JP2023149562A - 避難ハッチの固定構造 - Google Patents

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雅也 佐藤
Masaya Sato
淳 堀内
Atsushi Horiuchi
和仁 飯田
Kazuhito Iida
郁恵 上野
Ikue Ueno
創 城所
So Kidokoro
雅呂 小林
Masatomo Kobayashi
隆 中島
Takashi Nakajima
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Abstract

【課題】避難ハッチを屋外床部に設置した場合の防水性の向上を図り、避難ハッチの良好な設置状態を維持する。【解決手段】避難ハッチ10は、側方に張り出して屋外床部3に載せられる張出部12を備え、屋外床部3は、避難ハッチ10の張出部12が接し、かつ、避難ハッチ10を支持する支持面15を備え、避難ハッチ10は、開口部4に嵌め込まれるとともに、張出部12が屋外床部3の支持面15に載せられ、固定手段43a,50,53,56は、屋外床部3を構成する木造部位30,7(7a,5)を避けた状態で、避難ハッチ10を屋外床部3に固定している。【選択図】図10

Description

本発明は、避難ハッチの固定構造に関する。
近年、4階建て以上の建物を木造建築物として建築することが行われている。4階建て以上の建物を木造建築物として建築する場合は、必要な耐震性能や耐火性能、防水性能を付与するだけでなく、バルコニーや屋外廊下等の屋外部分に避難用設備を設置し、上層階からの避難経路を確保することが必須となる。
特許文献1には、木造建築物のバルコニー床に形成されたハッチ取付開口の周囲に環状の取付枠部材が取り付けられ、当該取付枠部材に対して避難ハッチが載せられるとともに固定材によって固定される技術が開示されている。
特許第6055722号公報
従来の避難ハッチをバルコニー床に固定するにあたっては、筒状本体枠を、ビス等の固定部材によって取付枠部材に固定している。その際、固定部材は、FRP防水の途切れた位置で、かつ、窯業系サイディングの外装材及び強化石膏ボードを貫通するように打ち込まれている。そのため、万が一、経年変化等によって避難ハッチの上端部や下端部に設けられたシーリング材が切れた場合には、固定部材による固定箇所に向かって水が通るため、防水性能を維持しにくくなる。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その課題は、避難ハッチを屋外床部に設置した場合の防水性の向上を図り、避難ハッチの良好な設置状態を維持することである。
請求項1に記載の発明は、例えば図1,図10~図15等に示すように、下方に展開する避難はしご13が取り付けられた避難ハッチ10と、
前記避難ハッチ10が嵌め込まれる開口部4が形成され、少なくとも上面及び前記開口部4の側面が防水面とされた屋外床部3と、
前記避難ハッチ10を前記屋外床部3に固定する固定手段43a,50,53,56と、を備えており、
前記避難ハッチ10は、側方に張り出して前記屋外床部3に載せられる張出部12を備え、
前記屋外床部3は、前記避難ハッチ10の前記張出部12が接し、かつ、前記避難ハッチ10を支持する支持面15を備え、
前記避難ハッチ10は、前記開口部4に嵌め込まれるとともに、前記張出部12が前記屋外床部3の前記支持面15に載せられ、
前記固定手段43a,50,53,56は、前記屋外床部3を構成する木造部位30,7(7a,5)を避けた状態で、前記避難ハッチ10を前記屋外床部3に固定していることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、避難ハッチ10が嵌め込まれる開口部4が形成された屋外床部3は、少なくとも上面及び開口部4の側面が防水面とされているので、たとえ木造部位30,7(7a,5)を有していたとしても、防水機能を具備した状態となる。
さらに、避難ハッチ10は、開口部4に嵌め込まれるとともに、側方に張り出す張出部12が屋外床部3の支持面15に載せられるので、避難ハッチ10を屋外床部3によって下方から支持することができ、避難ハッチ10を良好な設置状態とすることができる。
その上で、固定手段43a,50,53,56が、屋外床部3を構成する木造部位30,7(7a,5)を避けた状態で、避難ハッチ10を屋外床部3に固定しているので、避難ハッチ10の固定箇所から、屋外床部3を構成する木造部位30,7(7a,5)に向かって水が浸入しにくくなる。これにより、避難ハッチ10を屋外床部3に設置した場合の防水性の向上を図り、避難ハッチ10の良好な設置状態を維持することができる。
請求項2に記載の発明は、例えば図1,図10~図13に示すように、請求項1に記載の避難ハッチ10の固定構造において、
前記屋外床部3は、木製の床本体30と、前記床本体30を被覆して前記床本体30の表層を構成する表層部(耐火面材31、断熱パネル32、第一下地合板33、第二下地合板34等)と、を備え、
前記固定手段43a,50,53は、前記床本体30を避けた状態で、前記避難ハッチ10を前記屋外床部3に固定していることを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、屋外床部3は、木製の床本体30と、床本体30を被覆して床本体30の表層を構成する表層部と、を備え、固定手段43a,50,53は、床本体30を避けた状態で、避難ハッチ10を屋外床部3に固定しているので、避難ハッチ10の固定箇所から、少なくとも床本体30に向かって水が浸入しにくくなる。これにより、避難ハッチ10を屋外床部3に設置した場合の防水性の向上を図り、避難ハッチ10の良好な設置状態を維持することができる。
請求項3に記載の発明は、例えば図1,図10に示すように、請求項2に記載の避難ハッチ10の固定構造において、
前記屋外床部3は、前記表層部のうち前記床本体30の上面を被覆する部位(耐火面材31)に載せられるとともに、前記開口部4の周囲に配置された支持部43を備え、
前記支持部43は、前記床本体30又は前記表層部のうち前記床本体30の上面を被覆する部位に固定され、
前記支持部43の上面が、前記避難ハッチ10の前記張出部12が接する前記支持面15とされており、
前記固定手段41は、前記支持面15に載せられた前記張出部12を、前記支持部43に固定していることを特徴とする。
請求項3に記載の発明によれば、床本体30又は表層部のうち床本体30の上面を被覆する部位に固定された支持部43の上面が、避難ハッチ10の張出部12が接する支持面15とされているので、避難ハッチ10は、開口部4に嵌め込まれるとともに、側方に張り出す張出部12が支持部43に載せられることで、屋外床部3によって下方から支持されることとなり、避難ハッチ10の設置安定性に貢献できる。
さらに、支持部43は、床本体30又は表層部のうち床本体30の上面を被覆する部位に固定され、固定手段41は、支持面15に載せられた張出部12を、支持部43に固定しているので、避難ハッチ10は、支持部43を介して、床本体30又は表層部のうち床本体30の上面を被覆する部位に固定されることとなる。これにより、避難ハッチ10の固定箇所から、少なくとも床本体30に向かって水が浸入しにくくなるので、避難ハッチ10を屋外床部3に設置した場合の防水性の向上を図り、避難ハッチ10の良好な設置状態を維持することができる。
請求項4に記載の発明は、例えば図1,図11に示すように、請求項2に記載の避難ハッチ10の固定構造において、
前記避難ハッチ10は、前記開口部4に嵌め込まれるとともに中空状に形成された筒状本体枠11を備え、前記張出部12は、前記筒状本体枠11の上端部に一体に設けられ、
前記固定手段50は、
前記筒状本体枠11の外側面と前記表層部のうち前記開口部4の側面を被覆する部位(第一下地合板33)との間の隙間に配置され、前記隙間内で、前記筒状本体枠11から離れる方向と近づく方向に進退可能とされた突っ張り部51と、
前記筒状本体枠11の内部から前記突っ張り部51を進退させる進退操作部52と、を備えることを特徴とする。
請求項4に記載の発明によれば、避難ハッチ10は、開口部4に嵌め込まれるとともに中空状に形成された筒状本体枠11を備え、張出部12は、筒状本体枠11の上端部に一体に設けられるので、避難ハッチ10は、筒状本体枠11が開口部4に嵌め込まれるとともに、側方に張り出す張出部12が支持面15に載せられることで、屋外床部3によって下方から支持されることとなり、避難ハッチ10の設置安定性に貢献できる。
さらに、避難ハッチ10を屋外床部3に固定する固定手段50は、筒状本体枠11の外側面と表層部のうち開口部4の側面を被覆する部位との間の隙間に配置され、隙間内で、筒状本体枠11から離れる方向と近づく方向に進退可能とされた突っ張り部51と、筒状本体枠11の内部から突っ張り部51を進退させる進退操作部52と、を備えるので、進退操作部52の操作に従って突っ張り部51を筒状本体枠11から離れる方向に移動させて、表層部のうち開口部4の側面を被覆する部位に押し付ければ、筒状本体枠11を開口部4の側面に固定できる。これにより、筒状本体枠11を、開口部4の側面に対し、防水面を傷つけることなく固定することができるので、避難ハッチ10の固定箇所から、床本体30に向かって水が浸入しにくくなり、避難ハッチ10を屋外床部3に設置した場合の防水性の向上を図り、避難ハッチ10の良好な設置状態を維持することができる。
請求項5に記載の発明は、例えば図1,図12,図13に示すように、請求項2に記載の避難ハッチ10の固定構造において、
前記避難ハッチ10は、前記開口部4に嵌め込まれるとともに中空状に形成された筒状本体枠11を備え、前記張出部12は、前記筒状本体枠11の上端部に一体に設けられ、
前記表層部のうち前記開口部4の側面を被覆する部位(第一下地合板33)に、前記筒状本体枠11の外側面と前記表層部のうち前記開口部4の側面を被覆する部位との間の隙間に配置された状態で、前記固定手段53の下地となる固定下地部材54が固定されており、
前記固定手段53は、前記筒状本体枠11の内部から前記固定下地部材54に向かって設けられた固定材であることを特徴とする。
請求項5に記載の発明によれば、避難ハッチ10は、開口部4に嵌め込まれるとともに中空状に形成された筒状本体枠11を備え、張出部12は、筒状本体枠11の上端部に一体に設けられるので、避難ハッチ10は、筒状本体枠11が開口部4に嵌め込まれるとともに、側方に張り出す張出部12が支持面15に載せられることで、屋外床部3によって下方から支持されることとなり、避難ハッチ10の設置安定性に貢献できる。
さらに、表層部のうち開口部4の側面を被覆する部位に、筒状本体枠11の外側面と表層部のうち開口部4の側面を被覆する部位との間の隙間に配置された状態で、固定手段53の下地となる固定下地部材54が固定されており、固定手段53は、筒状本体枠11の内部から固定下地部材54に向かって設けられた固定材であることから、避難ハッチ10は、固定下地部材54を介して、開口部4の側面に固定されることとなる。これにより、避難ハッチ10の固定箇所から、少なくとも床本体30に向かって水が浸入しにくくなるので、避難ハッチ10を屋外床部3に設置した場合の防水性の向上を図り、避難ハッチ10の良好な設置状態を維持することができる。
請求項6に記載の発明は、例えば図1,図14,図15に示すように、請求項1に記載の避難ハッチ10の固定構造において、
前記屋外床部3は、木造建物1における木製の躯体7(7a,5)に固定される鋼製床本体50を備え、
前記鋼製床本体50は、
前記木製の壁5から側方に突出する複数の腕金物51と、
複数のフレーム材53,54が枠状に組まれて形成され、前記複数の腕金物51間に架け渡された枠部52と、を有し、
前記枠部52のうち、前記複数のフレーム材53,54によって囲まれた領域が前記開口部4とされ、前記複数のフレーム材53,54における上面が前記支持面15とされ、
前記避難ハッチ10は、前記開口部4に嵌め込まれるとともに、前記張出部12が前記支持面15に載せられ、
前記固定手段56は、前記複数のフレーム材53,54における上面の前記支持面15に載せられた前記張出部12を、前記複数のフレーム材53,54に固定していることを特徴とする。
請求項6に記載の発明によれば、屋外床部3を、木製の躯体7(7a,5)から側方に突出する複数の腕金物51と、複数の腕金物51間に架け渡された枠部52と、を有する鋼製床本体50が、木製の壁5に固定されることで形成されることになる。そして、このような鋼製床本体50において、枠部52のうち、複数のフレーム材53,54によって囲まれた領域が開口部4とされ、複数のフレーム材53,54における上面が支持面15とされ、避難ハッチ10は、開口部4に嵌め込まれるとともに、張出部12が支持面15に載せられ、固定手段56は、複数のフレーム材53,54における上面の支持面15に載せられた張出部12を、複数のフレーム材53,54に固定しているので、避難ハッチ10の固定箇所から、屋外床部3を構成する木製の壁5に向かって水が浸入しにくくなる。これにより、避難ハッチ10を屋外床部3に設置した場合の防水性の向上を図り、避難ハッチ10の良好な設置状態を維持することができる。
