JP4231268B2 - 遊技機用電動役物装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、遊技盤上に設けられ、自重により落下する遊技球が入賞することで遊技の進行に変化をもたらす入賞口と、当該入賞口を駆動手段の駆動力で開閉することで、当該入賞口への遊技球の入賞の可否を選択する入賞可否選択部材と、で構成された遊技機用電動役物装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、遊技機、特にパチンコ機において、その遊技盤面上には、遊技盤面上方から落下してくるパチンコ球が当接するとでパチンコ球の落下軌道を変更する釘や、当接位置によって自身の回転によって左右に振り分ける風車等が設けられている。
【0003】
また、上記遊技盤上には、上記釘や風車によって、変則的な落下軌道で落下してくるパチンコ球が、所定の確率で入賞する入賞口が設けられた入賞装置が、適宜設けられている。
【0004】
この入賞装置にパチンコ球が入賞すると、遊技の進行に変化がもたらされる。例えば、1回の入賞に対して所定数のパチンコ球の賞球払出し、入賞を契機に抽選が実行され、この抽選の結果が当りの場合の電動チューリップのを開放、或いはセンター役物内へのパチンコ球の入賞を許可する可動部材の開放等がある。
【0005】
いずにしても、入賞口への入賞は基本的には遊技者に有利な遊技状態に移行する契機となり得る。
【0006】
このような入賞装置は、自身が役物として機能するべく、電動チューリップや羽根等の開閉部材を具備し、入賞口へのパチンコ球の入賞の可否を選択するものがある(一例として、特許文献1参照)。以下、このような開閉部材を持つ入賞装置を電動役物装置という。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−212297公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、電動役物装置を遊技盤面上に複数設ける場合、基本的には単独の電動役物装置を設置するのが一般的である。
【0009】
しかし、それぞれ独立した電動役物装置の場合、個々に組付作業が必要であり、設置数分の工数がかかる。このため、複数の電動役物装置を一体のベースに備えた構造が考えられる。これによれば、ベースを遊技盤に組付けることで複数の電動役物装置の設置が完了するため、工数を減らすことができる。
【0010】
しかしながら、複数の電動役物装置に対して、ほぼ同一の球筋で分け隔てなく平均的に入賞の確率を持たせるには、パチンコ球の落下方向(重力方向)に対して段差(高低差)を持たせる必要がある。言い換えれば、横並びの電動役物装置間では、同一の球筋で入賞可能とするのは構造的に困難である。
【0011】
一方、遊技者からすれば、同一の球筋を狙って発射することで、入賞の確率を上げたいため、結果として何れかの電動役物装置しか狙わず、複数の電動役物装置を設けた意味が薄れることになる。
【0012】
また、上下方向に電動役物装置を配列する場合、遊技盤面上のスペースが限られているため、取り付け可能なスペースに制限がある。
【0013】
本発明は上記事実を考慮し、遊技球が自重によって落下する遊技盤上において、重力方向に対して横並びに配置しても、それぞれがほぼ同一の球筋で遊技球を入賞させることができる遊技機用電動役物装置を得ることが目的である。
【0014】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、遊技盤上に設けられ、自重により落下する遊技球が入賞することで遊技の進行に変化をもたらす入賞口と、当該入賞口を駆動手段の駆動力で開閉することで、当該入賞口への遊技球の入賞の可否を選択する入賞可否選択部材と、で構成された遊技機用電動役物装置であって、前記入賞口が、重力方向に対してほぼ同一高さの横並びで複数設けられ、それぞれの入賞口には、それぞれ独立して前記入賞可否選択部材が設けられ、前記入賞が不可能な状態となっている入賞可否選択部材が、前記入賞が可能な状態となっている入賞口への案内機能を持つことを特徴としている。
