JP3843812B2 - 擦弦楽器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、擦弦操作に応じた振動を検出する機能を備えた擦弦楽器、擦弦操作に応じた振動を検出する信号検出装置、および検出した振動に応じた音響信号を生成する音響信号生成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、バイオリン等の自然弦楽器を模倣した電気弦楽器が用いられている。この電気弦楽器は、弦の振動をピックアップで検出し、その検出信号を増幅して出力するというものである。このような電気弦楽器では、検出信号をヘッドフォン等に出力する、いわゆる消音演奏が可能であり、大きな楽音等を発生させることができない環境下で行う練習に用いる楽器として非常に便利である。
【0003】
また、自然弦楽器にあるべき共鳴体等、アコースティックの構成を有するアコースティック弦楽器における駒にピックアップを装着し、このような自然楽器においても楽音を電気的増幅手段を使用して出力させるようにした楽器も用いられている。
【0004】
上記のようなピックアップを備えた電気バイオリンの外観構成例を図1に示す。同図に示すように、この電気バイオリン1Aは、弦4を支持する台座であるボディ(本体部)2A、ネック3および胴部5を備えた構成である。弦4は、ボディ2Aの底部に固定されたテールピース6から駒7を経てネック3の先端にわたり4本張られている。ネック3には、弦4の端部が巻回されて弦4に張力を与えるペッグスクリュー3aが装着されている。
【0005】
なお、この明細書においては、電気バイオリンであっても、上記のように本体部に設けられる弦4を支持する部材、すなわちアコースティックバイオリンにおける駒に相当する部材を駒と称することとする。
【0006】
この電気バイオリン1Aでは、通常の自然楽器バイオリンのように、胴部の音響放射機能は必要ないので、胴部5は演奏者が身体(顎)で支持する側とは反対側にデザイン的に形成され、その胴部5の反対側におけるボディ2Aの底部に、実際に顎に挟んで支持する部分として顎当てパッド8が取り付けられている。
【0007】
上記のように擦弦操作による振動を検出するピックアップは駒7とボディ2Aとの間に設けられており、その近傍の構成を図2に示す。同図に示すように、駒7の2つの脚部18a,18bと、ボディ2Aの表面部との間には、各々ピックアップ20a,20bが配置されている。そして、演奏操作によって振動する弦15から駒7に伝達される振動による機械エネルギーが、これらの圧電素子等から構成されるピックアップ20a,20bによって電気エネルギーに変換され、脚部18a,18bの振動に応じた電気信号を取得することができるようになっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来のピックアップ20a,20bを設けた電気バイオリンでは、演奏操作によって駒7が主として弦の配列方向の振動(以下、横振動という)した場合に、その横振動を検出するように構成されている。具体的には、駒7が横振動した際のある一時点においては、脚部18a,18bおよびピックアップ20a,20bが図3中矢印で示すように逆方向(図示の例では脚部18aおよびピックアップ20aは上向き、脚部18bおよびピックアップ20bは下向き)に振動しており、このように振動をした際にピックアップ20a,20bの分極方向を同一とした場合には、各々のピックアップ20a,20bにおいて逆の特性を有する電気信号が得られるとになる。したがって、これらのピックアップ20a,20bから得られる電気信号を足し合わせると、お互いの特性を打ち消しあった電気信号が出力され、正確な振動検出を行うことができない。したがって、図3に示すように、ピックアップ20a,20bの分極方向を逆方向とすることにより、両者によって生成される電気信号がお互いの特性を打ち消し合わないようにし、これにより駒7の横振動をより正確に検出した電気信号を取得することができるようにしている。
【0009】
しかしながら、演奏操作によって駒7に生じる振動は上記のような横振動だけではなく、弦とボディ2Aとを結ぶ方向である縦方向の振動モードも存在しており、この縦振動モードでは脚部18a,18bおよびピックアップ20a,20bが図4中矢印で示すように同方向に振動することになる。このような駒7の縦振動は、上記のような分極方向を逆にしたピックアップ20a,20bでは正確に検出することができない。すなわち、ピックアップ20a,20bの分極方向を逆にすることで、両者によって取得される電気信号の特性がお互いの特性を打ち消し合うように作用してしまい、その結果、縦振動を正確に検出、つまり各々のピックアップ20a,20bで得られた電気信号の特性を正確に検出することができなくなってしまう。
【0010】
以上のように従来のピックアップを備えた電気弦楽器やアコースティックバイオリン等の擦弦楽器においては、演奏操作による駒7の挙動を正確に検出することができない場合もある。この結果、この検出結果に基づいてヘッドフォン等から放音される楽音が、演奏操作に対して鈍感になることもある。
