JP2003190468A - 弾球遊技機 - Google Patents

弾球遊技機

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JP2003190468A JP2001392547A JP2001392547A JP2003190468A JP 2003190468 A JP2003190468 A JP 2003190468A JP 2001392547 A JP2001392547 A JP 2001392547A JP 2001392547 A JP2001392547 A JP 2001392547A JP 2003190468 A JP2003190468 A JP 2003190468A
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隆寛 内ヶ島
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Abstract

(57)【要約】 【課題】貯留可能部を設置し遊技球の挙動に変化を持た
せると共に、貯留中の遊技球により大当たり又は権利獲
得の確率を変化させることにより、大当たり又は権利獲
得等の最終的な目的を達成するまでの過程にも意味を持
たせ、段階的な目的を遊技者に付与することにより、遊
技が単調になるを防止し、遊技者の射幸心を煽り遊技者
の遊技意欲を促進すると共に、娯楽性及びバリエーショ
ン豊かな興趣溢れる弾球遊技機を提供する。 【解決手段】遊技盤22に設置された権利獲得用役物3
4は、役物内入球口35、権利発生口としての可動式の
特定領域36(Vゾーンともいう)、排出口37及び権
利獲得用役物34の中央には段差を設けて配置された4
ヶ所の可動式の貯留可能部38a〜38dとを備えてい
る。階段状に配置された貯留可能部38a〜38dは遊
技球を貯留させることにより、特定領域36へ他の遊技
球を導く通過路の役割を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は弾球遊技機に係わ
り、詳しくは、入球した遊技球を貯留し、該貯留を解除
することが可能な貯留可能部を備えた役物を遊技盤面上
に設置し、貯留した遊技球によって大当たり又は権利獲
得の確率を変化させる弾球遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】弾球遊技機の中には、例えば、遊技球が
特別図柄作動口に入賞又は通過したタイミングに起因し
て選択される当否判定乱数の値により、画面上で変動中
の特別図柄が特定の図柄で揃い確定表示されることによ
って、遊技内容を遊技者に有利な状態、所謂「大当た
り」と称して大入賞口等を所定時間開放して遊技者に大
量の賞球を払い出しているフィーバー機と呼ばれる機種
がある。その他にも、遊技球が図柄作動口に入賞又は通
過したタイミングに起因して選択される当否乱数の値に
より、画面上で変動中の図柄が特定の図柄で揃い確定表
示されることによって、権利獲得入賞口が開放され、権
利獲得入賞口内の特定領域に遊技球が入賞すると、権利
獲得状態となり右打ちをして賞球を獲得する機種もあ
る。俗称「権利物」と呼ばれるこの種の弾球遊技機にお
いては、釘調整の見極めや権利獲得の前後で打ち方を変
える等、現在主流のフィーバー機とは異なる遊技球の挙
動が特徴である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
弾球遊技機においては、遊技者は遊技球を作動口に入賞
させることにより図柄を揃えて大当たりや権利獲得を発
生させることに没頭してしまうため、遊技が単調とな
り、娯楽性及びバリエーションが乏しくなるおそれがあ
った。また、最終的な目的である大当たりや権利獲得が
発生しないと、遊技者に飽きられてしまい、遊技意欲の
減退した遊技者は弾球遊技機から離れてしまうおそれも
ある。さらに、近年主流となった液晶画面での派手な演
出に食傷気味の遊技者にとっては、遊技機本来の遊技球
の挙動による現実的な演出等の視覚的アピールが乏しい
という課題がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、貯留可能部を備えた役物を設置し、遊技球の挙動に
変化を持たせると共に、貯留した遊技球により大当たり
又は権利獲得等の発生する確率を変化させることによ
り、大当たり又は権利獲得等の最終的な目的を達成する
までの過程にも意味を持たせ、段階的な目的を遊技者に
付与することにより興趣溢れる遊技を展開できる弾球遊
技機を提供する。そこで、請求項1記載の発明は、遊技
球が入球することにより遊技者に有利な遊技状態とする
特定領域と、遊技球を所定数貯留又は解除可能な貯留可
能部とを同一役物内に設け、前記役物内に入球した遊技
球は、前記貯留可能部に貯留されている遊技球上を通る
ことにより、前記特定領域に導かれる構成であり、前記
貯留可能部に貯留される遊技球により、前記特定領域へ
の入球確率を変化させることを特徴とする弾球遊技機で
ある。
【0005】遊技者に有利な遊技状態とするとは、第3
種の遊技機を構成し得る全内容を含むことが好ましい。
つまり、権利獲得状態を経て賞球を払い出す遊技形態
(所謂「権利物」)が好ましい。役物内の特定領域は権
利獲得入賞口に設けられることが好ましい。1つの構成
例は、遊技球が始動領域に進入したことに起因して当た
り外れを判定する当否判定手段と、該当否判定手段の判
定結果を表示する表示手段を備える遊技において、前記
当否判定手段で当たりを引いた場合、遊技球が入賞する
ことにより遊技者に有利な遊技状態とする特定領域への
入賞確率を変化させる(例えば、高める又は低める)構
成である。例えば、遊技球が入賞するタイミングに起因
して抽出される乱数の値により表示手段の画面上に特定
表示態様(例えば3桁同一の絵柄等)を表示させ、特定
領域への入賞確率を変化させることによって権利獲得状
