JP4064985B2 - 弦楽器用ナット及び弦楽器 - Google Patents

弦楽器用ナット及び弦楽器 Download PDF

Info

Publication number
JP4064985B2
JP4064985B2 JP2005224277A JP2005224277A JP4064985B2 JP 4064985 B2 JP4064985 B2 JP 4064985B2 JP 2005224277 A JP2005224277 A JP 2005224277A JP 2005224277 A JP2005224277 A JP 2005224277A JP 4064985 B2 JP4064985 B2 JP 4064985B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
string
nut
instrument
groove
main body
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2005224277A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006227570A (ja
Inventor
理 木下
Original Assignee
星野楽器株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 星野楽器株式会社 filed Critical 星野楽器株式会社
Priority to JP2005224277A priority Critical patent/JP4064985B2/ja
Priority to US11/326,239 priority patent/US7378582B2/en
Priority to CN2006100005462A priority patent/CN1808565B/zh
Publication of JP2006227570A publication Critical patent/JP2006227570A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4064985B2 publication Critical patent/JP4064985B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G10MUSICAL INSTRUMENTS; ACOUSTICS
    • G10DSTRINGED MUSICAL INSTRUMENTS; WIND MUSICAL INSTRUMENTS; ACCORDIONS OR CONCERTINAS; PERCUSSION MUSICAL INSTRUMENTS; AEOLIAN HARPS; SINGING-FLAME MUSICAL INSTRUMENTS; MUSICAL INSTRUMENTS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • G10D1/00General design of stringed musical instruments
    • G10D1/04Plucked or strummed string instruments, e.g. harps or lyres
    • G10D1/05Plucked or strummed string instruments, e.g. harps or lyres with fret boards or fingerboards
    • G10D1/08Guitars
    • G10D1/085Mechanical design of electric guitars
    • GPHYSICS
    • G10MUSICAL INSTRUMENTS; ACOUSTICS
    • G10DSTRINGED MUSICAL INSTRUMENTS; WIND MUSICAL INSTRUMENTS; ACCORDIONS OR CONCERTINAS; PERCUSSION MUSICAL INSTRUMENTS; AEOLIAN HARPS; SINGING-FLAME MUSICAL INSTRUMENTS; MUSICAL INSTRUMENTS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • G10D3/00Details of, or accessories for, stringed musical instruments, e.g. slide-bars
    • G10D3/14Tuning devices, e.g. pegs, pins, friction discs or worm gears
    • G10D3/147Devices for altering the string tension during playing
    • G10D3/153Tremolo devices

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Acoustics & Sound (AREA)
  • Multimedia (AREA)
  • Stringed Musical Instruments (AREA)
  • Electrophonic Musical Instruments (AREA)

