JP2003150165A - 擦弦楽器、信号検出装置および音響信号生成装置 - Google Patents

擦弦楽器、信号検出装置および音響信号生成装置

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JP2003150165A
JP2003150165A JP2001352215A JP2001352215A JP2003150165A JP 2003150165 A JP2003150165 A JP 2003150165A JP 2001352215 A JP2001352215 A JP 2001352215A JP 2001352215 A JP2001352215 A JP 2001352215A JP 2003150165 A JP2003150165 A JP 2003150165A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 擦弦楽器において、演奏操作による駒等の振
動をより正確に検出する。 【解決手段】 駒7の脚部18a,18bの下面とボデ
ィ2Aとの間には、横振動検出用圧電センサ51a,5
1bと、絶縁層52と、縦振動検出用圧電センサ53
a,53bとが積層配置されている。横振動検出用圧電
センサ51a,51bおよび縦振動検出用圧電センサ5
3a,53bは図示のような分極方向となるよう配置さ
れており、これにより出力線55から出力される検出信
号は駒7に生じる振動の横振動成分が主として含まれ、
出力線57から出力される検出信号は駒7に生じる振動
の縦振動成分が主として含まれる。このような構成の振
動検出ユニット50によって横振動成分と縦振動成分を
独立して検出することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、擦弦操作に応じた
振動を検出する機能を備えた擦弦楽器、擦弦操作に応じ
た振動を検出する信号検出装置、および検出した振動に
応じた音響信号を生成する音響信号生成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、バイオリン等の自然弦楽器を
模倣した電気弦楽器が用いられている。この電気弦楽器
は、弦の振動をピックアップで検出し、その検出信号を
増幅して出力するというものである。このような電気弦
楽器では、検出信号をヘッドフォン等に出力する、いわ
ゆる消音演奏が可能であり、大きな楽音等を発生させる
ことができない環境下で行う練習に用いる楽器として非
常に便利である。
【0003】また、自然弦楽器にあるべき共鳴体等、ア
コースティックの構成を有するアコースティック弦楽器
における駒にピックアップを装着し、このような自然楽
器においても楽音を電気的増幅手段を使用して出力させ
るようにした楽器も用いられている。
【0004】上記のようなピックアップを備えた電気バ
イオリンの外観構成例を図1に示す。同図に示すよう
に、この電気バイオリン1Aは、弦4を支持する台座で
あるボディ(本体部)2A、ネック3および胴部5を備
えた構成である。弦4は、ボディ2Aの底部に固定され
たテールピース6から駒7を経てネック3の先端にわた
り4本張られている。ネック3には、弦4の端部が巻回
されて弦4に張力を与えるペッグスクリュー3aが装着
されている。
【0005】なお、この明細書においては、電気バイオ
リンであっても、上記のように本体部に設けられる弦4
を支持する部材、すなわちアコースティックバイオリン
における駒に相当する部材を駒と称することとする。
【0006】この電気バイオリン1Aでは、通常の自然
楽器バイオリンのように、胴部の音響放射機能は必要な
いので、胴部5は演奏者が身体(顎)で支持する側とは
反対側にデザイン的に形成され、その胴部5の反対側に
おけるボディ2Aの底部に、実際に顎に挟んで支持する
部分として顎当てパッド8が取り付けられている。
【0007】上記のように擦弦操作による振動を検出す
るピックアップは駒7とボディ2Aとの間に設けられて
おり、その近傍の構成を図2に示す。同図に示すよう
に、駒7の2つの脚部18a,18bと、ボディ2Aの
表面部との間には、各々ピックアップ20a,20bが
配置されている。そして、演奏操作によって振動する弦
15から駒7に伝達される振動による機械エネルギー
が、これらの圧電素子等から構成されるピックアップ2
0a,20bによって電気エネルギーに変換され、脚部
18a,18bの振動に応じた電気信号を取得すること
ができるようになっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来のピッ
クアップ20a,20bを設けた電気バイオリンでは、
演奏操作によって駒7が主として弦の配列方向の振動
(以下、横振動という)した場合に、その横振動を検出
するように構成されている。具体的には、駒7が横振動
した際のある一時点においては、脚部18a,18bお
よびピックアップ20a,20bが図3中矢印で示すよ
うに逆方向(図示の例では脚部18aおよびピックアッ
プ20aは上向き、脚部18bおよびピックアップ20
bは下向き)に振動しており、このように振動をした際
にピックアップ20a,20bの分極方向を同一とした
場合には、各々のピックアップ20a,20bにおいて