態とし、その後、右打ち等を行って、所定個数の遊技球
を賞球として払い出すことが好ましい。また、他の構成
例は、所定の入賞口に入球することに起因して遊技球が
入賞することにより、遊技者に有利な遊技状態とする特
定領域への入賞確率を変化させる(例えば、高める又は
低める)構成である。また、特定領域に遊技球が入賞す
ることにより、所定の確率(例えば1/3など)で大当
たりが発生して賞球を払い出す遊技形態(所謂「1発
台」)も好ましい。この場合は、特定領域は複数の穴を
設けたクルーン(例えば、所謂3穴クルーン)等である
ことが好ましい。このクルーンに形成された所定の入賞
口に遊技球が入賞することにより賞球を払い出し遊技者
に有利な遊技状態とするのである。表示手段を備えてい
ない弾球遊技機においては、開閉式の特定領域に替え
て、クルーン等を特定領域として設けることが好まし
い。特定領域は、種々の要因(例えば、画面上に特定表
示態様が表示された場合)に起因して開閉させることに
より入賞確率を変化させる構成が好ましいが、常時開放
されている状態でも構わない。
【0006】この弾球遊技機は、遊技球が始動領域に進
入したことに起因して当たり外れを判定する当否判定手
段と、該当否判定手段の判定結果を表示する表示手段を
備えたもの、或いは、それらを備えないもの、いずれも
含まれる。表示手段とは液晶表示装置又はデジタル表示
装置等の画像の変動表示が可能なものをいう。この表示
手段により表示される判定結果等に起因して特定領域の
状態や貯留可能部の動作等を変化させることにより、液
晶画面等の表示手段における表示形態と遊技の展開とを
関連させることが好ましい。例えば、当否判定手段で当
たりと判定された場合に、液晶画面等の可視表示装置に
より表示される図柄の種類等の表示形態に起因して特定
領域を開放させることにより、特定領域への入賞確率を
高める構成が好ましい。なお、当否判定手段での判定結
果に関係なく表示される図柄の種類等の表示形態に起因
して特定領域を開閉させても構わない。また、例えば、
判定結果を表示する表示手段を備えていない弾球遊技
機、又は当否判定手段に代わる別の結果表示手段を備え
る弾球遊技機等、上記構成以外の弾球遊技機にも貯留可
能部を設けることができる。この場合は所定の入賞口等
に入球することに起因して特定領域を開放させることに
より、特定領域への入賞確率を高める構成としても良い
し、その他の要因等に起因して開放させて入賞確率を高
める構成としても良い。
【0007】貯留可能部を備えた役物は入賞口又は通過
口の何れの形態でも構わない。また、所定数とは複数個
が好ましい。ここでは、複数個貯留することにより段階
的に特定領域へ導く構成とすることができる。例えば、
貯留された遊技球が後に入球する遊技球を特定領域へと
導く通過路の一部となる構成とし、所定数以上貯留する
ことにより特定領域へ達する通過路が完成する構成でも
良い。また、貯留した遊技球を順次に蓄積していき(例
えば、ピラミッド状に蓄積)、所定数以上貯留したとき
に初めて特定領域に達する構成としても良い。特定領域
に入賞する確率は遊技球の貯留数、貯留場所又は貯留時
間によって変化させることができる。
【0008】請求項2記載の発明は、前記役物内に入球
し、前記貯留可能部に貯留されなかった遊技球又は貯留
を解除された遊技球が入賞する可能性がある入賞口を、
前記役物内又は前記役物の排出口若しくは該排出口付近
に備えたことを特徴とする請求項1記載の弾球遊技機が
好ましい。貯留可能部を備える役物内又はこの役物の排
出口や排出口付近に、遊技球が入賞することにより賞球
を払い出す等の遊技者に有利な遊技を展開する入賞口を
設けることができる。これにより、役物内に入球したに
も係わらず、貯留されなかった遊技球、貯留が解除され
た遊技球又は特定領域に入賞しなかった遊技球について
も遊技者に楽しみを与え、遊技形態を幅広くすることが
できる。なお、入賞口には役物に入球していない遊技球
も入賞できる構成としても良い。この入賞口は、液晶画
面等の可視表示装置により表示される表示形態等の所定
条件により、開閉させることが好ましい。入賞口は開き
扉を受口とする従来の大入賞口(アタッカー)の構造が
好ましいが、それに限定されるものではない。例えば、
判定結果により3桁同一の静止図柄で揃った場合等に開
放させ、入賞口の開放時間又は開放回数等は静止図柄の
種類によって変化させることが挙げられる。なお、所定
条件は上記に限らず、大当たり回数又は遊技時間等によ
り定期的に開閉させても良い。このように、入賞口を開
閉させることにより、遊技がさらに興趣溢れるものとな
る。
【0009】請求項3記載の発明は、前記役物内に入球
された遊技球が該役物内の前記貯留可能部に貯留される
貯留数、貯留場所又は貯留時間を、前記表示手段に表示
される図柄の種類に従って変化させると共に、該変化に
よる遊技状態の移行又は結果を可視表示装置、音声出力
装置又はランプ出力装置により報知することを特徴とす
る請求項1又は2に記載の弾球遊技機が好ましい。ここ
では、液晶画面等の可視表示装置により表示される図柄
の種類等の表示形態(例えば、大当たり表示等の特定の
表示を行った場合、又は外れ表示であっても特定の図柄
を表示した場合等)に従い、定期的又は不定期に貯留
数、貯留場所又は貯留時間を変化させることが考えられ
る。特に液晶画面等の可視表示装置により表示される表
示形態に従って、貯留数、貯留場所又は貯留時間を変化
させると、液晶画面等の可視表示装置に表示される表示
形態と遊技の展開とを関連させることができ、効果的で
ある。具体的には、判定結果の静止図柄の種類(例え
ば、特定図柄又は確率変動図柄等)又は判定結果とは全
く関係なく出現するキャラクタ図柄等の種類に起因し
て、予め貯留可能部を解除しておくことによって貯留
数、貯留場所又は貯留時間を変化させることができる。
例えば表示態様としては、確定表示した図柄に含まれて
いる貯留用特定図柄(例えば「7」)の数の貯留数を増
加させていったり(例えば、「477」であれば貯留数