Description

本発明は、電気ギター等の弦楽器で使用するナット及び弦楽器に関する。
弦楽器、例えば、電気ギターでは、図7に示すように、楽器本体61(ボディ)と、同楽器本体61から左側に延設された棹62(ネック)とを有している。本願では、説明の便宜上、電気ギター(右利きの演奏者用)を使用する姿勢において、弦64の張設方向に沿った左側を「左」、弦の張設方向と直交する方向に沿った上側を「上」、これら2方向と直交する表面側を「前」ということがある。楽器本体61にはテイルピース63が設けられており、このテイルピース63には弦64の一端部が固定されている。一方、棹62の先端部65(ヘッド)には調弦装置66(ペグ)が設けられており、この調弦装置66には、弦64の他端部が巻き付けられている。したがって、弦64は弦楽器に張力(テンション)が与えられながら固定されている。また一方、弦64は、楽器本体61に設けられたブリッジ67と、棹62に設けられたナット68により、楽器本体61の表面及び棹62の表面である指板62a(フィンガーボード)から浮かされて支持されている。そして、弦楽器が演奏音(以下、「音」と記載する)を生み出す際には、ブリッジ67及びナット68による支点がそれぞれ弦64に対する臨界接触点となり、これら臨界接触点を両端の節として弦64が振動するようになっている。
さて、電気ギターの奏法には、演奏者の感情等を表現すべく、弦64の張力を変えることによって音を震わせたり、音の高低の度合(ピッチ)を変えたりする方法がある。このような奏法の例として、すべての弦64の張力を同時に変化させるアーミング奏法、各弦64の張力を個別に高めるチョーキング奏法等が挙げられる。なお、アーミング奏法では、すべての弦64でピッチを同時に変化させるためのトレモロ装置が使用される。
ところで、上記各奏法を行うとき、弦64の張力が大きく変化し、弦64はナット68に対し張力を変える前の位置(変化前位置)から大きく移動する。そして上記各奏法から通常奏法へ復帰した際、ナット68に対する弦64の摩擦抵抗等を要因として、弦64が変化前位置に戻りにくくなるため、たとえブリッジ67及びナット68の各支点間における弦64の長さ(以下、「弦長」と記載する)が変わらなくても張力が完全に元に戻らず音程に狂いが生じる場合がある。さらに、張力を高めた結果、調弦装置66に大きな力が掛かってしまい、調弦装置66が備えるウオームギアが逆回転してしまうことや、弦64の調弦装置66への巻き付け位置がずれてしてしまうこともある。
そこで、例えば、特許文献1及び特許文献2に示す電気ギターは、ロッキング部材を用いて弦をナットに固定することで、このような奏法を多用した場合も音程の狂いを抑制することができるように構成されている。以下、このロッキング部材を備えるナットについて、図8及び図9を用いて説明する。図8は、ロッキング部材を備えるナットの分解斜視図を示す。また、図9は、ロッキング部材を用いて弦64をナット68に固定した状態の断面図を示す。
図8に示すようにナット68は、棹62に対して複数本のねじ(図示略)により固定されている。ナット68において、弦64が接触するナット表面71は、図9に示すように断面弧状に形成されており、その一部に弦64を圧接させて固定させるための圧接部71aが形成されている。ナット表面71で弦64の張設方向における両端部には、それぞれ支持壁72が概ね前側に立設されている。各支持壁72には、それぞれ複数の溝部73が側面視V字状をなすように切り欠き形成されている。弦64の張設方向において、支持壁72同士の各溝部73は互いに対向するように配設されており、これら溝部73の内部に弦64が収容されている。そして、溝部73の内部に収容された弦64は、弦64の張設方向と交差する方向(使用姿勢では上下方向であり、棹62の幅方向)へ移動しようとする場合、溝部73の内面へ接触することによって棹62の幅方向への移動が規制されるようになっている。なお、各溝部73の内底面73aと、ナット表面71とは、略面一で一様に繋がっている。
ロッキング部材は、ナット表面71に載せられる押圧駒74と、押圧駒74をナット表面71に押圧する調整ねじ75とから構成され、調整ねじ75は、ナット表面71に設けられたねじ孔76に螺入される。押圧駒74は、正面視で矩形状に形成され、その略中央には調整ねじ75を挿通するための挿通孔77が設けられている。調整ねじ75は、挿通孔77に挿通された状態で、その先端に螺刻されたねじ部75aをねじ孔76に螺入することにより、その頭部75bの下面で押圧駒74をナット表面71側に押圧可能に構成される。そして、弦64をナット表面71の圧接部71aに載せ、且つ溝部73の内部に収容した状態で、押圧駒74をナット表面71の圧接部71aに載せて調整ねじ75で締め付けることにより、押圧駒74に押圧された弦64はナット表面71の圧接部71aに圧接されてナット68に固定される。
ここで、弦64をナット68に固定した場合、もし仮に押圧駒74の下面78が弦64に対して、弦64の張設方向に沿う両端部78aで接触するような場合であれば、その両端部78aが接触する弦64の部分に押圧駒74からの押圧による応力が集中しやすくなり、ここで弦64が切れやすくなる。そこで、押圧駒74の下面78の両端部78aは、ナット表面71から浮かせるように押圧駒74の下面78の他箇所に比べて曲率が小さく変えられている。そして、押圧駒74の下面78の両端部78aと、弦64との間には、応力の集中を緩和するための間隙79が形成されている。
特開2003−122367号公報 米国特許第4171661号明細書
さて、弦楽器の演奏者は、チューニングメータなどを使用しつつ、調弦装置66で弦64を巻き上げたり、緩めたりして弦64に付与される張力を変えることにより、厳密に調音作業を行う。そして、演奏者は、調音作業を完了した状態においてロッキング部材でナット68に弦64を固定することにより、調整された調音状態を維持するようにしている。
しかし、たとえ厳密な調音作業を行い、ロッキング部材で弦64の張力変化に起因する音程の狂いを抑制しても、ロッキング部材でナット68に弦64を固定した弦楽器は、その演奏時に、いわゆる「ビレ音」と呼称される異音を発生させる場合がある。このビレ音が発生した場合、楽器本来の音色が損なわれるため、演奏者の表現が妨げられたり、演奏者が興醒めしたりしてしまう。そこで、ロッキング部材でナットに弦を固定する弦楽器においては、このビレ音を抑制することが強く要求されている。
ここで、「ビレ音」の発生する要因について、図10(a)〜(c)を使用して説明する。本願でいう「ビレ音」とは、弦楽器において、振動する弦64が他の部分と干渉することによって発生する異音である。いわゆる「ビビリ音」ともいう。このビレ音には、様々な原因があるが、ここではナット68に起因するビレ音について考察する。
まず、ナット68に必要とされる機能を挙げる。弦楽器に使用されるものであるが故に、ナット68に必要とされる第1の機能は、好適な音色を生み出すべく、弦64に対して安定した臨界接触点を形成することである。この第1の機能を満たすために望まれる構成は、弦64における演奏時に振動する中間部の弦長を変化させないように、ナット68上で臨界接触点が形成される部位を尖鋭状とし、その尖鋭状の部位で弦64の張設方向に沿う一点を支持することである。なお、臨界接触点が形成される部位の形状を具体的に挙げるならば、例えば刃先状が挙げられる。しかし、弦64の張設方向に沿う一点をナット68における尖鋭状の部位で支持すれば、張力等による応力がこの一点に集中してしまい、弦64が切れる、或いは折れる等して弦64が損なわれてしまうという問題がある。また、弦64が折れて癖がつけば、ナット68に対する弦64の摩擦抵抗が増すため、調音作業等を行うときにナット68に弦64が引っ掛かる等しやすくなり、弦64をナット68に対して円滑に移動させることができなくなるという問題もある。
この第1の機能で問題としたことが、まさにナット68に必要とされる第2の機能である。すなわち、第2の機能は、弦64を損なわず、さらにはナット68に対する弦64の移動を円滑にすることである。この第2の機能を満たすために望まれる構成は、弦64がナット68上で急激に折れ曲がらないように、ナット68の形状をそのナット表面71が断面円弧状をなすように形成し、そのナット表面71に対して弦64を張設方向がナット表面71の折線方向となるように緩やかに湾曲させて接触させることである。なお、この場合のナット68の形状を具体的に挙げるならば、円筒形状、断面扇状等が挙げられる。そして、ナット68をこのような形状とした場合、そのナット表面71の円弧の頂点を臨界接触点とすることにより、弦64を略一点で支持することができるとともに、この一点に応力が集中しにくく、さらにナット68に対する弦64の摩擦抵抗も小さくなる。しかし、このような形状とした場合、弦64はその張設方向においてナット68の臨界接触点から離れるに従いナット表面71から緩やかに離れるため、臨界接触点付近では弦64とナット68(ナット表面71)との間の距離が近接している。そのため、演奏時に振動する弦64がナット表面71の円弧の頂点よりも楽器本体側の部分と干渉しやすくなり、異音が発生しやすくなるという問題が生じてしまう。つまり、ブリッジ67とナット68との間で、弦64は、楽器本体61の表面及び棹62の表面のそれぞれからできる限り離隔されて支持されることが望ましい。
