JP4216925B2 - 走査型顕微鏡 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、取得画像の歪みを防止した走査型顕微鏡に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、走査型顕微鏡として、点状光源によって試料の表面を点状に照明し、照明された試料表面からの透過光または反射光を再び点状に集光するとともに、ピンホール開口を介して検出器に結像させ、この検出器より結像の濃度情報を得るようにした走査型共焦点顕微鏡が知られている。
【0003】
図17は、このような走査型共焦点顕微鏡の基本構成を示すもので、点光源91から出射された点状光を、ハーフミラー92を透過させ、収差が補正された対物レンズ93によって試料94の表面に点状結像し、また、この試料94からの反射光を、再び対物レンズ93を透過させ、ハーフミラー92で反射させて集光する。この集光位置にはピンホール95を配置しており、このピンホール95を通過した反射光を光検出器96によって検出する。
【0004】
そして、このような点状照明をラスタ走査等により試料94表面の測定領域全体にわたって2次元走査し、その反射光の光検出器96による検出信号を画像表示することにより、試料94表面の2次元画像を得るようにしている。
【0005】
ところで、点状照明を2次元走査するには、例えばX方向にはガルバノミラーやレゾナントスキャナ、Y方向にはガルバノミラーが用いられているが、これらスキャナの制御回路は、光検出器96による検出信号を画像表示するためにスキャナの走査に同期して画像生成用の同期信号を発生させるようにしている。
【0006】
しかしながら、スキャナの駆動波形と画像用の同期信号を同じタイミングで出力すると、実際にはスキャナの動作遅れや電気回路系の時間遅れなどが存在するので、光学的走査位置と電気的サンプリング位置が必ずしも一致しないことがあり、このことが原因で画像の歪みなどの画質劣化が発生する可能性があった。
【0007】
そこで、従来、特開平5−2135号公報に開示されるように、照明光走査と同時にグリッドパターンを光で走査し、ここでの検出出力に基づいてスキャナ動作をモデル化し近似計算により推測して駆動信号を補正することにより、画像歪みなどの画像劣化を改善するもの、特開平5−313087号公報に開示されるように音叉の変位を変位検出器で検出し、この検出出力に基づいて走査開始点の安定化を図り画質劣化を改善するもの、さらには、特開平7−87277号公報に開示されるように往復走査にてフレームタイムを短縮させている場合に、この時の遅延が影響するサンプリング位置ずれによる画質劣化を改善するものなどが提案されている。
【0008】
又、2次元走査には上記の如くX方向にはガルバノミラーやレゾナントスキャナ、Y方向にはガルバノミラーが用いられており、これらスキャナの駆動回路では、与えられた幅に走査振幅が一致するようフィードバック制御がかけられている。
【0009】
しかしながら、走査範囲を任意の幅にするための指示値としては、使用する走査振幅数(ズーム値)だけデータを持たなくてはならなかったり、スキャナ個体のばらつきが影響して一定の走査振幅を得ようとしたときそのデータが個別に異なってしまう。特開平7−333534号公報にはリニアスケールを走査することで発生するパルス数から走査振幅を検出し安定化する一例が、特開平5−136954号公報には振幅が変化する際には幅の異なるリニアスケールを走査することで発生するパルスからサンプリングロックが安定して発生できるようにした一例が開示されている。
【0010】
【発明が解決しようとする問題点】
ところが、上記特開平5−2135号公報および上記特開平5−313087号公報に開示されるものは、いずれも、スキャナ駆動の位相遅れ等を補正するのに、実際の走査光とは異なる光学系や振動系によるスキャナ動作をモデル化し近似計算により推測しているため、実際の走査光と近似計算により推測されたスキャナ動作の条件が完全に一致していなかったり、一方の条件が変化したような場合は補正に悪影響が生じ、画像劣化の改善が十分に得られないという問題があった。また、上記特開平7−87277号公報に開示されるものは、遅延回路による電気的サンプリングの遅延量をあらかじめ保持していて一定の値であるので、調整点での補正はできるものの走査条件の連続的変化や経時変化に追従させることが困難になるという問題があった。
【0011】
又、上記特開平7−333534号公報に開示されている技術は、リニアスケールの分解能で制御安定量が制限されたり(白又は黒の間には収束させられない)振幅の小さい領域では誤差が大きくなる。また、走査振幅の変化によって走査中心とサンプリング範囲の中心位置が相対的にずれたりしても検出はできず、最終的な取得画像のずれは補正することができない。
【0012】
同じく特開平5−136954号公報に開示されている技術も、走査振幅の変化によって走査中心とサンプリング範囲の中心位置が相対的にずれたりしても検出はできず、最終的な取得画像のずれは補正することができない。
【0013】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、画質劣化のない良質な走査画像が得られる走査型顕微鏡を提供することを目的とする。
【0014】
又、本発明は、光学的な走査振幅を所望の走査振幅に一致させるように補正できる走査型顕微鏡を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、試料に対し集束光を照射するとともに、該集束光を前記試料に対して2次元方向へ走査しながら前記試料での前記集束光の反射光を受光しその受光強度に応じた信号を検出するようにした走査型顕微鏡において、前記2次元方向の走査に応じた走査位置情報に基づいて光学的走査範囲の中心を検出する光学的走査範囲中心検出手段と、前記2次元方向の走査に応じた検出信号を画像表示するための電気的サンプリング範囲の中心を設定するサンプリング範囲中心設定手段と、少なくとも1ライン走査ごとに前記光学的走査範囲中心検出手段により検出された前記光学的走査範囲の中心と前記サンプリング範囲中心設定手段に設定された前記電気的サンプリング範囲の中心とが常に一致するように補正する補正手段とにより構成している。
【0016】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記サンプリング範囲中心設定手段は、前記電気的サンプリング範囲の中心に対応する画面内の中央画素を設定し、前記補正手段は、少なくとも1ライン走査ごとに前記光学的走査範囲中心検出手段による前記光学的走査範囲の中心と前記サンプリング範囲中心設定手段により設定された画面内の中央画素とを比較し、この比較結果に基づいて前記光学的走査範囲の中心と前記画面内の前記中央画素とを一致させるように前記光学的走査範囲に対する画像表示位置を補正するようにしている。
【0017】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記サンプリング範囲中心設定手段は、前記電気的サンプリング範囲の中心に対応する値を設定し、前記補正手段は、少なくとも1ラインごとに前記2次元方向の移動走査に応じた走査位置情報のうち画像有効期間信号の開始点から前記光学的走査範囲の中心位置までの期間の第1の積分値と前記光学的走査範囲の中心位置から前記画像有効期間信号の終了点までの期間の第2の積分値を比較するとともに、この比較結果が前記サンプリング範囲中心設定手段の値に一致するように前記画像有効期間信号の発生タイミングを補正するようにしている。
【0018】
請求項4記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記光学的走査範囲中心検出手段から得られる前記光学的走査範囲の中心と前記画像を得るための電気的サンプリング範囲の中心とに基づいて前記光学的走査範囲の中心と前記電気的サンプリング範囲の中心とを合わせる機能を有する。
