては、交通情報データ(TMC)を放送する放送局を欧州RDS放送局の中から迅速に検索する方法について説明したが、この発明による放送受信装置は、交通情報データに限らず、特定データを放送する放送局を複数の放送局から迅速に検索する受信装置であればよい。
さらに、図5に示すフローチャートに従って特定放送局を検索する検索方法は、特定データを放送する特定放送局を複数の放送局から迅速に検索する検索方法を構成する。
さらに、図5に示すフローチャートは、特定データを放送する特定放送局を複数の放送局から迅速に検索する動作をコンピュータに実行させるためのプログラムを構成する。そして、このプログラムは、ROM(Read Only Memory)に格納され、CPU4は、カーナビゲーション装置20から検索要求を受けると、ROMに格納されたプログラムを読出して実行し、図5に示すフローチャートに従って特定放送局を迅速に検索する。
この発明においては、アンテナ1およびFM多重チューナ2は、「受信手段」を構成し、メモリ5は、「記憶手段」を構成する。
また、RDSデコーダ3と、図5に示すフローチャートのステップS4〜ステップS11に従って特定放送局を検索するCPU4とは、「検索手段」を構成する。
さらに、RDSデコーダ3は、「復調手段」を構成する。
さらに、図5に示すフローチャートのステップS6を87.5MHz〜108.1MHzの範囲の複数の周波数に対して実行するCPU4は、n個の放送局識別コードを順次検出する「検出手段」を構成する。ステップS6が87.5MHz〜108.1MHzの範囲の複数の周波数に対して実行されると、n個の放送局が放送するn個の放送信号からn個の放送局識別コードを順次検出することになるからである。
さらに、図5に示すフローチャートのステップS7を実行するCPU4は、「比較手段」を構成する。
さらに、図5に示すフローチャートのステップS7において“Yes”と判定するCPU4は、「判定手段」を構成する。
さらに、図5に示すフローチャートのステップS11を実行するCPU4は、「送信手段」を構成する。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
この発明は、交通データを放送している放送局を迅速に検索可能な放送受信装置に適用される。また、この発明は、交通データを放送している放送局を迅速に検索可能な検索方法に適用される。
この発明の実施の形態による放送受信装置の構成を示す概略図である。 RDSデータのデータフォーマットを示す図である。 RDS放送の内容を示す概念図である。 Group typeが3AであるRDSデータの構成図である。 交通情報データ(TMC)を放送している特定放送局を検索する動作を説明するためのフローチャートである。
符号の説明
1 アンテナ、2 FM多重チューナ、3 RDSデコーダ、4 CPU、5 メモリ、6 バッファ、10 放送受信装置、20 カーナビゲーション装置、21 操作ボタン。

Claims (9)

  1. 放送局識別コードを含み、かつ、多重化された複数のデータを変調して成る放送信号を各々が放送するn(nは正の整数)個の放送局の中から交通情報データを前記複数のデータに含めて放送する特定放送局を検索する放送受信装置であって、
    前記n個の放送局が放送するn個の放送信号を受信する受信手段と、
    前記特定放送局の識別コードである特定識別コードを記憶する記憶手段と、
    検索要求に応じて、前記受信手段によって受信されたn個の放送信号から前記n個の放送局に対応するn個の放送局識別コードを順次検出し、その検出したn個の放送局識別コードから前記記憶手段によって記憶された特定識別コードに一致する放送局識別コードを検出することにより前記n個の放送局の中から前記特定放送局を検索する検索手段とを備える放送受信装置。
  2. 前記検索手段は、
    前記n個の放送信号を順次復調する復調手段と、
    前記検索要求に応じて、前記復調されたn個の複数のデータからn個の放送局識別コードを順次検出する検出手段と、
    前記検出されたn個の放送局識別コードを前記特定識別コードと順次比較する比較手段と、
    前記放送局識別コードが前記特定識別コードに一致するとき、前記特定識別コードに一致する放送局識別コードを有する放送局を前記特定放送局と判定する判定手段とを含む、請求項1に記載の放送受信装置。
  3. 前記複数のデータの各々は、前記放送局識別コードを含み、
    前記検出手段は、前記複数のデータのうち、最初に受信されたデータに含まれる前記放送局識別コードを検出する、請求項2に記載の放送受信装置。
  4. 前記特定識別コードは、前記特定データを含む前記複数のデータから前記検出手段によって予め検出された前記特定放送局の識別コードである、請求項2または請求項3に記載の放送受信装置。
  5. 前記判定手段によって前記特定識別コードに一致すると判定された前記放送局識別コードをカーナビゲーション装置へ送信する送信手段をさらに備え、
    前記検索手段は、カーナビゲーション装置からの前記検索要求に応じて前記特定放送局を検索する、請求項1から請求項4のいずれかに記載の放送受信装置。
  6. 放送局識別コードを含み、かつ、多重化された複数のデータを変調して成る放送信号を各々が放送するn(nは正の整数)個の放送局の中から特定データを前記複数のデータに含めて放送する特定放送局を検索する検索方法であって、
    前記n個の放送局が放送するn個の放送信号を受信する第1のステップと、
    前記n個の放送信号を順次復調する第2のステップと、
    前記検索要求に応じて、前記復調されたn個の複数のデータからn個の放送局識別コードを順次検出する第3のステップと、
    前記検出されたn個の放送局識別コードを前記特定識別コードと順次比較する第4のステップと、
    前記放送局識別コードが前記特定識別コードに一致するとき、前記特定識別コードに一致する放送局識別コードを有する放送局を前記特定放送局と判定する第5のステップとを
    備える検索方法。
  7. 前記放送局識別コードが前記特定識別コードに一致しないとき、前記複数のデータが前記特定データを含むかを判定する第6のステップと、
    前記複数のデータが前記特定データを含むとき、該複数のデータに含まれる放送局識別コードを検出して記憶手段に記憶する第7のステップとをさらに備える、請求項6に記載の検索方法。
  8. 前記複数のデータの各々は、前記放送局識別コードを含み、
    前記検索方法の前記第3のステップは、前記複数のデータのうち、最初に受信されたデータから前記放送局識別コードを検出する、請求項6または請求項7に記載の検索方法。
  9. 前記特定データは、交通情報データであり、
    前記検索方法は、前記特定識別コードに一致する放送局識別コードをカーナビゲーション装置へ送信する第8のステップをさらに備える、請求項6乃至請求項8のいずれかに記載の検索方法。
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