JP2010099270A - 球誘導役物及び遊技盤ユニット - Google Patents

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Abstract

【課題】所定領域に向けて球を誘導させる状態を実現する契機となる球の貯留態様を変化させることができる、球誘導役物及び遊技機を提供すること。
【解決手段】この球誘導役物8は、所定領域35に向けて球23を誘導容易な状態と誘導困難な状態とを実現可能な通過領域8dと、通過領域8d内の球23を貯留可能な球貯留部8gが形成され、通過領域8dにおける球貯留部8gの配置態様を変化させるように移動可能な移動部材8eと、を備え、通過領域8dは、通過領域8dに配置された球貯留部8gに所定球数の球23が貯留されることにより、所定領域35に向けて球23を誘導容易な状態を実現するように構成される。
【選択図】図2

Description

本発明は、球誘導役物及び遊技盤ユニットに係り、特に球を所定領域に向けて導く機能を有する球誘導役物等に関する。
パチンコ機においては、弾球された球が遊技領域(遊技盤面上又はその近傍に形成された領域であって、球の流下による遊技や演出を実現するための領域。)を流下して、その流下の過程で球が遊技領域内の遊技釘(ゲージともいう。)や風車に衝突しつつ転回して流下方向が変化する。その結果、遊技領域上に配置された各種入賞口に球が入賞すれば所定の景品球払出しがされ、一方いずれの入賞口にも入賞せずアウト口に球が流入すれば景品球払出しはされない。遊技者は、弾球における自らの技量を発揮して、又は球の流下における偶然性を利用しつつ球の入賞及び景品球払出しを期待し、遊技を楽しむのである。
遊技者は、パチンコ機において大当りに入賞すると、多くの遊技媒体の払出しを得ることができるため、大当りとなることを期待して遊技を行う。この大当りの態様として、一般的に第1の特別遊技(1種大当り又は図柄変動大当りともいう。)と第2の特別遊技(2種大当り又は役物大当りともいう。)とが存在しており、各大当りを個別に実現可能な1種タイプ及び2種タイプのパチンコ機や、いずれの大当り態様も実現可能な1種2種タイプのパチンコ機が概念できる。
第2の特別遊技は、所定の入賞口への遊技媒体の入賞に基づいて2種大入賞口が所定時間開放することで発生し(第2の特別遊技の第一段階)、2種大入賞口が所定時間開放した際に、2種大入賞口内に流入した遊技媒体が特定の領域を通過するか否かによって第2の特別遊技が継続するか否かを抽選する。遊技媒体が特定の領域を通過すると、第2の特別遊技の継続が確定して、遊技者は多くの景品球払出しを得ることができる。遊技者は、2種大入賞口内の特定領域を球が通過することを期待し、2種大入賞口内の球の動きに関心をもって遊技を行う。
例えば、特許文献1には、球が入球することにより遊技者に有利な遊技状態とする特定領域を有するパチンコ機において、その特定領域と、所定個数の球を貯留又は貯留解除可能な貯留可能部と、を同一役物内に有するパチンコ機が記載されている。この役物内に入球した球は貯留可能部に貯留され、貯留可能部に球が貯留されている場合にはその貯留球上を通って後続の球が特定領域に導かれるように構成されている。
このパチンコ機は、役物内に複数の貯留可能部が配置されており、この全ての貯留可能部に球が貯留されていない状態では、新たに入球した球は貯留可能部に貯留される。しかし、全ての貯留可能部に球が貯留された状態では、新たに入球した球は貯留された球上を通って特定領域に導かれる。すなわち、全ての貯留可能部に球が貯留されることにより、役物内の球を特定領域に向けて導くことができる状態となる。
特開2006−247170号公報
しかし、このパチンコ機においては、役物内の貯留可能部の個数は常に一定であり、常に同じ個数の球が貯留可能部に貯留されることにより役物内の球を特定領域に向けて導くことができる状態となる。したがって、球の動きの変化が乏しく単調な遊技性となり、遊技者に飽きられ易くなる虞がある。更に、一定数である貯留可能部の個数より少ない球数の入球では特定領域に球が誘導されず、遊技者は、有利な遊技状態の実現を期待できない。したがって、少ない球数の球が入球した際に、遊技者の期待感を十分に高めることはできず、更に遊技者に飽きられ易くなる虞がある。
本発明は、上記の事情に鑑みて為されたものであり、球を所定領域に向けて通過させる通過領域と、通過領域内の球を貯留する球貯留部を備え、球の貯留態様に応じ所定領域に向けて球を誘導容易な状態と誘導困難な状態とを実現する球誘導役物及び遊技盤ユニットにおいて、所定領域に向けて球を誘導させる状態を実現する契機となる球の貯留態様を変化させることができる、球誘導役物及び遊技機を提供することを例示的課題とする。
上記の課題を解決するために、本発明の例示的側面としての球誘導役物は、所定領域に向けて球を誘導容易な状態と誘導困難な状態とを実現可能な通過領域と、通過領域内の球を貯留可能な球貯留部が形成され、通過領域における該球貯留部の配置態様を変化させるように移動可能な移動部材と、を備え、通過領域は、通過領域に配置された球貯留部に所定球数の球が貯留されることにより、所定領域に向けて球を誘導容易な状態を実現するように構成され、通過領域における球貯留部の配置態様の変化に伴って、所定領域に向けて球を誘導容易な状態を実現するために必要な貯留球数である所定球数が変化するように構成される。
球誘導役物は、球を所定領域に向けて誘導容易な状態と誘導困難な状態とを実現可能な通過領域を備えている。通過領域には、球を貯留可能な球貯留部が配置されており、通過領域内の球は、通過領域内に配置された球貯留部に貯留可能である。
