JP4222237B2 - 擦弦楽器 - Google Patents
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Description
一方、電子擦弦楽器は、電気擦弦楽器と同様に、擦弦操作による弦の振動をピックアップで検出して電気信号に変換するが、その電気信号から楽音のピッチや振幅などのデータを作成し、そのデータを電子音源に入力することにより、例えばROMに記憶されたPCM符号化された楽音データを読み出してD/A変換して楽音信号を生成し、その楽音信号をスピーカで電気・音響変換して自然擦弦楽器と同様な楽音を放音する。
したがって、このような擦弦楽器によれば、外部に演奏音を放音しない消音演奏をすることができる。その場合も、弦を弓で擦ることによる摺接音や弦の振動音自体は消音できないが、弦の振動が伝わる楽器本体からの放射音はできる限り抑える必要がある。
しかし、このようなソリッド構造のボディを使用すると楽器全体が重くなるため演奏性に問題が生じ、特にバイオリンのように手で持って演奏する楽器には適さなかった。
そこで、特許文献1に見られるように、電気・電子擦弦楽器の楽器本体を、木材単板を複数層に積層し、その各層間の少なくとも一ヶ所に粘着層を介在させた集成構造にすることによって、重量を軽減しながら充分な消音効果が得られるようにすることが提案されている。
この発明は、このような背景に鑑みてなされたものであり、消音演奏に適した電気・電子擦弦楽器でありながら、演奏者のボーイングの振る舞いに応じて音色が変化し、且つ柔らかくふくよかな音色が得られるようにすることを目的とする。
さらに、上記ボディの薄肉部を形成した部分の両側部に、上面から薄肉部の厚さだけ下のところに長手方向に沿ってスリットを形成するとよい。
また、上記センサを駒に埋設すれば、演奏に応じた微妙な弦振動を正確に検出することができる。そのセンサとしては、バイモルフ型又はモノモルフ型圧電素子などの曲げセンサを用いるとよい。
そして、薄肉部の回動支点となる支柱部材を設けているので、薄肉部が駒の揺動に応じて揺動し易い。さらに、その揺動変位が補強部材によってボディ全体に伝達されるため、中低音の力強さが増し、音像が明確になる効果がある。しかも、これらの支柱部材と補強部材とが薄肉部の裏面側に一体に形成されているので、部品点数が増加せず、安価に作製することができる。
〔基本的な実施例〕
まず、この発明による擦弦楽器の基本的な実施例を図1乃至図3によって説明する。図1はその擦弦楽器のボディの駒装着部付近の縦断面図(図2のA−A線に沿う断面図)、図2は同じくその横断面図(図1のB−B線に沿う断面図)である。
そのペグボックスには4個の糸巻が設けられており、その各糸巻とテールピースとの間に4本の弦13が張られ、指板とテールピースとが対向する部分の中間において、弦13とボディ10の上面10aとの間に図示のように駒20が挟持されて装着され、各弦13に張力を与えている。
駒20内には、弦13が弓で擦られたときの振動を検出して電気信号をリード線16に出力する一対のセンサ25が埋設されている。このセンサ25としては、バイモルフ型又はモノモルフ型圧電素子などの曲げセンサが適している。この駒の詳細については図3によって後述する。
この薄肉部101の裏面側にはさらに、図2に示すように、幅方向の中央より低音側にずれた位置に長手方向にリブ状に延びる補強部材であるブレース103を固着して設けている。このブレース103は、薄肉部101の揺動をボディ10の全体に伝達させるように設けている。
このボディ10の薄肉部101を形成した部分の両側部106には、上面から薄肉部101の厚さだけ下のところに長手方向に沿ってスリット(細長い孔)107が形成されている。
このような薄肉部101の揺動は、ボーイングによる演奏表現を反映した動きに対しており、その揺動運動の変化に応じて、駒20に埋設されたセンサ25によって出力される電気信号が微妙に変化し、その信号に基づいて発生される楽音に音色変化を生み出す。また、ボディ10の駒20を介して弦振動が伝達される部位が薄肉部101であり、厚肉のものと比較して振動伝達ロスが大きいため、柔らかくふくよかな音色となる。
次に、駒20の具体例について図3によって説明する。
図3は図1及び図2に示した駒20をテールピース側から見た正面図である。この駒20は、一般のバイオリンに搭載される駒と同様に、楓材が加工された板状の本体部21及び前述したボディ10の薄肉部101の表面に当接する一対の脚部22とを備えている。
本体部21の上縁21Uは円弧状に形成され、そこに4本の弦13を一定の間隔を置いて係止する。
そして、演奏者が通常のバイオリンの弓と同じもので矢示Q,R方向にボーイングすると、それによって擦られた弦13が同方向に振動し、駒20の本体部21も矢示Q,R方向に曲げ力を受けて揺動するとともに、脚部22を経てその弦振動をボディ10の薄肉部101に伝達する。
その枝溝230bは、切欠部220aと切欠部220cとの間の中央部の弦振動伝播経路に沿って延び、枝溝230cは、切欠部220bと切抜部220cとの間の中央部の弦振動伝播経路に沿って延びている。
