JP4235027B2 - 文字板照明装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、文字板照明装置に関し、特に、車両用計器等に用いられる文字板照明装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両用計器等においては、イグニッションスイッチと連動して、文字板背面に配置された光源を遅延点灯させることにより、文字板を分割点灯させる照明装置があった。更に、指針も含めて、文字板を分割点灯させる照明装置もあった(特許文献1及び特許文献2参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−337930号公報
【特許文献2】
特開2001−330481号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来の照明装置においては、いずれも、特定部位を照明した後、所定時間遅延して他の部位を照明するものであった。このため、文字板の照明領域が不連続に広がっていくように視認され、高品位感に欠けるものであった。
【0005】
よって本発明は、上述した現状に鑑み、文字板の照明領域が連続的に広がっていくように視認させて、計器類に高品位感を与えることができる文字板照明を提供することを課題としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するためになされた請求項1記載の文字板照明装置は、回動する指針にて指示される所定意匠が形成された文字板と、前記文字板の背面において該文字板に取付けられるように構成されたメータ本体と、を備えた計器の文字板照明装置において、前記メータ本体には、前記所定意匠の内側照明領域を照明するために、該所定意匠の中央部における前記指針の回動基部を周回するように配列された複数の内側光源と、前記所定意匠の外側照明領域を照明するために、前記内側光源の外側を周回するように配列された複数の外側光源と、前記内側光源と前記外側光源との間において前記内側光源を周回するように立設されている壁と、が設けられ、前記内側光源と前記外側光源とが、それぞれ遅延点灯されるように構成され、そして、前記壁が、前記文字板に接触しない程度の高さとされて、覆設される前記文字板と該壁との間に漏光を発生させるための隙間が維持されるように構成されていることを特徴とする。
【0007】
請求項1記載の発明によれば、内側光源と外側光源との間に内側光源を周回し、覆設される文字板に接触しない程度の高さを有する壁を立設することにより、壁と文字板との隙間から漏光を発生させることができる。この漏光により、内側光源及び外側光源による照射範囲の境界をぼやけさせて、内側光源及び外側光源の遅延点灯にともなって、文字板の照明領域が連続的に広がっていくように視認させることが可能になる。
【0008】
上記課題を解決するためになされた請求項2記載の文字板照明装置は、請求項1記載の文字板照明装置において、前記内側光源及び前記外側光源の一方のみがまず所定レベルに到達するまで徐々に照度をあげつつ点灯され、前記一方の照度が前記所定レベルに到達する前に、前記内側光源及び前記外側光源の他方が点灯開始されて、所定レベルに到達するまで徐々に照度をあげつつ点灯される、ことを特徴とする。
【0009】
請求項2記載の発明によれば、最初に徐々に照度をあげていった一方の光源の照度が所定レベルに到達する前に、他方の光源が点灯開始される。このように、他方の光源点灯開始のタイミングを制御することにより、文字板の照明領域がより連続的に広がっていくように視認させることが可能になる。
【0010】
上記課題を解決するためになされた請求項3記載の文字板照明装置は、請求項2記載の文字板照明装置において、前記内側光源が先に点灯開始される、ことを特徴とする。
【0011】
請求項3記載の発明によれば、内側から外側に向かって連続的に文字板の照明領域が広がっていくように視認させることが可能になる。このため、照明領域の広がりに違和感がない。
【0012】
上記課題を解決するためになされた請求項4記載の文字板照明装置は、請求項3記載の文字板照明装置において、前記内側光源の数、前記外側光源の数よりも少ない、ことを特徴とする。
【0013】
請求項4記載の発明によれば、内側光源の数は外側光源の数よりも少ないので、文字板の照明領域が連続的に広がっていく際に、暗から明への変化を強調して視認させることが可能になる。したがって、計器類により高品位感を与えることができる。
【0014】
