JP5834298B2 - 弦楽器 - Google Patents

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Description

本発明は、弦楽器が発する本来の楽音を忠実に再現することができる弦楽器に関するものである。
一般に、アコースティックギターなどの弦楽器では、演奏時の音量が限られる。そこで、例えばコンサートホールのような広い場所で演奏する際には、楽器演奏者の近傍にマイクを配置し、弦楽器の楽音をマイクで集音して増幅することが考えられる。しかし、マイクで弦楽器の楽音を集音すると、ハウリングが発生しやすいという問題がある。また、マイクの位置がステージ上に固定されていると、演奏者がステージ上で動き回りながら演奏する場合には弦楽器の楽音をとらえることができない問題もある。
一方、弦楽器の胴(共鳴胴)を構成する共鳴板にピエゾピックアップ(圧電ピックアップ)を取り付け、ピエゾピックアップにより弦振動を電気信号に変換し、この電気信号を増幅することで音量を大きくする方法が知られている。しかし、ピエゾピックアップを用いた方法では、箱鳴りと呼ばれる胴による共鳴音を十分に拾うことができず、出力される音は薄っぺらで無機質な音になってしまうという問題がある。
かかる問題に対し、弦楽器の胴による共鳴音を再現できるようにすべく、ピエゾピックアップを用いて得られる電気信号に対して各種効果を付加する技術が提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
特開2003−15644号公報 特開2005−24997号公報 特開2009−162997号公報
しかしながら、特許文献1〜3に開示される技術では、ピエゾピックアップにより検出される弦の振動をある程度自然な音に加工することができるものの、胴の共鳴音を忠実に再現することはできない。また、ピエゾピックアップを用いて弦の振動を検出するためには、弦楽器のもっとも重要な部分に対してピエゾピックアップを取り付けなればならず、楽器本来の音色に悪影響を与えかねない。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、弦楽器が発する本来の楽音を忠実に再現することができる弦楽器を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明の第1態様に係る弦楽器は、中空状に形成されたボディと、ボディに形成されたサウンドホールと、ボディに一端が取り付けられたネックと、ネックの他端に取り付けられたヘッドと、ヘッド及びボディの間に張架された弦とを備える弦楽器であって、弦の振動によりボディの内部空間で共鳴する楽音を集音し、当該楽音に基づく楽音信号を生成して出力する楽音検出手段であって、サウンドホールが形成される方向に対して感度を有しない楽音検出手段を備え、楽音検出手段は、ボディの内部空間に所定の間隔をあけて配置された一対の無指向性マイクロホンを有し、一対の無指向性マイクロホンから等距離の位置に無感度面が形成され、無感度面は、サウンドホールが形成される面に対して垂直であり、かつサウンドホールを通過するように構成される
また、本発明の第2態様に係る弦楽器は、中空状に形成されたボディと、ボディに形成されたサウンドホールと、ボディに一端が取り付けられたネックと、ネックの他端に取り付けられたヘッドと、ヘッド及びボディの間に張架された弦と、を備える弦楽器であって、弦の振動によりボディの内部空間で共鳴する楽音を集音し、当該楽音に基づく楽音信号を生成して出力する楽音検出手段であって、サウンドホールが形成される方向に対して感度を有しない楽音検出手段を備え、楽音検出手段は、ボディの内部空間に所定の間隔をあけて配置された一対の無指向性マイクロホンを有し、サウンドホールを通りサウンドホールが形成される面に対して垂直な面を基準面としたとき、一対の無指向性マイクロホンは、基準面に対して垂直な方向であって基準面を挟んで対向する位置に配置され、かつ基準面から互いに等距離の位置に配置される
また、本発明の第3態様に係る弦楽器は、第1態様又は第2態様において、楽音検出手段は、サウンドホールが形成される方向から入射する音波に対する一対の無指向性マイクロホンの出力信号が互いに打ち消されるように信号処理を行う信号処理手段を有する。