を2ヶ所増加させる等)、図柄変動中に貯留完成を予告
するキャラクタ図柄を出現させたりすること等が例示で
きる。
【0010】また、ここでは、貯留数を変化させ貯留場
所を一定とする場合、貯留数を一定とし貯留場所を変化
させる場合、貯留数及び貯留場所を共に変化させる場合
等が含まれる。また、貯留範囲を拡大又は縮小すること
により貯留数を増減させることもできる。貯留時間をず
らすことにより貯留数を増減させることもできる。具体
的には、複数箇所(例えば4ヶ所)の貯留場所を有する
貯留可能部を備える役物である場合、全ての貯留場所
(例えば4ヶ所)に貯留可能とする他に、いずれか1ヶ
所だけ貯留場所を解除しておくことにより、その他の3
ヶ所に貯留可能となる。また、いずれか2ヶ所又は3ヶ
所の貯留場所を解除しておくことにより、その他の2ヶ
所又は1ヶ所に貯留可能となる。解除する2ヶ所又は3
ヶ所の貯留場所は隣接する貯留場所でも良いし、隣接し
ない貯留場所でも構わない。さらにまた、全ての貯留場
所(例えば4ヶ所)を解除しておくことにより、1ヶ所
も貯留できない状態を発生させても良い。このように、
予め貯留可能部の全部又は一部を解除しておくことによ
って貯留数や貯留場所を変化させることによって、権利
獲得の回数又は確率を変化させることができ、遊技形態
を幅広くし遊技内容が単調になるのを防止することがで
きる。
【0011】遊技状態とは、可視表示装置の表示形式、
役物の可動態様又は賞球数等をいう。ここでは、貯留可
能部の動作の変化又は結果による以外にも、貯留可能部
に貯留された遊技球の数、貯留されている時間又は貯留
されている場所等の違いで、遊技状態に変化を加える構
成としても良い。報知とは、液晶画面等の可視表示装置
で、特定領域の開放や大当たり発生等の表示を行うだけ
ではなく、貯留した遊技球の解除、貯留数の決定等の情
報も表示して報知することをいう。また、貯留させた場
所によって特定領域への入賞確率が変化する場合等の遊
技説明を表示してもよい。なお、音声出力装置と併せて
報知すればより効果的である。また、各種LED又はラ
ンプ等の光により報知することも可能である。
【0012】請求項4記載の発明は、前記貯留可能部に
貯留された遊技球の解除数、解除場所又は解除時期を、
前記表示手段に表示される図柄の種類に従って変化させ
ると共に、該変化による遊技状態の移行又は結果を前記
可視表示装置、前記音声出力装置又は前記ランプ出力装
置により報知することを特徴とする請求項1及至3いず
れかに記載の弾球遊技機が好ましい。ここでは、液晶画
面等の可視表示装置により表示される図柄の種類等の表
示形態(例えば、大当たり表示等の特定の表示を行った
場合、又は外れ表示であっても特定の図柄を表示した場
合等)に従い、定期的又は不定期に解除数、解除場所又
は解除時期を変化させることが考えられる。特に液晶画
面等の可視表示装置により表示される表示形態に従っ
て、解除数、解除場所又は解除時期を変化させると、液
晶画面等の可視表示装置に表示される表示形態と遊技の
展開とを関連させることができ、効果的である。具体的
には、判定結果の静止図柄の種類又は判定結果とは全く
関係なく出現するキャラクタ図柄等の種類に起因して、
解除数、解除場所又は解除時期を変化させることが挙げ
られる。例えば表示形態としては、確定表示した図柄に
解除用特定図柄(例えば「6」)が含まれていたら全て
同時に解除したり、解除用特定図柄の数に応じて解除し
たり(例えば、「466」であれば2ヶ所解除する
等)、図柄変動中に解除を予告するキャラクタ図柄を出
現させたりする等、遊技者にリスクのある表示態様に起
因して貯留されている遊技球を全て同時に解除すること
が挙げられる。
【0013】また、ここでは、解除数を変化させ解除場
所を一定とする場合、解除数を一定とし解除場所を変化
させる場合、解除数及び解除場所を共に変化させる場合
が含まれる。解除数とは、1回の解除時に同時に解除さ
れる遊技球の数である。解除時期は定期的でも不定期で
も良い。また、一挙に解除しても良いし、連続して解除
しても良い。所定条件によって解除時期を遅延したり早
めたりすることもできる。このように、解除数、解除場
所又は解除時期を変化させる等、貯留の解除の方法によ
って、特定領域への入賞率を変化させることができる。
また、種々のタイミングで貯留された遊技球を解除する
ことにより、遊技の均等性及び公平性を確保すると共
に、遊技形態を幅広くし遊技内容が単調になるのを防止
することができる。
【0014】なお、請求項3又は4に記載の発明におい
ては、液晶画面等の可視表示装置により表示される図柄
の種類等の表示形態に従い変化させる以外にも、(1)
入賞口、入球口若しくは役物内に入賞若しくは入球した
遊技球の数又は発射した遊技球の数、(2)遊技の経過
時間(例えば、時間を計測して5分毎等の所定若しくは
適宜時間毎、又は前回の大当たり発生から5分後等の所
定若しくは適宜時間経過毎等)、(3)遊技中の大当た
り発生回数又は権利発生回数、等の所定条件に従って変
化させても構わない。
【0015】前記貯留可能部の構造は種々の形態が挙げ
られる。一例として、前記貯留可能部は複数の可動式凹
部材であって、該凹部材が所定数の遊技球を受け止め貯
留する構造とすることが可能である。ここでいう凹部材
は前記所定条件により、貯留時又は解除時に対応して可
動させることができる。1つの凹部材が受け止めること
が可能な遊技球の数は1個が好ましいが、複数でも構わ
ない。
【0016】また、前記凹部材は、底面部材が可動する
ことによって、貯留された遊技球を解除することが可能
である。このように、凹部材の底面部材が解除時に盤面
に退避することにより、貯留されていた遊技球を解除さ
れる構成である。なお、解除された遊技球は排出口から
役物の外へと排出される構成が好ましい。
【0017】また、前記凹部材は、前記役物内において
連設され、最終端の凹部材を前記特定領域に連設するこ
とが可能である。このように、凹部材が連設されること