【0019】
請求項5記載の発明は、試料に対し集束光を照射するとともに、該集束光を前記試料に対して2次元方向へ走査しながら前記試料での前記集束光の反射光を受光しその受光強度に応じた信号を検出するようにした走査型顕微鏡において、前記集束光を前記試料に対して2次元方向へ走査するときの光学的走査振幅を検出する走査振幅検出手段と、この走査振幅検出手段により検出された光学的走査振幅と画像の大きさに応じた規定値とに基づいて前記光学的走査振幅の補正量を検出する走査振幅補正手段と、この走査振幅補正手段により検出された補正量に基づいて前記光学的走査振幅を調整する走査位置調整手段とにより構成している。
【0020】
請求項6記載の発明は、請求項5記載の発明において、前記走査振幅検出手段は、任意の走査振幅及びその中心位置を記した基準スケールを有し、この基準スケールに走査位置検出用光源からの光を走査して前記光学的走査振幅を得る機能を有し、この走査振幅検出手段により検出された光学的走査振幅と画像の大きさに応じた規定値とにより検出される前記光学的走査振幅の補正量に基づいて前記光学的走査振幅を前記基準スケールの任意の走査振幅に調整する。
【0021】
請求項7記載の発明は、請求項6記載の発明において、前記走査振幅検出手段の前記基準スケールに前記走査位置検出用光源からの光を走査して得られる前記光学的走査振幅の中心と前記画像を得るための電気的サンプリング範囲の中心とに基づいて前記光学的走査振幅の中心と前記電気的サンプリング範囲の中心とを合わせる機能を有する。
【0022】
この結果、請求項1記載の発明によれば、実際の光学的走査範囲の中心位置を検出し、その位置が電気的サンプリング範囲の中心に対応するように1ライン走査ごとに補正できるので、走査の駆動パターンやズーム、温度変化、系時変化に影響されず常に光学的走査範囲と電気的サンプリング範囲の中心自動補正が可能となる。
【0023】
請求項2記載の発明によれば、実際の光学的走査範囲の中心位置を検出し、その中心位置と電気的サンプリング範囲の中心に対応する画面内中央画素を比較し、光学的走査に対しての相対的な画像表示位置を1ライン走査ごとに瞬時に補正できるので、この場合も、走査の駆動パターンやズーム、温度変化、系時変化に影響されず常に光学的走査範囲と電気的サンプリング範囲の中心自動補正が可能となる。
【0024】
請求項3記載の発明によれば、電気的な画像有効期間信号の開始点が来た時から実際の走査光が光学的走査範囲の中心位置に来るまでの期間だけ走査位置信号を積分し、続いて実際の走査光が光学的走査範囲の中心位置にいる時から電気的な画像有効期間信号の終了点が来るまでの期間だけ走査位置信号を積分し、それぞれの積分値を比較し、これらが等しくなるように光学的走査に対しての相対的な画像表示位置を1ライン走査ごとに瞬時に補正できるので、この場合も、走査の駆動パターンやズーム、温度変化、系時変化に影響されず常に光学的走査範囲と電気的サンプリング範囲の中心自動補正が可能となる。
【0025】
請求項4記載の発明によれば、前記光学的走査範囲中心検出手段から得られる前記光学的走査範囲の中心と前記画像を得るための電気的サンプリング範囲の中心とに基づいて前記光学的走査範囲の中心と前記電気的サンプリング範囲の中心と合わせる。
【0026】
請求項5記載の発明によれば、集束光を試料に対して2次元方向へ走査するときの光学的走査振幅を検出し、この光学的走査振幅と画像の大きさに応じた規定値とに基づいて光学的走査振幅の補正量を検出し、この補正量に基づいて光学的走査振幅を調整することにより、ズーム、温度変化、系時変化、スキャナ個体のバラツキに影響されず所望の走査振幅への安定化が可能となり、常に光学的走査範囲と電気的サンプリング範囲の中心自動補正が可能となる。
【0027】
請求項6記載の発明によれば、任意の走査振幅及びその中心位置を記した基準スケールに集束光を走査して光学的走査振幅を得、この光学的走査振幅と画像の大きさに応じた規定値とにより検出される光学的走査振幅の補正量に基づいて光学的走査振幅を基準スケールの任意の走査振幅に調整するので、ズーム、温度変化、系時変化、スキャナ個体のバラツキに影響されず所望の走査振幅への安定化が可能となり、常に光学的走査範囲と電気的サンプリング範囲の中心自動補正が可能となる。
【0028】
請求項7記載の発明によれば、基準スケールに集束光を走査して得られる光学的走査振幅の中心と画像を得るための電気的サンプリング範囲の中心とに基づいて光学的走査振幅の中心と電気的サンプリング範囲の中心と合わせるので、ズーム、温度変化、系時変化、スキャナ個体のバラツキに影響されず所望の走査振幅への安定化が可能となり、常に光学的走査範囲と電気的サンプリング範囲の中心自動補正が可能となる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に従い説明する。
【0030】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明が適用される共焦点レーザ走査型顕微鏡の概略構成を示している。図において、1は顕微鏡本体で、この顕微鏡本体1は、以下のように構成している。
【0031】
この場合、スポット光としてのレーザ光を発生するレーザ光源2からのレーザ光は、ミラー3で反射し、ハーフミラー4を透過して2次元走査機構5に入射される。2次元走査機構5は、ミラー3を介して得たレーザ光源2からのレーザ光を2次元走査するための機構で、X軸方向走査用のガルバノミラーとY軸方向走査用のガルバノミラーとから構成されているものとして、2次元走査駆動制御回路6の制御のもとに、これらガルバノミラーをX軸方向、Y軸方向に振ることでスポット光の光路を2次元走査するようにしている。
【0032】
そして、2次元走査機構5で2次元走査されたスポット光は、対物レンズ7を介してステージ8に保持した試料9上に照射される。
【0033】
この場合、対物レンズ7は、レボルバ10に倍率を異ならして複数保持されていて、このレボルバ10の切り替えにより、複数の対物レンズ7のうちの所望の倍率を持つものを顕微鏡の観察光路中に位置設定させることで、このときの対物レンズ7を介して2次元走査機構5からのスポット光の照射を試料9上で2次元走査している。
【0034】
また、試料9からの反射光は、対物レンズ7、2次元走査機構5を介してハーフミラー4に戻される。ハーフミラー4は、2次元走査機構5に対するレーザ光源2の出射光路上に設けられ、2次元走査機構5を介して得られる試料9からの反射光を検出系に導くための光学系で、半透明鏡である。
【0035】
このハーフミラー4を介して得た試料9表面からの反射光は、レンズ11で集光され、ピンホール板12に入射される。ピンホール板12は、所要の径のピンホールを開けたもので、光検出器13の受光面の前面におけるレンズ11の焦点位置に、そのピンホールを位置させて配置している。
【0036】
そして、ピンホールを介して得られた光は、光検出器13により電気信号に変換された後、コンピュータ14に出力される。コンピュータ14は、光検出器13から入力された電気信号と2次元走査駆動制御回路6からのタイミング信号とを基に画像処理を行ない、モニタ15に試料9の表面情報を表示する。
【0037】
図2は、このような顕微鏡本体1に適用される光学的走査範囲検出部の概略構成を示すもので、図1と同一部分には同符号を付している。
【0038】
この場合、2次元走査機構5のX軸方向走査用ガルバノミラー20は、レーザ光源2からの照射光をX軸方向に走査するようにしている。このX軸方向走査用ガルバノミラー20からの走査光は瞳投影レンズ21,23を通り、Y軸方向走査用ガルバノミラー24へ導かれる。Y軸方向走査用ガルバノミラー24は、X走査光をさらにY軸方向へ走査するようにしている。そして、このY軸方向走査用ガルバノミラー24により、さらにY軸方向へ走査される光は、瞳投影レンズ25を通り、対物レンズ7を介して試料9に2次元走査照射される。
