JP4217150B2 - 橋脚の補強方法 - Google Patents
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また、この補強作業を簡略化する目的として、断面がH型の鋼矢板で橋脚を囲み、橋脚と鋼矢板の間を水中コンクリートで充填することで補強する方法が提案されている(例えば特許文献1参照)。
また、特許文献1に示すような方法は、上記の方法よりは簡便であるが、鋼矢板と橋脚の間にある土砂をすべて排除した後、鋼矢板と橋脚の間の空隙全体に水中コンクリートを充填する必要がある。
隣接する鋼板2を、引張力を伝達する継手5で係合することにより、前記橋脚1のフーチングより上の周面を囲んで閉合する第一の工程と、
前記鋼板2と前記橋脚1の間隙にある土砂4を部分的に排除し、伸縮自在であって一端を閉じた間隔保持用チューブ3を配置する第二の工程と、
前記間隔保持用チューブ3に固化材を充填し、前記橋脚1と前記鋼板2の両者に当接させる第三の工程とからなることを特徴とする。
また、橋脚1とその周囲に配設された鋼板2の間にある土砂4を部分的に排除することとしたことで、鋼板2と橋脚1の間の土砂4をすべて排除する場合に比べ、作業が簡便になるとともに、排土量も少なくなる。
さらに、鋼板2と橋脚1の間に配置した間隔保持用チューブ3に固化材を充填するので、固化材の量が少なくて済むとともに、河川等に固化材が流出することがない。
一面に間隔保持チューブ3を有する鋼板2を用い、隣接する鋼板2を、引張力を伝達する継手5で係合することにより、間隔保持チューブ3を有する一面が前記橋脚1と対面するようにして前記橋脚1のフーチングより上の周面を囲んで閉合する第一の工程と、
前記間隔保持用チューブ3に固化材を充填し、前記橋脚1と前記鋼板2の両者に当接させる第二の工程とからなることを特徴とする。
前記橋脚1の曲線部分に曲線加工した鋼板6を配設することを特徴とする。
また、鋼板と橋脚の間隙にある土砂を部分的に排除することとしたことで、作業が簡便になるとともに、排土量も少なくなる。
さらに、間隔保持用チューブに固化材を充填することで、固化材の量が少なくて済むとともに、河川等に固化材が流出することがない。
〔第1の実施の形態〕
図1に示すように、この橋脚1の補強方法は、橋脚1の周囲に配設する鋼板2と、橋脚1と鋼板2の間にあって両者に当接する固化材を充填した間隔保持チューブ3とを用いるものであって、固化材を充填した間隔保持チューブ3を介して、橋脚1を鋼板2で拘束し、橋脚1を補強するものである。
この継手5は、隣接する直線鋼矢板2どうしを連結するとともに、隣接する直線鋼矢板2に引張力を伝達できるものである。
また、上空に障害物があって、長い直線鋼矢板2を搬入できない場合は、短い直線鋼矢板2を継ぎ足しながら打ち込み、所定の長さとする。
この間隔保持用チューブ3は、直線鋼矢板2と橋脚1の間に直線鋼矢板2の長さ方向に沿って、フーチングの上面から直線鋼矢板2の上端部まで配されるものである。
このとき、間隔保持用チューブ3の開口部が直線鋼矢板2の上端部側に配されるようにし、この開口部からモルタルなどの固化材を充填する。
固化材の充填によって、伸縮自在な材質からなる間隔保持用チューブ3は膨らんで直線鋼矢板2と橋脚1の両者に当接する。
まず、補強する橋脚1の周囲に直線鋼矢板2を打ち込み閉合する。
このとき、直線鋼矢板2の側方の継手5が隣接する直線鋼矢板2と互いに係合するようにし、下端部がフーチングの上面に達するまで打ち込む。
また、直線鋼矢板2は、後で間隔保持用チューブ3を橋脚1と直線鋼矢板2の間に挿入するのに必要な間隔を開けて打ち込む。
なお、直線鋼矢板2で囲む範囲は、フーチングの上面から補強が必要な高さまでであって、直線鋼矢板2の上端部は水面下にあってもよい。
この土砂4を排除する位置は、後に間隔保持用チューブ3を配設する部分であって、この間隔保持用チューブ3を配設する数、位置に合わせて適宜必要な部分の土砂4を排除する。
