JPH0696072B2 - ドラム式洗濯機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （イ） 産業上の利用分野 本発明は、衣類の量（負荷量）を検出し、その負荷量に
応じて行程制御を行なうドライクリーナ等のドラム式洗
濯機に関する。

（ロ） 従来の技術 負荷量を検出し、その負荷量に応じて行程制御する洗濯
機の一例が特開昭61−106195号公報に開示されている。
このものは衣類を入れた洗濯槽内に給水し、この給水量
を測定していてそれが規定量に成ると、給水を止め、こ
の時の槽内水位を検出し、規定水量と検出水位の相関々
係に基づいて衣類の量（負荷量）を判定している。

このような負荷量判定の仕方はドラム式洗濯機にも通用
する。ドラム式洗濯機においては一般に、回転ドラムを
内装した洗濯室に少量の液を供給した状態でドラムを回
転して衣類をたたき洗いする。液量が多過ぎると、液が
クッションとなって衣類をたたき洗いできないからであ
る。

而して、給液量が少ない状況においては、衣類の量が多
い程、液面から上に出る衣類の部分が多くなり、この部
分に吸われる液量が多くなるため、特開昭61−106195号
公報のように規定量の液を供給すると、衣類の量が多い
程、検出水位が低くなる。そして、この関係から衣類の
量を判定する。

しかし、いずれの洗濯機においても、給水（液）時点で
負荷量を判定できるという利点があるものの、給水
（液）量を測定する手段を配管に付設し、且つ水位（液
位）を検出するセンサーを設ける必要があり、構造が複
雑となる欠点がある。

（ハ）発明が解決しようとする課題 本発明は、ドラム式洗濯機において、給液量を直接測定
する手段等を別途設けることなく、簡単な構造にて負荷
量を測定でき、もって負荷量に応じた運転を可能としよ
うとするものである。

（ニ）課題を解決するための手段 本発明のドラム式洗濯機は、衣類を収納する回転ドラム
を内装した洗濯室と、この洗濯室内へ給液する給液弁
と、液位を設定する液位設定部と、この液位設定部によ
る設定液位まで上記給液弁を介して給液されたのを検知
する液位検知手段と、この液位検知手段による給液検知
までの給液時間を計測する計測部と、上記液位設定部に
よる設定液位毎の基準時間を予め記憶する記憶部と、前
記計測部により計測された給液時間を、この計測に際し
ての設定液位に対応する上記記憶部内の基準時間と比較
する比較部と、この比較部による比較結果に基づいて、
上記回転ドラム内の衣類の量を判定して運転条件を設定
する運転条件設定部と、この運転条件設定部により設定
された運転条件に基づいて運転を実行する制御部とを備
えたことを特徴とする。

（ホ） 作用 給液量を測定するのに代えて給液時間を計測し、液位検
知を設定液位毎に行なう。そして、設定液位毎の基準給
液時間と測定した給液時間を比較する。通常の衣類は、
給液するので、負荷量が多くて（即ち液面から上に出る
衣類の部分が多くて）吸液量も多くなると、設定液位に
まで到達する時間、即ち測定給液時間は長くなる。斯る
関係から負荷量を判定し、この判定された負荷量に応じ
た運転条件（乾燥時間）を設定し、乾燥行程に成ると例
えばヒータ及びファンから成る乾燥手段をその乾燥時間
だけ作動させ、乾燥不足や過乾燥の無い仕上りとするの
である。

（ヘ） 実施例 図面に基づいてドライクリーナの例を説明すると、第３
図に於いて（１）はモータ駆動の横軸型の回転ドラム
（２）を内装した洗濯兼乾燥室であり、その上部両側に
通風路（３）を接続し、この通風路（３）内には乾燥行
程にて作動するファン（４）、凝縮器（５）及び加熱器
（６）から成る乾燥手段を配設している。そして、洗濯
行程では回転ドラム（２）を低速反転してたたき洗いを
行ない、排液後に回転ドラム（２）を高速回転して脱液
を行ない、この洗いと脱液の組合せを運転プログラムに
よって最大２回実行し、この後に回転ドラム（２）を低
速回転（反転）する中で乾燥手段を作動して乾燥を行な
う。