【0011】
本発明は、上記の事情を考慮してなされたものであり、演奏操作による駒等の振動をより正確に検出することができる擦弦楽器、擦弦楽器において演奏操作による駒等の振動をより正確に検出することができる信号検出装置、擦弦楽器に対する演奏操作をより正確に反映させた音響信号を生成することができる音響信号生成装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明に係る擦弦楽器は、本体部と、前記本体部に脚部を介して立設された駒と、前記駒に支持されて前記本体部上に張り渡された弦と、前記弦の振動に応じた前記駒の縦振動成分を検出してその検出結果を検出信号として出力すべく、前記脚部と前記本体部の間に配置された縦振動検出用圧電センサと、前記弦の振動に応じた前記駒の横振動成分を検出してその検出結果を検出信号として出力すべく、前記脚部と前記本体部の間に配置された横振動検出用圧電センサと、前記縦振動検出用圧電センサによって出力される検出信号の周波数特性を調整する第1の周波数特性調整手段と、前記横振動検出用電圧センサによって出力される検出信号の周波数特性を調整する手段であって、前記第1の周波数特性調整手段とは異なる周波数特性の調整を行う第2の周波数特性調整手段とを備える。
【0013】
また、本発明に係る別の擦弦楽器は、本体部と、前記本体部に脚部を介して立設された駒と、前記駒に支持されて前記本体部上に張り渡された弦と、前記弦の振動に応じた前記駒の縦振動成分を検出してその検出結果を検出信号として出力すべく、前記脚部と前記本体部の間に配置された縦振動検出用圧電センサと、前記弦の振動に応じた前記駒の横振動成分をそれぞれ検出して各々の検出結果を検出信号として出力する一対のセンサであって、一方のセンサの分極方向を前記脚部から前記本体部へ向けると共に他方のセンサの分極方向を前記本体部から前記脚部へ向けるように前記脚部と前記本体部の間に配置された横振動検出用圧電センサと、前記縦振動検出用圧電センサによって出力される検出信号の周波数特性を調整する第1の周波数特性調整手段と、前記横振動検出用電圧センサによって出力される検出信号の周波数特性を調整する手段であって、前記第1の周波数特性調整手段とは異なる周波数特性の調整を行う第2の周波数特性調整手段とを備える。
【0014】
上記の擦弦楽器において、前記第1の周波数特性調整手段は、前記縦振動検出用圧電センサによって出力される検出信号の高周波成分を通過させるフィルタを有し、前記第2の周波数特性調整手段は、前記横振動検出用電圧センサによって出力される検出信号の低周波成分を通過させるフィルタを有してもよい。
また、前記縦振動検出用圧電センサは、2つの前記脚部の各々と前記本体部との間にそれぞれ配置される一対の振動検出用圧電センサを有してもよい。
【0015】
本発明に係る別の擦減楽器は、本体部と、前記本体部に脚部を介して立設された駒と、前記駒に支持されて前記本体部上に張り渡された弦と、前記弦の振動に応じた前記駒の振動成分をそれぞれ検出して各々の検出結果を検出信号として出力する一対のセンサであって、一方のセンサの分極方向を前記脚部から前記本体部へ向けると共に他方のセンサの分極方向を前記本体部から前記脚部へ向けるように前記脚部と前記本体部の間に配置された振動検出用圧電センサと、前記振動検出用センサを成す一対のセンサのうち一方から出力される検出信号の高周波成分を通過させる第1の周波数特性調整手段と、前記振動検出用センサを成す一対のセンサの各々からそれぞれ出力される検出信号の低周波成分を通過させる第2の周波数特性調整手段とを備える。
【0016】
本発明に係る別の擦弦楽器は、本体部と、前記本体部に脚部を介して立設され、前記脚部と接する面の反対側の面に溝が形成された駒と、前記駒の溝に支持されて前記本体部上に張り渡された弦と、前記弦の振動に応じた前記駒の振動成分を検出してその検出結果を検出信号として出力すべく、前記駒の溝に埋め込まれた第1の振動検出用圧電センサと、 前記弦の振動に応じた前記駒の振動成分をそれぞれ検出して各々の検出結果を検出信号として出力する一対のセンサであって、それらの両センサの分極方向が共に前記脚部と前記本体部のうち一方から他方へ向くように前記脚部と前記本体部の間に配置された第2の振動検出用圧電センサと、前記第1の振動検出用圧電センサによって出力される検出信号の低周波成分を通過させる第 1 の周波数特性調整手段と、前記第2の振動検出用圧電センサによって出力される検出信号の高周波成分を通過させる第2の周波数特性調整手段とを備える。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
A.第1実施形態
第1実施形態に係る電気バイオリンの全体構成は図1に示した電気バイオリンと同様であり、本実施形態に係る電気バイオリンは駒7の振動を検出する振動検出ユニット(信号検出装置)および検出した振動に応じて楽音をヘッドフォン等から放音させる音響信号生成ユニットを有しており、その振動検出ユニットに特徴を有している。したがって、バイオリンの一般的な構成の説明は省略することとし、図5を参照しながら、駒7近傍の振動検出構成について説明する。