【0015】
請求項1記載の発明によれば、複数の入賞口が重力方向に対してほぼ同一高さの横並びで配置されている。このままだと、同一の球筋で当該複数の入賞口に入賞させる確率をほぼ同一とするのは困難である。そこで、入賞が不可能な状態となっている入賞可否選択部材が、前記入賞が可能な状態となっている入賞口への案内機能を持たせることで、ほぼ同一の球筋で、入賞が可能な状態となっている入賞口へ遊技球を案内することができる。
【0016】
これにより、遊技盤面の限られたスペースで、複数の入賞口を同一の球筋で入賞させることができる状態で設置することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1には、本発明の一実施の形態に係るパチンコ機10が示されている。パチンコ機10は外枠12を備え、外枠12の前面には、窓部を有する額縁状の内枠14の一側部(図1の左辺部)が開閉可能に取付けられている。
【0018】
内枠14には、複数の表示等62、63やスピーカ64、66が設けられている。また、内枠14の中央には、窓部となっており、この窓部には紙面奥行き方向に所定の間隔で互いに平行とされた一対のガラス16(二重構造)が装着されたガラス枠20が設けられている。また、内枠14の図1の右辺部には施錠装置(シリンダ)22が設けられている。
【0019】
ガラス枠20の下方位置には、球皿部24を備えた一体皿26が配設されている。この一体皿の球皿部24には、貯球タンク(図示省略)と連通し、この貯球タンク内のパチンコ球を球皿部24へ流出させる連通口23が設けられている。
【0020】
一体皿26は、その一側部(図1の左辺部)が内枠14に対して開閉可能に取付けられている。一体皿26の前面には、左側下部に灰皿28が配置され、右側下部には発射装置164(図3参照)から発射する打球の飛距離を調整するための発射ハンドル30が設けられている。
【0021】
また内枠14の窓部には、遊技盤載置台に載せて交換可能とされた遊技盤32が窓部に対応して設置されている。
【0022】
図2に示される如く、遊技盤32は、外バンド36及び内バンド38によって囲まれた略円形状の遊技領域40が形成されている。
【0023】
遊技領域40には、図示しない釘や風車の他、センター役物42、当該センター役物42に設けられた特別図柄表示装置43、並びに大入賞口(変動入賞装置)44等の役物、始動口46等の遊技部品が取り付けられており、最下位置にアウト口54が配置されている。
【0024】
また、本実施の形態では、始動口46と大入賞口44との間のスペースに電動役物装置100が配設されている。この電動役物装置100には、一対の入賞口104、106が設けられている(詳細後述)。
【0025】
図3には、パチンコ機10を制御するための制御系の概略が示されている。制御系は、主制御基板150を中心として、払出制御基板152、音声制御基板154、ランプ制御基板156、発射制御基板158、図柄表示制御基板160等、機能毎に分類されている(なお、以下これらを総称する場合、副制御基板151という)。
【0026】
なお、主制御基板150並びに副制御基板151は、管理制御基板206を介してパチンコ店側のホールコンピュータ208に接続することにより、パチンコ機の稼動状況を管理することも可能となっている。
【0027】
主制御基板150には、遊技に関する基本的なプログラムが記憶されており、この主制御基板150からの命令信号に基づいて、その他の副制御基板151が独自に実行する。
【0028】
払出制御基板152は、払出賞球装置162を制御して、球貸し時の払出し、入賞時の賞球に応じてパチンコ球を払い出すものであり、音声制御基板154は、パチンコ機110に設けられたスピーカ64、66からの効果音等の出力を制御する。また、ランプ制御基板156は、パチンコ機10に取り付けられた複数の表示灯62、63の点灯・消灯を制御し、発射制御基板158は、発射装置164を制御して、遊技者によるハンドル30の操作に応じてパチンコ球を打ち出す。
