JP2009139730A - 楽音信号出力装置および弦楽器 - Google Patents

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Abstract

【課題】1台の弦楽器をアコースティックモードとピックアップモードの両方で演奏することを可能にし、両演奏モード間で演奏音の音質に違いが生じないようにするとともに、さらに、ピックアップモードでの演奏の際には楽器本体からの演奏音の消音化を可能にする。
【解決手段】弦楽器2Aのサウンドホールに装着される遮蔽部材10Aと、弦の振動により生じた音を検出してその波形を表す楽音信号を出力する楽音検出手段、遮蔽部材10Aがサウンドホールに装着されていることを検知する検知手段、および、遮蔽部材10Aが装着されている状態とそうでない状態との伝達経路の差を補償する信号処理を上記楽音信号に施してサウンドシステムへ出力する信号処理手段を含む電子回路部11とを有し、遮蔽部材10Aの装着が検知手段によって検知された場合に上記信号処理を実行する楽音信号出力装置1Aを提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、時と場所、場合にあった態様で楽器演奏を行うことを可能にする技術に関する。
一般に、アコースティックギターなどの撥弦楽器やバイオリンなどの擦弦楽器は、弦の振動に共鳴する中空状の胴体部を有している。この中空状の胴体部は、充分な音量の演奏音を得るためのものであり、上記共鳴により生じた音を放射するための開口部(アコースティックギターのサウンドホールやバイオリンのf字孔など)を有している。以下、本出願では上記撥弦楽器や上記擦弦楽器を単に「弦楽器」と呼び、上記役割を担う開口部のことを「サウンドホール」と呼ぶ。
ところで、コンサートホールなどの広い空間で弦楽器の演奏を行う際には、その胴体部の共鳴による演奏音では音量が不充分な場合がある。そこで、弦振動を電気信号(楽音信号)に変換してライン出力するピックアップ(例えば、特許文献1参照)を演奏対象の弦楽器に装着したり、サウンドホール近傍にマイクロホンを配置し、それらピックアップやマイクロホンからライン出力される楽音信号をアンプなどにより電気的に増幅した後に音として出力することが提案されている。また、ピックアップ等を予め内蔵したもの(所謂エレクトリックアコースティックギター)や、ライン出力される楽音信号による演奏のみが可能なもの(所謂サイレントギター:非特許文献1参照)も一般に市販されている。サイレントギターにおいては、演奏音が楽器本体から放射されることはないため、ライン出力される楽音信号をヘッドホンに与えるなどして消音化すれば、夜間などにおいても周囲の人々に迷惑をかけることなく演奏練習を行うことが可能である。
特開平09−106287号公報 "サイレントギターSLG100S"、[online]、 ヤマハ、インターネット <URL:http://yamaha.jp/product/guitars-basses/ silentguitars/slg100s/specification/>
このように、弦楽器の演奏態様には、サウンドホールからの放射音による演奏態様(以下、アコースティックモード)とピックアップ等によりライン出力される楽音信号による演奏態様(以下、ピックアップモード)の2つがあり、時と場所、場合に応じて両者を適宜切り換えて演奏することができると便利である。
しかし、アコースティックギターにピックアップを装着する態様やエレクトリックアコースティックギターにおいては、アコースティックモードでの演奏音とピックアップモードでの演奏音で音質に違いが生じる場合がある。これは両演奏モードで演奏音の伝達経路が異なる(例えば、サウンドホールからの放射音には、そのサウンドホールや胴体部の形状等に応じた音響特性が反映されている一方、ピックアップによりライン出力される楽音信号にはそのような音響特性は反映されていないなど)からである。サウンドホールからの放射音をマイクロホンで収音する態様では、両演奏モード間で音質に違いはないものの、他の外部音(例えば、アンプにより増幅されてコンサートホール内に出力される演奏音など)が上記マイクロホンによって収音され、ハウリングが生じ易いといった問題がある。さらに、これらの態様においては、ピックアップモードにおいてもサウンドホールから演奏音が放射されるため、前述したサイレントギターのような消音化は困難である。