により、一つの凹部材に遊技球がはじかれたとき、こぼ
れ球の挙動によって他の空の凹部材に貯留される可能性
が向上するため、遊技者を楽しませると共に遊技者に期
待感を抱かせることができる。また、連設されることに
より、遊技球が貯留されたときに特定領域へと導く通過
路としての役割を効果的に果たすことができる。
【0018】また、前記凹部材は、前記役物内において
階段状に形成され、前記遊技球で満杯に貯留されること
によって、後に入球する遊技球が前記貯留された遊技球
の上を誘導されて、前記特定領域に入賞可能とすること
も可能である。このように、凹部材が階段状に連設して
配置されることにより、遊技球が貯留されたときに特定
領域へと導く通過路としての役割を効果的に果たすこと
ができると共に、視覚的にも遊技者の興味を惹き、通過
する遊技球の挙動が興趣に富んだものとなる。
【0019】また、前記貯留可能部を備える前記役物が
球導入装置を備え、該球導入装置が開放することによ
り、前記役物内に遊技球が入球され、該球導入装置が閉
鎖することにより、前記役物内に遊技球が入球されない
ように構成され、所定条件の下で、前記球導入装置の開
放時間又は開放回数を変化させることも可能である。こ
こでいう球導入装置とは、液晶画面等の可視表示装置に
より表示される表示形態等の所定条件により開閉する装
置であり、役物内への入球口に設置される。なお、球導
入装置は開き扉を受口とする従来の大入賞口(アタッカ
ー)の構造が好ましいが、それに限定されるものではな
い。例えば、判定結果により3桁同一の静止図柄で揃っ
た場合等に開放させ、球導入装置の開放時間又は開放回
数は静止図柄の種類によって変化させることが挙げられ
る。このように、役物内への入球口の開放時間又は開放
回数を変化させ、役物内への入球球数自体を変化させる
ことができる。なお、所定条件は上記に限らず、大当た
り回数又は遊技時間等により定期的又は不定期的に開放
時間又は開放回数を変化させても良い。これにより、権
利獲得の確率を変化させることができ、遊技形態を幅広
くし遊技内容が単調になるのを防止することができ、遊
技がさらに興趣溢れるものとなる。
【0020】さらに、前記球導入装置の動作の変化によ
る遊技状態の移行や結果を可視表示装置、音声出力装置
又はランプ出力装置により報知することも可能である。
このように、液晶画面等の可視表示装置により、球導入
装置の開放時期や開放状態等を報知することにより遊技
者の期待感を煽ることができる。また、音声出力装置と
併せて報知すればより効果的である。各種LED又はラ
ンプ等の光により報知することも可能である。
【0021】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の好適な実施の形
態を図面に基づいて説明する。なお、本発明の実施の形
態は、下記の実施形態に何ら限定されるものではなく、
本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採り得る
ことは言うまでもない。
【0022】図1に示すように、パチンコ機10は、大
きくは長方形の外枠11と前面枠12とからなり、外枠
11の左隣に公知のプリペイドカードユニット13が設
けられている。前面枠12は、ヒンジ14により外枠1
1に対し回動可能に取り付けられている。前面枠12の
下方には上皿15が設けられ、この上皿15の前面に貸
出釦16、精算釦17及び残高表示部18が設けられて
いる。プリペイドカードユニット13のカード口19に
プリペイドカードを挿入すると、記憶された残高が残高
表示部18に表示され、貸出釦16を押下すると球の貸
出しが実行され上皿15の払い出し口より球が排出され
る。前面枠12には、窓状の金枠20が前面枠12に対
して解放可能に取り付けられている。この金枠20には
板ガラス21が二重に嵌め込まれている。板ガラス21
の奥には遊技盤22が収納されている。上皿15の前面
枠12下部には、下皿23が設けられ、下皿23の右側
には発射ハンドル24が取付けられている。この発射ハ
ンドル24の外周には、回動リング24aが擁され、こ
れを時計方向に回動すれば球を遊技盤22上に発射する
ことができる。上皿15と下皿23とは連結されてい
て、上皿15が球で満杯状態になれば下皿23に球を誘
導するよう構成されている。
【0023】図2はパチンコ機10の裏面図であり、前
述した遊技盤22を脱着可能に取り付ける機構盤26が
前述した外枠11に収納されている。この機構盤26に
は、上方から、球タンク27、誘導樋28及び払出し装
置29が設けられている。この構成により、遊技盤22
上の入賞口に球の入賞があれば球タンク27から誘導樋
28を介して所定個数の球を払出し装置29により前述
した上皿15に排出することができる。機構盤26には
主制御装置30、賞球制御装置31及び図柄表示装置3
2が脱着可能に、また、発射制御装置25及び外部接続
端子装置50等が、各々取り付けられている。尚、機構
盤26を中心とした球の払い出し等に関する構造は従来
の構成と同様なのでその詳細な説明は割愛する。
【0024】次に、図3を参照して、第1実施形態の遊
技盤22について説明する。図3に示すように、遊技盤
22には、中央に図柄表示装置32を構成するLCDパ
ネルユニット(以下、「LCD」という。)32a、L
CD32aの左隣にはLCD32aに表示される図柄の
変動開始に用いられる図柄作動口33、LCD32aの
下方には権利獲得用役物34、LCD32aの右側には
回転体39、回転体39の下方には開放時には開き扉を
受口とする大入賞口40、盤面最下部のアウト口41、
その他の各種入賞口、風車及び図示しない遊技釘等が備
えられている。
【0025】権利獲得用役物34は、役物内入球口3
5、LCD32aで変動中の図柄が特定の図柄(例え
ば、「777」等の3桁同一の図柄)で揃い確定表示さ
れることによって開放される権利発生口としての特定領
域36(Vゾーンともいう)、権利獲得用役物34内か
