JP2016109988A - 楽器用ピックアップ及び楽器 - Google Patents

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智矢 宮田
Tomoya Miyata
智矢 宮田
邦夫 樋山
Kunio Hiyama
邦夫 樋山
琢 永井
Migaku Nagai
琢 永井
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Abstract

【課題】異なる周波数特性を有し、かつ位相差の小さい信号を容易かつ確実に検出する楽器用ピックアップ及び楽器を提供する。
【解決手段】楽器用ピックアップ31は、重ね合わされる複数の圧電素子22,23を備え、複数の圧電素子のうち少なくとも一対の圧電素子22,23の特性が相違する。特性は共振周波数である。特性は剛性である。一対の圧電素子間に積層される中間層32をさらに備えるとよい。
【選択図】図4

Description

本発明は、楽器用ピックアップ及び楽器に関する。
従来、弦の振動を電気信号に変換して出力するエレクトリックアコースティックギター等の弦楽器が存在している。このような弦楽器は、一般に響板を有する中空状のボディと、この響板の表面に設けられるブリッジと、複数の弦を支持するサドルとを備える。また、前記ブリッジは、響板の裏面に設けられるプレートと響板を挟んで連結されることによって響板の表面に固定される。このような弦楽器は、弦の振動がボディに伝わって共鳴することによって演奏音を放音可能に構成されている。
また、このような弦楽器は、弦の振動を電気信号に変換して出力するためのピックアップを備えている。このようなピックアップは、圧電素子を有し、例えば前記サドルの裏面や前記プレートの裏面に配置される。このような弦楽器は、前記圧電素子によって弦の振動を検出して電気信号に変換した上、この電気信号がリード線を通してアンプに伝達されて増幅されることで演奏音を放音可能とされている。
このような弦楽器に設けられるピックアップとしては、例えば特開2010−224570号公報に開示される弦楽器が発案されている。この弦楽器は、響板の表面に設けられるブリッジと、響板の裏面に設けられこの響板を挟んでブリッジと連結されるプレートとを備え、このプレートの裏面にピックアップが固定されている。前記ピックアップは、接着層とこの接着層の裏面側に積層される圧電素子とを有し、前記接着層によってプレートの裏面に接着される。また、前記ピックアップは、前記接着層が、同一材料からなる表面側接着層及び裏面側接着層と、前記表面側接着層及び裏面側接着層の間に配置され、前記表面側接着層及び裏面側接着層とは異なる材料からなる中間層とを有する。この弦楽器は、前記中間層によって、前記表面側接着層及び裏面側接着層とは異なる周波数帯域における減衰効果が得られるため、周波数帯域の相違に基づく出力レベルの変化を抑制し、演奏音の音色や音質の向上を図ることができる。
しかしながら、この弦楽器は、前述のように周波数帯域の相違に基づく出力レベルの変化を抑制することができるものの、異なる周波数特性の信号を検出することはできず、演奏音の音色を変化することはできない。また、この弦楽器は、弦の配置に基づいて複数の圧電素子が設けられるため、複数の圧電素子の位相差(応答時間差)の調整や、貼り付け位置の調整が困難である。そのため、この弦楽器は、複数の圧電素子の貼り付け位置の調整に一定の専門知識が必要とされ、ピックアップのみを購入して既存の弦楽器に後付で取り付けるのに困難を伴うという不都合を有する。
また、前記弦楽器に設けられるピックアップとしては、サドルの裏面に設けられ、各弦毎に対応する圧電素子を備えるピエゾピックアップも存在している。このピエゾピックアップは、各弦に対応する圧電素子を備えるので、各弦の振動をより正確に検出することができる。その結果、このピエゾピックアップは、各弦の振動をより立ち上がり早く、かつ感度よく検出することができる。
しかしながら、このピエゾピックアップは、セラミックから構成されるピエゾ素子を用いているため、ピエゾ素子の応答特性が際立った演奏音となるおそれが高い。つまり、このピエゾピックアップは、振動応答時に極端に大きな音が出力されるおそれが高く、アタックが強調された音となり、弦本来の振動に基づく余韻感を含んだ音を発し難いという不都合を有する。