【0018】
同図に示すように、駒7の脚部18a,18bとボディ2Aとの間には、擦弦操作によって生じる駒7の縦振動(図中上下方向の振動)と横振動(図中左右方向)といった2つの異なるモードの振動を個別に検出することができる振動検出ユニット50が配置されている。
【0019】
振動検出ユニット50は、主として縦振動を検出する横振動検出用圧電センサ51a,51bと、絶縁層52と、縦振動検出用圧電センサ53a,53bとを有しており、これらの各構成要素が駒7とボディ2Aとの間に図の上下方向に積層された構造となっている。
【0020】
横振動検出用圧電センサ51a,51bは、各々脚部18a,18bの下面のほぼ全面に面接触させられる薄板状の圧電素子等から構成されており、各々脚部18a,18bの機械的振動を電気エネルギーに変換して振動に応じた電気信号を出力する。ここで、横振動検出用圧電センサ51a,51bは、その分極方向が逆方向(図中矢印で示す方向)となるように配置されている。そして、横振動検出用圧電センサ51a,51bの各々の絶縁層52に接する面(図中下)側、つまり同一面側に設けられた電極に出力線55が接続され、横振動検出用圧電センサ51a,51bの他方の面(図の上側)の面に接地線56が接続されている。このように横振動検出用圧電センサ51a,51bの分極方向が逆方向となるよう配置するとともに同一側の面に出力線55を結線することによって、駒7に生じる振動の横振動成分をより正確に検出することができる。すなわち、駒7の横振動成分、つまりある一時点における脚部18a,18bの振動方向は逆方向(一方が下から上の場合、他方は上から下となる)となる振動成分を検出した際に横振動検出用圧電センサ51a,51bから出力線55に供給される信号が、お互いの特性を打ち消し合うことがないので、横振動成分をより正確に検出することができるのである。
【0021】
縦振動検出用圧電センサ53a,53bは、各々脚部18a,18bの下方側に対応する部位に、絶縁層52の下面のほぼ全面に面接触させられる薄板状の圧電素子等から構成されており、各々横振動検出用圧電センサ51a,51bおよび絶縁層52を介して伝達される脚部18a,18bの機械的振動を電気エネルギーに変換して振動に応じた電気信号を出力する。ここで、縦振動検出用圧電センサ53a,53bは、その分極方向が同一方向(図中矢印で示す方向)となるように配置されている。そして、縦振動検出用圧電センサ53a,53bの各々の絶縁層52に接する面(図中下)側、つまり同一面側に設けられた電極に出力線57が接続され、縦振動検出用圧電センサ53a,53bの他方の面(図の上側)の面に接地線58が接続されている。このように縦振動検出用圧電センサ53a,53bの分極方向が同一方向となるように配置するとともに同一側の面に出力線55を結線することにより、駒7に生じる振動の縦振動成分をより正確に検出することができる。すなわち、駒7の縦振動成分、つまりある一時点における脚部18a,18bの振動方向は同一方向(一方が上から下に変位しているときは、他方も上から下に変位する)となる振動成分を検出した際に、横振動検出用圧電センサ51a,51bから出力線55に供給される信号がお互いの特性を打ち消し合うことがないので、縦振動成分をより正確に検出することができるのである。
【0022】
以上のような構成の振動検出ユニット50が脚部18a,18bとボディ2Aとの間に設けられており、擦弦操作に応じた駒7の縦振動および横振動を各々個別に検出することができ、各々の振動に応じた電気信号を個別に出力することができる。
【0023】
次に、上記構成の振動検出ユニット50が各々個別に検出した駒7の縦振動に対応する電気信号および横振動に対応する電気信号に基づいて音響信号を生成し、ヘッドフォン等の放音装置から放音するための音響信号生成ユニットの構成について図6を参照しながら説明する。
【0024】
同図に示すように、音響信号生成ユニット60は、プリアンプ61a,61bと、周波数特性調整フィルタ62a,62bと、アンプ63a,63bと、加算回路64とを備えている。
【0025】
プリアンプ61a,61bの各々には、上記構成の振動検出ユニット50によって検出された横振動に対応する信号Y、および縦振動に対応する信号Tが供給されるようになっている。プリアンプ61a,61bの各々に供給された信号Y,Tは、それぞれ周波数特性調整フィルタ62a,62bに供給される。
【0026】
周波数特性調整フィルタ62a,62bは、各々異なる特性を有するフィルタであり、そのフィルタ特性の一例を図7に示す。図7上段に示すように、横振動に対応する信号Yが供給される周波数特性調整フィルタ62aは、低周波成分を通過させ、高周波成分をカットする特性となっているのに対し、図7下段に示すように、縦振動に対応する信号Tが供給される周波数特性調整フィルタ62bは、高周波成分を通過させ、低周波成分をカットする特性となっている。すなわち、周波数特性調整フィルタ62aを通過させられた信号Yに対して、その高周波成分がカットされるといった周波数特性調整が施され、周波数特性調整フィルタ62bを通過させられた信号Tに対して、その低周波成分がカットされるといった周波数特性調整が施され、周波数特性調整後の信号が各々アンプ63a,63bに出力されるのである。