また、本発明の第4態様に係る弦楽器は、一対の無指向性マイクロホンは、ボディの内部空間であってネック側とは反対側のエンド部またはネック側のヒール部に取り付けられる
本発明によれば、サウンドホールが形成される方向に対して感度を有しないので、ハウリングを起こすことなく、ボディの内部空間で共鳴する楽音を集音することが可能となり、弦楽器が発する本来の楽音を忠実に再現することができる。
本発明の集音装置が適用される弦楽器の構成例を示した外観図 図1に示した弦楽器の平面図 マイク装置の構成例を示した概略図 弦楽器と無感度面との位置関係を立体的に示した図 無感度面とマイク装置及びサウンドホールとの位置関係を平面的に示した図 各コンデンサマイクの出力信号波形の一例を示した図 信号処理部の構成例を示したブロック図 信号処理部の他の構成例を示したブロック図 弦楽器の他の構成例を示した外観図 他の発明が適用された弦楽器の構成例を示した外観図
以下、添付図面に従って本発明の好ましい実施の形態について詳説する。
図1は、本発明が適用される弦楽器の構成例を示した外観図である。図2は、図1に示した弦楽器の平面図である。
図1及び図2に示すように、弦楽器(アコースティックギター)10は、表板20、側板22、及び裏板24によって中空状に形成されたボディ(共鳴胴)12と、ボディ12に連結されたネック14とを備えて構成される。ネック14の先端には、弦18の先端側(始端)を巻き付けて弦18の張力を調節可能なペグ(糸巻)26が複数個取り付けられたヘッド16が設けられている。ボディ12を構成する表板20は共鳴板として機能するものである。表板20には、弦18の後端を固定するためのブリッジ28が取り付けられており、弦18の後端はブリッジ28に開けられた穴(不図示)に固定されている。
ネック14には、金属製のフレット30が特定の間隔で埋め込まれた指板32が取り付けられている。指板32の先端には、複数の弦18を所定の間隔に揃え、かつ、フレット30の上面より僅かに弦18を浮かせて支持するための溝が設けられたナット(上駒)34が固定されている。ブリッジ28には、弦18の後端(終端)近くで、弦18をフレット30の上面より僅かに浮かせて支持するためのサドル(下駒)35が固定されている。なお、楽器の種類によってはフレット30が存在しないものもある。
弦18は、ナット34とサドル35の間、もしくは、指板32上のフレット30とサドル35の間で振動する。また、指板32上の所定の場所で弦18を押さえることで、フレット30とサドル35の間の弦長が調節され、所定の音程を得ることができる。弦18に振動を付与する態様としては、弦18の押さえた指とサドル35間の所定の位置で指を弾く態様や、弓などで擦ることで振動のきっかけを与える態様がある。
表板20のブリッジ28の前方における各弦18の下方には、ボディ12内部で共鳴した音を外部に導くためのサウンドホール(響穴)36が設けられている。表板20と裏板24のボディ12内部側の面には、それぞれ補強のためのブレイス(力木、響木)38A、38Bが取り付けられている。なお、ブレイスの形状や配置については楽器の種類によって様々である。
以上の構成において、弦楽器10の演奏を行うべく弦18に振動を与えると、弦18の振動がサドル35、ブリッジ28を介して表板20に伝達され、それによってボディ12の内部空間において共鳴が発生し、サウンドホール36から楽音を発する。
本実施形態では、ボディ12の内部にはマイク装置40が設けられている。マイク装置40は、図3に示すように、ボディ12の内部で共鳴する音を集音する一対の集音手段としてコンデンサマイク42A、42Bと、各コンデンサマイク42A、42Bの出力信号の出力部(端子部)として機能するコネクタ44とが一体的に構成されたものである。
マイク装置40は、ボディ12の所定位置に設けられた取付部(不図示)に取り付けられる。各コンデンサマイク42A、42Bの出力信号はコネクタ44を通して、弦楽器10の外部に導出される。弦楽器10の外部に導出された出力信号は、不図示のケーブル(不図示)を介して信号処理部46(図7及び図8参照)に送られ、所定の信号処理が施される。信号処理部46では、各コンデンサマイク42A、42Bの出力信号に基づく楽音信号が生成され出力される。