【0039】
また、瞳投影レンズ21,23の間には、ハーフミラー22が設けられており、このハーフミラー22は、例えば、瞳投影レンズ21を通ったX走査光の10%を反射し、90%を透過させるものとする。そして、このうちの反射されたX走査光は、X方向の光学的走査位置を検出するためのセンサ26に結像し電気信号に変換される。このセンサ26はX走査の中心を検出するためのもので、例えばフォトダイオードなどで構成され、走査の中心軸上に設置されてX走査が光学的中心軸を横切るときに電気信号のパルスを発生するようにしている。そして、この電気信号は、アンプ27により増幅されるとともに、波形整形され、センサパルスとして出力される。
【0040】
次に、図3は、図2で示した光学的走査範囲検出部より検出される光学的走査範囲と電気的サンプリング範囲のそれぞれの中心を一致させるための補正回路を示すもので、ここでは、上述した2次元走査駆動制御回路6の一部として構成している。
【0041】
この場合、カウンタ30は、画像表示用のサンプリングクロック(以下、CLKと称する。)を数えるもので、このカウンタ30のカウント値をラッチ31に出力する。ラッチ31は、カウンタ30のカウント値をセンサ26からのX走査の中心位置に対応するセンサパルスにより保持するものである。
【0042】
そして、このラッチ31に保持されたカウンタ30の値は、減算器32に入力され、あらかじめ設定されている補正用レジスタ33の値が引き算され、この減算結果が符号とともに出力される。ここで、補正用レジスタ33は、図示しない入力手段により補正値を設定され、上述したセンサ26の機械的取付位置をはじめ、センサ26、アンプ27等の電気回路の遅れを吸収するために動作点にオフセットを与えるものである。
【0043】
減算器32の減算結果は、ラッチ&判別回路34に入力される。このラッチ&判別回路34は、減算器32からの演算結果をアドレス加算器36またはアドレス減算器37に与えるもので、基準パルス生成回路35で発生されるタイミング信号により動作される。基準パルス生成回路35は水平同期信号(以下、*HDと称する。)に基づき動作し、減算器32の演算結果によりその動作が制御される。また、アドレス加算器36、アドレス減算器37は後述のアドレスカウンタ39からのカウント値にラッチ&判別回路34からの減算器32の演算結果を加算又は減算するもので、それぞれ動作の有効無効がラッチ&判別回路34により制御される。
【0044】
そして、これらアドレス加算器36、アドレス減算器37の加算又は減算結果は、メモリ38に入力される。このメモリ38は、画像用の各種同期信号*HD、データ有効期間信号(以下、*DEと称する。)、CLK)のパターンが1ビットずつに割り当てられ記憶されており、アドレスが順次与えられることで同期信号波形を出力するようになっている。アドレスカウンタ39は、基準クロック(以下、MCLKと称する。)をカウントし、そのカウント値がアドレス加算器36、アドレス減算器37を介してメモリ38のアドレスとして与えられる。また、ラッチ&遅延回路40は画像取り込み開始の信号をX走査に同期させたのちアドレスカウンタ39の動作を有効とするものである。
【0045】
次に、以上のように構成した第1の実施の形態の作用を説明する。
【0046】
いま、1ライン当たりの画素数として1024画素ある場合を例とし、初期状態として、後述する状態が与えられているものとする。つまり、カウンタ30はクリア状態(カウント値0)、補正用レジスタ33には図示しない入力手段により1ライン当たりの画素数の半分の値(この場合1024画素なので「512」)が入力されている。また、基準パルス生成回路35は、*HDを受け付けずラッチ&判別回路34へのタイミング信号を出力せずに、ラッチ&判別回路34からのアドレス加算器36、減算器37の制御信号はどちらも無効とする。この場合は、アドレス加算器36、減算器37のどちらか一方がアドレスカウンタ39からのアドレスを通過させるようになっている。そして、アドレスカウンタ39はメモリ38の初期アドレスがロードされ停止している。
【0047】
この状態から走査の開始が図示しない入力装置によりコンピュータ14に与えられると、コンピュータ14は顕微鏡本体1の2次元走査駆動制御回路6に指令を発する。
【0048】
こうして走査が開始されると、ガルバノミラー20のX走査に応じてスポット光が光学的な中心位置を横切る度にセンサ26から電気信号のパルスが発生される。すると、画像取り込み開始信号(以下、*STARTと称する。)が、センサ26のパルスを受けたラッチ&遅延回路40によりX走査と同期が取られ、X走査のある位相の時にアドレスカウンタ39を動作有効とする。(この位相は大まかに光学走査の端の辺りになっていれば厳密な管理をする必要がなくなる。)これにより、アドレスカウンタ39は、MCLKをカウントし始め、その値がアドレス加算器36を通過しアドレスとしてメモリ38に与えられる。すると、メモリ38からは、このときのカウント動作に従って画像用各種同期信号として*HD、*DE、CLKを発生する。この場合、アドレスカウンタ39がガルバノミラー20の周期に等しい時間だけMCLKをカウントすると、メモリ38の初期アドレスがリロードされるようになっており、これにより、メモリ38からは各種同期信号がガルバノミラー20の周期に同期して繰り返し出力される。
【0049】
このサンプリングクロックCLKに合わせて光検出器13からの電気信号がサンプリングされ、XY走査に同期した*HD、*DE、*VD(垂直同期信号:図示しないY駆動制御回路により生成)によりコンピュータ14内で画像化処理されモニタ15に試料9の表面情報が表示される。
【0050】
この場合、X走査の光学的位置と電気系のサンプリングとのタイミングは走査の1周期には同期が取られるが、ガルバノミラー20の駆動信号に対する動作遅れや画像化のための電気系の遅延量等は撮像条件や個体別に異なったりするので光学走査のどの位置で画像化のためのサンプリングが開始され終了するかは定まらず、これが取得画像の劣化となって現れてくる。
【0051】
本発明では、このような不都合を解消するため、次のような補正を実行するようにしている。
【0052】
この場合、メモリ38から出力される*HD、*DEは、図4に示すようになる(この場合、CLKは省略してある。)。ここで、アドレスカウンタ39には初期アドレスとして(b)のアドレスが与えられているものとし、また、データとしてのガルバノミラー20の1周期の時間は、MCLKのカウントでアドレス(b)〜(h)までに相当するものとする。そのうち*DEが「0」の期間に1ラインにつき1024画素のデータが有効画素として取得され、また、*HDの前後と*DEの終わりに光学的走査と電気的サンプリング位置の位相ズレの吸収領域を設けてある。(この領域をそれぞれ1024画素分に設定しておけば、取得画像で左右半分の位相ズレまで補正可能となる。)
この状態で、第1回目のX走査ではアドレスが(b)からスタートし、アドレス(c),(d)間で*HDが出力され、カウンタ30がクリアされる。この場合、基準パルス生成回路35、ラッチ&判別回路34が初期状態で動作無効となっているので、続いてアドレスが(f)まで進み、*DEが有効となるとカウンタ30が動作有効となり、メモリ38からのCLKをカウントする。ここでのX走査に対するアドレスカウンタ39のスタート点は、上述したようにラッチ&遅延回路40により大まかに制御されているので、光学中心を通ったときのセンサパルスは*DEの有効期間内に発生する。このときラッチ31はカウンタ30のカウント値を保持する。減算器32は、この値からあらかじめ設定されている補正用レジスタ33の値(ここでは、1024画素/2=512)を引き算し符号とともにラッチ&判別回路34に伝える。
