JP4230101B2 - 固体撮像装置及び撮像装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えばCCD(電荷結合素子)や人工網膜チップに代表される様な固体撮像素子を有すると共に、当該固体撮像素子の保持機能・結像位置調整機能・光軸傾角調整機能・放熱機能を具備する固体撮像装置に関するものである。又、この発明は、上記固体撮像装置を有する撮像装置(例えば、デジタルスチルカメラやビデオカメラ)にも関している。
【0002】
【従来の技術】
一般にファクシミリ、複写機、スキャナー等の原稿読取装置の光学信号を電気信号に変換するデバイスとして固体撮像素子が利用されることが多いが、デバイス製作の都合上、固体撮像素子のパッケージ外形の寸法精度を0.1mm以下にすることは非常に困難である。
【0003】
ところが、製品へ固体撮像素子を組み込むときには、光学的特性の観点から、固体撮像素子の読み取りラインを、Z方向(光軸方向)に関して0.01mmの位置精度で以て、所定位置に位置決め固定する必要がある。
【0004】
加えて、固体撮像素子の撮像面のZ方向(光軸方向)に対する傾き(光軸傾角)についても、第1光軸傾角α(X軸方向周りの回転)及び第2光軸傾角β(Y軸方向周りの回転)のそれぞれに関して、数分オーダ以下の位置精度で以て、固体撮像素子の撮像面ないしは読み取りラインを所定位置に位置決め固定する必要がある。
【0005】
しかしながら、上記の通り、固体撮像素子のパッケージの外形寸法精度は、製品の組立精度と比較して一桁以上低いため、前記位置決めをするだけでは、所要の精度を確保することができない。そのため、固体撮像素子の撮像面に被写体像を正しく結像させるためには、必然的に、固体撮像素子を撮像装置のフロントパッケージ内に取り付けた後に、固体撮像素子の光軸方向に於ける位置及び各光軸傾角α、βを相互に調整しながら位置決め固定すると言う作業が必要である。
【0006】
(従来技術1)
従来の固体撮像素子の取付技術の一例としては、例えば特開平6−148488号公報に提案されているものがある。ここで、図10及び図11は上記公報に提案されている従来の固体撮像素子の取付構造を示す図面であり、この内、図10は当該取付構造の全体構成を示す分解斜視図であり、図11は固体撮像素子保持具の取付部と取付手段側の係止溝部との関係を示す図である。
【0007】
先ず、図10を参照して、従来技術1における固体撮像素子の取付構成を説明する。図10に示す様に、固体撮像素子101を所定の調整を行って取付けるための取付部材102はL字型形状を成しており、同部101は、結像レンズ103を支持するための前方部分としての水平ベース部102aと、結像レンズ103の背後において固体撮像素子101が位置決めされる垂直ベース部102bとから構成されている。そして、垂直ベース部102bは、その中央部分に、結像レンズ103により集束した光を固体撮像素子101の画素ラインに導くための開口部104を備えている。加えて、結像レンズ103は、水平ベース部102a上において、結像レンズ103の光軸が固体撮像素子101の光軸と一致する様にその位置調整が成された上で、同部102a上に配置されている。ここで、Zは光軸を示す。又、101aは固体撮像素子101に取付けられた接続端子である。
【0008】
この従来技術1では、固体撮像素子101を取付部材102の垂直ベース部102bに取付けるために、保持具105が用いられている。そこで、以下では、図10に加えて図11をも参照しつつ、保持具105の取付部105bと、垂直ベース102bにおける開口部104の周りに設けられた係止溝部106との関係について説明する。
【0009】
両図10、11に示す通り、保持具105の四隅に形成される取付部105bは、取付部材102の垂直ベース部102bにおける開口部104の周りに設けられた係止溝部106に挿入・係止される。この係止溝部106は、垂直ベース部102bの後面の内で開口部104の各隅部に近接した一端位置から、垂直ベース部102bの側面に抜ける他端位置にまで形成されている。この係止溝部106は、垂直ベース部102bの後面の各隅部102cを頂点とした切り込み107を垂直ベース部102bの後面と隣接側面とに入れることにより、形成されている。
【0010】
図11に示す通り、係止溝部106は千鳥状に配置された突起部106aを有しており、これらの突起部106aにより、圧縮コイルバネより成る直線状の取付部105bは係止溝部106内への挿入時に湾曲されて圧接状態で挟持される。このため、保持具105によって支持された固体撮像素子101の位置決めに際しては、保持具105の取付部105bを千鳥状の突起部106aを有する係止溝部106に係止した状態で、固体撮像素子101の位置決めに応じて前記係止位置は調整され、適正な位置に固体撮像素子101が位置決めされると、その係止位置において係止溝部106によって取付部105bは固定される。
【0011】
次に、結像レンズ103が取付けられた取付部材102の垂直ベース部102bに固体撮像素子101を取付けるには、先ず、コイリングマシンにより成形された圧縮コイルバネより成る保持具105の枠部105aに固体撮像素子101を嵌合して固定する。そして、保持具105に形成された各取付部105bを、垂直ベース部102bの各隅部102cに形成された切り込み部107から係止溝部106内に挿入することで、係止溝部106の千鳥状の突起部106aと係止させる。
【0012】
この状態において、光学的位置検出装置(図示せず)若しくは正規位置に投影した映像を固体撮像素子101によって撮影しながら、固体撮像素子101の位置を調整する。この調整の際、保持具105の各取付部105bは、係止溝部106内をある抵抗を有しながら滑ることができる。
【0013】
固体撮像素子101の位置調整が終了すると、位置決めのために固体撮像素子101を支持し調整している部材(図示せず)を固体撮像素子101から離し、固体撮像素子101は、その調整位置に於いて、保持具105の各取付部105bを介して係止溝部106に係止固定される。
【0014】
上記構成においては、図11に示す様に、ばね性を有する取付部105bが千鳥状の突起部106aを有する係止溝部106に係止した際、固体撮像素子101の位置決めによる変位が4つの取付部105bのいずれかに与えられ、取付部105bは、そのばね性により撓み方向を変えながら、係止溝部106の千鳥状の突起部106aに当接しながら微少な出入を可能とする。そして、この微少な出入によって、固体撮像素子101を所定位置に保持することができる。
【0015】
(従来技術2)
一方、一般的な撮像装置における固体撮像素子は、温度上昇に伴って暗電流が増加するという特性を有しており、このような暗電流の増加によって画質が著しく劣化してしまう。逆に固体撮像素子を冷却する場合には、暗電流を抑えることができる。そこで、従来から様々な固体撮像素子の冷却構成及び冷却に伴う放熱構成が提案されている。その様な冷却・放熱構成の従来技術の一例としては、特開平6−233311号公報に開示されたものがある。図12は、上記公報に於いて提案されている固体撮像素子の放熱構造を示す側面図である。以下、図12に例示する固体撮像素子の放熱構造について説明する。
【0016】
図12に示す様に、色分解プリズム201は筐体202に取り付けられており、色分解プリズム201の光射出面には固体撮像素子203が取り付けられている。そして、この固体撮像素子203上には周辺回路基板204が取り付けられており、更に周辺回路基板204上にはペルチェ素子206の冷却側の一面が取り付けられ、ペルチェ素子206の放熱側の他面上には伝熱板207が固定されている。そして、この伝熱板207は、上下方向に蛇行する蛇行部205aを有する熱伝導部材205を介して、筐体202と連結されている。
【0017】
このような構成からなる固体撮像素子の放熱構成によれば、固体撮像素子203及び周辺回路基板204で発生した熱をペルチェ素子206のペルチェ効果によって強制的に伝熱板207に伝えて固体撮像素子203を冷却することができると共に、ペルチェ素子206から発生した熱は、伝熱板207と熱伝導部材205とを伝導して、筐体202から外部に放熱される。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
(問題点1)
既述した従来技術1によれば、次の様な問題点がある。即ち、従来技術1では、保持具の取付部を形成する四隅のバネ線は係止溝部内で圧接状態で狭持されるため、固体撮像素子の撮像面の結像位置、第1光軸傾角及び第2光軸傾角を調整する際には、圧接の摩擦力に抗して四隅の各々のバネ線の圧入量を0.01mmの精度で調整しながら結象位置、第1光軸傾角及び第2光軸傾角をそれぞれ所望の位置及び所望の各角度に合わせる必要がある。このため、四隅のバネ線の各々が結像位置と第1光軸傾角と第2光軸傾角のそれぞれを変えることになる。その結果、仮に結像位置が定まり、次に第1光軸傾角と第2光軸傾角との双方又は一方のみを調整する場合でも、ある1つのバネ線を調整すると、定まっていた結象位置もその調整に依存して変化してしまうため、調整が収束しにくく、調整に時間がかかるという不具合がある。
【0019】
(問題点2)
既述した従来技術1は、上記問題点1を有してはいるものの、固体撮像素子の撮像面の結像位置、第1光軸傾角及び第2光軸傾角を調整する機能を一応有している。しかしながら、従来技術1は固体撮像素子の有効な冷却・放熱構成を何ら開示・提案してはいない。このため、結像位置、第1光軸傾角及び第2光軸傾角の各調整機能に加えて、暗電流抑制対策としての固体撮像素子の冷却・放熱機能をも具備する固体撮像装置及び撮像装置の実現が求められるところである。