ら遊技盤22へ遊技球を排出する排出口37及び権利獲
得用役物34の中央には段差を設けて配置された4ヶ所
の貯留可能部38a〜38dとを備えている。階段状に
配置された貯留可能部38a〜38dは、左側上端部の
役物内入球口35側に配置された貯留可能部38aが最
も上段に位置しており、以下、貯留可能部38b、貯留
可能部38c、貯留可能部38dと右側に行くにつれ徐
々に下がっていき、最後の貯留可能部38dは特定領域
36の左側に隣接している。また、貯留可能部38a〜
38dは可動式の凹部材が連設されたものであり、それ
ぞれ遊技球1個を乗せることが可能な程度の大きさであ
る。貯留可能部38a〜38dは、図示した例に限ら
ず、種々の形状及び配置が可能であり、数も4ヶ所に限
られない。役物内入球口35から権利獲得用役物34内
に入球した遊技球は、特定領域36に入賞(以下、単に
V入賞ということもある)した遊技球以外は、貯留可能
部38a〜38dにて一時的に貯留された遊技球も含め
て、排出口37から遊技盤22上に排出され、アウト口
41から遊技盤22内に取り込まれる構成である。
【0026】この構成により、前述した発射ハンドル2
4の回転リング24aを回動すれば発射制御装置25に
より駆動される発射モータ(図示略)が駆動されて上皿
15上の遊技球がガイドレールを介して遊技盤22上に
発射される。発射された遊技球が各入賞口に入賞すれば
遊技球は盤面裏面にセーフ球として取り込まれ、入賞し
なければアウト口41を介してアウト球として同様に盤
面裏面に取り込まれる。
【0027】また、第2実施形態の遊技盤122とし
て、図4に示すように、権利獲得用役物134の排出口
137付近に開閉式の入賞口142を設置して、貯留が
解除されて権利獲得用役物134から排出されてきた遊
技球等が入賞した場合に賞球を払い出す構成としても良
い。入賞口142はLCD132aにより表示される表
示形態等に従って開閉させる以外にも、大当たり回数や
経過時間により定期的に開閉させる等、種々の設定が考
えられる。なお、入賞口142も大入賞口140と同様
に開放時には開き扉を受口とする構成である。その他の
部位については前述した第1実施形態と同様の構成なの
で100番台として説明を換用する。
【0028】また、第3実施形態の遊技盤222とし
て、図5に示すように、図柄表示装置32に替えて螺旋
状役物250を遊技盤222の中央に設置しても良い。
螺旋状役物250に入球した遊技球は、螺旋軌道を描き
ながら振り分けられるため、遊技機本来の遊技球の挙動
による現実的な演出等の視覚的アピール効果が大きい。
ここでは、図柄作動口233や螺旋状役物250等を遊
技球が通過するタイミングに起因して、特定領域236
を開閉させても良いし、権利獲得用役物234の貯留状
態を変化させても良い。また、入球口242、243に
遊技球が入球することにより賞球を払い出しても良い
し、特定領域236を開閉させる等しても良い。なお、
その他の部位については前述した第1実施形態と同様の
構成なので200番台として説明を換用する。
【0029】なお、前述したパチンコ機10の電気的構
成及び主制御装置30等の8ビットワンチップマイコン
が実行する処理は、従来の構成と概ね同様なのでその詳
細な説明は割愛する。
【0030】以下、本実施形態のパチンコ機10の遊技
方法の一例を図6〜図15を参照しながら説明する。本
実施形態のパチンコ機10では、遊技者は、権利獲得用
役物34の役物内入球口35、又は図柄作動口33のい
ずれに照準を定めるかによって、遊技の展開を自ら選択
することができる。
【0031】例えば、先に権利獲得用役物34内に貯留
を完成させ特定領域36への通過路を形成してから、L
CD32aで図柄変動後に特定図柄を表示させ、特定領
域36を開放させる場合について説明する。まず、大当
たり状態以外の通常ゲーム時には遊技者は権利獲得用役
物34の役物内入球口35を狙い遊技球を発射する。遊
技球が権利獲得用役物34に入球すると、貯留可能部3
8a〜38dに遊技球が貯留される可能性がある(図6
(a)参照)。通常は手前上段の貯留可能部38aから
順番に貯留可能部38b、貯留可能部38c、貯留可能
部38dと貯留されていくことが多い。しかし、稀に入
球した遊技球の勢いや権利獲得用役物34への入球角度
によっては、貯留可能部38a〜38dに衝突してはじ
かれたり飛び越えたりして、その他の貯留可能部(例え
ば貯留可能部38d等)から貯留されたり、そのまま排
出口37から排出される場合もある。このように、遊技
球を貯留可能部38a〜38dに貯留させていき、所定
数(ここでは4ヶ所)貯留させると特定領域36へ到達
する通過路が貯留された遊技球によって形成される。な
お、通常の技量を有する遊技者であれば、全ての貯留可
能部38a〜38dに貯留させることは可能であるが、
稀に遊技者の技量の低さによっては全部を貯留すること
ができない場合もある。現段階では特定領域36はまだ
閉鎖している状態なので、全ての貯留可能部38a〜3
8dに貯留された後に遊技球が権利獲得用役物34内に
入球した場合は、既に貯留されている遊技球の上を伝
い、排出口37から排出される(図6(b)参照)。一
方、後述するように、特定領域36の開放時には、後か
ら入球した遊技球は、この貯留された遊技球によって形
成された通過路の上を伝いながら転がってV入賞する可
能性がある。このように、貯留可能部38a〜38dに
遊技球を貯留することにより、貯留のない基本状態か
ら、遊技者は自ら遊技に有利な展開を創出することがで
きる。
【0032】前述したように、特定領域36は開閉式に
なっており、開放時以外はV入賞しない構成となってい
る。貯留可能部38a〜38dに遊技球が貯留され、特
定領域36への通過路が形成された時点で、遊技者は次
に図柄作動口33(図3参照)を狙って遊技球を発射
し、LCD32aで図柄を揃え特定領域36を開放させ
ることを試みる。なお、遊技状況又は遊技者の判断によ