では、上記の第1の機能及び第2の機能で挙げた問題を解決することを目的として、従来のナット68がどのような構成とされているかを説明する。従来のナット68は、基本的には、前述した例えば円筒形状をなすナット68の断面円弧状のナット表面71を、その弦64との接点で半径方向に切り欠き、その接点を臨界接触点とする形状となるように形成されている。これが、図10(a)に示す形状である。つまり、同図は、静止状態にある弦64の張設方向に沿ったナット68の断面図であり、従来のナット68における一つの理想的な形状を示したものである。同図中において、弦64の張設方向と、支持壁72における溝部73の内底面73aのなす角度を「角度α(°)」とする。このαは、上記の考えから鑑みて、理想値は0である。この場合、弦64が静止状態であれば、臨界接触点(図中に三角(▲)で示す)は、外観上はナット68の楽器本体61側の角部に形成されているように見える。そして、この臨界接触点よりも棹62の先端側(図10(a)では左側)に、押圧駒74が弦64をナット68のナット表面71に圧接させる固定点80が設定される。
しかしながら、弦64の動きは動的なものであるが故、臨界接触点が常に図10(a)で示した位置になるとは限らない。つまり、図10(b)に示すように、演奏時に静止状態から振動する弦64は、支持壁72における溝部73の内底面73aから遊離する可能性が高く、この場合、臨界接触点がナット68の奥側(押圧駒74側)に大きく移動してしまう。そして、振動する弦64が溝部73の内底面73aに対して接触、遊離を繰り返すことにより、弦64と溝部73の内底面73aとが干渉してビレ音を発生させる。
そこで、弦64のブリッジ67から延びる方向と、溝部73の内底面73aのなす角度α(°)を所定の大きさ以上に設定する必要がある。すなわち、α(°)を所定の大きさ以上として、ナット68に弦64を傾斜状態で支持させることにより、臨界接触点がナット68の楽器本体61側の角部から大きく位置ずれしないように工夫がなされている。一方、角度α(°)は、演奏者の好みによるブリッジ部分での弦高調整により変化する値であり、それだけでなく棹62の全体の角度、あるいはそのうねり、棹62上におけるナット68の取り付け面の(加工)状態、ナット68の取り付け方などに影響される値でもある。そこで、この変化に対応するため、角度α(°)はある程度のマージンを見込んだ角度となるように設定する必要がある。
このようにマージンを見込んで角度α(°)を大きくした状態が、図10(c)に示す状態である。同図に示すように、角度α(°)を大きくすれば、臨界接触点が内底面73aの角部に形成されるとともに、静止状態は言うに及ばず、演奏中も弦64が臨界接触点から遊離しにくくなるように見える。しかしながら、弦64は、鋼鉄のピアノ線や、さらに一本のピアノ線を芯として、この芯にピアノ線等の金属線をコイル状に巻き付けたものから作られており、その剛性が高く、柔軟性に劣る。従って、角度α(°)を大きくするのみでは、弦64がナット表面71に沿うように、弦64を臨界接触点よりもナット68の内側で直ちに折り曲げることは非常に難しい。このため、かえって臨界接触点よりもナット68の内側では、弦64がナット表面71から遊離した部分ができてしまい、この遊離した部分が不安定な状態となる。この状態で弦64を演奏のため振動させれば、臨界接触点を支点としてナット表面71から遊離した部分にも振動が生じ、弦64とナット表面71とが干渉して断続的に接触して異音、つまりビレ音を発生させる。ギターの弦64は、ピック等で爪弾いた時に、その弦長に対応した基本モードの振動により所定の音程で音が出るが、弦64は、この基本モードの振動の他、その弦長が分割されて高次の振動を生じ、これが複雑に絡み合って弦をうねらせるように振動し弦楽器独特の音色となる。このため、図10(c)に示す弦64がナット表面71から遊離したわずかな部分でも振動させることがある。
本発明は、このような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、演奏時の異音の発生を抑制することができるナット及び弦楽器を提供することにある。
上記課題を解決するため、請求項1に係る弦楽器用ナットでは、楽器本体と、該楽器本体から延設された棹とを備える弦楽器の前記棹に取り付けられ、ヘッドに配置された張弦装置から該棹上を該楽器本体上にわたって張設された弦の中間部を振動自在に支持する臨界接触点を形成するとともに、前記張弦装置で調弦した弦を固定するための弦楽器用ナットであって、前記弦を支持するために前記棹上に配置されるナット本体と、該ナット本体上に配置され、前記弦を押圧して前記ナット本体に圧接させることによって、該ナット本体との間に前記弦を挟持してその移動を抑制するためのロッキング部材とを備え、前記ナット本体上には前記弦を圧接させて前記ロッキング部材とで挟持するための圧接部が設けられており、該圧接部よりも前記楽器本体側に近接した該ナット本体上の部位には、該圧接部に比べて前記弦側へ突出する凸部が設けられており、該凸部は、棹の幅方向へ延びる凸条状に形成され、該凸部に前記弦を当接させることで該凸部の表面上に前記臨界接触点を形成するとともに、前記凸部が形成されている位置よりも前記圧接部側に近接した前記ナット本体上の部位には、その内底面へ向かうに従い幅が狭くなるように形成され、前記弦の張設方向と交差する棹の幅方向へ前記弦が移動するのを抑制するための溝部が形成されており、当該溝部により前記臨界接触点よりも圧接部側の位置において前記弦の前記幅方向への移動を抑制することを要旨とする。
請求項1に係る発明では、ナット本体上において、弦を圧接させる圧接部及びロッキング部材よりも楽器本体側となる部位に凸部が設けられ、この凸部の表面上に臨界接触点を存在させている。この凸部は圧接部に比べて弦側へ突出しているため、臨界接触点では弦が圧接部よりも押し上げられた状態となる。従って、振動時の弦は、凸部の臨界接触点から遊離しにくくなる。さらに、弦上でロッキング部材により圧接部に圧接された部位のうち楽器本体側の部位を固定点とした場合、固定点から臨界接触点までの範囲において、弦はナット本体に対し、これら固定点及び臨界接触点の2点でのみ点接触した状態とされる。このため、弦の固定点から臨界接触点までの範囲をナット本体に面接触させた場合に比べ、振動時における弦の他の部分との干渉が発生しにくくなる。その結果、弦楽器の演奏時に弦の振動が圧接部、ロッキング部材等の他の部分に干渉することで発生する異音を抑制できるという効果がある。
また、凸部よりもヘッド側に配置された溝部を設けたことにより、複雑な動きをする振動時の弦が、該溝部に干渉することなしに、棹の幅方向へ大きく移動することを規制することができる。そのため、従来のいわゆるロックナットのように溝部が異音の原因となることがない。
請求項2に係る発明では、請求項1に記載の弦楽器用ナットにおいて、前記凸部は、前記弦の張設方向に沿う断面の形状が弧状をなすことを要旨とする。
請求項2に係る発明では、凸部の表面を曲面状としたことにより、凸部の表面に対する弦の摩擦抵抗を減少させることができるとともに、該凸部の表面で弦が大きく変形することによる弦の切断等を抑制することができるという効果がある。
請求項3に係る発明では、請求項1又は請求項2に記載の弦楽器用ナットにおいて前記凸部は、前記ナット本体において前記楽器本体側の角部に設けられていることを要旨とする。
請求項3に係る発明では、凸部は、ナット本体において楽器本体側の角部に設けられているため、凸部よりも楽器本体側には、溝部の内底面等のような弦に接触又は干渉し得る部分が存在しない。このため、凸部よりも楽器本体側における異音の発生を効果的に抑制することができる。