逆の特性を有する電気信号が得られるとになる。したが
って、これらのピックアップ20a,20bから得られ
る電気信号を足し合わせると、お互いの特性を打ち消し
あった電気信号が出力され、正確な振動検出を行うこと
ができない。したがって、図3に示すように、ピックア
ップ20a,20bの分極方向を逆方向とすることによ
り、両者によって生成される電気信号がお互いの特性を
打ち消し合わないようにし、これにより駒7の横振動を
より正確に検出した電気信号を取得することができるよ
うにしている。
【0009】しかしながら、演奏操作によって駒7に生
じる振動は上記のような横振動だけではなく、弦とボデ
ィ2Aとを結ぶ方向である縦方向の振動モードも存在し
ており、この縦振動モードでは脚部18a,18bおよ
びピックアップ20a,20bが図4中矢印で示すよう
に同方向に振動することになる。このような駒7の縦振
動は、上記のような分極方向を逆にしたピックアップ2
0a,20bでは正確に検出することができない。すな
わち、ピックアップ20a,20bの分極方向を逆にす
ることで、両者によって取得される電気信号の特性がお
互いの特性を打ち消し合うように作用してしまい、その
結果、縦振動を正確に検出、つまり各々のピックアップ
20a,20bで得られた電気信号の特性を正確に検出
することができなくなってしまう。
【0010】以上のように従来のピックアップを備えた
電気弦楽器やアコースティックバイオリン等の擦弦楽器
においては、演奏操作による駒7の挙動を正確に検出す
ることができない場合もある。この結果、この検出結果
に基づいてヘッドフォン等から放音される楽音が、演奏
操作に対して鈍感になることもある。
【0011】本発明は、上記の事情を考慮してなされた
ものであり、演奏操作による駒等の振動をより正確に検
出することができる擦弦楽器、擦弦楽器において演奏操
作による駒等の振動をより正確に検出することができる
信号検出装置、擦弦楽器に対する演奏操作をより正確に
反映させた音響信号を生成することができる音響信号生
成装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明に係る擦弦楽器は、弦と、該弦を支持する駒
と、該駒が立設される本体部とを備えた擦弦楽器であっ
て、擦弦操作による前記弦の振動に応じた前記駒の縦振
動成分を検出し、検出信号を出力する縦振動検出手段
と、前記擦弦操作による前記弦の振動に応じた前記駒の
横振動成分を検出し、検出信号を出力する横振動検出手
段とを具備することを特徴としている。
【0013】この構成によれば、擦弦操作によって駒に
生じる振動の横振動成分と縦振動成分とを独立して検出
することができる。これにより、各々検出した横振動成
分を主として含む検出信号および縦振動成分を主として
含む検出信号に対して個別の信号処理等を施して音響信
号を生成することもできる。すなわち、駒の振動の横振
動成分には、基音成分や低次倍音成分が含まれており、
縦振動成分には高次倍音成分が含まれている。これらの
各々の振動成分に含まれる要素を有効に活用することに
より、擦弦操作をより正確に反映した音響信号を生成す
ることができるのである。
【0014】また、本発明に係る信号検出装置は、弦
と、該弦を支持する駒と、該駒が立設される本体部とを
備えた擦弦楽器に設けられ、擦弦操作による前記弦の振
動に応じた検出信号を出力する信号検出装置であって、
前記擦弦操作による前記弦の振動に応じた前記駒の縦振
動成分を検出し、検出信号を出力する縦振動検出手段
と、前記擦弦操作による前記弦の振動に応じた前記駒の
横振動成分を検出し、検出信号を出力する横振動検出手
段とを具備することを特徴としている。
【0015】また、本発明の別態様の擦弦楽器は、弦
と、該弦を支持する駒と、該駒が立設される本体部とを
備えた擦弦楽器であって、擦弦操作による前記弦の振動
に起因する振動を検出する複数の振動検出手段と、前記
振動検出手段に対応して設けられ、対応する前記振動検
出手段によって検出された検出信号に対し所定の信号処
理を施す手段であって、各々異なる信号処理を施す信号
処理手段とを具備することを特徴としている。
【0016】また、本発明に係る音響信号生成装置は、
弦と、該弦を支持する駒と、該駒が立設される本体部と
を備えた擦弦楽器に設けられ、擦弦操作による前記弦の
振動に応じた音響信号を生成する装置であって、前記擦
弦操作による前記弦の振動に起因する振動を検出する複
数の振動検出手段と、前記振動検出手段に対応して設け
られ、対応する前記振動検出手段によって検出された検
出信号に対して所定の信号処理を施す手段であって、各
々異なる信号処理を施す信号処理手段と、各々の前記信
号処理手段によって出力される信号を加算して音響信号
を出力する加算手段とを具備することを特徴としてい
る。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態について説明する。 A.第1実施形態 第1実施形態に係る電気バイオリンの全体構成は図1に
示した電気バイオリンと同様であり、本実施形態に係る
電気バイオリンは駒7の振動を検出する振動検出ユニッ
ト(信号検出装置)および検出した振動に応じて楽音を
ヘッドフォン等から放音させる音響信号生成ユニットを
有しており、その振動検出ユニットに特徴を有してい
る。したがって、バイオリンの一般的な構成の説明は省