【0020】
そこで、斯かる要望を実現する方策として、上記の従来技術1及び従来技術2の2つを組み合わせることが先ず考えられる。しかし、従来技術1は冷却・放熱機能を何ら考慮せずに調整機能を提案するだけであり、他方で従来技術2は調整機能を何ら考慮せずに単に冷却・放熱機能を提案するだけであるため、2つの従来技術をどの様にして組み合わせれば結像位置・光軸傾角調整機能と冷却・放熱機能とを同時に実現出来るのかに関して想到させる契機が全く与えられていないと、言わざるを得ない。
【0021】
仮に従来技術1及び従来技術2の2つを組み合わせて結像位置・光軸傾角調整機能と冷却・放熱機能の両機能を具備する撮像装置を実現することができたとしても、従来技術2で提案された様な放熱構造用部材と従来技術1で提案された様な結像位置・光軸傾角調整用部材が各々必要となり、部品点数が勢い増大する結果、固体撮像装置及び固体撮像装置を含む撮像装置が却って大型化してしまうという、新たな問題点を惹起させてしまう。
【0022】
(問題点3)
冷却素子よりも大きな固体撮像素子を冷却素子で以て冷却する場合に於いて、冷却素子を固体撮像素子に直接貼り付けた場合には、固体撮像素子の表面の内で冷却素子が貼付されていない部分では固体撮像素子は冷却されないため、固体撮像素子の冷却されている部分と、固体撮像素子の冷却されていない部分との間で温度ムラないしは冷却ムラが生じ、当該冷却ムラが固体撮像素子の特性に悪影響を及ぼすという問題点がある。
【0023】
また、冷却素子よりも大きな固体撮像素子を冷却する場合に於いて、複数の冷却素子を固体撮像素子に直接貼り付けることで固体撮像素子の冷却を行う場合には、個々の冷却素子の特性のばらつきによって固体撮像素子の冷却箇所に温度ムラないしは冷却ムラが生じ得るので、1つの冷却素子を貼付する場合と同様に、冷却ムラに起因した固体撮像素子の特性への悪影響という問題点が生ずる。
【0024】
この発明は、上述のような問題点を解消するためになされたものであり、その目的は下記の通りである。
【0025】
(1)固体撮像素子の撮像面の、Z方向(光軸方向)に於ける結像位置、Z方向(光軸方向)に対する第1光軸傾角α(X軸方向周りの回転)及び第2光軸傾角β(Y軸方向周りの回転)の各調整を相互に独立して行うことができる固体撮像装置及び固体撮像装置を含む撮像装置を実現すること。
【0026】
(2)上記(1)の相互に独立して行うことができる調整部分が同時に固体撮像素子の冷却・放熱構造部分をも兼有しており、固体撮像素子の撮像面の調整姿勢如何によらずに、常に安定した放熱性能を有する固体撮像装置及び撮像装置を実現すること。
【0027】
(3)コンパクトな構成で以て上記(1)、(2)の特徴を有する固体撮像装置及び撮像装置を実現すること。
【0028】
(4)ペルチェ素子よりも大きな固体撮像素子を冷却する場合、もしくは、複数のペルチェ素子を用いて固体撮像素子を冷却する場合でも、温度ムラを生じさせない固体撮像装置及び撮像装置を提供すること。
【0029】
【課題を解決するための手段】
本発明の主題に係る固体撮像装置は、撮像面を含む第1主面と前記第1主面に対向した第2主面とを有する第1発熱源たる固体撮像素子と、前記固体撮像素子を保持すると共に、前記固体撮像素子の背面側に位置する第1曲率面を有する第1伝熱経路たる保持・光軸傾角調整部と、前記第1曲率面と面接触した第2曲率面を有し、前記第1曲率面と前記第2曲率面との面接触状態及び接触面積を維持しつつ撮像光軸方向としての第3方向へ並進移動可能な第2伝熱経路たる結像位置調整部と、前記保持・光軸傾角調整部を前記結像位置調整部へ押圧する付勢手段とを備え、前記第1曲率面の第1曲率中心と前記第2曲率面の第2曲率中心とは前記撮像面の中心に該当している固体撮像装置であって、前記第1曲率面と前記第2曲率面とは互いに異なる表面積を有すると共に、光軸傾角調整及び結像位置調整の何れに於いても常に前記第1曲率面と前記第2曲率面との内で小さい表面積を有する一方側が他方側と全面的に接触状態にあることを特徴とする。
【0038】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
図1乃至図3は、本実施の形態に係る固体撮像装置100の構成を示す図である。これらの図面の内で、図1は固体撮像装置100の正面図であり、図2は図1中に示すA1−A2線に関する固体撮像装置100の縦断面図である。又、図3は、固体撮像装置100を撮像装置200のフロントケース7の内部に取り付けた上で固体撮像素子1のZ方向(光軸方向)に於ける結像位置、第1光軸傾角α(X軸方向周りの回転)及び第2光軸傾角β(Y軸方向周りの回転)の各調整を行う前の状態にある固体撮像装置100の構成を、▲1▼固体撮像素子1を保持する保持・光軸傾角調整部と▲2▼結像位置調整部とに2分割して示す斜視図である。
【0039】
ここで、▲1▼保持・光軸傾角調整部とは、図1乃至図3中の各部2、3、4a、4b、5を主要部とする部分であり、(i)撮像面1S1の中心PCが第1方向X(X方向とも称す)と当該第1方向Xに直交する第2方向Y(Y方向とも称す)との交点(X=0、Y=0)に該当する様に、且つ、撮像面1S1の中心PCが第1方向X及び第2方向Yに直交する光軸方向としての第3方向Z(Z方向とも称す)上に位置する様に、固体撮像素子1を保持する機能と、(ii)光軸傾角調整前に於ける、後述する第1曲率面5aと第2曲率面12aとの面接触状態及び接触面積を維持しつつ、撮像面1S1の中心PCを回転中心として第1方向Xの周りに回転可能である第1光軸傾角調整機能と、(iii)第1方向X周りの上記回転運動とは独立して、光軸傾角調整前に於ける第1曲率面5aと第2曲率面12aとの上記面接触状態及び上記接触面積を維持しつつ、撮像面1S1の中心PCを回転中心として第2方向Yの周りに更に回転可能である第2光軸傾角調整機能とを有する。
【0040】
尚、本実施の形態ではX軸方向及びY軸方向をそれぞれ第1方向及び第2方向と定義しているが、逆にY軸方向及びX軸方向をそれぞれ第1方向及び第2方向と称しても良い。
【0041】
又、▲2▼結像位置調整部とは、図1乃至図3中の各部12、11を主要部とする部分であり、第1曲率面5aと第2曲率面12aとの上記面接触状態及び上記接触面積を維持しつつ第3方向Zに沿って並進移動することによって、撮像面1S1の位置を結像位置(Z=0)に合わせる調整機能を、より正確には撮像面1S1の中心PCのZ方向の位置が結像位置(Z=0)に来る様に中心PCのZ方向の位置を調整する機能を有する。しかも、結像位置調整部は上記面接触状態を介して保持・光軸傾角調整部から第3方向Zに押圧を受けているが、結像位置調整部は、自ら上記並進移動を行わない限りは、保持・光軸傾角調整部からの上記押圧に対抗して不動状態にある。ここで、上記部分12は、第2曲率面12aを有する第1表面12S1と第1表面12S1に対向する平面状の第2表面12S2とを有し、第3方向Zに沿って並進移動可能な並進移動部ないしは結像位置調整用ネジ部である。又、上記部分11は、結像位置調整用ネジ部12の側面12SSと螺合された主開孔11MHを有する本体部と、当該本体部の少なくとも2つの側面部のそれぞれから負の第3方向−Zに沿って延伸した少なくとも2つの延伸部とを有する伝熱板である。
【0042】
又、図4は、固体撮像装置100をフロントケース7の内部に取り付けた上で(ここでは、取り付け後に行う結像位置及び各光軸傾角α、βの調整は済んでいるものとしている)、フロントケース7とリアケース14とをオーリング13を介して互いに連結・固定することで形成された撮像装置200の内部構造を示す縦断面図である。又、図5は撮像装置200の正面図であり、図5中に示すB1−B2線に関する撮像装置200の縦断面図が丁度、図4に相当している。
【0043】
更に、図6及び図7の両図は、固体撮像装置100をフロントケース7の内部に取り付けた上で(但し、フロントケース7内部への取り付け状態の図示化は省略している)、撮像面1S1の第1光軸傾角調整を行っているときの調整過程を示す、図1中のA1−A2線に関する固体撮像装置100の縦断面図である。
【0044】
尚、既述した通り、X=0及びY=0の座標を有する点(X方向とY方向との交差点)の位置は固体撮像素子1の撮像面1S1の中心PCであり、Z=0の面の位置は結像位置調整後の固体撮像素子1の撮像面1S1の位置に該当する。従って、結像位置調整後の撮像面1S1の中心PCの位置座標は(0,0,0)となる。
【0045】
以下では、図1と図2とを中心に参照しつつ適宜に図3と図4とをも参照することによって、固体撮像装置100の各部の構成を説明する。
【0046】
先ず、固体撮像素子1は、段差部を成す周縁部と当該周縁部で囲まれた凸部分の表面である撮像面1S1とより成る第1主面と、第1主面に全面的に対向した第2主面1S2と、両主面で挟まれた4個の側面とから成る。そして、固体撮像素子1は、図1と図2とに示されている様に、中間部材2とカバー部材3とによって、中間部材2の第1表面2S1の中央部分に形成されている段差部ないしは位置決め部2B内の所定位置に位置決めされた上で、その状態で固定されている。即ち、カバー部材3の7個の爪部3P1〜3P7の先端部は固体撮像素子1の第1主面の周縁部(段差部の底面)に接触しており、この接触を介して加えられるカバー部材3の爪部3P1〜3P7のバネ力によって、固体撮像素子1の第2主面1S2は、位置決め部2Bの底面2BSにずれること無く押し当てられている。その際、底面2BSはXY平面に略平行な面となる機械加工精度で以て形成されてはいるが、既述した通り、固体撮像素子1のパッケージ寸法の精度は決して良いとは言えないため、段差部2B内に位置決め・固定されている固体撮像素子1の撮像面1S1はXY平面に平行な面とはならない。そのため、後述する光軸傾角の調整が必要となる。但し、撮像面1S1の中心PCは、X方向とY方向との交差点(X=0,Y=0)上にある。