このように各コンデンサマイク42A、42Bの出力信号を、各コンデンサマイク42A、42Bと一体的に構成されたコネクタ44を通して弦楽器10の外部に導出する態様によれば、ボディ12の内部を通る配線(信号線)が不要となり、ボディ12の内部における不要な振動による雑音を効果的に抑制することが可能となる。
マイク装置40は、図1及び図2に示すように、ボディ12内部のエンド部12a(ネック14側とは反対側の端部)に取り付けられることが好ましい。また、マイク装置40は、ボディ12内部のヒール部12b(ネック14側の端部)に取り付けてもよい。エンド部12aやヒール部12bは、弦楽器10のボディ12の構造上もっとも強度の高い場所であり、マイク装置40を安定的に固定することができる。また、サウンドホール36とマイク装置40との間の距離を確保できるので、マイク装置40によるボディ12内部の共鳴音の集音効率を向上させることができる。
各コンデンサマイク42A、42Bは、構造及び特性が互いに等しく構成されたもので、音波によって振動するダイアフラム(振動板)とバックプレート(背極、固定電極)を対向配置させたコンデンサ部を構成し、ダイアフラムが振動することによって生じるコンデンサ部の静電容量の変化を電気信号に変換して出力する。また、各コンデンサマイク42A、42Bは、全ての方向に指向性を有する無指向性マイクが用いられる。なお、各コンデンサマイク42A、42Bの構成は周知の構成が適用されるので、詳細な説明は省略する。
図4は、弦楽器10と無感度面Pとの位置関係を立体的に示した図である。図5は、無感度面Pとマイク装置40及びサウンドホール36の位置関係を平面的に示した図である。
本実施形態では、図4及び図5に示すように、各コンデンサマイク42A、42Bは、サウンドホール36が形成される面(すなわち、表板20)に平行な方向に沿って所定の間隔をあけて並べて配置され、各コンデンサマイク42A、42Bから等距離の位置に無感度面Pが形成される。この無感度面Pは、表板20に対して垂直であり、サウンドホール36(好ましくは、サウンドホール36の中心)を通過するように構成される。すなわち、各コンデンサマイク42A、42Bは、サウンドホール36から等距離の位置に配置される。無感度面P上の任意の点から放射された音波は、各コンデンサマイク42A、42Bに等しい音圧、等しい位相で到達するため、各コンデンサマイク42A、42Bの出力信号が打ち消されるように相互に減算することにより出力が0となる。これに対し、それ以外の場所から到達した音波は、距離差によって音圧や位相が異なるため出力が現れる。
ここで、各コンデンサマイク42A、42Bの配置について詳しく説明する。まず、サウンドホール36の中心を通り、サウンドホール36が形成される面(すなわち、表板20)に対して垂直な面を基準面(無感度面Pに相当)としたとき、各コンデンサマイク42A、42Bは基準面の両側の等距離の位置に対向配置される。このとき、各コンデンサマイク42A、42Bのダイアフラムは基準面に対して平行に配置され、かつ、各コンデンサマイク42A、42Bは同一面が互いに対面する方向に向けて配置される。本実施形態では、図3に示すように、ダイアフラムが形成される面側が互いに対面する方向に向けて配置される。なお、図3のコンデンサマイク42A、42Bの内部に示した矢印は、ダイアフラムが形成される面側の向きを表している。また、これとは逆に、ダイアフラムが形成される面とは反対側のバックプレートが形成される面側が互いに対面する方向に向けて配置されてもよい。このように各コンデンサマイク42A、42Bの同一面が互いに対面する方向に向けて配置することによって、各コンデンサマイク42A、42Bによってサウンドホール36から到達する音波を同位相でとらえることが可能となる。
なお、各コンデンサマイク42A、42Bによってサウンドホール36から到達する音波を同位相でとらえるための構成としては、上記構成に限らず、各コンデンサマイク42A、42Bのダイアフラムが基準面に対して垂直に配置されてもよい。この場合には、各コンデンサマイク42A、42Bは、ダイアフラムが形成される面側を互いにサウンドホール36側に向けて配置するか、或いは、バックプレートが形成される面側を互いにサウンドホール36側に向けて配置すればよい。