本発明によれば、避難ハッチを屋外床部に設置した場合の防水性の向上を図り、避難ハッチの良好な設置状態を維持することができる。
避難ハッチの設置に係る基本構成を説明する図である。 避難ハッチの設置に係る実施例を示す断面図である。 避難ハッチの設置に係る実施例を示す断面図である。 避難ハッチの設置に係る実施例を示す断面図である。 避難ハッチの設置に係る実施例を示す断面図である。 避難ハッチの設置に係る実施例を示す断面図である。 避難ハッチの設置に係る実施例を示す断面図である。 避難ハッチの設置に係る参考例を示す断面図である。 避難ハッチの設置に係る実施例を示す断面図である。 避難ハッチの設置に係る実施例を示す断面図である。 避難ハッチの設置に係る実施例を示す断面図である。 避難ハッチの設置に係る実施例を示す断面図である。 図12における固定下地部材を示す斜視図である。 避難ハッチの設置に係る実施例を示す断面図である。 図14とは異なる視点で避難ハッチの設置に係る実施例を説明する断面図である。 避難ハッチの設置に係る参考例を示す断面図である。 図16における主要部の拡大断面図である。 避難ハッチの設置に係る実施例を示す断面図である。 避難ハッチの設置に係る実施例を示す断面図である。 避難ハッチが設置された建物の立面図である。 避難ハッチの配置の例について説明する断面図である。 避難ハッチの配置の例について説明する断面図である。 避難ハッチの設置に係る実施例を示す断面図である。 図23に示す避難ハッチが設置された建物の立面図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。ただし、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の技術的範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
<基本構成>
図1は、避難ハッチ10の設置構造に係る基本構成を説明する図であり、
避難器具である避難ハッチ10は、住宅等の建物1のバルコニー2や屋外廊下等において手摺2aよりも屋内側に位置し、かつ、住宅等の建物1の外壁5から張り出して設けられた屋外床部3に設置されている。
屋外床部3には、当該屋外床部3を厚さ方向(上下方向)に貫通する貫通孔としての開口部4が形成されている。避難ハッチ10は、このような開口部4に対して上から嵌め込まれて設置されている。
避難ハッチ10が設置される屋外床部3は、少なくとも1階よりも上の階に位置しており、1階のバルコニー2における屋外床部3には設置されない。
避難ハッチ10は、例えばステンレスや鋼板等の金属によって全体が構成されている。
このような避難ハッチ10は、開口部4に嵌め込まれる筒状本体枠11を備える。
筒状本体枠11は、筒状に形成されて上下が開口し、上下方向に人や物品が通過できるようになっている。普段は、上蓋11aによって上側開口が閉塞され、下蓋11bによって下側開口が閉塞されている。
上蓋11aは片開き式の蓋であり、人が乗っても変形しない程度の剛性を有する。
下蓋11bも片開き式の蓋であり、リンク装置11cによって上蓋11aと連繋している。すなわち、下蓋11bは、リンク装置11cによって上蓋11aを開けるのと同時に開き、上蓋11aを閉めるのと同時に閉まるようになっている。
なお、上蓋11aは必須であるが、下蓋11bは省略されてもよく、その場合はリンク装置11cも省略される。
上蓋11aの上面のうち中央の目立つエリア11zには、例えば、見た人に安心感を与える写真(家族写真)や、子供の好きなキャラクターが描かれたイラスト、見た人に安心感を与えるためのイラスト等がプリントされることが好ましい。これにより、避難時の緊迫感を少しでも和らげて、不安解消を図ることができる。
なお、写真やイラストがプリントされるエリア11zは、上蓋11aの下面に設けられてもよい。これにより、エリア11zは、上蓋11aを開けたときに見えることになるので、意表を突く演出で、不安解消につながりやすい。
また、エリア11zに、ディスプレイ装置が設けられて、見た人に安心感を与えるためのアニメーションや動画が表示されるようにしてもよい。
避難ハッチ10は、使用時に下方に展開する折りたたみ式の避難はしご13を備える。なお、この避難はしご13は、ワイヤー巻き取り可能に構成されており、巻取部によってワイヤーを巻き取ることで折りたたむことが可能となっている。
避難はしご13は、筒状本体枠11の内側面に取り付けられている。
避難ハッチ10の下方は、避難はしご13が展開されて人が下りていく降下空間10aとされている。下階のバルコニー2を利用する人は、降下空間10aに障害物を配置しないようにする必要がある。また、上階の避難ハッチ10の直下には、下階の避難ハッチ10が配置されないようになっている。
なお、降下空間10aとは、避難ハッチ10の直下の空間を指すものとする。
屋外床部3の表面は、仕上げ部20によって仕上げられている。つまり、仕上げ部20とは、屋外床部3の表面を仕上げるための表面材料・建築資材(すなわち、仕上げ材)であり、人の目に直接触れるものである。仕上げ部20は、少なくとも屋外床部3の上面を仕上げており、屋外床部3の表面に床仕上げ面20aを形成している。
このような仕上げ部20としては、例えば、屋外床部3の上面を仕上げる床材である床仕上げ材21や、屋外床部3の表面に貼り付けられる防水シート22等が挙げられる。
床仕上げ材21の場合は、屋外床部3の上面のみを仕上げ、この床仕上げ材21の上面が床仕上げ面20aとして機能することとなる。また、床仕上げ材21は、屋外床部3の上面に設けられた下地材(例えば図6の下地材24a参照)上に載せられて支持される。
防水シート22の場合は、屋外床部3の上面だけでなく、開口部4の表面や、外壁5の表面、手摺2aの表面に貼り付けられる場合もあり、防水シート22のうち、屋外床部3の上面を仕上げた部位の上面が床仕上げ面20aとして機能することとなる。
なお、屋外床部3が防水シート22によって被覆された上で、その上方に床仕上げ材21が設けられる場合は、床仕上げ材21の上面が床仕上げ面20aとなる。その場合、防水シート22上に下地材が設けられ、床仕上げ材21は、下地材上に載せられて支持される。
<実施例>
以下、避難ハッチ10の設置に係る実施例及び参考例について説明する。上記の基本構成と以下に挙げる実施例及び参考例は可能な限り組み合わせてもよい。また、上記の基本構成と以下の実施例及び参考例において互いに共通する要素には共通の符号を付し、説明や図示を適宜省略又は簡略する。
<実施例1>
本実施例においては、図2に示すように、屋外床部3に開口部4が形成されており、避難ハッチ10Aは、開口部4に嵌め込まれて屋外床部3に設置されている。
屋外床部3は、仕上げ部20によって表面が仕上げられており、床仕上げ面20aが形成されている。本実施例の仕上げ部20は、床仕上げ材21である。
より詳細に説明すると、まず、屋外床部3に形成される開口部4は、四つの側面を有する角型の貫通孔とされている。
また、避難ハッチ10Aを構成する筒状本体枠11は、開口部4の形状に対応して角筒状に形成されて四つの側面を有しており、開口部4に嵌め込まれる。
ここで、避難ハッチ10Aは、筒状本体枠11における上端部の四側面から側方(外側)に張り出す張出部12を備えている。張出部12は、筒状本体枠11が開口部4に嵌め込まれた状態において、屋外床部3の上方に位置する。
張出部12の下面12aが、屋外床部3側に接する部位とされている。
張出部12は、筒状本体枠11に対して一体に設けられている。すなわち、筒状本体枠11と張出部12とを折曲加工で形成してもよいし、張出部12を筒状本体枠11に溶接等で接合してもよい。そして、張出部12は、筒状本体枠11に対して一体に設けられているので、張出部12が屋外床部3によって支持されることで避難ハッチ10A全体も屋外床部3によって支持されることとなる。
屋外床部3は、全体が木造であるか、木造部位を含んだ状態で構成されている。
このような屋外床部3は、開口部4の縁に沿って設けられた支持部3aを備えている。
支持部3aは、屋外床部3の上面から上方に突出する凸型部であり、本実施例においては屋外床部3に一体的に形成されている。そして、支持部3aの上面が、避難ハッチ10Aの張出部12が接し、かつ、避難ハッチ10Aを支持する支持面15とされている。
なお、屋外床部3の表面は、防水シート22によって被覆されている。防水シート22によって被覆される範囲は、屋外床部3の上面だけでなく、凸型の支持部3aの表面、開口部4の四側面に及ぶものとする。
本実施例の仕上げ部20である床仕上げ材21は、防水シート22の上面に設けられた下地材(図示省略)によって支持されている。そして、この仕上げ部20による床仕上げ面20a(床仕上げ材21の上面)の高さ位置と、避難ハッチ10Aにおける上蓋11aの上面の高さ位置と、が略等しく設定されている。
避難ハッチ10Aは、屋外床部3に対し、筒状本体枠11が開口部4に嵌め込まれるとともに、張出部12が支持面15に載せられて接した状態となるように設けられている。
また、この避難ハッチ10Aは、図示しない固定手段によって、屋外床部3を構成する木造部位を避けた状態で、屋外床部3に固定されている。
なお、本実施例における固定手段は、屋外床部3を構成する木造部位を避けた状態で、避難ハッチ10Aを屋外床部3に固定するものとしたが、これに限られるものではない。
つまり、避難ハッチ10Aは、必要な防水処理を施した上で、筒状本体枠11の内側面又は張出部12の上面から、屋外床部3を構成する木造の床本体(後述する床本体30)に向かってビス等の固定材が打ち込まれることで屋外床部3に固定されてもよい。ここでの防水処理としては、例えば、張出部12と支持面15とが接する部位に隣接してシーリング材を設けたり、筒状本体枠11と開口部4との間にシーリング材を設けたり、固定材が貫通する部位に防水テープを貼ったり、といったものが挙げられる。
屋外床部3は、仕上げ部20である床仕上げ材21によって表面が仕上げられており、床仕上げ面20aが形成されている。そして、床仕上げ面20aは、避難ハッチ10Aにおける張出部12のうち屋外床部3の支持面15に接する面12a(すなわち、下面12a)よりも上方に位置している。
本実施例によれば、避難ハッチ10Aを屋外床部3に設置した場合に生じる段差を極力小さくして屋外床部3の見栄えを良くするとともに歩行する上での障害となりにくくすることができ、さらに、屋外床部3に形成される段の数を極力減らして防水性の向上を図ることができる。
<実施例2>
本実施例においては、図3に示すように、屋外床部3に開口部4が形成されており、避難ハッチ10Bは、開口部4に嵌め込まれて屋外床部3に設置されている。
屋外床部3は、仕上げ部20によって表面が仕上げられており、床仕上げ面20aが形成されている。本実施例の仕上げ部20は、床仕上げ材21である。
より詳細に説明すると、まず、避難ハッチ10Bは、筒状本体枠11における上端部の四側面から側方(外側)に張り出す張出部12を備えている。張出部12は、筒状本体枠11が開口部4に嵌め込まれた状態において、屋外床部3の上方に位置する。
張出部12の下面12aが、屋外床部3側に接する部位とされている。
張出部12は、筒状本体枠11に対して一体に設けられている。すなわち、筒状本体枠11と張出部12とを折曲加工で形成してもよいし、張出部12を筒状本体枠11に溶接等で接合してもよい。
屋外床部3は、全体が木造であるか、木造部位を含んだ状態で構成されている。
本実施例においては床本体30が木製であり、屋外床部3は、この床本体30を主体として構成されている。床本体30は、木製の建築用パネルによって構成されている。
建築用パネルとは、縦横の框材30aが矩形状に組み立てられるとともに、矩形枠の内部に補助桟材が縦横に組み付けられて枠体が構成され、この枠体の両面もしくは片面に面材30bが貼設されたものであり、内部中空な構造となっている。さらに、その内部中空な部分には、通常、グラスウールやロックウール等の断熱材が装填される。なお、外壁5の壁本体も同様の建築用パネルによって構成されている。
なお、本実施例の床本体30(外壁5の壁本体)は建築用パネルによって構成されるものとしたが、これに限られるものではない。
すなわち、本実施例の建物1は、屋外床部3が設けられた階とその直下の階が、少なくとも所謂パネル工法によって構築されたものであるが、軸組構法や壁式工法、ツーバイフォー工法等の従来公知の他の工法によって構築されたものであってもよい。その場合、建築用パネルは用いられないため、床本体30は、根太や床板によって構成される。
屋外床部3には、避難ハッチ10Bが嵌め込まれる角型の開口部4が形成されている。すなわち、複数の框材30aによって矩形状に組まれた開口を床本体30に形成し、当該開口を、屋外床部3の開口部4としている。
床本体30は、当該床本体30の表層を構成する表層部によって被覆されている。このような表層部には、例えば石膏ボード等によって構成された耐火面材31と、例えばスタイロフォーム(登録商標)等によって構成された断熱パネル32と、第一下地合板33、第二下地合板34などが含まれる。その他にも、仕上げ部20として使用されない場合の防水シート22や、例えば図11に参照される水切り材33a、軒天材35などが含まれてもよい。
