JP4161678B2 - ジアミン、それを用いた配向膜、および該配向膜を有する液晶表示素子 - Google Patents
ジアミン、それを用いた配向膜、および該配向膜を有する液晶表示素子 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はフルオロアルキルを有する新規なジアミン、ポリアミック酸、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ワニス、配向膜、および液晶表示素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示素子に用いられる配向膜は、通常、以下の工程を経て形成される。まず、ポリアミック酸またはポリイミドの溶液であるワニスを、スピンナー法や印刷法等により電極付ガラス基板表面に塗布する。該ガラス基板を加熱してポリアミック酸を脱水閉環させるか、またはポリイミド溶液に含まれる溶剤を蒸発させてポリイミドの膜を形成する。さらに、ラビング等の配向処理を行う。
【0003】
現在、配向膜に使用するワニスの原料には、一般式(3)〜(5)で表されるジアミンと、テトラカルボン酸二無水物またはジカルボン酸とを反応させて得られたポリアミック酸、またはポリアミドが使用されている。
【0004】
【0005】
【特許文献1】
米国特許公報3345412
【特許文献2】
米国特許公報4897092
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
配向膜には下記のような液晶表示素子にもたらす効果が要求される。
(A)液晶分子に適切なプレチルト角を付与すること。
(B)液晶分子の配向の欠陥が発生しないこと。
(C)液晶表示素子に適切な電圧保持率を与えること。
(D)液晶表示素子に、任意の画像を長時間表示させた後、別の画像に変えた時に、前の表示が残像として残る「焼き付き」と呼ばれる現象が起きにくいこと。
(E)液晶セルに同時に用いられる他の材料からの影響を受けないこと。
特にTFT型液晶表示素子に用いられる配向膜は、高い電圧保持率を有し、しかも焼き付き現象を起こしにくいことが要求されている。
【0007】
また、従来のポリアミック酸またはポリイミドを含有するワニスから製造された配向膜を有する液晶表示素子は、セルを貼り合わせるときに使用されるエポキシ樹脂系接着剤やアクリル酸系接着剤が液晶表示素子に封入された液晶に浸み出し、この不純物が配向膜に吸着されることに起因する配向不良や焼き付きと云った表示不良が発生する場合があった。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは前述の従来技術の問題点に鑑み鋭意研究を重ねた。その結果、フルオロアルキルを有する特定のジアミンをモノマー成分の1つとして製造されたポリアミック酸、ポリイミド、ポリアミド、またはポリアミドイミドを含有するワニスから製造された配向膜は、従来の配向膜と比べて、その表面エネルギーが小さいことを見出した。さらに、この配向膜を液晶表示素子に用いれば、配向不良や焼き付きと云った表示不良が起こりにくいことを見出し、本発明を完成させた。
【0009】
本発明の新規のジアミンは、本発明のポリアミック酸、ポリイミド、ポリアミド、またはポリアミドイミドの原料として有効である。さらに、本発明のジアミンは、特殊な装置や器具を用いることなく、比較的短い合成ルートで合成することが可能であり、容易且つ安価に得ることができる。
【0010】
本発明は以下の構成を有する。
(1)式(1)で表されるジアミン。
(式中、Xは炭素数1〜6のアルキレンであり、nは1〜10の整数であり、R1およびR2は独立して水素またはメチルであり、Yは水素、メチル、またはCmF2m + 1であり、mは1〜10の整数である。ただし、CnF2 n + 1およびYがどちらもCF3でありXに対してメタ位に結合している場合、両方のアミノ基がXに対してパラ位に位置することはない。)
【0011】
(2)CnF2n+1がXに対してオルト位に結合している前記第1項記載のジアミン。
【0012】
(3)Xが−CH2−またはCH2CH2−である前記第1項記載のジアミン。
【0013】
(4)R1、R2、およびYが水素である前記第1項記載のジアミン。
【0014】
(5)R1およびR2が水素であって、YがCmF2 m +1である前記第1項記載のジアミン。
【0015】
(6)式(2)で表されるジアミンと、ピロメリット酸二無水物およびシクロブタンテトラカルボン酸二無水物から製造されるポリアミック酸。
(式中、Xは炭素数1〜6のアルキレンであり、nは1〜10の整数であり、R1およびR2は独立して水素またはメチルであり、Yは水素、メチル、またはCmF2m + 1であり、mは1〜10の整数である。)
【0016】
(7)式(2)で表されるジアミンと、ピロメリット酸二無水物およびシクロブタンテトラカルボン酸二無水物から製造されるポリイミド。
(式中、Xは炭素数1〜6のアルキレンであり、nは1〜10の整数であり、R1およびR2は独立して水素またはメチルであり、Yは水素、メチル、またはCmF2m + 1であり、mは1〜10の数を表す。)
【0017】
(8)式(2)で表されるジアミンと、ピロメリット酸二無水物およびシクロブタンテトラカルボン酸二無水物から製造されるポリアミド。
(式中、Xは炭素数1〜6のアルキレンであり、nは1〜10の整数であり、R1およびR2は独立して水素またはメチルであり、Yは水素、メチル、またはCmF2m + 1であり、mは1〜10の整数である。)
【0018】
(9)式(2)で表されるジアミンと、ピロメリット酸二無水物およびシクロブタンテトラカルボン酸二無水物から製造されるポリアミドイミド。
(式中、Xは炭素数1〜6のアルキレンであり、nは1〜10の整数であり、R1およびR2は独立して水素またはメチルであり、Yは水素、メチル、またはCmF2m + 1であり、mは1〜10の整数である。)
【0019】
(10) 前記第6項記載のポリアミック酸、前記第7項記載のポリイミド、前記第8項記載のポリアミド、および前記第9項記載のポリアミドイミドからなる群より選ばれた少なくとも1つを含有するワニス。
【0020】
(11) 前記第10項記載のワニスから製造した配向膜。
【0021】
(12) 前記第11項記載の配向膜を用いた液晶表示素子。
【0023】
【発明の実施の形態】
本願第一の発明は、式(1)で表されるフルオロアルキルを有する新規なジアミン(以下「ジアミン(1)」と記載することもある。)である。なお、式(1)においては、CnF2 n + 1およびYがどちらもCF3でありXに対してメタ位に結合している場合には、両方のアミノ基がXに対してパラ位に位置することはない。
【0024】
本発明のジアミン(1)の用途は特に限定されるものではないが、例えば、ジアミン(1)と、テトラカルボン酸二無水物やジカルボン酸とを反応させ、ポリアミック酸、ポリイミド、ポリアミド、またはポリアミドイミドを合成する用途を挙げることができる。これらのポリアミック酸、ポリイミド、ポリアミド、およびポリアミドイミドは液晶配向膜に好適である。ジアミン(1)を原料として製造した配向膜は従来の配向膜に比べ表面エネルギーが小さい。
【0025】
前述のポリアミック酸、ポリイミド、ポリアミド、またはポリアミドイミドを用いて、ポリマーブレンドして得られたワニスを用いて配向膜を製造した場合には、表面エネルギーの小さいポリマーが膜表面に偏るいわゆる層分離が明確に発生し易い。
前述のポリアミック酸、ポリイミド、ポリアミド、またはポリアミドイミドを原料とする配向膜は、セルを貼り合わせるときに使用されるエポキシ樹脂系接着剤やアクリル酸系接着剤を吸着しにくい。該配向膜を用いた液晶表示素子においては焼き付きが発生し難い。さらに、得られる配向膜の表面エネルギーが小さくなることから、液晶表示素子作製時の表示素子への液晶注入が容易となる。
【0026】