【0053】
このとき両者が異なる値であれば基準パルス生成回路35へ動作有効信号を発行するが、このとき、既に*HDは過ぎてしまっているので、基準パルスは生成されず、ラッチ&判別回路34は動作無効状態を保つ。その後、アドレスが(h)まで進むとアドレスカウンタ39はリロードされ、アドレス(b)に戻り、第2回目のX走査が始まる。この1回目のX走査にて光学的走査中心位置が取得画像中のどの位置に(何画素目に)相当しているかが得られている。
【0054】
ここで、例えばラッチ31のラッチデータが「512」より大きい場合はそのままでは光学的走査中心に対して視野中心が左に偏った画像が得られる(図5(A)参照)。つまり、ガルバノミラー20が鋸歯状波駆動なら左側が歪んで伸びた画像になり、正弦波駆動なら全面が歪みの影響を受け、左側が伸びて右側が縮んだ画像になる。
【0055】
次に、2回目の*HD出力で、カウンタ30がクリアされ、図6(A)に示すようにアドレス(e)において基準パルス生成回路35からラッチ&判別回路34に基準パルスが入力される。ラッチ&判別回路34は、減算器32での差分が与えられているので瞬時に符号を判別しそれらを保持し、この場合後段のアドレス減算器37を動作有効とする。この後はアドレスカウンタ39がそのままカウントをし続けているが、アドレス減算器37の作用でメモリ38にとっては瞬時にアドレス(d)まで戻ったことになるので、*DEはX走査に対し時間的には1回目の時に比べアドレス(d)〜(e)間の時間だけ遅れて出力する。
【0056】
これにより、取得画像領域は光学的走査に対して右にずらされる。また、アドレスが戻った分、メモリ38においてはアドレスカウンタ39のリロード点はアドレス(g)になり、リロード後の先頭アドレスは(a)になる。そして、1回目のX走査で得られた光学的走査の中心位置と電気的サンプリング範囲の中心とのズレ量だけアドレスがずれたので、2回目の*DE中でセンサパルスが再び来たときのカウンタ30、ラッチ31の値は「512」となるはずなので減算器32は基準パルス生成回路35に動作無効の信号を発行しラッチ&判別回路34は動作を停止、先のアドレス補正量を保持したままになる。これによってアドレスカウンタ39は始めとなんら変わることなくカウントを続けるが、3回目以降のX走査ではメモリ38ではアドレス(a)〜(g)を繰り返すことになる。
【0057】
一方、ラッチ31のラッチデータが512より小さい場合は、そのままでは光学走査中心に対して視野中心が右に偏った画像が得られる(図5(C)参照)。つまり、ガルバノミラー20が鋸歯状波駆動なら右側が歪んで伸びた画像になり、正弦波駆動なら全面が歪みの影響を受け、右側が伸びて左側が縮んだ画像になる。
【0058】
この場合の動作は1ライン目で光学的走査の中心位置と電気的サンプリング範囲の中心とのズレ量を検出し、図6(B)に示すように2ライン目の*HD後の基準パルスでアドレス加算器36が動作しアドレス(e)からアドレス(f)まで飛ばして先送りする。すると、*DEはX走査に対して時間的には1回目の時に比べアドレス(e)〜(f)間の時間だけ進んで出力される。即ち、取得画像領域は光学的走査に対して左にずらされる。それ以降はメモリ38にとってはアドレスが(c)〜(i)を繰り返すことになる。
【0059】
なお、このような動作では、補正量を検出するのに1回のX走査が必要となるが、実際の画像生成のためにはY方向走査に帰線期間が必要なので、画像取り込み開始が発せられた直後のズレが補正されているときのX走査は画像取得のための走査とはならず、取得画像に影響は出ない。また、補正用レジスタ33の値は、このアドレス制御による電気的サンプリング位置補正動作の収束点を決定しているもので、センサ26の機械的取付位置やセンサ26、アンプ27等の電気回路の遅れを吸収するため動作点にオフセットを与えている。このことから、最終的に基準スケール等を観察して歪みが無くなるように補正用レジスタ33の値の調整をすることにより個々のばらつきを取り除くことができる。
【0060】
従って、このようにすれば、実際の光学的走査範囲の中心位置を検出し、その位置と画面内の中心画素とを比較し、タイミング信号発生メモリに与えるアドレスをそのズレ量分加減し、光学的走査に対しての相対的な画像表示位置を1ライン走査ごとに瞬時に補正することにより、スキャナの駆動パターンやズーム、温度変化、系時変化に影響されず、常に、光学的走査範囲の中心と電気的サンプリング範囲の中心が一致するようになるので、光学走査中心に対して視野中心が偏るような歪みを補正することができ、画質劣化のない良質な走査画像を得ることができる。
【0061】
なお、上述した実施の形態では、光学的走査中心を検出するための光学系をX軸用ガルバノミラー20の後にハーフミラー22を設けることで照明光の一部を参照して検出するようにしたが、例えば、図2中の破線で囲った部分に示す位置検出用レーザ光源28、結像レンズ29、センサ26′を有する位置検出光学系を独立して設けるようにしても、上述したのと同様な効果が期待できる。
【0062】
(第2の実施の形態)
この第2の実施の形態では、走査型共焦点顕微鏡本体の構成については、上述した第1の実施の形態の図1に示したものと同様である。また、光学的走査範囲検出部の構成を図7に、この光学的走査範囲検出部より検出される光学的走査範囲と電気的サンプリング範囲のそれぞれの中心を一致させるための補正回路の構成を図8にそれぞれ示している。
【0063】
この場合、図7において、ガルバノミラー20の振れ角に対応するX走査光の位置を電気信号として検出する、例えばPSDからなるセンサ70を図2を参照して説明した第1の実施の形態のセンサ26と同様に設け、このセンサ70からの電気信号をアンプ71により所定レベルまで増幅する。
【0064】
このアンプ71からの出力は、可変電流源72,76に入力される。これら可変電流源72,76は、アンプ71から得られるX走査の位置信号を受けてその信号電圧に応じた量の電流を出力するものである。
【0065】
そして、これら可変電流源72,76からの出力電流は、コンデンサ73,77に入力され、各別に充電される。
【0066】
これらコンデンサ73,77には、スイッチ74,78を接続するとともに、サンプルホールドアンプ75,79を接続している。スイッチ74,78はタイミング回路80の制御によりコンデンサ73,77に溜まった電荷を放電させリセットするものである。サンプルホールドアンプ75,79はコンデンサ73,77に溜まった電荷による電圧をタイミング回路80の制御により保持し、それぞれ面積信号(以下、Sl,Srと称する。)として取り出すためのものである。タイミング回路80はスイッチ74,78やサンプルホールドアンプ75,79に対し制御指令を出力するとともに、後段の回路動作に必要なパルスを発生するものである。
【0067】
また、図8において、上述のサンプルホールドアンプ75,79からのSl,Srは、差動増幅器60に入力される。この差動増幅器60は、サンプルホールドアンプ75,79からのSl,Srの差を出力するものである。
【0068】
そして、この差動増幅器60からの差出力は、A/Dコンバータ61に入力される。このA/Dコンバータ61は、差動増幅器60からの差出力を上述したタイミング回路80から発せられるタイミング信号(以下、A/Dパルスと称する。)によりデジタル信号に変換するものである。
【0069】
その他は、上述した図3と同様であり、同一部分には、同符号を付している。
【0070】
次に、このように構成した第2の実施の形態の作用を説明する。
【0071】