請求項4に係る発明では、楽器本体と、該楽器本体から延設された棹とを備える弦楽器の前記棹に取り付けられ、ヘッドに配置された張弦装置から該棹上を該楽器本体上にわたって張設された弦の中間部を振動自在に支持する臨界接触点を形成するとともに、前記張弦装置で調弦した弦を固定するための弦楽器用ナットであって、前記弦を支持するために前記棹上に配置されるナット本体と、該ナット本体上に配置され、前記弦を押圧して前記ナット本体に圧接させることによって、該ナット本体との間に前記弦を挟持してその移動を抑制するためのロッキング部材とを備え、前記ナット本体上には前記弦を圧接させて前記ロッキング部材とで挟持するための圧接部が設けられており、該圧接部よりも前記楽器本体側に近接した該ナット本体上の部位には、該圧接部に比べて前記弦側へ突出する凸部が設けられており、該凸部に前記弦を当接させることで該凸部の表面上に前記臨界接触点を形成するとともに、前記ナット本体上で前記凸部が形成されている部位には、前記弦の張設方向と交差する棹の幅方向へ前記弦が移動するのを抑制するための溝部が該溝部の内底面に前記凸部を有するように形成されるとともに、当該溝部は、それぞれの対向する一対の内側面がブリッジ側へ向かうにつれて互いに離間するテーパ状をなすように形成されており、当該溝部により前記臨界接触点において前記弦の幅方向への移動を抑制することを要旨とする。
請求項4に係る発明では、弦の張設方向において、溝部と凸部とは同位置に配置されており、凸部は溝部の内底面上に配置されている。このため、溝部を設けた場合であっても、振動中の弦に対する干渉を防止することができる。特に溝部の内側面がテーパ状に形成されているため、弦が凸部において棹の幅方向へ移動することは規制するものの、弦が棹の幅方向へ振動することは許容している。すなわち、振動のような微小な動きに対し、テーパ状をなす溝部の内側面は、弦への接触を避けることにより、該振動への干渉を抑制するように機能している。従って、溝部の内底部に凸部を設けた場合であっても、振動時の弦が溝部に干渉することを抑制することができる。
請求項5に係る発明では、請求項4に記載の弦楽器用ナットにおいて、前記凸部が球形状に形成されたことを要旨とする。
請求項5に係る発明では、そのため、複雑な動きをする振動時の弦であっても凸部において棹の幅方向へ大きく移動することを好適に規制するものの、弦が棹の幅方向へ振動することは許容することができるという効果がある。
請求項6に係る発明では、請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載の弦楽器用ナットにおいて、前記ナット本体における前記圧接部と前記凸部との間には、前記弦が前記圧接部に圧接された状態で振動するときに、該弦が、溝部の内底面と接触するのを回避するために設けられた空間である干渉回避部が設けられていることを要旨とする。
請求項6に係る発明では、凸部が臨界接触点となるように構成するだけでなく、たとえ弦の振動が臨界接触点を超えて棹の先端側(ヘッド側)に伝わっても、弦が他の部分と接触するのを抑制するための干渉回避部を「逃げ」とすることで異音の発生を積極的に防止している。そのため、異音の発生を効果的に抑制することができるという効果がある。
請求項7に係る発明では、請求項6に記載の弦楽器用ナットにおいて、前記干渉回避部は、前記圧接部を前記弦の張設方向に沿う断面の形状が弧状をなすように形成するとともに、前記ロッキング部材を該圧接部に対向しない両端部の断面の曲率が該圧接部に対向する部分の断面の曲率より小さい曲率の弧状に形成することで形成していることを要旨とする。
請求項7に係る発明では、圧接部を断面角状、或いはエッジ状に形成した場合に比べ、弦を緩やかに曲げることができ、該弦を固定する際に弦の曲げ部分に負荷が生じることを抑制できるという効果がある。
請求項8に係る発明では、請求項1乃至請求項7のうちいずれか1項に記載の弦楽器用ナットを備えたことを特徴とする弦楽器を要旨とする。
請求項8に係る発明では、異音の発生が抑制された弦楽器とすることができるという効果がある。
本発明によれば、演奏時の異音の発生を抑制することができる。
(第1実施形態)
以下、本発明の弦楽器用ナットを、トレモロ装置を備える電子ギター(右利きの演奏者用)のナットに具体化した第1実施形態について説明する。説明の便宜上、電気ギターは演奏時の姿勢で説明し、演奏者から見て概ね前側を前、上方を上、左方を左として説明する。
まず、トレモロ装置を備える電子ギターの構成について説明する。図1に示すように、弦楽器としての電子ギター10は、楽器本体11と、この楽器本体11から左方に延設された棹12とを有している。楽器本体11の前面側である表面(トップ)において、略中央部にはトレモロブロック11aが取り付けられており、このトレモロブロック11a上には複数のテイルピース13(本実施形態では6つ)が設けられている。各テイルピース13には、それぞれに弦14(本実施形態では6本)の一端部が固定されている。棹12の先端には、ヘッド15が設けられている。ヘッド15には、調弦装置として複数のペグ16(本実施形態では6つ)が設けられている。各ペグ16には、それぞれに弦14の他端部が接続されて固定されている。これらペグ16は、それぞれウォーム機構(図示略)を有しており、各ペグ16を操作することにより、各弦14に加わる張力(テンション)を調整することができる。従って、テイルピース13及びペグ16に両端を固定され、かつペグ16の操作によって張力を付与された弦14は、テイルピース13及びペグ16の間に張設されている。
テイルピース13とペグ16との間において、楽器本体11には分離型の複数のブリッジ17(本実施形態では6つ)が設けられている。棹12の表面にはフィンガーボード12aが取り付けられている。棹12の先端部には、このフィンガーボード12aの左端部と隣接してナット18が取り付けられている。ナット18は、ブリッジ17とともに、各弦14の中間部をフィンガーボード12aから離間させ(浮かせ)た状態で支持している。そして、各弦14は、ブリッジ17及びナット18による支点をそれぞれ臨界接触点とすることにより、これら臨界接触点を両端の節として振動可能に構成されている。
なお、楽器本体11の弦14近傍の表面には、複数のピックアップ19が弦に近接させて設けられている。これらピックアップ19は、各弦14の振動を電気信号に変換すべく設けられたものである。また、特に図示はしないが、楽器本体11には電気信号を出力等するための電子基板が内装されている。そして、電子基板から出力された電気信号は、外部に接続されたアンプリファイア(図示略)で増幅され、スピーカーを駆動させることにより、演奏音(以下、略して「音」と記載する)を生み出す。したがって、ビレ音自体は、発生してもスピーカーからは出力されない場合もある。
さらに、ブリッジ17は、楽器本体11に設けられたトレモロアーム20を操作することにより、トレモロブロック上のテイルピース13の位置を変更可能に構成されている。そして、トレモロアーム20を操作することによってテイルピース13の位置を変更した場合、各弦14の張力が変わり、各弦14の振動により生み出される音の高低の度合(ピッチ)が大きく変化して、音程が変化するように構成されている。
次に、ナット18の構成について、詳細に説明する。図2はナット18の斜視図を示し、図4は弦14の張設方向におけるナット18の断面図を示す。ナット18は、ナット本体18aと、このナット本体18aに各弦14を固定するためのロッキング部材とを備えている。このナット18は、ロッキング部材でナット本体18aに各弦14を固定することにより、トレモロアーム20の操作時にナット18に対する各弦14の移動を抑制している。
ナット本体18aは、金属材料によって平面視矩形状に形成されており、複数本のねじ(図示略)により、棹12上において、フィンガーボード12aの先端部に固定されている。また、ナット本体18aの表面(以下、「ナット表面21」と記載する)は、ブリッジ17側(図2中で右側)へ向かうにつれ高くなる斜面となっており、さらには弦14の張設方向に沿う断面形状が円弧状をなすように形成されている。ナット表面21において、ブリッジ17側の端部には、第1支持壁22aが立設されており、ヘッド15側(図2中で左側)には、第2支持壁22bが立設されている。第1及び第2支持壁22a,22bには、それぞれ複数の溝部23(本実施形態では各6つずつ)が棹12の表面に近い側となる奥側が狭くなるV字状をなすように切り欠き形成されている。これら溝部23は、各弦14の延びる方向で各一対ずつが対向するように配設されている。そして、各弦14は、対向する各一対の溝部23の内部に収容されることにより、棹12の幅方向への移動を抑制されている。
ロッキング部材は、ナット表面21に載置された3つの押圧駒24と、これら押圧駒24をナット表面21に螺着する3本の調整ねじ25とを備えている。そして、ナット表面21には、これら調整ねじ25を螺入するための3つのねじ孔26が設けられている。押圧駒24は、正面視で矩形状に形成されており、その中央には調整ねじ25を挿通するための挿通孔27が設けられている。調整ねじ25は、頭部25aと、この頭部25aの下面から延設された軸25bとからなり、軸25bの先端にはねじ部25cが螺刻されている。調整ねじ25は、軸25bを挿通孔27に挿通し、ねじ部25cをねじ孔26に螺入することにより、押圧駒24をナット表面21に押圧している。そして、各弦14が各一対の溝部23の内部に収容された状態で、調整ねじ25の頭部25aを締め付けることにより、各押圧駒24に押圧された各2本の弦14は、ナット表面21に圧接されてナット18に固定される。