通過領域に配置された球貯留部に所定球数の球が貯留されることにより、通過領域は所定領域に向けて球を誘導容易な状態を実現し、通過領域内の球は所定領域に向かって導かれ易くなる。すなわち、通過領域内に配置された球貯留部に貯留された球数に応じて、通過領域内の球を所定領域に向けて誘導し易い状態と誘導し難い状態とが実現される。
球貯留部は、移動部材に形成されており、移動部材の移動により通過領域における配置態様が変化する。この球貯留部の配置態様の変化に伴って、所定領域に向けて球を誘導容易な状態を実現するために必要な貯留球数である所定球数が変更される。例えば、移動前においては5個の球が球貯留部に貯留されることにより、所定領域に向けて球を誘導し易い状態を実現するが、移動後においては3個の球が球貯留部に貯留されることにより、所定領域に向けて球を誘導し易い状態を実現する。
すなわち、移動部材の移動により、通過領域における球貯留部の配置態様を変化させて、所定領域へ球を誘導容易な状態とするために必要な貯留球数を変更することができる。したがって、同じ球数の球が球貯留部に貯留された状態であっても、球貯留部の配置態様によって、所定領域に誘導容易な状態になる場合と誘導困難な状態になる場合とを実現することができる。球の貯留態様や球貯留部の配置態様に基づいて、所定領域に球が導かれる確率が変更する。
また、球の誘導態様が変化するため、常に一定の貯留球数の貯留に基づいて球の誘導態様が決定する場合と比較して、球貯留部の配置態様及び球の動きに対する遊技者の関心が高まり、遊技者は、所定領域に球が導かれるか否かの期待感を高めつつ遊技を行うことができる。更に、球の貯留という物理的な動き(すなわち、遊技者にとって目視把握可能な動き)により、所定領域に球が導かれ易い状態と導かれ難い状態とが実現されるため、遊技者は球の動きによるドキドキ感やワクワク感を得ることができる。
通過領域は、所定領域に向けて球を誘導容易な状態と球を誘導困難な状態とを実現可能に構成され、球が通過できる空間を有するものであればよい。また、通過領域における球が通過できる空間は、球の通過方向において四方が囲まれていてもよいし、必ずしも四方が画定された空間でなくてもよい。
移動部材は、球貯留部が形成され、通過領域に対する球貯留部の配置態様が変化するように移動可能に構成されていればよい。移動部材は、電気的駆動手段により駆動するように構成してもよいし、球の衝突力等、機械的駆動手段により駆動するように構成してもよい。また、移動部材は、一定周期で駆動されるように構成されていてもよいし、球の衝突力等所定の契機に応じて不定期に駆動されるように構成されていてもよい。
球貯留部は、通過領域内の球が貯留可能に構成されていればよい。例えば、1個の球貯留部に1個貯留されるように構成されてもよいし、1個の球貯留部に複数球貯留されるように構成されてもよい。また、球貯留部を複数設け、移動部材の移動に伴って通過領域に配置される球貯留部の個数を変更するように球誘導役物を構成してもよいし、複数球の球が貯留可能な球貯留部を構成し、移動部材の移動に伴って通過領域に配置される球貯留部における貯留可能な球数が変更されるように球誘導役物を構成してもよい。
具体的な移動部材の構成としては、移動部材を円柱として、その外周面に球誘導部としての穴部を形成した構成を例示できる。移動部材の外周面と接するように通過領域を設け、移動部材を回転させることにより、通過領域に対する穴部の配置態様を変化させることができる。また、他の構成としては、移動部材を直方体として、その外側面に貯留数の異なる球貯留部を形成する。移動部材の外周面と接するように通過領域を設け、移動部材を回転させることにより、通過領域に配置される側面を移動させて通過領域に対する穴部の配置態様を変化させることができる。
通過領域は、球貯留部に所定個数の球が貯留されることにより、所定領域に向けて球を誘導容易な状態を実現する。この所定球数は、予め定められた球数であればよく、通過領域に配置された球貯留部における最大貯留球数であってもよいし、最大貯留球数より少ない球数であってもよい。また、通過領域は、通過領域における球貯留部の配置態様の変化に伴って、所定領域に向けて球を誘導容易な状態を実現するために必要な貯留球数である所定球数が変化するように構成される。
所定領域とは、球を誘導可能な領域であればよく、種々の構成とすることができる。具体的には、例えば、球が入球することにより第2の特別遊技が継続する2種大入賞口内の特定領域、球が流入することにより景品球払出しの契機となる入賞部、及び球の流入により特別な映像の提供等遊技者にとって有益な演出の契機となる入球部とすることができる。例えば、特定領域への入球を遊技者にとって有利な遊技状態とする契機や有益な演出の契機等、遊技者に対する利益付与の契機とすることにより、遊技者は更に球の動きに興味を抱き、遊技者の関心を更に高めることが可能となる。
更に、本発明に係る球誘導役物は、遊技領域に配置され、遊技領域を流下する球が流入する入球口を備え、入球装置として機能するように構成してもよいし、遊技領域を流下する球を流入可能に配置された入球装置の下流に配置され、入球装置に入球した球の処理装置として機能するように構成してもよい。ここでいう入球装置とは、例えば、球の流入が特別遊技の抽選の契機となるとともに、一定数の景品球払出しの契機となる始動入賞口、始動入賞口への流入による特別遊技の抽選結果が大当りとなった際に大当り遊技を実行する大入賞口、遊技媒体の流入が一定数の景品球払出しの契機となる一般入賞口、遊技領域を流下していずれの入賞口等にも流入しなかった球が流入するアウト口を例示することができる。