図6は、各コンデンサマイク42A、42Bの出力信号波形の一例を示した図である。外部からの音波がサウンドホール36から入射すると、各コンデンサマイク42A、42Bのダイアフラムは同一方向に変位し同位相で振動する。このため、各コンデンサマイク42A、42Bの出力信号波形は、図6(a)、(b)に示すように互いに同位相になる。したがって、各コンデンサマイク42A、42Bの出力信号を相互に減算すれば、図6(c)に示すように、各コンデンサマイク42A、42Bの出力信号が打ち消された出力(マイク装置40の出力)が得られる。すなわち、サウンドホール36が形成される方向から入射する音波に対して無感度となる指向性を得ることができる。
図7は、信号処理部46の構成例を示したブロック図である。図7に示した構成では、各コンデンサマイク42A、42Bの出力信号は減算器50で相互に減算される。減算器50の出力信号はプリアンプ52で増幅された後、マイク装置40の出力信号(楽音信号)として外部音響拡声装置54に出力される。
図8は、信号処理部46の他の構成例を示したブロック図である。図8に示した構成は、図7に示した構成と等価な回路であり、実質的に同様の処理が行われる。具体的には、コンデンサマイク42Bの出力信号は反転器56で波形が反転される。コンデンサマイク42Aの出力信号と反転器56の出力信号が加算器58で相互に加算される。加算器58の出力信号はプリアンプ52で増幅された後、マイク装置40の出力信号(楽音信号)として外部音響拡声装置54に出力される。
本実施形態によれば、サウンドホール36(好ましくは、サウンドホール36の中心部)を通過するように無感度面Pが形成されるので(図4及び図5参照)、サウンドホール36が形成される方向から入射する音波に対して無感度となる指向性を得ることができる。これにより、ハウリングの原因となるサウンドホール36からボディ12内に入り込む外部音についてはキャンセルされるので、ハウリングを起こすことなくボディ12の内部で共鳴する楽音を集音することが可能となり、弦楽器10が発する本来の楽音を忠実に再現することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、以上の例には限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変形を行ってもよいのはもちろんである。以下、いくつかの変形例について説明する。
[変形例1]
上述した実施形態では、信号処理部46は、マイク装置40とは別に構成され、ボディ12の外部に配置される構成としたが、マイク装置40に信号処理部46が内蔵された構成としてもよい。この場合、信号処理部46を内蔵するマイク装置40がボディ12の内部に配置される。
また、信号処理部46がマイク装置40とは別に構成される場合、信号処理部46がボディ12の内部に配置されてもよいことはいうまでもない。
[変形例2]
上述した実施形態では、各コンデンサマイク42A、42Bによってサウンドホール36から到達する音波を同位相でとらえるように構成したが、サウンドホール36から到達する音波を逆位相でとらえるように構成してもよい。
具体的には、各コンデンサマイク42A、42Bのダイアフラムが基準面(無感度面Pに相当)に対して平行に配置される場合には、各コンデンサマイク42A、42Bのうち、一方のコンデンサマイクのダイアフラムが形成される面側と他方のコンデンサマイクのバックプレートが形成される面側が互いに対面する方向に向けて配置すればよい。また、各コンデンサマイク42A、42Bのダイアフラムが基準面に対して垂直に配置される場合には、各コンデンサマイク42A、42Bのうち、一方のコンデンサマイクのダイアフラムが形成される面側と他方のコンデンサマイクのバックプレートが形成される面側をそれぞれサウンドホール36側に向ければよい。
このようにサウンドホール36から到達する音波を逆位相でとらえる構成の場合には、各コンデンサマイク42A、42Bの出力信号を相互に加算することにより、サウンドホール36が形成される方向から入射する音波に対して無感度となる指向性を得ることができる。これによって、上述した実施形態と同様の効果を得ることができる。
[変形例3]
