JP4215872B2 - 多層プリント配線板、被処理体及び多層プリント配線板の製造方法 - Google Patents

多層プリント配線板、被処理体及び多層プリント配線板の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、導体回路の断線のない接続性に優れるプリント配線板とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
多層プリント配線板を得るには、導体回路を形成した基板に、層間絶縁樹脂層を設け、この層間絶縁樹脂層に粗化面とバイアホ−ルとを形成し、層間絶縁樹脂層の粗化面とバイアホ−ル上に無電解めっきによる薄付けめっきを行い、ドライフィルムで、パタ−ンを形成した上に、電解めっきにより厚付けめっきを行い、アルカリ溶液で、ドライフィルムを溶解、除去後に、薄付けめっき層をエッチングすることにより、上層の導体回路を形成する。かかる操作を繰り返すことで、ビルドアップ多層プリント配線板が得られる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、本発明者は、このようにして形成する導体回路に線細りや断線が発生することを見出した。本発明者の研究によれば、かかる問題は、薄付けめっき層をエッチングによって除去する際、電解めっき層が過剰にエッチングされるために発生することが分かった。
【0004】
本発明は、めっきからなる金属層をエッチングする際、電解めっき層の過剰エッチングを防止し、得られる導体回路に線細りや断線を起こさず、接続性に優れたプリント配線板を得ることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、基板と前記基板上の下層導体回路と前記下層導体回路上の層間絶縁樹脂層と前記層間絶縁樹脂層上の上層導体回路とを備えている多層プリント配線板であって、上層導体回路が金属パターン層と前記金属パターン層上の電解めっき層とを備えており、前記電解めっき層が熱処理されており、前記電解めっき層の表面1.20〜1.85( グラフィックアーツマニュファクチャリングカンパニー製 GAMMODEL 144 DENSITOMETER による数値 )の光沢度を有しており、前記金属パターン層が層間絶縁樹脂層上の金属層のエッチングによって形成されており、前記金属層のエッチングの際、前記電解めっき層が、前記電解めっき層下の前記金属層のエッチングを防ぎ、前記金属層をパターン化するために働く、多層プリント配線板、かかる多層プリント配線板を得るための被処理体及びかかる多層プリント配線板の製造方法に係るものである。
【0006】
本発明者は、電解めっき層を所定パターンで形成した後、層間絶縁樹脂層上の薄付けめっきからなる金属層を除去する際、金属層の除去量に合わせてエッチング量を制御すると、電解めっき層が過剰にエッチングされてしまうことを見出した。
【0007】
更に、本発明者が研究したところ、かかるエッチングでは、導体回路の配線に凹凸ができてしまい、ときには、配線の線細り、断線が発生してしまうことが分かった。また、配線の線細りや断線が起きないように、エッチング量を落とした場合、導体間同士が金属層を介して、接続し短絡してしまうことも分かった。
【0008】
本発明者は、種々のエッチング条件を検討したところ、電解めっき層の過剰エッチングの原因が、電解めっき層中に残留する水分、吸蔵水素にあることを突き止めた。電解めっき層中に水分や吸蔵水素が残留すると、層内に隙間が生じ、めっきの結晶が粗くなり、かかる隙間に金属層のエッチング液が入り込んでしまうために、電解めっき層も過剰にエッチングされてしまうのである。
【0009】
かかる知見に基づき、鋭意研究した結果、本発明者は、金属層をエッチングする前に、電解めっき層表面の光沢度が1.20〜1.85の範囲内になるように電解めっき層を熱処理することで、電解めっき層の過剰エッチングが防げることを解明し、本発明を完成させた。
【0010】
本発明によれば、金属層をエッチングする前の電解めっき層が1.20〜1.85の表面光沢度になるように熱処理されており、電解めっき層が過剰エッチングされることなく、金属層を上層導体回路の所望パターンに従ってパターン化するためのエッチングレジスト層として働き、得られる導体回路に線細りや断線が起きず、接続信頼性に優れたプリント配線板を得ることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の多層プリント配線板は、基板と基板上の下層導体回路と下層導体回路上の層間絶縁樹脂層と層間絶縁樹脂層上の上層導体回路とを備えている。上層導体回路は金属パターン層とこの金属パターン層上の電解めっき層とから形成されている。この金属パターン層は、層間絶縁樹脂層上の金属層をエッチングすることによって形成される。
【0012】
本発明の被処理体は、多層プリント配線板を製造するために用いられる。この被処理体は、基板と基板上の下層導体回路と下層導体回路上の層間絶縁樹脂層と層間絶縁樹脂層上の金属層と金属層上の電解めっき層とを有している。かかる被処理体の電解めっき層は、熱処理されており、表面が1.20〜1.85の光沢度を有しており、被処理体をエッチングして層間絶縁樹脂層上に多層プリント配線板の上層導体回路を形成する際、金属層が電解めっき層の非形成部分でエッチングされ、電解めっき層が電解めっき層下の金属層のエッチングを防ぎ、金属パターン層と電解めっき層とからなる上層導体回路が得られる。
【0013】