【0029】
図柄表示制御基板160は、前記特別図柄表示装置43と接続されており、主制御基板150からの命令信号に基づいて、所定の演出効果をもたらす表示を実行する。
【0030】
前記主制御基板150には、始動口46に設けられた始動入賞センサ168、電動役物装置100に具備されている一対の入賞口104、106に設けられた入賞センサ171、172並びに大入賞口44に入賞したパチンコ球を検出する大入賞口センサ173が接続されている。なお、大入賞口44には、大入賞口の開閉動作を継続するためのVゾーンが設けられており、このVゾーンにもVゾーンセンサ177が設けられており、主制御基板150に接続されている。
【0031】
また、この主制御基板150には、始動口46に設けられた電動チューリップ47を開閉させるためのソレノイド174、大入賞口44を開閉させるためのソレノイド175が接続されている。
【0032】
また、主制御基板150では、特別図柄や普通図柄の当/外抽選がなされ、この抽選結果に基づく特別図柄表示装置43での表示内容を選択し、図柄表示制御基板160へ命令信号を出力する。すなわち、図柄表示制御基板160には、複数種の命令信号に基づく異なる表示内容のデータが予め記憶されており、命令信号に基づいてデータが選択されて、起動するようになっている。
【0033】
なお、図示は省略したが、遊技盤32に設けられる普通図柄表示装置や保留ランプ等も主制御基板150によって制御されるようになっている。
【0034】
ここで、図4乃至図6に従い、上記始動口46と大入賞口44との間に設けられた電動役物装置100について説明する。
【0035】
この電動役物装置100は、横長のベース102を備えており、前記始動口46と大入賞口44との間の縦方向(重力方向)が狭く、横方向(水平方向)が広いスペースに取り付けられている。
【0036】
すなわち、ベース102は、幅方向(横方向)の中央部から、左右に鳥が羽根を広げたかの如く、横長形状とされ、中央部102Aには、一対の入賞口104、106が横並びで配設されている。入賞口104、106はアーチ型とされ、底辺部に沿って受け部108が突出している。また、この受け部108からは、一対の入賞口104、106を仕切る仕切り壁108Aが一体形成されている。
【0037】
この受け部108により、電動役物装置100の上方から落下してくるパチンコ球を受け取り、入賞口104、106へと案内するようになっている。
【0038】
一対の入賞口104、106のそれぞれの外側の辺と底辺部との間の角部には、図示しない駆動手段の駆動力で回転する回転軸110が前記ベース102面から突出されている。
【0039】
この回転軸110は、それぞれ左右対称形状の羽根部材112、114一端部に嵌入されており、回転軸110と羽根部材112、114とは一体回転する構成となっている。
【0040】
羽根部材112、114は、回転軸110への取り付け状態で、逆L字形とされ、一端部(回転軸110の取り付け側端部)から上方へ延設され、それぞれ対応する入賞口104、106の上方に回り込むように略90°屈曲している。この屈曲先端は、互いに接近対向しており、その隙間は僅かとなっている。
【0041】
また、この状態での羽根部材112、114の位置では、入賞口104、106への入賞経路を閉ざし、パチンコ球の入賞を拒否する位置(閉止位置)となっている。
【0042】
ここで、図4に向かって左側の回転軸110は、上記閉止位置から反時計回り方向に略90°の範囲、並びに図4に向かって右側の回転軸110は、上記閉止位置から時計回り方向に略90°範囲で、それぞれ独立して回転可能とされている。
【0043】
このため、図4に向かって左側の羽根部材112が前記閉止状態から回転軸110を中心に反時計回り方向に略90°回転すると、入賞口104への入賞経路が開放され、パチンコ球の入賞層を許可する位置(開放位置)とすることができる(図7参照)。
【0044】