通過領域は、球貯留部に所定球数の球が貯留されることにより、貯留された球が通過領域内の球を所定領域に向けてガイドして、所定領域に向けて球を誘導容易な状態を実現するように構成されていることが望ましい。具体的な構成としては、通過領域の球通過面を構成する移動部材に球貯留部としての穴部を形成して、この穴部に球が貯留されることにより、貯留された球が球通過面の一部を構成して、次いで通過領域に流入した球が貯留された球上を通過して所定領域に向けて誘導される構成や、通過領域の球通過面の側部に球貯留部としての穴部を形成して、この穴部に球が貯留されることにより、貯留された球が球通過面の側面に配置され、次いで通過領域に流入した球が貯留された球の側方を通過して所定領域に向けて誘導される構成を例示できる。
通過領域は、球貯留部に所定球数の球が貯留されることにより、移動部材が通過領域内の球を所定領域に向けてガイドするように移動して、所定領域に向けて球を誘導容易な状態を実現するように構成されていてもよい。移動した移動部材が所定領域に向けて球を案内することによって、所定領域に向けて球を誘導可能な状態を実現することができる。
また、移動部材は所定個数の球が貯留されることにより移動する構成であり、移動するタイミングは一定ではなく偶発的なタイミングとなる。遊技者は、移動部材がどのようなタイミングで移動して所定領域に向けて球を誘導可能な状態が実現されるかが分かり難く、更に球の動きに関心を高めることとなる。
具体的な構成としては、移動部材に形成した球貯留部としての穴部を通過領域の球通過面に配置して、この穴部に球が貯留されることにより、貯留された球の自重で移動部材が移動する構成を例示できる。移動部材の移動に伴って穴部が通過領域外に移動することにより通過領域に穴部が存在しなくなり、次いで通過領域に流入した球を移動部材によってガイドして所定領域に向けて誘導することができる。このように球の自重によって移動部材を移動させる構成によれば、移動部材を駆動させるための駆動源や複雑な制御手段を設けることが不要となり、簡易な構成を採用することができる。
通過領域を通過しない球を、通過領域を通過した球より低い確率で所定領域に向けて誘導する低確率通過領域を更に備えるように構成してもよい。低確率通過領域を更に備えることにより、通過領域を通過しない球も所定領域に向けて導かれる可能性があるため、通過領域を通過しない球に対する遊技者の関心を高めることができる。また、所定領域に球を導くルートが少なくとも2通りとなり、球の通過態様を多様化することができる。
なお、ここで通過領域を通過しない球とは、通過領域に配置された球貯留部に貯留された球や、通過領域の通過途中で落下した球や、通過領域に流入しなかった球を含む概念である。具体的な構成としては、通過領域を通過した球を100%の確率で所定領域に導き、通過領域に配置された球貯留部に貯留された球を低確率通過領域によって50%の確率で所定領域に導くような構成を例示できる。
通過領域の上流側に通過領域へ球を流入させる開閉部材を更に備え、かつ開閉部材が、通過領域に球が流入し易い状態と、通過領域に該球が流入し難い状態と、を実現可能であるように構成してもよい。開閉部材を設けることにより、通過領域に球を常に流入させずに、開閉部材が所定の態様であるときのみ流入させることができ、通過領域に球が流入する態様と、通過領域に球が流入しない態様と、を実現できる。このように通過領域に流入し易い状態と流入し難い状態とを実現可能とすることにより、例えば、特定の入賞があった際に通過領域に球を導くように開閉部材を開閉させ、通過領域内の球が所定領域に導かれることにより大当りとする等、所定領域に球を導くまでに段階的なステップを設けることができる。
また、所定領域に球が流入することを期待する遊技者は、開閉部材が所定態様となることを期待し、更に所定態様の際に多くの球が通過領域に流入することを期待し、加えて、流入した球が球貯留部に貯留されることを期待する。すなわち、球貯留部に貯留されるか否かのみでなく、複数の段階にわたって球の動きに対するドキドキ感やワクワク感を遊技者に抱かせることが可能となる。
移動部材を複数備えており、移動部材は、通過領域に対する球貯留部の配置を変化させるように各々移動可能に構成されていることが望ましい。この構成によれば、各移動部材を通過領域に対して各々移動させて球貯留部の配置を変化させることができる。複数の移動部材の組合せやそれらの各自独立した移動態様等により、通過領域に対する球貯留部の配置態様のバリエーションや、所定領域に球を誘導可能な状態を実現するための球の貯留態様のバリエーションを増やすことができ、更に多様な球の動きを提供することができる。
本発明の更に他の例示的側面としての遊技盤ユニットは、球の流下による遊技を実現する遊技領域が形成される遊技盤と、遊技領域を流下する球が流入可能に配置された球誘導役物と、を備える。この遊技盤ユニットを用いて遊技を行うことにより、通過領域によって所定領域に向けて球を誘導し易い状態を実現させるために、必要な球貯留部への貯留球数を変更することができる。球の貯留態様や球貯留部の配置態様に基づいて、所定領域に球が導かれる確率を変更できる。
本発明の更なる目的又はその他の特徴は、以下添付図面を参照して説明される好ましい実施の形態によって明らかにされるであろう。
本発明に係る球誘導役物は、通過領域に配置された球貯留部の配置態様を変化させ、所定領域に向けて球を誘導容易な状態を実現するために、必要な貯留球数を変化させることができる。球の誘導態様が変化するため、常に一定の貯留球数の貯留に基づいて球の誘導態様が決定する場合と比較して、球貯留部の配置態様及び球の動きに対する遊技者の関心が高まり、遊技者は、所定領域に球が導かれるか否かの期待感を高めつつ遊技を行うことができる。
[実施の形態1]
以下、本発明の実施の形態1について図面を用いて説明する。図1は、本発明の実施の形態1に係る遊技機としてのパチンコ機2の正面図である。このパチンコ機2は、遊技機枠3、遊技盤ユニット5、前面ガラス(前面透明板)10、発射ユニット(不図示)、貯留皿14を有している。発射ユニットは、1個ずつ球23を遊技盤ユニット5に構成される遊技領域16に向けて発射可能である。