本発明は以上に説明した課題に鑑みて為されたものであり、1台の弦楽器をアコースティックモードとピックアップモードの両方で演奏することを可能にし、両演奏モード間で演奏音の音質に違いが生じないようにするとともに、ピックアップモードでの演奏の際にはサウンドホールから放射される演奏音を消音化することを可能にする技術を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため本発明は、弦楽器の中空状の胴体部に設けられているサウンドホールを覆う遮蔽部材と、前記弦楽器の弦の振動、またはその振動に前記胴体部が共鳴することにより生じる音を検出し、当該振動または当該音の波形を示す楽音信号を出力する楽音検出手段と、前記サウンドホールが前記遮蔽部材により覆われていない状態の演奏音の伝達経路と覆われている状態の演奏音の伝達経路の差を補償する信号処理を前記楽音信号に施して出力する信号処理手段とを有することを特徴とする楽音信号出力装置、を提供する。
このような楽音信号出力装置によれば、アコースティックモードとピックアップモードの2つの演奏モードを適宜切り換えて弦楽器を演奏することが可能になる。例えば、ピックアップモードで演奏する際には上記遮蔽部材でその弦楽器のサウンドホールを覆い、演奏操作に応じて上記信号処理手段から出力される楽音信号をサウンドシステムに与えるようにすれば良い。一方、アコースティックモードで演奏する際には、上記遮蔽部材でサウンドホールを覆わず、そのサウンドホールからの放射音で演奏を行えば良い。加えて、上記楽音信号出力装置の信号処理手段から出力される楽音信号には、サウンドホールが遮蔽部材により覆われていない状態の演奏音の伝達経路と覆われている状態の演奏音の伝達経路の差を補償する信号処理が施されているため、ピックアップモードでの演奏とアコースティックモードでの演奏とで音質に違いが生じることはない。また、上記楽音信号出力装置を用いて上記弦楽器をピックアップモードで演奏する際には、その楽音信号処理装置の遮蔽部材によって上記弦楽器のサウンドホールが覆われるため、そのサウンドホールからの音の放射が抑止される。
より好ましい態様においては、上記楽音信号出力装置の前記遮蔽部材は、前記サウンドホールに着脱自在な蓋状部材であり、前記遮蔽部材には、その遮蔽部材を前記サウンドホールへ装着した場合に前記弦楽器の胴体部内の空間に向う面に、前記楽音検出手段と前記信号処理手段とが配置されていることを特徴とする。このような態様の楽音信号出力装置によれば、当該楽音信号出力装置を弦楽器のサウンドホールへ装着することによってその弦楽器をピックアップモードで演奏することが可能になる。また、上記楽音信号出力装置が弦楽器のサウンドホールへ装着された状態では、その楽音信号出力装置の楽音検出手段は、上記弦楽器の胴体部と上記遮蔽部材とによって上記弦楽器の外部の空間から隔離される。このため、上記楽音検出手段をマイクロホンで構成した場合であっても、他の外部音がその楽音検出手段によって検出されることが回避され、ハウリングの発生が回避される。
また、別の好ましい態様の楽音信号出力装置においては、前記遮蔽部材により前記サウンドホールが覆われていることを検知する検知手段を備え、前記遮蔽部材により前記サウンドホールが覆われていることが前記検知手段により検知されている場合に、前記信号処理手段により生成された楽音信号を出力することを特徴とする。このような態様の楽音信号出力装置によれば、遮蔽部材によって弦楽器のサウンドホールを覆うか否かに連動させて上記2つの演奏モードの切り替えを行うことが可能になる。
また本発明の別の態様においては、サウンドホールが設けられた中空状の胴体部と上記各楽音信号出力装置の何れか1つを含むことを特徴とする弦楽器、を提供する。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
