JP4218405B2 - トイレ設備 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、リモコン装置を備えたトイレ設備とに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
便器に設けられた温水洗浄設備(人体臀部に向って温水を噴出し、臀部を温水で洗浄する設備)の操作や便座、便蓋の開閉操作等を行うために、トイレルームの壁面などにリモコン本体を設置し、該リモコン本体のスイッチ操作により機器を作動させるようにしたトイレ設備は周知である。このリモコン本体からの信号光を確実に受光できるようにするために、特開2002−250069号公報には、便座ボックスの側面から上面にかけて回り込むように受光窓を設け、上方及び側方のいずれの方向からの信号光をも1個の受光ダイオードで受光できるようにした衛生洗浄装置が記載されている。
【0003】
また、特開2002−61255号公報の図10及び0022段落には、受光部をタンクカバー側面に指向方向変更可能に設置し、受信状態が良好となる方向に受光部を向けるよう指向方向の調節を手指で行うようにした衛生洗浄装置が記載されている。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−250069号公報
【特許文献2】
特開2002−61255号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記特開2002−250069号公報では、同号公報の図3,4から明らかな通り、受光ダイオードは便座ボックス内の基板に固定設置されている。そのため、受光ダイオードを上向きに設置したときには、側方向からの信号光を受光しにくくなり、受光ダイオードを横向きに設置したときには上方向からの信号光を受光しにくくなる。
【0006】
上記特開2002−61255号公報では、トイレ設備の施工業者や使用者が指先で受光部を操作してその向きを調節することになるが、この調節作業時には人体の腕や手が受光部の近くに存在することになり、実際の便器使用時の身体配置状況(例えば人体が便座に座ってリモコンを操作しているとき)とは全く異なる。このため、受光部の向きを適切方向とするように調節することが難しい。即ち、受光部の向きを調節する作業者の腕等に当った信号光が受光部に入射するため、この人体の腕等の反射光が受光信号光の外乱要素となり、この状態で受光部の向きを調節しても実際の便器使用時には信号光が十分に受光部に達しないことがある。
【0007】
本発明は、上記従来の種々の問題点を解決し、リモコン本体からの信号光を確実に受光することができるリモコン装置を備えたトイレ設備を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明のトイレ設備は、便器と、該便器に設けられたケース部材と、該ケース部材内に設置された電気駆動式の機器と、該機器を制御するためのリモコン本体と、該ケース部材に設けられており、該リモコン本体からの信号光を透過させる受光窓と、該受光窓近傍の該ケース部材内部に配置された受光器と、を有するトイレ設備において、受光器の指向方向を変化させる駆動装置と、人体検知センサとを備えており、該人体検知センサが人体を検知しているときに前記駆動装置が駆動されることを特徴とするものである。
【0010】
かかるリモコン装置及びトイレ設備にあっては、受光器の指向方向を駆動装置によって変化させることにより、受光器の方向をリモコン本体位置に合わせて適切なものとすることができる。特に、本発明では、受光器を所定範囲内で往復回動させるよう構成した場合には、受光器の向き調節操作は一切不要となる。
【0011】
本発明のトイレ設備にあっては、人体検知センサによって人体が検知されるときに駆動装置を駆動させるので、トイレ使用されていないときには駆動装置を停止させて節電や、駆動装置の損耗防止を図ることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して実施の形態について説明する。図1は実施の形態に係るリモコン装置及びトイレ設備を備えたトイレ室内の斜視図、図2はリモコン本体の正面図、図3は図1の受光窓付近の水平断面図、図4は図3のIV−IV線に沿う断面図である。
【0014】
トイレ室1内に設置された洋風便器2の後部上面には、タンクカバー3が設置されており、タンクカバー3の前側の凸部3Aには、便座4及び便蓋5が上下方向に回動可能に取り付けられている。なお、タンクカバー3は省略されてもよい。また、タンクカバー3の代わりに便座ボックスが設置されてもよい。
【0015】
タンクカバー3下部の前面3aと右側面3bとの交差縁部付近には、前面から該右側面にわたり赤外線透過性の受光窓7が設置されている。図3,4に示す通り、この受光窓7の裏側には、受光器6と、この受光器6の指向方向を変化させる駆動装置としてのモータ8とが備えられている。このモータ8は、タンクカバー3内の底面3cに設置されているが、この設置位置はこれに限定されない。
【0016】
モータ8は、回転軸8aを鉛直方向として設置されている。この回転軸8aに小ターンテーブル8tが固着され、この小ターンテーブル8tに受光器6が取り付けられている。従って、モータ8が回転駆動されることにより、受光器6は水平に旋回する。
【0017】
なお、本実施の形態では、受光器6は、タンクカバー3の右側面3bと対面する横向き位置(図3の位置)から、タンクカバー3の前面3aと対面する前向き位置までの約90°の範囲内で往復回動するように構成されているが、往復回動の範囲は90°未満でもよく、90°より大きくしてもよい。