パチンコ機は、アレンジボール機、雀球機等の組合せ式パチンコ機、いわゆるデジパチタイプ(1種タイプ)やハネモノタイプ(2種タイプ)のパチンコ機等のあらゆるパチンコ機が概念できるが、本実施の形態においては、デジパチ遊技(1種遊技、図柄変動遊技ともいう。)とハネモノ遊技(2種遊技、役物遊技ともいう。)の両方の遊技を実現するいわゆる1種2種タイプのパチンコ機について例示説明する。なお、図柄変動遊技及び役物遊技については後述する。
パチンコ機2の遊技機枠3は、後述する遊技盤ユニット5を保持するためのもので、このパチンコ機2の周囲及び前方又はそれに加えて後方を囲むように構成される。遊技機枠3の内部には、遊技盤ユニット5の他にも各種電子基板や遊技媒体用の経路等各種機構部品が配置され、遊技機枠3によって周囲側面及び前面又はそれに加えて後方からのパチンコ機2内部への不正アクセスが防止されるようになっている。
例えば、パチンコ機2の周囲を囲む筐体枠4、その内側にヒンジ部(揺動支持部)22によって前方開閉可能に揺動支持されて遊技盤ユニット5を保持する機枠9、機枠9の前方にヒンジ部22によって前方開閉可能に揺動支持されて前面ガラス10とその周囲を装飾する装飾部材32とを保持する装飾枠12とを有して遊技機枠3が構成される。なお、前面ガラス10は、遊技機枠3内部に保持された遊技盤6を前方から遊技者が視認することができるようにするための透明部材である。
前面ガラス10は、遊技盤6に対して一定距離以上離間して配置された透明板である。前面ガラス10は透明平板ガラスで形成されて装飾枠12の裏面側に保持され、遊技盤6との間に球23が流下する流下空間を形成する機能、遊技者が前面ガラス10を通して遊技盤6を視認できるように視認性を確保する機能、遊技者が遊技盤6に不正にアクセス(接触)できないように不正アクセスを防止する機能、を発揮する。
貯留皿14は、遊技者の持ち球を貯留するためにパチンコ機2の前面に配置された皿部材であって、本実施の形態においては上皿14aと下皿14bとを有している。上皿14aは、球排出ボタン14cを有して遊技盤6の下方、すなわち装飾枠12の下方部分に配置され、下皿14bは、その上皿14aの更に下方に配置されている。
発射ユニットは、球供給装置(不図示)によって貯留皿14の一部としての上皿14aから発射位置に送り出された球23を遊技領域16の上部に向けて発射(弾球)するためのものである。発射ユニットは、例えば発射位置の球23を弾球する発射杆、その発射杆を駆動する発射モータ、発射杆を付勢して弾球力を発生させる発射バネ等を有してユニット構成され、機枠9に取り付けられている。その発射ユニットによる球発射のため、遊技者の操作に基づいて球発射のオンオフ及びその発射強度調整を実現する発射ハンドル15がパチンコ機2の前面下方に設けられている。
遊技盤ユニット5は、表面側の略中央にセンター役物7が配置された遊技盤6と、そのセンター役物7の一部に配置された2種大入賞口(第2の大入賞口)8とを有しており、その遊技盤6には多数のゲージ(遊技釘)27も配置されている。
遊技盤6は、その表面側に球23の流下による遊技を実現するための遊技領域16を構 成するための盤状部材であり、遊技盤6を前方から遊技者にとって視認可能となるように遊技機枠3(本実施の形態においては、遊技機枠3の一部としての機枠9。)に保持されている。その遊技盤6の表面には略円形状に周囲を囲むようにレール飾り26が取り付けられており、レール飾り26の内周面(内側面)26aが遊技盤に対して立設するように配置されている。そして、レール飾り26の内側面26aによって画定され、内側面26aに面した略円形状の領域が遊技領域16となっている。
ゲージ27は、遊技領域16を流下する球23と衝突してその流下方向を変更させる流下変更部材であり、多数が遊技領域16内に配置されている。また、遊技領域16には、普通入賞口28、中央始動口(第1の始動口及び第2の始動口)29、中央大入賞口(第1の大入賞口)31、2種大入賞口(第2の大入賞口)8等の入球部材及びアウト口39が配置されている。更に、遊技領域16には、通過ゲート33、風車34等が配置されており、流下する球23が各入球部材に流入したり、通過ゲート33を通過したり、風車34を回転させたりすることによって、球23による流下遊技を楽しむことができるようになっている。
センター役物7は、図柄変動遊技(1種遊技)や役物遊技(2種遊技)を実現するものである。センター役物7の中央部には、図柄表示装置7aが配置されるとともに、この図柄表示装置7aの表示画面(映像表示面)7bを露出させるための表示開口部7dが形成されている。センター役物7の表示開口部7dの下方には、球23が転動可能なステージ7eと、2種大入賞口8と、が設けられている。ステージ7eは、2種大入賞口8より手前側(遊技者から近い側)に配置されている。ステージ7eと2種大入賞口8との間には、各領域を区画するための透明なプレート部材21が設けられている。2種大入賞口8について詳細は後述する。
図柄表示装置7aは、例えば、液晶表示装置・有機ELディスプレイ・LED等により構成されて遊技者が遊技盤6の前面側から視認可能となるように配置され、その表示画面7b上に映像表示を行うものである。この表示画面7b上には、例えば、3桁の数字又は文字等により構成される表示図柄7cが回転又は停止するように映像として表示される。また、例えば、キャラクター等によるストーリー仕立ての映像としての演出映像も表示画面7b上に表示されるようになっている。