略することとし、図5を参照しながら、駒7近傍の振動
検出構成について説明する。
【0018】同図に示すように、駒7の脚部18a,1
8bとボディ2Aとの間には、擦弦操作によって生じる
駒7の縦振動(図中上下方向の振動)と横振動(図中左
右方向)といった2つの異なるモードの振動を個別に検
出することができる振動検出ユニット50が配置されて
いる。
【0019】振動検出ユニット50は、主として縦振動
を検出する横振動検出用圧電センサ51a,51bと、
絶縁層52と、縦振動検出用圧電センサ53a,53b
とを有しており、これらの各構成要素が駒7とボディ2
Aとの間に図の上下方向に積層された構造となってい
る。
【0020】横振動検出用圧電センサ51a,51b
は、各々脚部18a,18bの下面のほぼ全面に面接触
させられる薄板状の圧電素子等から構成されており、各
々脚部18a,18bの機械的振動を電気エネルギーに
変換して振動に応じた電気信号を出力する。ここで、横
振動検出用圧電センサ51a,51bは、その分極方向
が逆方向(図中矢印で示す方向)となるように配置され
ている。そして、横振動検出用圧電センサ51a,51
bの各々の絶縁層52に接する面(図中下)側、つまり
同一面側に設けられた電極に出力線55が接続され、横
振動検出用圧電センサ51a,51bの他方の面(図の
上側)の面に接地線56が接続されている。このように
横振動検出用圧電センサ51a,51bの分極方向が逆
方向となるよう配置するとともに同一側の面に出力線5
5を結線することによって、駒7に生じる振動の横振動
成分をより正確に検出することができる。すなわち、駒
7の横振動成分、つまりある一時点における脚部18
a,18bの振動方向は逆方向(一方が下から上の場
合、他方は上から下となる)となる振動成分を検出した
際に横振動検出用圧電センサ51a,51bから出力線
55に供給される信号が、お互いの特性を打ち消し合う
ことがないので、横振動成分をより正確に検出すること
ができるのである。
【0021】縦振動検出用圧電センサ53a,53b
は、各々脚部18a,18bの下方側に対応する部位
に、絶縁層52の下面のほぼ全面に面接触させられる薄
板状の圧電素子等から構成されており、各々横振動検出
用圧電センサ51a,51bおよび絶縁層52を介して
伝達される脚部18a,18bの機械的振動を電気エネ
ルギーに変換して振動に応じた電気信号を出力する。こ
こで、縦振動検出用圧電センサ53a,53bは、その
分極方向が同一方向(図中矢印で示す方向)となるよう
に配置されている。そして、縦振動検出用圧電センサ5
3a,53bの各々の絶縁層52に接する面(図中下)
側、つまり同一面側に設けられた電極に出力線57が接
続され、縦振動検出用圧電センサ53a,53bの他方
の面(図の上側)の面に接地線58が接続されている。
このように縦振動検出用圧電センサ53a,53bの分
極方向が同一方向となるように配置するとともに同一側
の面に出力線55を結線することにより、駒7に生じる
振動の縦振動成分をより正確に検出することができる。
すなわち、駒7の縦振動成分、つまりある一時点におけ
る脚部18a,18bの振動方向は同一方向(一方が上
から下に変位しているときは、他方も上から下に変位す
る)となる振動成分を検出した際に、横振動検出用圧電
センサ51a,51bから出力線55に供給される信号
がお互いの特性を打ち消し合うことがないので、縦振動
成分をより正確に検出することができるのである。
【0022】以上のような構成の振動検出ユニット50
が脚部18a,18bとボディ2Aとの間に設けられて
おり、擦弦操作に応じた駒7の縦振動および横振動を各
々個別に検出することができ、各々の振動に応じた電気
信号を個別に出力することができる。
【0023】次に、上記構成の振動検出ユニット50が
各々個別に検出した駒7の縦振動に対応する電気信号お
よび横振動に対応する電気信号に基づいて音響信号を生
成し、ヘッドフォン等の放音装置から放音するための音
響信号生成ユニットの構成について図6を参照しながら
説明する。
【0024】同図に示すように、音響信号生成ユニット
60は、プリアンプ61a,61bと、周波数特性調整
フィルタ62a,62bと、アンプ63a,63bと、
加算回路64とを備えている。
【0025】プリアンプ61a,61bの各々には、上
記構成の振動検出ユニット50によって検出された横振
動に対応する信号Y、および縦振動に対応する信号Tが
供給されるようになっている。プリアンプ61a,61
bの各々に供給された信号Y,Tは、それぞれ周波数特
性調整フィルタ62a,62bに供給される。
【0026】周波数特性調整フィルタ62a,62b
は、各々異なる特性を有するフィルタであり、そのフィ
ルタ特性の一例を図7に示す。図7上段に示すように、
横振動に対応する信号Yが供給される周波数特性調整フ
ィルタ62aは、低周波成分を通過させ、高周波成分を
カットする特性となっているのに対し、図7下段に示す
ように、縦振動に対応する信号Tが供給される周波数特
性調整フィルタ62bは、高周波成分を通過させ、低周
波成分をカットする特性となっている。すなわち、周波
数特性調整フィルタ62aを通過させられた信号Yに対
して、その高周波成分がカットされるといった周波数特
性調整が施され、周波数特性調整フィルタ62bを通過