【0027】
アンプ63a,63bは、周波数特性調整フィルタ62a,62bから供給される周波数特性調整後の信号Y,Tを、予め各々個別に設定された増幅率で増幅し、増幅後の信号Y,Tを加算回路64に出力する。加算回路64では、アンプ63a,63bから供給される信号Y,Tが加算され、音響信号としてヘッドフォンやスピーカ等から構成される放音装置68に出力される。なお、図示はしないが、加算回路64から出力される信号をディジタル信号に変換し、残響付与等のディジタル信号処理を施してから放音装置68に出力するようにしてもよい。
【0028】
音響信号生成ユニット60は上記の構成を有しており、振動検出ユニット50によって独立して検出される駒7の横振動に対応する信号Yおよび縦振動に対応する信号Tに対し、各々異なる周波数特性調整を施すといった信号処理を施して音響信号を生成するようになっている。
【0029】
以上のように振動検出ユニット50が擦弦操作時における駒7の横振動および縦振動を独立に検出し、検出した各々の振動に対応する信号に対して異なる信号処理を施すことによって、上記擦弦操作をより正確に反映した音響信号を生成することができ、以下、この理由について説明する。
【0030】
図8は、バイオリンの「E弦」を弓によって擦弦操作した時に得られる横振動成分の周波数スペクトル(図の上段)と、縦振動成分の周波数スペクトル(図の下段)との一例を示す。同図上段に示すように、横振動成分は2500Hz以下の低周波領域で大きな信号強度が得られる以外、高周波領域の成分がほとんど存在していない。すなわち、横振動成分には発音される音の基音成分(および低次の倍音成分)が主として含まれており、微妙な音色表現等に影響を与える高次の倍音成分が含まれていない。一方、同図下段に示すように、縦振動成分には2500Hzを越える高周波領域においてもある程度の信号強度が得られており、高次倍音成分が含まれているが、基音成分をなす低周波成分は上記横振動成分よりも少ない。なお、図上段および下段における信号強度の単位は同一の所定の単位であり、この図から横振動成分と縦振動成分とで得られる信号強度のレベルが異なっていることが分かる。
【0031】
したがって、基音成分が主として含まれる横振動成分のみを検出し、該検出結果を基にして音響信号を生成した場合、生成される音響信号に対応する音には擦弦操作に応じた音高の音が比較的明瞭に表現されることになるが、微妙な擦弦操作に応じて変動する高次倍音成分等に起因する微妙な音色等が表現されないことになる。一方、高次倍音成分が含まれる縦振動成分のみを検出し、該検出結果を基にして音響信号を生成した場合、生成される音響信号に対応する音には微妙な擦弦操作に応じた音色等は表現されるものの、含まれる基音成分が少ないため、ピッチが不明瞭となり、線の細い、やせた印象を与えてしまうものとなる。
【0032】
本出願人は、駒7の横振動および縦振動の各成分が発音される音に以上のような影響を与えることに注目し、横振動成分および縦振動成分を独立して検出し、各々検出した横振動成分および縦振動成分を活用することによって、演奏者による擦弦操作をより正確に反映した楽音を発生させることができると考えた。そこで、上述したように横振動検出用圧電センサ51a,51bおよび縦振動検出用圧電センサ53a,53bを備える振動検出ユニット50を設け、擦弦操作の際の横振動成分および縦振動成分を独立して検出することができるようにし、両成分を音響信号に反映させることによって、演奏者による擦弦操作をより正確に反映した楽音を発生させることができるようにしたのである。
【0033】
また、上述したように独立して検出した横振動成分に対応する信号Yと、縦振動成分に対応する信号Tとは各々異なる特性を有する周波数特性調整フィルタ62a,62bに供給され、各々異なる信号処理が施されることになる。上述したように横振動成分に対応する信号Yには、基音成分や低次倍音成分が主として含まれており、この低周波成分を有効利用することで基音成分や低次倍音成分を楽音に反映させることができる。したがって、この横振動成分に対応する信号Yは、上記のように低周波成分を通過させる特性(図7上段参照)を有する周波数特性調整フィルタ62aを用いるようにしているのである。一方、縦振動成分に対応する信号Tには、高次倍音成分が含まれており、この高周波成分を有効利用することで微妙な音色等を楽音に反映させることができる。したがって、この縦振動成分に対応する信号Tは、上記のように高周波成分を通過させる特性(図7下段参照)を有する周波数特性調整フィルタ62bを用いるようにしているのである。以上のように各々独立して検出した横振動成分に対応する信号Y、および縦振動成分に対応する信号Tの有効利用できる帯域の成分を主として抽出し、抽出した成分を用いて音響信号を生成することで、擦弦操作をより正確に反映した楽音を発生させることができるのである。
【0034】