【0047】
ここで、中間部材2は熱電冷却素子では無い部材によって形成されており、例えばセラミックやアルミニウムやシリコンシートやシリコングリスやプラスチック等の熱伝導性の良い材料(一般の物質との比較で熱伝導性の良い材料)によって、換言すれば、(問題点3)として既に指摘した冷却ムラを生じさせることなく固体撮像素子1が発する熱を均一に分散させつつ伝導し得る材料によって形成されている。
【0048】
又、カバー部材3は、バネ用ステンレス材やリン青銅材の様なバネ性のある材料によって形成されている。
【0049】
中間部材2及びカバー部材3の詳細な構造と、固体撮像素子1の押し当て固定とについて詳述すれば、以下の通りである。
【0050】
中間部材2の第1表面2S1側部分は、(1)その中央部分を中心に第1方向X及び第2方向Yに広がった段差部(溝部)2Bと、(2)その段差部2Bの周囲を全体的に取り囲む周縁部とから成る。この内、段差部2Bの底面2BS及び段差部2BのXY平面に平行な横断面形状の第1方向X及び第2方向Yの寸法は、共に固体撮像素子1の第1方向X及び第2方向Yの寸法よりも大きく、既述した通り、光軸傾角調整前の底面2BSはXY平面に平行な面である。
【0051】
他方、第1表面2S1の周縁部の構造は次の通りである。即ち、光軸傾角調整前の同周縁部もまた、XY平面に平行な面である。そして、第1表面2S1の周縁部の内で外側寄りの部分の一部及び当該一部に対向する第2表面2S2の周縁部2S2Eの一部には、両一部分から局所的に第2方向Yに沿って延在した4個の第1外側突出部乃至第4外側突出部2E1、2E2、2E3、2E4が設けられている。しかも、各突出部2E1、2E2、2E3、2E4は、(イ)各突出部の中央部より穿設されていると共に、その内径が対応する雄ねじ(頭部にはドライバを嵌め込める溝が切られており、その頭部から延びた軸部の先端部にのみ雄ねじが形成されており、軸部の他の部分は単なるピン部である)6a、6b、6c、6dの上記ピン部の径に略同一である第1孔と、(ロ)上記(イ)の第1孔と同心・同径である第2孔を有すると共に、第2表面2S2の周縁部2S2Eに該る各突出部2E1、2E2、2E3、2E4の裏面より負の第3方向Zに沿って突出したZ方向側凸部2E1P、…、2E3P、…とを有している。
【0052】
更に、第1表面2S1の周縁部の内で段差部2B寄りの部分の一部には、段差部2Bの側面寄りの底面2BS上方にまで張り出している、4個の第1内側突出部乃至第4内側突出部2D1、2D2、2D3、2D4が設けられている。これらの内側突出部2D1、2D2、2D3、2D4の内で、第1内側突出部2D1及び第2内側突出部2D2は、それぞれと対向する後述の第3副爪部3D3及び第4副爪部3D4との間で固体撮像素子1を介して押し合う応力を互いに及ぼし合うことによって、段差部2B内に嵌め込まれた固体撮像素子1の第1方向Xに於ける位置を規定している。他方、第3内側突出部2D3及び第4内側突出部2D4は、それぞれと対向する後述の第2副爪部3D2及び第1副爪部3D1との間で固体撮像素子1を介して押し合う応力を互いに及ぼし合うことによって、段差部2B内に嵌め込まれた固体撮像素子1の第2方向Yに於ける位置を規定している。
【0053】
他方、カバー部材3は、その中央部に、固体撮像素子1及び段差部2Bよりも大きな寸法を有する開孔部が穿設されている板状部材であり、その開孔部の周縁部分の一部には、当該一部から斜め上方へ向けて折れ曲がりながら段差部2Bの側面寄りの底面2BS上方にまで張り出している、7個の第1爪部乃至第7爪部3P1、3P2、3P3、3P4、3P5、3P6、3P7が形成されている。
【0054】
更に、上記開孔部の周縁部分の他部には、当該他部から斜め下方へ向けて乃至は底面2BSに向けて折れ曲がりながら(垂れ下がりながら)段差部2Bの側面寄りの底面2BSの近傍上方にまで張り出している、既述した4個の第1副爪部乃至第4副爪部3D1、3D2、3D3、3D4が形成されている。
【0055】
加えて、カバー部材3の外側周縁部分の上辺部分及び下辺部分の一部には、対応する各突出部2E1、2E2、2E3、2E4の寸法・形状と略同一の寸法・形状を有する第1突出部乃至第4突出部3E1、3E2、3E3、3E4が形成されている。しかも、各突出部3E1、3E2、3E3、3E4の中央部には、その中心軸が対応する各突出部2E1、2E2、2E3、2E4の上記(イ)及び上記(ロ)の第1孔及び第2孔の中心軸と一致し、且つ、上記第1孔及び第2孔の径と同一径を有する孔(図示せず)が形成されている。そして、これらの孔のそれぞれに、第1雄ねじ乃至第4雄ねじ6a、6b、6c、6dの内で対応する雄ねじのピン部をZ方向に対しては遊び無く挿入した上で、更に各雄ねじ6a、6b、6c、6dのピン部を対応する突出部2E1、2E2、2E3、2E4の上記(イ)及び上記(ロ)の第1孔及び第2孔にZ方向に対しては遊び無く挿入することによって(各雄ねじ6a、6b、6c、6dのピン部は当該雄ねじの軸周りには回転可能な状態にある)、カバー部材3は中間部材2の第1表面2S1に固定されている。
【0056】
固体撮像素子1の段差部2B内への位置決め・固定方法は、既述した構成の説明より理解される通り、次の方法によって実行される。即ち、固体撮像素子1を段差部2B内に配置し、上記の通りにカバー部材3を中間部材2に取り付ける。その際、第1内側突出部2D1と第3副爪部3D3、及び第2内側突出部2D2と第4副爪部3D4が、固体撮像素子1の第2方向Yに平行な両側面を押し付けて、固体撮像素子1の第1方向Xに於ける位置を決定する。と同時に、第3内側突出部2D3と第2副爪部3D2、及び第4内側突出部2D4と第1副爪部3D1が、固体撮像素子1の第1方向Xに平行な両側面を押し付けて、固体撮像素子1の第2方向Yに於ける位置を決定する。更に、各爪部3P1、3P2、3P3、3P4、3P5、3P6、3P7の先端が、固体撮像素子1の第1主面の周縁部分(即ち、第2主面1S2側から見て撮像面1S1よりも低く、段差を成す部分)に当接し、且つ、そのバネ力により当該周縁部分を正のZ方向から押し付けることにより、各爪部3P1、3P2、3P3、3P4、3P5、3P6、3P7は固体撮像素子1の第3方向Zに於ける位置を決定する。この状態では、撮像面1S1の中心PCはXY平面内の点(0,0,Z)上に位置するけれども、撮像面1S1自体はXY平面に略平行な面とは成っていない。
【0057】
中間部材2の第1表面2S1に対向する第2表面2S2側部分の構成は、次の通りである。即ち、(1)第2表面2S2の中央から第1方向X及び第2方向Yに広がった部分は負の第3方向Zに沿って延在した凸部面(同面はXY平面に略平行な面と成る様に機械加工されている)を成しており、その凸部面の内で正の第3方向Zから凸部面を見たときの左側領域と右側領域のそれぞれの一部分(図1参照)は、それぞれ第1ペルチェ素子4a及び第2ペルチェ素子4bの冷却側の面(4aS1)と面接触する部分である。又、(2)第2表面2S2の内で上記凸部面を全体的に取り囲む周縁部2S2E(同面はXY平面に略平行な面と成る様に機械加工されている)は、上記凸部を形成するための段差部の底面に該当しており、その一部分は既述した第1外側突出部乃至第4外側突出部2E1、2E2、2E3、2E4の裏面を成している。
【0058】
尚、符号1Tは固体撮像素子1の出力端子であり、中間部材2の第1表面2S1の底面2BSと第2表面2S2の周縁部2S2Eとの間の中間部材2の部分には、出力端子1Tを通すための孔(図示せず)が形成されている。
【0059】
ここで、ペルチェ素子(第1ペルチェ素子4a及び第2ペルチェ素子4b)とはペルチェ効果を利用した熱電冷却素子のことであり、ペルチェ効果とは、異種の金属の接触面を通して熱電冷却素子に電流を流すときに、これに伴って熱流が流れ、その際、両金属間で熱流量が等しくないために、一方の接触面(マイナス側)では熱の吸収が起こり、他方の接触面(プラス側)では熱の発生が起こるという効果である。本実施の形態では、後述する光軸傾角調整板5側からペルチェ素子を介して中間部材2側へと、電流を流す配置を採っている。
【0060】
又、本固体撮像装置100の中核部分の一つである光軸傾角調整板5は、被写体像が固体撮像素子1に結像するために経た光路の撮像面1S1の光軸方向に対する傾きを所望の精度内に調整するために設けられた板である。換言すれば、光軸傾角調整板5は、固体撮像素子1の撮像面1S1を所望の精度内でXY平面に平行な面とするための機能を有する板である。そして、光軸傾角調整板5は、中間部材2と同様に、セラミックやアルミニウム等の熱伝導性の良い材料によって形成されている。
【0061】
光軸傾角調整板5は、大要、次の構成を有している。即ち、同板5は、(1)中間部材2の第2表面2S2に対向しており、中間部材2との間に所定の間隔Dを保って中間部材2の周縁部と連結された周縁部を有すると共に、第1ペルチェ素子4a及び第2ペルチェ素子4bの各々の放熱側の面と接触する第1表面5S1と、(2)第1表面5S1に対向し、その中央部分に凸状の半球面を成す第1曲率面5aを有する第2表面5S2とを有する。より具体的には次の通りである。