センター役物7は、遊技領域16の略中央に位置しており、その上部右側の一部が球通路37の下側壁面を構成している。そして、発射された球23の勢いが比較的強く球通路37を通過すると、センター役物7の右側部分の遊技領域(右側領域)16bへと至ることができるようになっている。
発射された球23の勢いが比較的弱く、この球通路37を通過しない場合には、球23はセンター役物7の左側部分の遊技領域(左側領域)16aを流下する。図示しない球発射装置により球23が発射されると、球23はレール飾り26の内周面26aに沿いつつ進行して遊技領域16内の上部に至る。その後、球23は、複数の通過軌跡に沿って移動し、あるものはレール飾り26の内周面26aに沿って右側領域16bに移動し、あるものはゲージ27に衝突しつつ遊技領域16内を下方に流下し、あるものは普通入賞口28に流入して一定数の景品球払出しの契機となり、あるものはいずれの入球装置にも流入せずに遊技領域16内最下部に位置するアウト口39に流入してアウト球としてパチンコ機2の外部側へと排出される。
図柄変動遊技中に球23が左側領域16aを流下し、中央始動口29の上流入口29aに流入すると、その流入に起因して図柄表示装置7aの表示図柄7cが回転表示(第1の特別遊技の抽選)を開始し、その表示図柄7cが所定の図柄(例えば、「7・7・7」。)で停止表示すれば、図柄変動遊技における大当り(第1の特別遊技。以下、図柄変動大当りという。)が発生する。そして、中央大入賞口31が開放して多量の入賞球を受け入れ、多量の景品球が貯留皿14へと払い出されるようになっている。
一方、球通路37を通過した球23は、右側領域16bを流下し、あるものは通過ゲート33を通過する。その通過ゲート33の通過に起因して状態変更抽選手段(不図示)による抽選が行われ、その抽選結果が当りの場合に、中央始動口29の下流入口29bが一定時間開放する。この中央始動口29の下流入口29bは、閉鎖状態では球23の流入が不可能とされているが、その開放中に流入すると、それに起因して2種大入賞口8が所定時間開放して大当り遊技が発生する(即ち、第2特別遊技の第1段階)。その開放時間中に、更に後続の球23が2種大入賞口8のV入賞口35に入賞すれば、中央大入賞口31の開放により大当り遊技の継続(即ち、第2特別遊技の第2段階)を楽しむことができるようになっている。
次いで、球誘導役物としての2種大入賞口8について詳細に説明する。図2は、2種大入賞口部分の拡大図である。図2においては、2種大入賞口8の説明のためにプレート部材21等一部を省略している。2種大入賞口8は、球23を入球可能に開口された流入口8aと、流入口8aの流入可能な状態と流入不可能な状態を実現する羽根部材(開閉部材)8bと、流入口8aから流入した球23が導かれる通過領域としての水平通路8dと、水平通路8dの一部を構成する移動部材としての回転体8eと、水平通路8dを通過した球23が誘導され、所定領域としてのV入賞口35を有する回転抽選体8nと、を有する。
2種大入賞口8の流入口8aから入球した球23は、正面視にて左下方に球23を導く水平通路8dに流入する。図3は、図2におけるA−A断面図である。図4は回転体8eの平面図であり、図5は、図3におけるB−B断面図である。
回転体8eは、中心に配置された軸部8fと、球貯留部としての複数の貯留穴8gと、を有する。回転体8eは、軸部8fを中心に回転可能な円柱であり、水平通路8d内の球23を貯留可能な貯留穴8gを外周面に有する。軸部8fには、図示しない駆動源が接続されている。駆動源によって回転体8eが回転駆動されることにより、水平通路8dにおける貯留穴8gの配置態様が変更する。
各貯留穴8gは、球23を1個貯留することができる大きさで、かつ貯留穴8gに貯留された球23の上面が水平通路8dの底面と略面一となるように構成されている。このように構成された回転体8eによれば、水平通路8dに配置された貯留穴8gに球23が貯留していない状態では、水平通路8d内の球23は、水平通路8dに配置された貯留穴8gに貯留し、水平通路8dを通過してV入賞口35に向けて誘導される可能性が低い。すなわち、水平通路8dに配置された貯留穴8gに所定個球(図示する状態では3個)の球23が貯留していない状態は、V入賞口35に向けて球23を誘導困難な状態である。
一方、水平通路8dに配置された貯留穴8gに所定個球(図示する状態では3個)の球23が貯留した状態では、貯留された球23が3個の貯留穴8gを埋めており、水平通路8d内の球23は、貯留された球の上を通って水平通路8dを通過してV入賞口35に向けて誘導される。すなわち、水平通路8dに配置された貯留穴8gに所定個球の球23が貯留した状態は、水平通路8dによってV入賞口35に向けて球23を誘導容易な状態である。
貯留穴8gは、球23の通過方向に沿った列となるように複数並んでおり、複数列にわたって形成されている。各列は外周方向において離れて配置されており、回転体8eが90度ずつ回転することにより、各列の貯留穴8gが各々水平通路8dに配置される。回転体8eは、3列の貯留穴8gの列が形成されており、列毎に貯留穴8gの個数は異なっている。
図示する状態では、水平通路8dに3個の貯留穴8gが配置されており、遊技者側(手前側)部分に4個の貯留穴8gが形成され、後側部分に2個の貯留穴8gが配置されている。また、回転体8eの下側部分には、貯留穴8gが形成されていない。したがって、回転体8eが90度ずつ回転することにより、水平通路8dに配置される貯留穴8gの個数が2個から4個の間で変更したり、水平通路8dに貯留穴8gが存在しない状態となる。
例えば、図示する状態において4個の球23が水平通路8dに流入すると、1球目から3球目の球23は貯留穴8gに貯留される。4球目の球は、貯留穴8gに貯留された球23の上を通過して、水平通路8d内を移動して正面視における左側に導かれる。すなわち、貯留穴8gの個数より多い個数の球23が水平通路8dに流入すると、貯留穴8gの個数より多い個数の球23は、水平通路8dを通過してV入賞口35に向けて移動する。
