JP4220459B2 - 半導体装置 - Google Patents

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Description

本発明は、キャパシタを有する半導体装置に関する。
近年、キャパシタの誘電体膜に強誘電体膜を用いた強誘電体メモリ、すなわちFeRAM(Ferroelectric Random Access Memory)の開発が進められている。強誘電体メモリに用いられる代表的な強誘電体膜としては、ペロブスカイト構造を有するPb(ZrxTi1-x )O3 膜(PZT膜)があげられる。
強誘電体膜としてPZT膜を用いた場合、疲労特性の改善等の観点から、電極にはSrRuO3 膜(SRO膜)等の導電性ペロブスカイト型金属酸化物膜が用いられる。例えば、特許文献1及び特許文献2には、SRO膜とPt膜との積層膜を電極に用いた強誘電体キャパシタが記載されている。
また、強誘電体メモリの高集積化をはかるため、プラグ上にキャパシタが形成された、いわゆるCOP(capacitor on plug)構造が提案されている。このCOP構造では、熱処理によってプラグが酸化されないようにするため、酸素バリア性の高いIr膜或いはIr酸化物膜をキャパシタの下部電極の一部に用いている。
しかしながら、上述した構造では、Irが導電性ペロブスカイト型金属酸化物膜やキャパシタ誘電体膜に拡散し、キャパシタの特性や信頼性を低下させるという問題が生じる。例えば、IrがPZT膜中のPbと反応して導電性酸化物が形成され、キャパシタのリーク電流が増大するといった問題や、IrがSRO膜中のSrと反応してSRO膜の結晶性を劣化させ、SRO膜上の誘電体膜の特性や信頼性を低下させるといった問題が生じる。
特開2000−208725号公報 特開2000−260954号公報
このように、ペロブスカイト構造を有する金属酸化物膜をキャパシタ誘電体膜として用いたキャパシタでは、Irの拡散によってキャパシタの特性や信頼性を低下させるという問題があった。
本発明は、上記従来の課題に対してなされたものであり、キャパシタの特性や信頼性の低下を防止することが可能な半導体装置を提供することを目的としている。
本発明に係る半導体装置は、半導体基板と、前記半導体基板の上方に設けられ、下部電極と、上部電極と、前記下部電極と前記上部電極との間に設けられた誘電体膜とを含むキャパシタと、を備え、前記下部電極は、イリジウムを含む第1の導電膜と、前記誘電体膜と前記第1の導電膜との間に設けられ且つプラチナ膜で形成された第2の導電膜と、前記誘電体膜と前記第2の導電膜との間に設けられ且つSrRuO 3 で形成された第3の導電膜と、前記第1の導電膜と前記第2の導電膜との間に設けられ且つチタン膜を含み且つ前記第1の導電膜に含まれるイリジウムの拡散を防止する拡散防止膜と、前記第2の導電膜と前記第3の導電膜との間に設けられ且つチタン膜で形成されたシード層と、を備え、
前記誘電体膜は、ペロブスカイト構造を有する絶縁性金属酸化物膜を含み、該絶縁性金属酸化物膜は、Pb(ZrxTi1-x )O3 (ただし0<x<0.35)で表されることを特徴とする。
本発明によれば、第1の導電膜と第2の導電膜との間に拡散防止膜を設けるとともに、Pb(ZrxTi1-x )O3 で表される絶縁性金属酸化物膜のx値を適正化することにより、特性や信頼性に優れたキャパシタを得ることが可能となる。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
(実施形態1)
図1〜図3は、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を模式的に示した断面図である。
まず、図1に示すように、p型シリコン基板(半導体基板)100上に、STI(Sallow Trench Isolation)構造の素子分離領域101を形成する。続いて、MISトランジスタを以下のようにして形成する。