【0062】
即ち、光軸傾角調整板5の外周縁部の内で第1方向Xに平行な2つの部分の各々の一部分には、各突出部2E1、2E2、2E3、2E4の裏面に対向し且つ各突出部2E1、2E2、2E3、2E4と略同一形状の第1突出部乃至第4突出部5E1、5E2、5E3、5E4の各々が、第2方向Yに延在する様に形成されている。そして、各突出部5E1、5E2、5E3、5E4の第1表面5S1側に該る表面上には、それぞれに対応すべきZ方向側凸部2E1P、…、2E3P、…と対面する様に、凸部5E1P、…、5E3P、…が形成されている。しかも、各凸部5E1P、…、5E3P、…には、その表面から内部に渡って、雌ねじが切られた内壁を有する非貫通の穴が形成されており、各非貫通穴の中心軸がそれぞれに対応するZ方向側凸部2E1P、…、2E3P、…の孔の中心軸と略一致する様に、各凸部5E1P、…、5E3P、…の配置が設定されている。
【0063】
又、光軸傾角調整板5の外周縁部の内で第1方向Xに平行な上側部分の中央部分には、第2方向Yに沿って平行に延在する第1光軸傾角調整用突出部5a1が形成されている。しかも、同部5a1の中央部分には、第1シャフト8a(図3、図4参照)の外径よりも大きな内径を有する孔5aHが形成されている。そして、孔5aHの中心軸が第3方向Zに平行となり、且つ、X=0の面内に含まれる様に、換言すれば、Y=0の面から見て第1シャフト8aを孔5aH内に遊びを持って挿入し得る様な位置に孔5aHの中心軸が配置される様に、第1光軸傾角調整用突出部5a1の形成位置が設定されている。
【0064】
又、光軸傾角調整板5の外周縁部の内で第2方向Yに平行な左側部分(固体撮像素子1から見た場合)の略中央部分には、第1方向Xに沿って平行に延在する第2光軸傾角調整用突出部5bが形成されている。しかも、同部5bの中央部分には、第2シャフト8a(図3参照)の外径よりも大きな内径を有する孔(図示せず)が形成されている。そして、当該孔の中心軸が第3方向Zに平行となり、且つ、Y=0の面内に含まれる様に、換言すれば、X=0の面から見て第2シャフト8aを当該孔内に遊びを持って挿入し得る様な位置に当該孔の中心軸が配置される様に、第2光軸傾角調整用突出部5bの形成位置が設定されている。
【0065】
この様に、光軸傾角調整板5、従って保持・光軸傾角調整部の第1光軸傾角調整の作用点及び第2光軸傾角調整の作用点が、各々、撮像面1S1の中心PCからY軸上に沿って延伸された位置及びX軸上に沿って延伸された位置に設定されているのである。
【0066】
尚、光軸傾角調整板5の第1表面5S1もまた、XY平面に略平行な面と成る様に機械加工されている。
【0067】
他方、光軸傾角調整板5の第2表面5S2上には凸状の半球面部が設けられており、その凸状の半球面部の表面(当該表面も第2表面5S2の一部を成す)である第1曲率面5aは第1曲率半径を有する。しかも、後述する様に、第1曲率面5aの第1曲率中心が常に撮像面1S1の画像エリアの中心PC(0,0,Z)に一致する様に、光軸傾角調整板5と中間部材2との連結・組み立て時に、間隔Dの値が調整されている。
【0068】
尚、第1曲率面5aの第1曲率半径と後述する第2曲率面12aの第2曲率半径との値を固定した上で間隔Dの値を調整する代わりに、間隔Dの値を固定値に設定しておいた上で第1曲率半径及び第2曲率半径の値を調整することで、第1曲率面5aの第1曲率中心と第2曲率面12aの第2曲率中心とを共に撮像面1S1の画像エリアの中心PC(0,0,Z)に常に一致させる様にしても良い。
【0069】
次に、保持・光軸傾角調整部の組み立て方法を、即ち、中間部材2と、第1及び第2ペルチェ素子4a、4bと、光軸傾角調整板5との取付方法ないしは一体化方法を、図1及び図2を用いて説明する。
【0070】
ここでは、既述した通りの固定方法によって、中間部材2の段差部2B内の所定の位置決め部分に、固体撮像素子1がカバー部材3のバネ力を受けて負のZ方向へ押し付けられる状態で既に取り付けられている。その状態に於いて、以下に述べるネジ締結後に、両ペルチェ素子4a、4bの放熱側の面(4aS2)が共に光軸傾角調整板5の第1表面5S1に接し、且つ、両ペルチェ素子4a、4bの冷却側の面(4aS1)が共に中間部材2の第2表面2S2の内の凸状面(略中央部)に接することになる様に、中間部材2の第2表面2S2の凸状面と光軸傾角調整板5との間に両ペルチェ素子4a、4bを配置する。その上で、中間部材2の各Z方向側凸部2E1P、…、2E3P、…の表面より突出した各雄ねじ6a、6b、6c、6dの先端側部分(雄ねじが切られた部分)をそれぞれに対応する光軸傾角調整板5の各凸部5E1P、…、5E3P、…の雌ねじ穴に位置合わせし、中間部材2の第2表面2S2の周縁部2S2Eの平面部分と光軸傾角調整板5の第1表面5S1の周縁部(平面部分)との間に出来るスペースの間隔Dが所定の適切値となるまで、各雄ねじ6a、6b、6c、6dの先端側部分をそれぞれに対応する各凸部5E1P、…、5E3P、…の雌ねじ穴と螺合させて、両部2、5を互いに締結・固定する。このときの間隔Dの調整については、既に触れた様に、第1曲率面5aの第1曲率中心が撮像面1S1の画像エリアの中心PC(0,0,Z)に位置する様に、ネジ締結を行う。このネジ締結により、両ペルチェ素子4a、4bは、中間部材2と光軸傾角調整板5とによって狭持される。
【0071】
次に、結像位置調整部(11、12)の具体的構成について、図1、図2及び図3を参照しつつ説明する。ここで、結像位置調整部(11、12)とは、被写体像を固体撮像素子1の撮像面1S1上に結像させるために結像位置(Z=0)をZ方向に関して調整する部分である。換言すれば、同部(11、12)は、撮像面1S1の画像エリアの中心PC(0,0,Z)を位置(0,0,0)に合わせるために、保持・光軸傾角調整部をZ方向に移動させる部分である。その結像位置調整機能の主役を担う物が、本固体撮像装置100のもう一方の中核部分である結像位置調整用ネジ部12である。以下では、伝熱板11と結像位置調整用ネジ部12との構成を詳述する。尚、伝熱板11及び結像位置調整用ネジ部12は共に、中間部材2と同様に、セラミックやアルミニウム等の熱伝導性の良い材料によって形成されている。
【0072】
先ず、伝熱板11はその四隅がカットされたXY平面に平行な板材であり、伝熱板11の中央部分には、同部分を貫通する様に、伝熱板11の光軸傾角調整板5側に対向すべき第1表面11Mの中心からX方向及びY方向に広がった主開孔11MHが形成されている。この主開孔11MHの径は、円柱状の結像位置調整用ネジ部12の側面12SS(同側面12SSには雄ねじが形成されている)の径と略同一であり、しかも、主開孔11MHの壁面には、側面12SSの上記雄ねじと螺合可能な雌ねじが切られている。
【0073】
又、主開孔11MHを囲む伝熱板11の周縁部11MUには、1個の孔11H1と2個の切れ込み部11H2、11H3が形成されている。これらの内で、孔11H1は、固体撮像装置100を撮像装置200のフロントケース7内に取り付けた状態では、同孔11H1の中心軸が光軸傾角調整板5の孔5aHの中心軸と第1シャフト8aの中心軸とに一致する様に、伝熱板11の周縁部11MU内の所定の位置に形成されている。即ち、孔11H1の中心軸はZ方向に平行であり且つX=0の面内に位置しており、孔11H1の中心軸のY=0の面からの高さは第1シャフト8aの中心軸のY=0の面からの高さに等しい。しかも、孔11H1の径は、第1シャフト8aの径、孔5aHの径及び後述する第1光軸傾角調整用雌ねじ部10aの外径の何れよりも大きい。
【0074】
又、一方の切れ込み部11H2は、固体撮像装置100をフロントケース7内に取り付けた状態では、切れ込み部11H2の曲率壁面の曲率中心に於けるZ方向に平行な軸(以下、中心軸と称す)が、光軸傾角調整板5の第2光軸傾角調整用突出部5bの孔の中心軸と第2シャフト8bの中心軸とに一致する様に、伝熱板11の周縁部11MU内の所定の位置に形成されている。即ち、切れ込み部11H2の中心軸はZ方向に平行であり且つY=0の面内に位置しており、切れ込み部11H2の中心軸のX=0の面からの高さは第2シャフト8bの中心軸のX=0の面からの高さに等しい。しかも、切れ込み部11H2の曲率壁面の曲率半径は、第2シャフト8bの径、第2光軸傾角調整用突出部5bの孔の径及び後述する第2光軸傾角調整用雌ねじ部10bの外径の何れよりも大きい。
【0075】
更に、伝熱板11の第1側面部11S1の内で固体撮像素子1側から見て右側部分には、放熱フランジ部11bが配設されている。この放熱フランジ部11bは、第1側面部11S1の上記右側部分との連結部から負のZ方向へ向けて所定の第2距離だけ延伸した第2延伸部11b2と、放熱フランジ部11bがL字型形状となる様に第2延伸部11b2の端部より正のY方向へ向けて所定の第1距離だけ延伸した第1延伸部11b1とより成る。
【0076】
又、第1側面部11S1の内で固体撮像素子1側から見て左側部分の端寄りには、放熱フランジ部11cが配設されている。この放熱フランジ部11cもまた、第1側面部11S1の上記左側部分との連結部から負のZ方向へ向けて所定の第2距離だけ延伸した第2延伸部11c2と、放熱フランジ部11cがL字型形状となる様に第2延伸部11c2の端部より正のY方向へ向けて所定の第1距離だけ延伸した第1延伸部11c1とより成る。
【0077】