特開2010−224570号公報
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、異なる周波数特性を有し、かつ位相差の小さい信号を容易かつ確実に検出することができる楽器用ピックアップ及び楽器を提供することにある。
前記課題を解決するためになされた本発明は、重ね合わされる複数の圧電素子を備え、前記複数の圧電素子のうち少なくとも一対の圧電素子の特性が相違する楽器用ピックアップである。
当該楽器用ピックアップは、少なくとも一対の圧電素子の特性が相違するので、これら一対の圧電素子により周波数特性の異なる信号を容易かつ確実に検出することができる。そのため、当該楽器用ピックアップは、特定の応答特性のみが際立つような信号が出力されるのを防止することができる。また、当該楽器用ピックアップは、これら一対の圧電素子が重ね合わされているので、一対の圧電素子により検出される信号の位相差が小さい。そのため、当該楽器用ピックアップは、従来の楽器用ピックアップのような取付位置の調整の困難性を低減することができる。さらに、当該楽器用ピックアップは、複数の圧電素子が重ね合わされているので、複数の圧電素子を小スペースに設置することができ、振動の伝達が阻害されるのを抑制することができると共に、複数の圧電素子の設置の容易化を促進することができる。
前記特性が共振周波数であるとよい。このように、前記特性が共振周波数であることによって、特定の応答特性のみが際立つような信号が出力されるのを容易かつ確実に防止することができる。
前記特性が剛性であるとよい。このように、前記特性が剛性であることによって、特定の応答特性のみが際立つような信号が出力されるのを容易かつ確実に防止することができる。
前記一対の圧電素子間に積層される中間層をさらに備えるとよい。このように、前記一対の圧電素子間に積層される中間層をさらに備えることによって、前記一対の圧電素子のうち、一方の圧電素子の変形形状に追従して他方の圧電素子が変形するのを抑制することができる。また、かかる構成によると、前記中間層によって演奏音をチューニングすることができる。
また、前記課題を解決するためになされた本発明は、当該楽器用ピックアップを備える楽器である。
当該楽器は、前述の構成を有する当該楽器用ピックアップを備えるので、一対の圧電素子により周波数特性の異なる信号を容易かつ確実に検出することができる。そのため、当該楽器は、特定の応答特性のみが際立つような信号が出力されるのを防止することができる。また、当該楽器は、前記一対の圧電素子が重ね合わされているので、これら一対の圧電素子によって検出される信号の位相差が小さい。そのため、当該楽器は、従来の楽器のようなピックアップの取付位置の調整の困難性の問題を低減することができる。さらに、当該楽器は、複数の圧電素子が重ね合わされているので、複数の圧電素子を小スペースに設置することができ、当該楽器用ピックアップに起因して振動の伝達が阻害されるのを抑制することができると共に、複数の圧電素子を容易に設置することができる。
なお、本発明において、「特性」とは、検出する信号の周波数特性に影響を及ぼす特性を意味する。
以上説明したように、本発明の楽器用ピックアップ及び楽器は、異なる周波数特性を有し、かつ位相差の小さい信号を容易かつ確実に検出することができる。
本発明の第一実施形態に係る弦楽器を示す模式的斜視図である。 図1の弦楽器の響板の内面側を示す模式的平面図である。 図1の弦楽器の弦楽器用ピックアップを示す模式的断面図である。 図3の弦楽器用ピックアップとは異なる実施形態に係る弦楽器用ピックアップを示す模式的断面図である。
以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の実施の形態を詳説する。
[第一実施形態]
<弦楽器>
図1及び図2の弦楽器1は、響板2を有する中空状のボディ3と、響板2の表面側に設けられ複数の弦4を支持するブリッジ5と、ブリッジ5の表面に設けられるサドル6と、ボディ3に連結され、響板2の一端側から延出するネック7と、ネック7の一端側に設けられるヘッド8とを主として備える。複数の弦4は、ヘッド8に設けられる複数のペグ9に一端側が巻きつけられて係止され、かつ他端側がサドル6を介してブリッジ5に支持された上、複数のピン10に係止されている。また、響板2は、ネック7の他端とブリッジ5との間に響孔11を有する。