なお、上述した第1実施形態においては、駒7とボディ2Aとの間に積層配置された横振動検出用圧電センサ51a,51b、絶縁層52および縦振動検出用圧電センサ53a,53bを有する振動検出ユニット50を用いて、横振動成分と縦振動成分を独立して検出するようにしていたが、他の手法によって両者を独立して検出するようにしてもよく、その検出構成の一例を図9および図10に示す。
【0035】
図9に示すように、この変形例においては、脚部18a,18bとボディ2Aとの間に振動検出ユニット90が配置されている。振動検出ユニット90は、脚部18a,18bの下面に各々面接触させられる薄板状の圧電センサ91a,91bを有しており、各々脚部18a,18bの機械的振動を電気エネルギーに変換して振動に応じた電気信号を出力する。ここで、圧電センサ91a,91bは、その分極方向が逆方向(図中矢印で示す方向)となるように配置されている。そして、圧電センサ91a,91bのボディ2A側(図中下)側の面、つまり同一面側に設けられた電極に出力線95a,95bが接続され、他方の面(図の上側)の面に接地線96が接続されている。振動検出ユニット90においては、このように圧電センサ91a,91bの分極方向が逆方向となるよう配置するとともに同一側の面に出力線95a,95bを結線している。
【0036】
このように圧電センサ91a,91bの分極方向が逆方向となるよう配置するとともに同一側の面に出力線95a,95bを結線することによって、駒7に生じる振動の横振動成分をより正確に検出することができる。すなわち、横振動成分、つまりある一時点における脚部18a,18bの振動方向は逆方向(一方が下から上の場合、他方は上から下となる)となる振動成分を各々検出した際に圧電センサ91a,91bから出力線95a,95bに供給される信号が、お互いの特性を打ち消し合うことがないので、これらの2つの信号y2,y1を用いることで横振動成分をより正確に検出することができるのである。一方、圧電センサ91bから出力される信号tを単独で用いることで、駒7に生じる縦振動成分を検出することができる。
【0037】
以上のような構成の振動検出ユニット90によって検出される信号t、y1,y2は出力線95a,95bから図10に示す音響信号生成ユニット110に供給される。同図に示すように、この音響信号生成ユニット110は、プリアンプ111a,111b,111cと、ボリューム112と、周波数特性調整フィルタ113a,113b,113cと、ボリューム114と、加算回路115とを備えている。
【0038】
プリアンプ111a,111bには圧電センサ91bから出力線95bを介して駒7の振動に応じた信号t,y1が供給され、プリアンプ111cには圧電センサ91aから出力線95aを介して駒7の振動に応じた信号y2が供給されるようになっている。なお、信号t,y1は圧電センサ91bによって検出された同一の信号である。プリアンプ111aに供給された信号tは周波数特性調整フィルタ113aに供給され、プリアンプ111b,111cに供給された信号y1.y2は、ボリューム112によって所定の増幅率に調整された後、それぞれ周波数特性調整フィルタ113b,113cに供給される。
【0039】
周波数特性調整フィルタ113a,113b,113cは、各々異なる特性を有するフィルタであり、そのフィルタ特性の一例を図11に示す。図11上段に示すように、縦振動に対応する信号tが供給される周波数特性調整フィルタ113aは、高周波分を通過させ、低周波成分をカットする特性となっているのに対し、図11下段に示すように、横振動に対応する信号y1,y2が供給される周波数特性調整フィルタ113b、113cは、低周波成分を通過させ、高周波成分をカットする特性となっている。すなわち、周波数特性調整フィルタ113aを通過させられた信号tに対して、その低周波成分がカットされるといった信号処理が施され、周波数特性調整フィルタ113b,113cを通過させられた信号y1,y2に対して、その高周波成分がカットされるといった信号処理が施されるのである。
【0040】
なお、この例においては、周波数特性調整フィルタ113bが周波数特性調整フィルタ113cよりも若干高周波成分を通過させる特性となっている。このような特性としたのは以下の理由による。すなわち、周波数特性調整フィルタ113bに供給される信号y1が高音側の弦が支持される側の脚部18bの下面に取り付けられている圧電センサ91bであり、当該圧電センサ91bの検出信号には高周波成分が圧電センサ91bの検出信号よりも多く含まれているので、この高周波成分を音響信号に反映させるためである。このように周波数特性調整フィルタに各々独立の特性を持たせることによって、楽器の音色を様々に設定することが可能となる。
【0041】
以上のような周波数特性調整を信号t,y1,y2に対して実施することにより、周波数上述した実施形態と同様、基音成分や低次倍音成分(低周波領域)が主として含まれる横振動成分についてはその低周波領域を通過させて音響信号の成分として利用し、高次倍音成分(高周波領域)が含まれる縦振動成分についてはその高周波領域を通過させて音響信号の成分として利用するようにしている。
【0042】