ナット表面21と対向する押圧駒24の下面28は、ナット表面21の表面形状に応じて断面円弧状に形成されている。この押圧駒24の下面28において、弦14の延びる方向における両端部28aは、各弦14を固定した場合に応力が集中することを緩和すべく、下面28の他箇所に比べて曲率が変えられている。このように曲率を変えられた両端部28aは、溝部23へ近づくに従いナット表面21から離間するように形成されている。従って、本実施形態のナット本体18aにおいて、弦14が圧接される部位である圧接部21aは、ナット表面21のうち押圧駒24の両端部28aと対応する箇所を除いた部分、つまりはナット表面21の中央部分によって構成される。
ナット本体18aにおいて、ブリッジ17側の角部には、凸部31が設けられている。この凸部31は、弦14へ向かって突出し、且つ各溝部23の内底面23aを繋ぐ線に沿ってナット本体18aの長手方向(棹12の幅方向)へ延びる凸条状に形成されている。また、凸部31は、その表面が曲面状をなすように、断面略円形状に形成されている。さらに、凸部31の弦14側となる端部である頂面31aは、溝部23の内底面23a及び圧接部21aに比べ、弦14側へ突出している(図4参照)。そして、ナット18のナット表面21と押圧駒24の下面28とに挟持されることによりナット18に固定された弦14は、凸部31に接触することにより、溝部23の内底面23aに接触することなく、内底面23aから離間した状態に保持されている。従って、弦14を支持するナット18の支点は凸部31であり、各弦14に対するナット18の臨界接触点は、凸部31の表面上に存在している。
凸部31の表面上に臨界接触点を存在させた状態でナット18に固定された弦14において、同弦14上で圧接部21aに圧接された部位のうち、ブリッジ17側(楽器本体11側)の端部(部位)を固定点32とする。この固定点32よりもブリッジ17側において、弦14は、押圧駒24の下面28で両端部28aとの間に間隙33を有している。加えて、固定点32よりもブリッジ17側において、弦14は、溝部23の内底面23aとの間にも間隙33を有している。これら間隙33は、ナット本体18aにおける前記圧接部21aと凸部31との間に設けられており、本実施形態の干渉回避部を構成している。すなわち、弦14が圧接部21aに圧接された状態で振動する場合、これら間隙33は、押圧駒24の両端部28a(特にはブリッジ17側の端部28a)又は溝部23の内底面23aへ弦14が接触して干渉が発生することを抑制している。
次に、ナット18の作用について以下に記載する。
さて、上記の電子ギター10の演奏者は、予め演奏前に各ペグ16を操作することにより、各弦14が所望の音を奏でるように、各弦14をそれぞれ調音する。そして、演奏者は、各弦14を爪弾き、振動させることによって所望した音を生み出すとともに、演奏表現に応じてトレモロアーム20を操作し、演奏を行う。ここで、各弦14は、押圧駒24等のロッキング部材によってナット18に固定されている。従って、各弦14は、トレモロアーム20の操作時において、トレモロアーム20の操作に伴うナット18に対する移動を抑制されており、調音が狂うことを抑制される。また一方で、各弦14の振動時における異音(ビレ音)の発生をも抑制される。
すなわち、図3(a)は、弦14が静止状態にある場合の弦14の張設方向に沿ったナット18の断面図を示す。弦14が静止状態にある場合、弦14は、溝部23の内底面23a及び圧接部21aに比べて弦14側へ突出する凸部31により、下方から押し上げられるようにして支持されている。従って、臨界接触点(図中に三角(▲)で示す)は、凸部31の頂面31aに形成されている。また、静止状態の弦14は、臨界接触点が凸部31の頂面31aに形成されることにより、溝部23の内底面23aから遊離した状態で支持されている。なお、凸部31によって下方から押し上げられた弦14には、頂面31aと固定点32との間においても張力が付与される。つまり、弦14が頂面31aと固定点32との間で弛む等して内底面23aに接触することも抑制される。さらに、弦14の張設方向と、溝部23の内底面23aのなす角度を「角度α(°)」とすれば、この場合のαは、略0である。
一方、図3(b)は、弦14が演奏時に静止状態から振動する状態にある場合の弦14の張設方向に沿ったナット18の断面図を示す。この場合においても、弦14は、凸部31によって下方から押し上げられるようにして支持されたまま振動している。つまり、臨界接触点(図中に三角(▲)で示す)は、凸部31の頂面31aに形成されることとなる。このため、弦14は、静止状態で形成された臨界接触点を節として振動しており、弦14の振動に伴う臨界接触点の位置変化は無い。特に、凸部31は、前述のように溝部23の内底面23aに比べて弦14側へ突出しているため、弦14を内底面23aから遊離した状態に維持している。従って、弦14の振動時における内底面23a等との干渉が抑制される。
では次に、図3(c)は、弦高調整、棹12の全体の角度の変化等により、角度α(°)が図3(a)に示す状態よりも大きくなった場合の弦14の張設方向に沿ったナット18の断面図を示す。この場合、弦14はナット表面21に沿うことなく、内底面23a等から遊離した状態で固定される。しかし、この場合も弦14は凸部31によって下方から押し上げられるようにして支持されている。つまり、臨界接触点(図中に三角(▲)で示す)は、凸部31の頂面31aに形成されることとなる。このため、弦14は、凸部31に支持されることによって安定な状態となる。また、弦14が臨界接触点と固定点32との間で振動する場合においても、干渉回避部である間隙33により、内底面23a等との干渉が抑制される。
上記の結果、弦14は、個体差、振動の大きさ等に係わらず、凸部31の表面に臨界接触点を存在させたまま、常に凸部31を節として振動する。まず、この凸部31はナット18のブリッジ17側となる端部に位置しており、該凸部31の周縁には弦14の振動に干渉するものが存在しない。また、ナット18において、凸部31よりもヘッド15側には、内底面23a、端部28a等といった弦14の振動に干渉する可能性のあるものが存在するが、上記のように弦14が凸部31を節として振動する限り、内底面23a、端部28a等への干渉は防止される。さらに、凸部31は、内底面23a及び圧接部21aよりも弦14側へ突出しており、弦14を下方から押し上げているため、弦14が凸部31から遊離することがない。従って、弦14は、その中間部の弦長を略一定としつつ振動し、振動中に内底面23a等へ干渉することを抑制されるため、音程の高低は、調音作業後の状態で保持される。
前記の第1実施形態によって発揮される効果について、以下に記載する。
・ 第1実施形態のナット18によれば、振動時の弦14は、常に凸部31の表面に接触しており、凸部31を振動の節としている。このため、振動の波形が乱れたり、溝部23の内底面23aや押圧駒24の下面28の端部28aなどと干渉して音(ノイズ)が生じたりすることを防止することができる。その結果、演奏時の異音の発生を抑制することができる。
・ また、凸部31の頂面31aが溝部23の内底面23aよりも弦14側へ突出していることから、振動時の弦14は、溝部23の内底面23aから離間した状態に保持されている。このため、振動時の弦14が溝部23の内底面23aへ接触して発生する異音を防止することができる。
・ また、弦14と押圧駒24の下面28の端部28aとの間、及び弦14と溝部23の内底面23aとの間には、それぞれ干渉回避部である間隙33が設けられている。これら間隙33を「逃げ」とすることにより、弦14が大きく振動した場合であっても、弦14の内底面23aや端部28a等との干渉を好適に防止することができる。
・ また、溝部23を設けたことにより、複雑な動きをする振動時の弦14が棹12の幅方向へ大きく移動することを規制することができる。さらに、溝部23は凸部31よりもヘッド15側に配置されているため、振動時の弦14が該溝部23に干渉することを抑制することができる。
・ また、凸部31の表面を曲面状としたことにより、凸部31の表面に対する弦14の摩擦抵抗を減少させることができるとともに、該凸部31の表面で弦が大きく変形することによる弦14の切断等を抑制することができる。
・ また、圧接部21aを断面弧状に形成したことにより、該圧接部21aを断面角状、或いはエッジ状に形成した場合に比べ、弦14を緩やかに曲げることができ、該弦14を固定する際に弦14の曲げ部分に負荷が生じることを抑制できる。