上記課題を解決するためになされた請求項5記載の文字板照明装置は、請求項3又は4記載の文字板照明装置において、前記壁の、前記内側光源にそれぞれ対向する箇所には、該壁の端部から切欠形成された凹部が設けられている、ことを特徴とする。
【0015】
請求項5記載の発明によれば、壁における内側光源にそれぞれ対向する箇所は、他の箇所よりもやや低くなるように形成されているので、壁に反射した内側光源からの光に起因する文字板照明のムラを抑制することができる。
【0016】
上記課題を解決するためになされた請求項6記載の文字板照明装置は、請求項3〜5のいずれか一項に記載の文字板照明装置において、前記壁の高さ、前記内側光源に起因する漏光が前記所定意匠に直接入射することがないように設定されている、ことを特徴とする。
【0017】
請求項6記載の発明によれば、内側光源と外側光源との間に立設された壁の高さは、内側光源に起因する漏光が、指針にて指示される意匠に直接入射することがないように設定されているので、指針にて指示される意匠が明るくなりすぎるのを防止する。
【0018】
上記課題を解決するためになされた請求項7記載の文字板照明装置は、請求項3〜6のいずれか一項に記載の文字板照明装置において、前記文字板には、内側から外側に向けて徐々に大きくなる複数の円形意匠が形成され、これら円形意匠の外側には、粗から密に徐々に変化するグラディエーション意匠が形成されている、ことを特徴とする。
【0019】
請求項7記載の発明によれば、文字板には、内側から外側に向けて徐々に大きくなる複数の円形意匠が形成され、更に、これら円形意匠の外側には、粗から密に徐々に変化するグラディエーション意匠が形成されているので、内側から外側への広がり感をより強調することができる。
【0020】
上記課題を解決するためになされた請求項8記載の文字板照明装置は、請求項1〜7のいずれか一項に記載の文字板照明装置において、前記文字板は、円形状に設けられ、前記内側光源及び前記外側光源はそれぞれ、前記文字板と略相似形の円環を描くように規則的に配列され、そして、前記壁、前記文字板と略相似形の円環状に立設されている、ことを特徴とする。
【0021】
請求項8記載の発明によれば、文字板の形状、内側光源及び外側光源の配列、及び壁の立設は共に円形状であるので、文字板が放射状に点灯していくように視認させる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の文字板照明装置を備えた計器を示す分解斜視図である。この計器は、例えば、図1に示すような車両に搭載されるコンビネーションメータである。このコンビネーションメータは、メータ本体1、導光板2、拡散板3、LCD(Liquid Crystal Display)4、文字板5、見返し6、指針7及び表ガラス8を含んで構成される。上記メータ本体1には、まず導光板2及び拡散板3が装着された後、その上からLCD4が取り付けられる。更にその上に、文字板5、見返し6及び表ガラス8がこの順に取り付けられる。この際、指針7は図示しないムーブメントの回転軸に取り付けられる。
【0023】
メータ本体1は、例えば、樹脂製であり、横長の皿状をしている。このメータ本体1の前面には、スピード部10、LCD収容部11、12、及びAT部13等が形成されている。スピード部10は、楕円形の皿状をしており、その中央部には筒状部14が形成されている。図示しないが、筒状部14の背面には、指針を回動させるムーブメントが配置されおり、その回転軸が筒状部14に覆われている。この筒状部14を周回するように内側光源及び外側光源を構成する複数のLED(Light Emitting Diode)10aが配列されている。また、内側光源と外側光源との間には内側光源を周回し、覆設される文字板に接触しない程度の高さを有する壁10bが立設されている。このスピード部10については、図2以降を用いて後述する。
【0024】
メータ本体1のLCD収容部11、12、及びAT部13はいずれも、これらに収容されるLCD41、42及び導光板2の形状に応じた四角形状又はかぎ型形状をしている。メータ本体1の周縁部或いは側面部には、見返し6や表ガラス8が取り付けられるときに使用される嵌合部16やこのメータがインストルメントパネルに取り付けられるときに利用される取付片15、17が設けられている。なお、メータ本体1の背面には、ここでは図示しないムーブメントや電子部品類を実装した基板が取り付けられている。更に、その背面には、裏カバーが覆設されている。
【0025】