図2に示すように、響板2の内面には、複数の響棒12が付設されている。また、響板2の内面には、響板2を挟んでブリッジ5と対向する位置に配置されるプレート13と、響板2の強度を補強するための補強板14とが設けられている。さらに、プレート13の裏面には弦楽器用ピックアップ21が設けられている。弦楽器1は、弦4の振動を弦楽器用ピックアップ21によって電気信号に変換して出力するエレクトリックアコースティックギターとして構成されている。
(弦楽器用ピックアップ)
弦楽器用ピックアップ21は、図3に示すように、重ね合わされる一対の圧電素子22、23を備え、一対の圧電素子22、23の特性が相違する。弦楽器用ピックアップ21は、一方の圧電素子22の他方の面に他方の圧電素子23が積層された2層構造体を備える。また、弦楽器用ピックアップ21は、外部へ電気信号を出力するリード線が接続される端子、一対の圧電素子22、23を被覆するケーシング等(いずれも図示せず)を備える。一対の圧電素子22、23は、各々シート状に形成されている。当該弦楽器用ピックアップ21は、一方の圧電素子22の一方の面がプレート13の裏面に接着剤、粘着剤等によって貼着されている。
一方の圧電素子22及び他方の圧電素子23の種類としては、互いに特性が相違する限り特に限定されるものではなく、例えば撓み量や圧縮量等の歪量を検知して電気信号を出力するものや加速度を検知して電気信号を出力するもの等が挙げられる。
一方の圧電素子22及び他方の圧電素子23の相違する特性は、例えば共振周波数であってもよく、エンベロープ(周波数毎のピーク)であってもよい。中でも、一方の圧電素子22及び他方の圧電素子23の相違する特性としては、共振周波数が好ましい。このように、一方の圧電素子22及び他方の圧電素子23の相違する特性が共振周波数であることによって、特定の応答特性のみが際立つような信号が出力されるのを容易かつ確実に防止することができる。
また、一方の圧電素子22及び他方の圧電素子23の相違する特性は、剛性であってもよい。このように、一方の圧電素子22及び他方の圧電素子23の相違する特性が剛性であることによって、特定の応答特性のみが際立つような信号が出力されるのを容易かつ確実に防止することができる。
前記撓み量を検知して電気信号を出力する圧電素子(以下、「撓み量検知素子」ともいう。)としては、例えば比較的剛性の高い圧電膜の両面を一対の電極で挟み込んだ圧電素子が挙げられる。また、前記圧電膜の形成材料としては、振動変換効率が高く比較的低周波数に対する感度が高い無機圧電材料や、前記無機圧電材料よりも比較的高周波に対する感度が高い有機圧電材料が挙げられる。
前記無機圧電材料としては、例えばチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、ニオブ酸リチウム(LiNbO)、ニオブ酸タンタル酸カリウム(K(Ta,Nb)O)、チタン酸バリウム(BaTiO)、タンタル酸リチウム(LiTaO)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO)、水晶等が挙げられる。
一方、前記有機圧電材料としては、例えばポリフッ化ビニリデン(PVDF)や、フッ化ビニリデン(VDF)と他の単量体との共重合体等が挙げられる。また、前記他の単量体としては、3フッ化エチレン、テトラフルオロエチレン、パーフルオロアルキルビニルエーテル(PFA)、パーフルオロアルコキシエチレン(PAE)等が挙げられる。
また、前記電極の形成材料としては、例えばステンレス、チタン(Ti)、シリコン(Si)等が挙げられる。
前記圧縮量を検知して電気信号を出力する圧電素子(以下、「圧縮量検知素子」ともいう。)としては、例えば圧電処理を施した比較的剛性の低い多孔質フィルムの両面を一対の電極で挟み込んだ圧電素子が挙げられる。前記圧電処理方法としては、例えば直流又はパルス状の高電圧を印加して電荷を注入する方法、γ線や電子線等の電離性放射線を照射して電荷を注入する方法、コロナ放電処理によって電荷を注入する方法等が挙げられる。