また、ジアミン(1)は、各種ポリイミドコーティング剤、ポリイミド樹脂成型品、フィルム、または繊維などの原料として用いることができる。さらには、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリウレア樹脂の原料、あるいはエポキシ樹脂の硬化剤などとして用いることもできる。これらの場合はガスバリア性や吸湿性を向上させるためには、式(1)のnおよびmは大きいほうが好ましい。
【0027】
式(1)のXは、炭素数が1〜6の直鎖または分岐のアルキレンである。具体的には、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン、ヘキシレン、および−CH(CH3)2−などを挙げることができる。Xが炭素数1〜3のアルキレンであるジアミン(1)を原料とする配向膜を液晶表示素子に用いた場合には、焼き付きやラビング時の削れによる配向欠陥が発生し難い。特に本発明においてXは、メチレンまたはエチレンであることが好ましい。その場合には特に配向欠陥が発生し難い。
【0028】
Xが炭素数3〜6のアルキレンであるジアミン(1)を配向膜の原料として用いると、柔らかい配向膜が得られる。配向膜が柔らかくなるとアンカーリングエネルギーは小さくなるものの、膜が柔らかいことによりラビングの効果がより明確になる。従って、アンカーリングエネルギーが小さいことによる配向欠陥をカバーすることができる。
【0029】
本発明において、R1およびR2は独立して水素またはメチルである。Yは水素、メチル、またはCmF2m + 1である。
【0030】
本発明においてCnF2n+1は、Xに対してオルト位に結合しているこのが好ましい。その場合、本発明のジアミンの溶媒に対する溶解性は高くなる。
【0031】
式(1)のnは1〜10の整数であり、mは1〜10の整数である。nおよびmが1〜3の範囲であるジアミン(1)を配向膜の原料として用いれば、液晶のプレチルト角をおよそ0〜3度の範囲で制御することができる。nおよびmが4〜7の範囲であるジアミン(1)を配向膜の原料として用いれば、液晶のプレチルト角をおよそ5〜7度の範囲で制御することができる。nおよびmが7〜10の範囲であるジアミン(1)を配向膜の原料として用いれば、液晶のプレチルト角をおよそ10度以上とすることができる。
【0032】
本発明においては、式(1)中のR1、R2およびYが水素であるジアミン、および式(1)中のR1およびR2が水素であって、YがCmF2m + 1であるジアミンが好ましい。
【0033】
ジアミン(1)としては、式(1−1)〜式(1−3)によって示されるNo.1〜No.115の化合物(X、n、R1、R2、およびYは、表1〜表6に記載。)を挙げることができる。表の括弧内の数字は置換位置を表す。
【0034】
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】
【表3】
【0038】
【0039】
【表4】
【0040】
【表5】
【0041】
【0042】
【表6】
【0043】
ジアミン(1)は以下のような方法で容易に合成できる。Xが-CH2-であるジアミン(1)の合成例としてスキーム1(Scheme1)を示す。
【0044】
式(6−a)〜式(6−h)において、nは1〜10の整数を表し、R1およびR2は独立して水素またはメチルであり、R3は独立して水素、メチルおよび炭素数が1〜10のフルオロアルキルからなる群より選ばれる1つである。なお、Bnはベンジルである。
【0045】
アミノ安息香酸誘導体(6−a)を常法にしたがってヨウ素化し、続いて酸塩化物とすることにより酸クロライド誘導体(6−c)が得られる。該酸クロライド誘導体と銅試薬(6−d)とを、オーガニック・リアクションズ(Org.React.),(8),28(1954)に記載の方法を用いてカップリング反応させることによりベンゾフェノン誘導体(6−e)が得られる。該ベンゾフェノン誘導体を常法にしたがってシラン還元して化合物(6−f)とした後、該化合物(6−f)に、ジャーナル・オブ・ケミカル・ソサエティー・パーキン・トランス1(J.Chem.Soc.,Perkin Trans.1),(12),2387−5(1989)に記載の方法を用いてパーフルオロオロアルキル基を導入することにより化合物(6−g)が得られる。該化合物(6−g)に、ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー(J.Org.Chem.),(66),2561−7(2001)に記載の方法を用いてパラジウム触媒およびビフェニル配位子存在下ジベンジルアミノ基を導入し、さらに水素添加することにより、式(1)のXが-CH2-である本発明のジアミンが得られる。
【0046】
Xが-CH2CH2-であるジアミン(1)の合成例としてスキーム2(Scheme2)を示す。
【0047】
【0048】
式(6−c)、式(7−d)、および式(7−e)において、R1およびR2は独立して水素またはメチルであり、R3は独立して水素、メチルおよび炭素数が1〜10のフルオロアルキルからなる群より選ばれる1つである。
上記スキーム1で得られる式(6−c)で表される酸クロライド誘導体と、式(7−d)で表されるベンジルブロマイド誘導体とを、ケミストリー・レターズ(Chem.Lett.),1135−8(1981)に記載のパラジウム、亜鉛触媒を用いたカップリング反応させることによりジフェニルエタン−1−オン誘導体(7−e)が得られる。これ以降の反応は、スキーム1のベンゾフェノン誘導体(6−e)を該ジフェニルエタン−1−オン誘導体に代え、スキーム1に準じて反応を行うことにより、式(1)のXが-CH2CH2-である本発明のジアミンが得られる。
【0049】
なお、Xが炭素数3〜6のアルキレンであるジアミン(1)は、上記スキーム1またはスキーム2に準じて合成することができる。
【0050】
本願第二の発明は、式(2)で表されるジアミン(以下「ジアミン(2)」と記載することもある。)をモノマー成分の1つとして製造されるポリアミック酸、ポリイミド、ポリアミド、またはポリアミドイミドである。これ以降、それらのポリアミック酸、ポリイミド、ポリアミド、またはポリアミドイミドのそれぞれを、あるいはこれら全体をまとめて「ポリマー」と記載することがある。なお、本発明においては、ポリマーを合成するためのモノマーとして、複数のジアミン(2)を同時に用いても良い。
【0051】
【0052】
式(2)のX、n、R1、R2、およびYの定義、その具体例、およびその好ましい具体例は、前述の式(1)と同じである。また、CnF2n+1の好ましい結合位置についても式(1)と同じである。但し、式(2)のジアミンは式(1)のジアミンとは異なり、CnF2 n + 1およびYがどちらもCF3でありXに対してメタ位に結合している場合であっても、両方のアミノ基がXに対してパラ位に位置してもよい。
【0053】
式(2−1)〜式(2−3)によって示されるNo.116〜No.230の化合物(X、n、R1、R2、およびYは、表7〜表12に記載。)は、ジアミン(2)の具体例である。表の括弧内の数字は置換位置を表す。
【0054】
【0055】
【表7】
【0056】
【表8】
【0057】
【表9】
【0058】
【0059】
【表10】
【0060】
【表11】
【0061】
【0062】
【表12】
【0063】
ポリマーを用いてポリマーブレンドして得られたワニスを用いて配向膜を製造した場合には、表面エネルギーの小さいポリマーが膜表面に偏るいわゆる層分離が明確に発生し易い。
ポリマーを原料とする配向膜は、セルを貼り合わせるときに使用されるエポキシ樹脂系接着剤やアクリル酸系接着剤を吸着しにくい。該配向膜を用いた液晶表示素子においては焼き付きが発生し難い。さらに、得られる配向膜の表面エネルギーが小さくなることから、液晶表示素子を作製する時の表示素子への液晶注入が容易となる。
【0064】