又、伝熱板11の第2側面部11S2の内でその両周縁部分を除く部分には、放熱フランジ部11aが配設されている。この放熱フランジ部11aもまた、第2側面部11S2の上記中央部分との連結部から負のZ方向へ向けて所定の第2距離だけ延伸した第2延伸部11a2と、放熱フランジ部11aがL字型形状となる様に第2延伸部11a2の端部より正のX方向へ向けて所定の第1距離だけ延伸した第1延伸部11a1とより成る。そして、第1延伸部11a1には、フロントケース7の背面部7Rの内面の内で開口の傾斜面7RGと繋がった段差部乃至は溝部7RDの底面7RSに第1延伸部11a1を固定する際に用いる雄ねじを通すための4個の孔11aH1、11aH2、11aH3、11aH4が形成されている。しかも、第1延伸部11a1と底面7RSとの固定の際に、各孔11aH1、11aH2、11aH3、11aH4の中心軸が、底面7RSに形成された対応する各雌ねじ穴7RH1、7RH2、7RH3、7RH4の中心軸と一致する様に、各孔11aH1、11aH2、11aH3、11aH4の形成位置が設定されている。
【0078】
又、第3側面部11S3の内で固体撮像素子1側から見て右側部分の切れ込み部11H3寄りの部分には、放熱フランジ部11gが配設されている。この放熱フランジ部11gは、第3側面部11S3の上記右側切れ込み部11H3寄り部分との連結部から負のZ方向へ向けて所定の第2距離だけ延伸した第2延伸部11g2と、放熱フランジ部11gがL字型形状となる様に第2延伸部11g2の端部より負のY方向へ向けて所定の第1距離だけ延伸した第1延伸部11g1とより成る。
【0079】
同様に、第3側面部11S3の内で固体撮像素子1側から見て左側部分の切れ込み部11H3寄りの部分には、放熱フランジ部11fが配設されている。この放熱フランジ部11fは、第3側面部11S3の上記左側切れ込み部11H3寄り部分との連結部から負のZ方向へ向けて所定の第2距離だけ延伸した第2延伸部11f2と、放熱フランジ部11fがL字型形状となる様に第2延伸部11f2の端部より負のY方向へ向けて所定の第1距離だけ延伸した第1延伸部11f1とより成る。
【0080】
更に、第4側面部11S4の内で固体撮像素子1側から見て上側部分であって且つ切れ込み部11H2と第4側面部11S4の端部との略中間部分には、放熱フランジ部11dが配設されている。この放熱フランジ部11dもまた、第4側面部11S4の上記略中央部分との連結部から負のZ方向へ向けて所定の第2距離だけ延伸した第2延伸部11d2と、放熱フランジ部11dがL字型形状となる様に第2延伸部11d2の端部より負のX方向へ向けて所定の第1距離だけ延伸した第1延伸部11d1とより成る。そして、第1延伸部11d1には、フロントケース7の底面7RSに第1延伸部11d1を固定する際に用いる雄ねじを通すための1個の孔11dHが形成されている。しかも、第1延伸部11d1と底面7RSとの固定の際に、孔11dHの中心軸が、底面7RSに形成された対応する1個の雌ねじ穴(図示せず)の中心軸と一致する様に、孔11dHの形成位置が設定されている。
【0081】
同様に、第4側面部11S4の内で固体撮像素子1側から見て下側部分であって且つ切れ込み部11H2と第4側面部11S4の他方の端部との略中間部分には、放熱フランジ部11eが配設されている。この放熱フランジ部11eもまた、第4側面部11S4の上記略中央部分との連結部から負のZ方向へ向けて所定の第2距離だけ延伸した第2延伸部11e2と、放熱フランジ部11eがL字型形状となる様に第2延伸部11e2の端部より負のX方向へ向けて所定の第1距離だけ延伸した第1延伸部11e1とより成る。そして、第1延伸部11e1には、底面7RSに第1延伸部11e1を固定する際に用いる雄ねじを通すための1個の孔11eHが形成されている。しかも、第1延伸部11e1と底面7RSとの固定の際に、孔11eHの中心軸が、底面7RSに形成された対応する1個の雌ねじ穴(図示せず)の中心軸と一致する様に、孔11eHの形成位置が設定されている。
【0082】
他方、結像位置調整用ネジ部12の側面12SSは伝熱板11の主開孔11MHに螺合されており、結像位置調整用ネジ部12の円形状の第2表面(XY平面に平行な底面)12S2の周縁部には、図3に示す様に、2個の溝部12H1、12H2が形成されている。従って、この溝部12H1、12H2に例えばドライバの先端を差し込んだ上でZ方向の周りに結像位置調整用ネジ部12を回転させれば、結像位置調整用ネジ部12はZ方向に沿って並進移動し得る。尚、溝部12H1、12H2を設けずに、手の指先を第2表面12S2に押し当てて結像位置調整用ネジ部12を回転する様にしても良い。
【0083】
これに対して、結像位置調整用ネジ部12の第1表面12S1の中央部分には凹状の半球面部が形成されており、しかも、この凹状の半球面部の表面(当該表面は第1表面12S1の一部)に該る第2曲率面12aの第2曲率半径が既述した第1曲率面5aの第1曲率半径に等しくなる様に、凹状の半球面部が形成されている。
【0084】
次に、▲1▼固体撮像素子1が取付けられた中間部材2と、光軸傾角調整板5とが連結されて成る保持・光軸傾角調整部と、▲2▼結像位置調整用ネジ部12が伝熱板11の主開孔11MHに螺合されて成る結像位置調整部とを、撮像装置200のフロントケース7の内壁に取り付けることによって固体撮像装置100を組み立て、以て固体撮像装置100をフロントケース7内に配設する手順について、図2、図3、図4及び図5を用いて説明する。
【0085】
先ず、図3、図4及び図5に示す構造を有するフロントケース7を準備する。ここで、フロントケース7は、前面部7Fと側面部7S1,7S2,7S3,7S4と背面部7Rとから成る。これらの内で、フロントケース7の前面部7Fの表面側には、固体撮像素子1の撮像面1S1の画像エリア1SRの枠を規定する窓部7FHが形成されている。他方、前面部7Fの裏面側には、窓部7FH側から見て当該裏面の上部に固着された終端部8aEEを有し且つ−Z方向に平行に延在乃至は突出した略円柱状の第1シャフト8aと、窓部7FH側から見て当該裏面の左側部に固着された終端部(図示せず)を有し且つ−Z方向に平行に延在乃至は突出した略円柱状の第2シャフト8bとが形成されている。しかも、両シャフト8a、8bの長手方向(−Z方向)の長さは共に等しく且つ一定値に設定されている。加えて、第1シャフト8aの先端8aEとその近傍部(両者を先端部と総称する)及び第2シャフト8bの先端とその近傍部(両者を先端部と総称する)には、共に雄ねじが切られている。尚、図2では、雄ねじが切られた第1シャフト8aの先端部が太線で描かれている。
【0086】
次に、第1シャフト8a及び第2シャフト8bのそれぞれに、第1圧縮コイルバネ9a及び第2圧縮コイルバネ9bを嵌め込む。この状態で、光軸傾角調整板5の第1光軸傾角調整用突出部5a1の孔5aH及び第2光軸傾角調整用突出部5bの孔のそれぞれに、第1圧縮コイルバネ9a及び第2圧縮コイルバネ9bを介して、第1シャフト8a及び第2シャフト8bを遊びを持って挿入する。このとき、雄ねじが切られた、第1シャフト8aの先端部の一部と第2シャフト8bの先端部の一部とがそれぞれ同一量だけ突出部5a1の孔5aH及び突出部5bの孔から突出し得る様に、両シャフト8a、8bの長手方向の長さは設定されている。尚、図3中の記号AX1、AX2は、それぞれ第1シャフト8a及び第2シャフト8bの挿入方向ないしは中心軸を示している。
【0087】
更に、光軸傾角調整板5の凸状の第1曲率面5aと結像位置調整用ネジ部12の凹状の第2曲率面12aとが互いに密接する様に、結像位置調整用ネジ部12を光軸傾角調整板5に押し当てながら(但し、両部5、12の間には所定の隙間が生じる)、第1シャフト8aの先端部及び第2シャフト8bの先端部を、それぞれ伝熱板11の孔11H1及び切れ込み部11H2に遊びを持って挿入(緩挿)する。
【0088】
更に、この状態で、壁面に雌ねじが切られた穴10aHを裏面側に有する光軸傾角調整用第1雌ねじ部10aと第1シャフト8aの先端部とを螺合させると共に、壁面に雌ねじが切られた穴(図示せず)を裏面側に有する光軸傾角調整用第2雌ねじ部10bと第2シャフト8bの先端部とをも螺合させる。ここで、両雌ねじ部10a、10bは、それぞれ孔11H1及び切れ込み部11H2よりも小さな外径を有する円柱体であり、しかも、両雌ねじ部10a、10bの表面上には、例えばマイナスのドライバをそこへ挿入して各雌ねじ部10a、10bをZ方向の周りに回転可能とさせるための溝部が形成されている(図3参照)。
【0089】
次に、伝熱板11の各放熱フランジ部11a、11d、11eを雄ねじ20(図4)によってフロントケース7の背面部7Rの底面7RSにネジ止め固定する。これによって、伝熱板11の全ての放熱フランジ部11a、11b、11c、11d、11e、11f、11gはフロントケース7の底面7RSと面接触し、しかも、フロントケース7への上記取り付けにより、伝熱板11は不動となる。又、両シャフト8a、8bもまた不動である。その結果、第1圧縮コイルバネ9aの一端はフロントケース7の前面部7Fの裏面に押し付けられた状態で接触し、第1圧縮コイルバネ9aの他端は第1光軸傾角調整用突出部5a1の表面に接触して同部5a1を−Z方向へ押し出そうと付勢する。同様に、第2圧縮コイルバネ9bの一端はフロントケース7の前面部7Fの裏面に押し付けられた状態で接触し、第2圧縮コイルバネ9bの他端は第2光軸傾角調整用突出部5bの表面に接触して同部5bを−Z方向へ押し出そうと付勢する。これらの付勢を受けて、光軸傾角調整板5の第1曲率面5aは、その面接触部分を通じて、結像位置調整用ネジ部12の第2曲率面12aに対して、同面12aを−Z方向へ押し出す様に付勢する。しかし、この状態では結像位置調整用ネジ部12は不動であるため、第1曲率面5aと第2曲率面12aとはより一層に密着して接触し合うこととなる。その結果、第1曲率面5aの曲率中心と第2曲率面12aの曲率中心とは、共に固体撮像素子1の撮像面1S1の画像エリア1SRの中心PC(0、0、Z(≠0))に一致する。