いま、走査が開始されると、この走査ごとにセンサ70にX走査光が照射される。センサ70ではX走査光の照射位置によって電流量が配分された2出力が得られる。つまり、受光面中央に照射すれば照射光量に対応した電流の半分ずつ(50:50)が得られ、受光面の両端の位置なら照射光量に対応した電流がそれぞれ100:0または0:100に配分されて得られる。
【0072】
この2出力は、アンプ71に入力され、ここで電流から電圧に変換され、両出力の差分を取ることで符号とともに照射位置対応の電圧として得、同時に総入射光量の変動をキャンセルするため両出力の差分を総入射光量で割り正規化処理を行う。
【0073】
これにより、例えばX走査光がセンサ70の中央に照射されているときはアンプ71からの出力電圧は0V、左右にいっぱいの位置に照射されているならそれぞれ−10、+10Vというようにガルバノミラー20の振れ角に対応した位置信号電圧がアンプ71から出力される。また、この位置信号電圧はガルバノミラー20の駆動波形に追従したものとなり、例えば鋸歯状波駆動に対して得られるようにしている。この場合、位置信号電圧のリニアな領域が光学的にリニアに撮像できる領域として対応する。
【0074】
メモリ38からの同期信号出力が始まり、いま、*DEが図5(A)のような位置にあるとすると、光学的にリニアな像が得られる領域に対して電気的なサンプリングによる取得画像領域は図中点線の四角の部分を撮像することになる。この時の取得画像は左ほど伸びて見える像になってしまう。また反対に*DEが図5(C)のような位置にあるとすると、取得画像は右ほど伸びて見える像になってしまう。
【0075】
そこで、このような画像の歪みを補正するために次のように作用する。
【0076】
まず、初期条件は基準パルス生成回路35、ラッチ&判別回路34、アドレスカウンタ39は、いずれも動作無効である。また、アドレス加算器36、アドレス減算器37も動作停止であるが、どちらか一方がアドレスカウンタ39からのアドレスをメモリ38に供給できる状態である。
【0077】
そして、走査の開始がコンピュータ14に与えられると、ガルバノミラー20がX走査を開始し、センサ70から位置信号電圧が出力され始める。これを受けてタイミング回路80が位置信号電圧振幅とその中心電圧を検出する。ここでのタイミング回路80は、例えば検波回路を組み合わせたようなもので、位置信号電圧の最大値及び最小値を検出しその中間電位を演算し、その中間電位を位置信号電圧が横切るときセンサパルスとして出力する。これにより光学的走査の中心位置で電気的パルスが得られる。
【0078】
次いで、画像取り込み開始信号(図8の*START)が与えられると、センサパルスによりラッチ&遅延回路40がX走査の位相に同期させてアドレスカウンタ39を動作有効とする。
【0079】
1回目のX走査で*DEが出力されると、タイミング回路80は中心位置補正動作を開始する。ここで、光学的に左半分を走査しているとき、センサ70からの位置信号電圧は、可変電流源72、コンデンサ73、スイッチ74、サンプルホールドアンプ75からなる左側回路にて処理される。一方、光学的に右半分を走査しているときは、センサ70からの位置信号電圧は、可変電流源76、コンデンサ77、スイッチ78、サンプルホールドアンプ79からなる右側回路にて処理される。
【0080】
まず、タイミング回路80に*DEが入力されると、左側回路が動作し、スイッチ74を開いて可変電流源72によって位置信号電圧値に対応した電流(電荷)でコンデンサ73に充電し始める。この充電をセンサパルス(位置信号電圧振幅の中心点)が来るまで行う。センサパルスが発せられたら、タイミング回路80はサンプルホールドアンプ75をホールドし、スイッチ74を閉じてコンデンサ73の充電された電荷を放電させる。このときサンプルホールドアンプ75の出力には、画像取得データ有効となってから実際の光学的走査の中心が来るまでの時間にコンデンサ73に溜まった電荷量に対応した電圧が生じている。(図5の面積Slに相当する。)
この動作に続きセンサパルスが発せられてから右側回路が動作し、スイッチ78を開いて可変電流源76によって位置信号電圧値に対応した電流(電荷)でコンデンサ77に充電し始める。この充電を*DEの終わりが来るまで行う。*DEが終了したら、タイミング回路80はサンプルホールドアンプ79をホールドし、スイッチ78を閉じてコンデンサ77に充電された電荷を放電させる。このときサンプルホールドアンプ79の出力には、実際の光学的走査の中心が来てから画像取得データ無効となるまでの時間にコンデンサ77に溜まった電荷量に対応した電圧が生じている。(図5の面積Srに相当する。)
そして、このSl,Srを比較することで、光学的走査範囲の中心に対して電気的サンプリング範囲の中心位置が何処にあるかが分かる。即ち、Sl>Srであれば図5(A)の状態で取得画像の視野が左に偏っていることになり、Sl>Srであれば同図(C)の状態で取得画像の視野が右に偏っていることになる。そして、同図(b)のようにSl=Srのとき光学的走査範囲の中心と電気的サンプリング範囲の中心が合っていることになり、歪みの無い良好な画像が得られる。
【0081】
差動増幅器60では、面積信号SlとSrの差信号を出力する。ここでは簡単のため、例えば差動増幅器60のダイナミックレンジを±5V、後段のA/Dコンバータ61を10ビット(1024分割)、正負両方の入力を受け、デジタル出力はオフセットバイナリコードにて得られるものとする。すなわち、差動増幅器60の出力が「0V」であればデジタルデータ「0」、差動増幅器60の出力が「+5V」ならデジタルデータ「512」、差動増幅器60の出力が「−5V」ならデジタルデータ「−511」を出力するようにする。
【0082】
そして、1回目の*DE終了後にタイミング回路80からA/Dパルスが出力されるとA/Dコンバータ61が動作し、差動増幅回路60からの面積信号の違いを画素量に変換する。減算器32では、あらかじめ設定されている補正用レジスタ33の値(こちらもオフセットバイナリ指定、「0」が入力されている。)とA/D変換後の画素量を演算し、この結果を符号とともにラッチ&判別回路34に出力する。これと同時に両者が異なっていれば基準パルス生成回路35を動作有効とする。
【0083】
次に、2回目のX走査で*HDが出力され、基準パルス生成回路35が動作すると減算器32の補正量がメモリ38のアドレスに加減され、以降は第1の実施の形態で述べたと同様の作用により光学的走査に対する*DEの位置が調整されることになる。もちろん補正用レジスタ33の使用法も第1の実施の形態の場合と同様である。
【0084】
またこの第2の実施の形態においては、センサ70にPSDを用いておりタイミング回路80にて走査振幅とその中心位置を常に検出できるので、光学ズームなどでガルバノミラー20の振れ角(X走査範囲)が減少し、その分中心を左右にオフセットして走査されていても対応することが出来る。
【0085】
従って、このようにすれば、電気的な*DEの開始点が来た時から実際の走査光が光学的走査範囲の中心位置に来るまでの期間だけ走査位置信号を積分し、続いて実際の走査光が光学的走査範囲の中心位置にいる時から電気的な画像有効期間信号の終了点が来るまでの期間だけ走査位置信号を積分し、それぞれの積分値を比較するとともに、これらが一致するように光学的走査に対しての相対的な画像表示位置を1ライン走査ごとに瞬時に補正するようにしているので、スキャナの駆動パターンやズーム、温度変化、系時変化に影響されず、常に、光学的走査範囲の中心と電気的サンプリング範囲の中心が一致するようにでき、光学走査中心に対して視野中心が偏るような歪みが補正され、画質劣化のない良質な走査画像を得ることができる。
【0086】
(第3の実施の形態)
図9は走査型共焦点顕微鏡の構成図であり、図1と同一部分には同一符号を付してある。
【0087】
先ず、顕微鏡本体1は次のように構成される。
【0088】