nおよびmが1〜3の範囲であるジアミン(2)を配向膜の原料として用いれば、液晶のプレチルト角をおよそ0〜3度の範囲で制御することができる。該ジアミンとしては、例えば、No.116〜124、127、128、130〜138、144〜152、158〜166、169、170、172〜180、183、184、186〜189、191、193〜196、198、200〜203、205、207、208〜210、212、214、215〜217、219、および221〜230のジアミンを挙げることができる。これらの化合物を原料として用いた配向膜は、前述のようにプレチルト角が小さいことから、IPS用の配向膜として特に好適である。
【0065】
nおよびmが4〜6の範囲であるジアミン(2)を配向膜の原料として用いれば、液晶のプレチルト角をおよそ5〜7度の範囲で制御することができる。該ジアミンとしては、例えば、No.125、126、139〜142、153〜156、167、168、181、182、190、197、204、211、および218のジアミンを挙げることができる。
【0066】
式(2)におけるnおよびmが7〜10の範囲であるジアミンを配向膜の原料として用いれば、液晶のプレチルト角をおよそ10度以上とすることができる。該ジアミンとしては、例えば、No.129、143、157、171、185、192、199、206、213、および220のジアミンを挙げることができる。これらの化合物を原料として用いた配向膜は、前述のようにプレチルト角が大きいことから、OCBやVA用の配向膜として特に好適である。
【0067】
Xが炭素数1〜3のアルキレンであるジアミン(2)を原料とする配向膜を液晶表示素子に用いた場合には、焼き付きやラビング時の削れによる配向欠陥が発生し難い。Xがメチレンまたはエチレンである場合には特に配向欠陥が発生し難い。そのようなジアミンとしては、例えば、No.116〜143のジアミンを挙げることができる。
【0068】
Xが炭素数3〜6のアルキレンであるジアミン(2)を配向膜の原料として用いると、柔らかい配向膜が得られる。配向膜が柔らかくなるとアンカーリングエネルギーは小さくなるものの、膜が柔らかいことによりラビングの効果がより明確になる。従って、アンカーリングエネルギーが小さいことによる配向欠陥をカバーすることができる。該ジアミンとしては、例えば、No.144〜230のジアミンを挙げることができる。
【0069】
ジアミン(2)の各置換基X、n、R1、R2、およびYとアミノ基の置換位置は特に限定されるものではないが、ラビング時における配向膜の削れを改善する等の理由により、ポリマーの分子量を大きくしたい場合には、フルオロアルキル基に対しアミノ基がメタ位に位置するように選択することが好ましい。
【0070】
ジアミン(2)は、先にスキーム1およびスキーム2として示した合成方法により得ることができる。
【0071】
本願第2の発明であるポリマーは、ジアミン(2)と、酸無水物またはジカルボン酸とを反応させて得られるものである。その製造方法について具体的に説明する。
ジアミン(2)を溶媒中でテトラカルボン酸二無水物と反応させると本発明のポリアミック酸、ポリイミド、またはそれらの混合物を含有する溶液(ワニス)が得られる。該ワニスの溶媒を留去することにより、ポリアミック酸、ポリイミド、またはそれらの混合物が得られる。この時ジアミン(2)は単独で使用しても良いが、2つ以上を組み合わせても良い。また、本発明においてはジアミン(2)と他のジアミンとを組み合わせても良い。
【0072】
ジアミン(2)をテトラカルボン酸二無水物とジカルボン酸誘導体との混合物と反応させると本発明のポリアミドイミドが得られる。また、ジアミン(2)をジカルボン酸誘導体と反応させると本発明のポリアミドが得られる。なお、ジカルボン酸誘導体とは、ジカルボン酸またはジカルボン酸のジメチルエステル、ジエチルエステル等、ジアミン(2)と反応してポリアミドイミドまたはポリアミドを形成し得る化合物の総称である。
【0073】
本発明に使用する酸無水物は特に限定されるものではないが、具体的には下記の化合物を挙げることができる。
【0074】
【0075】
【0076】
【0077】
本発明においては、ジアミン(2)以外のジアミンを併用してもよい。その場合、式(2)で表されるジアミンは、使用するジアミンの総量に対して0.5モル%以上であることが好ましい。この範囲であれば本発明の効果が明確に認められる。
【0078】
ジアミン(2)と併用することができるその他のジアミンは、本発明の効果を損なわない範囲であれば特に限定されるものではないが、例えば、脂肪族ジアミン、脂環式ジアミンおよび芳香族ジアミンなどを挙げることができる。具体的には、下記ジアミンを挙げることができる。
【0079】
【0080】
【0081】
【0082】
Bnはベンジルである。
【0083】
【0084】
さらに、ジアミン(2)と併用することができるその他のジアミンとして、シロキサン結合を含んだシロキサン系ジアミンを挙げることができる。該シロキサン系ジアミンは特に限定されるものではないが、式(7)で表されるものが本発明において好ましく使用することができる。
【0085】
(式(7)中、R4およびR5は独立して炭素数1〜3のアルキルまたはフェニルである。また、R6はメチレン、フェニレンまたはアルキル置換されたフェニレンである。xは1〜6の整数を表し、yは1〜10の整数を表す)。
【0086】
本願第3の発明は、本願第2の発明であるポリマーから選ばれた少なくとも1つを含有するワニスである。ジアミン(2)と酸無水物またはジカルボン酸とを溶媒中で反応させると、ポリアミック酸、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、またはそれらの混合物を含有する溶液が得られる。本発明のワニスは該溶液であってもよく、該溶液から溶媒を留去して得られた固形物(以下「反応生成物」という。)を、該溶媒とは異なる溶媒に溶解させて得られたものであっても良い。
【0087】
反応生成物の溶解に使用する溶媒は、該反応生成物を溶解させることが可能なものであれば何れの溶媒であっても本発明に使用することができる。該溶媒としては、例えば、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMAc)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、エチレングリコールモノブチルエーテル(BC)、エチレングリコールモノエチルエーテル、g-ブチロラクトン(GBL)を挙げることができる。また、本発明において該溶媒は混合溶媒であっても良い。
【0088】
本発明のポリマーの含有割合は特に限定されるものではないが、ワニスの重量に対して0.1〜30重量%の範囲であることが好ましく、より好ましくは1〜10重量%の範囲である。この範囲であれば、配向膜の配向性を損なうことなく液晶の滴下注入後の滴下痕や、液晶に浸み出した接着剤に起因する不純物の配向膜への吸着による表示ムラが発生し難い。
【0089】
本発明のワニスには本発明の効果を損なわない範囲であれば、本発明以外のポリアミック酸、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、またはその他の高分子化合物を使用することができる。その際の本発明以外のポリアミック酸、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、またはその他の高分子化合物の含有割合は、ワニスが含有するポリアミック酸、ポリイミド、ポリアミド、またはポリアミドイミドの総重量に対して0.01〜30重量%の範囲であることが好ましく、より好ましくは0.01〜10重量%の範囲であり、特に好ましくは0.1〜5重量%の範囲である。
【0090】
さらに、本発明のワニスに有機ケイ素化合物を添加すれば、本発明のワニスを用いた配向膜のガラス基盤への密着性が改善される。有機ケイ素化合物は特に限定されるものではないが、例えば、アミノプロピルトリメトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランなどのシランカップリング剤、ジメチルポリシロキサン、ポリジメチルシロキサン、ポリジフェニルシロキサンなどのシリコーンオイルを挙げることができる。