(A:第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る楽音信号出力装置1Aを備えた弦楽器2Aの概観図である。この弦楽器2Aは、前述したアコースティックモードとピックアップモードの2つの演奏モードを切り換えて演奏することが可能な弦楽器である。図1に示すように、弦楽器2Aは、アコースティックギターを模したものであり、弦の振動に共鳴する中空状の胴体部20を有している。この胴体部20には、弦の振動に共鳴して生じた音を放射するためのサウンドホールが設けられている。このサウンドホールから放射される音は、アコースティックモードでの演奏音の役割を担う。図1に示すように弦楽器2Aのサウンドホール周辺には、図中矢印方向に回動自在にねじ止めされた長方形状の固定具21が合計4個設けられている。これら固定具21は、サウンドホールに装着される遮蔽部材10Aが脱落することを防止するためのものである。
一方、楽音信号出力装置1Aは、弦楽器2Aをピックアップモードで演奏することを可能にするためのものである。この楽音信号出力装置1Aの構成は、胴体部20のサウンドホールに着脱自在な蓋状に形成された遮蔽部材10Aと、ピックアップモードにおける演奏音を示す楽音信号を生成して出力する電子回路部11とに大別される。電子回路部11は、胴体部20のサウンドホール近傍に内蔵されており、胴体部20には、電子回路部11により生成した楽音信号を弦楽器2Aの外部へ出力するための外部出力端子110が設けられている。この外部出力端子110には、アンプやスピーカを含んだサウンドシステム(図示省略)が接続される。外部出力端子110から出力される楽音信号に応じた音を上記サウンドシステムに出力させることによって、ピックアップモードにおける演奏音が音として出力されるのである。
図2は、電子回路部11の構成例を示すブロック図である。
図2に示すように、電子回路部11は、前述した外部出力端子110の他に、楽音検出手段120、検知手段130、スイッチ140および信号処理手段150を含んでいる。楽音検出手段120は、例えばマイクロホンである。この楽音検出手段120は、楽音信号出力装置1Aが内蔵される弦楽器2Aの演奏音をその胴体部20内で検出(収音)し、その演奏音の波形を示すアナログ形式の楽音信号を出力する。
検知手段130は、楽音検出手段120から信号処理手段150へ至る経路に設けられたスイッチ140のオン/オフ制御を行う。本実施形態では、検知手段130は、遮蔽部材10Aが弦楽器2Aのサウンドホールに装着されたこと(すなわち、遮蔽部材10Aによってサウンドホールが覆われたこと)を検知した場合に、スイッチ140をオン状態にし、逆に、遮蔽部材10Aが上記サウンドホールに装着されていないことを検知した場合には、スイッチ140をオフ状態にする。ここで、遮蔽部材10Aが装着されているか否かを検知する方法は機械的な方法であっても良く、電磁的な方法であっても良い。スイッチ140がオン状態になると、楽音検出手段120から出力される楽音信号が信号処理手段150に与えられる。
信号処理手段150は、図2に示すように、A/D変換器151、DSP(Digital
Signal Processor)152、および、D/A変換器153を含んでいる。A/D変換器151は、楽音検出手段120から与えられる楽音信号にA/D変換を施し、その変換結果である楽音データをDSP152に与える。DSP152は、与えられた楽音データに所定の信号処理を施し、その処理結果である楽音データをD/A変換器153に与える。このDSP152が実行する信号処理の処理内容については後に明らかにする。D/A変換器153は、与えられた楽音データにD/A変換を施し、その変換結果である楽音信号を出力する。図2に示すようにD/A変換器153には、外部出力端子110が接続されている。
つまり、本実施形態では、遮蔽部材10Aがサウンドホールに装着されると、その旨が検知手段130によって検知され、スイッチ140がオン状態にされる。これにより、弦楽器2Aの演奏モードがピックアップモードに切り換えられる。そして、この状態で弦楽器2Aの演奏が行われると、弦楽器2Aの胴体部20内で検出される演奏音に所定の信号処理を施してライン出力する処理が信号処理手段150によって行われる。このため、弦楽器2Aのピックアップモードにおける演奏音の音響特性は、従来のピックアップモードにおける演奏音に比較して上記信号処理により付与される音響特性の分だけ異なったものになる。