（７）は溶剤を収容したタンクであり、ポンプ（８）、
逆止弁（９）、フィルター（10）及び給液弁（11）を介
して上記洗濯兼乾燥室（１）に給液する。また、洗濯兼
乾燥室（１）からボタントラップ（12）及び排液弁（1
3）を介して排液させている。

（140）（141）（142）（143）…は洗濯兼乾燥室（１）
内の液位検知手段としての圧力スイッチであり、スイッ
チ（140）は０度（即ち排液状態）、スイッチ（141）は
１度、スイッチ（142）は２度、スイッチ（143）は３度
を夫々個々に検知する。ここで、１度とは洗濯兼乾燥室
（１）内の中位までを10度としてその1/10を示す。尚、
圧力スイッチはフロートスイッチ等で代用することがで
きる。

而して、斯るドライクリーナは操作パネル部内に記憶
部、演算部、入、出力制御部等から成るマイクロコンピ
ュータ（15）（以下マイコン）を装着し、操作パネル面
には手動操作用のスタートキー（16）、ストップキー
（17）、運転プログラムの選択キー（18）、液位設定キ
ー（19）、各キーによる操作状態を個々にLED（発光ダ
イオード）で示す表示装置（20）を設け、またブザー
（21）を適所に装着している。そして、このマイコン
（15）は圧力スイッチ（140）（141）（142）（143）
…、各キー（16）（17）（18）（19）、凝縮器（５）と
加熱器（６）の各サーモ（22）（23）からの検知信号を
入力し、回転ドラム（２）（モータ）、ファン（４）、
凝縮器（５）の冷却源（24）、加熱器（６）の加熱源
（25）、ポンプ（８）、給液弁（11）、排液弁（13）、
表示装置（20）、ブザー（21）に制御信号を出力する
（第１図参照）。尚、マイコン（15）は選択された運転
プログラム中に予め液位が設定してあれば、液位設定キ
ー（19）の操作が無い時にはプログラムの設定値を液位
とし、キー（19）の操作が有る時にはキー操作によって
設定した液位を設定液位とする。

次に、マイコン（15）が本ドライクリーナの運転を制御
する動作について第２図に基づいて説明するが、ここで
は説明を簡略化するために液位を１度か３度に手動設定
できる例を示す。まず、スタートキー（16）の操作に先
だって運転プログラムの選択操作と液位の設定操作とが
記憶されているかを判別する。運転は第１回目の給液−
洗い−排液−脱液の処理から開始し、この後に第２回目
の処理行程へ移行させる。運転プログラムによっては第
１回目の処理の方が省略される。そして、行程CNT及び
給液CNT、をクリアし、洗い用の運転CNTに例えば10分を
セットし、行程CNTから判別する。行程CNT＝φは給液を
示し、給液弁（11）を開放して排液弁（13）を閉成し、
ポンプ（８）を駆動する。衣類は１回目の処理中に反転
した時に確実に脱気しており、この給液中には外気を含
ますことなく再吸液する。マイコン（15）は設定液位が
１度であれば圧力スイッチ（141）が、３度であれば圧
力スイッチ（143）が、ONするのを判別している。設定
液位に対応するスイッチがONするまで、１秒毎に給液CN
Tでカウントし、ONすると給液CNTの内容を記憶部に記憶
させ、行程CNTを洗いである“1"に変え、ポンプ（８）
を停止して給液弁（11）を閉成する。