【0018】
タンクカバー3の上部には、トイレ室1内に入室した人体を検知する人体検知センサ9が設けられている。なお、人体検知センサ9はこれ以外の部位に設置されてもよい。
【0019】
図示は省略するが、タンクカバー3内には洗浄ノズルを備えた温水洗浄装置、乾燥ファンを備えた温風乾燥装置、脱臭装置、便座・便蓋回動装置等が設置されている。
【0020】
また、タンクカバー3内には、受光器6が受光した信号に応じて温水洗浄装置、温風乾燥装置等を制御する温水洗浄装置用制御回路のほか、人体検知センサ9が人体を検知しているときにモータ8を駆動するモータ制御回路が設置されている。
【0021】
便座4の裏面に取り付けられたゴム足には、圧電素子等の感圧素子が装備されている。この感圧素子は、トイレ使用者の着座を検知する着座センサとして機能する。
【0022】
トイレ室1の壁面にはリモコン本体10が取り付けられている。このリモコン本体10には、温水洗浄装置を作動させるシャワースイッチ11及びビデスイッチ12、温風乾燥装置を作動させる乾燥スイッチ13、温水洗浄装置又は温風乾燥装置の作動を停止させる停止スイッチ14、温水洗浄装置の洗浄強さを調節する洗浄強さ調節摘み15のほか、図示は省略するが、便座開閉スイッチ、便器をフラッシュ洗浄するための大用フラッシュスイッチ、小用フラッシュスイッチ等が設けられている。また、このリモコン本体10には、設定されている温水洗浄装置の洗浄強さや時刻等を表示する液晶画面16が設けられている。リモコン本体10には、スイッチ11〜14、摘み15の操作信号である赤外線信号光を受光器6へ向けて発信する信号光発信回路が設けられている。
【0023】
このように構成されたリモコン装置及びトイレ設備の作動内容について以下に説明する。
【0024】
トイレ使用者がトイレ室1に入室すると、人体検知センサ9によって検知され、便蓋5が開く。また、この人体検知信号に基づき、モータ制御回路はモータ8を連続的に往復回動させる。これに伴い、受光器6が約90°の範囲を水平方向に往復回動する。
【0025】
なお、受光器6が約90°の範囲を1往復するのに要する時間は2〜3秒程度であることが好ましい。
【0026】
トイレ使用者がリモコン本体10のスイッチ11ないし14、あるいは摘み15を操作すると、リモコン本体10から信号光が発信する。
【0027】
このリモコン本体10からの信号光は、直接、又はトイレ室1の壁面やタンクカバー3等に反射された後に、受光窓7を透過し、受光器6によって受信される。この受信された操作信号により、温水洗浄装置、温風乾燥装置等の作動、作動停止、洗浄強さ調節、あるいは便座開閉等が行われる。
【0028】
トイレ使用者がトイレ室1から退室すると、モータ8が停止する。
【0029】
このように、この実施の形態によると、受光器6が約90°の範囲内を連続して往復回動するため、リモコン本体10からの信号光が受光窓7に対し種々の方向から入射する場合であっても、受光器6は確実に信号光を受光することができる。
【0030】
特に、この実施の形態にあっては、人体検知センサ9によって人体が検知されているときだけモータ8を駆動させるようにしているため、節電や、モータ8の損耗防止を図ることができる。
【0031】
なお、この実施の形態では、便座、便蓋を電動式としているため、人体検知センサ9の人体検知時に受光器6を往復回動させるようにしているが、着座センサが着座を検知しているときだけ受光器6を往復回動させるよう構成してもよい。
【0036】
上記実施の形態では、受光器15は水平方向に往復回動するよう構成されているが、上下方向や斜め方向(水平方向と上下方向の中間の方向)に往復回動するよう構成されてもよい。
【0037】
上記実施の形態では、受光窓7をロータンクカバー3下部の側面と前面との交差縁部付近に設けたが、ロータンクカバー3のその他の外周面に設けてもよく、また、便座ボックスや、便座ボックスの側方から張り出した張出部に設けてもよい。この場合においても、受光器6はこの受光窓7の裏側に設けられる。
【0038】
【発明の効果】
以上の通り、本発明によると、リモコン本体からの信号光を確実に受光することができるリモコン装置及びトイレ設備が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態に係るリモコン装置及びトイレ設備を備えたトイレ室内の斜視図である。
【図2】リモコン本体の正面図である。
【図3】図1の受光窓付近の水平断面図である。
【図4】図3のIV−IV線に沿う断面図である。
【符号の説明】
1 トイレ室
2 洋風便器
3 タンクカバー
3a 前面
3b 右側面
3c 底面
4 便座
5 便蓋
6 受光器
7 受光窓
8 モータ
9 人体検知センサ
10 リモコン本体

Claims (2)

  1. 便器と、
    該便器に設けられたケース部材と、
    該ケース部材内に設置された電気駆動式の機器と、
    該機器を制御するためのリモコン本体と、
    該ケース部材に設けられており、該リモコン本体からの信号光を透過させる受光窓と、
    該受光窓近傍の該ケース部材内部に配置された受光器と、
    を有するトイレ設備において、
    受光器の指向方向を変化させる駆動装置と、人体検知センサとを備えており、
    該人体検知センサが人体を検知しているときに前記駆動装置が駆動されることを特徴とするトイレ設備。
  2. 請求項において、該駆動装置は、該受光器を所定範囲内で往復回動させるものであることを特徴とするトイレ設備。
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