また、図示する状態から回転体8eが90度回転すると、水平通路8dに配置される貯留穴8gは2個又は4個となる。水平通路8dに配置される貯留穴8gの個数が変更することにより、球23が水平通路8dを通過可能な状態となるために必要な貯留球数が変更する。また、この状態から更に回転体8eが90度回転すると、水平通路8dに貯留穴8gが存在せず、水平通路8dに導かれた球23は全て水平通路8dを通過する。このように、回転体8eの状態によって、球23が水平通路8dを通過する確率を変更することが可能となる。
水平通路8dを通過した球23は、回転抽選体8nに導かれる。回転抽選体8nは、球23が入球可能な6箇所の抽選入球口8pを有しており、そのうち1つの抽選入球口8pが所定領域としてのV入賞口35である。回転抽選体8nは、予め定められた周期で絶えず回転駆動しており、球23がタイミング良く移動してV入賞口35に進入すると大当りが継続する。
このように本実施の形態1によれば、回転体8eを回転移動させることにより、水平通路8dにおける貯留穴8gの配置態様を変化させることができる。貯留穴8gの配置態様を変化させることにより、球23が水平通路8dを通過して回転抽選体8nに導かれる状態を実現するために必要な流入口8aへの入球数を変更することができる。遊技者は、流入口8aが開放状態となった際に、より多くの球23が2種大入賞口8内へ入球することを期待し、流入口8aに球23が入球するか否かのドキドキ感を得ることができる。また、球23を回転抽選体8nに導く状態を実現するために必要な入球数が適宜変更されるため、遊技者は、水平通路8dに配置される貯留穴8gが少ない状態となるように回転体8eが移動することを期待し、回転体8eの移動態様に対するワクワク感も得ることができる。このように複数の段階を経て大当りになるか否かを決定することにより、遊技が単調になることを抑制し、遊技者は飽きることなく遊技を行うことができる。
なお、貯留穴8gの配置態様を変更するタイミングは、所定時間の経過等予め定められたタイミングで変更するように構成してもよいし、流入口8aが開放することによって変更するように構成してもよいし、遊技者にとって有利な遊技状態であるか等遊技状態に応じて変更するように構成してもよい。この貯留穴8gの配置態様を変更するタイミングを適宜変更することにより、回転抽選体8nへ球23を誘導する確率を更に変更することができ、2種大入賞口8における球23の動きのバリエーションを多様化することができる。
以上、本発明の好ましい実施の形態1を説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、その要旨の範囲内で様々な変形や変更が可能である。例えば、実施の形態1では、水平通路8dを通過した球23のみV入賞口35に導くように構成しているが、低確率通過領域を設けて、貯留穴8gに貯留された球であって、回転体8eが回転することにより貯留穴8gから排出された球等の通過領域を通過しなかった球を水平通路8dより低い確率でV入賞口35に導くように構成してもよい。
例えば、実施の形態1に係る2種大入賞口8において、流入口から8aに流入した球23を通過領域としての水平通路8dと、低確率通過領域としての低確率通路と、に振り分ける振分け部材を設け、低確率通路に流入した球23を水平通路8dより低い確率でV入賞口35を有する回転抽選体35nに導く構成を例示できる。
この構成によれば、水平通路8dに振り分けられた球23は、低確率通路より高い確率で回転抽選体8nに導かれるため、水平通路8dに導かれることによる期待感を遊技者は得ることができる。一方、水平通路8dに導かれなかった球23(低確率通路に振り分けられた球)もV入賞口35に導かれる可能性があり、遊技者は2つのルートによるV入賞口35までの軌跡を楽しむことができる。また、回転体に貯留された球23であって、回転体8eが回転することにより貯留穴8gから排出された球23も低確率通路を介してV入賞口35に導かれるように構成することにより、流入口8aに流入した球数が貯留球数より少なくても大当りのチャンスがあるため、遊技者は、流入口8aから入球した球数が少ない場合であっても大当りに対する期待感を持続することきる。
また、例えば、実施の形態1では、移動部材を円柱状の回転体8eとして外周面に貯留穴8gを形成しているが、変形例を概念することができる。図6に基づいて変形例1及び変形例2に係る回転体ついて説明する。なお、以下、同一の構成については、同符号を用いて説明を省略する。
図6(a)は、変形例1に係る回転体18eの断面図である、図6(b)は、変形例2に係る回転体28eの断面図である。図6(a)に示す回転体18eは、直方体であり中心に配置された軸部8fを中心に回転可能に構成されている。回転体18eの側面には、球貯留部としての貯留穴8gが形成されている。回転体18eが90度ずつ回転することにより、水平通路8dに配置される側面が変更して、水平通路8dにおける貯留穴8gの配置態様が変更する。
図6(b)に示す回転体28eは、三角柱であり中心に配置された軸部8fを中心に回転可能に構成されている。回転体28eの側面には、球貯留部としての貯留穴8gが形成されている。回転体28eが120度ずつ回転することにより、水平通路8dに配置される側面が変更して、水平通路8dに配置される貯留穴8gの配置態様が変更する。このように変形例1及び変形例2に係る回転体18e、28eによっても、水平通路8dにおける貯留穴8gの配置態様を適宜変更することができる。