まず、ゲート絶縁膜102として、熱酸化により厚さ6nm程度のシリコン酸化膜を形成する。続いて、ゲート絶縁膜102上に、砒素をドープしたn+ 型多結晶シリコン膜103を形成する。さらに、多結晶シリコン膜103上にWSix 膜104及びシリコン窒化膜105を形成する。その後、多結晶シリコン膜103、WSix 膜104及びシリコン窒化膜105を、通常の光リソグラフィー法及びRIE法によって加工して、ゲート電極を形成する。続いて、全面にシリコン窒化膜106を堆積する。さらに、RIEを行い、ゲート電極の側壁上にシリコン窒化膜106からなる側壁スペーサを形成する。なお、詳細な説明は省くが、本工程において、イオン注入及び熱処理により、ソース/ドレイン領域107が形成される。
次に、図2に示すように、CVD(化学的気相成長)法により全面にシリコン酸化膜108を堆積し、さらにCMP法により平坦化処理を行う。続いて、一方のソース/ドレイン領域107に達するコンタクトホールをシリコン酸化膜108に形成する。その後、スパッタリング法或いはCVD法によりチタン膜を堆積する。続いて、フォーミングガス中で熱処理を行うことによりチタン膜を窒化して、TiN膜110を形成する。さらに、CVD法によりタングステン膜111を堆積する。続いて、CMP法によりコンタクトホール外のTiN膜110及びタングステン膜111を除去し、コンタクトホール内にTiN膜110及びタングステン膜111を残す。これにより、一方のソース/ドレイン領域107に接続されたプラグが形成される。その後、全面にCVD法によりシリコン窒化膜112を堆積する。さらに、もう一方のソース/ドレイン領域107に達するコンタクトホールを形成する。続いて、上述した方法と同様の方法により、TiN膜114及びタングステン膜115をコンタクトホール内に形成する。これにより、他方のソース/ドレイン領域107に接続されたプラグが形成される。
次に、図3に示すように、厚さ10nm程度のチタン(Ti)膜116をスパッタリング法によって堆積する。続いて、第1の導電膜117として、厚さ100nm程度のイリジウム(Ir)膜117a及び厚さ50nm程度のイリジウム酸化物(IrO2 )膜117bを、順次スパッタリング法によって堆積する。これらのイリジウム膜117a及びイリジウム酸化物膜117bは、酸素バリア性が高いため、後の熱処理工程においてプラグ115の酸化を防止することができる。続いて、拡散防止膜として、厚さ2.5nm程度のチタン(Ti)膜118aをスパッタリング法によって堆積する。このチタン膜118aは、イリジウム膜117a及びイリジウム酸化物膜117bに含まれるイリジウムの上方への拡散を防止するためのものである。続いて、第2の導電膜として、厚さ50nm程度のプラチナ(Pt)膜119を、スパッタリング法によって堆積する。続いて、シード層として、厚さ1.5nm程度のチタン膜120をスパッタリング法によって堆積する。さらに、チタン膜120上に、第3の導電膜として、厚さ2.5nm程度のSrRuO3 膜(SRO膜)121を、スパッタリング法によって堆積する。続いて、酸素雰囲気中でのRTA(Rapid Thermal Annealing)により、SRO膜121の結晶化を行う。なお、例えば500℃の温度でSRO膜121を堆積することにより、結晶性に優れたSRO膜121を容易に形成することが可能である。
次に、キャパシタの誘電体膜(強誘電体膜)として、厚さ130nm程度のPb(ZrxTi1-x )O3 膜(PZT膜)122をスパッタリング法によって形成する。さらに、酸素雰囲気中でのRTAにより、PZT膜122の結晶化を行う。本実施形態では、上記xの値を、x=0.30とする。すなわち、PZT膜122として、Pb(Zr0.3Ti0.7)O3 膜を形成する。
次に、厚さ10nm程度のSRO膜123をスパッタリング法によって堆積する。さらに、酸素雰囲気中でのRTAにより、SRO膜123の結晶化を行う。なお、例えば500℃の温度でSRO膜123を堆積することにより、結晶性に優れたSRO膜123を容易に形成することが可能である。さらに、厚さ50nm程度のプラチナ膜124をスパッタリング法によって堆積する。