・ また、凸部31は、ナット本体18aにおいて楽器本体11側の角部に設けられているため、凸部31よりも楽器本体11側には、溝部23の内底面23a等のような弦14に接触又は干渉し得る部分が存在しない。このため、凸部31よりも楽器本体11側における異音の発生を効果的に抑制することができる。
・ また、溝部23は、その内底面23aへ向かうに従い、幅が狭くなるV字状に形成されているため、弦14はその張力によりナット表面21側へ向かうように付勢されている。このため、溝部23の内底部で弦14の移動を抑制することができ、弦14を安定して振動させることができる。加えて、V字状をなす溝部23においては、弦14の張力を下げた場合に、該弦14を溝部23から簡単に外すことができる。
・ また、当該ナット18を備えることにより、異音の発生が抑制された電気ギターを得ることができる。
(第2実施形態)
以下、本発明をトレモロ装置を備える電子ギターのナットに具体化した第2実施形態について説明する。なお、この第2実施形態では、上記第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
図5及び図6は、第2実施形態のナット18の斜視図及び断面図をそれぞれ示す。ナット18は、ナット本体18aと、このナット本体18aに各弦14を固定するためのロッキング部材とを備えている。ナット本体18aは、ナット表面21に立設された第1及び第2支持壁22a,22bと、第1及び第2支持壁22a,22bのそれぞれに切り欠き形成された溝部23とを有している。ロッキング部材は、3つの押圧駒24と、ナット表面21に設けられた3つのねじ孔26に各々螺入される3本の調整ねじ25とからなる。そして、各弦14が溝部23の内部に収容された状態で調整ねじ25を締め付けることにより、各押圧駒24に押圧された各弦14は、ナット表面21に圧接されてナット18に固定される。
前記第1支持壁22aのブリッジ17側となる面には、第3支持壁41が膨出形成されている。この第3支持壁41には、第1支持壁22aに設けられた各溝部23と対応して、複数の第2溝部42(本実施形態では6つ)がV字状をなすように切り欠き形成されている。これら第2溝部42は、それぞれの対向する一対の内側面がブリッジ17側へ向かうにつれて互いに離間するテーパ状をなすように形成されている。そして、各第2溝部42の内底部には、それぞれ凸部31が球形状をなすように突設されている。また、ナット表面21において、圧接部21aと第1支持壁22aの内底面23aとの間には、段差部43が設けられている(図6参照)。この段差部43により、溝部23の内底面23aは圧接部21aに比べて棹12の表面寄りに位置しており、この溝部23の内底面23aと弦14との間には、干渉回避部を構成する間隙33が設けられている。
さて、上記構成のナット18において、各弦14は、各溝部23及び各第2溝部42の内部に収容された状態で前記ロッキング部材を用いることにより、該ナット18に固定される。ナット18に固定された各弦14は、各第2溝部42の内部において、凸部31にそれぞれ接触されることにより、各凸部31の表面上に臨界接触点を存在させるようにして支持される。そして、弦14は、個体差、振動の大きさ等に係わらず、凸部31の表面に臨界接触点を存在させたまま、常に凸部31を節として振動する。
前記の第2実施形態によって発揮される効果について、以下に記載する。
・ 第2実施形態のナット18は、第1及び第2支持壁22a,22bに加え、第3支持壁41が設けられている。この第3支持壁41には、複数の第2溝部42が設けられており、ナット18に固定される各弦14は、各溝部23のみならず、各第2溝部42の内部にも収容されている。そして、この第2溝部42により、複雑な動きをする振動時の弦14が棹12の幅方向へ大きく移動することを好適に規制することができる。
・ また、弦14の張設方向において、凸部31よりも圧接部21a側に位置する第1支持壁22aの溝部23は、その内底面23aと圧接部21aとの間に段差部43が設けられることにより、該内底面23aを圧接部21aに比べて棹12の表面寄りに位置させている。これにより、凸部31を該内底面23aに比べ、弦14へ向かって顕著に突出させることができる。その結果、弦14の凸部31からの遊離を防止することができるとともに、振動中の弦14に対する内底面23aの干渉を防止することができる。
・ また、弦14の張設方向において、第2溝部42と凸部31とは同位置に配置されており、凸部31は第2溝部42の内底面上に配置されている。このため、第2溝部42を設けた場合であっても、振動中の弦14に対する干渉を防止することができる。
・ また、第2溝部42と凸部31とが同位置に配置されているため、ナット本体18aを鋳造する場合、該ナット本体18aの上下方向(図6中で上下方向)で型抜きを行うことができる。従って、第1実施形態のナット本体18aに比べ、ナット本体18aの製造を容易なものとすることができる。
・ また、第2溝部42は、その内側面がテーパ状に形成されているため、弦14が棹12の幅方向へ移動することは規制するものの、弦14が棹12の幅方向へ振動することは許容している。すなわち、振動のような微小な動きに対し、テーパ状をなす第2溝部42の内側面は、弦14への接触を避けることにより、該振動への干渉を抑制するように機能している。従って、第2溝部42の内底部に凸部31を設けた場合であっても、振動時の弦14が第2溝部42に干渉することを抑制することができる。
(変更例)
なお、本実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・ 各実施形態では、トレモロ装置を有する6弦の電気ギターを例に説明したが、6弦に限らず7弦の電気ギターに適用する等、弦の数には限定されない。また、トレモロ装置の有無も限定されない。さらに必ずしも、ソリッドタイプの電気ギターに限らずアコースティックギター、セミアコースティックギター、エレアコギター等であってもよい。また、ギターに限らすベース等の他の弦楽器でもよい。
・ 凸部31は、断面略円形状、或いは球形状に形成することに限らず、断面三角形状、断面四角形状、断面六角形状等としてもよい。なお、凸部31を断面三角形状、断面六角形状等とした場合、同凸部31の弦14側の端部は、本実施形態で示した頂面となることに限らず、角部となることもある。
・ 凸部31は、凸条状に形成することに限らず、点状等として複数設けてもよい。
・ ナット18を弦楽器に取り付けて流通させることに限らず、交換用部品等としてナット18のみを流通させてもよい。
・ 凸部31に支持された弦14を、該凸部31に圧接させるようにして押圧することにより、凸部31からの弦14の遊離を抑制するための押さえ部材を設けてもよい。
さらに、前記実施形態より把握できる技術的思想について以下に記載する。
・ ナット18は、トレモロ装置付の電気ギターのロッキングタイプのものを例に説明しているが、本発明は以下に付記したような、ロッキングタイプのナット以外にも適用できる。
前記各実施形態及び変更例から把握できる技術的思想について以下に追記する。
(付記1)楽器本体に弦の一端部が固定され、該楽器本体から延設された棹の先端部に前記弦の他端部が張力を付与されつつ固定された弦楽器の前記棹に取り付けられ、前記楽器本体に設けられたブリッジに存在する臨界接触点とともに、前記張力が付与された弦の一部を振動可能に支持する臨界接触点が存在する弦楽器ナットであって、ナット本体の前記ブリッジ側端部に前記弦へ向かって突出する凸部を有し、前記弦を支持する臨界接触点が該凸部の表面上に存在することを特徴とする弦楽器用ナット。
このような弦楽器用ナットであれば、別途いわゆるゼロフレットを設けることもなく効果的に異音を抑制することができるという効果がある。
(付記2)前記付記1において、前記凸部の前記棹先端方向に前記弦を押さえる押さえ部材を備えたことを特徴とする弦楽器用ナット。
このような弦楽器用ナットであれば、弦の凸部からの遊離を効果的に防止できる。
第1実施形態の電気ギターを示す斜視図。 第1実施形態のナットを示す分解斜視図。 (a)〜(c)は、第1実施形態のナットに固定された弦を振動させた状態を示す断面図。 第1実施形態のナットを示す断面図。 第2実施形態のナットを示す分解斜視図。 第2実施形態のナットを示す断面図。 従来の弦楽器の構成を示す概念図。 従来のナットを示す分解斜視図。 従来のナットを示す断面図。 (a)〜(c)は、従来のナットに固定された弦を振動させた状態を示す断面図。
符号の説明
10…弦楽器としての電気ギター、11…楽器本体、12…棹、14…弦、18…ナット、18a…ナット本体、21a…圧接部、23…溝部、23a…溝部の内底面、24…ロッキング部材を構成する押圧駒、31…凸部、31a…臨界接触点が形成される凸部の頂面(表面)、33…干渉回避部を構成する間隙、42…溝部としての第2溝部。