【0090】
しかも、図1に示す様に、フロントケース7に突設された第1シャフト8aの中心軸は、固体撮像素子1の撮像面1S1のX方向の画像エリア中心(X=0)に位置し、Y方向に関する第1シャフト8aの中心軸位置は、固体撮像素子1の撮像面中心PC以外の位置(Y≠0)にある。他方、第2シャフト8bは、固体撮像素子1の撮像面1S1のY方向の画像エリア中心(Y=0)に位置し、X方向に関する第2シャフト8bの中心軸位置は、固体撮像素子1の撮像面中心PC以外の位置(X≠0)にある。
【0091】
上記の様に、光軸傾角調整板5に設けられた凸状の半球面5aと、伝熱板11に螺合された結像位置調整用ネジ12に設けられた凹状の半球面12aとは、共に曲率半径が等しい曲率面であって、両面5a、12aは面接触している。そのときの接触面積は半球面12aの面積に等しい。しかも、後述する様に、結像位置と2つの光軸傾角との各調整の前後を通じて、両面5a、12aは常に面接触しており、且つ、その接触面積は常に凹状の半球面12aの面積に等しい。このため、固体撮像装置100の実働時に第1ペルチェ素子4a及び第2ペルチェ素子4bにより吸収され且つ発せられる固体撮像素子1の熱を外部に放熱させるための経路1→2→4a、4b→5→12→11→7は、結像位置と2つの光軸傾角との各調整の前後を通じて、不動である。
【0092】
上記の様にして固体撮像装置100をフロントケース7内に取り付けた後に、固体撮像素子1の結像位置調整、第1光軸傾角調整及び第2光軸傾角調整を行う。以下においては、図2を参照しつつ、先ず結像位置の調整方法について説明した上で、その次に両光軸傾角調整方法について説明する。尚、以下の説明では、便宜上、第1光軸傾角の調整を行った後に第2光軸傾角の調整を行っているが、これに代えて、第2光軸傾角の調整を行った後に第1光軸傾角の調整を行うこととしても良い。蓋し、後述する様に、調整済の結像位置をずらしてしまうこと無く、各光軸傾角調整を独立して行うことが出来るからである。
【0093】
先ず、固体撮像素子1の結像位置調整は、伝熱板11と螺合した結像位置調整用ネジ部12のZ方向に沿った押引き動作によって実行される。より具体的には、次の通りである。既述の通り、伝熱板11は、フロントケース7にネジ止めされているため、不動状態にある。従って、伝熱板11に対して結像位置調整用ネジ部12のみを回転させて同部12を+Z方向に沿って平行に移動させると、光軸傾角調整板5は、結像位置調整用ネジ部12からの押圧を受けて、その第1曲率面5aと結像位置調整用ネジ部12の第2曲率面12aとの面接触を保持しつつ、同様に+Z方向に沿って平行に移動する。その際、孔5aHの径及び第2光軸傾角調整用突出部5bの孔の径はそれぞれ第1シャフト8aの径及び第2シャフト8bの径よりも大きいので、光軸傾角調整板5、従って第1光軸傾角調整用突出部5a1及び第2光軸傾角調整用突出部5bは、それぞれ第1圧縮コイルバネ9a及び第2圧縮コイルバネ9bを+Z方向に押し縮めながら、+Z方向に並進移動する。これに伴い、固体撮像素子1の撮像面1S1もまた、+Z方向に沿って平行に移動する。その際、孔5aHの中心軸及び第2光軸傾角調整用突出部5bの孔の中心軸のそれぞれのX方向及びY方向に於ける位置は不動である。逆に、伝熱板11に対して結像位置調整用ネジ部12のみを逆回転させて同部12を−Z方向に沿って平行に移動させると、光軸傾角調整板5は、この場合には第1圧縮コイルバネ9a及び第2圧縮コイルバネ9bからの−Z方向への押圧を受けて、第1曲率面5aと第2曲率面12aとの面接触状態を保持しつつ、結像位置調整用ネジ部12の並進移動に連動して−Z方向に沿って平行に移動する。これに伴い、固体撮像素子1の撮像面1S1もまた、−Z方向に沿って平行に移動する。
【0094】
この様に、固体撮像素子1の撮像面1S1のZ方向に於ける現在位置に応じて結像位置調整用ネジ部12のみを時計周りに又は反時計周りに適切に回転させるだけで、フロントケース7に対する撮像面1S1上へ結像位置(Z=0)を配置出来る様に、従って、撮像面1S1の中心PCの座標が(0,0,0,)となる様に、結像位置を最適に調整することができる。ここで留意すべき点は、結像位置の調整の前後を通じて、第1曲率面5aと第2曲率面12aとの面接触状態及び接触面積は不変であると言うことである。
【0095】
次に、図2、図6及び図7を参照しつつ、第1光軸傾角αの調整方法について説明する。中間部材2に固定された撮像素子1を有する光軸傾角調整板5の第1光軸傾角調整用突出部5a1は、第1圧縮コイルバネ9aによって常に押圧が与えられている。そこで、第1光軸傾角調整用雌ねじ部10aのみを回転させて同雌ねじ部10aを締めつけていくと(この時、穴10aHの底面部は第1シャフト8aの先端8aEに向けて+Z方向に移動する)、第1シャフト8aは固定されて不動であるため、第1光軸傾角調整用雌ねじ部10aが+Z方向に移動し、第1光軸傾角調整用突出部5a1は第1光軸傾角調整用雌ねじ部10aから+Z方向に向けて押圧を受ける。その際、第1シャフト8aの中心軸は固体撮像素子1のX方向の画像エリア中心(X=0)に位置し、且つ、そのY方向に於ける位置は固体撮像素子1の撮像面中心PC以外の位置(Y≠0)にあること、及び孔5aHの径が第1シャフト8aの径よりも大きいことから、図6に示す様に、光軸傾角調整板5は、第1曲率面5aの曲率中心(座標:X=0、Y=0、Z=0)を中心に、X軸の回りを反時計方向に回転(α)し、この回転に応じて第1圧縮コイルバネ9aは縮む。しかも、この場合には結像位置調整用ネジ部12及び第2曲率面12aは不動であって、既述した通り、第1曲率面5aの曲率半径と第2曲率面12aの曲率半径とは互いに等しく、且つ、第1曲率面5aの曲率中心と第2曲率面12aの曲率中心とは共に撮像面中心PC(座標:X=0、Y=0、Z=0)に一致することから、第1曲率面5aが常に第2曲率面12aとの面接触状態及びその接触面積を保持した状態で、光軸傾角調整板5は、反時計方向にX軸の回りを回転する。
【0096】
逆に、第1光軸傾角調整用雌ねじ部10aのみを逆回転させて同雌ねじ部10aを緩めていくと、第1光軸傾角調整用雌ねじ部10aが−Z方向に移動し、第1光軸傾角調整用突出部5a1は、−Z方向に延びようとする第1圧縮コイルバネ9aから−Z方向に向けて押圧を受ける。その際、第1シャフト8aの中心軸は固体撮像素子1のX方向の画像エリア中心(X=0)に位置し、且つ、そのY方向に於ける位置は固体撮像素子1の撮像面中心PC以外の位置(Y≠0)にあること、及び孔5aHの径が第1シャフト8aの径よりも大きいことから、図7に示す様に、光軸傾角調整板5は、第1曲率面5aの曲率中心(座標:X=0、Y=0、Z=0)を回転中心として、時計方向にX軸の回りを回転する。しかも、この場合にも結像位置調整用ネジ部12及び第2曲率面12aは不動であって、第1曲率面5aの曲率半径と第2曲率面12aの曲率半径とは互いに等しく、且つ、第1曲率面5aの曲率中心と第2曲率面12aの曲率中心とは共に撮像面中心PC(座標:X=0、Y=0、Z=0)に一致することから、第1曲率面5aが常に調整前の第2曲率面12aとの面接触状態及び接触面積を保持した状態で、光軸傾角調整板5は、時計方向にX軸の回りを回転する。
【0097】
以上の様に、接触面積を不変に保ちつつ第1曲率面5aを常に第2曲率面12aと接触させながら、第1光軸傾角αを所定の精度内に調整することができる。このことは、第1光軸傾角調整後も放熱経路を調整前と同一の状態に保ち得ることを意味する。しかも、結像位置調整用ネジ部12及び第2曲率面12aは不動であることから、第1光軸傾角の調整を行っても、調整済の結像位置に何らの影響をも与えない。加えて、上記の第1光軸傾角調整中、光軸傾角調整板5は中心PC(0、0、0)を回転中心としてX軸の回りを回転するだけであるから、X軸上に位置する第2光軸傾角調整用突出部5bの孔の中心位置は不変であり、第1光軸傾角の調整を行っても、第2光軸傾角の調整に対しては何らの影響をも与えない。
【0098】
次に、第2光軸傾角βの調整方法について説明する。この調整方法の原理は、上記した第1光軸傾角調整方法のそれと基本的には同一である。即ち、光軸傾角調整板5の第2光軸傾角調整用突出部5bは、第2圧縮コイルバネ9bによって常に押圧が与えられている。そこで、第2光軸傾角調整用雌ねじ部10bのみを回転させて同雌ねじ部10bを締めつけていくと、又は逆回転させて同雌ねじ部10bを緩めていくと、第2シャフト8bは固定されて不動であるため、第2光軸傾角調整用雌ねじ部10bが+Z方向に移動し(締めつけ時)、又は−Z方向に(緩めていく時)移動し、第2光軸傾角調整用突出部5bは、第2光軸傾角調整用雌ねじ部10bから+Z方向に向けて押圧を受け(締めつけ時)、又は第2圧縮コイルバネ9bから−Z方向に向けて押圧を受ける(緩めていく時)。その際、第2シャフト8bの中心軸は固体撮像素子1のY方向の画像エリア中心(Y=0)に位置し、且つ、そのX方向に於ける位置は固体撮像素子1の撮像面中心PC以外の位置(X≠0)にあること、及び第2光軸傾角調整用突出部5bの孔の径が第2シャフト8bの径よりも大きいことから、光軸傾角調整板5は、第1曲率面5aの曲率中心(座標:X=0、Y=0、Z=0)を中心にY軸の回りを回転する。しかも、この場合にも同様に結像位置調整用ネジ部12及び第2曲率面12aは不動であって、第1曲率面5aの曲率半径と第2曲率面12aの曲率半径とは互いに等しく、且つ、第1曲率面5aの曲率中心と第2曲率面12aの曲率中心とは共に撮像面中心PC(座標:X=0、Y=0、Z=0)に一致することから、第1曲率面5aが常に調整前の第2曲率面12aとの面接触状態と接触面積とを保持した状態で、光軸傾角調整板5はY軸の回りを回転する。従って、接触面積を不変に保ちつつ第1曲率面5aを常に第2曲率面12aと接触させながら、第2光軸傾角βを所定の精度内に調整することができる。このことは、第2光軸傾角調整後も放熱経路を調整前と同一の状態に保ち得ることを意味する。しかも、結像位置調整用ネジ部12及び第2曲率面12aはこの場合にも不動であることから、第2光軸傾角の調整を行っても、調整済の結像位置に何らの影響をも与えない。加えて、上記の第2光軸傾角調整中、光軸傾角調整板5は中心PC(0、0、0)を回転中心としてY軸の回りを回転するだけであるから、Y軸上に位置する第1光軸傾角調整用突出部5a1の孔5aHの中心は不変であり、第2光軸傾角の調整を行っても、第1光軸傾角の調整に対しては何らの影響をも与えない。