ボリューム114は、周波数特性調整フィルタ113aから供給された周波数特性調整後の信号tを所定の振幅率に調整する。これは横振動成分については圧電センサ91a,91bの両者から得られた信号を用いるのに対し、縦振動成分については圧電センサ91bのみから得られた信号を用いており、両者間の振幅調整を行うためである。
【0043】
加算回路115には、周波数特性調整フィルタ113aから信号tが、周波数特性調整フィルタ113b,113cから信号y1,y2が供給され、加算回路115はこれらの各信号を加算して音響信号としてヘッドフォンやスピーカ等から構成される放音装置68に出力する。
【0044】
上記実施形態における振動検出ユニット50に限らず、以上のような構成により駒7に生じる振動の縦振動成分と横振動成分を独立して検出することができ、各々検出した横振動成分および縦振動成分を利用する比率等を適宜調整することにより、擦弦操作をより正確に反映させた音響信号を生成することができる。
【0045】
B.第2実施形態
次に、本発明の第2実施形態に係る音響信号生成装置を備えた電気バイオリンについて図12を参照しながら説明する。なお、第2実施形態において、上述した第1実施形態と共通する構成要素には、同一の符号を付けて、その説明を省略する。
【0046】
図12に示すように、この音響信号生成装置は、電気バイオリンの駒7に取り付けられる振動検出センサユニット121および振動検出センサユニット122といった複数の振動検出センサユニットを有している。振動検出センサユニット121は、駒7における4本の弦4が支持される溝部分に埋め込まれた圧電素子121a,121b,121c,121dを有しており、擦弦操作による弦4の振動に起因して振動する駒7の上部の振動を検出し、該検出信号を音響信号生成ユニット125に出力する。ここで、上記のような位置に取り付けられた振動検出センサユニット121によって検出される検出信号には、基音成分および低次倍音成分が多く含まれている。
【0047】
振動検出センサユニット122は、駒7の脚部18a,18bと図示せぬ響胴との間に取り付けられる薄板状の圧電素子122a,122bを有している。圧電素子122a,122bは、その分極方向が同一方向(図中矢印で示す方向)となるように配置されている。そして、圧電素子122a,122bの同一面側に設けられた電極に出力線が接続されている。上述したように圧電素子122a,122bの分極方向が同一方向となるように配置するとともに同一側の面に出力線を結線することにより、駒7に生じる振動の縦振動成分をより正確に検出することができる。したがって、振動検出センサユニット122は駒7に生じる振動の縦振動成分(高次倍音成分を含む成分)を主として検出し、該検出信号を音響信号生成ユニット125に出力しているのである。
【0048】
音響信号生成ユニット125は、プリアンプ126a,126bと、周波数特性フィルタ127a,127bと、アンプ128a,128bと、加算回路129とを備えている。
【0049】
プリアンプ126a,126bの各々には、上記構成の振動検出センサユニット121および振動検出センサユニット122によって検出された振動に対応する信号が供給されるようになっている。プリアンプ126a,126bの各々に供給された信号は、それぞれ周波数特性フィルタ(信号処理手段)127a,127bに供給される。
【0050】
周波数特性フィルタ127a,127bは、各々異なる特性を有するフィルタである。周波数特性フィルタ127aが低周波領域を通過させて高周波領域をカットする特性のフィルタであり(例えば、図7上段参照)、周波数特性フィルタ127bが高周波領域を通過させて低周波領域をカットする特性である(例えば、図7下段参照)。すなわち、周波数特性フィルタ127aを通過させられた信号に対して、その高周波成分がカットされるといった信号処理が施され、周波数特性フィルタ127bを通過させられた信号に対して、その低周波成分がカットされるといった信号処理が施され、信号処理後の信号が各々アンプ128a,128bに出力されるのである。
【0051】
アンプ128a,128bは、周波数特性フィルタ127a,127bから供給される信号を、各々個別に設定された増幅率で増幅し、増幅後の信号を加算回路129に出力する。加算回路129では、アンプ128a,128bの各々から供給される信号が加算され、音響信号としてヘッドフォンやスピーカ等から構成される放音装置68に出力される。
【0052】
以上のように各々異なる部位に取り付けられた振動検出センサユニット121および振動検出センサユニット122の検出信号に対し、各々検出信号に含まれる成分に応じた信号処理を施すことにより、上述した第1実施形態と同様、演奏者による擦弦操作をより正確に反映させた音響信号を生成することができる。
【0053】
なお、上述した第2実施形態では、駒7の弦4を支持する部分近傍に取り付けられた振動検出センサユニット121と、脚部18a,18b下面に取り付けられた振動検出センサユニット122とを用い、各々のセンサユニットの検出信号に対して異なる信号処理を施すことにより音響信号を生成したが、センサユニットの取り付け位置やセンサユニットの構成は上記第2実施形態で説明したものに限定されるものではない。
【0054】