【0091】
該有機ケイ素化合物のワニスへの添加割合は特に限定されるものではないが、ワニスが含有する反応生成物に対し、0.01〜5重量%、好ましくは0.1〜3重量%である。
【0092】
本願第4の発明は、本発明のワニスから製造された配向膜である。本発明の配向膜はあらゆる液晶表示素子に用いることができ、且つあらゆる液晶表示素子において本発明の効果を奏する。その中でも、高い電圧保持率が要求されるTFT用液晶表示素子に用いた場合には焼き付き防止、配向不良と云った本発明の効果が顕著に認められる。
【0093】
本発明配向膜の製造方法は特に限定されるものではないが、具体的には下記の手順によって製造することができる。本発明のワニスを刷毛塗り法、浸漬法、スピンナー法、スプレー法または印刷法等により透明電極付きガラス基板に塗布し、次いで、該ガラス基板の温度を50〜150℃、好ましくは80〜120℃とし溶媒を蒸発させた後、該温度を150〜400℃、好ましくは180〜280℃とすることにより該ガラス基板表面に膜が形成される。この膜表面を布などで一方向にラビングすることにより本発明の配向膜が得られる。
【0094】
なお、透明電極付きガラス基板に本発明のワニスを塗布する前に、該ガラス基板表面をシランカップリング剤で処理すれば、該ガラス基板表面に形成される配向膜と基板との接着性が向上する。
【0095】
本願第5の発明は、本発明の配向膜を用いた液晶表示素子である。本発明の液晶表示素子に使用する液晶組成物は特に限定されるものではなく、何れの液晶組成物を用いてもよい。本発明の配向膜はTFT素子を作製するのに好適である。本発明の配向膜を有するTFT素子には、特許第3086228号公報、特許2635435号公報、特表平5−501735号公報、特開2001−48822、特開2001−192657および特開平9−255956号公報等に記載された、末端に−OCF3基を有する化合物やフッ素原子を1〜3個あるいはそれ以上有する化合物などを含有し、高い電圧保持率を有するフッ素系液晶組成物が特に好適に用いられる。
【0096】
【実施例】
以下実施例により本発明を詳細に説明する。実施例中、NMRはすべて重クロロホルム中で測定した。分子量の測定はGPCを用い、ポリスチレンを標準溶液とし、溶出液はDMFを用いた。なお本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0097】
液晶表示素子の評価法
以下に実施例で用いた液晶表示素子の評価法を記載する。なお、本実施例中に記載された諸物性の測定値は、25℃の値である。
プレチルト角
クリスタルローテーション法により行った。なお、測定波長は589nmである。
【0098】
焼き付き(残留電荷)
「三宅他、信学技報、EID91−111,p19」に記載の方法に準拠して残留電荷を測定した。測定は液晶セルに50mV、1kHzの交流に周波数0.0036Hzの±10Vの三角波を重畳させ行った。この残留電荷を焼き付けの指標とした。つまりは残留電荷が大きいほど焼き付きやすいとした。
【0099】
電圧保持率
「水嶋他、第14回液晶討論会予稿集、p78」に記載の方法に準拠し行った。測定時セルに印加した電圧はゲート幅69ms、周波数30Hz、波高±4.5Vであった。
【0100】
(4) 表面エネルギーの測定
配向膜の表面エネルギーの測定は表面エネルギーの極性成分、分散成分が既知である2つの液体を用いてその接触角を測定し算出した。
接触角の値は以下のような式から表面エネルギーと関係づけられる。
固体表面(固体の表面エネルギーをγSとする)に表面エネルギーγLを持つ液体が接触角θで平衡になっている場合を示す。この系では、Youngの式が成立する。
γS = γSL + γLcosθ ▲1▼
ここで、γSLは固体と液体の間に働くエネルギーで界面の相互作用力と関係がある。付着の仕事は
Wa = γS + γL − γSL ▲2▼
で表され、▲1▼式と組み合わせると、
Wa = γL(1+cosθ) ▲3▼
となる。ここで、Forkesらの考えに基づいて、表面エネルギーを分散成分(γD)と極性成分(γP)にわけると、
γ = γD + γP ▲4▼
となる。ここで、表面エネルギーの分散成分は分散成分、極性成分は極性成分とのみ相互作用すると仮定すると、
Wa =2×(γS DγL D)1/2 + 2×(γS PγL P)1/2 ▲5▼
▲3▼▲5▼式より
γL(1+cosθ)=2×(γS DγL D)1/2 + 2×(γS PγL P)1/2 ▲6▼
これから、表面エネルギーの分散成分、極性成分が既知である液体2種類を用いて、接触角を測定すれば基盤の表面エネルギーの分散成分、極性成分を算出することができる。
以下の例においては、表面エネルギーの値が既知である純水(H2O)および エチレングリコール(EG)を用いて表面エネルギーを求めた。なお、使用した表面エネルギーの分散成分、極性成分の値は以下の通りである。
(5)シール材等から配向膜への不純物吸着(Vthムラ)
液晶セルに電圧を掛け表示を行ったとき、表示不良となっている部分を目視により観察した。
【0101】
実験例1
【0102】
第1工程
市販の2−アミノ−4−クロロ安息香酸25g(150mmol)を6M塩酸500mLに溶かし0℃に冷却した。これに、硝酸ナトリウム13g(190mmol)を純水20mLに溶かした水溶液を反応溶液が5℃を越えないように徐々に滴下し、反応溶液の温度を5℃以下に保持しつつ1時間攪拌した。ヨウ化カリウム121g(730mmol)を純水(200mL)に溶かした水溶液を反応溶液が5℃を越えないように徐々に滴下した。反応溶液を室温まで昇温しさらに2時間攪拌した。反応溶液を酢酸エチル500mLで抽出し、有機層を3M−HCl300mL、飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液300mL次いで純水300mLで洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後ろ過し、溶媒を減圧留去し、粗結晶を得た。この粗結晶をトルエンから再結晶し4−クロロ−2−ヨード安息香酸を得た。収量33g、収率80%。
【0103】
第2工程
上記4−クロロ−2−ヨード安息香酸45g(160mmol)、および塩化チオニル95g(800mmol)をトルエン300mLに溶かし、これにDMFを2、3滴加えて3時間加熱還流した。溶媒を減圧留去し、粗結晶を得た。この粗液体を減圧蒸留し、4−クロロ−2−ヨードベンゾイルクロライドを得た。収量37g、収率74%。
【0104】
第3工程
マグネシウム2.6g(110mmol)を乾燥THF20mLに溶かし、これに4−ブロモクロロベンゼン20g(110mmol)を乾燥THF20mLに溶かした溶液をゆっくり滴下し、1時間攪拌した。得られた溶液を、ヨウ化銅20g(110mmol)を乾燥THF20mLに溶かした−78℃の溶液に加えた。反応液を室温まで昇温し30分攪拌した後、再び−78℃に冷却した。これに上記の4−クロロ−2−ヨードベンゾイルクロライド32g(110mmol)を乾燥THF150mLに溶かした溶液をゆっくり加え、室温まで昇温し2時間攪拌した。反応溶液を純水300mLにあけ、酢酸エチル500mLで抽出し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。この有機層をろ過し、次いで溶媒を減圧留去し得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル/トルエン:ヘプタン1:1)で分離精製した。溶媒を減圧留去し、得られた粗結晶をヘプタンから再結晶して4,4’−ジクロロ−2−ヨードベンゾフェノンを得た。収量26g、収率67%。
【0105】
第4工程