一対のセンサ25は、互いに同極性の面同士を並列接続するか、あるいは直列に接続して、擦弦時に本体部21が矢示Q,R方向に揺動変位したときに、枝溝230b,230cの内壁面が矢示P方向に変位することによってその圧電素子(ピエゾ素子)に発生する起電力が、互いに重畳して電気信号としてリード線16に出力されるようにする。
振動を検出するセンサは、バイモルフ型圧電素子による曲げセンサに限らず、モノモルフ型圧電素子による曲げセンサや、歪に応じて抵抗値が変化する歪ケージなど、弦振動による本体部の変形を検出することが可能なセンサであればよい。
次に、この発明による擦弦楽器のより具体的な実施例を図4乃至図11によって説明する。図4はその擦弦楽器の具体的実施例を平面図、図5はその擦弦楽器をサウンドシステムおよびスピーカと共に示す側面図である。これらの図において、前述した図1及び図2と対応する部分には同一の符号を付している。
このボディ10の駒装着部の裏面は支持金具31によって胴部3に固着支持されている。その胴部3はバイオリンの共鳴胴の輪郭の一部と顎当て装着部を模した形状に形成されているが、共鳴胴にはなっていない。4は顎当てであり、胴部3の顎当て装着部に着脱可能に取り付けられる。
ネック11の先端部のペグボックス11aには4個の糸巻12が設けられており、その各糸巻12とテールピース15との間に、スチールあるいはガットなどによる4本の弦13が張られ、指板14とテールピース15とが対向する部分の中間において、各弦13とボディ10の上面10aとの間に図示のように駒20が挟持されて装着され、各弦13に張力を与えている。
駒20は、図3によって説明した駒を使用することができる。すなわち、内部に弦13の振動を検出する一対のセンサ(前述の例ではバイモルフ型圧電素子による曲げセンサ)が埋設されており、そのリード線16に電気信号を出力する。そのリード線16は、テールピース15の裏面に沿って胴部3に導かれ、図5に示すように胴部3の後部側面に設けたジャック17に接続される。
電気バイオリンを構成する場合は、このサウンドユニット6が入力信号を増幅し、各種処理を施して楽音信号を生成して、スピーカ7又はヘッドホンに出力する装置である。
図6は図4及び図5におけるボディの平面図(A)とその要部を断面にして示す側面図(B)であり、図7はその底面図である。図8、図9、及び図10は、それぞれ図6(A)のC−C線、D−D線、及びE−E線に沿う拡大断面図である。
これらの図において、図1、図2、図4、及び図5と対応する部分には同一の符号を付してある。なお、図6及び図7において、上側がネック側であり、下側がテールピース側である。
さらに、薄肉部101の裏面側に、この実施例では薄肉部101の揺動の支点となる支柱部10cをボディ10に一体に形成している。
また、この支柱部10cは、前述した基本的実施例における支柱部材102と同様に、自然楽器のバイオリンに設けられている魂柱に相当し、ボディ10の長手方向においては駒の搭載位置より幾分テールピース側にずれた位置に、ボディ10幅方向においてはその中央より高音側(図9では右側)にずれた位置に設けている。
このボディ10の薄肉部101に続くテールピース側には、ベース形の浅い凹陥部108が形成されており、図5に示した支持金具31が嵌合する。図10に示す小穴109は、支持金具31の位置決め穴である。図6の(A)に示す110は、図5に示した胴部3への取付孔、111は図5に示したネック11への取付孔である。
そして、この実施例でも薄肉部101の回動支点となる支柱部10cを設けているので、薄肉部101が駒20の揺動に応じて揺動し易い。
しかも、これらの支柱部10cとブレース部10dとが薄肉部101の裏面側に一体に形成されているので、部品点数が増加せず、安価に作製することができる。
Claims (4)
- 共鳴胴の無い厚肉材からなるボディと、該ボディ上に張られた弦と、該弦と前記ボディとの間に挟持される駒と、前記弦の振動を検出して電気信号を出力するセンサとを備えた擦弦楽器であって、
前記ボディの前記駒を装着する部位の近傍が他の部位より肉厚の薄い薄肉部となっており、
前記ボディの前記薄肉部の裏面側の該ボディの長手方向における前記駒の搭載位置より幾分テールピース側にずれた位置で、幅方向における中央より高音側にずれた位置に、前記薄肉部の揺動の支点となる支柱部材を前記ボディに一体に形成して設け、
前記ボディの前記薄肉部の裏面側の該ボディの幅方向における中央より低音側にずれた位置に、該薄肉部の揺動を前記ボディ全体に伝達するための補強部材を、前記ボディの長手方向にリブ状に延びて該ボディに一体に形成して設けた
ことを特徴とする擦弦楽器。 - 前記ボディの前記薄肉部を形成した部分の両側部に、上面から前記薄肉部の厚さだけ下のところに長手方向に沿ってスリットを形成したことを特徴とする擦弦楽器。
- 前記センサが前記駒に埋設されている請求項1又は2記載の擦弦楽器。
- 前記センサが曲げセンサである請求項1乃至3のいずれか一項に記載の擦弦楽器。
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