例えば、図13に示すように、電気バイオリンのテールピース6に小型のマイクロホンユニット(振動検出センサ)130を取り付けるとともに、バイオリンのボディ2Aの一部(図示の例では、裏面側の一部)に小型のマイクロホンユニット(振動検出センサ)131を取り付けるようにしてもよい。そして、各々のマイクロホンユニット130およびマイクロホンユニット131は、擦弦操作によって生じる弦の振動に起因する振動(音圧変化)を検出し、該検出結果を上記構成の音響信号生成ユニット125(図12参照)に出力するようにしてもよい。この場合、テールピース6に取り付けられたマイクロホンユニット130は高次倍音成分を多く含んだ検出信号を出力することができるので、この検出信号は高周波領域を通過させて低周波領域をカットする特性のフィルタ(周波数特性フィルタ127b)を通過させるようにすればよい。一方、マイクロホンユニット131は基音成分や低次倍音成分を多く含んだ検出信号を出力することができるので、この検出信号は低周波領域を通過させて高周波領域をカットする特性のフィルタ(周波数特性フィルタ127a)を通過させるようにすればよい。
【0055】
C.変形例
なお、本発明は、上述した第1実施形態および第2実施形態に限定されるものではなく、以下に例示するような変形が可能である。
【0056】
(変形例1)
上述した各実施形態においては、本発明を電気バイオリンに適用した場合について説明したが、弦と、弦を支持する部材(駒)とを有し、該弦を弓等によって擦ることにより演奏を行う擦弦楽器に適用することが可能であり、例えばチェロ、ビオラ、コントラバス等に適用することができる。
【0057】
(変形例2)
また、上述した各実施形態においては、本発明を電気バイオリンに適用した場合について説明したが、アコースティックな発音機能を有する擦弦楽器に適用することができる。例えば、図14に示すようなアコースティックバイオリンにも本発明を適用することができる。
【0058】
同図に示すように、このバイオリンは、通常のバイオリンと同様に共鳴体である響胴(本体部)11と、響胴11から延出するネック12とを有しており、ネック12に設けられた糸巻13と響胴11に設けられた緒止板14とで4本の弦15を張力を与えた状態で支持している。響胴11およびネック12の上面(紙面手前側)には、指盤16が弦15とほぼ平行に配置されている。響胴11には駒18が立設されており、弦15との間で挟持されている。これにより弦15の振動が駒18を介して響胴11に伝達されるようになっている。これらの各構成要素は、通常のアコースティックバイオリンと同様の機能を有している。このような構成のバイオリンの駒18に、上記各実施形態と同様の振動検出ユニットを取り付けるようにすればよい。
【0059】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、擦弦楽器において、演奏操作による駒等の振動をより正確に検出することができ、演奏操作をより正確に反映させた音響信号を生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 電気バイオリンの外観構成を示す正面図である。
【図2】 前記電気バイオリンの駒近傍の構成を示す図である。
【図3】 前記駒の振動を検出するためのセンサの構成を示す図である。
【図4】 前記駒の振動を検出するためのセンサの構成を示す図である。
【図5】 本発明の第1実施形態に係る電気バイオリンの駒の振動を検出するための振動検出ユニットの構成を示す図である。
【図6】 前記振動検出ユニットによって検出された検出信号に基づいて音響信号を生成する音響信号生成ユニットの構成を示す図である。
【図7】 前記音響信号生成ユニットの構成要素である周波数特性調整フィルタのフィルタ特性を説明するための図である。
【図8】 擦弦操作した時に、前記電気バイオリンの駒に生じる振動の横振動成分と縦振動成分の周波数スペクトルを示す図である。
【図9】 前記第1実施形態に係る電気バイオリンの変形例における振動検出センサユニットの構成を示す図である。
【図10】 前記第1実施形態に係る電気バイオリンの変形例における振動検出センサユニットによって検出された検出信号に基づいて音響信号を生成する音響信号生成ユニットの構成を示す図である。
【図11】 前記変形例における前記音響信号生成ユニットの構成要素である周波数特性フィルタのフィルタ特性を説明するための図である。
【図12】 本発明の第2実施形態に係る電気バイオリンの振動検出ユニットおよび音響信号生成ユニットの構成を示す図である。
【図13】 前記第2実施形態に係る電気バイオリンの変形例を示す側面図である。
【図14】 前記各実施形態に係るバイオリンの変形例の外観を示す図である。
【符号の説明】