表層部について詳細に説明すると、床本体30は、上面及び下面と開口部4の側面が、2枚重ねの耐火面材31によって被覆されている。開口部4の側面の耐火面材31は、上端面が、床本体30の上面と面一になっており、下端面が、床本体30の下面を被覆する2枚重ねの耐火面材31の下面と面一になっている。床本体30の上面を被覆する2枚重ねの耐火面材31は、床本体30の上面と開口部4の側面における2枚重ねの耐火面材31の上端面に跨って配置され、開口部4側の端面が、開口部4の側面における2枚重ねの耐火面材31の表面(開口部4側の面)と面一になっている。
床本体30の上面を被覆する耐火面材31の上には、開口部4を避けて断熱パネル32が設けられている。
断熱パネル32のうち、屋外床部3の外周側に設けられる断熱パネル32は、上面が傾斜面となった水勾配つき断熱パネル32とされており、屋外床部3に水勾配を容易に形成できるようになっている。
一方、屋外床部3の中央側に設けられる通常の断熱パネル32は、上面が略水平面とされており(極めて緩やかな傾斜面であってもよい)、避難ハッチ10Bを水平に設置しやすくなっている。
床本体30の開口部4側の面を被覆する耐火面材31の表面側には第一下地合板33が設けられ、床本体30の上面を被覆する耐火面材31の表面側には第二下地合板34が設けられている。なお、床本体30の上面を被覆する耐火面材31の上には、上記のように断熱パネル32が設けられているので、第二下地合板34は、断熱パネル32(水勾配つき断熱パネル32及び通常の断熱パネル32)の上に設けられた状態となっている。
そして、第一下地合板33の上端部と、通常の断熱パネル32の上に設けられた第二下地合板34における開口部4側の側端部は隣接しており、第一下地合板33の上端面と第二下地合板34の上面は面一となっている。
第一下地合板33と第二下地合板34は、上記のように隣接しているため、第一下地合板33と第二下地合板34の表面は連続的な状態となっている。そして、このような第一下地合板33及び第二下地合板34の表面には、防水シート22が連続的に貼り付けられている。
防水シート22は、外壁5の表面側にも貼り付けられるものとし、屋外床部3側の防水シート22と連続的な状態となっているものとする。
なお、外壁5の表面側に貼り付けられた防水シート22の表面側には更に外壁仕上げ材が適宜設けられる。
第二下地合板34の上(防水シート22の上)には、仕上げ部20である床仕上げ材21が設けられている。第二下地合板34(防水シート22)との間には、図示しない下地材が設けられている。そして、この床仕上げ材21の上面は、屋外床部3の周縁部に向かって極めて緩やかに形成された傾斜面となっているものとする。
床仕上げ材21は、開口部4及び避難ハッチ10Bの上蓋11aを避けた位置に配置されるとともに、避難ハッチ10Bとの間に大きな隙間が生じないように寸法設定されている。
また、床仕上げ材21のうち外周縁部はグレーチング部21aとされ、床仕上げ材21の上面を流れる水が、グレーチング部21aから下方に流通するようになっている。
このような屋外床部3は、開口部4の縁に沿って設けられた支持部40を備えている。
本実施例における支持部40は、開口部4を取り囲むようにして設けられた受桟40aと、受桟40aの外側面に沿って設けられたシーリング材40bと、を有している。
そして、受桟40aの上面が、避難ハッチ10Bの張出部12が接し、かつ、避難ハッチ10Bを支持する支持面15とされている。シーリング材40bは、上面の防水シート22と、受桟40aの外側面と、張出部12の下面とで囲まれた凹部に充填された状態となっている。
避難ハッチ10Bは、屋外床部3に対し、筒状本体枠11が開口部4に嵌め込まれるとともに、張出部12が支持面15に載せられて接した状態となるように設けられている。
また、この避難ハッチ10Bは、図示しない固定手段によって、屋外床部3に固定されている。なお、本実施例の固定手段は、屋外床部3を構成する木造部位を避けた状態で、避難ハッチ10Bを屋外床部3に固定するものとするが、これに限られるものではない。
屋外床部3は、仕上げ部20である床仕上げ材21によって表面が仕上げられており、床仕上げ面20aが形成されている。そして、床仕上げ面20aは、避難ハッチ10Bにおける張出部12のうち屋外床部3の支持面15に接する面12a(すなわち、下面12a)よりも上方に位置している。
本実施例の仕上げ部20である床仕上げ材21は、上記のように、防水シート22の上面に設けられた下地材(図示省略)によって支持されるものとしたが、本実施例の床仕上げ材21は、更に、避難ハッチ10Bにおける張出部12の上面に載せられている。
換言すれば、仕上げ部20である床仕上げ材21は、張出部12の上面に載せられ、この張出部12と防水シート22の上面に設けられた下地材(図示省略)とによって支持されている。
また、本実施例においては、避難ハッチ10Bのうち張出部12よりも上方には上蓋11aが設けられており、仕上げ部20である床仕上げ材21の厚みは、この上蓋11aの厚みと略等しく設定されている。そして、仕上げ部20による床仕上げ面20a(床仕上げ材21の上面)の高さ位置と、避難ハッチ10Bにおける上蓋11aの上面の高さ位置と、が略等しく設定されている。
本実施例によれば、避難ハッチ10Bを屋外床部3に設置した場合に生じる段差を極力小さくして屋外床部3の見栄えを良くするとともに歩行する上での障害となりにくくすることができ、さらに、屋外床部3に形成される段の数を極力減らして防水性の向上を図ることができる。
<実施例3>
本実施例においては、図4に示すように、屋外床部3に開口部4が形成されており、避難ハッチ10Cは、開口部4に嵌め込まれて屋外床部3に設置されている。
屋外床部3は、仕上げ部20によって表面が仕上げられており、床仕上げ面20aが形成されている。本実施例の仕上げ部20は、防水シート22である。なお、本実施例においては端部を処理するための第二防水シート23が用いられるため、仕上げ部20である防水シート22を、第一防水シート22と称呼する。第一防水シート22と第二防水シート23の双方を指して仕上げ部20としてもよい。
図4(a)を挙げて詳細に説明すると、まず、避難ハッチ10Cは、筒状本体枠11における上端部の四側面から側方(外側)に張り出す張出部12を備えている。張出部12は、筒状本体枠11が開口部4に嵌め込まれた状態において、屋外床部3の上方に位置する。
張出部12の下面12aが、屋外床部3側に接する部位とされている。
張出部12は、断面L型のアングル材であり、筒状本体枠11の側面に接する板部と、側方に突出する板部と、からなる。筒状本体枠11の側面に接する板部が、筒状本体枠11に対して溶接等で接合されて一体に設けられている。
また、本実施例の避難ハッチ10Cは、筒状本体枠11の上端部に一体に設けられ、この筒状本体枠11の四側面よりも幅広に設定された四側面を有する拡張部14を更に備えている。この拡張部14は、筒状本体枠11の側面よりも側方に張り出した状態となっていて、その張出寸法は、張出部12の張出寸法よりも短く設定されている。
屋外床部3は、全体が木造であるか、木造部位を含んだ状態で構成されている。
本実施例においては床本体30が木製であり、屋外床部3は、この床本体30を主体として構成されている。床本体30は、上記のような木製の建築用パネルによって構成されている。
床本体30は、上面及び下面と開口部4の側面が、2枚重ねの耐火面材31によって被覆されている。
また、床本体30の上面を被覆する耐火面材31の上には、表層部の一部であって、かつ、本実施例の仕上げ部20である第一防水シート22(第二防水シート23)の下地となる床下地が設けられている。このような床下地には、固定枠材36と、断熱パネル32と、第一下地面材37と、第二下地面材38などが含まれている。
さらに、屋外床部3は、開口部4の縁に沿って設けられた支持部41を備えている。
本実施例における支持部41は、開口部4を取り囲むようにして設けられた受桟41によって構成されている。
そして、支持部41である受桟41の上面が、避難ハッチ10Cの張出部12が接し、かつ、避難ハッチ10Cを支持する支持面15とされている。張出部12は、受桟41における上面の支持面15に載せられ、ビス等の固定材41aによって固定されている。この固定材41aは、屋外床部3を構成する木造部位(床本体30)を避けた状態で、避難ハッチ10Cの張出部12を、屋外床部3の受桟41に固定する固定手段である。なお、張出部12にも、固定材41aが通される貫通孔が形成されてもよい。
上記の床下地における固定枠材36は、受桟41に隣接し、かつ、受桟41を取り囲むようにして設けられている。固定枠材36は、床本体30の上面を被覆する耐火面材31を介して床本体30の框材30aまで到達する長さの固定枠材36によって、床本体30に固定されている。
また、固定枠材36は、受桟41よりも高さが高く設定されるとともに、断熱パネル32と等しい高さに設定されている。固定枠材36及び断熱パネル32における上面の高さ位置は、受桟41の上面である支持面15に、張出部12が載せられたときの、張出部12における上面の高さ位置よりも上方に位置している。
第一下地面材37は、断熱パネル32の上面に設けられて接合されており、第二下地面材38は、固定枠材36の上面に設けられて接合されている。
第二下地面材38は、固定枠材36から避難ハッチ10Cの方向に突出し、張出部12の上方に位置しており、突出方向先端部は、筒状本体枠11の側面に接している。
そして、第一下地面材37及び第二下地面材38の上面に、第一防水シート22が貼り付けられている。つまり、第一防水シート22は、第一下地面材37の上面と第二下地面材38の上面に跨って貼り付けられている。第一防水シート22における避難ハッチ10C側の端末部は、なるべく避難ハッチ10Cに近づけて配置されることが好ましい。
第二防水シート23は、筒状本体枠11の上端部に一体に設けられた拡張部14の下方において、筒状本体枠11の側面と第一防水シート22の端末部とに跨ってL字状に貼り付けられている。
図4(a)に示す例においては、仕上げ部20である第一防水シート22の上面(すなわち、床仕上げ面20a)が、避難ハッチ10Cにおける張出部12のうち屋外床部3の支持面15に接する面12aよりも上方に位置している。
図4(b)に示す例においては、筒状本体枠11の上端部に一体に設けられた拡張部14の、床仕上げ面20aからの高さが、図4(a)に示す例の場合よりも低く設定されている。この例においては、拡張部14の底面の高さ位置と、第一防水シート22の上面の高さ位置が略等しく設定されている。
さらに、第二下地面材38は、その突出方向先端部が筒状本体枠11の側面に到達しておらず、拡張部14における側面の直下に位置している。
そして、第二防水シート23が、筒状本体枠11の側面と、第一下地面材37の上面と第二下地面材38の上面に跨って貼り付けられた第一防水シート22の端末部と、に跨ってL字状に貼り付けられている。
図4(b)に示す例においても、仕上げ部20である第一防水シート22の上面(すなわち、床仕上げ面20a)が、避難ハッチ10Cにおける張出部12のうち屋外床部3の支持面15に接する面12aよりも上方に位置している。
図4(c)に示す例においては、筒状本体枠11の上端部に一体に設けられた拡張部14の、床仕上げ面20aからの高さが、図4(b)に示す例の場合よりも更に低く設定されている。この例においては、拡張部14の底面の高さ位置が、第一防水シート22の上面の高さ位置よりも低く設定されている。
さらに、上面の高さ位置が拡張部14の底面よりも上方に位置する第二下地面材38は、その突出方向先端部が、拡張部14の側面との間に隙間を空けて配置された状態となっている。
そして、第一防水シート22の端末部に貼り付けられた第二防水シート23の端末部が、上記の隙間に折り曲げられて差し込まれ、第二下地面材38の避難ハッチ10C側端面に貼り付けられている。隙間には、バックアップ材39aが設けられ、その上からシーリング材39が充填されており、これによって隙間が閉塞されている。なお、第二防水シート23は用いられず、第一防水シート22の端末部が、上記の隙間に折り曲げられて差し込まれてもよい。
図4(c)に示す例においても、仕上げ部20である第一防水シート22の上面(すなわち、床仕上げ面20a)が、避難ハッチ10Cにおける張出部12のうち屋外床部3の支持面15に接する面12aよりも上方に位置している。
本実施例によれば、避難ハッチ10Cを屋外床部3に設置した場合に生じる段差を極力小さくして屋外床部3の見栄えを良くするとともに歩行する上での障害となりにくくすることができ、さらに、屋外床部3に形成される段の数を極力減らして防水性の向上を図ることができる。
<実施例4>
本実施例においては、図5に示すように、屋外床部3に開口部4が形成されており、避難ハッチ10Dは、開口部4に嵌め込まれて屋外床部3に設置されている。
屋外床部3は、仕上げ部20によって表面が仕上げられており、床仕上げ面20aが形成されている。本実施例の仕上げ部20は、床仕上げ材21である。
より詳細に説明すると、まず、避難ハッチ10Dは、筒状本体枠11における上端部の四側面から側方(外側)に張り出す張出部12を備えている。張出部12は、筒状本体枠11が開口部4に嵌め込まれた状態において、屋外床部3の上方に位置する。
張出部12の下面12aが、屋外床部3側に接する部位とされている。
張出部12は、筒状本体枠11に対して一体に設けられている。すなわち、筒状本体枠11と張出部12とを折曲加工で形成してもよいし、張出部12を筒状本体枠11に溶接等で接合してもよい。
屋外床部3は、全体が木造であるか、木造部位を含んだ状態で構成されている。
この屋外床部3の上面のうち開口部4の縁に沿う部位が支持面15とされている。避難ハッチ10Dの張出部12は、下面12aが支持面15に接した状態で屋外床部3によって支持されている。
また、仕上げ部20である床仕上げ材21は、下面が屋外床部3の上面に接した状態で設けられ、床仕上げ面20aは、張出部12の上面よりも下方に位置している。ただし、これに限られるものではなく、図示しない下地材によって支持されてもよい。
床仕上げ材21の上面(床仕上げ面20a)の高さ位置は、避難ハッチ10Dにおける張出部12の上面の高さ位置よりも低く設定されているため、避難ハッチ10Dの張出部12と仕上げ部20との間に段差が形成されることとなる。
そして、避難ハッチ10Dは、屋外床部3に対し、筒状本体枠11が開口部4に嵌め込まれるとともに、張出部12が支持面15に載せられて接した状態となるように設けられている。
また、この避難ハッチ10Dは、図示しない固定手段によって、屋外床部3を構成する木造部位を避けた状態で、屋外床部3に固定されている。
以上のように設置された避難ハッチ10Dの張出部12と床仕上げ材21との間には、避難ハッチ10Dの周囲に配置され、上面42aが傾斜面とされた傾斜枠材42が更に設けられている。
傾斜枠材42の傾斜面42aは、傾斜方向上端部が張出部12の上面の高さと略等しく設定され、傾斜方向下端部が仕上げ部20である床仕上げ材21の床仕上げ面20aの高さと略等しく設定されている。そのため、上方に位置する張出部12の上面と、下方に位置する仕上げ部20の床仕上げ面20aが、傾斜枠材42の傾斜面42aによって接続された状態となる。つまり、避難ハッチ10Dの張出部12と床仕上げ材21は上面の高さ位置が異なるため段差が生じるものの、傾斜枠材42によって当該段差を繋いだ状態となっている。
本実施例によれば、避難ハッチ10Dを屋外床部3に設置した場合に生じる段差を極力小さくして屋外床部3の見栄えを良くするとともに歩行する上での障害となりにくくすることができ、さらに、屋外床部3に形成される段の数を極力減らして防水性の向上を図ることができる。
<実施例5>
本実施例においては、図6に示すように、屋外床部3に開口部4が形成されており、避難ハッチ10Eは、開口部4に嵌め込まれて屋外床部3に設置されている。
屋外床部3は、仕上げ部20によって表面が仕上げられており、床仕上げ面20aが形成されている。本実施例の仕上げ部20は、鋼製床仕上げ材24である。
より詳細に説明すると、まず、避難ハッチ10Eは鋼製であり、筒状本体枠11における上端部の四側面から側方(外側)に張り出す張出部12を備えている。張出部12は、筒状本体枠11が開口部4に嵌め込まれた状態において、屋外床部3の上方に位置する。
張出部12の下面12aが、屋外床部3側に接する部位とされている。
張出部12は、筒状本体枠11に対して一体に設けられている。すなわち、筒状本体枠11と張出部12とを折曲加工で形成してもよいし、張出部12を筒状本体枠11に溶接等で接合してもよい。
屋外床部3は、全体が木造であるか、木造部位を含んだ状態で構成されている。
本実施例においては床本体30が木製であり、屋外床部3は、この床本体30を主体として構成されている。床本体30は、木製の建築用パネルによって構成されている。
床本体30は、当該床本体30の表層を構成する表層部によって被覆されている。このような表層部には、例えば石膏ボード等によって構成された耐火面材31と、例えばスタイロフォーム等によって構成された断熱パネル32と、第一下地合板33、第二下地合板34などが含まれる。その他にも、仕上げ部20として使用されない場合の防水シート22や、例えば図11に参照される水切り材33a、軒天材35などが含まれてもよい。
このような屋外床部3は、開口部4の縁に沿って設けられた支持部40を備えている。
本実施例における支持部40は、開口部4を取り囲むようにして設けられた受桟によって構成されており、上面が、避難ハッチ10Eの張出部12が接し、かつ、避難ハッチ10Eを支持する支持面15とされている。
第二下地合板34の上(防水シート22の上)には、仕上げ部20である鋼製床仕上げ材24が設けられている。第二下地合板34(防水シート22)の上面には複数の下地材24aが設けられており、鋼製床仕上げ材24は、これら下地材24a上に載せられて支持される。
そして、本実施例においては、仕上げ部20である鋼製床仕上げ材24と、鋼製の避難ハッチ10Eの張出部12が一体形成されている。
張出部12と鋼製床仕上げ材24は、予め一体形成されてもよいし、避難ハッチ10Eの設置と鋼製床仕上げ材24の設置が完了してから一体形成されてもよい。張出部12と鋼製床仕上げ材24の一体形成は、溶接によって行われるものとするが、予め一体形成される場合は、張出部12と鋼製床仕上げ材24を一部品として作製してもよいし、溶接以外の手段で接合されてもよい。
避難ハッチ10Eは、屋外床部3に対し、筒状本体枠11が開口部4に嵌め込まれるとともに、張出部12が支持面15に載せられて接した状態となるように設けられるが、鋼製床仕上げ材24が予め一体形成される場合は、避難ハッチ10Eの設置と鋼製床仕上げ材24の設置が同時に行われることとなる。
屋外床部3は、仕上げ部20である鋼製床仕上げ材24によって表面が仕上げられており、床仕上げ面20aが形成されている。そして、床仕上げ面20aは、避難ハッチ10Eにおける張出部12のうち屋外床部3の支持面15に接する面12a(すなわち、下面12a)よりも上方に位置している。
また、張出部12の厚み寸法と、鋼製床仕上げ材24の厚み寸法は等しく設定されている。そのため、張出部12と鋼製床仕上げ材24との間には段差が形成されない。
本実施例によれば、避難ハッチ10Eを屋外床部3に設置した場合に生じる段差を極力小さくして屋外床部3の見栄えを良くするとともに歩行する上での障害となりにくくすることができ、さらに、屋外床部3に形成される段の数を極力減らして防水性の向上を図ることができる。
<実施例6>
本実施例においては、図7(a)に示すように、屋外床部3に開口部4が形成されており、避難ハッチ10Fは、開口部4に嵌め込まれて屋外床部3に設置されている。
屋外床部3は、仕上げ部20によって表面が仕上げられており、床仕上げ面20aが形成されている。本実施例の仕上げ部20は、防水シート22である。
より詳細に説明すると、まず、屋外床部3に形成される開口部4は、円錐台状(すり鉢状)の貫通孔とされている。すなわち、このような開口部4の下側開口の直径は、上側開口の直径よりも小さく設定されており、開口部4の側面は、下方に向かうにつれて徐々に窄むように形成されている。
また、避難ハッチ10Fを構成する筒状本体枠11は、開口部4の形状に対応して円錐台状の筒として形成されており、開口部4に嵌め込まれる。円錐台状の貫通孔である開口部4に、同じく円錐台状の筒状本体枠11が納められるため、筒状本体枠11は、単に上から入れるだけでも開口部4の下方に抜けにくい。
なお、避難はしご13は、円錐台状の筒として形成された筒状本体枠11の内側面に取り付けられている。
避難ハッチ10Fの上蓋11aも筒状本体枠11と同様に開口部4に納められる。そのため、上蓋11aも、厚みの薄い円錐台状に形成されることとなる。このような上蓋11aは、開口部4に納められた場合に、筒状本体枠11の上端面に接するとともに、開口部4の側面に接する。
そして、図7(b)に示すように、上蓋11aのうち、筒状本体枠11の上端面の最も外側に位置する部分よりも側方に張り出した部位が、本実施例における張出部12とされている。つまり、図7(b)において二点鎖線で示したラインが、筒状本体枠11の上端面の最も外側に位置する部分であり、上蓋11aのうち、このラインよりも側方に張り出した縁部が、本実施例の張出部12とされている。この張出部12の、オーバーハングして傾斜する面12aが、屋外床部3側に接する部位とされている。
屋外床部3は、全体が木造であるか、木造部位を含んだ状態で構成されている。
このような屋外床部3のうち、開口部4の側面の上端部における上蓋11aが接する部位が、避難ハッチ10Fの張出部12(上蓋11aの縁部の面12a)が接し、かつ、避難ハッチ10Fを支持する支持面15とされている。
なお、屋外床部3の表面は、防水シート22によって被覆されている。防水シート22によって被覆される範囲は、屋外床部3の上面だけでなく、開口部4の側面に及ぶものとする。
避難ハッチ10Fは、屋外床部3に対し、筒状本体枠11が開口部4に嵌め込まれるとともに、その上から上蓋11aが被せられ、更に上蓋11aの縁部である張出部12が支持面15に接した状態となるように設けられている。
屋外床部3は、仕上げ部20である防水シート22によって表面が仕上げられており、床仕上げ面20aが形成されている。そして、床仕上げ面20aは、上記のようにして設けられた避難ハッチ10Fにおける張出部12のうち屋外床部3の支持面15に接する面12aよりも上方に位置している。
なお、避難ハッチ10Fにおける上蓋11aの厚みは、図示例より厚くしてもよい。その場合、上蓋11aの上面は、床仕上げ面20aよりも上方に位置することとなる。
本実施例によれば、避難ハッチ10Fを屋外床部3に設置した場合に生じる段差を極力小さくして屋外床部3の見栄えを良くするとともに歩行する上での障害となりにくくすることができ、さらに、屋外床部3に形成される段の数を極力減らして防水性の向上を図ることができる。
また、上蓋11a及び筒状本体枠11は、開口部4の側面との間に防水シート22を介在させた状態となるので、上蓋11a及び筒状本体枠11は防水シート22に対して密着することになり、防水性の向上を図ることができる。
〔参考例1〕
図8は、筒状本体枠11が用いられずに、上蓋11aのみで避難ハッチ10Gが構成される場合の例を示している。
屋外床部3に形成される開口部4は、円錐台状(すり鉢状)の貫通孔とされている。このような屋外床部3は、仕上げ部20によって表面が仕上げられており、床仕上げ面20aが形成されている。本実施例の仕上げ部20は、防水シート22であり、屋外床部3の上面及び開口部4の側面に貼り付けられている。
上蓋11aは、円錐台状の開口部4に納められる。そのため、上蓋11aも、厚みの薄い円錐台状に形成されており、開口部4に納められた場合に開口部4の側面に接する。
このように構成された上蓋11aは、上から荷重がかかっても位置ずれを起こしにくいため、歩行する上での障害となりにくい。
さらに、上蓋11aは、開口部4の側面に貼り付けられた防水シート22の上から開口部4に納められるので、上蓋11aの縁部と開口部4の側面との間に防水シート22が介在した状態となる。これにより、上蓋11aは防水シート22に対して密着するので、防水性の向上を図ることができる。
なお、上蓋11aの厚みは、図示例より厚くしてもよい。その場合、上蓋11aの上面は、床仕上げ面20aよりも上方に位置することとなる。
<実施例7>
図9は、避難ハッチ10の屋外床部3に対する配置箇所の一例を示すものである。
本実施例における屋外床部3は、平面視においてL型に形成されたバルコニー2の床を構成するものであり、平面視においてL型に形成されている。
このようなバルコニー2は、建物1における窓5aのある外壁5から張り出すキャンチバルコニーであり、間口方向(X-X´方向)の一方側と奥行方向(Y-Y´方向)の一方側に張り出している。すなわち、所謂2方向キャンチバルコニーとされている。
バルコニー2は、奥行方向よりも間口方向に長い第一エリア2Aと、間口方向よりも奥行方向に長い第二エリア2Bと、にエリア分けされている。
本実施例においては、図9において二点鎖線で示すラインよりもX側が第一エリア2Aとされ、X´側が第二エリア2Bとされている。第一エリア2Aの間口方向の長さは、第二エリア2Bの奥行方向の長さよりも長く設定されている。
バルコニー2における第二エリア2BのうちY側に位置するエリアは、第一エリア2Aから隠れた隅部2bとなっている。隅部2bとは、窓5aのある外壁5における外側面を仮に延長した場合の延長線よりもY側に位置するエリアを指している。
避難ハッチ10は、この隅部2bに位置する屋外床部3に対して設置されている。すなわち、バルコニー2の隅部2bに位置する屋外床部3には開口部4が形成されており、避難ハッチ10は、この開口部4に嵌め込まれて屋外床部3に設置されている。
屋外床部3は、仕上げ部20によって表面が仕上げられており、床仕上げ面20aが形成されている。そして、仕上げ部20による床仕上げ面20aは、避難ハッチ10における張出部12のうち屋外床部3の支持面15に接する面12aよりも上方に位置した状態となっている。
本実施例のバルコニー2は、外壁5の窓5aに面した第一エリア2Aと、第二エリア2BのY´側がメインで使用される。そのため、第一エリア2Aから隠れた位置にあるバルコニー2の隅部2bは、日常的に使用されるものではない避難ハッチ10の設置位置として好適である。