また、図4に向かって右側の羽根部材114は、同様に前記閉止状態から回転軸110を中心に時計回り方向に略90°回転すると、入賞口106への入賞経路が開放され、パチンコ球の入賞層を許可する位置(開放位置)とすることができる。
【0045】
上記羽根部材112、114は、閉止状態での上面がパチンコ球のガイド部112A、114Aとして機能する。一方の入賞口104の上部に位置するガイド部112Aは、相手側の他方の入賞口106へ転動するスロープとされ、他方の入賞口106の上部に位置するガイド部114Aは、相手側の一方の入賞口104へ転動するスロープとされている。
【0046】
従って、例えば、一方の入賞口104が開放(羽根部材112が開放位置)されており、他方の羽根部材114が閉止位置である場合には、ある所定の球筋でパチンコ球が電動役物装置100に到達すると、パチンコ球はこの一方の入賞口104に入賞する。
【0047】
また、他方の入賞口106が開放(羽根部材114が開放位置)されており、一方の羽根部材112が閉止位置である場合には、前記所定の球筋と同一の球筋でパチンコ球が電動役物装置100に到達すると、パチンコ球はこの他方の入賞口106に入賞する。すなわち、同一の球筋で一対の入賞口104、106のいずれにもほぼ同一の確率で入賞することが可能となっている。
【0048】
また、両方の羽根部材112、114が閉止位置の場合には、一対のガイド部112A、114Aの面が逆山型を形成することになり、互いの境界部にパチンコ球を集めることができるようになっている。
【0049】
このガイド部112A、114Aのスロープは、ベース102側に向けても低位となっており、前記境界部に集められたパチンコ球はベース102方向にも転動するようになっている。
【0050】
この転動先のベース102には、貫通孔116が設けられており、一対の羽根部材112、114が両方共に閉止位置の場合に、ガイド部112A、114Aに到達したパチンコ球はこの貫通孔116を通過してベース102の裏面側へ案内されるようになっている。
【0051】
ベース102の裏面側には、貫通孔116を貫通したパチンコ球を図4の左右方向へ案内するように傾斜した案内路118が形成されている。
【0052】
案内路118の案内方向先端部に対応してベース102には、排出口120が設けられている。これにより、案内路118を転動したパチンコ球は排出口120から排出され、再び遊技盤32面上に放出されるようになっている。
【0053】
本実施の形態では、上記電動役物100に対して、前述した始動口への入賞を契機とする抽選の結果、大当たりとなると大入賞口44を開放する遊技とは別に、前記抽選の結果に小当たりを設定した遊技を併用しており、これを羽根部材112、114の開閉制御で行っている。
【0054】
すなわち、抽選の結果が小当たりとなると、図4に向かって左側の羽根部材112を1秒開放、7秒閉止を数回(4回程度)繰り返すように制御し、1秒間の開放時に入賞口104にパチンコ球が入賞すると、図4に向かって右側の羽根部材114を6秒間開放する。この左右の羽根部材112、114は同期がとられており、左側の羽根部材112の7秒閉止のときに、右側の羽根部材114の6秒間開放が実行される。この結果、ほとんどの期間で何れか一方の入賞口104、106が入賞許可状態となり、遊技者に有利な遊技状態となる。
【0055】
以下に本実施の形態の作用を説明する。
【0056】
遊技者がハンドル30を把持し、発射のための操作を行なうと、このハンドル操作量(回転量)に応じた強度で、パチンコ球が打ち出される。
【0057】
パチンコ球が打ち出されると、外バンド36及び内バンド38に案内されて遊技盤32に設けられた釘や風車等に当接しながら、予測し得ない移動をしながら落下していく。ここで、始動口46にパチンコ球が入賞すると、乱数カウンタを用いて所定の確率下で大当り抽選が開始される。この大当り抽選の結果、当り/外れが決定すると、それぞれにおいて、予め準備された図柄変動パターン(図柄変動パターン)を選択(乱数カウンタで選択してもよい)し、特別図柄表示装置43に図柄変動パターンを表示する。この図柄変動パターンにおいては、リーチを経由した当り、外れリーチ、リーチを経由しない外れ等、様々な演出があり、遊技者は期待感をもって抽選結果を待つことができる。