【0099】
この様に、調整済の結像位置をずらしてしまうことなく各光軸傾角調整を互いに独立して行うことができるので、結像位置調整及び両光軸傾角調整を従来技術よりも格段に短時間で収束させることが可能となる。
【0100】
両光軸傾角調整の終了により、固体撮像素子1の撮像面1S1は、第1光軸傾角調整時の所定の精度及び第2光軸傾角調整時の所定の精度で定まる所定の精度内で、XY平面と平行な面となる。
【0101】
最後に、フロントケース7とリアケース14との締結について、図3、図4及び図5を用いて説明する。先ず、固体撮像素子1の結露を防止するという目的から、フロントケース7の内部に、固体撮像素子1の冷却仕様温度よりも十分に露点の低い空気を充填する。そして、この空気雰囲気中で、フロントケース7の傾斜面7RGと、リアケース14の前面部14F側に設けられた段差部の壁面14FDとの間にOリング13を配設し、このOリング13を介して、雄ねじ15a、15b、15c、15dによってフロントケース7とリアケース14とを締結する。尚、図3中の記号14Rはリアケース14の背面部である。
【0102】
次に、上記の手順によって構成された撮像装置200乃至は固体撮像装置100の動作時に於ける放熱について説明する。即ち、中間部材2と接している面が冷却側の面となる様に両ペルチェ素子4a、4bを配置しているので(図1、図4)、両ペルチェ素子4a、4bと光軸傾角調整板5との接触面では、熱の発生が起こる。そのため、両ペルチェ素子4a、4bから発せられた熱は、光軸傾角調整板5に伝わり、更に第1曲率面5aと面接触している第2曲率面12aを介して結像位置調整用ネジ部12に伝わる。更に、熱は結像位置調整用ネジ部12と螺合している伝熱板11に伝わり、その放熱フランジ部11a、11b、11c、11d、11e、11f、11gからフロントケース7及びリアケース14に伝わり、空気との熱交換によって両ケース7、14は自然冷却される。
【0103】
この様に、結像位置調整用ネジ部12及び光軸傾角調整板5は、固体撮像装置100の結像位置調整及び光軸傾角調整の機能を担う部分であるだけでなく、撮像装置200の動作時に於ける固体撮像素子1の放熱経路ないしは放熱構造としての役割をも同時に担う部分である。
【0104】
以上述べてきた説明に基づき本装置100、200に於ける利点を列挙すれば、次の通りとなる。
【0105】
(1)結像位置Zの調整過程では、光軸傾角調整板5ないしは撮像面1S1のZ方向に於ける位置は、単に結像位置調整用ネジ部12の押引き動作(Z方向に沿った並進移動)を行うことにより調整される。このため、光軸傾角調整板5に設けられた第1曲率面5aを第2曲率面12aと常に接した状態に保ちつつ、結像位置Zの調整を実行することが出来る。しかも、結像位置の調整によって、両曲率面5a、12aの接触面積に変化が生じない。そのため、本装置100、200の実動時には、常に安定した放熱効果が得られるという特徴がある。
【0106】
(2)各光軸傾角α、βの調整過程では、各雌ねじ部10a、10bの押引き動作によって、各光軸傾角α、βの調整は互いに独立して行なわれる。そして、各光軸傾角α、βの調整中、第1曲率面5aと第2曲率面12aとは常に互いに接触し合った状態にあり、第1曲率面5aは、不動の第2曲率面12aに沿って移動することになる。しかも、結像位置調整後の第1曲率面5a及び第2曲率面12aの両中心は、X・Y方向に関しては、固体撮像素子1の撮像面中心PC(X=0、Y=0)に位置し、Z方向に関しては、固体撮像素子1の結像位置(Z=0)に位置しているため、各光軸傾角の調整過程中においても結像位置がずれないという特徴がある。この様に、結像位置調整、第1光軸傾角調整及び第2光軸傾角調整の各調整を互いに独立して行うことができ、各調整後も第1曲率面5a及び第2曲率面12aは常に調整前と同じ面接触状態にある。従って、各調整を速やかに収束させることが出来ると共に、結像位置及び各光軸傾角の姿勢によらずに、常に第1曲率面5aと第2曲率面12aとが接し、その接触面積の変化が無いため、本装置100、200の実動時には、常に安定した放熱効果が得られるという特徴がある。
【0107】
(3)上記の様に、固体撮像素子1と両ペルチェ素子4a、4bとの間に熱伝導性の良い中間部材2が介在しているため、換言すれば、両ペルチェ素子4a、4bが中間部材2を介して間接的に固体撮像素子1を冷却しているため、両ペルチェ素子4a、4bの冷却温度が中間部材2内で一定となる結果、固体撮像素子1を冷却する際に温度ムラが生じることがないという特徴がある。
【0108】
(4)加えて、光軸傾角調整板5の一部と結像位置調整用ネジ部12とを放熱板として機能する部分として使用しているため、別途、放熱板構造を取り付ける必要性が無く、コンパクトな構成で以て、結像位置・光軸傾角の調整と放熱の効果とを得ることが出来るという特徴がある。
【0109】
(実施の形態1の変形例)
(1)実施の形態1においては、熱電冷却素子は2個のペルチェ素子4a、4bで構成されていたが、本発明はペルチェ素子の個数に限定されるものではない。例えば、1個のペルチェ素子のみで熱電冷却素子4を構成しても良く、その様な変形例1の一例を図8に示す。
【0110】
図8は図1に対応する図面であり、1個のペルチェ素子で熱電冷却素子4が構成されている点を除いて、その他の構成は実施の形態1で説明したものと同一である。本変形例においても、既述した実施の形態1に於ける利点(1)〜(4)の全てが得られる。
【0111】
更に、必要に応じて、熱電冷却素子を構成するペルチェ素子の個数を3個以上としても良い。要は、ペルチェ素子の個数は任意であると言うことである。
【0112】
(2)実施の形態1においては熱電冷却素子を用いているが、例えば人工網膜チップの様にCCDと比較して画素数の少ない物を固体撮像素子として用いるときには、熱電冷却素子を用いて当該固体撮像素子を冷却する必要性が無い場合もある。この様な場合にも、熱電冷却素子を用いている点を除いて、本発明の特徴的構成を適用することが出来る。その様な一例を図9の断面図に示す。
【0113】
図9は図2に相当する図面であり、本変形では、放熱経路は1→2→5→12→11→7である。本変形例においても、既述した実施の形態1に於ける利点(1)、(2)及び(4)が得られることは勿論である。
【0114】
(3)実施の形態1においては、1箇所の第1光軸傾角αの調整機構と1箇所の第2光軸傾角βの調整機構とから光軸傾角調整部が構成されていた。しかし、本発明は光軸傾角調整機構の個数に限定されるものではない。即ち、光軸傾角調整板5に設けられた凸状の半球面5aが結像位置調整用ネジ部12の凹状の半球面12aと常に面接触した状態が実現されているならば、必要に応じて(ケースバイケースで)、光軸傾角調整部を1箇所の調整機構のみで構成することとしても良いし、又は、光軸傾角調整部を3箇所以上の調整機構で構成することとしても良い。この様な変形を行っても、既述した実施の形態1に於ける利点(1)〜(4)が得られることは勿論である。
【0115】
例えば、第1方向及び第2方向の各軸方向について複数個の光軸傾角調整機構を設ける場合には、各軸方向の複数個の光軸傾角調整機構に於ける光軸傾角調整用雌ねじ部の雌ねじの切れ込み寸法をそれぞれ変えることで(これに応じて、対応するシャフトの先端部の雄ねじの寸法をも変える)、各軸方向に関して光軸傾角の粗調整と微調整とを行うことが可能となる。
【0116】
(4)実施の形態1においては、圧縮コイルバネ9a、9bの付勢力を用いて光軸傾角調整板5に対して押圧が与えられていたが、圧縮コイルバネ9a、9bに代えて、引張コイルバネや、板バネや、ねじりバネ等を用いても良い。要は、光軸傾角調整板5に対して付勢力を与え得る弾性を有するバネであれば良く、バネの種類に限定されるものではない。
【0117】
(5)実施の形態1においては、7個の放熱フランジ部が用いられていたが、放熱フランジ部の個数を6箇所以下に、又は8箇所以上にしても良く、本発明は放熱フランジ部の個数に限定されるものではない。
【0118】
(6)実施の形態1においては、光軸傾角調整板5に設けられた第1曲率面5aの形状が凸状の半球面であり、結像位置調整用ネジ部12に設けられた第2曲率面12aの形状が凹状の半球面であった。しかし、この様な形状設定に本発明は限定されるものでは無く、逆に第1曲率面5aの形状を凹状の半球面とし、第2曲率面12aの形状を凸状の半球面としても良く、この変形例においても実施の形態1と同等の効果が得られることは勿論である。