次いで、DSP152が実行する信号処理について説明する。
この信号処理は、サウンドホールが遮蔽部材10により覆われていない状態の演奏音の伝達経路と覆われている状態の演奏音の伝達経路の差を補償する処理である。サウンドホールを遮蔽部材10Aで覆った状態と覆っていない状態とでは胴体部20の音響特性が異なり、共鳴音の音響特性も異なったものになる。そこで、本実施形態では、サウンドホールが遮蔽部材10により覆われている状態の弦楽器2Aの演奏音(すなわち、A/D変換器151から与えられる楽音データの表す演奏音)の音響特性を、サウンドホールが遮蔽部材10により覆われていない状態の弦楽器2Aの演奏音(すなわち、サウンドホールからの放射音)の音響特性に近づけるために、この信号処理が行われる。この信号処理の具体的な処理内容としては、例えば、低音域を増強するフィルタ処理や、物理音源シミュレーションによりサウンドホールからの放射音を表す楽音データに変換する処理、サウンドホールを塞いだために変化した音響特性を補正するための収音された信号の処理等が挙げられる。このような信号処理がDSP152によって施される結果、外部出力端子110を介して与えられる楽音信号に応じてサウンドシステムが出力する演奏音の音質はアコースティックモードにおける演奏音の音質と略同一になる。
以上説明したように本実施形態に係る弦楽器2Aを演奏する際には、サウンドホールに遮蔽部材10Aを装着するか否かによって演奏モードの切り換えを行うことができ、また、両演奏モード間で演奏音の音質に違いが生じないようにすることができる。加えて、本実施形態に係る弦楽器2Aをピックアップモードで演奏する際には、その弦楽器2Aのサウンドホールが遮蔽部材10Aによって覆われているため、そのサウンドホールからの演奏音の放射が抑止される。また、遮蔽部材10Aをサウンドホールに装着した状態では、弦楽器2Aの胴体部20と遮蔽部材10Aとによって楽音検出手段120が外部音から隔離され、ハウリングの発生も抑止される。
(B:第2実施形態)
図3は、本発明の第2実施形態に係る楽音信号出力装置1Bを含む弦楽器2Bの要部とその使用形態を説明するための図である。図3では、第1実施形態におけるものと同一の構成要素には同一の符号が付されている。図3(A)に示すように楽音信号出力装置1Bは、遮蔽部材10Bと電子回路部11とを含んでいる。図3(A)に示すように、本実施形態の遮蔽部材10Bは、レール状の固定具22によって挟持されつつ図中矢印Y方向に開閉自在なシャッター状部材である。図3(B)に示すように遮蔽部材10Bを閉じてサウンドホールを覆えば、ピックアップモードでの演奏においてサウンドホールからの放射音が消音化されること、および、楽音検出手段120が外部音から遮断されハウリングの発生が回避されることは前述した第1実施形態の場合と同様である。加えて、本実施形態ではサウンドホールを覆うための遮蔽部材10Bを弦楽器2Bの胴体部20に装着されるシャッター状部材で構成したため、演奏操作中に脱落する虞がなく、また、蓋状部材である遮蔽部材10Aを弦を避けつつサウンドホールに装着する場合に比較してその開閉が楽である、といった特徴がある。
また、本第2実施形態に係る楽音信号出力装置の電気的な構成は、前述した楽音信号出力装置1Aの電気的な構成と同一であり、サウンドホールが遮蔽部材10Bにより覆われていない状態の演奏音の伝達経路と覆われている状態の演奏音の伝達経路の差を補償する信号処理が信号処理手段150によって実行される。このため、本第2実施形態においても、ピックアップモードにてサウンドシステムから出力される演奏音の音質がアコースティックモードにてサウンドホールから放射される演奏音の音質と略同一になる。このように、本第2実施形態によっても、アコースティックモードとピックアップモードとを切り換えて弦楽器2Bを演奏することが可能になるとともに、両演奏モード間で演奏音の音質に違いが生じないようにし、さらに、ピックアップモードでの演奏の際にはサウンドホールからの放射音を消音化することが可能になる。なお、この第2実施形態においては、遮蔽部材10の開閉を検知しその検知結果に応じてスイッチ140のオン/オフ制御を行う処理を検知手段130に実行させるようにすれば良い。