土砂4の排除方法としては、圧縮空気や水を吹き付けることによって土砂4を排除しても良いし、吸引によって土砂4を排除しても良い。
土砂4の排除作業は、これらの圧縮空気等を排出する管、または吸引管を、直線鋼矢板2の上端部側から橋脚1と直線鋼矢板2の間に挿入し、これを河床まで延長して行う。
また、この作業は、直線鋼矢板2で囲まれた領域内を排水せず、この領域に水が満たされた状態で作業を行う。
よって、排水作業が不要であるとともに、直線鋼矢板2の継手5の止水性も特に要求されない。
この間隔保持用チューブ3は土砂4を排除した部分にその先端部が入るようにして、フーチングの上面から直線鋼矢板2の上端付近まで、直線鋼矢板2の長さ方向にそって配設する。
なお、あらかじめ間隔保持用チューブ3を直線鋼矢板2の側面に、その長さ方向に沿って取り付けておき、この間隔保持用チューブ3が橋脚1側にくるように直線鋼矢板2を橋脚1の周囲に打ち込むようにしても良い。
このようにすれば、間隔保持用チューブ3の配設作業を簡略化できる。
間隔保持用チューブ3は伸縮性を有しているので、固化材の充填によって膨らみ、橋脚1と直線鋼矢板2の両者に当接する。
間隔保持用チューブ3に充填した固化材が固化したら施工完了である。
図3に示すように、補強する橋脚1が長円形の場合は、橋脚1の曲線部分に配設する鋼矢板として、曲線加工した鋼矢板6を用いても良い。
この場合は、まず、直線部分に基準となる直線鋼矢板2を打ち込み、これに連結させて橋脚1の周りの直線部分に直線鋼矢板2を順次打ち込む。
直線部分に直線鋼矢板2を打ち込んだら、最後に曲線加工した鋼矢板6を打ち込み閉合する。
この鋼矢板6は、橋脚の両側に沿って配設した直線鋼矢板2の、末端どうしを結ぶことができるような曲線に加工されており、直線部分に打ち込んだ直線鋼矢板2の施工誤差をこの曲線加工した鋼矢板6で吸収できる。
以降、間隔保持用チューブ3の配設、固化材の充填は第1の実施の形態と同様である。
また、鋼板、鋼矢板の種類や固化材の種類等も任意であり、その他、具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿論である。
2 鋼板(直線鋼矢板)
3 間隔保持用チューブ
4 土砂
5 継手
6 曲線加工した鋼矢板
Claims (5)
- 水中に立設された橋脚の補強方法であって、
隣接する鋼板を、引張力を伝達する継手で係合することにより、前記橋脚のフーチングより上の周面を囲んで閉合する第一の工程と、
前記鋼板と前記橋脚の間隙にある土砂を部分的に排除し、伸縮自在であって一端を閉じた間隔保持用チューブを配置する第二の工程と、
前記間隔保持用チューブに固化材を充填し、前記橋脚と前記鋼板の両者に当接させる第三の工程とからなることを特徴とする橋脚の補強方法。 - 水中に立設された橋脚の補強方法であって、
一面に間隔保持チューブを有する鋼板を用い、隣接する鋼板を、引張力を伝達する継手で係合することにより、間隔保持チューブを有する一面が前記橋脚と対面するようにして前記橋脚のフーチングより上の周面を囲んで閉合する第一の工程と、
前記間隔保持用チューブに固化材を充填し、前記橋脚と前記鋼板の両者に当接させる第二の工程とからなることを特徴とする橋脚の補強方法。 - 前記鋼板を前記橋脚の周囲に配設する場合において、
前記橋脚の曲線部分に曲線加工した鋼板を配設することを特徴とする請求項1または2に記載の橋脚の補強方法。 - 前記鋼板は、短い鋼板を継ぎ足して所定の長さとすることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の橋脚の補強方法。
- 前記鋼板として直線鋼矢板を用いることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の橋脚の補強方法。
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