更に、移動部材の個数及び各貯留部における貯留球数についても変形例を概念することができる。次いで、図7から図9に基づいて変形例3に係る移動部材について説明する。図7は変形例3に係る移動部材の正面図である。図8は図7におけるC−C断面図であり、図9は図7におけるD−D断面図である。
変形例3に係る移動部材38は、第一回転体38aと第二回転体38bを備えており、いずれの回転体も軸部8fを中心に各々回転可能に構成されている。第一回転体38aは、1個の球23が貯留可能な第一貯留穴38gと、この第一貯留穴38gと軸部8fを中心にして反対側に設けられ第一貯留穴38gが存在しない面部38cと、を有する。
水平通路8dに第一貯留穴38gが配置された状態では、水平通路8d内の球23は第一貯留穴38gに1個貯留され、水平通路8dに面部38cが配置された状態では、水平通路8d内の球23は全て第二回転体38bに向かって導かれる。また、第一貯留穴38gは、貯留した球の重心が軸部8fより前後方向において後方にずれた位置となるように構成されており、貯留した球23の自重によって第一回転体38aが180度回転するように構成されている。第一回転体38aが貯留した球23の自重で180度回転すると、水平通路8dに面部38cが配置される。
第二回転体38bは、1個の球23を貯留可能な第一貯留穴38gと、2個の球23を貯留可能な第二貯留穴38hと、を有する。水平通路8dに第一貯留穴38gが配置された状態では、1球目の球23は第一貯留穴38gに貯留され、2球目の球23は水平通路8d内を左側に移動する。一方、水平通路8dに第二貯留穴38hが配置された状態では、1球目及び2球目の球23は第一貯留穴38gに貯留され、3球目の球23は水平通路8d内を左側に移動する。
第二貯留穴38hは、1球目に貯留した球23の重心が軸部8fの真上の位置となるように構成されている。よって第二回転体38bは、1球目の球23を貯留した状態では回転しない。しかし、第二貯留穴38hは、2球目に貯留した球23の重心が軸部8fより前後方向において後方にずれた位置となるように構成されている。よって、第二回転体38bは、2球目の球を貯留すると180度回転する。このように、第二回転体38bは、貯留した球23の自重によって回転して、貯留穴の配置態様を変更することができる。
このように構成された移動部材によれば、複数の回転体により移動部材を構成しているため、球貯留部の配置態様のバリエーションを増やすことができ、所定領域に球を導く過程における球の通過態様を種々変化させることが可能となる。
[実施の形態2]
次いで、図10に基づいて実施の形態2に係る球誘導役物40について説明する。実施の形態2に係る球誘導役物は、通過領域における球貯留部の配置態様を変更する構成が実施の形態1と異なる。図10は、実施の形態2に係る球誘導役物40の球23の通過方向に沿った模式断面図である。図10(a)は、通過領域に球貯留部が配置された状態であり、図10(b)は、通過領域に球貯留部が存在しない状態である。
この球誘導役物40は、所定領域(図示せず)に向けて球23を通過させる通過領域40aと、通過領域40a内の球23を所定領域に向けて誘導容易な状態と誘導困難な状態とを実現するようにスライド移動する移動部材としてのスライド部40bと、スライド部40bに形成された球貯留部40cと、を備え、右方から流入した球23を左方に向けて通過させる。
スライド部40bは、球23の通過方向に沿って通過領域40aに対してスライド移動可能に構成されており、スライド移動することにより通過領域40aに配置される球貯留部40cの個数が変更する。例えば、スライド部40bは、図10(a)に示す状態では、通過領域40a内の球23を3個貯留可能である。しかし、図10(b)に示す状態では、通過領域内に球貯留部40cが配置されていないため、通過領域40aの球23は、所定領域に向けて全て通過する。
すなわち、図10(a)は、通過領域40a内の球23を所定領域に向けて誘導困難な状態であり、図10(b)は、通過領域40a内の球23を所定領域に向けて誘導容易な状態である。このように移動部材としてのスライド部40bがスライド移動する構成によっても、通過領域40aにおける球貯留部40cの配置態様を変更することが可能となる。
[実施の形態3]
次いで、図11及び図12に基づいて実施の形態3に係る球誘導役物41について説明する。実施の形態3に係る球誘導役物41は、所定領域に向けて球を誘導容易な状態を実現する構成が実施の形態1及び実施の形態2と異なる。図11は、実施の形態3に係る球誘導役物41の平面図であり、図12は、球誘導役物41を前方から見た斜視図である。
実施の形態3に係る球誘導役物41は、所定領域(図示せず)に向けて球23を通過させる通過領域41aと、通過領域41aの底面となる傾斜面41bと、傾斜面41bの一部を構成し、通過領域41a内の球23を所定領域に向けて誘導容易な状態と誘導困難な状態とを実現するようにスライド移動するスライド部41cと、スライド部41cに形成された球貯留部41dと、を備え、後方から流入した球23を前方に向けて通過させる。
傾斜面41bは、正面視において、中心から左右側方に向かって下降するように傾斜し、かつ後方から前方に向かって下降するように傾斜している。傾斜面41bの左側部には、壁部41eが立設されており、右側部には、スライド部41cが配置されている。スライド部41cは、傾斜面41bに対して前後方向にスライド移動可能であり、スライド移動することにより、通過領域41aに配置される球貯留部41dの個数が変更される。例えば、図11(a)は、通過領域41aに3個の球貯留部41dが配置されている。図11(a)に示す状態からスライド部41cが前方に移動することにより、通過領域41aに配置される球貯留部41dの個数が少なくなる。そして、図11(b)は、通過領域41aに球貯留部41dが配置されていない状態である。