レーザ光源2は試料9の表面を走査するスポット光としてのレーザ光を発生させるためのレーザ光源であり、ミラー3は、このレーザ光源2からのレーザ光を2次元走査機構100に導くための反射鏡である。
【0089】
この2次元走査機構100は、ミラー3を介して得たレーザ光源2からのレーザ光を2次元走査するための機構である。これは、2次元走査駆動制御回路101の制御のもとにスポット光をXY走査し、例えば、X軸方向走査用のガルバノミラーとY軸方向走査用のガルバノミラーとを有していて、これらガルバノミラーをX軸方向、Y軸方向に振ることで対物レンズ7に対するスポット光の光路をXY方向に振らせることができる。
【0090】
レボルバ10は、倍率の異なる複数の対物レンズ7を保持したものであり、ステージ8は、試料9を保持するものである。複数の対物レンズ7のうちの所望の倍率を持つものをレボルバ10の切り替えにより、顕微鏡の観察光路中に位置設定することで、この位置設定された対物レンズ7を介して2次元走査機構100からのスポット光をステージ8上の試料9に2次元走査しながら照射することができる。
【0091】
また、試料9からの反射光は対物レンズ7を通り2次元走査機構100に戻り、この2次元走査機構100からハーフミラー4へと戻される構成である。このハーフミラー4は、2次元走査機構100に対するレーザ光源2の出射光路上に設けられ、2次元走査機構100を介して得られる試料9からの反射光を検出系に導くための鏡であって、半透明鏡である。
【0092】
レンズ11は、ハーフミラー4を介して得た2次元走査機構100からの反射光を集光するレンズであり、ピンホール板12は所要の径のピンホールを開けたもので、光検出器13の受光面の前面におけるレンズ11の焦点位置にそのピンホール板12を配置される。
【0093】
光検出器13は、ピンホール板12を介して得られる光をその光量対応の電気信号に変換する光検出素子である。そして、光検出器13で光電変換された信号を2次元走査駆動制御回路101からのタイミング信号と共にコンピュータ14で画像化し、モニタ15に表示することで試料9の表面情報を得ることができる。
【0094】
図10は、走査振幅検出手段の構成を示すもので、走査型共焦点顕微鏡本体1の構成の一部と交えて示してある。
【0095】
X軸方向走査用ガルバノミラー102は、レーザ光源2からの照射光をX軸方向に走査し、その走査光は瞳投影レンズ103,104を通り、Y軸方向走査用ガルバノミラー105へ導かれる。このY軸方向走査用ガルバノミラー105はX走査光をさらにY軸方向はへ走査させ、瞳投影レンズ106、結像レンズ107を介して対物レンズ7、試料9へと2次元走査光を照射する。
【0096】
X方向の光学的走査位置を検出するためにX軸方向走査用ガルバノミラー102の背面には、検出用光学系が設けられている。レーザ光源108は、走査位置検出用の光源であり、X軸方向走査用ガルバノミラー102の背面で反射され、結像レンズ110を通って、基準スケール111にスポットとして照射される。
【0097】
この基準スケール111は図11に示すように所望の走査振幅及びその中心を記したものであり、例えばガラス板にアルミ蒸着などで目盛り部分は反射率が高く、その間隙部は反射率が低くしたようなものである。
【0098】
この基準スケール111から反射した光は、結像レンズ110、X軸方向走査用ガルバノミラー102を戻り、ハーフミラー109で反射される。反射されたX走査光はセンサ112に入射し図12に示す電気信号に変換される。このセンサ112はX走査の範囲と光学的中心を検出するためのものであり例えばフォトダイオードなどで、X軸方向走査用ガルバノミラー102の走査により照射光が基準スケール111上を移動すると、その反射率の差によって刻線部分で電気信号のパルス列を発生する。アンプ113はこの電気信号を増幅し、波形整形する。
【0099】
図13は、2次元走査駆動制御回路101における走査振幅補正手段及び走査位置調整手段の構成図である。
【0100】
カウンタ120は画像表示用のサンプリングクロック(以下SCLK)を数えるものであり、パルス発生回路121は前記センサパルス列を受けてラッチ&平均回路122にタイミング信号を与えるものである。このラッチ&平均回路122はカウンタ120の値をパルス発生回路121からのタイミング信号で時間をずらして2点保持し、その2値の平均値を算出するのものである。もう一方のラッチ&平均回路123はセンサパルス列を受けたタイミング回路124からのタイミング信号で同様の保持を行い、その2値の平均値を算出するものである。減算器125はラッチ&平均回路123の値から、ラッチ&平均回路122の値を減算しその差を出力する。
【0101】
減算器126は、減算器125の出力からあらかじめ設定されている画素数レジスタ127の値を減算し、その差が0のとき*EN信号出力を「1(Hレベル)」とし、減算器125の出力が画素数レジスタ127の値より大きい場合は*EN信号「0(Lレベル)」及びU/*D信号「1(Hレベル)」を出力し、減算器125の出力が画素数レジスタ127の値より小さい場合は*EN信号「0(Lレベル)」及びU/*D信号「0(Lレベル)」を出力する。画素数レジスタ127は図示しない入力手段により値を入力され、サンプリング範囲の画素数が入力される。
【0102】
タイミング回路124は、センサパルス列や画像化のための水平同期信号(以下*HD)を受けて同回路各部の動作の同期を取るものである。以上が定常的に走査振幅を一定に保つために必要な構成である。
【0103】
一方、カウンタ128は、サンプリング範囲にあるセンサパルス列の数を数えるものであり、減算器129は、振幅値レジスタ130の値からカウンタ128の値をタイミング回路124の指示するタイミングで減算し、その差が0のとき*EN信号出力を「1(Hレベル)」とし、カウンタ128の出力が振幅値レジスタ130の値より小さい場合は*EN信号「0(Lレベル)」及びU/*D信号「1(Hレベル)」を出力し、カウンタ128出力が振幅値レジスタ130の値より大きい場合は*EN信号「0(Lレベル)」及びU/*D信号「0(Lレベル)」を出力する。
【0104】
振幅値レジスタ130は、図示しない入力手段により値を入力され、走査範囲中のセンサパルス数が入力される。以上が走査振幅を変更するために必要な構成である。タイミング回路124には走査振幅を変更するため図示しない入力手段から走査振幅の変更命令信号(以下ZOOM)を与え、変更完了信号(以下LOCK)が出力される。
【0105】
カウンタ131は、スキャナの走査振幅を決定するデータを発生するもので、図示しない入力手段によって基準値が与えられている。そして*EN信号及びU/*D信号によって動作条件が決まるとタイミング回路124からのパルスによりその値を変化させる。
【0106】
D/Aコンバータ132は、カウンタ131のカウント値が増減すると、図示しないスキャナの駆動回路部分へ振幅制御電圧として出力し、スキャナの走査振幅を変化させる。
【0107】
次に上記の如く構成された顕微鏡の作用について図14及び図15を参照して説明する。
【0108】
1ライン当たりの画素数として1024画素あり、図11に示す「1×」の幅を走査する場合を例とし、水平同期信号*HDに同期した信号*DEはサンプリングクロックSCLKの100番目から1124番目に存在しているとする。また初期状態として、画素数レジスタ127に「1024」が、振幅値レジスタ130に基準スケール111で発生するパルス数として「9」が与えられているものとする。
【0109】
この状態で走査の開始が図示しない入力装置によりコンピュータ14に与えられると、このコンピュータ14は顕微鏡本体1の2次元走査駆動制御回路101に指令を発する。走査が開始されるとX軸方向走査用ガルバノミラー102のX走査に応じて背面のスポット光が基準スケール111を走査し、センサ112から図12に示すような電気信号のパルスが発生し始める。