次に、CVD法によって全面にシリコン酸化膜(図示せず)を堆積する。さらに、光リソグラフィー法とRIE法によって、シリコン酸化膜をパターンニングする。続いて、パターニングされたシリコン酸化膜をマスクとして、RIE法により、プラチナ膜124、SRO膜123及びPZT膜122をエッチングする。さらに、光リソグラフィー法とRIE法により、SRO膜121、チタン膜120、プラチナ膜119、チタン膜118a、イリジウム酸化物膜117b、イリジウム膜117a及びチタン膜116をパターニングする。
このようにして、チタン膜116、イリジウム膜117a、イリジウム酸化物膜117b、チタン膜118a、プラチナ膜119、チタン膜120及びSRO膜121を有する下部電極と、PZT膜122で形成された誘電体膜と、SRO膜123及びプラチナ膜124を有する上部電極とを備えた強誘電体キャパシタが形成される。
なお、上述した強誘電体キャパシタ形成工程において、上部電極膜、誘電体膜及び下部電極膜を、同一のリソグラフィ工程及びエッチング工程によってパターニングしてもよい。この場合には、上部電極、誘電体及び下部電極の側面は、実質的に同一平面内に位置する。
その後、全面にCVD法によりシリコン酸化膜125を堆積する。続いて、エッチング時にPZT膜122に生じたダメージを回復するために、酸素雰囲気下において650℃程度の温度で熱処理を行う。この熱処理の際に、タングステンプラグ115の表面は、酸素バリア性の高いイリジウム膜117a及びイリジウム酸化物膜117bによって覆われているため、タングステンプラグ115の酸化が防止される。また、イリジウム酸化物膜117b上にはチタン膜118aが形成されているため、イリジウム膜117a及びイリジウム酸化物膜117bに含まれるイリジウムの拡散が、チタン膜118aによってブロックされる。したがって、イリジウムがプラチナ膜119を通してSRO膜121及びPZT膜122へ拡散することを防止することができる。
その後の工程は図示しないが、タングステン膜111に接続されるコンタクトの形成、ドライブ線及びビット線の形成、メタル配線の形成等を行い、COP(Capacitor On Plug)構造を有する強誘電体メモリが完成する。
図4は、上述した工程と同様の工程によって形成されたキャパシタについて、そのヒステリシス特性を示した図である。図5は、比較例のキャパシタについて、そのヒステリシス特性を示した図である。横軸はキャパシタへの印加電圧、縦軸はキャパシタの分極である。
具体的には、本実施形態に関する試料については、シリコン基板上のシリコン酸化膜上に、チタン膜(厚さ10nm)、イリジウム膜(厚さ100nm)、イリジウム酸化物膜(厚さ50nm)、チタン膜(厚さ2.5nm)、プラチナ膜(厚さ50nm)、チタン膜(厚さ1.5nm)、SRO膜(厚さ2.5nm)、PZT膜(Pb(Zr0.3Ti0.7)O3 膜、厚さ130nm)、SRO膜(厚さ10nm)、及びプラチナ膜(厚さ50nm)を、順次形成した。
比較例に関するキャパシタについては、シリコン基板上のシリコン酸化膜上に、チタン膜(厚さ10nm)、イリジウム膜(厚さ100nm)、イリジウム酸化物膜(厚さ50nm)、プラチナ膜(厚さ50nm)、チタン膜(厚さ2.5nm)、SRO膜(厚さ10nm)、PZT膜(Pb(Zr0.3Ti0.7)O3 膜、厚さ130nm)、SRO膜(厚さ10nm)、及びプラチナ膜(厚さ50nm)を、順次形成した。すなわち、比較例のキャパシタについては、拡散防止膜(図3に示したチタン膜118aに対応)を設けていない。
図4(本実施形態)と図5(比較例)を対比すれば明らかなように、本実施形態のキャパシタは比較例のキャパシタに比べて、スイッチング電荷量(Qsw)及び角型比ともに大幅に改善されており、ヒステリシス特性が大幅に向上していることがわかる。
図6は、図4で述べた試料と同様の試料について、Pb(ZrxTi1-x )O3 膜(PZT膜)におけるx値とスイッチング電荷量との関係を示した図である。