導光板2は、「P」、「R」、「N」、「D」、「S」、「B」等で表されるギアポジションに対応して、かぎ型をしている。導光板2は、例えば、導光性のあるアクリル樹脂製である。この導光板2は、基板状に配列された図示しないLEDからの光を導光して、右側文字板52に形成されたポジション意匠52bを背面から照明する。
【0026】
拡散板3は、LEDからの出射光により、文字板50、51、52やLCD41、42を背面から効果的に照明するためのもので、例えば、白濁色の樹脂製である。拡散板3は、中央文字板50の形状に対応した拡散板中央部30、並びにLCD41及び42の形状にそれぞれ対応した拡散板左部及び拡散板右部が連結されたような形状をしている。拡散板中央部30の中央部には、上記筒上部14に対応した中央孔30aが穿設されている。
【0027】
LCD4は、液晶表示デバイスであり、正方形に近いLCD41及び矩形のLCD42から構成される。LCD41には燃費や燃料残量が表示され、LCD42には累積走行距離等が表示される。それらの表面は、点灯される意匠を除いて、黒色をしている。
【0028】
文字板5は、例えば、透明生地の薄板状のポリカーボネイト製であり、中央文字板50、それぞれ分離形成された左側文字板51及び右側文字板52から構成されている。中央文字板50は、アナログタイプであり、その中央部には、指針の回転軸部が挿通される中央孔50aが穿設され、その周辺部には、スピードを数字や目盛りで示す意匠50bが形成されている。また、左側文字板51は、LCD41の燃費や燃料残量の表示エレメントに対応した形状の開口部51a、文字やマーク等が形成された意匠51bが形成されている。そして、右側文字板52には、LCD42の表示エレメントに対応した形状の開口部52a、各ギアポジションを示す「P」、「R」、「N」、「D」、「S」、「B」等の意匠が形成されている。各文字板50、51、52は、上記それぞれの意匠を中抜きにして、黒色印刷が施されている。
【0029】
見返し6は、例えば、黒色系の樹脂製であり、文字板50、51、52の形状にそれぞれ対応した開口部60、61、62を有する横長の筒状をしている。また、この見返し6の側面部には、上記メータ本体1の取付片15、17と共にこのメータがインストルメントパネルに取り付けられるときに利用される取付片64や嵌合部16に嵌合される嵌合爪65が設けられている。
【0030】
指針7は、その指針軸部が上記ムーブメントの回転軸に挿通されて、ムーブメントの回転軸の回転にともなって、中央文字板50に形成された所定の意匠50bを指示する。
【0031】
表ガラス8は、例えば、横長の樹脂製の黒色系透明板である。表ガラス8は、このメータの前面をブラックフェース化して高級感を高めるのにも役立つ。また、この表ガラス8の側面部には、見返し6に取り付けられるときに利用される複数のロック片86が設けられている。
【0032】
次に、本発明の文字板照明装置が適用される上記スピード部10の構成について、図2及び図3を用いて説明する。図2は、スピード部の分解斜視図である。図3は、スピード部の断面図である。なお、図2の斜視図においては、文字板50の下側に取り付けられる拡散板3及び文字板50の上側に取り付けられる見返し6、指針7及び表ガラス8は省略している。また、図2及び図3中、上記図1と共通する部分には、同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0033】
図2及び図3に示すように、メータ本体1のスピード部10は、正円に近い楕円形の皿状をしている。スピード部10の底面の中央部には、この背面に配置されたムーブメント102の回転軸102aを覆うように筒状部14が形成されている。なお、筒状部14は、請求項中の回動基部に対応する。
【0034】
この筒状部14を周回するように、複数の内側LED10a1〜10a5が配列されている。また、これら内側LED10a1〜10a5の外側を周回するように複数の外側LED10a6〜10a19が配列されている。内側LED10a1〜10a5及び外側LED10a6〜10a19は共に、文字板と略相似形の円環を描くように規則的に配列されている。但し、内側LED10a1〜10a5の数は外側LED10a6〜10a19よりも少なくなっている。このように、内側LED10a1〜10a5の数を少なくすることにより、内側から外側に文字板の照明領域が広がっていく際に、暗から明への変化を強調して視認させることが可能になる。
【0035】
