JP4232413B2 - フルオロアルキル基を有するジアミン誘導体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ジアミン、特に液晶配向膜形成用のワニスに用いられる重合体の原料としてのジアミンに関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示素子に関しては、最近、TFT型表示素子についての駆動方式の開発が進められている。例えば、より広い視野角を得るため、IPS(in-plane switching)モードや、VA(vertical alignment)モードが開発されている。さらには、動画対応可能な応答速度を持つOCB(Optically Compensated Bend)モードが開発されている。
【0003】
配向膜は、表示素子において液晶分子を一定方向に配向させること、および基板平面に対して液晶分子を傾けること(プレチルト角を付与する)の2つの役割を果たしている。配向状態の経時的、化学的および熱的な劣化を最小限に抑えるため、ガラス転移点(Tg)が高く耐薬品性や耐熱性に優れたポリイミドが、配向膜の材料として主に使用されている。配向膜は、通常ポリアミド酸またはポリイミドの溶液(以下ワニスと略す)をスピンナー法や印刷法等により電極付ガラス基板に塗布し、塗布された電極付ガラス基板を加熱して脱水閉環または乾燥してポリイミドの薄膜とし、ラビング等の配向処理を行う工程を経て得られる。
【0004】
このような配向膜に要求される特性として、
(a)液晶分子に適切なプレチルト角を付与すること。
(b)液晶表示素子を作製した場合に、配向欠陥が発生しない配向処理が可能であること。
(c)適切な電圧保持率を維持できること。
(d)液晶表示素子を駆動させて任意の画像を長時間表示させた後に、焼き付きが起きにくいこと。この「焼き付き」は、別の画像に変えた時に前の表示が残像として残る現象を指す用語である。
(e)配向膜の表面が、液晶表示セルに用いられる封止剤等の不純物を吸着しないこと。
などを挙げることができる。特に高品質のTFT型表示素子に用いられる配向膜は、高い電圧保持率を有し、しかも焼き付き現象を起こさないことが要求されている。以上のような要求特性を発現させるために、薄膜化したときの表面エネルギーの値が異なるポリマーを含有する2種類以上のワニスを混合すること(ポリマーブレンド)がしばしば行われている。このようなポリマーブレンドにより、配向膜は傾斜配向した2種類以上のポリイミドとなり、特に焼き付き現象を抑えることができる。
【0005】
現在、配向膜用原料として使用されている主なジアミンは、以下の式(A)、式(B)、および式(C)のそれぞれで表される化合物である。しかしながら、これらの化合物を原料として得られる配向膜は、封止剤等の不純物をその表面に吸着しやすく、それが焼き付きの発生や配向不良の原因となっている。そして、これらのジアミンで調製したポリイミドは、表面エネルギー値が類似しているので、ポリマーブレンドにより焼き付き現象を抑えるためには、表面エネルギーの大きく異なるジアミンを併用する等の工夫が必要であった。
【0006】
【発明が解決しようとしている課題】
本発明の目的は、表面エネルギー値が小さいポリイミド配向膜を形成させることができる重合体を、安価にかつ大量に製造するのに適したジアミンを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するための手段として、本発明は以下の構成を有する。
[1]式(1)で表されるジアミン誘導体。
式(1)における記号は次のように定義される。
A1、A2、A3、A4およびA5は、独立して1,4−フェニレン、1,3−フェニレン、1,2−フェニレン、または1,1−シクロヘキシレンであり、これらの環における任意の水素は、フッ素、炭素数1〜12のアルキル、または炭素数1〜12のフッ素化アルキルで置き換えられてもよい。
Z1、Z2、Z3およびZ4は、独立して単結合、−CH2−、−(CH2)2−、−(CH2)3−、−(CH2)4−、−CH=CH−、−C≡C−、または−O−であり、結合基の少なくとも1つは−CH 2 −、−(CH 2 ) 2 −、−(CH 2 ) 3 −、−(CH 2 ) 4 −、−CH=CH−、−C≡C−または−O−である。
k1、k2、k3およびk4は、独立して0または1であり、これらの合計は1以上である。そして、これらの合計が2以上であるとき、結合基が−O−であることはない。
但し、式(1)に含まれる環の少なくとも1つは、式(2)で表される1,4−フェニレンである。
式(2)において、X1およびX2は、独立して水素、メチルまたは炭素数1〜12のパーフルオロアルキルであり、nは1〜12の整数である。
そして、k1、k2、k3およびk4の合計が1であって結合基が−O−であるときは、フッ素化アルキル基の合計数は3〜6である。
[2]式(1)において、k1、k2、k3およびk4の合計が1、2または3である、[1]項に記載のジアミン誘導体。
[3]式(2)におけるnが1、2、3または4である、[1]項に記載のジアミン誘導体。
[4]式(1)において、k1、k2、k3およびk4の合計が1、2または3であり、式(2)におけるnが1、2、3または4である、[1]項に記載のジアミン誘導体。
[5]式(1)において、A1、A2、A3、A4およびA5が、独立して1,4−フェニレン、1,3−フェニレン、または1,2−フェニレンである、[1]項に記載のジアミン誘導体。
[6]式(1)において、A1、A2、A3、A4およびA5が、独立して1,4−フェニレン、1,3−フェニレン、または1,2−フェニレンであり、k1、k2、k3およびk4の合計が1、2または3であり、式(2)におけるnが1、2、3または4である、[1]項に記載のジアミン誘導体。