1A……電気バイオリン、2A……ボディ、3……ネック、4……弦、5……胴部、7……駒、11……響胴、12……ネック、13……糸巻、14……緒止板、15……弦、16……指盤、18……駒、18a,18b……脚部、50……振動検出ユニット、51a,51b……横振動検出用圧電センサ、52……絶縁層、53a,53b……縦振動検出用圧電センサ、60……音響信号生成ユニット、62a,62b……周波数特性調整フィルタ、63a,63b……アンプ、64……加算回路、68……放音装置、90……振動検出ユニット、91a,91b……圧電センサ、110……音響信号生成ユニット、113a,113b,113c……周波数特性調整フィルタ、114……アンプ、115……加算回路、121……振動検出センサユニット、122……振動検出センサユニット、125……音響信号生成ユニット、127a,127b……周波数特性フィルタ、129……加算回路、130……マイクロホンユニット、131……マイクロホンユニット

Claims (6)

  1. 本体部と、
    前記本体部に脚部を介して立設された駒と、
    前記駒に支持されて前記本体部上に張り渡された弦と、
    前記弦の振動に応じた前記駒の縦振動成分を検出してその検出結果を検出信号として出力すべく、前記脚部と前記本体部の間に配置された縦振動検出用圧電センサと、
    前記弦の振動に応じた前記駒の横振動成分を検出してその検出結果を検出信号として出力すべく、前記脚部と前記本体部の間に配置された横振動検出用圧電センサと、
    前記縦振動検出用圧電センサによって出力される検出信号の周波数特性を調整する第1の周波数特性調整手段と、
    前記横振動検出用電圧センサによって出力される検出信号の周波数特性を調整する手段であって、前記第1の周波数特性調整手段とは異なる周波数特性の調整を行う第2の周波数特性調整手段と
    を備えた擦弦楽器。
  2. 本体部と、
    前記本体部に脚部を介して立設された駒と、
    前記駒に支持されて前記本体部上に張り渡された弦と、
    前記弦の振動に応じた前記駒の縦振動成分を検出してその検出結果を検出信号として出力すべく、前記脚部と前記本体部の間に配置された縦振動検出用圧電センサと、
    前記弦の振動に応じた前記駒の横振動成分をそれぞれ検出して各々の検出結果を検出信号として出力する一対のセンサであって、一方のセンサの分極方向を前記脚部から前記本体部へ向けると共に他方のセンサの分極方向を前記本体部から前記脚部へ向けるように前記脚部と前記本体部の間に配置された横振動検出用圧電センサと、
    前記縦振動検出用圧電センサによって出力される検出信号の周波数特性を調整する第1の周波数特性調整手段と、
    前記横振動検出用電圧センサによって出力される検出信号の周波数特性を調整する手段であって、前記第1の周波数特性調整手段とは異なる周波数特性の調整を行う第2の周波数特性調整手段と
    を備えた擦弦楽器。
  3. 請求項1又は2に記載の擦弦楽器において、
    前記第1の周波数特性調整手段は、
    前記縦振動検出用圧電センサによって出力される検出信号の高周波成分を通過させるフィルタを有し、
    前記第2の周波数特性調整手段は、
    前記横振動検出用電圧センサによって出力される検出信号の低周波成分を通過させるフィルタを有する
    擦弦楽器。
  4. 請求項1に記載の擦弦楽器において、
    前記縦振動検出用圧電センサは、
    2つの前記脚部の各々と前記本体部との間にそれぞれ配置される一対の振動検出用圧電センサを有する
    擦弦楽器。
  5. 本体部と、
    前記本体部に脚部を介して立設された駒と、
    前記駒に支持されて前記本体部上に張り渡された弦と、
    前記弦の振動に応じた前記駒の振動成分をそれぞれ検出して各々の検出結果を検出信号として出力する一対のセンサであって、一方のセンサの分極方向を前記脚部から前記本体部へ向けると共に他方のセンサの分極方向を前記本体部から前記脚部へ向けるように前記脚部と前記本体部の間に配置された振動検出用圧電センサと、
    前記振動検出用センサを成す一対のセンサのうち一方から出力される検出信号の高周波 成分を通過させる第1の周波数特性調整手段と、
    前記振動検出用センサを成す一対のセンサの各々からそれぞれ出力される検出信号の低周波成分を通過させる第2の周波数特性調整手段と
    を備えた擦弦楽器。
  6. 本体部と、
    前記本体部に脚部を介して立設され、前記脚部と接する面の反対側の面に溝が形成された駒と、
    前記駒の溝に支持されて前記本体部上に張り渡された弦と、
    前記弦の振動に応じた前記駒の振動成分を検出してその検出結果を検出信号として出力すべく、前記駒の溝に埋め込まれた第1の振動検出用圧電センサと、
    前記弦の振動に応じた前記駒の振動成分をそれぞれ検出して各々の検出結果を検出信号として出力する一対のセンサであって、それらの両センサの分極方向が共に前記脚部と前記本体部のうち一方から他方へ向くように前記脚部と前記本体部の間に配置された第2の振動検出用圧電センサと、
    前記第1の振動検出用圧電センサによって出力される検出信号の低周波成分を通過させる第 1 の周波数特性調整手段と、
    前記第2の振動検出用圧電センサによって出力される検出信号の高周波成分を通過させる第2の周波数特性調整手段と
    を備えた擦弦楽器。
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