上記4,4’−ジクロロ−2−ヨードベンゾフェノン13g(35mmol)を塩化メチレン260mLに溶かし10℃以下に冷却した。この塩化メチレン溶液の温度を10℃に保持しつつ、四塩化チタン5.3mL(65mmol)、続いてトリエチルシリルハイドライド12g(100mmol)を加えた。さらにこの反応液を10℃以下に保ちながら3時間攪拌した。反応液を氷水300mLにあけ3MHCl300mLを加えた後、塩化メチレン300mLで抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液300mL、続いて純水300mLで洗浄した後、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。この有機層をろ過し、次いで溶媒を減圧留去し得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル/ヘプタン)で分離精製した。溶媒を減圧留去し、得られた粗結晶をヘプタンから再結晶して1−(4−クロロ−2−ヨードフェニル)−1−(4−クロロフェニル)メタンを得た。収量11g、収率87%。
【0106】
第5工程
上記1−(4−クロロ−2−ヨードフェニル)−1−(4−クロロフェニル)メタン11g(30mmol)、フルオロスルホニル(ジフルオロ)酢酸メチル10g(54mmol)、ヨウ化銅1.1g(6.0mmol)をDMF300mLに溶かし、系内を窒素雰囲気とした後、80℃で3時間攪拌した。放冷後、この反応液に純水300mLを加え酢酸エチル300mLで抽出し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。この有機層をろ過し、次いで溶媒を減圧留去し得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル/ヘプタン)で分離精製した。溶媒を減圧留去し、得られた粗結晶をヘプタンから再結晶して1−(4−クロロ−2−トリフルオロメチルフェニル)−1−(4−クロロフェニル)メタンを得た。収量8.4g、収率91%。
【0107】
第6工程
上記1−(4−クロロ−2−トリフルオロメチルフェニル)−1−(4−クロロフェニル)メタン6.5g(21mmol)、ジベンジルアミン11g(54mmol)、トリス(ジベンジルアセトン)ジパラジウム0.39g(0.43mmol)、2−(ジ−t−ブチルホスフィノ)ビフェニル0.25g(0.85mmol)、ナトリウム−t−ブトキサイド5.7g(59mmol)をトルエン50mLに溶かし、系内をアルゴン雰囲気下とし、この溶液を80℃で6時間攪拌した。放冷後この溶液に純水200mLを加え、酢酸エチル300mLで抽出した。有機層を純水200mLで洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。この有機層をろ過し、次いで溶媒を減圧留去し得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル/ヘプタン:トルエン=2:1)で分離精製した。溶媒を減圧留去し、得られた粗結晶をヘプタンから再結晶して1−(4−ジベンジルアミノ−2−トリフルオロメチルフェニル)−1−(4−ジベンジルアミノフェニル)メタンを得た。収量3.7g、収率27%。
1H NMR(ppm):3.90(s、−CH2−、2H)、4.61(d、−CH2−、8H、J=6.68Hz)、6.63−7.31(m、arm H、27H)
【0108】
第7工程
上記の1−(4−ジベンジルアミノ−2−トリフルオロメチルフェニル)−1−(4−ジベンジルアミノフェニル)メタン3.6g(5.8mol)、20%水酸化パラジウム活性炭0.36gをトルエン50mL、エタノール50mLの混合溶媒に加え、水素圧8kgf/cm3の条件下25℃で12時間攪拌した。パラジウム活性炭を除去した後、該混合溶媒を減圧留去し、得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル/トルエン:メタノール=10:1)で分離精製した。この分離精製により得られた粗結晶をヘプタンから再結晶し目的とする1−(4−アミノ−2−トリフルオロメチルフェニル)−1−(4−アミノフェニル)メタンを得た。収量1.4g、収率88%。
融点;109−111℃
1H NMR(ppm):3.65(br.s、−NH2、4H)、3.93(s、−CH2−、2H)、6.60−7.26(m、arm H,7H)
【0109】
実験例2
(表1、No.2)の合成。
【0110】
マグネシウム2.6g(110mmol)を乾燥THF20mLに溶かし、これにo−ジブロモベンゼン25g(110mmol)を乾燥THF20mLに溶かした溶液をゆっくり滴下し、1時間攪拌した。この溶液を、ヨウ化銅20g(110mmol)を乾燥THF20mLに溶かした−78℃の溶液に加えた。次いでこの反応液を室温まで昇温し30分攪拌した後、再び−78℃に冷却した。これに2−(トリフルオロメチル)ベンゾイルクロリド18g(87mmol)を乾燥THF100mLに溶かした溶液をゆっくり加え、室温まで昇温し2時間攪拌した。上記実験例1の第3工程に準じて抽出と洗浄を行い、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル/トルエン:ヘプタン1:1)および再結晶(ヘプタン)で精製することによって2−ブロモ-2’-トリフルオロメチルベンゾフェノンを得た。収量24g、収率82%。
【0111】
4,4’−ジクロロ−2−ヨードベンゾフェノンを上記2−ブロモ-2’-トリフルオロメチルベンゾフェノン23g(70mmol)に、四塩化チタンの量を9.2mL(84mmol)に、トリエチルシリルハイドライドの量を23g(190mmol)に代えた以外は、実験例1の第4工程に準じて反応を行い、2−ブロモ-2’-トリフルオロメチルジフェニルメタンを得た。収量20g、収率91%。
【0112】
1−(4−クロロ−2−ヨードフェニル)−1−(4−クロロフェニル)メタンを上記2−ブロモ-2’-トリフルオロメチルジフェニルメタン20g(63mmol)に、フルオロスルホニル(ジフルオロ)酢酸メチルの量を22g(110mmol)に、ヨウ化銅の量を2.4g(13mmol)に代えた以外は、実験例1の第5工程に準じて反応を行い、2,2’-ビストリフルオロメチルジフェニルメタンを得た。収量19g、収率85%。
【0113】
硫酸23g(230mmol)中に硝酸15g(240mmol)を10℃以下で加え、これに上記2,2’-ビストリフルオロメチルジフェニルメタン18g(59mmol)を室温で加えた。55℃で1時間反応させた後、室温まで冷却し、純水100mLおよび塩化メチレン100mLで抽出を行った。有機層をNaHCO3水溶液(100mL)および純水(100mL)で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。この有機層をろ過し、溶媒を減圧留去した後、残さをカラムクロマトグラフィー(シリカゲル/ヘプタン:トルエン=2:1)および再結晶(ヘプタン)で精製することによって4,4’−ジニトロ−2,2’−ビストリフルオロメチルジフェニルメタンを得た。収量17g、収率73%。
【0114】
上記4,4’−ジニトロ−2,2’−ビストリフルオロメチルジフェニルメタン16g(40mmol)、5%パラジウム活性炭0.80gをトルエン75mL、エタノール75mLの混合溶媒に加え、水素圧8kgf/cm3の条件下25℃で5時間攪拌した。パラジウム活性炭を除去した後、該混合溶媒を減圧留去し、得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル/トルエン:メタノール=10:1)および再結晶(ヘプタン)で精製することにより目的とする4,4’−ジアミノ−2,2’−ビストリフルオロメチルジフェニルメタンを得た。収量10g、収率75%。
【0115】
実験例3
(表1、No.15)の合成。
【0116】