[7][1]〜[6]のいずれか1項に記載のジアミン誘導体を用いて得られる重合体。
[8]重合体がポリアミド酸、ポリイミド、ポリアミド、またはポリアミドイミドである、[7]項に記載の重合体。
[9][8]項に記載の重合体を含有するワニス。
[10][9]項に記載のワニスを用いて製造される液晶配向膜。
[11][10]項に記載の液晶配向膜を含有する液晶表示素子。
[12]フッ素系液晶組成物を含有する、[11]項に記載の液晶表示素子。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下の説明では、式(1)で表されるジアミン誘導体を、化合物(1)で表記することがある。本発明で化学構造中の原子または基を指し示すときに用いる用語「任意の」は、結合位置だけではなくその数についても自由に選択できることを意味する。
【0009】
本発明のジアミン誘導体は、式(1)で表される。
式(1)におけるk1、k2、k3およびk4は、独立して0または1であり、これらの合計は1以上である。即ち、化合物(1)は、2〜5個の環を有するジアミンである。そして、好ましい環の数は2〜4である。2環のジアミンは、それから得られる液晶配向膜に焼き付きを抑える機能を与える効果を有する。3環または4環のジアミンから得られる液晶配向膜は、液晶表示素子の比抵抗値を大きくし、電圧保持率を高くする。
【0010】
式(1)におけるA1、A2、A3およびA4は、独立して1,4−フェニレン、1,3−フェニレン、1,2−フェニレン、または1,1−シクロヘキシレンである。好ましい環は、1,4−フェニレン、1,3−フェニレン、または1,2−フェニレンである。フェニレンまたはシクロヘキシレンにおける任意の水素は、フッ素、炭素数1〜12のアルキル、または炭素数1〜12のフッ素化アルキルで置き換えられてもよい。即ち、複数の水素が、フッ素、炭素数1〜12のアルキルおよび炭素数1〜12のフッ素化アルキルからなる群から選択される基で置き換えられる場合を含む。この場合の置換基は、同一の基であってもよいし、異なる基であってもよい。例えば、少なくとも2つの水素が同じフッ素化アルキルでそれぞれ置き換えられてもよい。3つまたは4つの水素が、炭素数の異なるフッ素化アルキルでそれぞれ置き換えられてもよい。フッ素化アルキルは、少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられたアルキルである。好ましいフッ素化アルキルは、パーフルオロアルキルである。
【0011】
そして、化合物(1)が有する環の個数が2〜5のいずれの場合であっても、環の少なくとも1つは、式(2)で表される1,4−フェニレンである。
式(2)において、X1およびX2は、独立して水素、メチルまたは炭素数1〜12のパーフルオロアルキルであり、nは1〜12の整数である。そして、好ましいnは1〜4であり、最も好ましいnは1である。
【0012】
式(1)中の結合基Z1〜Z4は、独立して単結合、−CH2−、−(CH2)2−、−(CH2)3−、−(CH2)4−、−CH=CH−、−C≡C−、または−O−である。そして、結合基の少なくとも1つは−CH 2 −、−(CH 2 ) 2 −、−(CH 2 ) 3 −、−(CH 2 ) 4 −、−CH=CH−、−C≡C−または−O−である。本発明のジアミンは、これを原料の1つとする重合体を用いて得られる液晶配向膜において、焼き付きを抑えるように作用する傾向がある。
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】
【0026】
【0027】
【0028】
【0029】
【0030】
【0031】
【0032】
【0034】
【0035】
【0036】
【0037】
【0038】
【0039】
【0040】
【0041】
【0042】
【0043】
【0044】
【0045】
【0046】
【0047】
【0048】
【0049】
上記の具体例のうち、No.11、104、108、124、131、133、137、143、144、147、148、150、151、163、167、169、171、172、174、179、195、201、228、287〜290、293、295、298、299、302、308、325、331〜333、および338〜344は参考例である。
上記の具体例のうちでは、液晶のプレチルト角を小さくするのに有効なジアミン誘導体の例は、No.12、No.15〜No.17、No.21、No.22、No.26〜No.30、No.41、No.42、No.46、No.47、No.51、No.52、No.56、No.57、No.61、No.62、No.66、No.67、No.71、No.72、No.76、No.77、No.81、No.82、No.86、N0.87、No.90、No.91〜No.95、No.98〜No.110、No.115〜No.118、No.121〜No.128、No.131、No.134、NO.135、No.137、No.139〜No.142、No.144、No.146〜No.148、No.151、No.152、No.154、No.156〜No.158、No.161〜No.170、No.180〜No.195、No.205〜No.286、No.312〜No.325、No.327〜No.333、およびNo.338〜No.344である。これらの化合物は、低いプレチルト角が要求されるIPS用の配向膜を製造するための原料として、特に好適である。
【0050】