【0119】
(7)第1曲率面5a及び第2曲率面12aの形状は、共に半球面でなければならない必然性は無い。即ち、第1曲率面5a及び第2曲率面12aの曲率ないしは曲率半径が共に互いに等しく、両曲率面5a、12aの曲率中心が共に撮像面中心に位置しており、しかも両曲率面5a、12aが各調整前後を通じて常に接触面積を保ちつつ面接触し合った状態に有り得る限りは、第1曲率面5a及び第2曲率面12aの各形状は任意である。
【0120】
例えば、上記条件を満足するものとした上で、第1曲率面5a及び第2曲率面12aの何れか一方もしくは双方が、半球面を均等又は不均等にN(Nは2以上の整数)分割して出来る複数の曲面の内の少なくとも1つより成るものであっても良い。この場合にも、実施の形態1と同等の効果が得られることは勿論である。
【0121】
(付記)
本発明の技術的範囲を逸脱しない範囲内で、実施の形態1やその変形例で説明したもの以外の様々な修正や改良を施すことは可能である。
【0122】
【発明の効果】
この発明は、以上説明したように構成されているので、以下に示すような効果を奏する。
【0123】
請求項1,6に記載の発明によれば、結像位置調整部が保持・光軸傾角調整部に対して押しながら又は引きながら第3方向に沿って並進移動すると、この並進移動に連動して、保持・光軸傾角調整部もまた、両部の面接触状態及び接触面積を維持しつつ第3方向に沿って並進移動するので、光軸傾角に影響を与えること無く確実に且つ速やかに結像位置を調整することができる。しかも、結像位置の調整前後を通じて第1曲率面と第2曲率面との面接触状態は維持されているので、結像位置の調整後においても保持・光軸傾角調整部及び結像位置調整部は固体撮像素子が発する熱の放熱経路を提供し得るという効果が得られる。
【0125】
請求項2,6に記載の発明によれば、調整済の結像位置をずらすことなく、結像位置調整及び一方の光軸傾角調整とは独立して、他方の光軸傾角の調整を確実に且つ速やかに行うことができる。このため、両光軸傾角調整後に結像位置を再度調整する必要が無く、必要な全調整を速やかに収束させることが出来る。加えて、調整収束後に於ける保持・光軸傾角調整部及び結像位置調整部を固体撮像素子が発する熱の放熱板として機能させることが可能となり、常に安定した放熱が得られると共に、別途、放熱板を設ける必要性をなくすことができる。このことは、撮像装置の構造のコンパクト化をもたらし得る。
【0126】
請求項3,6に記載の発明によれば、簡易な構造で以て保持・光軸傾角調整部を実現することが出来る。
【0127】
請求項4,6に記載の発明によれば、熱電冷却素子は中間部材を介して間接的に固体撮像素子を冷却することとなるので、熱電冷却素子の大きさと固体撮像素子の大きさとが異なる場合や、熱電冷却素子を複数個使用する場合においても、熱伝導の均一化を出来る限り図って温度ムラの発生を従来技術よりも抑えることが出来る。
【0128】
請求項5,6に記載の発明によれば、簡易な構造で以て結像位置調整部を実現することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1に係る固体撮像装置を示す正面図である。
【図2】 本発明の実施の形態1に係る固体撮像装置を示す縦断面図である。
【図3】 本発明の実施の形態1に係る撮像装置の分解構成を示す斜視図である。
【図4】 本発明の実施の形態1に係る撮像装置を示す縦断面図である。
【図5】 本発明の実施の形態1に係る撮像装置を示す正面図である。
【図6】 本発明の実施の形態1に係る固体撮像装置における第1光軸傾角の調整過程を示す縦断面図である。
【図7】 本発明の実施の形態1に係る固体撮像装置における第1光軸傾角の調整過程を示す縦断面図である。
【図8】 本発明の変形例1に係る固体撮像装置を示す正面図である。
【図9】 本発明の変形例2に係る固体撮像装置を示す縦断面図である。
【図10】 従来の固体撮像素子の取付構造を示す斜視図である。
【図11】 従来の固体撮像素子の取付部材を示す断面図である。
【図12】 従来の固体撮像素子の放熱構造を示す側面図である。
【符号の説明】
1 固体撮像素子、1S1 撮像面、1S2 第2主面、PC 撮像面中心、2 中間部材、2B 段差部、2BS 底面、2S1 第1表面、2S2 第2表面、3 カバー部材、4a、4b ペルチェ素子、5 光軸傾角調整板、5a第1曲率面(凸状の半球面)、5S1 第1表面、5S2 第2表面、6a,6b,6c,6d 雄ねじ、7 フロントケース、8a,8b シャフト、9a,9b 圧縮コイルバネ、10a,10b 光軸傾角調整用雌ねじ部、11 伝熱板、11a,11b,11c,11d,11e,11f,11g 放熱フランジ部、12 結像位置調整用ネジ部、12a 第2曲率面(凹状の半球面)、12S1 第1表面、12S2 第2表面、12SS 側面、13 オーリング、14 リアケース、15a,15b,15c,15d 筐体締結用雄ねじ、100 固体撮像装置、200 撮像装置。

Claims (6)

  1. 撮像面を含む第1主面と前記第1主面に対向した第2主面とを有する第1発熱源たる固体撮像素子と、
    前記固体撮像素子を保持すると共に、前記固体撮像素子の背面側に位置する第1曲率面を有する第1伝熱経路たる保持・光軸傾角調整部と、
    前記第1曲率面と面接触した第2曲率面を有し、前記第1曲率面と前記第2曲率面との面接触状態及び接触面積を維持しつつ撮像光軸方向としての第3方向へ並進移動可能な第2伝熱経路たる結像位置調整部と、
    前記保持・光軸傾角調整部を前記結像位置調整部へ押圧する付勢手段とを備え、
    前記第1曲率面の第1曲率中心と前記第2曲率面の第2曲率中心とは前記撮像面の中心に該当している固体撮像装置であって、
    前記第1曲率面と前記第2曲率面とは互いに異なる表面積を有すると共に、光軸傾角調整及び結像位置調整の何れに於いても常に前記第1曲率面と前記第2曲率面との内で小さい表面積を有する一方側が他方側と全面的に接触状態にあることを特徴とする、
    固体撮像装置。
  2. 請求項1に記載の固体撮像装置であって、
    前記保持・光軸傾角調整部は、前記面接触状態及び前記接触面積を維持しつつ、前記撮像面の前記中心を通り前記撮像光軸方向と直交する第1方向軸周りの回転運動とは独立して、前記第1方向軸と前記撮像光軸方向とに直交する第2方向軸の周りに回転可能であることを特徴とする、
    固体撮像装置。
  3. 請求項2に記載の固体撮像装置であって、
    前記保持・光軸傾角調整部は、
    前記固体撮像素子の位置決め部としての段差部を有する第1表面と、前記第1表面に対向し且つ前記第1曲率面と前記第2曲率面とに対面する側に位置する第2表面とを有し、熱電冷却素子では無い中間部材と、
    前記段差部を除く前記中間部材の前記第1表面の周縁部に結合された周縁部と、前記中間部材の前記段差部側に突出しており前記固体撮像素子の前記第2主面を前記段差部の底面に押し当てて前記固体撮像素子を前記中間部材に固定する爪部とを有するカバー部材と、
    前記中間部材の前記第2表面に対向し且つ前記中間部材との間に所定の間隔を保つ様に前記中間部材の周縁部と連結された周縁部を有する第1表面と、前記第1表面に対向し且つ前記第1曲率面を一部に有する第2表面とを有すると共に、前記面接触状態及び前記接触面積を維持しつつ前記第1方向及び前記第2方向のそれぞれの周りに独立して回転可能な光軸傾角調整板とを備えており、
    前記段差部の前記底面は、光軸傾角調整前の状態においては、前記第1方向と前記第2方向とを含み且つ前記第3方向に直交する平面に平行であり、
    前記中間部材の前記周縁部付近と前記光軸傾角調整板の前記第1表面の前記周縁部付近との間に形成される前記所定の間隔は、前記第1曲率中心と前記第2曲率中心とが共に前記撮像面中心に該当し且つ前記第1曲率半径と前記第2曲率半径とが互いに等しくなる様な値に設定されていることを特徴とする、
    固体撮像装置。
  4. 請求項3に記載の固体撮像装置であって、
    前記保持・光軸傾角調整部は熱電冷却素子を更に備え、
    前記中間部材の前記第2表面の内でその周縁部を除く部分は前記熱電冷却素子の冷却側の表面に接触しており、
    前記第1伝熱経路に該当する前記光軸傾角調整板の前記第1表面の内で前記周縁部を除く部分は前記熱電冷却素子の第2発熱源たる放熱側の表面に接触していると共に、
    前記第2発熱源より発せられる熱は前記第1伝熱経路及び前記第2伝熱経路たる結像位置調整部を介して筐体の外に放熱されることを特徴とする、
    固体撮像装置。
  5. 請求項3又は4に記載の固体撮像装置であって、
    前記結像位置調整部は、
    前記第2曲率面を有する第1表面と前記第1表面に対向する第2表面とを有し、前記第3方向に沿って並進移動可能な並進移動部と、
    前記並進移動部の側面と螺合された孔を有する本体部と、前記本体部の少なくとも2つの側面部のそれぞれから前記第3方向に沿って延伸した少なくとも2つの延伸部とを有する伝熱板とを備えることを特徴とする、
    固体撮像装置。
  6. フロントケースと、
    請求項5に記載の前記固体撮像装置とを備え、
    前記固体撮像装置の前記伝熱板の前記少なくとも2つの延伸部の端部は前記フロントケースの内壁に固定されていることを特徴とする、
    撮像装置。
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