り、貯留を完成させる前に図柄作動口33に照準を定
め、先にLCD32aで図柄を変動させて特定領域36
の開放を試みても構わない。このように、遊技の展開に
よって遊技者の狙う的が変化するので遊技の幅が広が
り、遊技が単調となることもない。
【0033】図柄作動口33を遊技球が通過すると(図
7(a)参照)、主制御装置30で乱数の抽選が行わ
れ、その結果に基づきLCD32aで図柄が変動を開始
する(図7(b)参照)。変動中の図柄が予め定められ
た所定の図柄(例えば、「777」、「666」等の3
桁同一の図柄)で揃い停止表示すると(図8(a)又は
図8(b)参照)、特定領域36が所定時間又は所定回
数開放され、V入賞が可能な状態となる。
【0034】ただし、一度完成させた貯留状態(通過
路)を常に維持していたのでは遊技が単調になるので、
定期的又は不定期に、貯留可能部38a〜38dを貯留
状態から解除状態又は解除状態から貯留状態へと変化さ
せることが好ましい。具体的には、(1)LCD32a
により表示される図柄の種類等の表示形態(例えば、大
当たり表示等の特定の表示を行った場合、又は外れ表示
であっても特定の図柄を表示した場合等)、(2)図柄
作動口33や権利獲得用役物34内等に入球した遊技球
の数、その他の各種入賞口等に入賞した遊技球の数又は
発射した遊技球の数、(3)遊技の経過時間(例えば、
時間を計測して5分毎等の所定若しくは適宜時間毎、又
は前回の大当たり発生から5分後等の所定若しくは適宜
時間経過毎等)、(4)遊技中の大当たり発生回数又は
権利発生回数、等の所定条件に従って変化させることが
考えられる。ここでは、LCD32aで遊技者に不利な
展開となる表示態様(リスクのある表示態様)を表示さ
せることによって、権利獲得用役物34内の貯留可能部
38a〜38dに今まで貯留させてきた遊技球を解除
し、貯留のない基本状態に戻す等、貯留数又は貯留場所
を多種多様に変化させる構成とする。
【0035】LCD32aでの表示態様としては種々挙
げられるが、その態様の一つとして、権利獲得用役物3
4内の貯留可能部38a〜38dは、LCD32aに確
定表示された図柄の種類によって、解除数又は解除する
場所が決定され、貯留状態が変化する構成とすることも
できる。例えば、LCD32aで大当たり時に揃った図
柄が、遊技者に有利な展開をもたらす特定図柄(例えば
「777」)であれば(図8(a)参照)、特定領域3
6が開放されると共に、全ての貯留場所(例えば4ヶ
所)の貯留状態が維持され、貯留可能部38a〜38d
に貯留されている遊技球は、特定領域36へ他の遊技球
を導く通過路を構成する(図9(a)参照)。このと
き、権利獲得用役物34に入球した遊技球は貯留可能部
38a〜38dに貯留された遊技球よって形成された通
過路の上を伝い、特定領域36に導かれる(図9(b)
参照)。このように、LCD32aの図柄が遊技者にと
って有利な展開をもたらす図柄(例えば「7」)で揃っ
て特定領域36が開放されたときには、V入賞率が高
い。
【0036】逆に、LCD32aで大当たり時に揃った
図柄が、遊技者に不利な展開をもたらす特定図柄(例え
ば「666」)であれば(図8(b)参照)、貯留可能
部38b以外の3ヶ所の貯留可能部38a,38c,3
8dが解除され、貯留可能部38a,38c,38dに
貯留されていた遊技球は落下し、特定領域36へ他の遊
技球を導くはずの通過路が消失する(図10(a)参
照)。このときは、権利獲得用役物34内に遊技球を入
球させても、途中の解除された貯留可能部38a,38
c,38d等から落下する可能性が高く、特定領域36
まで到達することが難しい。なお、一旦解除された貯留
可能部38a,38c,38dは、特定領域36の開放
中は解除状態を維持する構成としても良いし、その後に
すぐに貯留可能状態に戻す構成としても良い。後者の場
合は、特定領域36開放中に再び貯留可能部38a,3
8c,38dに遊技球を貯留することにより、V入賞率
を向上させることができる。このように、LCD32a
の図柄が遊技者にとって不利な展開をもたらす図柄(例
えば「6」)で揃って特定領域36の開放されたとき
は、V入賞率が低い。特に、貯留場所がゼロとなった場
合には、V入賞率は極めて低くなるため遊技者にとって
は非常に不利な展開となる。このように、遊技者にとっ
て不利な展開となる表示を含めることにより、遊技が単
調になることを防ぎ、興趣溢れるものとなる。
【0037】このように、LCD32aで確定表示した
図柄ごとに遊技の展開が頻繁に変化するので、特定領域
36が開放される際には、LCD32aにおいて貯留状
態を可視表示し、遊技者に報知しても良い。例えば、L
CD32aで大当たり時に揃った図柄が、遊技者に有利
な展開をもたらす特定図柄(例えば「777」)であれ
ば(図8(a)参照)、貯留可能部38a〜38dは多
数箇所(例えば4ヶ所全て)の貯留状態が維持されるの
で、図柄の確定表示の後にLCD32aに多数箇所を示
す貯留数(例えば全貯留)が表示されたボードを持った
キャラクタAが登場し、遊技者に有利な状態になったこ
とを示す図柄(例えば「ラッキー」)と共に遊技者に可
視表示され報知される(図11(a)参照)。これによ
り、遊技者はV入賞率が高いことを認識する。一方、L
CD32aで大当たり時に揃った図柄が、遊技者に不利
な展開をもたらす特定図柄(例えば「666」)であれ
ば(図8(b)参照)、少数箇所(例えば1ヶ所)しか
貯留状態が維持されないので、図柄の確定表示の後にL
CD32aに少数箇所を示す貯留数(例えば貯留数1)
が表示されたボードを持ったキャラクタAが登場し、遊
技者を激励する図柄(例えば「ファイト」)と共に遊技
者に可視表示され報知される(図11(b)参照)。こ
れにより、遊技者はV入賞率が低いことを認識する。な
お、可視表示による報知は大当たり表示の後であればい
かなるタイミングでも構わない。例えば、特定領域36
の開放前に表示すれば予告表示となるし、開放中に表示
すれば応援表示ともなる。このように、遊技者に有利な