TN用の配向膜を製造するための原料として好ましいジアミン誘導体の例は、No.13、No.19、No.23、No.24、No.31〜No.35、No.43、No.44、No.48、No.53、No.54、No.58、No.63、No.64、No.68、No.73、No.74、No.78、No.83、No.84、No.88、No.96、No.97、No.111、No.112、No.119、No.129、No.132、No.138、No.145、No.149、No.155、No.159、No.171、No.173、No.177、No.179、No.196、No.197、No.199〜No.201、No.287〜No.290、No.301〜No.311、No.326、No.334、No.345、およびNo.346の化合物である。これらの化合物から得られる配向膜は、液晶のプレチルト角を5〜7度程度に調整することができる。従って、この配向膜はTN用として好ましい。
【0051】
OCBまたはVA用の配向膜を製造するための原料として好ましいジアミン誘導体の例は、No.14、No.18、No.20、No.25、No.36〜No.40、No.45、No.49、No.50、No.55、No.59、No.60、No.65、No.69、No.70、No.75、No.79、No.80、No.85、No.89、No.113、No.114、No.120、No.130、No.133、No.136、No.143、No.150、No.153、No.160、No.172、No.174〜No.176、No.178、No.198、No.202〜No.204、No.291〜No.300、No.335〜No.337、およびNo.347〜No.350の化合物である。これらの化合物から得られる配向膜は、液晶のプレチルト角を10度以上に調整することができる。従ってこの配向膜は、高いプレチルト角が要求されるOCBまたはVA用として好ましい。
【0052】
なお、式(1)においてZ1〜Z4が−(CH2)3−や−(CH2)4−であるジアミン誘導体は、これらから得られる配向膜に、液晶に対する強い配向規制力を与えることができる。そしてこの配向膜は、特にIPS用に用いた場合に、焼き付きを抑えることができる。
【0053】
次に、化合物(1)の製造法を説明する。式(2)で表される環構造は、化合物(a)から誘導される。即ち、化合物(a)と化合物(b)をDiels-Alder反応させることによって(2−1)が得られる。そして、トリフェニルホスフィンの存在下で、(2−1)にハロゲン(塩素、臭素、またはヨウ素)を作用させることにより、水酸基をハロゲンに変換した(2−2)を合成することができる。なお、化合物(a)は、公知の方法(Gui-Ding Zhu, et al, Organic Letters, 2(21), 3345 [2000])に従い合成することができる。
これらの式におけるX1、X2およびnは、式(2)におけるこれらの記号と同一であり、Rは保護基である。
【0054】
この他、出発物質に目的の末端基、環および結合基を導入する方法は、ホーベン−ワイル(Houben-Wyle, Methods of Organic Chemistry, Georg Thieme Verlag, Stuttgart)、オーガニック・シンセシーズ(Organic Syntheses, John Wily & Sons, Inc.)、オーガニック・リアクションズ(Organic Reactions, John Wily & Sons Inc.)、コンプリヘンシブ・オーガニック・シンセシス(Comprehensive Organic Synthesis, Pergamon Press)、新実験化学講座(丸善)などに記載されている。
【0055】
結合基(Z1〜Z4)を生成する方法の一例を説明する。以下に示すスキームにおいて、MSG1およびMSG2はどちらも、少なくとも1つの環を有する1価の有機基である。スキームに示されている複数のMSG1(またはMSG2)は、同一であってもよいし異なってもよい。TfはCF3SO2である。
(I)単結合の生成
アリールホウ酸誘導体(21)と、公知の方法で合成される化合物(22)とを、炭酸塩水溶液と触媒、例えばテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(Pd(PPh3)4)の存在下で反応させることにより、化合物(1a)を合成する。この化合物(1a)は、公知の方法で合成される化合物(23)にn−ブチルリチウム(n−BuLi)を作用させ、塩化亜鉛、ジクロロビストリフェニルホスフィンパラジウム(PdCl2(PPh3)2)のような触媒、および化合物(22)を順次作用させることにより合成することもできる。
【0056】
(II)−CH2−の生成
化合物(23)にブチルリチウムを作用させてリチオ化物に誘導した後、二酸化炭素を作用させてカルボン酸(24)を得る。これに塩化チオニルを作用させ酸クロリド(25)とする。これに公知の方法で合成される有機銅試薬(26)を作用させることにより化合物(27)を得る。そして、化合物(27)のカルボニルをトリエチルシランなどのトリアルキルシランで還元することによって化合物(1b)を合成する。
【0057】
(III)−CH=CH−の生成
公知の方法で合成される化合物(28)にカリウムt−ブトキシド(t−BuOK)のような塩基を作用させてリンイリドを発生させる。一方、化合物(29)にブチルリチウムを作用させてリチオ化物へ誘導した後、N,N−ジメチルホルムアミドなどのホルムアミドを作用させてアルデヒド(30)を得る。これをリンイリドに反応させて化合物(1c)を合成する。反応条件によってはシス体が生成するので、公知の方法によりトランス体に異性化する。
【0058】
(IV)−(CH2)2−の生成