図6に示すように、x値が0.35以上になると、スイッチング電荷量が急激に減少する。すなわち、x値が0.35以上になると、キャパシタ特性が急激に悪化する。したがって、良好なキャパシタ特性を得るためには、x値が0.35よりも小さい(0<x<0.35)ことが必要である。また、x値が0.25以下の場合には、一般に結晶性等に優れたPZT膜を形成することが困難である。したがって、0.25<x<0.35であることが好ましい。
図7は本実施形態に関する試料のXRDパターンを示した図であり、図8は本実施形態の比較例に関する試料のXRDパターンを示した図である。横軸は角度(2θ)、縦軸は強度である。
本実施形態に関する試料については、シリコン基板上のシリコン酸化膜上に、チタン膜(厚さ10nm)、イリジウム膜(厚さ100nm)、イリジウム酸化物膜(厚さ50nm)、チタン膜(厚さ2.5nm)、プラチナ膜(厚さ50nm)、チタン膜(厚さ1.5nm)、SRO膜(厚さ2.5nm)、及びPZT膜(Pb(Zr0.3Ti0.7)O3 膜、厚さ130nm)を、順次形成した。
比較例に関する試料については、シリコン基板上のシリコン酸化膜上に、チタン膜(厚さ10nm)、イリジウム膜(厚さ100nm)、イリジウム酸化物膜(厚さ50nm)、プラチナ膜(厚さ50nm)、チタン膜(厚さ2.5nm)、SRO膜(厚さ10nm)、及びPZT膜(Pb(Zr0.3Ti0.7)O3 膜、厚さ130nm)を、順次形成した。すなわち、比較例のキャパシタについては、拡散防止膜(図3に示したチタン膜118aに対応)を設けていない。
なお、本実施形態の試料及び比較例の試料ともに、PZT膜及びSRO膜に関しては、アモルファス膜をスパッタリングによって形成した後、酸素雰囲気中でのアニールにより結晶化を行った。
図7(本実施形態)と図8(比較例)を対比すれば明らかなように、比較例の試料のPZT膜は、ランダム配向であり、良好な結晶性は得られていない。これに対して、本実施形態の試料のPZT膜は、(111)配向のピークが観察され、極めて良好な結晶性が得られた。
以上のように、本実施形態によれば、イリジウム膜117aとイリジウム酸化物膜117bとの積層膜(第1の導電膜)とプラチナ膜119(第2の導電膜)との間に、イリジウムの拡散に対するバリア効果の高いチタン膜118a(拡散防止膜)を設けている。そのため、イリジウムがプラチナ膜119を通してSRO膜121(第3の導電膜)及びPZT膜122(誘電体膜)へ拡散することを防止できる。その結果、イリジウムとSRO膜に含まれる元素との反応や、イリジウムとPZT膜に含まれる元素との反応が抑制され、SRO膜やPZT膜の劣化を防止することができる。特に、Pb(ZrxTi1-x )O3 膜(PZT膜)におけるx値を、0<x<0.35、好ましくは0.25<x<0.35とすることにより、極めて優れた特性及び信頼性を有するキャパシタを得ることが可能となる。
また、一般にイリジウム酸化物膜は(111)配向を示さないため、イリジウム酸化物膜上に直接プラチナ膜を形成した場合には、プラチナ膜も良好な(111)配向を示さない。そのため、良好な(111)配向を有するSRO膜及びPZT膜(Pb(ZrxTi1-x )O3 膜、0.25<x<0.35)を得ることが困難である。本実施形態では、イリジウム酸化物膜とプラチナ膜との間にチタン膜を形成することにより、プラチナ膜が(111)配向しやすくなり、良好な(111)配向を有するSRO膜及びPZT膜を得ることが可能となる。したがって、良好なSRO膜及びPZT膜を得ることができ、特性及び信頼性に優れたキャパシタを得ることが可能となる。
(実施形態2)
図9は、本発明の参考例としての第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法を模式的に示した断面図である。なお、キャパシタ形成工程前の工程については、第1の実施形態で示した図1及び図2の工程と同様である。