前記多孔質フィルムとしては、例えば多孔質ポリエチレンフィルム、多孔質ポリプロピレンフィルム等の多孔質ポリオレフィンフィルムや、多孔質フッ素樹脂フィルム等が挙げられる。
前記加速度を検知して電気信号を出力する圧電素子(以下、「加速度検知素子」ともいう。)としては、加速度に応じて変形する圧電素子が挙げられ、例えば前記撓み量検知素子と同様のものが挙げられる。
一方の圧電素子22及び他方の圧電素子23としては、前記無機圧電材料又は有機圧電材料を用いた撓み量検知素子、前記圧縮量検知素子、前記加速度検知素子等を適宜組み合わせて用いることができる。また、一方の圧電素子22及び他方の圧電素子23としては、互いの特性が相違する限り同種の圧電素子を用いてもよい。さらに、同種の圧電素子を用いる場合、互いの特性が相違する限り同一の圧電材料を用いてもよい。つまり、例えば一対の圧電素子22、23として共に撓み量検知素子を用いることが可能であり、また特性が異なる限り、圧電素子として共にチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)を用いることも可能である。なお、圧電材料が同じ場合、例えば密度や形状を異ならせることで特性を相違させることができる。
中でも、一方の圧電素子22及び他方の圧電素子23の組み合わせとしては、前記撓み量検知素子と前記圧縮量検知素子との組み合わせが好ましい。また、前記撓み量検知素子の圧電膜の形成材料としては、剛性が高い点から無機圧電材料がより好ましく、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)が特に好ましい。
このように、一方の圧電素子22及び他方の圧電素子23の組み合わせとして、前記撓み量検知素子と前記圧縮量検知素子とが用いられる場合、前記撓み量検知素子が共振点付近の振動を効果的に検出することでアタックが強調されたはっきりした音を出力できると共に、前記圧縮量検知素子が振動に基づく余韻感を含んだ繊細な音を出力できるので、演奏音の質を効果的に向上することができる。
また、剛性が異なる場合、弦楽器1に貼り付けられる側にある一方の圧電素子22の剛性が、他方の圧電素子23の剛性よりも高いことが好ましい。一方の圧電素子22の剛性が他方の圧電素子23の剛性以下である場合、弦楽器1への貼り付け面側から伝えられる振動が一方の圧電素子22によって減衰されるおそれが高くなり、他方の圧電素子23に伝わる振動が小さくなるおそれがある。
なお、一般に前記撓み量検知素子の剛性は、前記圧縮量検知素子の剛性よりも高い。また、前記撓み量検知素子の中では、前記無機圧電材料を用いた撓み量検知素子の剛性の方が前記有機圧電材料を用いた撓み量検知素子の剛性よりも高い。従って、これらの圧電素子を組み合わせた一対の圧電素子22、23の好ましい組み合わせ例としては、(1)無機圧電材料を用いた撓み量検知素子22及び有機圧電材料を用いた撓み量検知素子23、(2)無機圧電材料を用いた撓み量検知素子22及び圧縮量検知素子23、(3)有機圧電材料を用いた撓み量検知素子22及び圧縮量検知素子23等が挙げられる。
一対の圧電素子22、23が重ね合わされて形成される積層体の形状としては、特に限定されるものではなく、例えば一方の圧電素子22の一方の面を天面とし、他方の圧電素子23の他方の面を底面とし、一方の圧電素子22及び他方の圧電素子23の平面方向に垂直な面を側面とする略矩形状が挙げられる。また、一対の圧電素子22、23が重ね合わされて形成される積層体の大きさとしては、例えば天面及び底面の長手方向の平均長さが1cm以上10cm以下、天面及び底面の短手方向の平均長さが1cm以上8cm以下程度とすることができる。
また、一方の圧電素子22及び他方の圧電素子23の積層方法としては、特に限定されるものではなく、例えば接着剤を用いて一方の圧電素子22の他方の面及び他方の圧電素子23の一方の面を接着する方法、一方の圧電素子22及び他方の圧電素子23を重ね合せた上で螺子等の連結部材を用いて積層する方法、一方の圧電素子22及び他方の圧電素子23を一体成形する方法等が挙げられる。