【0110】
X走査の時間的な開始点として水平同期信号*HDを基準に考えると、この水平同期信号*HDによりカウンタ120、パルス発生回路121、タイミング回路124、カウンタ128などがそれぞれリセットされる(図14の*HDがLレベルのときの状態)。
【0111】
走査が進みカウンタ120はサンプリングクロックSCLKをカウントし始め、その後第1番目のセンサパルスが発生すると、パルス発生回路121は(a)信号を発生する。この(a)信号は第1番目のセンサパルスの立ち上がりと立ち下がりに同期しており、この2組の立ち上がりエッジでカウンタ120の値をラッチ&平均回路122が取り込む(「145」と「155」が取れたとする)。直ちにラッチ&平均回路122は取り込まれた2つのカウント値から平均値「150」を算出する。この結果は第1番目のセンサパルスの中間点が水平同期信号*HDから数えてサンプリングクロックSCLKの150番目に相当していることを示している。
【0112】
同様にラッチ&平均回路123にも(b)信号が与えられ、このX走査の*DEが終了した時点では最後のセンサパルスを受けたときのカウンタ120の値(「1069」と「1079」が取れたとする)が保持され、最後の(この場合9番目)センサパルスの中間点が*HDから数えてSCLKの1074番目に相当していることを示している。減算器125はこのラッチ&平均回路122,123の2つの値の差を演算しており、このX走査の*DEが終了した時点でサンプリング範囲内に一番広く入っている基準スケール111の目盛りはSCLK924個分に相当する広さであることを示している。つまり、基準スケール111の目盛りが1024画素の間隔に見えれば良いので、100画素分だけ希望する1×の走査範囲に対して広く振りすぎていることが分かる。
【0113】
この後、減算器126は(c)信号のHレベルの時に動作有効となり、あらかじめ入力されている画素数レジスタ127の「1024」と比較する。図14の場合は「924」<「1024」であるから、*EN信号「0(Lレベル)」、U/*D信号「0(Lレベル)」を出力する。
【0114】
カウンタ131はあらかじめ与えられていた基準値から1つ小さい値へ変化する。これを受けてD/Aコンバータ132は振幅制御電圧を低下させ、スキャナの走査振幅が減少する。これを繰り返し、何ラインかの走査の後、スケール111の目盛りがSCLK1024個分に相当する広さまで走査範囲が変化すると「1×」の走査範囲に合うことになり、減算器126は*EN信号Hレベルを維持し、カウンタ131は動作を停止するので走査振幅は一定値に留まる。反対に1024画素分より大きければ振幅制御電圧が増加して視野が広がり、やはり1024に合ったときに走査振幅が安定することになる。
【0115】
次に走査振幅を変化させる場合について図15を用いて述べる。
【0116】
振幅値レジスタ130に新たな走査振幅に相当するセンサパルス数を与え、ZOOMが与えられると振幅が変化する。今、振幅値レジスタ130には「1×」に相当する「9」が与えられているが、これを「2×」に変えることとする。この場合「2×」の振幅ではセンサパルス列は7つになっていれば良いので、振幅値レジスタ130には「7」が与えられる。
【0117】
カウンタ128は、毎ラインの*DE期間中のセンサパルス数を数えており、ZOOMがタイミング回路124に与えられると、このタイミング回路124は(d)信号を減算器129に与える。
【0118】
この減算器129は振幅値レジスタ130の値とカウンタ128の値の差を演算し、ZOOMがタイミング回路124に与えられたときは「9」>「7」となっているので*EN信号「0(Lレベル)」、U/*D信号「0(Lレベル)」を出力する。カウンタ131は「1×」の状態で安定していたカウント値から1つ小さい値へ変化する。これを受けてD/Aコンバータ132は振幅制御電圧を減少させ、スキャナの走査振幅が減少する。何ラインかの走査の後*DE期間中のセンサパルス数が「7」になる広さまで走査範囲が変化すると「2×」の走査範囲よりやや広い走査振幅に合うことになり、タイミング回路124から(d)信号は出力されなくなり、減算器129は*EN信号Hレベルを維持し、カウンタ131は動作を停止するので走査振幅は一定値に留まる。
【0119】
そして、続くX走査からは上記の振幅安定化動作が起こり、「2×」の走査振幅に一致するように補正される。反対に振幅値レジスタ130の値がセンサパルス数より大きければ振幅制御電圧が増加して視野が広がり、やはり両者が合ったときに走査振幅が安定することになる。
【0120】
以上のように、基準スケール111を用いることで走査が所望の走査振幅にいつも一致するように一連の振幅制御回路が動作することになる。
【0121】
次に、上記一連の振幅制御に合わせ、走査範囲とサンプリング範囲との相対位置の安定化について説明する。
【0122】
走査の中心位置検出方法は例えば基準スケール111の中央刻線のみ反射率を上げておく。得られるセンサパルス列の信号のうち中央のパルスのみ波高値が大きいので、アンプ113にて増幅、波形整形する際にスレシホールドレベルを2つ用意しておく。低レベル側にて検出されるパルス列は走査振幅調節用とし、高レベル側を中央刻線のみ検出できるように設定することで、X走査ごとに中央を横切るときのみパルスが発生させられる。
【0123】
なお、スケールの取り付けは、走査停止状態で走査位置検出用レーザ光が光学的中心位置にあるとき、センサ112からの中央刻線波高値をモニタし、最高輝度が得られる位置に設定する。
【0124】
この走査範囲とサンプリング範囲との相対位置の安定化には、上記図3に示す補正回路が用いられる。この補正回路の動作は、上記第1の実施の形態にて説明したので、ここではその重複を避けるために省略する。
【0125】
この補正回路の動作により光学的走査範囲の中心と電気的サンプリング範囲の中心がいつも合っているように一連のアドレス制御が動作することになる。
【0126】
このように上記第3の実施の形態においては、実際の光学的走査範囲を検出し、その振幅とスケール上の基準振幅とを比較し、スキャナ駆動回路に与える振幅制御電圧をそのズレ量分加減することにより走査振幅をライン走査ごとに補正し、実際の光学的走査範囲の中心位置を検出し、その位置と画面内の中心画素とを比較し、またタイミング信号発生メモリに与えるアドレスをそのズレ量分加減することにより光学的走査に対しての相対的な画像表示位置を1ライン走査ごとに瞬時に補正するので、光学的な走査振幅を所望の走査振幅に一致させるように補正でき、ズーム温度変化、経時変化、スキャナ個体のばらつきに影響されず所望の走査振幅への安定化が可能となり、且つ常に光学的走査範囲と電気的サンプリング範囲の中心自動補正が可能となる。
【0127】
(第4の実施の形態)
この第4の実施の形態は、基準スケール140を目盛り部分を非透過、間隙部分を透過としたものとし、図16のように位置検出光学系を透過型にしたものである。透過光検出のセンサ141には例えばラインセンサを用い、基準スケール140の目盛り位置をSCLK数に対応付ける。なお、振幅制御関連の詳細動作は上記第3の実施の形態と同様であり、その作用については省略する。
【0128】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、2次元方向の走査に応じた走査位置情報に基づいて光学的走査範囲の中心を検出する光学的走査範囲中心検出手段と、2次元方向の走査に応じた検出信号を画像表示するための電気的サンプリング範囲の中心を設定するサンプリング範囲中心設定手段と、少なくとも1ライン走査ごとに光学的走査範囲中心検出手段により検出された光学的走査範囲の中心とサンプリング範囲中心設定手段に設定された電気的サンプリング範囲の中心とが常に一致するように補正する補正手段とを備えたので、スキャナの駆動パターンやズーム、温度変化、系時変化に影響されず、常に、光学的走査範囲の中心と電気的サンプリング範囲の中心が一致するようにできるので、光学走査中心に対して視野中心が偏るような歪みが補正され、画質劣化のない良質な走査画像が得られる。