【0058】
すなわち、当り時の図柄変動制御が終了すると、予め設定したラウンド数(例えば、15ラウンド)の大当たり処理が実行される。この大当たり処理中は、大入賞口44がほとんど開放状態であるため、遊技者によって有利な状態とすることができる。所定ラウンドの大当たり処理が終了すると、通常の遊技に戻る。
【0059】
一方、前記大当たりの抽選とは別に、始動口46にパチンコ球が入賞すると、乱数カウンタを用いて、所定の確率下で小当たり抽選が開始される。この小当たり抽選の結果、当/外が決定すると、小当たり用に設定された図柄変動パターンに基づき、特別図柄表示装置43に図柄変動パターン演出が実行される。
【0060】
小当たり処理は、電動役物装置100を用いて実行される。従って、この電動役物装置100は、小当たりがないときは、一対の羽根部材112、114がそれぞれ閉止状態となっており、この電動役物装置100に到達したパチンコ球は、羽根部材112、114の上面のガイド部112A、114Aに案内されて、中央へ集中し、貫通孔116、案内路118を通過して排出口120から再び遊技盤32へ排出される。このため、電動役物装置100の設置による不利益はない。
【0061】
上記、抽選結果が小当たりとなり、小当たり図柄が揃うと、小当たり処理が開始される。
【0062】
小当たり処理は、まず、図4に向かって左側の回転軸110を図4の反時計回り方向に略90°回転させることで、羽根部材112を閉止位置から開放位置へ移動させ、1秒間保持する。1秒経過後は、回転軸110を図4の時計回り方向に略90°回転させ、羽根部材112の開放位置から閉止位置へ移動させ、閉止状態を7秒維持した後、再度1秒間開放する。この1秒開放、7秒閉止を所定回数(例えば4回程度)繰り返す。このとき、図4に向かって右側の羽根部材114は閉止状態が維持される(図7参照)。
【0063】
上記羽根部材112が1秒開放、7秒閉止を所定回数繰り返しているとき、パチンコ球が入賞口104に入賞すると、小当たり成立となり、図4に向かって右側の回転軸110を図4の時計時計回り方向に略90°回転させることで、羽根部材114を閉止位置から開放位置へ移動させ、7秒間保持する。7秒経過後は、回転軸110を図4の時計回り方向に略90°回転させ、羽根部材114の開放位置から閉止位置へ移動させ、閉止する。。
【0064】
ここで、羽根部材112、114の開閉動作と、互いに相反する動作であり、一方が開放中のとき、他方が閉止されるため、結果としてほとんど何れか一方が開放していることになり、遊技者は電動役物装置100を狙って発射することで、入賞の確率が高まり、多くの賞球を受けることができる。なお、図8に示される如く、両方が同時に開放する時期を設けてもよい。
【0065】
この小当たり遊技中、一般的に入賞口104、106が横並びの場合、図4の左側の入賞口104へパチンコ球を入賞させるときと、図4の右側の入賞口106へパチンコ球を入賞させるときとで、発射強度を調整せざるを得ない。
【0066】
しかし、本実施の形態では、入賞口104、106を閉止している羽根部材112(又は114)が開放している羽根部材114(又は112)に対応する入賞口106(又は104)へのガイド部112A、114としての役目を持つため、遊技者は左右の何れの入賞口104、106が開放していようと、同一の球筋でパチンコ球を発射すればよい。
【0067】
このため、遊技者の技量による優劣がつかず、不公平さを解消することができる。
【0068】