Claims (8)

  1. 楽器本体と、該楽器本体から延設された棹とを備える弦楽器の前記棹に取り付けられ、ヘッドに配置された張弦装置から該棹上を該楽器本体上にわたって張設された弦の中間部を振動自在に支持する臨界接触点を形成するとともに、前記張弦装置で調弦した弦を固定するための弦楽器用ナットであって、
    前記弦を支持するために前記棹上に配置されるナット本体と、
    該ナット本体上に配置され、前記弦を押圧して前記ナット本体に圧接させることによって、該ナット本体との間に前記弦を挟持してその移動を抑制するためのロッキング部材とを備え、
    前記ナット本体上には前記弦を圧接させて前記ロッキング部材とで挟持するための圧接部が設けられており、
    該圧接部よりも前記楽器本体側に近接した該ナット本体上の部位には、該圧接部に比べて前記弦側へ突出する凸部が設けられており、該凸部は、棹の幅方向へ延びる凸条状に形成され、該凸部に前記弦を当接させることで該凸部の表面上に前記臨界接触点を形成するとともに、
    前記凸部が形成されている位置よりも前記圧接部側に近接した前記ナット本体上の部位には、その内底面へ向かうに従い幅が狭くなるように形成され、前記弦の張設方向と交差する棹の幅方向へ前記弦が移動するのを抑制するための溝部が形成されており、当該溝部により前記臨界接触点よりも圧接部側の位置において前記弦の前記幅方向への移動を抑制することを特徴とする弦楽器用ナット。
  2. 前記凸部は、前記弦の張設方向に沿う断面の形状が弧状をなすことを特徴とする請求項1に記載の弦楽器用ナット。
  3. 前記凸部は、前記ナット本体において前記楽器本体側の角部に設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の弦楽器用ナット。
  4. 楽器本体と、該楽器本体から延設された棹とを備える弦楽器の前記棹に取り付けられ、ヘッドに配置された張弦装置から該棹上を該楽器本体上にわたって張設された弦の中間部を振動自在に支持する臨界接触点を形成するとともに、前記張弦装置で調弦した弦を固定するための弦楽器用ナットであって、
    前記弦を支持するために前記棹上に配置されるナット本体と、
    該ナット本体上に配置され、前記弦を押圧して前記ナット本体に圧接させることによって、該ナット本体との間に前記弦を挟持してその移動を抑制するためのロッキング部材とを備え、
    前記ナット本体上には前記弦を圧接させて前記ロッキング部材とで挟持するための圧接部が設けられており、
    該圧接部よりも前記楽器本体側に近接した該ナット本体上の部位には、該圧接部に比べて前記弦側へ突出する凸部が設けられており、該凸部に前記弦を当接させることで該凸部の表面上に前記臨界接触点を形成するとともに、
    前記ナット本体上で前記凸部が形成されている部位には、前記弦の張設方向と交差する棹の幅方向へ前記弦が移動するのを抑制するための溝部が該溝部の内底面に前記凸部を有するように形成されるとともに、当該溝部は、それぞれの対向する一対の内側面がブリッジ側へ向かうにつれて互いに離間するテーパ状をなすように形成されており、当該溝部により前記臨界接触点において前記弦の幅方向への移動を抑制することを特徴とする弦楽器用ナット。
  5. 前記凸部が球形状に形成されたことを特徴とする請求項4に記載の弦楽器用ナット。
  6. 前記ナット本体における前記圧接部と前記凸部との間には、前記弦が前記圧接部に圧接された状態で振動するときに、該弦が、溝部の内底面と接触するのを回避するために設けられた空間である干渉回避部が設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載の弦楽器用ナット。
  7. 前記干渉回避部は、前記圧接部を前記弦の張設方向に沿う断面の形状が弧状をなすように形成するとともに、前記ロッキング部材を該圧接部に対向しない両端部の断面の曲率が該圧接部に対向する部分の断面の曲率より小さい曲率の弧状に形成することで形成していることを特徴とする請求項6に記載の弦楽器用ナット。
  8. 請求項1乃至請求項7のうちいずれか1項に記載の弦楽器用ナットを備えたことを特徴とする弦楽器。
JP2005224277A 2005-01-20 2005-08-02 弦楽器用ナット及び弦楽器 Expired - Fee Related JP4064985B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005224277A JP4064985B2 (ja) 2005-01-20 2005-08-02 弦楽器用ナット及び弦楽器
US11/326,239 US7378582B2 (en) 2005-01-20 2006-01-05 Stringed instrument nut and stringed instrument
CN2006100005462A CN1808565B (zh) 2005-01-20 2006-01-09 弦乐器弦枕以及弦乐器