なお、当該弦楽器用ピックアップ21は、一方の圧電素子22及び他方の圧電素子23の電極を直列に繋ぎ、各々の電気信号を合成した上で外部装置に出力してもよく、また各々の電気信号をそのまま外部装置に出力してもよい。当該弦楽器用ピックアップ21は、各々の電気信号をそのまま外部装置に出力した場合でも、ミキシング回路等の外部装置によって各電気信号を任意に加減することで演奏音の質を向上することができる。
<利点>
当該楽器用ピックアップ21は、少なくとも一対の圧電素子22、23の特性が相違するので、これら一対の圧電素子22、23により周波数特性の異なる信号を容易かつ確実に検出することができる。そのため、当該楽器用ピックアップ21は、特定の応答特性のみが際立つような信号が出力されるのを防止することができる。また、当該楽器用ピックアップ21は、これら一対の圧電素子22、23が重ね合わされているので、一対の圧電素子22、23によって検出される信号の位相差が小さい。そのため、当該楽器用ピックアップ21は、従来の楽器用ピックアップのような取付位置の調整の困難性を低減することができる。さらに、当該楽器用ピックアップ21は、複数の圧電素子が重ね合わされているので、複数の圧電素子を小スペースに設置することができ、振動の伝達が阻害されるのを抑制することができると共に、複数の圧電素子の設置の容易化を促進することができる。
当該弦楽器1は、当該弦楽器用ピックアップ21を備えるので、特定の応答特性のみが際立つような信号が出力されるのを防止することができると共に、従来の弦楽器のようなピックアップの取付位置の調整の困難性を低減することができる。また、当該弦楽器1は、複数の圧電素子が重ね合わされているので、複数の圧電素子を小スペースに設置することができ、当該楽器用ピックアップ21に起因して振動の伝達が阻害されるのを抑制することができると共に、複数の圧電素子を容易に設置することができる。
[第二実施形態]
(弦楽器用ピックアップ)
図4の弦楽器用ピックアップ31は、図3の弦楽器用ピックアップ21に代えて図1及び図2の弦楽器1に設けられる。弦楽器用ピックアップ31は、重ね合わされる一対の圧電素子22、23を備え、一対の圧電素子22、23の特性が相違する。また、弦楽器用ピックアップ31は、一対の圧電素子22、23間に積層される中間層32を備える。つまり、弦楽器用ピックアップ31は、一方の圧電素子22の他方の面に中間層32が積層され、中間層32の他方の面に他方の圧電素子23が積層された3層構造体を備える。また、弦楽器用ピックアップ31は、図3の弦楽器用ピックアップ21と同様、外部へ電気信号を出力するリード線が接続される端子、一対の圧電素子22、23を被覆するケーシング等(いずれも図示せず)を備える。当該弦楽器用ピックアップ31は、一方の圧電素子22の一方の面がプレート13の裏面に接着剤、粘着剤等によって貼着されている。なお、図4の弦楽器用ピックアップ31における一方の圧電素子22及び他方の圧電素子23は、図3の弦楽器用ピックアップ21の一方の圧電素子22及び他方の圧電素子23と同様のため、同一符号を付して説明を省略する。
(中間層)
中間層32は、柔軟性を有する層として形成されている。中間層32は、エラストマーを主成分として形成されている。前記エラストマーとしては、柔軟性を有する限り特に限定されるものではなく、例えばゴム、合成樹脂等が挙げられる。なお、「主成分」とは、最も含有量の多い成分をいい、例えば含有量が50質量%以上の成分をいう。また、中間層32の剛性としては、一方の圧電素子22の剛性と他方の圧電素子23の剛性との間が好ましい。
<利点>
当該弦楽器用ピックアップ31は、一方の圧電素子22及び他方の圧電素子23の間に設けられる中間層32を有するので、一方の圧電素子22の変形形状に追従して他方の圧電素子23が変形するのを抑制することができる。そのため、当該弦楽器用ピックアップ31は、一方の圧電素子22及び他方の圧電素子23が各々検出した振動に基づく電気信号を的確に出力することができる。また、当該楽器用ピックアップ31は、中間層32によって演奏音をチューニングすることも可能となる。
[その他の実施形態]