第1の実施形態の図2の工程の後、図9に示すように、厚さ10nm程度のチタン膜116をスパッタリング法によって堆積する。続いて、第1の導電膜117として、厚さ100nm程度のイリジウム(Ir)膜117a及び厚さ50nm程度のイリジウム酸化物(IrO2 )膜117bを、順次スパッタリング法によって堆積する。続いて、厚さ2.5nm程度のチタン(Ti)膜をスパッタリング法によって堆積する。さらに、酸素雰囲気中でのRTAにより該チタン膜を酸化して、拡散防止膜としてチタン酸化物膜(TiO2 膜)118bを形成する。このチタン酸化物膜118bは、イリジウム膜117a及びイリジウム酸化物膜117bに含まれるイリジウムの上方への拡散を防止するためのものである。続いて、第2の導電膜として、厚さ50nm程度のプラチナ(Pt)膜119を、スパッタリング法によって堆積する。続いて、シード層として、厚さ1.5nm程度のチタン膜120をスパッタリング法によって堆積する。さらに、チタン膜120上に、第3の導電膜として、厚さ2.5nm程度のSrRuO3 膜(SRO膜)121を、スパッタリング法によって堆積する。続いて、酸素雰囲気中でのRTAにより、SRO膜121の結晶化を行う。なお、例えば500℃の温度でSRO膜121を堆積することにより、結晶性に優れたSRO膜121を容易に形成することが可能である。
次に、キャパシタの誘電体膜(強誘電体膜)として、厚さ130nm程度のPb(ZrxTi1-x )O3 膜(PZT膜)122をスパッタリング法によって形成する。さらに、酸素雰囲気中でのRTAにより、PZT膜122の結晶化を行う。本実施形態では、上記xの値を、x=0.30とする。すなわち、PZT膜122として、Pb(Zr0.3Ti0.7)O3 膜を形成する。
次に、厚さ10nm程度のSRO膜123をスパッタリング法によって堆積する。さらに、酸素雰囲気中でのRTAにより、SRO膜123の結晶化を行う。なお、例えば500℃の温度でSRO膜123を堆積することにより、結晶性に優れたSRO膜123を容易に形成することが可能である。さらに、厚さ50nm程度のプラチナ膜124をスパッタリング法によって堆積する。
次に、CVD法によって全面にシリコン酸化膜(図示せず)を堆積する。さらに、光リソグラフィー法とRIE法によって、シリコン酸化膜をパターンニングする。続いて、パターニングされたシリコン酸化膜をマスクとして、RIE法により、プラチナ膜124、SRO膜123及びPZT膜122をエッチングする。さらに、光リソグラフィー法とRIE法により、SRO膜121、チタン膜120、プラチナ膜119、チタン酸化物膜118b、イリジウム酸化物膜117b、イリジウム膜117a及びチタン膜116をパターニングする。
このようにして、チタン膜116、イリジウム膜117a、イリジウム酸化物膜117b、チタン酸化物膜118b、プラチナ膜119、チタン膜120及びSRO膜121を有する下部電極と、PZT膜122で形成された誘電体膜と、SRO膜123及びプラチナ膜124を有する上部電極とを備えた強誘電体キャパシタが形成される。
その後、全面にCVD法によりシリコン酸化膜125を堆積する。続いて、エッチング時にPZT膜122に生じたダメージを回復するために、酸素雰囲気下において650℃程度の温度で熱処理を行う。この熱処理の際に、タングステンプラグ115の表面は、酸素バリア性の高いイリジウム膜117a及びイリジウム酸化物膜117bによって覆われているため、タングステンプラグ115の酸化が防止される。また、イリジウム酸化物膜117b上にはチタン酸化物膜118bが形成されているため、イリジウム膜117a及びイリジウム酸化物膜117bに含まれるイリジウムの拡散が、チタン酸化物膜118bによってブロックされる。したがって、イリジウムがプラチナ膜119を通してSRO膜121及びPZT膜122へ拡散することを防止することができる。
その後の工程は図示しないが、タングステン膜111に接続されるコンタクトの形成、ドライブ線及びビット線の形成、メタル配線の形成等を行い、COP構造を有する強誘電体メモリが完成する。