詳しくは、各LED10a1〜10a5及び外側LED10a6〜10a19は、図3に示すように、基板103上に実装されており、スピード部10の底面に各LEDに対応して穿設された開口部を介して、文字板方向に光を出射する。これらLED10a1〜10a5及び外側LED10a6〜10a19は、基板103に実装されている図示しない、LED制御回路により点灯制御される。本発明に係る点灯制御の一例は、図4等を用いて後述する。内側LED10a1〜10a5及び外側LED10a6〜10a19はそれぞれ、請求項中の内側光源及び外側光源に対応する。なお、LED10a20は指針基部に光を供給させるための指針用光源であり、また、基板103の背面には裏カバー101が取り付けられている。
【0036】
また、内側LED10a1〜10a5及び外側LED10a6〜10a19間には、内側LED10a1〜10a5を周回するように、文字板と略相似形の円環状の壁10bが立設されている。この壁10bにおける内側LED10a1〜10a5にそれぞれ対向する箇所は、凹部10b1〜10b5が形成されている。このような凹部10b1〜10b5により、壁10bに反射した内側LED10a1〜10a5からの光に起因する文字板照明のムラを抑制することができる。また、このスピード部10の側壁は、図中上方に向かって徐々に開口するような傾斜壁10cになっている。
【0037】
一方、中央文字板50は、上記スピード部10の開口部と同等の正円に近い楕円形をしている。その中央部には、指針7の回転軸部71が挿通される中央孔50aが穿設されている。また、その周辺部には、スピードを数字や目盛りで示す意匠50bが形成されている。更に、中央文字板50には、中央孔50aに近い文字板内側から外側に向けて徐々に大きくなる複数の円形意匠50c1が形成され、円形意匠50c1の外側には、円形意匠50c1を周回するように、粗から密に徐々に変化するグラディエーション意匠50c2が形成されている。円形意匠50c1及びグラディエーション意匠50c2の色調は、例えば、薄白色や薄青色である。このような複数の円形意匠50c1及びグラディエーション意匠50c2により、内側から外側への広がり感をより強調することができる。
【0038】
なお、図3に示すように、壁10bの高さは、内側LED10a1〜10a5に起因する漏光Rが意匠50bに直接入射することがないように設定されている。したがって、意匠50bが明るくなりすぎるのを防止することができる。また、文字板5の形状、内側LED10a1〜10a5及び外側LED10a6〜10a19の配列、及び壁10bの立設は共に円形状であるので、文字板5が放射状に点灯していくように視認させることができる。したがって、今までにない斬新さを備えた計器を提供することができる。
【0039】
更に、図4及び図5を用いて、本発明の文字板照明装置における照明方法の一例及びその作用効果について説明する。図4は、本発明の文字板照明装置に係る点灯制御の一例を示すタイムチャートである。図5(A)〜図5(B)は、図4の点灯制御による各LEDからの出射光の作用を示す図である。なお、図4及び図5中、上記図1及び図3と共通する部分には、同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0040】
図4に示すように、イグニッションスイッチIGがオンされてから所定時間T1だけ経過すると、まず、指針用LED10a20が点灯されて、その出射光R0により、周知の方法で指針7が照明される。
【0041】
この後、イグニッションスイッチIGがオンされてから所定時間T2だけ経過した時点で、内側LED10a1〜10a5が同時に点灯開始される。内側LED10a1〜10a5の点灯は、所定レベルに到達するまで時間T3をかけて徐々に照度をあげつつ点灯される。この際、図5(A)に示すように、徐々に照度をあげていく内側LED10a1〜10a5からの出射光R1の一部は、上記壁10bと文字板5との隙間から外側LED10a6〜10a19が配列されている側に漏れて、文字板5を照明する。但し、この漏光は、文字板5の外側まではほとんど到達することはない。
【0042】
次に、内側LED10a1〜10a5の照度が所定レベルに到達する前に、すなわち、イグニッションスイッチIGがオンされてから所定時間T4だけ経過した時点で、外側LED10a6〜10a19が同時に点灯開始される。外側LED10a6〜10a19の点灯は、所定レベルに到達するまで時間T5をかけて徐々に照度をあげつつ点灯される。この際、図5(B)に示すように、徐々に照度をあげていく外側LED10a6〜10a19からの出射光R3の一部も、上記壁10bと文字板5との隙間から内側LED10a1〜10a5側に漏れて、文字板5を照明する。この漏光と、上記出射光R1の一部による漏光、或いは、既に所定レベルに到達した内側LED10a1〜10a5からの出射光R2の一部による漏光が、壁10bの上方でオーバーラップして、内側LED10a1〜10a5及び外側LED10a6〜10a19による照射範囲の境界が際だつことを防止する。すなわち、この境界がぼやけたように視認される。したがって、文字板50の照明領域が連続的に広がっていくように視認させることができる。