又、本発明によれば、集束光を試料に対して2次元方向へ走査するときの光学的走査振幅を検出する走査振幅検出手段と、この走査振幅検出手段により検出された光学的走査振幅と画像の大きさに応じた規定値とに基づいて光学的走査振幅の補正量を検出する走査振幅補正手段と、この走査振幅補正手段により検出された補正量に基づいて光学的走査振幅を調整する走査位置調整手段とを備えたので、光学的な走査振幅を所望の走査振幅に一致させるように補正でき、ズーム温度変化、経時変化、スキャナ個体のばらつきに影響されず所望の走査振幅への安定化が可能となり、且つ常に光学的走査範囲と電気的サンプリング範囲の中心自動補正が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に適用される走査型共焦点顕微鏡の概略構成を示す図。
【図2】第1の実施の形態に適用される光学的走査範囲検出部の概略構成を示す図。
【図3】第1の実施の形態に適用される補正回路の概略構成を示す図。
【図4】第1の実施の形態の動作を説明するための図。
【図5】第1の実施の形態の動作を説明するための図。
【図6】第1の実施の形態の動作を説明するための図。
【図7】本発明の第2の実施の形態に用いられる光学的走査範囲検出部の概略構成を示す図。
【図8】第2の実施の形態に適用される補正回路の概略構成を示す図。
【図9】本発明の第3の実施の形態に適用される走査型共焦点顕微鏡の概略構成を示す図。
【図10】第3の実施の形態に適用される走査振幅検出手段の構成図。
【図11】第3の実施の形態に適用される基準スケールを示す図。
【図12】第3の実施の形態において基準スケールを走査したときのセンサパルス列を示す図。
【図13】第3の実施の形態における走査振幅補正手段及び走査位置調整手段を示す図。
【図14】第3の実施の形態の動作を示す図。
【図15】第3の実施の形態の動作を示す図。
【図16】本発明の第4の実施の形態を示す概略構成図。
【図17】一般的な走査型共焦点顕微鏡の概略構成を示す図。
【符号の説明】
1:顕微鏡本体、
2:レーザ光源、
3:ミラー、
4:ハーフミラー、
5:2次元走査機構、
6:2次元走査駆動制御回路、
7:対物レンズ、
8:ステージ、
9:試料、
10:レボルバ、
11:レンズ、
12:ピンホール板、
13:光検出器、
14:コンピュータ、
15:モニタ、
20,102:X軸方向走査用ガルバノミラー、
21,103:瞳投影レンズ、
22:ハーフミラー、
23,104:瞳投影レンズ、
24,105:Y軸方向走査用ガルバノミラー、
25,106:瞳投影レンズ、
26,26′,112:センサ、
27,113:アンプ、
28,108:位置検出用レーザ光源、
29,110:結像レンズ、
30:カウンタ、
31:ラッチ、
32:減算器、
33:補正用レジスタ、
34:ラッチ&判別回路、
35:基準パルス生成回路、
36:アドレス加算器、
37:アドレス減算器、
38:メモリ、
39:アドレスカウンタ、
40:ラッチ&遅延回路、
60:差動増幅器、
61:A/Dコンバータ、
70:センサ、
71:アンプ、
72,76:可変電流源、
73,77:コンデンサ、
74,78:スイッチ、
75,79:サンプルホールドアンプ、
80:タイミング回路、
100:2次元走査機構、
101:2次元走査駆動制御回路、
111:基準スケール、
120:カウンタ、
121:パルス発生回路、
122,123:ラッチ&平均回路、
124:タイミング回路、
125,126,129:減算回路、
127:画素数レジスタ、
128:カウンタ、
130:振幅値レジスタ、
131:カウンタ、
132:D/Aコンバータ。
Claims (7)
- 試料に対し集束光を照射するとともに、該集束光を前記試料に対して2次元方向へ走査しながら前記試料での前記集束光の反射光を受光しその受光強度に応じた信号を検出するようにした走査型顕微鏡において、
前記2次元方向の走査に応じた走査位置情報に基づいて光学的走査範囲の中心を検出する光学的走査範囲中心検出手段と、
前記2次元方向の走査に応じた検出信号を画像表示するための電気的サンプリング範囲の中心を設定するサンプリング範囲中心設定手段と、
少なくとも1ライン走査ごとに前記光学的走査範囲中心検出手段により検出された前記光学的走査範囲の中心と前記サンプリング範囲中心設定手段に設定された前記電気的サンプリング範囲の中心とが常に一致するように補正する補正手段と、
を具備したことを特徴とする走査型顕微鏡。 - 前記サンプリング範囲中心設定手段は、前記電気的サンプリング範囲の中心に対応する画面内の中央画素を設定し、
前記補正手段は、少なくとも1ライン走査ごとに前記光学的走査範囲中心検出手段による前記光学的走査範囲の中心と前記サンプリング範囲中心設定手段により設定された画面内の中央画素とを比較し、この比較結果に基づいて前記光学的走査範囲の中心と前記画面内の前記中央画素とを一致させるように前記光学的走査範囲に対する画像表示位置を補正する、
ことを特徴とする請求項1記載の走査型顕微鏡。 - 前記サンプリング範囲中心設定手段は、前記電気的サンプリング範囲の中心に対応する値を設定し、
前記補正手段は、少なくとも1ラインごとに前記2次元方向の移動走査に応じた走査位置情報のうち画像有効期間信号の開始点から前記光学的走査範囲の中心位置までの期間の第1の積分値と前記光学的走査範囲の中心位置から前記画像有効期間信号の終了点までの期間の第2の積分値を比較するとともに、この比較結果が前記サンプリング範囲中心設定手段の値に一致するように前記画像有効期間信号の発生タイミングを補正する、
ことを特徴とする請求項1記載の走査型顕微鏡。 - 前記光学的走査範囲中心検出手段から得られる前記光学的走査範囲の中心と前記画像を得るための電気的サンプリング範囲の中心とに基づいて前記光学的走査範囲の中心と前記電気的サンプリング範囲の中心とを合わせる機能を有することを特徴とする請求項1記載の走査型顕微鏡。
- 試料に対し集束光を照射するとともに、該集束光を前記試料に対して2次元方向へ走査しながら前記試料での前記集束光の反射光を受光しその受光強度に応じた信号を検出するようにした走査型顕微鏡において、
前記集束光を前記試料に対して前記2次元方向へ走査するときの光学的走査振幅を検出する走査振幅検出手段と、
この走査振幅検出手段により検出された前記光学的走査振幅と画像の大きさに応じた規定値とに基づいて前記光学的走査振幅の補正量を検出する走査振幅補正手段と、
この走査振幅補正手段により検出された前記補正量に基づいて前記光学的走査振幅を調整する走査位置調整手段と、
を具備したことを特徴とする走査型顕微鏡。 - 前記走査振幅検出手段は、任意の走査振幅及びその中心位置を記した基準スケールを有し、この基準スケールに走査位置検出用光源からの光を走査して前記光学的走査振幅を得る機能を有し、
この走査振幅検出手段により検出された前記光学的走査振幅と前記画像の大きさに応じた前記規定値とにより検出される前記光学的走査振幅の前記補正量に基づいて前記光学的走査振幅を前記基準スケールの任意の走査振幅に調整する、
ことを特徴とする請求項5記載の走査型顕微鏡。 - 前記走査振幅検出手段の前記基準スケールに前記走査位置検出用光源からの光を走査して得られる前記光学的走査振幅の中心と前記画像を得るための電気的サンプリング範囲の中心とに基づいて前記光学的走査振幅の中心と前記電気的サンプリング範囲の中心とを合わせる機能を有することを特徴とする請求項6記載の走査型顕微鏡。
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