化合物(1c)を、例えばパラジウムカーボン(Pd−C)などの触媒存在下で接触水素化することにより、化合物(1d)を合成する。
【0059】
(V)−C≡C−の生成
ジエチルアミン等のアミン類を溶剤に用い、ジクロロビストリフェニルホスフィンパラジウムとハロゲン化銅との触媒存在下、化合物(31)に1−トリメチルシリルエチンを作用させ、化合物(32)を得る。次にテトラブチルアンモニウムフロリド(TBAF)を用いて保護基を外し、化合物(33)を得る。これと化合物(22)とを、本方法の第1段と同様の条件で反応させることにより化合物(1e)を合成する。
【0060】
(VI)−(CH2)4−の生成
化合物(28)の代わりに化合物(34)を用い、方法(IV)に従って−CH=CH−を生成させ、さらに接触水素化して化合物(1f)を合成する。
【0061】
(VII)−O−の生成
化合物(35)と化合物(36)とを水酸化カリウムなどの塩基を用いて反応させることにより、化合物(1g)を合成する。
【0062】
次に、本発明のジアミン誘導体を原料の1つとして用いて得られる重合体、およびこれを含有するワニスについて説明する。少なくとも1つの化合物(1)を、溶剤中においてテトラカルボン酸二無水物と反応させることによりポリアミド酸が得られ、これをポリイミドに導くことができる。更に、少なくとも1つの化合物(1)と他のジアミンとを、組み合わせて使用してもよい。本発明のワニスは、このポリアミド酸またはポリイミドと溶剤とを含有する組成物である。
【0063】
少なくとも1つの化合物(1)とジカルボン酸類とを反応させるとポリアミドが得られる。少なくとも1つの化合物(1)とトリカルボン酸類とを反応させるとポリアミドイミドが得られる。また、ポリアミドイミドはジカルボン酸類、トリカルボン酸類およびテトラカルボン酸類の少なくとも2種の混合物と、少なくとも1つの化合物(1)とを反応させて導くこともできる。更に、少なくとも1つの化合物(1)と他のジアミンとを、組み合わせて使用してもよい。本発明のワニスは、上記のワニスの特性を更に改善するために、このポリアミドまたはポリアミドイミドを含有してもよい。更に、本発明のワニスは、公知の高分子化合物、例えば、化合物(1)を用いないポリアミドやポリアミドイミドなどを含有してもよい。これらのポリアミド、ポリアミドイミドまたは公知の高分子化合物が添加されるとき、その割合はワニス中の重合体の全重量に基づいて0.01〜30重量%である。その好ましい割合は0.01〜10重量%であり、より好ましい割合は0.1〜5重量%である。上記のポリアミドなどの成分は、このような割合で用いられることにより、本発明の重合体の効果を低下させずに、上記の効果を発現させることができる。
【0064】
本発明の重合体を製造するために用いられる、好ましいテトラカルボン酸二無水物の例を次に示す。これらの化合物の中には異性体が存在するものがあるが、これらの異性体を含む混合物であってもかまわない。これらの化合物の少なくとも2つからなる混合物、またはこれらの化合物の少なくとも1つとこれらの化合物以外のテトラカルボン酸二無水物とを含有する混合物を、本発明の重合体を製造するための原料として用いてもよい。
【0065】
【0066】
【0067】
次に、他のジアミン(化合物(1)以外のジアミン)の例を以下に示す。しかしこれらの例示は、化合物(1)と併用できるジアミンを限定することを意味しない。
【0068】
【0069】
【0070】
ガラス基板への密着性や配向膜の硬さを調節する目的で、シロキサン結合を有するジアミンを化合物(1)と併用することができる。シロキサン結合を有する好ましいジアミンは、式(3)で表される化合物である。
式(3)において、R1およびR2は独立して炭素数1〜3のアルキルまたはフェニルである。A6は炭素数1〜6のアルキレンであり、このアルキレン中の任意の−CH2−は、−NH−、フェニレンまたはアルキル置換フェニレンで置き換えられてもよい。そして、pは1〜10の整数である。H2N−A6−の例は、アミノメチル、2−アミノエチル、3−アミノプロピル、4−アミノブチル、5−アミノペンチル、6−アミノヘキシル、N−(2−アミノエチル)アミノメチル、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピル、4−アミノフェニル、3−アミノフェニル、2−メチル−4−アミノフェニル、4−アミノフェニルエチル、4−アミノフェニルプロピルなどである。このようなシロキサン結合を有するジアミンのワニスへの添加量は、ワニスに含有される固形分の重量に基づいて0.01〜5重量%、好ましくは0.1〜3重量%である。
【0071】
配向膜のガラス基板への密着性の改善や硬さの調節などを目的として、シランカップリング剤やシリコーンオイルなどの有機ケイ素化合物を、本発明のワニスに添加することができる。シランカップリング剤の例は、アミノプロピルトリメトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランなどである。シリコーンオイルの例は、ジメチルポリシロキサン、ポリジメチルシロキサン、ポリジフェニルシロキサンなどである。このような有機ケイ素化合物のワニスへの添加量は、ワニスに含有される固形分の重量に基づいて0.01〜5重量%、好ましくは0.1〜3重量%である。
【0072】