(C:第3実施形態)
次いで、本発明の第3実施形態について説明する。
以上に説明した第1および第2実施形態では、本発明の特徴である信号処理を実行するための電子回路部11を弦楽器の胴体部に内蔵したが、この第3実施形態では、遮蔽部材10Cと電子回路部11とを一体化して楽音信号出力装置1Cを構成したことに特徴がある。
図4(A)は本第3実施形態に係る楽音信号出力装置1Cの概観を示す図であり、図4(B)および図4(C)その使用態様を示す図であり、図4(D)は図4(C)のXX´線における断面を示す図である。図1(B)〜(D)に示すように、この楽音信号出力装置1Cは、弦楽器2Cのサウンドホールに装着して使用される。楽音信号出力装置1Cが装着される弦楽器2Cの構成は、サウンドホール周辺に前述した固定具21が設けられていることを除いて、一般的なアコースティックギターの構成と同一である。したがって、弦楽器2Cをアコースティックモードで演奏する際には、そのサウンドホールに楽音信号出力装置1Cを装着せずにその演奏を行えば良い。
遮蔽部材10Cは、前述した第1実施形態における遮蔽部材10Aと同様に弦楽器2Cのサウンドホールを覆う形状および大きさに成形された蓋状部材である。図1(D)に示すように、遮蔽部材10Cの底面(すなわち、遮蔽部材10Cを弦楽器2Cのサウンドホールに装着した際にその胴体部20内の空間に対向する面)には、電子回路部11が設けられている。一方、遮蔽部材10Cの平面には、外部出力端子110が設けられている。このような構成としたため、楽音信号出力装置1Cを装着した状態で弦楽器2Cの演奏が行われると、弦振動に応じて弦楽器2Cの胴体内に鳴り響く共鳴音が楽音検出手段120により検出され、その波形を示す楽音信号が信号処理手段150に与えられる。以降、信号処理手段150によって、サウンドホールが遮蔽部材10Cにより覆われていない状態の演奏音の伝達経路と覆われている状態の演奏音の伝達経路の差を補償する信号処理が実行され、その処理結果である楽音信号が外部出力端子110を介してサウンドシステム(図示省略)に与えられる。したがって、本第3実施形態においても、弦楽器2Cをピックアップモードで演奏する際の演奏音の音質とアコースティックモードで演奏する際の音質に違いが生じないようにすることが可能になる。
加えて、本実施形態に係る楽音信号出力装置1Cを用いて弦楽器2Cをピックアップモードで演奏する際には、弦楽器2Cのサウンドホールが遮蔽部材10Cによって覆われているため、そのサウンドホールからの演奏音の放射が抑止される。また、楽音信号出力装置1Cをサウンドホールに装着した状態では、弦楽器2Cの胴体部20と遮蔽部材10Cとによって楽音検出手段120が外部音から隔離され、ハウリングの発生も抑止される。
(D:その他の実施形態)
以上本発明の各実施形態について説明したが、以下のように変形しても良いことは勿論である。
(1)上述した各実施形態では、アコースティックギターについての本発明の適用例を説明したが、例えばバイオリンやチェロ、コントラバスなど他の弦楽器についても本発明を適用することは可能である。ただし、バイオリンやチェロ、コントラバスなどにおいては、サウンドホール(所謂f字孔)が小さく、また、その形状も特殊であるため、そのサウンドホールを覆う蓋状の遮蔽部材の底面に電子回路部11を配置できない場合もある。このようにサウンドホールの大きさや形状に起因した制約によって、遮蔽部材の底面に電子回路部11を設置できない場合には、前述した第1または第2実施形態を採用すれば良い。