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005013370 2005-01-20
JP2005224277A JP4064985B2 (ja) 2005-01-20 2005-08-02 弦楽器用ナット及び弦楽器

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006227570A JP2006227570A (ja) 2006-08-31
JP4064985B2 true JP4064985B2 (ja) 2008-03-19

Family

ID=36682491

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005224277A Expired - Fee Related JP4064985B2 (ja) 2005-01-20 2005-08-02 弦楽器用ナット及び弦楽器

Country Status (3)

Country Link
US (1) US7378582B2 (ja)
JP (1) JP4064985B2 (ja)
CN (1) CN1808565B (ja)

Families Citing this family (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4064985B2 (ja) * 2005-01-20 2008-03-19 星野楽器株式会社 弦楽器用ナット及び弦楽器
US7164073B2 (en) * 2005-02-11 2007-01-16 Sperzel Robert J String support
JP5109666B2 (ja) * 2008-01-09 2012-12-26 ヤマハ株式会社 弦楽器のテールピース保持構造
US7750217B2 (en) * 2008-09-02 2010-07-06 Gregory Scott Decker Intonated nut with locking mechanism for musical string instruments
US8153873B2 (en) * 2008-09-02 2012-04-10 Gregory Scott Decker Intonated nut with locking mechanism for musical instruments and methods of use
JP6026174B2 (ja) * 2012-08-22 2016-11-16 後藤ガット有限会社 弦楽器用ブリッジ及びサドル並びに弦楽器
USD788211S1 (en) * 2014-06-05 2017-05-30 Stonefield International Limited Stringed instrument tailpiece tuner
WO2016057178A1 (en) * 2014-10-07 2016-04-14 Decker Gregory Improved locking intonated string nut with tuner mount for stringed musical instruments and methods of use
GB201419480D0 (en) * 2014-10-31 2014-12-17 Brain Archibald Ian Jeremy Bridge for stringed instrument
WO2016088107A1 (en) * 2014-12-04 2016-06-09 Martin Billy Frank Reverse pull and double down pressure bridge
RU2604324C1 (ru) * 2015-05-12 2016-12-10 Александр Евгеньевич Хромов Порожек струнного музыкального инструмента мультифункциональный
JP1604508S (ja) * 2017-07-05 2018-05-21
US10255893B1 (en) 2018-02-02 2019-04-09 Murray R. Clark Locking string retainer for stringed musical instrument

Family Cites Families (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US2191776A (en) * 1939-01-12 1940-02-27 Elmer A Schreiber Nut for stringed musical instruments
US4171661A (en) * 1977-01-03 1979-10-23 Rose Floyd D Guitar tremolo method and apparatus
JPS59106184U (ja) * 1982-12-31 1984-07-17 東海楽器製造株式会社 電気ギタ−
USRE32863E (en) * 1983-10-21 1989-02-14 Locking nut assembly for a guitar
US4517874A (en) * 1984-06-19 1985-05-21 Fender C Leo String lock mechanism for musical instruments
US4574678A (en) * 1984-06-29 1986-03-11 Edwards William H String locking assembly for a musical instrument
US4608906A (en) * 1984-07-06 1986-09-02 Nippon Gakki Co., Ltd. Tremolo apparatus for an electric guitar
JPS62500051A (ja) 1984-07-27 1987-01-08 ウイルキンソン,トレバ− エイ. 弦楽器用上駒
JPS6149395A (ja) * 1984-08-15 1986-03-11 電気興業株式会社 誘導加熱装置
JPS6149393A (ja) 1984-08-17 1986-03-11 三菱電機株式会社 避雷装置
US4669350A (en) * 1985-01-31 1987-06-02 Gressett Jr Charles A Clamping nut and method
JPH0696072B2 (ja) 1987-01-19 1994-11-30 三洋電機株式会社 ドラム式洗濯機
US5589653A (en) * 1995-06-07 1996-12-31 Rose; Floyd D. Tuning systems for stringed instruments
JP2003316360A (ja) 1995-06-07 2003-11-07 Floyd D Rose 弦楽器および楽器の弦
JP3705585B2 (ja) * 2001-10-09 2005-10-12 星野楽器株式会社 トレモロ装置を備えた電気ギター
CN2529341Y (zh) * 2002-01-26 2003-01-01 周伟 六弦及十二弦互换式同颈双用吉他
JP4064985B2 (ja) * 2005-01-20 2008-03-19 星野楽器株式会社 弦楽器用ナット及び弦楽器

Also Published As

Publication number Publication date
CN1808565A (zh) 2006-07-26
CN1808565B (zh) 2010-05-12
JP2006227570A (ja) 2006-08-31
US20060156893A1 (en) 2006-07-20
US7378582B2 (en) 2008-05-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4064985B2 (ja) 弦楽器用ナット及び弦楽器
US20170206881A1 (en) Musical instrument and acoustic transducer device
US7592529B2 (en) Stringed musical instrument and structure of tailpiece unit used therein
US7288706B2 (en) Stringed musical instrument with multiple bridge-soundboard units
JP7098219B1 (ja) 弦楽器励振装置および弦楽器励振システム
WO2022092327A2 (ja) 弦楽器
JP2009510511A (ja) 弦楽器
JP6981021B2 (ja) エレクトリックギターのボディおよびエレクトリックギター
WO2016027856A1 (ja) 弦楽器の支持体、弦楽器の加振装置
US10008185B2 (en) Stringed instrument with lead crystal fingerboard or fretboard and bridge
US20210020147A1 (en) Saddle and bridge for reducing longitudinal waves in a string instrument
JP4854801B1 (ja) 電気擦弦楽器および電気撥弦楽器−電気擦弦楽器変換キット
JP4356630B2 (ja) 撥弦楽器および撥弦楽器用ピックアップ
KR20220091036A (ko) 비올족 현악기
JP2006285078A (ja) ブリッジサイレンサ
JP6573350B1 (ja) 楽器用共鳴補助具及び楽器
JP5672841B2 (ja) 弦楽器
JPWO2020022183A1 (ja) 楽器
JP6960647B1 (ja) 振動増幅器
US20180254024A1 (en) Mute for stringed instrument
JP3232965U (ja) 振動増幅器
JP4222237B2 (ja) 擦弦楽器
WO2024218806A1 (ja) シングルリード向け木管楽器用リガチャー
JP7329870B2 (ja) 音響装置
KR200492658Y1 (ko) 현악기 운지용 보조기구

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060915

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070413

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070417

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070618

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070821

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071019

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20071218

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20071227

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 4064985

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110111

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140111

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees