JP4215989B2 - 防水シートの設置構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、防水シートの設置構造に関する。
【0002】
【関連技術及び課題】
例えば、住宅用戸建て建物において2階バルコニーの床面の高さ位置を屋内フロアーの高さ位置に近づけることによって、バルコニー床面と屋内フロアーとの段差を小さくし、バルコニーと屋内との間の出入りを安全に行うことができるようにしようとする場合、バルコニーの床に設置する防水シートは、開口部以外の壁の部分においても、その周囲の立ち上がりを大きくしておく必要がある。
【0003】
このような場合に、床側からの防水シートをそのまま壁に沿ってある程度立ち上げるように施工するのはさほど難しいことではないけれども、床側からかなり高い高さ位置まで立ち上げようとすると、施工中に、防水シートの立ち上がり部に垂れ下がりを生じてしまうなど、施工を行い難くしてしまうことがある。
【0004】
特に、防水シートを壁に沿って高く立ち上げようとする場合は、他との取り合い関係による制約をなくすため、防水シートの立ち上がり部の上側を壁の内部に配置しておくのがよいが、床側の防水シートをそのまま立ち上げ、その立ち上がり部分を壁の内部に配置するという施工は至難を極める。
【0005】
本発明は、このような問題点に鑑み、防水シートを床側から立ち上がるように設置する場合に、その施工を容易に行うことができる防水シートの設置構造を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の課題は、防水シートが床側から立ち上がるように設置される防水シートの設置構造において、
該防水シートが、床側の防水シートと、立ち上がり側の防水シートとに分割され、
これら防水シートがシール状態に接合されていることを特徴とする防水シートの設置構造によって解決される。
【0007】
この構造では、防水シートが床側の防水シートと立ち上がり側の防水シートとに分割されているので、床側の防水シートを床側に設置し、立ち上がり側の防水シートを立ち上がり側に設置し、そして、これら防水シート同士を接合すればよいので、防水シートの立ち上がりを高くするような場合であっても、その施工を容易に行うことができる。
【0008】
また、上記の課題は、防水シートが床側から壁に沿って立ち上がるように設置される防水シートの設置構造において、
該防水シートが、床側の防水シートと、壁に沿う立ち上がり側の防水シートとに分割され、
立ち上がり側の防水シートは、その上側が壁の内部に配置され、下側が壁の外に導出されて床側の防水シートとシール状態に接合されていることを特徴とする防水シートの設置構造によって解決される。
【0009】
この設置構造では、床側から立ち上がる防水シートの立ち上がり高さを高くしても、防水シートの立ち上がり部の上側は壁内に配置されるので、防水シートの立ち上がり高さを、他との取り合い関係による制限を受けることなく、非常に高いものにすることができる。
【0010】
しかも、防水シートは、床側の防水シートと上記のような立ち上がり側の防水シートとに分割されているから、立ち上がり側の防水シートの施工を床側の防水シートの施工とは切り離して行うことができ、それによって、立ち上がり側の防水シートの施工を容易に配置することができ、また、床側の防水シートの施工についても立ち上がり側の防水シートの施工とは切り離して行うことができ、それによって、床側の防水シートの施工も容易に配置することができる。更に、床側の防水シートと立ち上がり側の防水シートとの接合も壁の外において容易に行うことができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0012】
図1及び図2に示す実施形態の防水シート設置構造は、戸建て住宅用建物の2階バルコニーに適用した場合のもので、1は建物の壁、2はバルコニーの床、3は屋内の2階フロアー、そして、4が防水シートである。なお、5は階間の胴差、6はバルコニー用のキャンチ梁、7,8は軽量コンクリート床版である。
【0013】
バルコニーと屋内とを仕切る壁1には、外壁パネル9が用いられており、この外壁パネル9は、面材10の背面側に発泡樹脂からなる断熱材11が備えられ、その背面側にパネルフレーム12が備えられているもので、このパネルフレーム12を胴差5の上面部にのせて設置されている。この外壁パネル9に、バルコニーの床面2よりも所定高さ上方位置において、発泡樹脂製断熱材11の背面側につながるスリット状の開口部15が設けられている。
【0014】
防水シート4は、バルコニーの床2に敷かれ、そこからこの外壁パネル9に沿うよう立ち上げられ、外壁パネル9のスリット状の開口部15を通じて壁1の内部に入れられ、発泡断熱材11の背面側を上方に延ばされることで、壁1に沿うかなり高い高さ位置まで立ち上げられている。なお、発泡断熱材11の背面部にはこの防水シート4を配置する切欠き部11aが備えられ、この切欠き部11aの段11bの位置に防水シート4の上端部が位置するようになされている。
【0015】
この防水シート4は、樹脂製のシートからなり、バルコニーの床2に設置される床側の防水シート16と、建物の壁1に沿って立ち上がる立ち上がり側の防水シート17とに分割されている。
【0016】
床側の防水シート16は、バルコニーの床2側から壁1の外に沿って立ち上がる部分16aを備え、この部分16aの上端部が、立ち上がり側の防水シート17の下端部と、壁1の外面側において重ね合わせ状態にされ、熱溶着などによってシール状態に接合14されている。これにより、立ち上がり側の防水シート17は、その上側が壁1の内部に配置され、その下側が壁1の外に導出されて床側の防水シート16とシール状態に接合14された構造にされている。
【0017】
この防水シートの施工は、例えば次のようにして行うことができる。即ち、図3(イ)に示すように、立ち上がり側の防水シート17の上側を壁1内に配置し、その下側を、スリット状開口部15を通じて、壁1の外に導出させた状態に設置しておく。この立ち上がり側の防水シート17は、現場において、外壁パネル9の建方を終えた後に、そのスリット状開口部15を通じて差し込んで施工するようにしてもよいし、あるいは、予め工場などにおいて外壁パネル9にそのような設置状態に組み付けておくようにしてもよい。
【0018】
そして、立ち上がり側防水シート17の設置と相前後して、図3(ロ)に示すように、床側の防水シート16をバルコニーの床2に敷き、その周縁立ち上がり部16aの上端部を、立ち上がり側防水シート17の下端部に外側から重ね、図4(ハ)に示すように、床側の防水シート16と立ち上がり側の防水シート17とを熱溶着などによってシール状態に接合14する。こうして防水シート4は立ち上がり高さ高く設置される。最後に、図4(ニ)に示すように、外から目隠しカバー18をする。19は、カバー18を取り付けるためのベースで、予め外壁パネル9に備えられているものである。
【0019】
このように、上記の構造によれば、防水シート4が床側の防水シート16と立ち上がり側の防水シート17とに分割されているので、床側の防水シート16を床側に設置し、立ち上がり側の防水シート17を立ち上がり側に設置し、そして、これら防水シート16、17同士を接合すればよいので、防水シート4の立ち上がりを上記のように高くする場合に、その施工を容易に行うことができる。
【0020】
特に、本実施形態では、防水シート4の立ち上がりを高くする場合において、他との取り合い関係による制約を受けないようにするために防水シート4の立ち上がり部の上側を壁1内に配置する構成としているなかで、防水シート4を床側の防水シート16と立ち上がり側の防水シート17とに分割し、立ち上がり側の防水シート17を壁の外に導出し、壁1の外面部で床側の防水シート16と接合する構成としているので、立ち上がり側の防水シート17の施工を床側の防水シート16の施工とは切り離して、立ち上がり側の防水シート17の上側を壁1内に容易に配置することができ、また、床側の防水シート16の施工も立ち上がり側の防水シート17の施工と切り離して容易に行うことができ、更に、床側の防水シートと立ち上がり側の防水シート17との接合も壁の外側で容易に行うことができ、こうして、防水シート4の施工を容易に行うことができる。
【0021】
図5は、バルコニーの腰壁20の側の構造を示しており、この腰壁20における防水シート4の立ち上がりについても、上記と同様の設置構造が採用され、防水シート4の立ち上がりを高くするよう施工されている。
【0022】
以上に、本発明の実施形態を示したが、本発明はこれに限られるものではなく、発明思想を逸脱しない範囲で、各種の変更が可能である。例えば、上記の実施形態では、バルコニーに適用した場合を示しているが、テラスでもよいし、本発明は、要は、防水シートの設置を必要とする各所に適用することができるものである。
【0023】
また、上記の実施形態では、立ち上がり側の防水シート17の上側を壁の内部に配置した場合の構造を示しているが、立ち上がり側の防水シートの上側を壁の外に配置する場合の構造として構成することもできる。
【0024】
また、上記実施形態では、防水シートとして樹脂製のシートを用いた場合を示しているが、材質に制限はなく、金属シートや、金属と樹脂の複合シートであってもよいし、床側の防水シートと立ち上がり側の防水シートとでその材質を異ならせるようにしてもよい。
【0025】
また、床側の防水シートと立ち上がり側の防水シートとの接合は熱溶着以外の方法で行われていてもよく、要は、両シートをシール状態に接合することができる接合方法で接合されたものであればよい。
【0026】
更に、上記の実施形態では、両防水シート16,17が壁1の側面部において接合されている場合を示しているが、床2の側で接合されていてもよいし、壁1と床2の境界部で接合されていてもよい。なお、接合は、壁1の側か床2の側で行うほうが、これらの境界部で行うより容易であり、この境界部を避けて行うようにするのが好ましいのはいうまでもない。
【0027】
【発明の効果】
本発明は、以上のとおりのものであるから、防水シートを床側から立ち上げて設置する場合に、その施工を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態のバルコニーの外壁側における防水シート設置構造の要部を拡大して示す切断面図である。
【図2】同構造を周囲部分も含めて示す切断面図である。
【図3】図(イ)(ロ)は、図4(ハ)(ニ)とともに防水シートの施工方法を順次に示す斜視図である。
【図4】図(ハ)(ニ)は、図3(イ)(ロ)とともに防水シートの施工方法を順次に示す斜視図である。
【図5】バルコニーの腰壁側における防水シート設置構造を示す切断面図である。
【符号の説明】
1…壁
2…バルコニーの床(床)
4…防水シート
14…接合部
16…床側の防水シート
17…立ち上がり側の防水シート
Claims (2)
- 防水シートが床側から壁に沿って立ち上がるように設置される防水シートの設置方法において、
床側の防水シートと、壁に沿う立ち上がり側の防水シートとに分割された防水シートを用い、
前記立ち上がり側の防水シートの上側を、前記床側の床面よりも上方の高さ位置において壁の正面側に開口するスリット状開口部を通じ、外壁面材の背面側である壁の内部に下から上へと差し込んでその上端高さ位置を防水高さ位置とするように上方に延ばした状態にした後、壁の外に導出している下側を床側の防水シートとシール状態に接合することを特徴とする防水シートの設置方法。 - 前記床側の防水シートと、立ち上がり側の防水シートとが互いに同じ材質のものからなっている請求項1に記載の防水シートの設置方法。
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JP2002052457A JP4215989B2 (ja) | 2002-02-27 | 2002-02-27 | 防水シートの設置構造 |
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JP2002052457A JP4215989B2 (ja) | 2002-02-27 | 2002-02-27 | 防水シートの設置構造 |
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CN1824589B (zh) * | 2005-02-27 | 2011-05-18 | 高德金 | 钢筋强固底部排料口为方形多用途散状物料集装袋 |
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2002
- 2002-02-27 JP JP2002052457A patent/JP4215989B2/ja not_active Expired - Fee Related
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