状況、不利な状況を報知し認識させることにより、遊技
者を一喜一憂させ、遊技に引き込むこともできる。
【0038】貯留可能部38a〜38dは、一旦解除し
遊技球を落下させることによって、すぐに貯留可能状態
に戻しても良いし、LCD32aに表示される図柄の種
類等によって貯留可能状態に戻すこととしても良い。具
体的には、LCD32aで特定の図柄を確定表示させる
ことにより貯留可能部38a〜38dが回復する等、外
れ表示時の確定図柄の中に含まれる図柄の種類によって
貯留状態を変化させることができる。例えば、LCD3
2aで外れの表示態様として、「227」のように貯留
用特定図柄(例えば「7」)が少なくとも1つでも確定
表示された場合(図12(a)参照)、貯留可能部38
a〜38dを全て貯留可能とする(図12(b)参
照)。また、3桁の図柄のうち、確定表示された貯留用
特定図柄の数の貯留可能部38a〜38dを貯留可能と
していく構成としても良い。例えば、確定表示された図
柄のうち、貯留用特定図柄(例えば「7」)が1つ含ま
れている場合は、貯留可能部(例えば貯留可能部38
a)を1ヶ所貯留可能な状態に戻し、貯留用特定図柄
(例えば「7」)が2つ含まれている場合は、貯留可能
部(例えば貯留可能部38a、38b)を2ヶ所貯留可
能な状態に戻す。
【0039】逆に、特定の図柄が確定表示されると、貯
留可能部を解除する構成としても良い。例えば、LCD
32aで確定表示された3桁の図柄のうち「262」の
ように解除用特定図柄(例えば「6」)が1つでも含ま
れている場合(図13(a)参照)、全貯留可能部38a
〜38dを解除する(図13(b)参照)。また、3桁
の図柄のうち、解除用特定図柄(例えば「6」)が表示
された数の貯留可能部38a〜38bを解除する構成と
しても良い。例えば、貯留可能部38a〜38bのう
ち、「296」と確定表示された場合は1ヶ所、「26
6」と表示された場合は2ヶ所を解除する。なお、貯留
用特定図柄(例えば「7」)と解除用特定図柄(例えば
「6」)等、相反する意味を有する図柄が同時に確定表
示された場合は、予めどちらかを優先させる等の設定を
しておく。このように、大当たり表示以外の通常時にも
外れ表示される判定結果の静止図柄に含まれる図柄の種
類によって貯留数を変化させることができる。
【0040】解除用図柄の種類は、例えば「6」等の判
定結果の静止図柄自体の他にも、判定図柄に付随する図
柄によって解除させても良い(図14(a)参照)。こ
こでは、「620」の3桁の判定図柄に「か」「い」
「じょ」と表記された図柄をそれぞれ付随させてLCD
32aで表示している。また、判定結果の静止図柄とは
全く関係なく出現するキャラクタ図柄等の種類によって
変化させても良い。例えば、LCD32aで図柄の変動
中に解除と表示されたボードを出現させる(図14
(b)参照)。また、LCD32aで図柄変動中にキャ
ラクタBを出現させて、解除予告を表示する図柄(例え
ば「解除よ」)と共に変動中の図柄を縮小表示させ遊技
者に可視表示して報知しても良い(図15参照)。
【0041】このように、貯留可能部38a〜38dに
は0〜4個の遊技球が貯留される可能性がある。LCD
32aに表示される図柄の種類等の所定条件により、全
く貯留されないこともあるが、最大値まで貯留されるこ
ともある。なお、貯留数又は貯留場所は貯留可能部38
a〜38dを予め解除状態にしておくことにより調節さ
れるが、貯留可能部38a〜38dは可動式の凹部材で
あり、モータ等のアクチュエータ(図示略)で底面を退
避させ遊技球が落下することにより貯留を解除するよう
に構成される。
【0042】特定領域36の開放中に、権利獲得用役物
34に入球した遊技球が特定領域36にV入賞すると権
利獲得状態となり、所定の権利期間に突入する。権利期
間中には遊技者は発射ハンドル24を思い切り回して所
謂右打ちをし、遊技盤22の右側にある回転体39に向
けて遊技球を発射する。遊技球が回転体39の中に入球
すると、回転体39の下方にある大入賞口40が所定時
間又は所定回数開放されるので、遊技者はそのまま右打
ちを続け大入賞口40に遊技球を打込み権利期間を消化
する。この権利期間中に大入賞口40に入賞した遊技球
の数に対応して賞球が払い出される。
【0043】なお、前述したように、LCD32aで図
柄を揃えて特定領域36を開放させた後に、権利獲得用
役物34内に貯留を完成させると共に特定領域36にV
入賞させる遊技展開も可能であるが、その詳細な説明に
ついては割愛する。
【0044】また、貯留条件又は解除条件等は、その他
にも種々の条件を設定することができる。例えば、普通
図柄表示装置を設けて、表示される図柄によって変化さ
せても良いし、遊技時間又はその他の乱数に従って変化
させても良い。勿論、遊技方法も上記に限定されること
もなく、制御を若干変更することにより、貯留可能部3
8a〜38dを備えた権利獲得用役物34を有効に利用
可能な他の形態の遊技システムを提供することができ
る。
【0045】なお、本発明は、上述の実施の形態に限定
されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない
範囲において、改変等を加えることができるものであ
り、それらの改変、均等物等も本発明の技術的範囲に含
まれることとなる。例えば、本実施形態のような所謂
「権利物」に限らず、遊技球が特別図柄作動口に入賞又
は通過したタイミングに起因して選択される当否判定乱
数の値により、画面上で変動中の特別図柄が特定の図柄
で揃い確定表示されることによって、遊技内容を遊技者
に有利な状態、所謂「大当たり」と称して大入賞口等を
所定時間開放して遊技者に賞球を払い出すフィーバー機
と呼ばれる機種と、遊技球が特定の作動口に入球するこ
とに起因して羽根部材を備えた電動役物が羽根部分を開
き遊技者に有利な遊技状態とし且つ球が電動役物内に設
けた特定領域を通過すると「大当たり」とする俗称「ヒコ