以上のように、本実施形態では、イリジウム膜117aとイリジウム酸化物膜117bとの積層膜(第1の導電膜)とプラチナ膜119(第2の導電膜)との間に、チタン酸化物膜118bを設けている。そのため、第1の実施形態と同様、良好なSRO膜及びPZT膜を得ることができ、特性及び信頼性に優れたキャパシタを得ることが可能となる。また、本実施形態においても、Pb(ZrxTi1-x )O3 膜(PZT膜)におけるx値とスイッチング電荷量との関係は、図6と同様の傾向を示す。したがって、第1の実施形態と同様、PZT膜におけるx値を、0<x<0.35、好ましくは0.25<x<0.35とすることにより、極めて優れた特性及び信頼性を有するキャパシタを得ることが可能となる。
なお、上述した第1及び第2の実施形態は、以下のような種々の変更が可能である。
イリジウムの拡散を防止する拡散防止膜としては、Ti、V、W、Zr、Co、Mg、Hf、Mo、Mn、Ta、Nb、Pb及びAlの少なくとも一つを含む金属膜を用いることが可能である。また、Ti、V、W、Zr、Co、Mg、Hf、Mo、Mn、Ta、Nb、Pb、Al及びRuの少なくとも一つを含む金属酸化物膜を用いることも可能である。さらに、上記金属膜と金属酸化物膜との積層膜を用いることも可能である。金属酸化物膜としては、代表的には、TiO2 膜、ZrO2 膜、CoO2 膜、PbO2 膜、Al23 膜、SRO膜、Sr(Ru,Ti)O3 膜、等を用いることが可能である。金属膜と金属酸化物膜との積層膜としては、代表的には、Ti/SRO膜、Ti/Sr(Ru,Ti)O3 膜、Co/SRO膜、Co/Sr(Ru,Ti)O3 膜、等を用いることが可能である。なお、SRO膜やSr(Ru,Ti)O3 膜によるイリジウムの拡散抑制効果は、主としてイリジウムとSRO膜等との反応による。すなわち、SRO膜等との反応によってイリジウムが消費されるため、結果としてイリジウムの上方への拡散が抑制される。イリジウムとの反応によってSRO膜等の結晶性が劣化するおそれがあるが、拡散防止膜として用いるSRO膜等はPZT膜に接していないため、結晶性が劣化してもPZT膜等への悪影響はほとんどない。
また、第1の導電膜には、イリジウム(Ir)膜の単層膜、イリジウム酸化物(IrO2 )膜の単層膜、イリジウム膜とイリジウム酸化物膜との積層膜を用いることが可能である。
また、第2の導電膜には、プラチナ膜及びルテニウム膜の少なくとも一方を含む貴金属膜を用いることが可能である。
また、第3の導電膜には、ペロブスカイト結晶構造(一般式:ABO3 )を有し、Ru、Co及びNiの少なくとも一つを含む導電性金属酸化物膜を用いることが可能である。代表的には、第3の導電膜には、SrRuO3 膜、(La,Sr)CoO3 膜、BaRuO3 膜及びLaNiO3 膜、等を用いることが可能である。
また、誘電体膜には、A(ZrxTi1-x )O3 (ただし、Aは少なくとも1以上のAサイト元素、0<x<0.35、好ましくは0.25<x<0.35)で表されるペロブスカイト構造を有する絶縁性金属酸化物膜を用いることが可能である。特に、Aサイト元素としてPbが含まれた絶縁性金属酸化物膜を用いることが望ましい。代表的には、Pb(ZrxTi1-x )O3 膜(PZT膜)、(Pb,La)(ZrxTi1-x )O3 膜、等を用いることが可能である。
また、プラグには、タングステンプラグ或いはポリシリコンプラグを用いることが可能である。
また、拡散防止膜、第1の導電膜、第2の導電膜、第3の導電膜及び誘電体膜は、スパッタリング法、CVD法、ゾル−ゲル法を用いて形成することが可能である。