(2)上述した各実施形態では、弦振動に応じて弦楽器の胴体内に生じる共鳴音を収音するマイクロホンで楽音検出手段120を構成した。しかし、マグネティックピックアップやピエゾピックアップなど弦の振動を検出しその検出結果に応じた電気信号(すなわち、弦の振動波形を示す電気信号)を出力するピックアップで楽音検出手段120を構成しても勿論良い。例えば、前述した第1および第2実施形態において楽音検出手段120をピックアップで構成する場合には、一般的なエレクトリックアコースティックギターなどと同様に弦を保持する駒(ブリッジ)にそれらピックアップを設けておけば良い。また、第3実施形態において楽音検出手段120をピックアップで構成する場合には、楽音検出手段120を遮蔽部材10Cの上面に配置するようにすれば良い。このような態様においては楽音検出手段120が外部音から隔離されることはないが、ピックアップで楽音検出手段120を構成する態様においては、マイクロホンにより楽音検出手段120を構成する場合に比較して外部音による影響が小さいため、特段の問題が生じることはない。
(3)上述した各実施形態では、スイッチ140を楽音検出手段120から信号処理手段150へ至る経路に設けたが、信号処理手段150から外部出力端子110へ至る経路に設けても良く、A/D変換器151からDSP152へ至る経路やDSP152からD/A変換器153へ至る経路に設けても良い。また、楽音検出手段120や信号処理手段150へ駆動電力を供給する電源からこれら各手段へ至る経路へスイッチ140を設けても良い。要は、遮蔽部材によりサウンドホールが覆われていることが検知された場合に、サウンドホールが覆われていない状態との伝達経路の差を補償する信号処理が施された楽音信号が出力される態様であれば良い。
(4)上述した各実施形態では、遮蔽部材によって弦楽器のサウンドホールが覆われているか否かを検知する検知手段130によってスイッチ140のオン/オフ制御を行ったが、スイッチ140のオン/オフ制御を行うための操作子を有する操作部を検知手段130の代わりに設け、この操作子を利用者に操作させることによってスイッチ140のオン/オフ制御を行っても良い。
本発明の第1実施形態に係る楽音信号出力装置1Aの概観図である。 同楽音信号出力装置1Aの電子回路部11な構成を説明するための図である。 本発明の第2実施形態に係る楽音信号出力装置1Bの要部およびその使用態様を示す図である。 本発明の第3実施形態に係る楽音信号出力装置1Cの構成およびその使用態様を示す図である。
符号の説明
1A,1B,1C…楽音信号出力装置、2A,2B,2C…弦楽器、10A,10B…遮蔽部材、11…電子回路部、110…外部出力端子、120…楽音検出手段、130…検知手段、140…スイッチ、150…信号処理手段、151…A/D変換器、152…DSP、153…D/A変換器、20…胴体部、21,22…固定具。

Claims (4)

  1. 弦楽器の中空状の胴体部に設けられているサウンドホールを覆う遮蔽部材と、
    前記弦楽器の弦の振動、またはその振動に前記胴体部が共鳴することにより生じる音を検出し、当該振動または当該音の波形を示す楽音信号を出力する楽音検出手段と、
    前記サウンドホールが前記遮蔽部材により覆われていない状態の演奏音の伝達経路と覆われている状態の演奏音の伝達経路の差を補償する信号処理を前記楽音信号に施して出力する信号処理手段と、
    を有することを特徴とする楽音信号出力装置。
  2. 前記遮蔽部材は、前記サウンドホールに着脱自在な蓋状部材であり、
    前記遮蔽部材には、その遮蔽部材を前記サウンドホールへ装着した場合に前記弦楽器の胴体部内の空間に向う面に、前記楽音検出手段と前記信号処理手段とが配置されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の楽音信号出力装置。
  3. 前記遮蔽部材により前記サウンドホールが覆われていることを検知する検知手段を備え、
    前記遮蔽部材により前記サウンドホールが覆われていることが前記検知手段により検知されている場合に、前記信号処理手段により生成された楽音信号を出力する
    ことを特徴とする請求項1に記載の楽音信号出力装置。
  4. サウンドホールが設けられた中空状の胴体部と、請求項1から3の何れか1に記載の楽音信号出力装置と、を有することを特徴とする弦楽器。
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