させられた信号Tに対して、その低周波成分がカットさ
れるといった周波数特性調整が施され、周波数特性調整
後の信号が各々アンプ63a,63bに出力されるので
ある。
【0027】アンプ63a,63bは、周波数特性調整
フィルタ62a,62bから供給される周波数特性調整
後の信号Y,Tを、予め各々個別に設定された増幅率で
増幅し、増幅後の信号Y,Tを加算回路64に出力す
る。加算回路64では、アンプ63a,63bから供給
される信号Y,Tが加算され、音響信号としてヘッドフ
ォンやスピーカ等から構成される放音装置68に出力さ
れる。なお、図示はしないが、加算回路64から出力さ
れる信号をディジタル信号に変換し、残響付与等のディ
ジタル信号処理を施してから放音装置68に出力するよ
うにしてもよい。
【0028】音響信号生成ユニット60は上記の構成を
有しており、振動検出ユニット50によって独立して検
出される駒7の横振動に対応する信号Yおよび縦振動に
対応する信号Tに対し、各々異なる周波数特性調整を施
すといった信号処理を施して音響信号を生成するように
なっている。
【0029】以上のように振動検出ユニット50が擦弦
操作時における駒7の横振動および縦振動を独立に検出
し、検出した各々の振動に対応する信号に対して異なる
信号処理を施すことによって、上記擦弦操作をより正確
に反映した音響信号を生成することができ、以下、この
理由について説明する。
【0030】図8は、バイオリンの「E弦」を弓によっ
て擦弦操作した時に得られる横振動成分の周波数スペク
トル(図の上段)と、縦振動成分の周波数スペクトル
(図の下段)との一例を示す。同図上段に示すように、
横振動成分は2500Hz以下の低周波領域で大きな信
号強度が得られる以外、高周波領域の成分がほとんど存
在していない。すなわち、横振動成分には発音される音
の基音成分(および低次の倍音成分)が主として含まれ
ており、微妙な音色表現等に影響を与える高次の倍音成
分が含まれていない。一方、同図下段に示すように、縦
振動成分には2500Hzを越える高周波領域において
もある程度の信号強度が得られており、高次倍音成分が
含まれているが、基音成分をなす低周波成分は上記横振
動成分よりも少ない。なお、図上段および下段における
信号強度の単位は同一の所定の単位であり、この図から
横振動成分と縦振動成分とで得られる信号強度のレベル
が異なっていることが分かる。
【0031】したがって、基音成分が主として含まれる
横振動成分のみを検出し、該検出結果を基にして音響信
号を生成した場合、生成される音響信号に対応する音に
は擦弦操作に応じた音高の音が比較的明瞭に表現される
ことになるが、微妙な擦弦操作に応じて変動する高次倍
音成分等に起因する微妙な音色等が表現されないことに
なる。一方、高次倍音成分が含まれる縦振動成分のみを
検出し、該検出結果を基にして音響信号を生成した場
合、生成される音響信号に対応する音には微妙な擦弦操
作に応じた音色等は表現されるものの、含まれる基音成
分が少ないため、ピッチが不明瞭となり、線の細い、や
せた印象を与えてしまうものとなる。
【0032】本出願人は、駒7の横振動および縦振動の
各成分が発音される音に以上のような影響を与えること
に注目し、横振動成分および縦振動成分を独立して検出
し、各々検出した横振動成分および縦振動成分を活用す
ることによって、演奏者による擦弦操作をより正確に反
映した楽音を発生させることができると考えた。そこ
で、上述したように横振動検出用圧電センサ51a,5
1bおよび縦振動検出用圧電センサ53a,53bを備
える振動検出ユニット50を設け、擦弦操作の際の横振
動成分および縦振動成分を独立して検出することができ
るようにし、両成分を音響信号に反映させることによっ
て、演奏者による擦弦操作をより正確に反映した楽音を
発生させることができるようにしたのである。
【0033】また、上述したように独立して検出した横
振動成分に対応する信号Yと、縦振動成分に対応する信
号Tとは各々異なる特性を有する周波数特性調整フィル
タ62a,62bに供給され、各々異なる信号処理が施
されることになる。上述したように横振動成分に対応す
る信号Yには、基音成分や低次倍音成分が主として含ま
れており、この低周波成分を有効利用することで基音成
分や低次倍音成分を楽音に反映させることができる。し
たがって、この横振動成分に対応する信号Yは、上記の
ように低周波成分を通過させる特性(図7上段参照)を
有する周波数特性調整フィルタ62aを用いるようにし
ているのである。一方、縦振動成分に対応する信号Tに
は、高次倍音成分が含まれており、この高周波成分を有
効利用することで微妙な音色等を楽音に反映させること
ができる。したがって、この縦振動成分に対応する信号
Tは、上記のように高周波成分を通過させる特性(図7
下段参照)を有する周波数特性調整フィルタ62bを用
いるようにしているのである。以上のように各々独立し
て検出した横振動成分に対応する信号Y、および縦振動
成分に対応する信号Tの有効利用できる帯域の成分を主
として抽出し、抽出した成分を用いて音響信号を生成す
ることで、擦弦操作をより正確に反映した楽音を発生さ
せることができるのである。
【0034】なお、上述した第1実施形態においては、
駒7とボディ2Aとの間に積層配置された横振動検出用