球誘導役物41の後方から通過領域41aに流入した球23は、左側方又は右側方に移動しつつ前方に向かって移動する。左側方に移動した球23は、壁部41eに沿って前方に移動して前方に移動する。一方、右側方に移動した球23は、スライド部41cに導かれる。このとき、スライド部41cの球貯留部41dに球23が貯留していない状態では、スライド部41cに移動した球23は、球貯留部41dに貯留されたり、球貯留部41dに貯留されずに右側から落下したりする。すなわち、この状態は、所定領域に向けて球を誘導困難な状態である。
球貯留部41dは、球23の直径より小径の穴部であり、この穴部から突出した状態で球23を貯留する。通過領域41aに配置された全ての球貯留部41dに球23が貯留されると、通過領域41aの右側部に貯留球による壁が形成される。この状態において後方から流入した球23は、左側の壁部41eと右側の貯留球の壁によって、前方に向かって導かれる。すなわち、この状態は、所定領域に向けて球を誘導容易な状態である。
このように、実施の形態3に係る球誘導役物41によっても、球の貯留個数に応じて所定領域に向けて誘導容易な状態と所定領域に向けて誘導困難な状態を実現することができ、更に状態の変更の契機となる球の貯留個数を適宜に変更することができる。
本発明の実施の形態1に係るパチンコ機の正面図である。 2種第大入賞口分を拡大した正面図である。 図2におけるA−A断面を模式的に示した断面図である。 回転体の平面図である。 図3におけるB−B断面を示す断面図である。 変形例1及び変形例2に係る回転体の断面を模式的に示した断面図である。 変形例3に係る回転体の正面図である。 図7におけるC−C断面を示す断面図である。 図7におけるD−D断面を示す断面図である。 実施の形態2に係る球誘導役物の模式的に示した断面図である。 実施の形態3に係る球誘導役物の平面図である。 実施の形態3に係る球誘導役物の斜視図である。
符号の説明
2:パチンコ機(遊技機)
3:遊技機枠
4:筐体枠(遊技機枠の一部)
5:遊技盤ユニット
6:遊技盤
7:センター役物
7a:図柄表示装置
7b:表示画面(映像表示面)
7c:表示図柄
7d:表示開口部
7e:ステージ
8:2種大入賞口(球誘導役物)
8a:流入口
8b:羽根部材(開閉部材)
8d:水平通路(通過領域)
8e:回転体(移動部材)
8f:軸部
8g:貯留穴(球貯留部)
8n:回転抽選体
8p:抽選入球口
9:機枠(遊技機枠の一部)
10:前面ガラス(前面透明板)
12:装飾枠(遊技機枠の一部)
14:貯留皿
14a:上皿
14b:下皿
14c:球排出ボタン
15:発射ハンドル
16:遊技領域
16a:左側領域
16b:右側領域
18e:回転体(移動部材)
28e:回転体(移動部材)
21:プレート部材
22:ヒンジ部(揺動支持部)
23:球(遊技媒体)
26:レール飾り
26a:内側面(内周面)
27:ゲージ(遊技釘)
28:普通入賞口(流入口)
29:中央始動口
29a:上流入口(第一始動口)
29b:下流入口(第二始動口)
31:中央大入賞口(第1の大入賞口)
32:装飾部材
33:通過ゲート
34:風車
35:V入賞口
37:球通路
38:移動部材
38a:第一回転体
38b:第二回転体
38c:面部
38g:第一貯留穴
38h:第二貯留穴
39:アウト口
40:球誘導役物
40a:通過領域
40b:スライド部(移動部材)
40c:球貯留部
41:球誘導役物
41a:通過領域
41b:傾斜面
41c:スライド部(移動部材)
41d:球貯留部
41e:壁部

Claims (6)

  1. 所定領域に向けて球を誘導容易な状態と誘導困難な状態とを実現可能な通過領域と、
    該通過領域内の球を貯留可能な球貯留部が形成され、該通過領域における該球貯留部の配置態様を変化させるように移動可能な移動部材と、を備えた球誘導役物であって、
    前記通過領域は、該通過領域に配置された前記球貯留部に所定球数の球が貯留されることにより、前記所定領域に向けて球を誘導容易な状態を実現するように構成され、該通過領域における前記球貯留部の配置態様の変化に伴って、該所定領域に向けて球を誘導容易な状態を実現するために必要な貯留球数である前記所定球数が変化するように構成される、球誘導役物。
  2. 前記通過領域は、前記球貯留部に前記所定球数の球が貯留されることにより、貯留された該球が該通過領域内の球を前記所定領域に向けてガイドして、前記所定領域に向けて球を誘導容易な状態を実現するように構成されている、請求項1に記載の球誘導役物。
  3. 前記通過領域は、前記球貯留部に前記所定球数の球が貯留されることにより、前記移動部材が該通過領域内の球を前記所定領域に向けてガイドするように移動して、前記所定領域に向けて球を誘導容易な状態を実現するように構成されている、請求項1に記載の球誘導役物。
  4. 前記通過領域を通過しない球を、該通過領域を通過した球より低い確率で前記所定領域に向けて誘導する低確率通過領域を更に備える、請求項1から請求項3のいずれかに記載の球誘導役物。
  5. 前記移動部材を複数備えており、
    該移動部材は、前記通過領域における前記球貯留部の配置態様を変化させるように各々移動可能に構成されている、請求項1から請求項4のいずれかに記載の球誘導役物。
  6. 球の流下による遊技を実現する遊技領域が形成される遊技盤と、
    前記遊技領域を流下する前記球が流入可能に配置された請求項1から請求項5のいずれかに記載の球誘導役物と、を備える遊技盤ユニット。
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