以上説明したように本実施の形態では、遊技盤32上に横並びで入賞口104、、106を設けた場合、一般的に同一の球筋で双方の入賞口104、106への入賞が難しいことを鑑み、それぞれの入賞口104、106に羽根部材112、114を設け、一方の羽根部材112(又は114)が閉止位置、他方の羽根部材114(又は112)が開放位置となった場合、当該一方の羽根部材112(又は114)のガイド部112A(又は114A)が開放中の他方の入賞口106(又は104)への案内路となる構成としたため、ほぼ同一の球筋で両方の入賞口104、106への入賞が可能となる。このため、遊技盤32に重力方向(上下方向)に段差をつけて入賞口104、106を設ける必要がなくなり、限られたスペース(この実施の形態では、始動口46と大入賞口44との間)に横並びで入賞口104、106が設けられた電動役物装置100を配置することができる。
【0069】
なお、本実施の形態では、所謂1種のパチンコ機10に電動役物装置100を設置し、大当たり抽選遊技とは別に、小当たり抽選遊技を追加したが、乱数取得による抽選と絡める必要はなく、通常遊技状態で常に、開閉動作を繰り返すようにしてもよい。例えば、2種パチンコ機のセンター役物への入賞の可否を決める可動部材の開放回数を、一方の入賞口104(又は106)では1回、他方の入賞口106(又は104)では2回として、交互に羽根部材112、114を開閉させるようにしてもよい。
【0070】
また、図9に示される如く、3種パチンコ機10Aの大入賞口の代わりに適用してもよい。
【0071】
3種パチンコ機10Aでは、始動口46Aへの入賞を契機に抽選が開始され、センター役物42Aでの図柄変動パターン演出後、所定の当り図柄が揃うと、遊技盤32Aの右側に位置する電動チューリップ122が開放し、デジタル表示器124の動作を開始させる。このデジタル表示器124の数字が当り数字の場合、大入賞口としての本実施の形態で説明した電動役物装置100の羽根部材112、114の開閉を制御する。この開閉動作は、前述の小当たり遊技の動作としてもよいし、最初から一方が1秒開放、6秒閉止の繰り返し、他方が6秒開放、1秒閉止の繰り返しとして開放時間の少ない方の賞球を多くするようにしてもよい。
【0072】
【発明の効果】
以上説明した如く本発明では、遊技球が自重によって落下する遊技盤上において、重力方向に対して横並びに配置しても、それぞれがほぼ同一の球筋で遊技球を入賞させることができるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係るパチンコ遊技機の正面図である。
【図2】本実施の形態に係る遊技盤の正面図である。
【図3】本実施の形態に係るパチンコ機の制御系の概略を示すブロック図である。
【図4】本実施の形態に係る電動役物装置の正面図である。
【図5】図4のV−V線断面図である。
【図6】図4の背面図である。
【図7】(A)は羽根部材の一方が開放したときの電動役物装置の正面図、(B)は図7(A)の背面図である。
【図8】羽根部材が両方共開放したときの電動役物装置の正面図である。
【図9】変形例に係る遊技機(3種)の遊技盤の正面図である。
【符号の説明】
10 パチンコ機(遊技機)
32 遊技盤
44 大入賞口
46 始動口
100 電動役物装置
102 ベース
102A 中央部
104、106 入賞口
108 受け部
108A 仕切り壁
110 回転軸
112、114 羽根部材(入賞可否選択部)
112A、114A ガイド部(案内機能)
116 貫通孔
118 案内路
120 排出口

Claims (1)

  1. 遊技盤上に設けられ、自重により落下する遊技球が入賞することで遊技の進行に変化をもたらす入賞口と、当該入賞口を駆動手段の駆動力で開閉することで、当該入賞口への遊技球の入賞の可否を選択する入賞可否選択部材と、で構成された遊技機用電動役物装置であって、
    前記入賞口が、重力方向に対してほぼ同一高さの横並びで複数設けられ、
    それぞれの入賞口には、それぞれ独立して前記入賞可否選択部材が設けられ、
    前記入賞が不可能な状態となっている入賞可否選択部材が、前記入賞が可能な状態となっている入賞口への案内機能を持つことを特徴とする遊技機用電動役物装置。
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