ーキ」と呼ばれる機種を適宜に組み合わせた機種でも構
わない。
【0046】
【発明の効果】請求項1〜4に記載の発明によれば、遊
技者の射幸心を煽り、バリエーション豊かな興趣溢れる
弾球遊技機を提供することができる。具体的には、遊技
領域内における遊技球と役物が絡んで織り成すゲーム性
を大当たり又は権利獲得に関わらず、遊技の進行と共に
徐々に遊技者にとって有利な展開となったり基本状態
(貯留のない状態)に戻ったりする制御を行うことによ
り、遊技者の遊技意欲を促進し、飽きを防止することが
できる。また、大当たり又は権利獲得等の最終的な目的
だけでなく、その過程にも意味を持たせ、「貯留状態を
自らにより創出し遊技の展開を左右する」という、従来
にはない遊技の段階的な目的を遊技者に与えるという斬
新な遊技性を遊技者に提供できる。さらに、近年、広く
普及して一般的となった液晶画面等の可視表示装置を用
いての表示画面上での演出表示に加え、現実に存在する
遊技球の挙動等の視覚上の演出を行うことにより、迫力
ある演出が可能となり、娯楽性が著しく向上する。ま
た、貯留により、役物入球時における遊技者の興趣を最
も煽る瞬間を継続できるため、遊技者をより楽しませる
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を採用したパチンコ機10を示す外観斜
視図である。
【図2】パチンコ機10を裏面から見た裏面図である。
【図3】第1実施例のパチンコ機10の遊技盤22の構
成を示す正面図である。
【図4】第2実施例のパチンコ機110の遊技盤122
の構成を示す正面図である。
【図5】第3実施例のパチンコ機210の遊技盤222
の構成を示す正面図である。
【図6】(a)権利獲得用役物34の拡大図である。
(b)は貯留可能部38a〜38bに遊技球が貯留され
た状態を示す権利獲得用役物の拡大図である。
【図7】(a)は図柄作動口33の拡大図である。
(b)は図柄変動中のLCD32aの拡大図である。
【図8】(a)は大当たり表示中のLCD32aの拡大
図である。(b)は他の大当たり表示中のLCD32a
の拡大図である。
【図9】(a)は「7」で大当たりした場合の権利獲得
用役物34の拡大図である。(b)は「7」で大当たり
した場合のV入賞時の権利獲得用役物34の拡大図であ
る。
【図10】(a)は「6」で大当たりした場合の権利獲
得用役物34の拡大図である。(b)は「6」で大当た
りした場合の権利獲得用役物34の他の拡大図である。
【図11】(a)は「7」で大当たりした場合のLCD
32aの拡大図である。(b)は「6」で大当たりした
場合のLCD32aの拡大図である。
【図12】(a)は外れ表示時のLCD32aの拡大図
である。(b)は外れ表示時の権利獲得用役物34の拡
大図である。
【図13】(a)は他の外れ表示時のLCD32aの拡
大図である。(b)は他の外れ表示時の権利獲得用役物
34の拡大図である。
【図14】(a)は判定図柄に付随する図柄を有する外
れ表示時のLCD32aの拡大図である。(b)は判定
図柄と関係ないキャラクタ図柄を有する外れ表示時のL
CD32aの拡大図である。
【図15】他の判定図柄と関係ないキャラクタ図柄を有
する外れ表示時のLCD32aの拡大図である。
【符号の説明】
10 弾球遊技機としてのパチンコ機、 15 上
皿、22 遊技盤、 23
下皿、24 発射ハンドル、 25
発射制御装置、30 当否判定手段としての主制御装
置、 31 賞球制御装置、32 表示手段としての図
柄表示装置、 32a LCD、33 始動領域とし
ての図柄作動口、 34 権利獲得用役物、35
役物内入球口、 36 特定領域、
37 排出口、 38a〜3
8d 貯留可能部、39 回転体、
40 大入賞口、41 アウト口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大村 誠 名古屋市中川区太平通1丁目3番地 株式 会社高尾内 Fターム(参考) 2C088 AA17 AA44 BC07 BC22 CA26 EB52 EB74 EB76

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】遊技球が入球することにより遊技者に有利
    な遊技状態とする特定領域と、 遊技球を所定数貯留又は解除可能な貯留可能部とを同一
    役物内に設け、 前記役物内に入球した遊技球は、前記貯留可能部に貯留
    されている遊技球上を通ることにより、前記特定領域に
    導かれる構成であり、 前記貯留可能部に貯留される遊技球により、前記特定領
    域への入球確率を変化させることを特徴とする弾球遊技
    機。
  2. 【請求項2】前記役物内に入球し、前記貯留可能部に貯
    留されなかった遊技球又は貯留を解除された遊技球が入
    賞する可能性がある入賞口を、前記役物内又は前記役物
    の排出口若しくは該排出口付近に備えたことを特徴とす
    る請求項1記載の弾球遊技機。
  3. 【請求項3】前記役物内に入球された遊技球が該役物内
    の前記貯留可能部に貯留される貯留数、貯留場所又は貯
    留時間を、前記表示手段に表示される図柄の種類に従っ
    て変化させると共に、該変化による遊技状態の移行又は
    結果を可視表示装置、音声出力装置又はランプ出力装置
    により報知することを特徴とする請求項1又は2に記載
    の弾球遊技機。
  4. 【請求項4】前記貯留可能部に貯留された遊技球の解除
    数、解除場所又は解除時期を、前記表示手段に表示され
    る図柄の種類に従って変化させると共に、該変化による
    遊技状態の移行又は結果を前記可視表示装置、前記音声
    出力装置又は前記ランプ出力装置により報知することを
    特徴とする請求項1及至3いずれかに記載の弾球遊技
    機。
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