なお、本発明に係る楽器用ピックアップ及び楽器は、前記態様の他、種々の変更、改変を施した態様で実施することができる。例えば当該楽器用ピックアップは、前記一方の圧電素子の一方の面側に接着層を備えていてもよい。このような接着層は、接着剤や粘着テープ等公知の材料によって形成される。また、前記接着層の平均厚みの上限としては、400μmが好ましく、300μmがより好ましく、150μmがさらに好ましい。前記接着層の平均厚みが前記上限を超える場合、前記接着層に起因して振動が減衰するおそれが高くなる。なお、前記接着層の平均厚みの下限としては、特に限定されるものではないが、例えば0.5μmとすることができる。
当該楽器用ピックアップは、特性が相違する前記一対の圧電素子が重ね合わされている限り、一方の圧電素子及び他方の圧電素子の間に接着層等の他の層又は他の部材が設けられてもよい。また、前記一対の圧電素子間の平均配置間隔の上限としては、2.5mmが好ましく、1mmがより好ましく、0.5mmがさらに好ましい。前記一対の圧電素子間の平均配置間隔が前記上限を超える場合、各圧電素子で検出される信号の位相差が大きくなるおそれがある。なお、前記一対の圧電素子間の平均配置間隔の下限としては、特に限定されず、0μmとすることができる。また、「平均配置間隔」とは、一方の圧電素子及び他方の圧電素子の隣接する対向面間の平均距離を意味する。
当該楽器用ピックアップは、前記一対の圧電素子が重ね合わされる限り、これら一対の圧電素子は必ずしもシート状である必要はなく、例えば一定の厚みを有する箱型に形成されてもよい。また、当該楽器用ピックアップは、前記一対の圧電素子の大きさ及び形状が異なっていてもよい。当該楽器用ピックアップは、前記一対の圧電素子が重ね合わされる場合でも、一方の圧電素子の平面面積と他方の圧電素子の平面面積とは同じである必要はなく、例えば楽器に貼り付けられる側にある一方の圧電素子の平面面積が他方の圧電素子の平面面積よりも小さくてもよい。当該楽器用ピックアップは、例えば前記他方の圧電素子として前記圧縮量検知素子を用い、この圧縮量検知素子の平面面積を大きくすることで、本来の振動に基づく柔らか味のある音色を効果的に発することができる。
当該楽器用ピックアップが有する圧電素子は必ずしも二つである必要はなく、三つ以上であってもよい。また、当該楽器用ピックアップが三つ以上の圧電素子を有する場合、少なくとも一対(二つ)の圧電素子の特性が相違する限り、その他の圧電素子の種類及び特性は特に限定されない。
当該楽器用ピックアップは、必ずしも当該弦楽器の前記プレートの裏面に設けられる必要はない。当該楽器用ピックアップは、接着剤、粘着剤又は接着層等によって弦楽器の響板の裏面、響棒等の所望の箇所に容易かつ確実に配置することができる。
当該楽器用ピックアップは、弦楽器以外に打楽器等種々の楽器に用いることができる。また、弦楽器としては、前述のエレクトリックアコースティックギターの他、弦の振動を電気信号に変換して出力する種々の弦楽器が挙げられ、例えばクラシックギター、ヴァイオリン、チェロ、マンドリン、ピアノ等種々の弦楽器が挙げられる。
以上説明したように、本発明の楽器用ピックアップ及び楽器は、異なる周波数特性を有し、かつ位相差の小さい信号を容易かつ確実に検出することができ、エレクトリックアコースティックギター等の弦楽器に好適に用いられる。
1 弦楽器
2 響板
3 ボディ
4 弦
5 ブリッジ
6 サドル
7 ネック
8 ヘッド
9 ペグ
10 ピン
11 響孔
12 響棒
13 プレート
14 補強板
21、31 弦楽器用ピックアップ
22、23 圧電素子
32 中間層

Claims (5)

  1. 重ね合わされる複数の圧電素子を備え、
    前記複数の圧電素子のうち少なくとも一対の圧電素子の特性が相違する楽器用ピックアップ。
  2. 前記特性が共振周波数である請求項1に記載の楽器用ピックアップ。
  3. 前記特性が剛性である請求項1に記載の楽器用ピックアップ。
  4. 前記一対の圧電素子間に積層される中間層をさらに備える請求項1、請求項2又は請求項3に記載の楽器用ピックアップ。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の楽器用ピックアップを備える楽器。
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