圧電センサ51a,51b、絶縁層52および縦振動検
出用圧電センサ53a,53bを有する振動検出ユニッ
ト50を用いて、横振動成分と縦振動成分を独立して検
出するようにしていたが、他の手法によって両者を独立
して検出するようにしてもよく、その検出構成の一例を
図9および図10に示す。
【0035】図9に示すように、この変形例において
は、脚部18a,18bとボディ2Aとの間に振動検出
ユニット90が配置されている。振動検出ユニット90
は、脚部18a,18bの下面に各々面接触させられる
薄板状の圧電センサ91a,91bを有しており、各々
脚部18a,18bの機械的振動を電気エネルギーに変
換して振動に応じた電気信号を出力する。ここで、圧電
センサ91a,91bは、その分極方向が逆方向(図中
矢印で示す方向)となるように配置されている。そし
て、圧電センサ91a,91bのボディ2A側(図中
下)側の面、つまり同一面側に設けられた電極に出力線
95a,95bが接続され、他方の面(図の上側)の面
に接地線96が接続されている。振動検出ユニット90
においては、このように圧電センサ91a,91bの分
極方向が逆方向となるよう配置するとともに同一側の面
に出力線95a,95bを結線している。
【0036】このように圧電センサ91a,91bの分
極方向が逆方向となるよう配置するとともに同一側の面
に出力線95a,95bを結線することによって、駒7
に生じる振動の横振動成分をより正確に検出することが
できる。すなわち、横振動成分、つまりある一時点にお
ける脚部18a,18bの振動方向は逆方向(一方が下
から上の場合、他方は上から下となる)となる振動成分
を各々検出した際に圧電センサ91a,91bから出力
線95a,95bに供給される信号が、お互いの特性を
打ち消し合うことがないので、これらの2つの信号y
2,y1を用いることで横振動成分をより正確に検出す
ることができるのである。一方、圧電センサ91bから
出力される信号tを単独で用いることで、駒7に生じる
縦振動成分を検出することができる。
【0037】以上のような構成の振動検出ユニット90
によって検出される信号t、y1,y2は出力線95
a,95bから図10に示す音響信号生成ユニット11
0に供給される。同図に示すように、この音響信号生成
ユニット110は、プリアンプ111a,111b,1
11cと、ボリューム112と、周波数特性調整フィル
タ113a,113b,113cと、ボリューム114
と、加算回路115とを備えている。
【0038】プリアンプ111a,111bには圧電セ
ンサ91bから出力線95bを介して駒7の振動に応じ
た信号t,y1が供給され、プリアンプ111cには圧
電センサ91aから出力線95aを介して駒7の振動に
応じた信号y2が供給されるようになっている。なお、
信号t,y1は圧電センサ91bによって検出された同
一の信号である。プリアンプ111aに供給された信号
tは周波数特性調整フィルタ113aに供給され、プリ
アンプ111b,111cに供給された信号y1.y2
は、ボリューム112によって所定の増幅率に調整され
た後、それぞれ周波数特性調整フィルタ113b,11
3cに供給される。
【0039】周波数特性調整フィルタ113a,113
b,113cは、各々異なる特性を有するフィルタであ
り、そのフィルタ特性の一例を図11に示す。図11上
段に示すように、縦振動に対応する信号tが供給される
周波数特性調整フィルタ113aは、高周波分を通過さ
せ、低周波成分をカットする特性となっているのに対
し、図11下段に示すように、横振動に対応する信号y
1,y2が供給される周波数特性調整フィルタ113
b、113cは、低周波成分を通過させ、高周波成分を
カットする特性となっている。すなわち、周波数特性調
整フィルタ113aを通過させられた信号tに対して、
その低周波成分がカットされるといった信号処理が施さ
れ、周波数特性調整フィルタ113b,113cを通過
させられた信号y1,y2に対して、その高周波成分が
カットされるといった信号処理が施されるのである。
【0040】なお、この例においては、周波数特性調整
フィルタ113bが周波数特性調整フィルタ113cよ
りも若干高周波成分を通過させる特性となっている。こ
のような特性としたのは以下の理由による。すなわち、
周波数特性調整フィルタ113bに供給される信号y1
が高音側の弦が支持される側の脚部18bの下面に取り
付けられている圧電センサ91bであり、当該圧電セン
サ91bの検出信号には高周波成分が圧電センサ91b
の検出信号よりも多く含まれているので、この高周波成
分を音響信号に反映させるためである。このように周波
数特性調整フィルタに各々独立の特性を持たせることに
よって、楽器の音色を様々に設定することが可能とな
る。
【0041】以上のような周波数特性調整を信号t,y
1,y2に対して実施することにより、周波数上述した
実施形態と同様、基音成分や低次倍音成分(低周波領
域)が主として含まれる横振動成分についてはその低周
波領域を通過させて音響信号の成分として利用し、高次
倍音成分(高周波領域)が含まれる縦振動成分について
はその高周波領域を通過させて音響信号の成分として利
用するようにしている。
【0042】ボリューム114は、周波数特性調整フィ
ルタ113aから供給された周波数特性調整後の信号t
を所定の振幅率に調整する。これは横振動成分について