なお、第二エリア2Bのうち、窓5aのある外壁5における外側面を仮に延長した場合の延長線に沿って、第二エリア2Bを、Y側とY´側に仕切る仕切り板6が設けられている。仕切り板6は、普段は第一エリア2A側から避難ハッチ10のある隅部2bへの移動や視線の抜けを制限しているが、避難ハッチ10の使用時には蹴破ることが可能となっている。
本実施例によれば、バルコニー2のうち日常的に使用されない隅部2bに位置する屋外床部3に対して避難ハッチ10が設置されているので、歩行する上での障害となりにくくなる。さらに、バルコニー2の隅部2bを仕切り板6によって遮蔽できるので、バルコニー2や屋外床部3の見栄えを良くすることができる。
<実施例8>
本実施例においては、図10に示すように、屋外床部3に開口部4が形成されており、避難ハッチ10Hは、開口部4に嵌め込まれて屋外床部3に設置されている。
屋外床部3は、仕上げ部20によって表面が仕上げられており、床仕上げ面20aが形成されている。本実施例の仕上げ部20は、床仕上げ材21である。
より詳細に説明すると、まず、避難ハッチ10Hは、筒状本体枠11における上端部の四側面から側方(外側)に張り出す張出部12を備えている。張出部12は、筒状本体枠11が開口部4に嵌め込まれた状態において、屋外床部3の上方に位置する。
張出部12の下面12aが、屋外床部3側に接する部位とされている。
張出部12は、筒状本体枠11に対して一体に設けられている。すなわち、筒状本体枠11と張出部12とを折曲加工で形成してもよいし、張出部12を筒状本体枠11に溶接等で接合してもよい。
屋外床部3は、全体が木造であるか、木造部位を含んだ状態で構成されている。
本実施例においては床本体30が木製であり、屋外床部3は、この床本体30を主体として構成されている。床本体30は、木製の建築用パネルによって構成されている。
床本体30は、当該床本体30の表層を構成する表層部によって被覆されている。このような表層部には、例えば石膏ボード等によって構成された耐火面材31と、例えばスタイロフォーム等によって構成された断熱パネル32と、第一下地合板33、第二下地合板34などが含まれる。その他にも、仕上げ部20として使用されない場合の防水シート22や、例えば図11に参照される水切り材33a、軒天材35などが含まれてもよい。
このような屋外床部3は、開口部4の縁に沿って設けられた支持部43を備えている。
支持部43は、開口部4を取り囲むようにして設けられた角筒状の受桟によって構成されており、上面が、避難ハッチ10Hの張出部12が接し、かつ、避難ハッチ10Hを支持する支持面15とされている。
支持部43は、床本体30における開口部4側端部の上方に配置されており、例えばロングビス等の固定材43bによって、床本体30の框材30aに対して固定されている。より詳細に説明すると、支持部43は、角筒状に形成されており、上面板部と、下面板部と、両側面板部と、を備えている。そして、上面板部と下面板部のそれぞれには、固定材43bを通すための貫通孔が形成されている。上面板部の貫通孔は、固定材43bの頭部が通るため大径に設定され、下面板部の貫通孔は、固定材43bの頭部は通らず、軸部のみが通るため小径に設定されている。これら上下の貫通孔はセットで形成されており、支持部43の長さ方向に間隔を空けて複数形成されている。
床本体30の上面を被覆する耐火面材31の上には、開口部4を避けて断熱パネル32が設けられている。また、断熱パネル32は、支持部43よりも開口部4に位置するものと、支持部43よりも外壁5側に位置するものとがある。
支持部43よりも開口部4に位置する断熱パネル32は、上面が傾斜面となった水勾配つき断熱パネル32とされており、支持部43から開口部4に向かって下り勾配となっている。
一方、支持部43よりも外壁5側に位置する断熱パネル32は、上面が傾斜面となった水勾配つき断熱パネル32とされており、支持部43から外壁5に向かって下り勾配となっている。
床本体30の開口部4側の面を被覆する耐火面材31の表面側には第一下地合板33が設けられ、床本体30の上面を被覆する耐火面材31の表面側には第二下地合板34が設けられている。なお、床本体30の上面を被覆する耐火面材31の上には、上記のように2つの水勾配つき断熱パネル32が設けられているので、第二下地合板34は、これら2つの水勾配つき断熱パネル32の上に設けられた状態となっている。
そして、第一下地合板33の上端部と、開口部4側に位置する断熱パネル32の上に設けられた第二下地合板34における開口部4側の側端部は隣接しており、第一下地合板33の上端面と第二下地合板34の上面は面一となっている。
第一下地合板33と開口部4側に位置する第二下地合板34は、上記のように隣接しているため、表面は連続的な状態となっている。そして、このような第一下地合板33及び第二下地合板34の表面には、防水シート22が連続的に貼り付けられている。
また、外壁5側に位置する第二下地合板34の表面にも防水シート22が貼り付けられており、この防水シート22は外壁5側に連続して貼り付けられている。
第二下地合板34の上(防水シート22の上)には、仕上げ部20である床仕上げ材21が設けられている。第二下地合板34(防水シート22)との間には、図示しない下地材が設けられている。そして、この床仕上げ材21の上面は、屋外床部3の周縁部に向かって極めて緩やかに形成された傾斜面となっているものとする。
床仕上げ材21は、開口部4及び避難ハッチ10Hの上蓋11aを避けた位置に配置されるとともに、避難ハッチ10Hとの間に大きな隙間が生じないように寸法設定されている。
避難ハッチ10Hは、屋外床部3に対し、筒状本体枠11が開口部4に嵌め込まれるとともに、張出部12が支持面15に載せられて接した状態となるように設けられている。
すなわち、この避難ハッチ10Hの張出部12は、角筒状の受桟である支持部43の上面の支持面15に載せられ、ビス等の固定材43aによって固定されている。なお、この固定材43aは、屋外床部3を構成する木造部位(床本体30)を避けた状態で、避難ハッチ10Hの張出部12を、屋外床部3の受桟である支持部43に固定する固定手段である。
また、支持部43は、開口部4側から間隔を空けて配置され、支持部43の開口部4側には、上記のように水勾配つき断熱パネル32及び第二下地合板34が設けられている。この第二下地合板34(防水シート22)と張出部12との間には、シーリング材44が介在して設けられている。
そして、仕上げ部20である床仕上げ材21は、張出部12の上面に載せられ、この張出部12と防水シート22の上面に設けられた下地材(図示省略)とによって支持されている。床仕上げ材21の上面における傾斜方向上端部の高さ位置は、避難ハッチ10Hにおける上蓋11aの上面の高さ位置と略等しく設定されている。
本実施例によれば、避難ハッチ10Hを屋外床部3に設置した場合の防水性の向上を図り、避難ハッチ10Hの良好な設置状態を維持することができる。
また、避難ハッチ10Hを屋外床部3に設置した場合に生じる段差を極力小さくして屋外床部3の見栄えを良くするとともに歩行する上での障害となりにくくし、さらに、屋外床部3に形成される段の数を極力減らして防水性の向上を図ることができる。
<実施例9>
本実施例においては、図11に示すように、屋外床部3に開口部4が形成されており、避難ハッチ10Iは、開口部4に嵌め込まれて屋外床部3に設置されている。
屋外床部3は、仕上げ部20によって表面が仕上げられており、床仕上げ面20aが形成されている。本実施例の仕上げ部20は、防水シート22であるが、これに限られるものではなく、床仕上げ材21でもよい。
より詳細に説明すると、まず、避難ハッチ10Iは、筒状本体枠11における上端部の四側面から側方(外側)に張り出す張出部12を備えている。張出部12は、筒状本体枠11が開口部4に嵌め込まれた状態において、屋外床部3の上方に位置する。
張出部12の下面12aが、屋外床部3側に接する部位とされている。なお、この張出部12と屋外床部3との間には、例えばEPDM等からなるシーリング材45が介在して設けられている。
本実施例の張出部12は、筒状本体枠11の上縁部から側方に張り出して状態で筒状本体枠11と一体形成されており、筒状本体枠11の上端面と張出部12の上面が連続する平面を形成している。上蓋11aは、このような筒状本体枠11の上端面と張出部12の上面に跨って載せられている。
屋外床部3は、全体が木造であるか、木造部位を含んだ状態で構成されている。
本実施例においては床本体30が木製であり、屋外床部3は、この床本体30を主体として構成されている。床本体30は、上記のような木製の建築用パネルによって構成されている。
床本体30は、当該床本体30の表層を構成する表層部によって被覆されている。このような表層部には、例えば石膏ボード等によって構成された耐火面材31と、第一下地合板33、第二下地合板34などが含まれる。その他にも、水切り材33a、軒天材35などが含まれている。さらに、例えばスタイロフォーム等によって構成された断熱パネル32などが含まれてもよい。
床本体30の表層を構成する表層部において、上面及び下面と開口部4の側面が、2枚重ねの耐火面材31によって被覆されている。床本体30の下面を被覆する耐火面材31の下面は、開口部4の側面を被覆する耐火面材31の下端面と面一になっている。
床本体30の開口部4側の面を被覆する耐火面材31の表面側には第一下地合板33が設けられ、床本体30の上面を被覆する耐火面材31の表面側には第二下地合板34が設けられている。
床本体30の下面には、図示しない吊木及び野縁受けが設けられており、野縁受けに対して野縁35aが取り付けられ、この野縁35aの下面に軒天材35が取り付けられている。これにより、床本体30の下方に軒天井が形成されている。
第一下地合板33の上端部と、通常の断熱パネル32の上に設けられた第二下地合板34における開口部4側の側端部は隣接しており、第一下地合板33の上端面と第二下地合板34の上面は面一となっている。第一下地合板33の下端部は、軒天材35の位置まで伸びている。軒天材35は、野縁35aの下面と第一下地合板33の下端面とに跨って設けられている。
第二下地合板34の上面及び第一下地合板33の側面には、仕上げ部20である防水シート22が貼り付けられている。上記のように、第一下地合板33と第二下地合板34は隣接しているため、このような第一下地合板33及び第二下地合板34の表面に、防水シート22が連続的に貼り付けられている。
第一下地合板33の下端部と防水シート22との間には、下端部が、第一下地合板33の下端部よりも下方に突出する水切り材33aが設けられている。開口部4の防水シート22に付着した雨水等は、水切り材33aの下端まで伝ってから下方に落ちるので、第一下地合板33と防水シート22との間に浸み込みにくく、雨仕舞いに優れる。
屋外床部3の上面のうち開口部4の縁に沿う部位が支持面15とされている。避難ハッチ10Iは、屋外床部3に対し、筒状本体枠11が開口部4に嵌め込まれるとともに、張出部12が支持面15に載せられて接した状態となるように設けられている。つまり、避難ハッチ10Iは、張出部12の下面12aが支持面15に接した状態で屋外床部3によって支持されている。
なお、開口部4に納められた筒状本体枠11の外側面と、開口部4の側面を被覆する防水シート22との間には隙間4aが形成されている。
以上のようにして設けられる避難ハッチ10Iは、固定手段50によって、屋外床部3を構成する木造部位(すなわち、床本体30)を避けた状態で、屋外床部3に固定されている。
本実施例の固定手段50は、上記隙間4aに配置される突っ張り部51と、この突っ張り部51を水平方向に進退させる進退操作部52と、を備えている。
突っ張り部51は、板状に形成された本体板部と、進退操作部52が連結される連結部と、本体板部の表面(開口部4側の面)に設けられた滑り止め部51aと、を有する。
この突っ張り部51は、上記隙間4a内で、筒状本体枠11から離れる方向と近づく方向に進退可能とされている。換言すれば、板状に形成された突っ張り部51の厚み寸法が、隙間4aの間隔寸法よりも短く設定されており、その寸法差を利用して、筒状本体枠11から離れる方向と近づく方向(すなわち、水平方向)に進退可能とされている。
突っ張り部51は、筒状本体枠11の四側面のそれぞれに対応して配置されているものとするが、直交する2つの側面に対応して配置されるものとしてもよい。その場合は、残る2つの側面に滑り止め部51aを設けることが好ましい。
また、突っ張り部51は、筒状本体枠11の四側面を構成する側壁部と略等しいか、若干短い程度の幅寸法に設定されているものとするが、これに限られるものではなく、より短く設定されてもよい。
さらに、突っ張り部51は、筒状本体枠11の一つの側面に対して一つである必要はなく、複数設けられてもよい。
連結部は、本体板部の厚み方向に沿って形成された雌ネジ部である。そして、一部が、本体板部の筒状本体枠11側の面から突出している。これにより、雌ネジ部分を若干延長させることができるので、突っ張り部51の進退寸法を延ばすことができる。
滑り止め部51aは、例えばEPDM等によって構成され、開口部4の側面に接して押さえつけられることで強い摩擦力を発揮する。
進退操作部52は、ボルトによって構成されており、筒状本体枠11の側壁部に形成された貫通孔を通じ、筒状本体枠11の内部から突っ張り部51に向かって差し込まれて、先端部が、突っ張り部51の連結部に連結されている。つまり、突っ張り部51の連結部は、上記のように、ボルトである進退操作部52の先端が差し込まれてねじ込まれる雌ネジ部として構成されている。
進退操作部52によって突っ張り部51を水平方向に進退させる場合は、連結部からボルトである進退操作部52を抜く方向に回転させるようにする。これにより、本体板部が筒状本体枠11から離間するため、滑り止め部51aを開口部4の側面に押し付けることができる。
反対に、ボルトである進退操作部52を、雌ネジ部である連結部にねじ込むと、本体板部が筒状本体枠11に近づくため、滑り止め部51aも開口部4の側面から離れ、突っ張り部51が突っ張らない状態となる。
なお、進退操作部52による突っ張り部51の突っ張り力を高めるために、一つの突っ張り部51に対して複数の進退操作部52を設けるようにしてもよい。
また、以上のような固定手段50は、張出部12が屋外床部3の支持面15に載せられる方向(上から下への方向)と直交する横方向への避難ハッチ10Iの移動を抑制する移動抑制手段としても機能することになる。すなわち、屋外床部3のうち、突っ張り部51が接する開口部4の側面は、移動抑制手段が接する被接触面とされる。
本変形例によれば、固定手段50が仕上げ部20である防水シート22を貫かずに、避難ハッチ10Iを屋外床部3に固定することができる。そのため、避難ハッチ10Iを屋外床部3に設置した場合の防水性の向上を図り、避難ハッチ10Iの良好な設置状態を維持することができる。
さらに、避難ハッチ10Iの移動を抑制できるので、避難ハッチ10Iを屋外床部3に設置した場合のガタツキやシーリング材の断裂の発生を抑制し、避難ハッチ10Iの良好な設置状態を維持することができる。
<実施例10>
本実施例においては、図12に示すように、屋外床部3に開口部4が形成されており、避難ハッチ10Jは、開口部4に嵌め込まれて屋外床部3に設置されている。
屋外床部3は、仕上げ部20によって表面が仕上げられており、床仕上げ面20aが形成されている。本実施例の仕上げ部20は、防水シート22であるが、これに限られるものではなく、床仕上げ材21でもよい。
避難ハッチ10Jは、筒状本体枠11における上端部の四側面から側方(外側)に張り出す張出部12を備えている。張出部12は、筒状本体枠11が開口部4に嵌め込まれた状態において、屋外床部3の上方に位置する。
張出部12の下面12aが、屋外床部3側に接する部位とされている。なお、この張出部12と屋外床部3との間には、例えばEPDM等からなるシーリング材45が介在して設けられている。
上蓋11aは、筒状本体枠11の上端面と張出部12の上面に跨って載せられている。
屋外床部3は、全体が木造であるか、木造部位を含んだ状態で構成されている。
本実施例においては床本体30が木製であり、屋外床部3は、この床本体30を主体として構成されている。床本体30は、上記のような木製の建築用パネルによって構成されている。
床本体30は、当該床本体30の表層を構成する表層部によって被覆されている。このような表層部には、例えば石膏ボード等によって構成された耐火面材31と、第一下地合板33、第二下地合板34、軒天材35などが含まれる。さらに、例えばスタイロフォーム等によって構成された断熱パネル32などが含まれてもよい。
開口部4の側面(すなわち、第一下地合板33における開口部4側の面)には、避難ハッチ10Jを屋外床部3に固定するために用いられる固定下地部材54が、ビス等の固定材55によって取り付けられている。
固定下地部材54は、上端面が、第一下地合板33の上端面と等しい高さ位置となっており、下端面が、軒天材35の下面と等しい高さ位置となっている。固定下地部材54は、角筒状に形成されており、上面板部と、下面板部と、両側面板部と、を備えている。そして、一方の側面板部が、第一下地合板33における開口部4側の面に接し、他方の側面板部が避難ハッチ10J側に配置されている。
また、両側面板部には、固定下地部材54を床本体30に固定するための上記固定材55を通すための貫通孔54aが形成されている。他方の側面板部の貫通孔54aは、固定材55の頭部が通るため大径に設定され、一方の側面板部の貫通孔54aは、固定材55の頭部は通らず、軸部のみが通るため小径に設定されている。固定材55は、床本体30の開口部4側端部に到達する長さに設定されており、固定下地部材54は、固定材55によって床本体30の框材30aに固定できるようになっている。
固定下地部材54における他方の側面板部には、他の貫通孔54bが形成されている。当該他の貫通孔54bには、避難ハッチ10Jの筒状本体枠11を固定下地部材54に固定するための固定手段53であるボルト(すなわち、固定材)がねじ込まれる。つまり、当該他の貫通孔54bは、ボルト孔54bであり、図13に示すように、固定下地部材54を固定するための上記の固定材55が通される貫通孔54aとは異なる位置に形成されている。
固定下地部材54の下面板部には水抜き孔54cが形成されている。
本実施例の固定下地部材54は、全体として角筒状に形成されており、開口部4に納められた場合に、固定下地部材54における四方の一方の側面板部のそれぞれが、開口部4における四方の側面に接した状態となる。
各貫通孔54a,54bは、固定下地部材54の各辺において幅方向にも高さ方向にも複数ずつ形成されているものとする。
本実施例の仕上げ部20である防水シート22は、屋外床部3の上面及び開口部4の側面に貼り付けられている。すなわち、防水シート22は、第二下地合板34の上面から、第一下地合板33における開口部4側の面に取り付けられた固定下地部材54の他方の側面板部にかけて貼り付けられている。
固定下地部材54の下面板部には、水抜き孔54cが形成されているため、防水シート22の下端部は、固定下地部材54の下面板部は被覆しない。
避難ハッチ10Jは、屋外床部3に対し、筒状本体枠11が上から開口部4に嵌め込まれるとともに、張出部12が支持面15に載せられて接した状態となるように設けられている。そして、筒状本体枠11の内部から、固定下地部材54における他方の側面板部に形成されたボルト孔54bに向かって、固定手段53であるボルトをねじ込むようにする。このとき、ボルト53は、固定下地部材54における他方の側面板部に貼り付けられた防水シート22を貫通してボルト孔54bに通されるものとする。
このように防水シート22に開けられた孔及びボルト孔54bから固定下地部材54の内部に、水が万が一浸入しても、下面板部に形成された水抜き孔54cから排出される。
本実施例によれば、避難ハッチ10Jを固定下地部材54に固定するので、避難ハッチ10Jを屋外床部3に設置した場合の防水性の向上を図り、避難ハッチ10Jの良好な設置状態を維持することができる。
<実施例11>
本実施例においては、図14,図15に示すように、屋外床部3が、木造建築物1における木製の躯体に固定される鋼製床本体60を備えている。鋼製床本体60には開口部4が形成されている。避難ハッチ10Kは、開口部4に嵌め込まれて屋外床部3に設置されている。
屋外床部3は、仕上げ部20によって表面が仕上げられており、床仕上げ面20aが形成されている。本実施例の仕上げ部20は、防水パン25である。
鋼製床本体60は、躯体から側方に突出する複数の腕金物61と、複数のフレーム材63,64が枠状に組まれて形成され、複数の腕金物61間に架け渡された枠部62と、を有する。
そして、枠部62のうち、複数のフレーム材63,64によって囲まれた領域が開口部4とされ、複数のフレーム材63,64における上面が、避難ハッチ10Kの張出部12が接し、かつ、避難ハッチ10Kを支持する支持面15とされている。
本実施例の建物1は、屋外床部3が設けられた階とその直下の階が、少なくとも所謂パネル工法によって構築されたものであり、建築用パネルによって構成された木製の躯体を備えている。建物1の外壁5は、建築用壁パネルによって構成され、建物1の屋内床部7は、建築用床パネルによって構成されている。
より詳細には、下階の外壁5の上端面に、外壁5の半分程度の厚みに設定された半胴差7aと、上階の屋内床部7における框材が載せられ、更に半胴差7a上端面及び屋内床部7の上面に、上階の外壁5が立設されている。
鋼製床本体60の腕金物61は、上下階の外壁5と上階の屋内床部7とが交差する部分に連結されて設けられている。
腕金物61の連結は、腕金物61の基端部に設けられたベース部61aを、連結手段61bによって屋内床部7に連結することで行われる。連結手段は、屋内床部7に固定される部位と、当該部位から半胴差7aを貫通して屋外側に伸びる連結ボルトと、を有しており、腕金物61のベース部61aは連結ボルトに連結されている。鋼製床本体60は、このように連結された複数の腕金物61を介して建物1の躯体と一体的に設けられている。
枠部62は、複数の腕金物61間に架け渡された2本の第一フレーム材63と、これら
2本の第一フレーム材63間に架け渡された2本の第二フレーム材64と、を有する。これら第一フレーム材63及び第二フレーム材64はアングル材である。
第一フレーム材63は、長さ方向両端部が、腕金物61の側面に固定された固定アングル63aに対してボルト留め(ボルト・ナット)されている。
これら2本の第一フレーム材63と2本の第二フレーム材64によって囲まれた領域が開口部4とされている。また、第一フレーム材63と第二フレーム材64とが直交して配置される場合、いずれか一方が上に重なる状態となる。例えば上に重なる方が第二フレーム材64とすると、下側に位置する第一フレーム材63の上面は、上側に位置する第二フレーム材64の上面よりも高さ位置が低い状態となる。そのため、下側に位置するフレーム材の上面には、板状の高さ調整材を設けて、上側に位置するフレーム材の上面と高さを揃えてもよい。
避難ハッチ10Kは、筒状本体枠11が、枠部62によって形成された開口部4に嵌め込まれるとともに、張出部12が、枠部62によって形成された支持面15に載せられている。そして、張出部12が、固定手段56によって、枠部62(第一フレーム材63、第二フレーム材64)に固定されている。
本実施例の固定手段56は、ボルト(すなわち、固定材)である。したがって、第一フレーム材63及び第二フレーム材64の上面板部には、ボルト56が通されるボルト孔が形成されている。また、張出部12にもボルト孔が形成されているものとする。
さらに、第一フレーム材63及び第二フレーム材64における上面板部の下面のうち、ボルト孔に対応する箇所には、ボルト56がねじ込まれるナットが溶接されている。これにより、ボルト56を上から下に向かってねじ込むことができる。
そして、仕上げ部20である防水パン25は、腕金物61及び張出部12の上面に載せられて支持されている。防水パン25は、開口部4を避けて及び避難ハッチ10Kを避けた位置に配置されるとともに、避難ハッチ10Kとの間に大きな隙間が生じないように寸法設定されている。この防水パン25は、張出部12の上面にも載せられるため、少なくとも避難ハッチ10K周囲に配置される防水パン25は、避難ハッチ10Kの設置後に敷設されるものとする。
本実施例によれば、屋外床部3が鋼製床本体60によって構成されているので、避難ハッチ10Kを屋外床部3に設置した場合の防水性の向上を図り、避難ハッチ10Kの良好な設置状態を維持することができる。
〔参考例2〕
図16,図17は、屋外床部3が受けた水が、開口部4を通じて下階側に流れないようにする堰き止め材57の例を示している。なお、図17は、図16における主要部MPの拡大図である。
本参考例においては、屋外床部3に開口部4が形成されており、避難ハッチ10Lは、開口部4に嵌め込まれて屋外床部3に設置されている。
屋外床部3は、仕上げ部20によって表面が仕上げられており、床仕上げ面20aが形成されている。本実施例の仕上げ部20は、床仕上げ材21である。
避難ハッチ10Lは、筒状本体枠11における上端部の四側面から側方(外側)に張り出す張出部12を備えている。張出部12は、筒状本体枠11が開口部4に嵌め込まれた状態において、屋外床部3の上方に位置する。
屋外床部3は、全体が木造であるか、木造部位を含んだ状態で構成されている。
本実施例においては床本体30が木製であり、屋外床部3は、この床本体30を主体として構成されている。床本体30は、木製の建築用パネルによって構成されている。床本体30は、当該床本体30の表層を構成する表層部によって被覆されている。
このような屋外床部3は、開口部4の縁に沿って設けられた支持部40を備えている。
本実施例における支持部40は、開口部4を取り囲むようにして設けられた受桟40aと、受桟40aの外側面に沿って設けられたシーリング材40bと、を有している。
そして、受桟40aの上面が、避難ハッチ10Lの張出部12が接し、かつ、避難ハッチ10Lを支持する支持面15とされている。
堰き止め材57は、図17に示すように、支持部40における受桟40aの下面に挟み込まれた状態で屋外床部3の上面に設けられている。
この堰き止め材57は、断面L型のアングル材であり、受桟40aの下面に位置する底板部57aと、この底板部57aの開口部4側端部から垂直に立ち上がる垂直板部57bと、を有する。
このような堰き止め材57は、支持部40と共に、開口部4を取り囲むようにして設けられている。また、堰き止め材57は、避難ハッチ10Lを支持する支持部40よりも開口部4側に設けられる。そのため、屋外床部3が受けた水が、例えばシーリング材40bを越えて受桟40a側に流れた場合に、その水を堰き止め材57によって堰き止めることができる。
本参考例によれば、屋外床部3が受けた水が、開口部4を通じて下階側に流れにくくなるので好ましい。
<実施例12>
本実施例においては、図18に示すように、屋外床部3に開口部4が形成されており、避難ハッチ10Mは、開口部4に嵌め込まれて屋外床部3に設置されている。
屋外床部3は、仕上げ部20によって表面が仕上げられており、床仕上げ面20aが形成されている。本実施例の仕上げ部20は、床仕上げ材21である。
避難ハッチ10Mは、筒状本体枠11における上端部の四側面から側方(外側)に張り出す張出部12を備えている。張出部12は、筒状本体枠11が開口部4に嵌め込まれた状態において、屋外床部3の上方に位置する。
張出部12の下面12aが、屋外床部3側に接する部位とされている。
屋外床部3は、全体が木造であるか、木造部位を含んだ状態で構成されている。
本実施例においては床本体30が木製であり、屋外床部3は、この床本体30を主体として構成されている。床本体30は、木製の建築用パネルによって構成されている。
床本体30は、当該床本体30の表層を構成する表層部によって被覆されている。このような表層部には、防水シート22と、耐火面材31と、断熱パネル32と、第一下地合板33と、第二下地合板34などが含まれる。
第二下地合板34の上(防水シート22の上)には、仕上げ部20である床仕上げ材21が設けられている。第二下地合板34(防水シート22)との間には、図示しない下地材が設けられている。そして、この床仕上げ材21の上面は、屋外床部3の周縁部に向かって極めて緩やかに形成された傾斜面となっているものとする。
このような屋外床部3は、開口部4の縁に沿って設けられた支持部40を備えている。
本実施例における支持部40は、開口部4を取り囲むようにして設けられた受桟40aと、受桟40aの外側面に沿って設けられたシーリング材40bと、を有している。
そして、受桟40aの上面が、避難ハッチ10Mの張出部12が接し、かつ、避難ハッチ10Mを支持する支持面15とされている。
避難ハッチ10Mは、屋外床部3に対し、筒状本体枠11が開口部4に嵌め込まれるとともに、張出部12が支持面15に載せられて接した状態となるように設けられている。
本実施例の仕上げ部20である床仕上げ材21は、上記のように、防水シート22の上面に設けられた下地材(図示省略)によって支持されるものとしたが、本実施例の床仕上げ材21は、更に、避難ハッチ10Mにおける張出部12の上面に載せられている。
また、本実施例の避難ハッチ10Mにおける張出部12は、その張出方向先端部から下方に突出して設けられた突出部12bを有している。つまり、この突出部12bは、筒状本体枠11側から見た場合に、支持部40のうち筒状本体枠11から遠い側の面に突出した状態となっている。
支持部40を構成する受桟40aのうち開口部4とは反対側の外側面が、このような突出部12bが接する被接触面とされている。本実施例においては、シーリング材40bにおける外側面が、当該被接触面とされている。ただし、これに限られるものではなく、シーリング材40bが用いられない場合は、受桟40aのサイズを調整したり、受桟40aの位置を調整したり、張出部12の張り出し長さを調整するなどして、受桟40aの外側面に突出部12bが接するようにする。
なお、突出部12bが支持部40における被接触面に接する構造は、避難ハッチ10Mの四方で採用されている。
本実施例によれば、避難ハッチ10Mを屋外床部3に設置した場合に生じる段差を極力小さくして屋外床部3の見栄えを良くするとともに歩行する上での障害となりにくくすることができ、さらに、屋外床部3に形成される段の数を極力減らして防水性の向上を図ることができる。
また、突出部12bが支持部40における被接触面に接するので、避難ハッチ10Mを屋外床部3に設置した場合のガタツキやシーリング材の断裂の発生を抑制し、避難ハッチ10Mの良好な設置状態を維持することができる。
<実施例13>
本実施例においては、図19に示すように、屋外床部3に開口部4が形成されており、避難ハッチ10Nは、開口部4に嵌め込まれて屋外床部3に設置されている。
屋外床部3は、仕上げ部20によって表面が仕上げられており、床仕上げ面20aが形成されている。本実施例の仕上げ部20は、床仕上げ材21である。
より詳細に説明すると、まず、屋外床部3に形成される開口部4は、円状の貫通孔とされている。すなわち、開口部4の上側開口から下側開口にかけての直径が等しく設定されている。
避難ハッチ10Nを構成する筒状本体枠11は、開口部4の形状に対応して円筒状に形成されており、開口部4に嵌め込まれる。筒状本体枠11の上端面は、屋外床部3の上面と面一になっている。また、この避難ハッチ10Nは、図示しない固定手段によって屋外床部3に固定されている。
なお、避難はしご13は、円筒状に形成された筒状本体枠11の内側面に取り付けられている。
避難ハッチ10Nの上蓋11aは、開口部4に納められずに、筒状本体枠11の上端面及び屋外床部3の上面に載せられる。つまり、上蓋11aの直径は、筒状本体枠11の直径及び開口部4の直径よりも長く設定されている。したがって、上蓋11aのうち筒状本体枠11よりも側方に張り出した部位が本実施例の張出部12とされており、屋外床部3の上面のうち開口部4縁に沿う部位が支持面15とされている。
仕上げ部20である床仕上げ材21は、下面が屋外床部3の上面に接した状態で設けられ、床仕上げ面20aは、上蓋11aの周縁部である張出部12の上面よりも下方に位置している。
避難ハッチ10Nの張出部12と床仕上げ材21との間には、例えばEPDM等からなる移動抑制手段58が設けられている。移動抑制手段58は、上蓋11aの周縁部における下面側に形成された切欠部に設けられている。
なお、移動抑制手段58は、上蓋11aの切欠部に取り付けられた状態となっていてもよいし、屋外床部3の上面に取り付けられていてもよい。
床仕上げ材21のうち避難ハッチ10Nにおける上蓋11a側の端面が、移動抑制手段58が接して避難ハッチ10Nにおける上蓋11aが固定される被接触面とされている。
床仕上げ材21は、上蓋11aの形状に対応し、かつ、上蓋11aに接するため、被接触面は円弧状に形成されることとなる。換言すれば、床仕上げ材21は、上蓋11aが設けられる箇所が、円状にくり抜かれた状態となっている。したがって、上蓋11aを、当該円状にくり抜かれた箇所に嵌め込むと、上蓋11aは、床仕上げ材21のうち上蓋11a側の端面に接するとともに、移動抑制手段58によって、屋外床部3の上面及び床仕上げ材21に対して密着することになる。
本実施例によれば、上蓋11aが床仕上げ材における被接触面に接し、移動抑制手段58が屋外床部3の上面及び床仕上げ材21に密着するので、避難ハッチ10Nを屋外床部3に設置した場合のガタツキやシーリング材の断裂の発生を抑制し、避難ハッチ10Nの良好な設置状態を維持することができる。
<実施例14>
図20は、避難ハッチ10が設置された建物1の一例を示すものである。建物1は、4階建ての住宅であり、玄関1aは1階に設けられ、4階の上は屋根1bとなっている。この住宅1の2階、3階、4階のそれぞれにバルコニー2が設けられている。また、1階には、玄関1aの横にテラス1cが設けられている。また、バルコニー2には手摺2aが設けられ、テラス1cには手摺がない。
バルコニー2及びテラス1cの床は屋外床部3であり、バルコニー2を構成する屋外床部3には開口部4が形成されており、避難ハッチ10は、開口部4に嵌め込まれて屋外床部3に設置されている。
バルコニー2及びテラス1cの屋外床部3は、仕上げ部20によって表面が仕上げられており、床仕上げ面20aが形成されている。
そして、上階の屋外床部3における屋外側端部と、上階の屋外床部3の下方に位置する下階の屋外床部3における屋外側端部との間には、屋外側と建物1側に空間を仕切る仕切り体8が架け渡されて設けられている。ここでいう上階とは、1階に対しては2階が上階に当たり、2階に対しては3階が上階に当たり、3階に対しては4階が上階に当たる。
さらに、仕切り体8は、上下階の屋外床部3の張出方向と直交する幅方向(図20中の左右方向、又は間口方向としてもよい)において、下方に展開した場合の避難はしご13と対向する箇所に配置されている。つまり、仕切り体8は、避難ハッチ10における降下空間10aの屋外側に配置されている。
仕切り体8は、図21,図22に示すように、手摺2aの屋外側に配置されている。仕切り体8の上端部及び下端部は、連結部8a,8bを介して屋外床部3に連結固定されている。仕切り体8は、上下の連結部8a,8bにおける屋外側面に固定されている。
連結部8a,8bは、建物1の左右方向に長尺な水平材である。上方の連結部8aは、上階の屋外床部3における屋外側端部の垂れ壁部分の下面に固定されている。下方の連結部8bは、下階の屋外床部3における屋外側端部の立ち上がり壁部分の上面に固定されている。また、この下方の連結部8bの上面には手摺2aが設けられている。
本実施例の仕切り体8は、複数本の縦ルーバー材が互いに間隔を空けて並列に配置されたフェンスである。そのため、複数本の縦ルーバー材同士の隙間は、光や空気、水が通り抜けるし、視線も抜けることとなる。
これら複数本の縦ルーバー材は、上端部が上方の連結部8aによって連結され、下端部が下方の連結部8bによって連結されている。ただし、これに限られるものではなく、複数本の縦ルーバー材の上端部同士及び下端部同士を連結材によって連結し、予めパネル化した状態としてもよい。
なお、避難ハッチ10の設置パターンには、図21に示すように、屋外側に背を向けて避難はしご13を降下させるようにする第一設置パターンと、図22に示すように、建物1側に背を向けて避難はしご13を降下させるようにする第二設置パターンと、がある。
第一設置パターンの場合は、避難はしご13が、筒状本体枠11の四側面を構成する側壁部のうち建物1側の側壁部の内側面に取り付けられている。この場合、上記のように屋外側に背を向けるため、避難はしご13を降下する際に地上は見えない。しかし、人によっては見えないことが恐怖感につながる場合もあるため、そのような人にとっては、背中側に仕切り体8が存在することで高所であることの恐怖感を抑制することができる。
第二設置パターンの場合は、避難はしご13が、筒状本体枠11の四側面を構成する側壁部のうち屋外側の側壁部の内側面に取り付けられている。この場合、屋外側に顔を向けるため恐怖感が生じやすいが、目の前には仕切り体8が存在するので、高所であることの恐怖感を抑制することができる。
これらの設置パターンの他に、図示はしないが、身体の片側を屋外に向け、もう片側を建物1側に向けて避難はしご13を降下させるようにするパターンがある。このような設置パターンの場合は、屋外側に目を向ければ地上が見えるため恐怖感が生じやすいが、仕切り体8の存在を確認できるし、建物1側に目を向ければ地上が見えない。そのため、高所であることの恐怖感を抑制しやすい。
また、本実施例においては、仕切り体8が、上下階の屋外床部3の張出方向と直交する幅方向において、下方に展開した場合の避難はしご13と対向する箇所に配置されるものとしたが、これに限られるものではない。すなわち、極端に言えば、屋外床部3と建物1の左右の外壁によって構成される架構の内側全面に仕切り体8が設けられてもよい。
さらに、本実施例の仕切り体8は、複数本の縦ルーバー材が互いに間隔を空けて並列に配置されたフェンスであるとしたが、これに限られるものではない。すなわち、例えばアクリル板等の透視性を有する仕切り体であってもよいし、仕切り体の表面に太陽光パネルを取り付けてもよい。
本実施例によれば、避難ハッチ10に備えられた避難はしご13の降下時における恐怖感を抑制するとともに、避難ハッチ10を屋外床部3に設置した場合に段差が形成されても、屋外床部3の歩行に支障が出ないようにすることができる。
<実施例15>
本実施例においては、図23に示すように、屋外床部3に開口部4が形成されており、避難ハッチ10Pは、開口部4に嵌め込まれて屋外床部3に設置されている。
屋外床部3は、仕上げ部20によって表面が仕上げられており、床仕上げ面20aが形成されている。本実施例の仕上げ部20は、床仕上げ材21である。
避難ハッチ10Pは、筒状本体枠11における上端部の四側面から側方(外側)に張り出す張出部12を備えている。張出部12は、筒状本体枠11が開口部4に嵌め込まれた状態において、屋外床部3の上方に位置する。
屋外床部3は、全体が木造であるか、木造部位を含んだ状態で構成されている。
本実施例においては床本体30が木製であり、屋外床部3は、この床本体30を主体として構成されている。床本体30は、木製の建築用パネルによって構成されている。床本体30は、当該床本体30の表層を構成する表層部によって被覆されている。
このような屋外床部3は、開口部4の縁に沿って設けられた支持部40を備えている。
本実施例における支持部40は、開口部4を取り囲むようにして設けられた受桟40aと、受桟40aの外側面に沿って設けられたシーリング材40bと、を有している。