上述した実施形態では、ボディ12の内部空間に一対の無指向性マイクを配置した構成を示したが、例えば1つの双指向性マイクを配置した構成とすることも可能である。この場合、双指向性マイクを基準面(無感度面Pに相当)上に配置し、指向軸が基準面と直交するように配置する。すなわち、双指向性マイクの指向軸をサウンドホール36が形成される方向に対して直交するように配置する。これにより、サウンドホール36が形成される方向から入射する音波に対して無感度となる指向性を得ることができる。これによって、上述した実施形態と同様の効果を得ることができる。
[変形例4]
上述した実施形態では、ボディ12の表板20にサウンドホール36が設けられた弦楽器10に対する適用例について説明したが、弦楽器の種類によっては、例えば図9に示すように、サウンドホール36が、ボディ12の表板20ではなく側板22に設けられているものもある。このような構成を有する弦楽器10においても、無感度面Pがサウンドホール36(好ましくは、サウンドホール36の中心部)を通過するように各コンデンサマイク42A、42Bを配置することによって、サウンドホール36から到達する音波に対してのみ無感度となる指向性を得ることができる。
なお、上述した変形例3のように、図9に示した無感度面Pは、一対の無指向性マイクに限らず、1つの双指向性マイクによって形成可能であることはいうまでもない。
[変形例5]
上述した実施形態では、アコースティックギターについての本発明の適用例を説明したが、例えば、クラシックギター、ウクレレなどのサウンドホールが1つの弦楽器に本発明を好ましく適用することが可能である。また、サウンドホールが複数あっても近接しているか、無感度面上に複数のサウンドホールを配置可能な弦楽器にも本発明を適用することができる。
<他の発明>
次に、他の発明について説明する。図10は、他の発明が適用された弦楽器の構成例を示した外観図である。図10中、図1と共通又は類似する部材には同一の番号を付して、その説明を省略する。
図10に示すように、本実施形態では、ボディ12の内部には筒状遮音板60が取り付けられている。筒状遮音板60は、サウンドホール36の内径よりもやや大きな内径を有し、ボディ12の内部においてサウンドホール36の周りを取り囲むように構成され、ボディ12の内部に配置されるマイク装置40を外部音から隔離する。このようにマイク装置40に外部音が直接届かないように構成することで、マイク装置40として無指向性マイクを単体で使用することが可能となる。
本実施形態によれば、サウンドホール36からマイク装置40に至る外部音の入射経路の途中に筒状遮音板60が設けられるので、サウンドホール36から入射する外部音がマイク装置40に直接到達せず、筒状遮音板60で反射を何回か繰り返して十分に減衰した後にマイク装置40に到達するので、ハウリングの影響を抑えることが可能となる。
本実施形態では、筒状遮音板60の内側、すなわち外部音の入力側に吸音材が貼付されていることが好ましい。この態様によれば、吸音材によって外部音が吸収されるので、ハウリングの影響をより効果的に抑えることが可能となる。
また、本実施形態では、ボディ12の内部に筒状遮音板60を取り付けた構成を示したが、ボディ12の内部にサウンドホール36とマイク装置40との間を隔離する遮音部材が設けられていればよく、その形状は筒状に限定されるものではない。例えば、板状や湾曲状、或いは、複数折り曲げられた蛇腹状など各種形状の遮音板を取り付けてもよい。
なお、他の発明が適用することが可能な弦楽器としては、アコースティックギター、クラシックギター、ウクレレはもちろんのこと、バイオリン、マンドリン、チェロ、ビオラ、コントラバスなどのサウンドホールが複数ある弦楽器にも適用することができる。
(付記)
上記に詳述した実施形態についての記載から把握されるとおり、本明細書では以下に示す発明を含む多様な技術思想の開示を含んでいる。
(付記1)中空状に形成されたボディと、前記ボディに形成されたサウンドホールと、前記ボディに一端が取り付けられたネックと、前記ネックの他端に取り付けられたヘッドと、前記ヘッド及び前記ボディの間に張架された弦とを備える弦楽器に適用される集音装置であって、前記弦の振動により前記ボディの内部空間で共鳴する楽音を集音し、当該楽音に基づく楽音信号を生成して出力する楽音検出手段を備え、前記楽音検出手段は、前記サウンドホールが形成される方向に対して感度を有しないことを特徴とする集音装置。