は圧電センサ91a,91bの両者から得られた信号を
用いるのに対し、縦振動成分については圧電センサ91
bのみから得られた信号を用いており、両者間の振幅調
整を行うためである。
【0043】加算回路115には、周波数特性調整フィ
ルタ113aから信号tが、周波数特性調整フィルタ1
13b,113cから信号y1,y2が供給され、加算
回路115はこれらの各信号を加算して音響信号として
ヘッドフォンやスピーカ等から構成される放音装置68
に出力する。
【0044】上記実施形態における振動検出ユニット5
0に限らず、以上のような構成により駒7に生じる振動
の縦振動成分と横振動成分を独立して検出することがで
き、各々検出した横振動成分および縦振動成分を利用す
る比率等を適宜調整することにより、擦弦操作をより正
確に反映させた音響信号を生成することができる。
【0045】B.第2実施形態 次に、本発明の第2実施形態に係る音響信号生成装置を
備えた電気バイオリンについて図12を参照しながら説
明する。なお、第2実施形態において、上述した第1実
施形態と共通する構成要素には、同一の符号を付けて、
その説明を省略する。
【0046】図12に示すように、この音響信号生成装
置は、電気バイオリンの駒7に取り付けられる振動検出
センサユニット121および振動検出センサユニット1
22といった複数の振動検出センサユニットを有してい
る。振動検出センサユニット121は、駒7における4
本の弦4が支持される溝部分に埋め込まれた圧電素子1
21a,121b,121c,121dを有しており、
擦弦操作による弦4の振動に起因して振動する駒7の上
部の振動を検出し、該検出信号を音響信号生成ユニット
125に出力する。ここで、上記のような位置に取り付
けられた振動検出センサユニット121によって検出さ
れる検出信号には、基音成分および低次倍音成分が多く
含まれている。
【0047】振動検出センサユニット122は、駒7の
脚部18a,18bと図示せぬ響胴との間に取り付けら
れる薄板状の圧電素子122a,122bを有してい
る。圧電素子122a,122bは、その分極方向が同
一方向(図中矢印で示す方向)となるように配置されて
いる。そして、圧電素子122a,122bの同一面側
に設けられた電極に出力線が接続されている。上述した
ように圧電素子122a,122bの分極方向が同一方
向となるように配置するとともに同一側の面に出力線を
結線することにより、駒7に生じる振動の縦振動成分を
より正確に検出することができる。したがって、振動検
出センサユニット122は駒7に生じる振動の縦振動成
分(高次倍音成分を含む成分)を主として検出し、該検
出信号を音響信号生成ユニット125に出力しているの
である。
【0048】音響信号生成ユニット125は、プリアン
プ126a,126bと、周波数特性フィルタ127
a,127bと、アンプ128a,128bと、加算回
路129とを備えている。
【0049】プリアンプ126a,126bの各々に
は、上記構成の振動検出センサユニット121および振
動検出センサユニット122によって検出された振動に
対応する信号が供給されるようになっている。プリアン
プ126a,126bの各々に供給された信号は、それ
ぞれ周波数特性フィルタ(信号処理手段)127a,1
27bに供給される。
【0050】周波数特性フィルタ127a,127b
は、各々異なる特性を有するフィルタである。周波数特
性フィルタ127aが低周波領域を通過させて高周波領
域をカットする特性のフィルタであり(例えば、図7上
段参照)、周波数特性フィルタ127bが高周波領域を
通過させて低周波領域をカットする特性である(例え
ば、図7下段参照)。すなわち、周波数特性フィルタ1
27aを通過させられた信号に対して、その高周波成分
がカットされるといった信号処理が施され、周波数特性
フィルタ127bを通過させられた信号に対して、その
低周波成分がカットされるといった信号処理が施され、
信号処理後の信号が各々アンプ128a,128bに出
力されるのである。
【0051】アンプ128a,128bは、周波数特性
フィルタ127a,127bから供給される信号を、各
々個別に設定された増幅率で増幅し、増幅後の信号を加
算回路129に出力する。加算回路129では、アンプ
128a,128bの各々から供給される信号が加算さ
れ、音響信号としてヘッドフォンやスピーカ等から構成
される放音装置68に出力される。
【0052】以上のように各々異なる部位に取り付けら
れた振動検出センサユニット121および振動検出セン
サユニット122の検出信号に対し、各々検出信号に含
まれる成分に応じた信号処理を施すことにより、上述し
た第1実施形態と同様、演奏者による擦弦操作をより正
確に反映させた音響信号を生成することができる。
【0053】なお、上述した第2実施形態では、駒7の
弦4を支持する部分近傍に取り付けられた振動検出セン
サユニット121と、脚部18a,18b下面に取り付
けられた振動検出センサユニット122とを用い、各々
のセンサユニットの検出信号に対して異なる信号処理を
施すことにより音響信号を生成したが、センサユニット
の取り付け位置やセンサユニットの構成は上記第2実施
形態で説明したものに限定されるものではない。
【0054】例えば、図13に示すように、電気バイオ