そして、受桟40aの上面が、避難ハッチ10Pの張出部12が接し、かつ、避難ハッチ10Pを支持する支持面15とされている。張出部12は、ビス等の固定手段によって受桟40aに固定されている。
本実施例の避難ハッチ10Pは、屋外床部3の床仕上げ面20aから所定の高さ位置まで突出して形成されるとともに上端面が座面とされて、避難ハッチ兼ベンチとして構成されている。この避難ハッチ10Pの床仕上げ面20aからの高さは、ベンチとして使用可能な高さに設定されているものとする。例えばJIS規格等の基準寸法に基づいて設定されることが好ましい。
そして、上階の屋外床部3における屋外側端部と、上階の屋外床部3の下方に位置する下階の屋外床部3における屋外側端部との間には、屋外側と建物1側に空間を仕切り、避難はしご13を使用して上階から下階に降下する人の恐怖感を抑制するための仕切り体8が架け渡されて設けられている。
本実施例の仕切り体8は、複数本の縦ルーバー材が互いに間隔を空けて並列に配置されたフェンスである。そのため、複数本の縦ルーバー材同士の隙間は、光や空気、水が通り抜けるし、視線も抜けることとなる。
この仕切り体8は、上下階の屋外床部3の張出方向と直交する幅方向において、下方に展開した場合の避難はしご13と対向する箇所に配置されている。つまり、仕切り体8は、避難ハッチ10Pにおける降下空間10aの屋外側に配置されている。
さらに、本実施例においては、図24に示すように、上下階の屋外床部3の張出方向と直交する幅方向において、避難ハッチ兼ベンチとして構成された避難ハッチ10Pと対向する箇所にも仕切り体8が配置されている。
すなわち、仕切り体8は、避難ハッチ10Pの設けられた位置に対して上側と下側に配置された状態となっている。換言すれば、避難はしご13(降下空間10a)と対向する箇所に配置された仕切り体8の鉛直方向の延長線上に、避難ハッチ兼ベンチとして構成された避難ハッチ10Pと対向する他の仕切り体8が配置されている。
仕切り体8が、避難ハッチ10Pの設けられた位置に対して上側にも下側にも配置された状態となると、図24に示すように、建物1の1階から4階まで連続的に設けられる場合もある。一方、このような構成を採用した建物の最上階においては、本来、避難ハッチ10Pと対向する他の仕切り体8(図24の場合は4階の右側に位置する仕切り体8)だけが配置されることとなるが、図24に示す建物1のように、意匠性を考慮した更に他の仕切り体8(図24の場合は4階の左側に位置する仕切り体8)を最上階に設けるようにしてもよい。
本実施例によれば、避難ハッチ10Pに備えられた避難はしご13の降下時における恐怖感を抑制するとともに、避難ハッチ10Pを屋外床部3に設置した場合に段差が形成されても、屋外床部3の歩行に支障が出ないようにすることができる。
<本実施形態の効果>
本実施形態によれば、以下のような優れた効果を奏する。
すなわち、避難ハッチ10が嵌め込まれる開口部4が形成された屋外床部3は、少なくとも上面及び開口部4の側面が防水面とされているので、たとえ木造部位30,7(7a,5)を有していたとしても、防水機能を具備した状態となる。
さらに、避難ハッチ10は、開口部4に嵌め込まれるとともに、側方に張り出す張出部12が屋外床部3の支持面15に載せられるので、避難ハッチ10を屋外床部3によって下方から支持することができ、避難ハッチ10を良好な設置状態とすることができる。
その上で、固定手段43a,50,53,56が、屋外床部3を構成する木造部位30,7(7a,5)を避けた状態で、避難ハッチ10を屋外床部3に固定しているので、避難ハッチ10の固定箇所から、屋外床部3を構成する木造部位30,7(7a,5)に向かって水が浸入しにくくなる。これにより、避難ハッチ10を屋外床部3に設置した場合の防水性の向上を図り、避難ハッチ10の良好な設置状態を維持することができる。
また、屋外床部3は、木製の床本体30と、床本体30を被覆して床本体30の表層を構成する表層部と、を備え、固定手段43a,50,53は、床本体30を避けた状態で、避難ハッチ10を屋外床部3に固定しているので、避難ハッチ10の固定箇所から、少なくとも床本体30に向かって水が浸入しにくくなる。これにより、避難ハッチ10を屋外床部3に設置した場合の防水性の向上を図り、避難ハッチ10の良好な設置状態を維持することができる。
また、床本体30又は表層部のうち床本体30の上面を被覆する部位に固定された支持部43の上面が、避難ハッチ10の張出部12が接する支持面15とされているので、避難ハッチ10は、開口部4に嵌め込まれるとともに、側方に張り出す張出部12が支持部43に載せられることで、屋外床部3によって下方から支持されることとなり、避難ハッチ10の設置安定性に貢献できる。
さらに、支持部43は、床本体30又は表層部のうち床本体30の上面を被覆する部位に固定され、固定手段41は、支持面15に載せられた張出部12を、支持部43に固定しているので、避難ハッチ10は、支持部43を介して、床本体30又は表層部のうち床本体30の上面を被覆する部位に固定されることとなる。これにより、避難ハッチ10の固定箇所から、少なくとも床本体30に向かって水が浸入しにくくなるので、避難ハッチ10を屋外床部3に設置した場合の防水性の向上を図り、避難ハッチ10の良好な設置状態を維持することができる。
また、避難ハッチ10は、開口部4に嵌め込まれるとともに中空状に形成された筒状本体枠11を備え、張出部12は、筒状本体枠11の上端部に一体に設けられるので、避難ハッチ10は、筒状本体枠11が開口部4に嵌め込まれるとともに、側方に張り出す張出部12が支持面15に載せられることで、屋外床部3によって下方から支持されることとなり、避難ハッチ10の設置安定性に貢献できる。
さらに、避難ハッチ10を屋外床部3に固定する固定手段50は、筒状本体枠11の外側面と表層部のうち開口部4の側面を被覆する部位との間の隙間に配置され、隙間内で、筒状本体枠11から離れる方向と近づく方向に進退可能とされた突っ張り部51と、筒状本体枠11の内部から突っ張り部51を進退させる進退操作部52と、を備えるので、進退操作部52の操作に従って突っ張り部51を筒状本体枠11から離れる方向に移動させて、表層部のうち開口部4の側面を被覆する部位に押し付ければ、筒状本体枠11を開口部4の側面に固定できる。これにより、筒状本体枠11を、開口部4の側面に対し、防水面を傷つけることなく固定することができるので、避難ハッチ10の固定箇所から、床本体30に向かって水が浸入しにくくなり、避難ハッチ10を屋外床部3に設置した場合の防水性の向上を図り、避難ハッチ10の良好な設置状態を維持することができる。
また、避難ハッチ10は、開口部4に嵌め込まれるとともに中空状に形成された筒状本体枠11を備え、張出部12は、筒状本体枠11の上端部に一体に設けられるので、避難ハッチ10は、筒状本体枠11が開口部4に嵌め込まれるとともに、側方に張り出す張出部12が支持面15に載せられることで、屋外床部3によって下方から支持されることとなり、避難ハッチ10の設置安定性に貢献できる。
さらに、表層部のうち開口部4の側面を被覆する部位に、筒状本体枠11の外側面と表層部のうち開口部4の側面を被覆する部位との間の隙間に配置された状態で、固定手段53の下地となる固定下地部材54が固定されており、固定手段53は、筒状本体枠11の内部から固定下地部材54に向かって設けられた固定材であることから、避難ハッチ10は、固定下地部材54を介して、開口部4の側面に固定されることとなる。これにより、避難ハッチ10の固定箇所から、少なくとも床本体30に向かって水が浸入しにくくなるので、避難ハッチ10を屋外床部3に設置した場合の防水性の向上を図り、避難ハッチ10の良好な設置状態を維持することができる。
また、屋外床部3を、木製の躯体7(7a,5)から側方に突出する複数の腕金物51と、複数の腕金物51間に架け渡された枠部52と、を有する鋼製床本体50が、木製の壁5に固定されることで形成されることになる。そして、このような鋼製床本体50において、枠部52のうち、複数のフレーム材53,54によって囲まれた領域が開口部4とされ、複数のフレーム材53,54における上面が支持面15とされ、避難ハッチ10は、開口部4に嵌め込まれるとともに、張出部12が支持面15に載せられ、固定手段56は、複数のフレーム材53,54における上面の支持面15に載せられた張出部12を、複数のフレーム材53,54に固定しているので、避難ハッチ10の固定箇所から、屋外床部3を構成する木製の壁5に向かって水が浸入しにくくなる。これにより、避難ハッチ10を屋外床部3に設置した場合の防水性の向上を図り、避難ハッチ10の良好な設置状態を維持することができる。
1 建物
2 バルコニー
2a 手摺
3 屋外床部
3a 支持部
4 開口部
5 外壁
8 仕切り体
10 避難ハッチ
10a 降下空間
11 筒状本体枠
11a 上蓋
12 張出部
12a 面
13 避難はしご
15 支持面
20 仕上げ部
20a 床仕上げ面
21 床仕上げ材
22 防水シート
30 床本体
40 支持部
40a 受桟
40b シーリング材
41 支持部
41a 固定材
42 傾斜枠材
42a 上面(傾斜面)
43 支持部(角筒)
43a 固定材
50 固定手段(移動抑制手段)
51 突っ張り部
51a 滑り止め部
52 進退操作部
53 固定手段
54 固定下地部材
56 固定手段
58 移動抑制手段

Claims (6)

  1. 下方に展開する避難はしごが取り付けられた避難ハッチと、
    前記避難ハッチが嵌め込まれる開口部が形成され、少なくとも上面及び前記開口部の側面が防水面とされた屋外床部と、
    前記避難ハッチを前記屋外床部に固定する固定手段と、を備えており、
    前記避難ハッチは、側方に張り出して前記屋外床部に載せられる張出部を備え、
    前記屋外床部は、前記避難ハッチの前記張出部が接し、かつ、前記避難ハッチを支持する支持面を備え、
    前記避難ハッチは、前記開口部に嵌め込まれるとともに、前記張出部が前記屋外床部の前記支持面に載せられ、
    前記固定手段は、前記屋外床部を構成する木造部位を避けた状態で、前記避難ハッチを前記屋外床部に固定していることを特徴とする避難ハッチの固定構造。
  2. 請求項1に記載の避難ハッチの固定構造において、
    前記屋外床部は、木製の床本体と、前記床本体を被覆して前記床本体の表層を構成する表層部と、を備え、
    前記固定手段は、前記床本体を避けた状態で、前記避難ハッチを前記屋外床部に固定していることを特徴とする避難ハッチの固定構造。
  3. 請求項2に記載の避難ハッチの固定構造において、
    前記屋外床部は、前記表層部のうち前記床本体の上面を被覆する部位に載せられるとともに、前記開口部の周囲に配置された支持部を備え、
    前記支持部は、前記床本体又は前記表層部のうち前記床本体の上面を被覆する部位に固定され、
    前記支持部の上面が、前記避難ハッチの前記張出部が接する前記支持面とされており、
    前記固定手段は、前記支持面に載せられた前記張出部を、前記支持部に固定していることを特徴とする避難ハッチの固定構造。
  4. 請求項2に記載の避難ハッチの固定構造において、
    前記避難ハッチは、前記開口部に嵌め込まれるとともに中空状に形成された筒状本体枠を備え、前記張出部は、前記筒状本体枠の上端部に一体に設けられ、
    前記固定手段は、
    前記筒状本体枠の外側面と前記表層部のうち前記開口部の側面を被覆する部位との間の隙間に配置され、前記隙間内で、前記筒状本体枠から離れる方向と近づく方向に進退可能とされた突っ張り部と、
    前記筒状本体枠の内部から前記突っ張り部を進退させる進退操作部と、を備えることを特徴とする避難ハッチの固定構造。
  5. 請求項2に記載の避難ハッチの固定構造において、
    前記避難ハッチは、前記開口部に嵌め込まれるとともに中空状に形成された筒状本体枠を備え、前記張出部は、前記筒状本体枠の上端部に一体に設けられ、
    前記表層部のうち前記開口部の側面を被覆する部位に、前記筒状本体枠の外側面と前記表層部のうち前記開口部の側面を被覆する部位との間の隙間に配置された状態で、前記固定手段の下地となる固定下地部材が固定されており、
    前記固定手段は、前記筒状本体枠の内部から前記固定下地部材に向かって設けられた固定材であることを特徴とする避難ハッチの固定構造。
  6. 請求項1に記載の避難ハッチの固定構造において、
    前記屋外床部は、木造建築物における木製の躯体に固定される鋼製床本体を備え、
    前記鋼製床本体は、
    前記木製の壁から側方に突出する複数の腕金物と、
    複数のフレーム材が枠状に組まれて形成され、前記複数の腕金物間に架け渡された枠部と、を有し、
    前記枠部のうち、前記複数のフレーム材によって囲まれた領域が前記開口部とされ、前記複数のフレーム材における上面が前記支持面とされ、
    前記避難ハッチは、前記開口部に嵌め込まれるとともに、前記張出部が前記支持面に載せられ、
    前記固定手段は、前記複数のフレーム材における上面の前記支持面に載せられた前記張出部を、前記複数のフレーム材に固定していることを特徴とする避難ハッチの固定構造。
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