また、上述した各実施形態で述べた構成は、セルトランジスタ(T)のソース及びドレイン間にキャパシタ(C)の両端をそれぞれ接続し、これをユニットセルとし、このユニットセルを複数直列に接続した、TC並列ユニット直列接続型強誘電体メモリ等に適用することが可能である。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施することが可能である。さらに、上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示された構成要件を適宜組み合わせることによって種々の発明が抽出され得る。例えば、開示された構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、所定の効果が得られるものであれば発明として抽出され得る。
本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法の一部を模式的に示した断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法の一部を模式的に示した断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法の一部を模式的に示した断面図である。 本発明の第1の実施形態に係り、キャパシタのヒステリシス特性を示した図である。 本発明の第1の実施形態の比較例に係り、キャパシタのヒステリシス特性を示した図である。 本発明の第1の実施形態に係り、Pb(ZrxTi1-x )O3 膜(PZT膜)におけるx値とスイッチング電荷量との関係を示した図である。 本発明の第1の実施形態に係り、XRDパターンの強度を示した図である。 本発明の第1の実施形態の比較例に係り、XRDパターンの強度を示した図である。 本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法の一部を模式的に示した断面図である。
符号の説明
100…シリコン基板 101…素子分離領域
102…ゲート絶縁膜 103…多結晶シリコン膜
104…WSix 膜 105…シリコン窒化膜
106…シリコン窒化膜 107…ソース/ドレイン領域
108…シリコン酸化膜 110…TiN膜
111…タングステン膜 112…シリコン窒化膜
114…TiN膜 115…タングステン膜
116…チタン膜 117…第1の導電膜
117a…イリジウム膜 117b…イリジウム酸化物膜
118a…チタン膜(拡散防止膜) 118b…チタン酸化物膜(拡散防止膜)
119…プラチナ膜(第2の導電膜) 120…チタン膜
121…SRO膜(第3の導電膜) 122…PZT膜(誘電体膜)
123…SRO膜 124…プラチナ膜 125…シリコン酸化膜

Claims (3)

  1. 半導体基板と、
    前記半導体基板の上方に設けられ、下部電極と、上部電極と、前記下部電極と前記上部電極との間に設けられた誘電体膜とを含むキャパシタと、
    を備え、
    前記下部電極は、イリジウムを含む第1の導電膜と、前記誘電体膜と前記第1の導電膜との間に設けられ且つプラチナ膜で形成された第2の導電膜と、前記誘電体膜と前記第2の導電膜との間に設けられ且つSrRuO 3 で形成された第3の導電膜と、前記第1の導電膜と前記第2の導電膜との間に設けられ且つチタン膜を含み且つ前記第1の導電膜に含まれるイリジウムの拡散を防止する拡散防止膜と、前記第2の導電膜と前記第3の導電膜との間に設けられ且つチタン膜で形成されたシード層と、を備え、
    前記誘電体膜は、ペロブスカイト構造を有する絶縁性金属酸化物膜を含み、該絶縁性金属酸化物膜は、Pb(ZrxTi1-x )O3 (ただし0<x<0.35)で表される
    ことを特徴とする半導体装置。
  2. 前記第1の導電膜は、イリジウム膜及びイリジウム酸化物膜の少なくとも一方を含む
    ことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
  3. 前記下部電極に接続されたプラグをさらに備え、前記キャパシタは前記プラグ上に形成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
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