4−クロロ−2−ヨードベンゾイルクロライド21g(70mmol)、4−クロロベンジルブロマイド14g(70mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム4.0g(3.5mmol)および亜鉛粉末9.2g(140mmol)をジメチルホルムアミド100mLに加え室温で2時間攪拌した。この反応溶液をろ過し沈澱を取り除いた後、純水200mLを加え、トルエン300mLで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。この有機層から溶媒を減圧留去し得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル/トルエン:ヘプタン=1:1)および再結晶(ヘプタン)で精製することにより1−(4−クロロ−2−ヨードフェニル)−2−(4−クロロフェニル)エタン−1−オンを得た。収量19g、収率70%。
【0117】
4,4’−ジクロロ−2−ヨードベンゾフェノンを上記1−(4−クロロ−2−ヨードフェニル)−2−(4−クロロフェニル)エタン−1−オン19g(49mmol)に、四塩化チタンの量を9.2mL(84mmol)に、トリエチルシリルハイドライドの量を20g(174mmol)に代えた以外は、実験例1の第4工程に準じて反応を行い、1−(4−クロロ−2−ヨードフェニル)−2−(4−クロロフェニル)エタンを得た。収量16g、収率86%。
【0118】
1−(4−クロロ−2−ヨードフェニル)−1−(4−クロロフェニル)メタンを1−(4−クロロ−2−ヨードフェニル)−2−(4−クロロフェニル)エタン11g(30mmol)に代えた以外は、実験例1の第5工程に準じて反応を行い、1−(4−クロロ−2−トリフルオロメチル)−2−(4−クロロフェニル)エタンを得た。収量8.0g、収率83%。
【0119】
1−(4−クロロ−2−トリフルオロメチルフェニル)−1−(4−クロロフェニル)メタンを上記1−(4−クロロ−2−トリフルオロメチル)−2−(4−クロロフェニル)エタン6.4g(20mmol)に、ジベンジルアミンの量を9.9g(50mmol)に、トリス(ジベンジルアセトン)ジパラジウムの量を0.37g(0.40mmol)に、2−(ジ−t−ブチルホスフィノ)ビフェニルの量を0.24g(0.80mmol)に、ナトリウム−t−ブトキサイドの量を5.4g(56mmol)に、カラムクロマトグラフィーに用いた溶媒をヘプタン:トルエン=2:1に代えた以外は、実験例1の第4工程に準じて反応を行い、1−(4−ジベンジルアミノ−2−トリフルオロメチル)−2−(4−ジベンジルアミノフェニル)エタンを得た。収量2.8g、収率22%。
【0120】
1−(4−ジベンジルアミノ−2−トリフルオロメチルフェニル)−1−(4−ジベンジルアミノフェニル)メタンを上記1−(4−ジベンジルアミノ−2−トリフルオロメチル)−2−(4−ジベンジルアミノフェニル)エタン2.8g(4.4mol)に代えた以外は、実験例1の工程7に準じて反応を行い、目的とする1−(4−アミノ−2−トリフルオロメチル)−2−(4−アミノフェニル)エタンを得た。収量1.2g、収率95%。
【0121】
実験例4
(表1、No.13)の合成。
【0122】
実験例1の第4工程にて得られた1−(4−クロロ−2−ヨードフェニル)−1−(4−クロロフェニル)メタン4.4g(12mmol)、ヨウ化ヘプタデカフルオロオクチル4.6g(13mmol)、および銅粉2.5g(40mmol)をDMSO60mLに加え、系内を窒素雰囲気下とし120℃で12時間攪拌した。放冷後、この反応液をろ過し、ろ液に純水100mLを加え酢酸エチル100mLで抽出し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。この有機層をろ過し、次いで溶媒を減圧留去し得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル/ヘプタン)で分離精製した。溶媒を減圧留去し、得られた粗結晶をヘプタンから再結晶して1−(4−クロロ−2−ヘプタデカフルオロオクチルフェニル)−1−(4−クロロフェニル)メタンを得た。収量6.3g、収率80%。
【0123】
1−(4−クロロ−2−トリフルオロメチルフェニル)−1−(4−クロロフェニル)メタンを上記1−(4−クロロ−2−ヘプタデカフルオロオクチルフェニル)−1−(4−クロロフェニル)メタン6.3g(9.6mmol)に、ジベンジルアミンの量を4.7g(24mmol)に、トリス(ジベンジルアセトン)ジパラジウムの量を0.14g(0.19mmol)に、2−(ジ−t−ブチルホスフィノ)ビフェニルの量を0.11g(0.38mmol)に、ナトリウム−t−ブトキサイドの量を5.7g(59mmol)に代えた以外は、実験例1の第6工程に準じて反応を行い、1−(4−ジベンジルアミン−2−ヘプタデカフルオロオクチルフェニル)−1−(4−ジベンジルアミンフェニル)メタンを得た。収量2.1g、収率22%。
【0124】
1−(4−ジベンジルアミノ−2−トリフルオロメチルフェニル)−1−(4−ジベンジルアミノフェニル)メタンを上記1−(4−ジベンジルアミン−2−ヘプタデカフルオロオクチルフェニル)−1−(4−ジベンジルアミンフェニル)メタン2.1g(2.1mol)に代えた以外は、実験例1の第7工程に準じて反応を行い、目的とする1−(4−アミノ−2−ヘプタデカフルオロオクチルフェニル)−1−(4−アミノフェニル)メタンを得た。収量1.2g、収率94%。
【0125】
実験例5
(表1、No.3)の合成。
【0126】
マグネシウム1.5g(60mmol)を乾燥THF20mLに溶かし、これに2−ブロモ−5−クロロトルエン12g(60mmol)を乾燥THF10mLに溶かした溶液をゆっくり滴下し、1時間攪拌した。得られた溶液を、ヨウ化銅11g(60mmol)を乾燥THF10mLに溶かした−78℃の溶液に加えた。反応液を室温まで昇温し30分攪拌した後、再び−78℃に冷却した。このものに4−クロロ−2−ヨードベンゾイルクロライド18g(60mmol)を乾燥THF100mLに溶かした溶液をゆっくり加え、室温まで昇温し2時間攪拌した。反応混合溶液を純水200mLにあけ、酢酸エチル300mLで抽出し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。この有機層をろ過し、次いで溶媒を減圧留去し得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィー(トルエン:ヘプタン1:1)で分離精製した。溶媒を減圧留去し、得られた粗結晶をヘプタンでから再結晶して4,4’−ジクロロ−2−ヨード−2’−メチルベンゾフェノンを得た。収量15g、収率65%。
【0127】
4,4’−ジクロロ−2−ヨードベンゾフェノンを上記4’−ジクロロ−2−ヨード−2’−メチルベンゾフェノン15g(37mmol)に、四塩化チタンの量を9.8g(51mmol)に代えた以外は、実験例1の第4工程に準じて反応を行い、1、1−(4−クロロ−2−ヨードフェニル)−(4−クロロ−2−メチルフェニル)メタンを得た。収量12g、収率87%。
【0128】
1−(4−クロロ−2−ヨードフェニル)−1−(4−クロロフェニル)メタンを上記1、1−(4−クロロ−2−ヨードフェニル)−(4−クロロフェニル)メタン12g(32mmol)に、フルオロスルホニル(ジフルオロ)酢酸メチルの量を11g(58mmol)に、ヨウ化銅の量を0.73g(3.8mmol)に代えた以外は、実験例1の第5工程に準じて反応を行い、1−(4−クロロ−2−トリフルオロメチルフェニル)−1−(4−クロロ−2−メチルフェニル)メタンを得た。収量9.6g、収率94%。
【0129】
1−(4−クロロ−2−トリフルオロメチルフェニル)−1−(4−クロロフェニル)メタンを上記1−(4−クロロ−2−トリフルオロメチルフェニル)−1−(4−クロロ−2−メチルフェニル)メタン9.6g(30mmol)に、ジベンジルアミンの量を15g(75mmol)に、トリス(ジベンジルアセトン)ジパラジウムの量を0.55g(0.60mmol)に、2−(ジ−t−ブチルホスフィノ)ビフェニルの量を0.36g(1.2mmol)に、ナトリウム−t−ブトキサイドの量を8.1g(84mmol)に代えた以外は、実験例1の第6工程に準じて反応を行い、1−(4−ジベンジルアミノ−2−トリフルオロメチルフェニル)−1−(4−ジベンジルアミノ−2−メチルフェニル)メタンを得た。収量4.2g、収率22%。