洗い工程は運転CNTがカウントダウンするまで実行さ
せ、その後に排液を含む第２回目の脱液処理を実行さ
せ、この後に乾燥行程へ移行させる。

乾燥行程では記憶されている設定液位を呼出し、それが
１度か３度かを判別し、１度であれば予め記憶されてい
る30カウントを、３度であれば同じく90カウントを夫々
基準給液時間として呼出すと共に、先に計測していた給
液CNTのカウントを呼出し、比較する。そして、設定液
位が１度で且つ30カウントより少い場合は負荷量が最少
と判定して運転CNTに10分を設定し、同じく１度で且つ3
0カウントを越える場合は負荷量が少いと判定して運転C
NTに12分を設定し、３度で且つ90カウントより少い場合
は負荷量が中と判定して運転CNTに14分を設定し、３度
で且つ90カウントを越える場合は負荷量が多いと判定し
て運転CNTに16分を設定する。

この後に行程CNTを乾燥作業である“φ”としてドラム
（２）を反転し、排液弁（13）を開放し、ファン（４）
及び冷却源（24）を作動し、加熱源（25）を加熱器
（６）の温度をサーモ（23）で測定しながら作動させ
る。この乾燥作業中に運転CNTを１分毎にカウントダウ
ンし、終了すると、行程CNTをクールダウンを示す“1"
に変え、加熱源（25）だけを非作動とする。

クールダウンは自動的に５分間実行させ、これが終了す
ると、ドラム（２）及びファン（４）を停止し、冷却源
（24）を非作動とし、ブザー（21）によって終了報知さ
せる。また、表示装置（20）によって全行程の終了、次
回の待期を表示させる。

尚、２回目の処理での給液中に時間を計測すると、衣類
自身が抱き込む空気がほとんど無くなり、より精度の良
い負荷量の判定ができるものである。

（ト） 発明の効果 本発明のドラム式洗濯機によれば、負荷量を判定して運
転条件を設定し運転を実行するものであり、負荷量に応
じた適切な運転を実行することができる。

更に、負荷量は、設定液位の検知までの給液時間を当該
設定液位に対応する基準時間と比較し、この比較結果に
基づいて検知するようにしたものであり、従って、給液
量を直接測定する手段等を別途設けることなく、液位検
知手段を利用して負荷量検知を行うことができ、負荷量
検知のための構造を簡単化することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に於ける洗濯乾燥機の制御ブロック図、
第２図は動作説明のためのフローチャート、第３図は本
発明の一実施例を示すドライクリーナの配管機構図であ
る。 （１）……洗濯兼乾燥室、（２）……回転ドラム、
（４）……ファン、（６）……加熱器、（８）……ポン
プ、（11）……給液弁、（140）（141）（142）（143）
……圧力スイッチ（液位検知手段）、（15）……マイコ
ン、（19）……液位設定キー。

フロントページの続き (72)発明者 板根 鐵男 大阪府守口市京阪本通２丁目18番地 三洋 電機株式会社内 (72)発明者 初田 剛一 大阪府守口市京阪本通２丁目18番地 三洋 電機株式会社内 (56)参考文献 特開 昭57−17695（ＪＰ，Ａ) 特開 昭61−106195（ＪＰ，Ａ) 特開 昭59−32499（ＪＰ，Ａ)

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】衣類を収納する回転ドラムを内装した洗濯
   室と、この洗濯室内へ給液する給液弁と、液位を設定す
   る液位設定部と、この液位設定部による設定液位まで上
   記給液弁を介して給液されたのを検知する液位検知手段
   と、この液位検知手段による給液検知までの給液時間を
   計測する計測部と、上記液位設定部による設定液位毎の
   基準時間を予め記憶する記憶部と、前記計測部により計
   測された給液時間を、この計測に際しての設定液位に対
   応する上記記憶部内の基準時間と比較する比較部と、こ
   の比較部による比較結果に基づいて、上記回転ドラム内
   の衣類の量を判定して運転条件を設定する運転条件設定
   部と、この運転条件設定部により設定された運転条件に
   基づいて運転を実行する制御部とを備えたことを特徴と
   するドラム式洗濯機。