本発明の液晶配向膜は、どのような液晶表示素子に対してもその特性を改善する効果を有するが、高い電圧保持率が要求されるTFT用液晶表示素子の焼き付きを改善する効果が特に大きい。このようなTFT用液晶表示素子に使用される液晶組成物の例は、特許第3086228号、特許2635435号、特表平5−501735号公報、特平開9−255956号公報、特開2001−48822公報、特開2001−192657公報などに記載されている。本発明の液晶配向膜は、これらに記載されたフッ素系液晶組成物と組み合わせて用いるのが特に好ましい。このフッ素系液晶組成物は、末端に−OCF3を有する化合物や側鎖にフッ素原子を有する化合物などを含有し、高い電圧保持率を有する組成物である。
【0073】
ワニス調製に使用される溶剤の例は、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMAc)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、エチレングリコールモノブチルエーテル(BC)、エチレングリコールモノエチルエーテル、γ−ブチロラクトンなどである。本発明のワニスは、これらの溶剤の少なくとも1つに、前記の本発明の重合体およびその他の成分が溶解されている混合物である。そして、このワニスにおける不揮発性分の濃度は、ワニスの総重量に基づいて0.1〜30重量%、好ましくは1〜10重量%である。
【0074】
このワニスは、刷毛塗り法、浸漬法、スピンナー法、スプレー法、印刷法等により基板上に塗布され、その後50〜150℃、好ましくは80〜120℃で溶剤を蒸発させた後、150〜400℃好ましくは180〜280℃で加熱して成膜される。塗布前に基板表面上をシランカップリング剤で処理し、その上に成膜すれば膜と基板との接着性を改善できる。その後、この膜の表面を布などで一方向にラビングすることによって本発明の配向膜が得られる。
【0075】
本発明の重合体は、液晶配向膜用途以外にも、各種ポリイミドコーティング剤、あるいはポリイミド樹脂成型品、フィルム、または繊維などにも利用することができる。本発明のジアミン誘導体は、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリウレア樹脂の原料、あるいはエポキシ樹脂の硬化剤などとして用いることもできる。
【0076】
【実施例】
本発明のジアミン誘導体およびこの化合物を用いることによって得られるポリイミド樹脂の液晶配向膜への応用例を実施例により示す。実施例におけるNMRのデータは、すべて重クロロホルム中で測定した値である。高分子体の分子量は、ポリスチレンを標準溶液としてGPCを用いて測定した。用いた機器は島津製作所製のLC−9A型、カラムは昭和電工製のShodex GF−7M、溶出液はDMF(ジメチルホルムアミド)である。なお、本発明はこれらの実施例に限定されない。
【0077】
以下に実施例で用いた液晶表示素子の評価法を示す。
(1)プレチルト角
クリスタルローテンション法により測定した。
(2)焼き付き(残留電荷)
「三宅他、信学技報、EID91−111,p19」に記載の方法により、残留電荷を測定した。測定は液晶セルに50mV、1kHzの交流および周波数0.0036Hzの直流の三角波を重畳させて実施した。そして、この残留電荷を焼き付きの程度を評価する指標とした。
(3)電圧保持率
「水嶋他、第14回液晶討論会予稿集、p78」に記載の方法により測定した。測定条件は、ゲート幅69ms、周波数60Hz、波高±4.5Vである。
(4)表面エネルギーの測定
配向膜の表面エネルギーは、表面エネルギーの極性成分、分散成分が既知である2つの液体を用い、その接触角を測定して算出した。接触角の値は、以下のような式から表面エネルギーと関係づけられる。固体表面(固体の表面エネルギーをγSとする)に表面エネルギーγLを持つ液体が接触角θで平衡になっている場合を示す。この系では、Youngの式が成立する。
γS=γSL+γLcosθ (i)
ここで、γSLは固体と液体の間に働くエネルギーであり、界面の相互作用力と関係がある。付着の仕事は
Wa=γS+γL−γSL (ii)
で表され、(i)式と組み合わせると、
Wa=γL(1+cosθ) (iii)
となる。ここで、Forkesらの考えに基づいて、表面エネルギーを分散成分(γD)と極性成分(γP)にわけると、
γ=γD+γP (iv)
となる。ここで、表面エネルギーの分散成分は分散成分、極性成分は極性成分とのみ相互作用すると仮定するならば、
Wa=2×(γS DγL D)1/2+2×(γS PγL P)1/2 (v)
(iii)式と(v)式から、
γL(1+cosθ)=2×(γS DγL D)1/2+2×(γS PγL P)1/2 (vi)
これから、表面エネルギーの分散成分、極性成分が既知である液体2種類を用いて、接触角を測定すれば基板の表面エネルギーの分散成分、極性成分を算出することができる。以下の例においては、表面エネルギーの値が既知である純水(H2O)および エチレングリコール(EG)を用いて表面エネルギーを求めた。使用した表面エネルギーの分散成分、極性成分の値は以下の通りである。なお、以下の説明では、γL DをγLD、γL PをγLP、γLをγLで表記する。
(5)シール材等から配向膜への不純物吸着(Vthムラ)
液晶セルに電圧を掛け表示を行ったとき、表示不良となっている部分を目視により観察した。
【0078】
実施例1
1,2−ビス(4−アミノ−2,3−ビストリフルオロメチルフェニル)エチン(化合物No.28)の合成
(第1段)
文献記載の方法に準拠して得た2,3−ビストリフルオロメチル−4−(N−t−ブトキシカルボニルアミノ)フェノール(10g)のピリジン(20ml)溶液を0℃に冷却し、そこにトリフルオロメタンスルホン酸無水物(10.3g)を滴下し、0℃で5分間撹拌した。更に室温で23時間撹拌した後、得られた反応混合物に蒸留水を加えて有機層を分取した。水層をジエチルエーテルで抽出して、これを有機層に加えた。この有機層を2N−塩酸および飽和塩化ナトリウム水溶液で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶剤を減圧下で溜去し、2,3−ビストリフルオロメチル−4−(N−t−ブトキシカルボニルアミノ)−1−トリフルオロメタンスルホキシベンゼン(12g)を得た。これを化合物(28a)とする。
【0079】
(第2段)
窒素置換された反応器中で、化合物(28a)(5.0g)、トリメチルシリルエチン(20g)、ジクロロビストリフェニルホスフィンパラジウム(0.37g)、ヨウ化銅(I)(0.30g)をジエチルアミン(10ml)に溶解させ、室温で8時間撹拌した。得られた反応混合物に蒸留水を加えて有機層を分取した。更に水層をトルエンで抽出してこれを有機層に加えた。この有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶剤を減圧下で溜去し、2−(4−(N−t−ブトキシカルボニルアミノ)−2,3−ビストリフルオロメチルフェニル)−1−トリメチルシリルエチン(4.94g)を得た。これを化合物(28b)とする。
【0080】
(第3段)
化合物(28b)(4.94g)およびテトラブチルアンモニウムフロリド3水和物(7.5g)を、テトラヒドロフラン(THF)(35ml)と蒸留水(8ml)との混合溶剤に溶解させ、室温で30分撹拌した。得られた反応混合物に蒸留水を加えて有機層を分取した。更に水層をトルエンで抽出してこれを有機層に加えた。この有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶剤を減圧溜去して、1−(4−t−ブトキシカルボニルアミノ−2,3−ビストリフルオロメチル)エチン(2.56g)を得た。これを化合物(28c)とする。
【0081】
(第4段)
窒素置換した反応器中で、化合物(28c)(2.5g)、化合物(28a)(4.4g)、ジクロロビストリフェニルホスフィンパラジウム(0.26g)、およびヨウ化銅(I)(0.21g)をジエチルアミン(20ml)に溶解させ、室温にて8時間撹拌した。得られた反応混合物に蒸留水を加えて有機層を分取した。更に水層をトルエンで抽出してこれを有機層に加えた。この有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶剤を減圧溜去し、1,2−ビス(4−(N−t−ブトキシカルボニルアミノ)−2,3−ビストリフルオロメチルフェニル)エチン(1.11g)を得た。これを化合物(28d)とする。
【0082】
(第5段)
窒素置換した反応器中で、化合物(28d)(0.75g)をTHF(5ml)に溶解した。そこに30重量%−硫酸(5ml)を加えて、50℃で3時間撹拌した。得られた反応混合物に蒸留水を加えて、有機層を分取した。更に水層をジエチルエーテルで抽出してこれを有機層に加えた。この有機層を2N−水酸化ナトリウム水溶液および飽和塩化ナトリウム水溶液で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶剤を溜去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、目的の1,2−ビス(4−アミノ−2,3−ビストリフルオロメチルフェニル)エチン(化合物No.28)(0.61g)を得た。
1H NMR(CDCl3)δ:7.48(d,2H),6.83(d,2H),4.64(d,4H).
【0083】
実施例2(ポリアミド酸の合成)
200mlの4つ口フラスコに、実施例1と全く同様にして合成した化合物No.28(1.77g)および1、1−ビス(4−(4−アミノフェニルメチル)フェニル)−4−ヘプチルシクロヘキサン(APM7H)(2.00g)を入れNMP(27g)に溶解した。この溶液にピロメリット酸二無水物(PMDA)(0.80g)およびシクロブタンテトラカルボン酸二無水物(MMDA)(0.72g)を加えて1時間攪拌した。得られた溶液をγ−ブチロラクトン(27g)とBC(31.5g)との混合溶剤で希釈することにより、ポリアミド酸濃度5重量%の透明液体を得た。この溶液の25℃での粘度は36mPa・sであり、この溶液に含まれる重合体の重量平均分子量は57,000であった。この溶液をワニスAとする。
【0084】
実施例3(ポリイミドの合成)
実施例2で得られたワニスAに、無水酢酸(3.76g)、ピリジン(2.91g)を加え、100℃で三時間加熱環流させた。冷却後反応混合物をメタノールに投入して重合体を再沈澱させ、ろ過して粗生成物を得た。この粗生成物を純水(500ml)で2回、メタノール(500ml)で1回、それぞれ30分程度煮沸洗浄した。その後、120℃で8時間減圧乾燥してポリイミド(3.6g)を得た。このポリイミドの重量平均分子量は40,000であった。
【0085】
実施例4(ポリアミドの合成)
500mlの3つ口フラスコに、実施例1と全く同様にして合成した化合物No.28(6.00g)、APM7H(6.81g)、テレフタル酸(TPA)(4.15g)、ピリジン(1ml)および塩化リチウム(6.0g)を入れNMP(200ml)に溶解させた。この溶液に亜リン酸トリフェニル(18.7g)を滴下し、窒素気流中100℃で4時間反応させた。冷却後反応混合物をメタノールに投入して重合体を再沈澱させ、ろ過して粗生成物を得た。この粗生成物を純水(500ml)で2回、メタノール(500ml)で1回、それぞれ30分程度煮沸洗浄した。120℃で8時間減圧乾燥してポリアミド(10.7g)を得た。このポリアミドの重量平均分子量は70,000であった。
【0086】