(付記2)前記楽音検出手段は、前記ボディの内部空間に所定の間隔をあけて配置された一対の集音手段と、前記サウンドホールが形成される方向から入射する音波に対する前記一対の集音手段の出力信号が互いに打ち消されるように信号処理を行う信号処理手段と、を備えることを特徴とする付記1に記載の集音装置。
(付記3)前記一対の集音手段は、前記サウンドホールが形成される方向から入射する音波を同位相でとらえる一対の無指向性マイクロホンからなり、前記信号処理手段は、前記一対の無指向性マイクロホンの出力信号を相互に減算する減算手段を有することを特徴とする付記2に記載の集音装置。
(付記4)前記一対の集音手段は、前記サウンドホールが形成される方向から入射する音波を逆位相でとらえる一対の無指向性マイクロホンからなり、前記信号処理手段は、前記一対の無指向性マイクロホンの出力信号を相互に加算する加算手段を有することを特徴とする付記2に記載の集音装置。
(付記5)前記楽音検出手段は、前記サウンドホールが形成される方向に対して直交する方向に指向軸を有する双指向性マイクロホンを備えることを特徴とする付記1に記載の集音装置。
(付記6)中空状に形成されたボディと、前記ボディに形成されたサウンドホールと、前記ボディに一端が取り付けられたネックと、前記ネックの他端に取り付けられたヘッドと、前記ヘッド及び前記ボディの間に張架された弦と、付記1〜5のいずれか1項に記載の集音装置と、を備えることを特徴とする弦楽器。
10…弦楽器、12…ボディ、14…ネック、16…ヘッド、18…弦、20…表板、36…サウンドホール、40…マイク装置、42A、42B…コンデンサマイク、46…信号処理部、50…減算器、52…プリアンプ、54…外部音響装置、56…反転器、58…加算器、60…筒状遮蔽板

Claims (4)

  1. 中空状に形成されたボディと、前記ボディに形成されたサウンドホールと、前記ボディに一端が取り付けられたネックと、前記ネックの他端に取り付けられたヘッドと、前記ヘッド及び前記ボディの間に張架された弦と、を備える弦楽器であって、
    前記弦の振動により前記ボディの内部空間で共鳴する楽音を集音し、当該楽音に基づく楽音信号を生成して出力する楽音検出手段であって、前記サウンドホールが形成される方向に対して感度を有しない楽音検出手段を備え、
    前記楽音検出手段は、前記ボディの内部空間に所定の間隔をあけて配置された一対の無指向性マイクロホンを有し、
    前記一対の無指向性マイクロホンから等距離の位置に無感度面が形成され、
    前記無感度面は、前記サウンドホールが形成される面に対して垂直であり、かつ前記サウンドホールを通過するように構成されることを特徴とする弦楽器。
  2. 中空状に形成されたボディと、前記ボディに形成されたサウンドホールと、前記ボディに一端が取り付けられたネックと、前記ネックの他端に取り付けられたヘッドと、前記ヘッド及び前記ボディの間に張架された弦と、を備える弦楽器であって、
    前記弦の振動により前記ボディの内部空間で共鳴する楽音を集音し、当該楽音に基づく楽音信号を生成して出力する楽音検出手段であって、前記サウンドホールが形成される方向に対して感度を有しない楽音検出手段を備え、
    前記楽音検出手段は、前記ボディの内部空間に所定の間隔をあけて配置された一対の無指向性マイクロホンを有し、
    前記サウンドホールを通り前記サウンドホールが形成される面に対して垂直な面を基準面としたとき、前記一対の無指向性マイクロホンは、前記基準面に対して垂直な方向であって前記基準面を挟んで対向する位置に配置され、かつ前記基準面から互いに等距離の位置に配置されることを特徴とする弦楽器。
  3. 前記楽音検出手段は、前記サウンドホールが形成される方向から入射する音波に対する前記一対の無指向性マイクロホンの出力信号が互いに打ち消されるように信号処理を行う信号処理手段を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の弦楽器。
  4. 前記一対の無指向性マイクロホンは、前記ボディの内部空間であって前記ネック側とは反対側のエンド部または前記ネック側のヒール部に取り付けられることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の弦楽器。
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