【0130】
1−(4−ジベンジルアミノ−2−トリフルオロメチルフェニル)−1−(4−ジベンジルアミノフェニル)メタンを上記1−(4−ジベンジルアミノ−2−トリフルオロメチルフェニル)−1−(4−ジベンジルアミノ−2−メチルフェニル)メタン4.2g(6.6mol)に代えた以外は、実験例1の第6工程に準じて反応を行い、目的とする1−(4−アミノ−2−トリフルオロメチルフェニル)−1−(4−アミノフェニル)メタンを得た。収量1.7g、収率93%。
【0131】
実験例6
(表1、No.106)の合成。
【0132】
マグネシウム2.5g(100mmol)を乾燥THF20mLに溶かし、これを3−ブロモクロロベンゼン20g(100mmol)を乾燥THF20mLに溶かした溶液をゆっくり滴下し、1時間攪拌した。得られた溶液を、ヨウ化銅20g(100mmol)を乾燥THF20mLに溶かした−78℃の溶液に加えた。反応液を室温まで昇温し30分攪拌した後、再び−78℃に冷却した。ここに5−クロロ−2−ヨードベンゾイルクロライド31g(100mmol)を乾燥THF150mLに溶かした溶液をゆっくり加え、室温まで昇温し2時間攪拌した。反応液を純水300mLにあけ、酢酸エチル500mLで抽出し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。この有機層をろ過し、次いで溶媒を減圧留去し得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル/トルエン:ヘプタン1:1)および再結晶(ヘプタン)で精製することにより5,4’−ジクロロ−2−ヨードベンゾフェノンを得た。収量28g、収率71%。
【0133】
4,4’−ジクロロ−2−ヨードベンゾフェノンを上記5、4’−ジクロロ−2−ヨードベンゾフェノン26g(70mmol)に、四塩化チタンの量を18g(130mmol)に、トリエチルシリルハイドライドの量を23g(200mmol)に代えた以外は、実験例1の第4工程に準じて反応を行い、1−(5−クロロ−2−ヨードフェニル)−1−(4−クロロフェニル)メタンを得た。収量11g、収率85%。
【0134】
1−(4−クロロ−2−ヨードフェニル)−1−(4−クロロフェニル)メタンを上記1−(5−クロロ−2−ヨードフェニル)−1−(4−クロロフェニル)メタン9.1g(25mmol)に、フルオロスルホニル(ジフルオロ)酢酸メチルの量を8.6g(45mmol)に代えた以外は、実験例1の第5工程に準じて反応を行い、1−(5−クロロ−2−トリフルオロメチルフェニル)−1−(4−クロロフェニル)メタンを得た。収量7.4g、収率97%。
【0135】
1−(4−クロロ−2−トリフルオロメチルフェニル)−1−(4−クロロフェニル)メタンを上記1−(5−クロロ−2−トリフルオロメチルフェニル)−1’−(4−クロロフェニル)メタン7.4g(24mmol)に、ジベンジルアミンの量を12g(61mmol)に、トリス(ジベンジルアセトン)ジパラジウムの量を0.46g(0.49mmol)に、2−(ジ−t−ブチルホスフィノ)ビフェニルの量を0.29g(0.97mmol)に、ナトリウム−t−ブトキサイドの量を6.5g(68mmol)に、カラムクロマトグラフィーに用いた溶媒をヘプタンに代えた以外は、実験例1の第6工程に準じて反応を行い、1−(5−ジベンジルアミノ−2−トリフルオロメチルフェニル)−1’−(4−ジベンジルアミノフェニル)メタンを得た。収量3.4g、収率25%。
【0136】
1−(4−ジベンジルアミノ−2−トリフルオロメチルフェニル)−1−(4−ジベンジルアミノフェニル)メタンを上記1−(5−ジベンジルアミノ−2−トリフルオロメチルフェニル)−1’−(4−ジベンジルアミノフェニル)メタン3.4g(5.4mol)に代えた以外は、実験例1の第7工程に準じて反応を行い、目的とする1−(5−アミノ−2−トリフルオロメチルフェニル)−1’−(4−アミノフェニル)メタンを得た。収量1.3g、収率91%。
【0137】
実験例7(ワニスA(ポリアミック酸)の調製)
200mL4つ口フラスコに、実験例1で合成した1−(4−アミノ−2−トリフルオロメチルフェニル)−1−(4−アミノフェニル)メタン0.98g(3.7mmol)および1,1−ビス(4−((アミノフェニル)メチル)フェニル)−4−ヘプチルシクロヘキサン(APM7C6)2.0g(3.7mmol)を入れNMP27gに溶解した。この溶液にピロメリット酸二無水物(PMDA)0.80g(3.7mmol)およびシクロブタンテトラカルボン酸二無水物(CBDA)0.72g(3.7mmol)を加え1時間攪拌した。得られた溶液をg-ブチロラクトン(GBL)27gおよびBC32gで希釈することによりポリアミック酸5重量%の透明液体が得られた。この溶液の平均分子量は17.5万であり、25℃での粘度は36mPa・sであった。以下この溶液をワニスAとする。
【0138】
実験例8(ポリアミドの調製)
500mL3つ口フラスコに、実験例1で合成した1−(4−アミノ−2−トリフルオロメチルフェニル)−1−(4−アミノフェニル)メタン3.3g(12mmol)、APM7C66.8g(12mmol)、テレフタル酸(TPA)4.1g(25mmol)、ピリジン1mLおよび塩化リチウム6.0g(140mmol)を入れNMP(200mL)に溶解させた。この溶液に亜リン酸トリフェニル19g(60mmol)を滴下し、窒素気流中100℃で4時間反応させた。冷却後反応物をメタノールにあけ、ポリマーを再沈澱させてろ過し粗生成物を得た。この粗生成物を純水500mLで2回、メタノール500mLで1回それぞれ30分程度煮沸洗浄した。120℃で8時間真空乾燥させポリアミド11gを得た。このポリアミドの重量平均分子量は10万であった。
【0139】
3つ口フラスコに上記ポリアミド11gを入れ、NMP150mLに溶解させた。この溶液にナトリウムメトキシド2.6g(50mmol)を加え、さらに室温で3時間攪拌した。この溶液にヨウ化メチル8.4g(60mmol)を加え、さらに室温で2時間反応させた。反応物を純水2.5Lにあけて再沈澱させ、ろ過した後、純水1Lで2回それぞれ30分間煮沸洗浄した後、純水/IPA(1/1w/w)混合溶媒500mLで一回洗浄した。120℃で9時間真空乾燥させポリメチルアミド8.0gを得た。このポリマーをポリアミドAとする。このときの平均分子量は6万であり、アミド水素のメチル基への置換率はNMR測定から100%であった。
【0140】
実験例9(ポリアミドイミドの調製)
50mlの3つ口フラスコに、実験例1で合成した1−(4−アミノ−2−トリフルオロメチルフェニル)−1−(4−アミノフェニル)メタン0.32g(1.2mmol)およびAPM7C60.65g(1.2mmol)を入れ、NMP20gに溶解した。この溶液にPMDA0.27g(1.2mmol)を加え、窒素気流中、1時間攪拌した。次いでテレフタル酸クロリド(TPACl)0.25g(1.2mmol)およびピリジン1mlを加え、さらに2時間攪拌した。反応終了後、無水酢酸20mlを加え100℃で1時間反応させた。冷却後反応物をメタノール300mlに加え、ポリマーを再沈澱させた。この粗生成物を、純水150mlで2回、メタノール150mlで1回、それぞれ30分程度煮沸洗浄した。120℃で7時間真空乾燥させポリアミドイミド1.2gを得た。このときの重量平均分子量は11万であった。
【0141】
3つ口フラスコに上記ポリアミドイミド1.0gを入れ、NMP(20ml)に溶解させた。ここに60%水素化ナトリウム94mg(2.3mmol) を加え、室温で3時間攪拌させた。この溶液にヨウ化メチル430g(3.0mmol)を添加し、さらに室温で2時間反応させた。反応物を純水300mlに再沈させ、ろ過した後、純水150mlで2回各30分間煮沸洗浄した後、純水/IPA(1/1 w/w)混合溶媒50mlで1回洗浄した。120℃で8時間真空乾燥させ目的とするポリアミドイミド960mgを得た。このポリマーをポリアミドイミドAとする。このときの重量平均分子量は4.3万であり、アミド水素のメチル基への置換率は、NMRの測定から97%であった。