3つ口フラスコに上記のポリアミド(10.7g)を入れ、NMP(150ml)に溶解させた。この溶液にナトリウムメトキシド(2.6g)を加え、さらに室温で3時間攪拌した。この溶液にヨウ化メチル(8.4g)を加え、さらに室温で2時間反応させた。得られた反応混合物を純水2.5リットルに投入して、重合体を再沈澱させた。ろ過して得られた粗生成物を、純水1リットルで2回、それぞれ30分間煮沸洗浄した後、純水−IPA混合溶剤(重量比1:1)500mlで1回洗浄した。その後、120℃で9時間減圧乾燥させて、ポリ(N−メチル)アミド(8.0g)を得た。この重合体の平均分子量は40,000であった。アミド基の水素のメチルへの置換率は、NMR測定値によれば100%であった。この重合体をポリアミドAとする。
【0087】
実施例5(ポリアミドイミドの合成)
50mlの3つ口フラスコに、実施例1と全く同様にして合成した化合物No.28(0.57g)およびAPM7H(0.65g)を入れ、NMP(20g)に溶解させた。この溶液にPMDA(0.27g)を加え、窒素気流中で1時間攪拌した。次いでテレフタル酸クロリド(0.25g)およびピリジン(1ml)を加え、さらに2時間攪拌した。反応終了後、無水酢酸20mlを加えて100℃で1時間反応させた。冷却後反応混合物をメタノール300mlに加え、重合体を再沈澱させた。濾過して得られた粗生成物を、純水(150ml)で2回、メタノール(150ml)で1回、それぞれ30分程度煮沸洗浄した。120℃で7時間減圧乾燥させて、ポリアミドイミド(1.2g)を得た。この重合体の重量平均分子量は90,000であった。
【0088】
3つ口フラスコに上記のポリアミドイミド(1.0g)を入れ、NMPに溶解させた。ここに60%水素化ナトリウム(94mg)を加え、室温で3時間攪拌させた。この溶液にヨウ化メチル(430mg)を添加し、さらに室温で2時間反応させた。反応混合物を純水300mlに加えて重合体を再沈殿させ、ろ過して粗生成物を得た。この粗生成物を純水(150ml)で2回、各30分間煮沸洗浄した後、純水−IPA混合溶剤(重量比1:1)50mlで1回洗浄した。その後、120℃で8時間減圧乾燥させ、目的とするポリアミドイミド(960mg)を得た。このポリマーをポリアミドイミドAとする。このときの重量平均分子量は43、000であり、アミド基の水素のメチルへの置換率は97%であった。
【0089】
以下同様にして表1および表2に示すワニス、ポリイミドおよびポリアミドを合成した。(実施例2、3、および4を再掲する。)
<表1> 合成したワニス、ポリイミドおよびポリアミドの原料組成
この表中のDDMは、ジ(4−アミノフェニル)メタンである。
【0090】
<表2> 合成したワニスの粘度および含まれる重合体の重量平均分子量
【0091】
応用例1
3つ口フラスコに、ワニスA(0.18ml)、ワニスI(18.2ml)、およびポリアミドAの5重量%NMP溶液(0.02ml)を入れ、室温で1時間攪拌した。これにBC(12ml)を加え、約3重量%の樹脂組成物を得た。片面にITO電極を設けた透明ガラス基板上にこの組成物を滴下し、スピンナー法により塗布した(2500rpm、15秒)。塗布後80℃で5分間溶剤を蒸発させた後、オーブン中で250℃30分間加熱処理を行い、膜厚約60nmの薄膜を形成させた。この膜の表面エネルギーを測定したところ、分散成分(γLD)は24.98mJm−2であり、極性成分(γLP)は5.37mJm−2であった。
この膜面をラビング処理し、ラビング方向が逆平行になるようにこれらの二枚を合わせ、セル厚20μmの液晶セルを組み立てた。このセルに下記の液晶組成物を注入し、110℃で30分間アイソトロピック処理を行い、室温まで冷却して液晶表示素子を得た。
この表示素子について物性を測定した結果を次に示す。
残留電荷:0.085V/25℃
電圧保持率:98.1%/30Hz、91.2%/0.3Hz
プレチルト角:7.0度
Vthムラ:全く観察されなかった。
【0092】
応用例2
ワニスAの代わりにワニスBを用いた以外は応用例1と同様な方法で液晶表示素子を作成した。この表示素子について物性を測定した結果を次に示す。
残留電荷:0.089V/25℃
電圧保持率:97.6%/30Hz、90.5%/0.3Hz
プレチルト角:7.1度
Vthムラ:全く観察されなかった。
【0093】
応用例3
ワニスAの代わりにワニスCを用いた以外は応用例1と同様な方法で液晶表示素子を作成した。この表示素子について物性を測定した結果を次に示す。
残留電荷:0.083V/25℃
電圧保持率:94.2%/30Hz、88.9%/0.3Hz
プレチルト角:6.7度
Vthムラ:全く観察されなかった。
【0094】
応用例4
ワニスAの代わりにワニスDを用いた以外は応用例1と同様な方法で液晶表示素子を作成した。この表示素子について物性を測定した結果を次に示す。
残留電荷:0.091V/25℃
電圧保持率:92.3%/30Hz、87.2%/0.3Hz
プレチルト角:6.4度
Vthムラ:全く観察されなかった。
【0095】
応用例5
ワニスAの代わりにワニスEを用いた以外は応用例1と同様な方法で液晶表示素子を作成した。この表示素子について物性を測定した結果を次に示す。
残留電荷:0.085V/25℃
電圧保持率:97.8%/30Hz、91.2%/0.3Hz
プレチルト角:6.8度
Vthムラ:全く観察されなかった。
【0096】
応用例6
ワニスAの代わりにワニスFを用いた以外は応用例1と同様な方法で液晶表示素子を作成した。この表示素子について物性を測定した結果を次に示す。
残留電荷:0.079V/25℃
電圧保持率:93.2%/30Hz、85.5%/0.3Hz
プレチルト角:7.2度
Vthムラ:全く観察されなかった。
【0097】
応用例7