【0043】
更に、外側LED10a6〜10a19が点灯開始されてからしばらくして、すなわち、イグニッションスイッチIGがオンされてから所定時間T6だけ経過した時点で、LCD41、42も点灯される。そして、イグニッションスイッチIGがオンされてから所定時間T7だけ経過した時点では、全てのLED10a1〜10a18、10a20が点灯完了する。すると、図5(C)に示すように、点灯完了した内側LED10a1〜10a5からの出射光R2、点灯完了した外側LED10a6〜10a19からの出射光R4、及び点灯完了した指針用LED10a20からの出射光R0により、文字板5全体及び指針7が定常状態で照明される。また、ここでは図示しないLCD41、42も定常状態で照明されている。
【0044】
このように、本発明の実施形態によれば、内側LED10a1〜10a5と外側LED10a6〜10a19の間に低い壁10bを立設することにより、文字板の照明領域が連続的に広がっていくように視認させることが可能になる。したがって、計器類に高品位感及び斬新性を与えることができる。
【0045】
なお、上記実施形態では、ひとつの壁を立設する例を示したが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、壁は複数であってもよい。これにともない壁にて分離されるLEDの数や配列も適宜変更可能である。また、上記実施形態では、内側から外側に向かって文字板の照明領域が広がっていくようにしているが、逆に、外側から内側に向かって照明領域が広がっていくようにしてもよい。これにともない、内側LED及び外側LEDの数や配列も適宜変更可能である。また、上記実施形態では、スピード部への適用例を示したが、本発明はタコメータ部等にも適用可能である。また、スピード部とタコメータ部とを備えたコンビネーションメータでは、両方に本発明を適用するようにしてもよい。更には、車両用メータのみならず、文字板を備えた計器であれば、それらにも本発明は、適用可能である。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の発明によれば、内側光源と外側光源との間に内側光源を周回し、覆設される文字板に接触しない程度の高さを有する壁を立設することにより、壁と文字板との隙間から漏光を発生させることができる。この漏光により、内側光源及び外側光源による照射範囲の境界をぼやけさせて、内側光源及び外側光源の遅延点灯にともなって、文字板の照明領域が連続的に広がっていくように視認させることが可能になる。したがって、計器類に高品位感を与えることができる。
【0047】
請求項2記載の発明によれば、最初に徐々に照度をあげていった一方の光源の照度が所定レベルに到達する前に、他方の光源が点灯開始される。このように、他方の光源点灯開始のタイミングを制御することにより、文字板の照明領域がより連続的に広がっていくように視認させることが可能になる。したがって、計器類により高品位感を与えることができる。
【0048】
請求項3記載の発明によれば、内側から外側に向かって連続的に文字板の照明領域が広がっていくように視認させることが可能になる。このため、照明領域の広がりに違和感がない。したがって、計器類により高品位感を与えることができる。
【0049】
請求項4記載の発明によれば、内側光源の数は外側光源の数よりも少ないので、文字板の照明領域が連続的に広がっていく際に、暗から明への変化を強調して視認させることが可能になる。したがって、計器類により高品位感を与えることができる。
【0050】
請求項5記載の発明によれば、壁における内側光源にそれぞれ対向する箇所は、他の箇所よりもやや低くなるように形成されているので、壁に反射した内側光源からの光に起因する文字板照明のムラを抑制することができる。したがって、計器類により高品位感を与えることができる。
【0051】
請求項6記載の発明によれば、内側光源と外側光源との間に立設された壁の高さは、内側光源に起因する漏光が、指針にて指示される意匠に直接入射することがないように設定されているので、指針にて指示される意匠が明るくなりすぎるのを防止することができる。したがって、計器類により高品位感を与えることができる。
【0052】
請求項7記載の発明によれば、文字板には、内側から外側に向けて徐々に大きくなる複数の円形意匠が形成され、更に、これら円形意匠の外側には、粗から密に徐々に変化するグラディエーション意匠が形成されているので、内側から外側への広がり感をより強調することができる。したがって、計器類に更に高品位感を与えることができる。
【0053】
請求項8記載の発明によれば、文字板の形状、内側光源及び外側光源の配列、及び壁の立設は共に円形状であるので、文字板が放射状に点灯していくように視認させることができる。したがって、今までにない斬新さを備えた計器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の文字板照明装置を備えた計器を示す分解斜視図である。
【図2】スピード部の分解斜視図である。
【図3】スピード部の断面図である。
【図4】本発明の文字板照明装置に係る点灯制御の一例を示すタイムチャートである。
【図5】図5(A)〜図5(B)は、図4の点灯制御による各LEDからの出射光の作用を示す図である。
【符号の説明】
1 メータ本体
2 導光板
3 拡散板
4 LCD
5 文字板
6 見返し
7 指針
8 表ガラス
10 スピード部
10a1〜10a5 内側LED
10a6〜10a19 外側LED
10b 壁
10c 傾斜壁
50 中央文字板(文字板)

Claims (8)

  1. 回動する指針にて指示される所定意匠が形成された文字板と、前記文字板の背面において該文字板に取付けられるように構成されたメータ本体と、を備えた計器の文字板照明装置において、
    (イ)前記メータ本体には、
    (a)前記所定意匠の内側照明領域を照明するために、該所定意匠の中央部における前記指針の回動基部を周回するように配列された複数の内側光源と、
    (b)前記所定意匠の外側照明領域を照明するために、前記内側光源の外側を周回するように配列された複数の外側光源と、
    (c)前記内側光源と前記外側光源との間において前記内側光源を周回するように立設されている壁と、
    が設けられ、
    (ロ)前記内側光源と前記外側光源とが、それぞれ遅延点灯されるように構成され、そして、
    (ハ)前記壁が、前記文字板に接触しない程度の高さとされて、覆設される前記文字板と該壁との間に漏光を発生させるための隙間が維持されるように構成されている
    ことを特徴とする文字板照明装置。
  2. 請求項1記載の文字板照明装置において、
    前記内側光源及び前記外側光源の一方のみがまず所定レベルに到達するまで徐々に照度をあげつつ点灯され、
    前記一方の照度が前記所定レベルに到達する前に、前記内側光源及び前記外側光源の他方が点灯開始されて、所定レベルに到達するまで徐々に照度をあげつつ点灯される、
    ことを特徴とする文字板照明装置。
  3. 請求項2記載の文字板照明装置において、
    前記内側光源が先に点灯開始される、
    ことを特徴とする文字板照明装置。
  4. 請求項3記載の文字板照明装置において、
    前記内側光源の数、前記外側光源の数よりも少ない、
    ことを特徴とする文字板照明装置。
  5. 請求項3又は4記載の文字板照明装置において、前記壁の、前記内側光源にそれぞれ対向する箇所には、該壁の端部から切欠形成された凹部が設けられていることを特徴とする文字板照明装置。
  6. 請求項3〜5のいずれか一項に記載の文字板照明装置において、
    前記壁の高さ
    前記内側光源に起因する漏光が前記所定意匠に直接入射することがないように設定されている、
    ことを特徴とする文字板照明装置。
  7. 請求項3〜6のいずれか一項に記載の文字板照明装置において、
    前記文字板には、
    内側から外側に向けて徐々に大きくなる複数の円形意匠が形成され、これら円形意匠の外側には、粗から密に徐々に変化するグラディエーション意匠が形成されている、
    ことを特徴とする文字板照明装置。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の文字板照明装置において、
    前記文字板、円形状に設けられ
    前記内側光源及び前記外側光源それぞれ、前記文字板と略相似形の円環を描くように規則的に配列され、そして、
    前記壁、前記文字板と略相似形の円環状に立設されている、
    ことを特徴とする文字板照明装置。
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