リンのテールピース6に小型のマイクロホンユニット
(振動検出センサ)130を取り付けるとともに、バイ
オリンのボディ2Aの一部(図示の例では、裏面側の一
部)に小型のマイクロホンユニット(振動検出センサ)
131を取り付けるようにしてもよい。そして、各々の
マイクロホンユニット130およびマイクロホンユニッ
ト131は、擦弦操作によって生じる弦の振動に起因す
る振動(音圧変化)を検出し、該検出結果を上記構成の
音響信号生成ユニット125(図12参照)に出力する
ようにしてもよい。この場合、テールピース6に取り付
けられたマイクロホンユニット130は高次倍音成分を
多く含んだ検出信号を出力することができるので、この
検出信号は高周波領域を通過させて低周波領域をカット
する特性のフィルタ(周波数特性フィルタ127b)を
通過させるようにすればよい。一方、マイクロホンユニ
ット131は基音成分や低次倍音成分を多く含んだ検出
信号を出力することができるので、この検出信号は低周
波領域を通過させて高周波領域をカットする特性のフィ
ルタ(周波数特性フィルタ127a)を通過させるよう
にすればよい。
【0055】C.変形例 なお、本発明は、上述した第1実施形態および第2実施
形態に限定されるものではなく、以下に例示するような
変形が可能である。
【0056】(変形例1)上述した各実施形態において
は、本発明を電気バイオリンに適用した場合について説
明したが、弦と、弦を支持する部材(駒)とを有し、該
弦を弓等によって擦ることにより演奏を行う擦弦楽器に
適用することが可能であり、例えばチェロ、ビオラ、コ
ントラバス等に適用することができる。
【0057】(変形例2)また、上述した各実施形態に
おいては、本発明を電気バイオリンに適用した場合につ
いて説明したが、アコースティックな発音機能を有する
擦弦楽器に適用することができる。例えば、図14に示
すようなアコースティックバイオリンにも本発明を適用
することができる。
【0058】同図に示すように、このバイオリンは、通
常のバイオリンと同様に共鳴体である響胴(本体部)1
1と、響胴11から延出するネック12とを有してお
り、ネック12に設けられた糸巻13と響胴11に設け
られた緒止板14とで4本の弦15を張力を与えた状態
で支持している。響胴11およびネック12の上面(紙
面手前側)には、指盤16が弦15とほぼ平行に配置さ
れている。響胴11には駒18が立設されており、弦1
5との間で挟持されている。これにより弦15の振動が
駒18を介して響胴11に伝達されるようになってい
る。これらの各構成要素は、通常のアコースティックバ
イオリンと同様の機能を有している。このような構成の
バイオリンの駒18に、上記各実施形態と同様の振動検
出ユニットを取り付けるようにすればよい。
【0059】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
擦弦楽器において、演奏操作による駒等の振動をより正
確に検出することができ、演奏操作をより正確に反映さ
せた音響信号を生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 電気バイオリンの外観構成を示す正面図であ
る。
【図2】 前記電気バイオリンの駒近傍の構成を示す図
である。
【図3】 前記駒の振動を検出するためのセンサの構成
を示す図である。
【図4】 前記駒の振動を検出するためのセンサの構成
を示す図である。
【図5】 本発明の第1実施形態に係る電気バイオリン
の駒の振動を検出するための振動検出ユニットの構成を
示す図である。
【図6】 前記振動検出ユニットによって検出された検
出信号に基づいて音響信号を生成する音響信号生成ユニ
ットの構成を示す図である。
【図7】 前記音響信号生成ユニットの構成要素である
周波数特性調整フィルタのフィルタ特性を説明するため
の図である。
【図8】 擦弦操作した時に、前記電気バイオリンの駒
に生じる振動の横振動成分と縦振動成分の周波数スペク
トルを示す図である。
【図9】 前記第1実施形態に係る電気バイオリンの変
形例における振動検出センサユニットの構成を示す図で
ある。
【図10】 前記第1実施形態に係る電気バイオリンの
変形例における振動検出センサユニットによって検出さ
れた検出信号に基づいて音響信号を生成する音響信号生
成ユニットの構成を示す図である。
【図11】 前記変形例における前記音響信号生成ユニ
ットの構成要素である周波数特性フィルタのフィルタ特
性を説明するための図である。
【図12】 本発明の第2実施形態に係る電気バイオリ
ンの振動検出ユニットおよび音響信号生成ユニットの構
成を示す図である。
【図13】 前記第2実施形態に係る電気バイオリンの
変形例を示す側面図である。
【図14】 前記各実施形態に係るバイオリンの変形例
の外観を示す図である。
【符号の説明】
1A……電気バイオリン、2A……ボディ、3……ネッ
ク、4……弦、5……胴部、7……駒、11……響胴、
12……ネック、13……糸巻、14……緒止板、15
……弦、16……指盤、18……駒、18a,18b…
…脚部、50……振動検出ユニット、51a,51b…
…横振動検出用圧電センサ、52……絶縁層、53a,
53b……縦振動検出用圧電センサ、60……音響信号
生成ユニット、62a,62b……周波数特性調整フィ