ワニスAの代わりにワニスGを用いた以外は応用例1と同様な方法で薄膜を形成させた。この膜の表面エネルギーを測定したところ、分散成分(γLD)は24.39mJm−2であり、極性成分(γLP)は4.51mJm−2であった。応用例1と同様な方法で液晶表示素子を作成して、その物性を測定した結果を次に示す。
残留電荷:0.087V/25℃
電圧保持率:97.4%/30Hz、90.0%/0.3Hz
プレチルト角:7.0度
Vthムラ:全く観察されなかった。
【0098】
応用例8
液晶を下記の組成物に替えた以外は、応用例1と同様にして液晶表示素子を作成した。
この表示素子の物性を測定した結果を次に示す。
残留電荷:0.079V/25℃
電圧保持率:96.9%/30Hz、91.4%/0.3Hz
プレチルト角:7.1度
Vthムラ:全く観察されなかった。
【0099】
比較例1
ワニスAとポリアミドAの代わりにそれぞれワニスIとポリアミドBを用いた以外は、応用例1と同様の方法で膜厚約60nmの薄膜を形成させた。この膜の表面エネルギーを測定したところ、分散成分(γLD)は14.03mJm−2であり、極性成分(γLP)は27.59mJm−2であった。応用例1と同様な方法で液晶表示素子を作成し、その物性を測定した結果を次に示す。
残留電荷:0.12V/25℃
電圧保持率:92.4%/30Hz、87.5%/0.3Hz
プレチルト角:7.2度
Vthムラ:液晶セル周辺部に少し観察された。
【0100】
比較例2
ワニスAとポリアミドAの代わりにそれぞれワニスJとポリアミドBを用いた以外は、応用例1と同様の方法で膜厚約60nmの薄膜を形成させた。この膜の表面エネルギーを測定したところ、分散成分(γLD)は17.68mJm−2であり、極性成分(γLP)は22.56mJm−2であった。応用例1と同様な方法で液晶表示素子を作成し、その物性を測定した結果を次に示す。
残留電荷:0.11V/25℃
電圧保持率:83.6%/30Hz、64.8%/0.3Hz
プレチルト角:6.9度
Vthムラ:液晶セル周辺部に観察された。
【0101】
【発明の効果】
フルオロアルキルを有する本発明のジアミン誘導体をポリイミド、ポリアミドなどの重合体の原料として用いるとき、その重合体の薄膜の表面エネルギーを小さくすることができる。その結果、これらの重合体を用いた配向膜は、周辺材料からの不純物に起因する汚染を防ぐことができ、液晶表示素子の焼き付き現象や配向不良を改善することができる。本発明のジアミン誘導体は短い合成ルートで安価に製造することができるので、高機能な液晶表示素子をより安価に提供することが可能である。なお、本発明の化合物は、液晶配向膜用途以外の高分子材料の原料としても使用できる。
Claims (12)
- 式(1)で表されるジアミン誘導体。
式(1)における記号は次のように定義される。
A1、A2、A3、A4およびA5は、独立して1,4−フェニレン、1,3−フェニレン、1,2−フェニレン、または1,1−シクロヘキシレンであり、これらの環における任意の水素は、フッ素、炭素数1〜12のアルキル、または炭素数1〜12のフッ素化アルキルで置き換えられてもよい。
Z1、Z2、Z3およびZ4は、独立して単結合、−CH2−、−(CH2)2−、−(CH2)3−、−(CH2)4−、−CH=CH−、−C≡C−、または−O−であり、1,1−シクロヘキシレンが含まれない場合には、結合基の少なくとも1つは−CH 2 −、−(CH 2 ) 2 −、−(CH 2 ) 3 −、−(CH 2 ) 4 −、−CH=CH−、−C≡C−または−O−である。
k1、k2、k3およびk4は、独立して0または1であり、これらの合計は1以上である。そして、これらの合計が2以上であって1,1−シクロヘキシレンが含まれないとき、結合基が−O−であることはない。
但し、式(1)に含まれる環の少なくとも1つは、式(2)で表される1,4−フェニレンである。
式(2)において、X1およびX2は、独立して水素、メチルまたは炭素数1〜12のパーフルオロアルキルであり、nは1〜12の整数である。
そして、k1、k2、k3およびk4の合計が1であって結合基が−O−であるときは、フッ素化アルキル基の合計数は3〜6である。 - 式(1)において、k1、k2、k3およびk4の合計が1、2または3である、請求項1に記載のジアミン誘導体。
- 式(2)におけるnが1、2、3または4である、請求項1に記載のジアミン誘導体。
- 式(1)において、k1、k2、k3およびk4の合計が1、2または3であり、式(2)におけるnが1、2、3または4である、請求項1に記載のジアミン誘導体。
- 式(1)において、A1、A2、A3、A4およびA5が、独立して1,4−フェニレン、1,3−フェニレン、または1,2−フェニレンである、請求項1に記載のジアミン誘導体。
- 式(1)において、A1、A2、A3、A4およびA5が、独立して1,4−フェニレン、1,3−フェニレン、または1,2−フェニレンであり、k1、k2、k3およびk4の合計が1、2または3であり、式(2)におけるnが1、2、3または4である、請求項1に記載のジアミン誘導体。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載のジアミン誘導体を用いて得られる重合体。
- 重合体がポリアミド酸、ポリイミド、ポリアミド、またはポリアミドイミドである、請求項7に記載の重合体。
- 請求項8に記載の重合体を含有するワニス。
- 請求項9に記載のワニスを用いて製造される液晶配向膜。
- 請求項10に記載の液晶配向膜を含有する液晶表示素子。
- フッ素系液晶組成物を含有する、請求項11に記載の液晶表示素子。
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