【0142】
ジアミンの一部を表13に示したものに代えた以外は、実験例7〜9の方法に準じて実験例10〜18のワニス、ポリアミド、およびポリアミック酸を調製した。(実施例7、8も再掲する。)表14に合成したワニスの重量平均分子量および粘度を示す。
【0143】
【表13】
(カッコ内はモル%濃度)
APM7C6:1、1−ビス(4−((アミノフェニル)メチル)フェニル)−4−ヘプチルシクロヘキサン
DDM:4、4’−ジアミノジフェニルメタン
DDE:4、4’−ジアミノジフェニルエーテル
PMDA:ピロメリット酸二無水物
CBDA:シクロブタンテトラカルボン酸二無水物
TPA:テレフタル酸
【0144】
【表14】
【0145】
実験例19
3つ口フラスコにワニスAおよびワニスHをそれぞれ0.18mLおよび18.2mL量り取り、さらにポリアミドAの5重量%NMP溶液0.02mLを加え室温で1時間攪拌した。その後BC12mLを加え約3重量%の樹脂組成物を得た。片面にITO電極を設けた透明ガラス基板上にこの組成物を滴下し、スピンナー法により塗布した(2500rpm、15秒)。塗布後80℃で5分間溶媒を蒸発させた後、オーブン中で250℃30分間加熱処理を行い、膜厚約60nmの樹脂膜を得た。この樹脂膜の表面エネルギーを測定したところ、分散成分(γsD)は24.98mJm−2であり、極性成分(γsP)は5.37mJm−2であった。
この樹脂膜を形成したガラス基板上をラビング処理することにより配向膜とし、ラビング方向が逆平行になるようにこの配向膜二枚を合わせ、セル厚20mmの液晶セルを組み立てた。このセルに化合物からなる液晶組成物Aを注入し、110℃で30分間アイソトロピック処理を行い、室温まで冷却し、液晶表示素子を得た。この液晶表示素子の残留電荷は25℃で0.085Vであり、30Hzおよび0.3Hzでの電圧保持率はそれぞれ98.1%、91.2%であった。また、この表示素子のプレチルト角は7.0度であった。またVthムラは全く観察されなかった。
【0146】
【0147】
実験例20
ワニスAの代わりにワニスBを用いた以外は実験例19の方法に準じて液晶表示素子を作成し、その残留電荷を測定したところ25℃で0.089Vであり、30Hzおよび0.3Hzでの電圧保持率はそれぞれ97.6%、90.5%であった。また、この表示素子のプレチルト角は7.1度であった。またVthムラは全く観察されなかった。
【0148】
実験例21
ワニスAの代わりにワニスCを用いた以外は実験例19の方法に準じて液晶表示素子を作成し、その残留電荷を測定したところ25℃で0.083Vであり、30Hzおよび0.3Hzでの電圧保持率はそれぞれ94.2%、88.9%であった。また、この表示素子のプレチルト角は6.7度であった。またVthムラは全く観察されなかった。
【0149】
実験例22
ワニスAの代わりにワニスDを用いた以外は実験例19の方法に準じて液晶表示素子を作成し、その残留電荷を測定したところ25℃で0.091Vであり、30Hzおよび0.3Hzでの電圧保持率はそれぞれ92.3%、87.2%であった。また、この表示素子のプレチルト角は86.4度であった。またVthムラは全く観察されなかった。
【0150】
実験例23
ワニスAの代わりにワニスEを用いた以外は実験例19の方法に準じて液晶表示素子を作成し、その残留電荷を測定したところ25℃で0.085Vであり、30Hzおよび0.3Hzでの電圧保持率はそれぞれ97.8%、91.2%であった。また、この表示素子のプレチルト角は6.8度であった。またVthムラは全く観察されなかった。
【0151】
実験例24
ワニスAの代わりにワニスFを用いた以外は実験例19の方法に準じて液晶表示素子を作成し、その残留電荷を測定したところ25℃で0.079Vであり、30Hzおよび0.3Hzでの電圧保持率はそれぞれ93.2%、85.5%であった。また、この表示素子のプレチルト角は7.2度であった。またVthムラは全く観察されなかった。
【0152】
実験例25
液晶組成物Aを液晶組成物Bとした以外は、実験例19の方法に準じて液晶表示素子を作成し、その残留電荷を測定したところ25℃で0.079Vであり、30Hzおよび0.3Hzでの電圧保持率はそれぞれ96.9%、91.4%であった。また、この表示素子のプレチルト角は7.1度であった。またVthムラは全く観察されなかった。
【0153】
【0154】
実験例26
ワニスAおよびポリアミドAの代わりにそれぞれワニスHおよびポリアミドBを用いた以外は実験例19の方法に準じて膜厚約60nmの配向膜を得た。この配向膜の表面エネルギーを測定したところ、分散成分(γs D)は14.03mJm−2であり、極性成分(γs P)は27.59mJm−2であった。さらに実験例19の方法に準じて液晶表示素子を作成し、その残留電荷を測定したところ25℃で0.12Vであり、30Hzおよび0.3Hzでの電圧保持率はそれぞれ92.4%、87.5%であった。また、この表示素子のプレチルト角は7.2度であった。また若干ではあるが、液晶セル周辺部にVthムラが観察された。
【0155】
実験例27
ワニスAおよびポリアミドAの代わりにそれぞれワニスIおよびポリアミドBを用いた以外は実験例19の方法に準じて膜厚約60nmの配向膜を得た。この配向膜の表面エネルギーを測定したところ、分散成分(γL D)は17.68mJm−2であり、極性成分(γL P)は22.56mJm−2であった。さらに実験例19の方法に準じて液晶表示素子を作成し、その残留電荷を測定したところ25℃で0.11Vであり、30Hzおよび0.3Hzでの電圧保持率はそれぞれ83.6%、64.8%であった。また、この表示素子のプレチルト角は6.9度であった。また液晶セル周辺部にVthムラが観察された。
【0156】
【発明の効果】
ジアミン(2)とテトラカルボン酸二無水物またはジカルボン酸とを反応させて得られたポリマーを含有するワニスから製造された本発明の配向膜は、下記のような液晶表示素子にもたらす効果を有する。本発明の配向膜は、従来の配向膜と比べてその表面エネルギーが小さい。本発明の配向膜を液晶表示素子に用いれば、配向不良や焼き付きと云った表示不良が起こりにくい。特にTFT型液晶表示素子に用いられる配向膜は、高い電圧保持率を有し、しかも焼き付き現象を起こしにくい。
(A)液晶分子に適切なプレチルト角を付与すること。
(B)液晶分子の配向の欠陥が発生しないこと。
(C)液晶表示素子に適切な電圧保持率を与えること。
(D)液晶表示素子に、任意の画像を長時間表示させた後、別の画像に変えた時に、前の表示が残像として残る「焼き付き」と呼ばれる現象が起きにくいこと。
(E)液晶セルに同時に用いられる他の材料からの影響を受けないこと。
【0157】
また、ジアミン(1)は、本発明のポリアミック酸、ポリイミド、ポリアミド、またはポリアミドイミドの原料として有効である。さらに、ジアミン(1)は、特殊な装置や器具を用いることなく、比較的短い合成ルートで合成することが可能であり、容易且つ安価に得ることができる。
Claims (12)
- CnF2n+1がXに対してオルト位に結合している請求項1記載のジアミン。
- Xが−CH2−またはCH2CH2−である請求項1記載のジアミン。
- R1、R2、およびYが水素である請求項1記載のジアミン。
- R1およびR2が水素であって、YがCmF2 m +1である請求項1記載のジアミン。
- 請求項6記載のポリアミック酸、請求項7記載のポリイミド、請求項8記載のポリアミド、および請求項9記載のポリアミドイミドからなる群より選ばれた少なくとも1つを含有するワニス。
- 請求項10記載のワニスから製造した配向膜。
- 請求項11記載の配向膜を用いた液晶表示素子。
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