ルタ、63a,63b……アンプ、64……加算回路、
68……放音装置、90……振動検出ユニット、91
a,91b……圧電センサ、110……音響信号生成ユ
ニット、113a,113b,113c……周波数特性
調整フィルタ、114……アンプ、115……加算回
路、121……振動検出センサユニット、122……振
動検出センサユニット、125……音響信号生成ユニッ
ト、127a,127b……周波数特性フィルタ、12
9……加算回路、130……マイクロホンユニット、1
31……マイクロホンユニット

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 弦と、該弦を支持する駒と、該駒が立設
    される本体部とを備えた擦弦楽器であって、 擦弦操作による前記弦の振動に応じた前記駒の縦振動成
    分を検出し、検出信号を出力する縦振動検出手段と、 前記擦弦操作による前記弦の振動に応じた前記駒の横振
    動成分を検出し、検出信号を出力する横振動検出手段と
    を具備することを特徴とする擦弦楽器。
  2. 【請求項2】 前記駒は、前記本体部側に設けられる2
    つの脚部を有しており、 前記縦振動検出手段は、前記2つの脚部の少なくとも一
    方と前記本体部との間に配置される縦振動検出用圧電セ
    ンサを有しており、 前記横振動検出手段は、前記2つの脚部の各々と前記本
    体部との間に配置される2つの横振動検出用圧電センサ
    を有し、一方の前記横振動検出用圧電センサの分極方向
    は前記脚部から前記本体部側への方向であり、他方の前
    記横振動検出用圧電センサの分極方向は前記本体部から
    前記脚部側への方向であることを特徴とする請求項1に
    記載の擦弦楽器。
  3. 【請求項3】 前記駒は、前記本体部側に設けられる2
    つの脚部を有しており、 前記縦振動検出手段は、前記2つの脚部の各々と前記本
    体部との間に配置される2つの縦振動検出用圧電センサ
    を有し、2つの前記縦振動検出センサの分極方向は前記
    脚部から前記本体部側、もしくは前記本体部から前記脚
    部側への方向であり、 前記横振動検出手段は、前記2つの脚部の各々と前記本
    体部との間に配置される2つの横振動検出用圧電センサ
    を有し、一方の前記横振動検出用圧電センサの分極方向
    は前記脚部から前記本体部側への方向であり、他方の前
    記横振動検出用圧電センサの分極方向は前記本体部から
    前記脚部側への方向であり、 各々の前記脚部と前記本体部との間に配置される前記縦
    振動検出用圧電センサおよび前記横振動検出用圧電セン
    サは絶縁層を挟んで積層配置されていることを特徴とす
    る請求項1に記載の擦弦楽器。
  4. 【請求項4】 前記縦振動検出手段によって出力される
    検出信号の周波数特性を調整する第1の周波数特性調整
    手段と、 前記横振動検出手段によって出力される検出信号の周波
    数特性を調整する手段であって、前記第1の周波数特性
    調整手段とは異なる周波通特性調整を行う第2の周波数
    特性調整手段とをさらに具備することを特徴とする請求
    項1ないし3のいずれかに記載の擦弦楽器。
  5. 【請求項5】 弦と、該弦を支持する駒と、該駒が立設
    される本体部とを備えた擦弦楽器に設けられ、擦弦操作
    による前記弦の振動に応じた検出信号を出力する信号検
    出装置であって、 前記擦弦操作による前記弦の振動に応じた前記駒の縦振
    動成分を検出し、検出信号を出力する縦振動検出手段
    と、 前記擦弦操作による前記弦の振動に応じた前記駒の横振
    動成分を検出し、検出信号を出力する横振動検出手段と
    を具備することを特徴とする信号検出装置。
  6. 【請求項6】 弦と、該弦を支持する駒と、該駒が立設
    される本体部とを備えた擦弦楽器であって、 擦弦操作による前記弦の振動に起因する振動を検出する
    複数の振動検出手段と、 前記振動検出手段に対応して設けられ、対応する前記振
    動検出手段によって検出された検出信号に対し所定の信
    号処理を施す手段であって、各々異なる信号処理を施す
    信号処理手段とを具備することを特徴とする擦弦楽器。
  7. 【請求項7】 弦と、該弦を支持する駒と、該駒が立設
    される本体部とを備えた擦弦楽器に設けられ、擦弦操作
    による前記弦の振動に応じた音響信号を生成する装置で
    あって、 前記擦弦操作による前記弦の振動に起因する振動を検出
    する複数の振動検出手段と、 前記振動検出手段に対応して設けられ、対応する前記振
    動検出手段によって検出された検出信号に対して所定の
    信号処理を施す手段であって、各々異なる信号処理を施
    す信号処理手段と、 各々の前記信号処理手段によって出力される信号を加算
    して音響信号を出力する加算手段とを具備することを特
    徴とする音響信号生成装置。
  8. 【請求項8】 前記複数の振動検出手段は、各々前記擦
    弦楽器の異なる部位に取り付けられていることを特徴と
    する請求項7に記載の音響信号生成装置。
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