本発明にかかる電解めっき層は、層間絶縁樹脂層上の金属層に固着しており、電解めっき層の非形成部分で上層導体回路の所望パターンに従って金属層をパターン化するために働く。
【0014】
本発明にかかる金属層は、銅、ニッケル、スズ、パラジウム、金、銀、及びアルミニウムからなる群より選ばれた少なくとも1種、又は2種類以上の合金で形成されるのが好ましい。特に、銅により形成するのが望ましい。銅は、安価で、パターン状にエッチングして導体回路を形成するのに適している。
【0015】
かかる金属層は、めっき法や、スパッタ、電着等の蒸着法によって形成することができ、どのような方法でもよい。金属層をめっきで形成するには、電解めっき法、無電解めっき法どちらを用いてもよい。特に、無電解めっき法を用いるのが望ましい。均一な厚さの金属層が形成できるからである。かかる金属層の厚みは、0.05〜5μmで形成することができ、特に、0.5〜2μmで形成されるのが望ましい。
【0016】
本発明にかかる電解めっき層は、金属層上に形成され、本発明にかかる金属パターン層を金属層のエッチングによって形成する場合、電解めっき層下の金属層のエッチングを防ぐ働きをする。かかる電解めっき層は、銅又はニッケルで形成するのがよい。特に、銅は、光沢度が調節し易く、パターン化し易く、導通性にも優れ、安価で導体回路として適しており、望ましい。
【0017】
電解めっき層の形成には、種々の条件の電解めっき法を用いることができる。本発明では、パタ−ンレジストにより金属層の表面に配線を露出させ、配線部分に電解めっきにより電解めっき層を形成させることができる。
【0018】
かかる電解めっき層は、電解めっき層形成後、パタ−ンレジストを剥離し、この電解めっき層の表面が1.20〜1.85の光沢度を有するように、電解めっき層を熱処理することで得ることができる。これによって、電解めっき層内の水分や吸蔵水素等の不純物が追い出され、電解めっき層内の隙間の発生がなくなり、金属層をエッチングして導体回路を形成する際、電解めっき層が過剰にエッチングされることなく、導体回路の配線の線細り、断線がなくなる。
【0019】
光沢度は、1.20から1.85の範囲にあるのが適正である。光沢度が1.20未満では、熱処理が不十分で、硬化が十分でないため、めっきの結晶が大きくなり、金属層のエッチングの際、導体回路の線細り、断線を引き起こしてしまう。一方、光沢度が1.85を超えると、電解めっき層と金属層の間で、剥離、クラック等が起きる。
【0020】
光沢度を適正な範囲に制御するための熱処理条件は、めっき条件、めっき合金比、めっき厚、層間絶縁樹脂層の種類によって、種々の条件に設定することができる。
【0021】
熱処理温度は、50〜250℃の温度がよい。特に、80〜200℃で行うのが望ましい。50℃未満では、電解めっき層中の水分や水素が残留してしまい、250℃を超えると、金属層と電解めっき層との密着性が低下し、剥離、クラック等が起きることがある。また、熱による基板の反りが発生したりするため、層間絶縁層の剥離、クラック等が誘発される。
【0022】
光沢度を1.20から1.85にするためには、熱処理の温度を、低い温度から段階的に高い温度に上昇させるのが好ましい。また、温度は、各段階の温度で少なくとも10分ホ−ルドするのが好ましい。一例として、50℃/30分+80℃/30分+100℃/30分+120℃/30分+150℃/5時間を用いることができる。
【0023】
光沢度の測定は、グラフィックアーツマニュファクチャリングカンパニー製 GAMMODEL 144 DENSITOMETERを用いて行うことができる。この際、最初に、光沢度の原点測定を行う。備え付けの原点測定用の白いサンプル、黒いサンプルを交互に測定して、測定値をサンプルに指定されている光沢度の数値に補正する。
【0024】
次に、本発明のプリント配線板を製造する方法について説明する。以下の方法は、主として、セミアディティブ法によるものであるが、フルアディティブ法を採用してもよい。
【0025】
本発明では、基板の表面に導体回路を形成した配線基板を作製する。基板としては、ガラスエポキシ基板、ポリイミド基板、ビスマレイミド−トリアジン樹脂基板等の樹脂絶縁基板、銅張り積層板、セラミック基板、金属基板等を用いることができる。
【0026】
かかる配線基板は、内部に複数層の導体回路が形成された多層プリント配線板であってもよい。かかる複数層の導体回路を形成するには、基板上に設けられた下層導体回路上に、層間絶縁樹脂層として、無電解めっき用接着剤からなる接着剤層を形成し、この接着剤層表面を粗化して粗化面とし、この粗化面全体に薄付けの無電解めっきを施し、めっきレジストを形成し、めっきレジスト非形成部分に厚付けの電解めっきを施した後、めっきレジストを除去し、エッチング処理して、電解めっき膜と無電解めっき膜とからなる2層の導体回路を形成することができる。導体回路は、いずれも銅パタ−ンがよい。
【0027】
導体回路を形成した基板には、導体回路又はスル−ホ−ルにより、凹部が形成される。その凹部を埋めるためには、基板表面に樹脂充填剤を塗布し、乾燥した後、不要な樹脂充填剤を研磨により研削して、導体回路を露出させ、樹脂充填剤を本硬化させる。
【0028】
露出した導体回路上には、粗化面を形成することができる。かかる粗化面は、銅−ニッケル−リンからなる合金をめっきによって粗化層を形成させる方法、又は、アゾ−ル類の第二銅錯体と有機酸の水溶液からなるエッチング液を導体回路表面にスプレイするか、かかるエッチング液に導体回路を浸漬し、バブリングして粗化面を形成する方法、あるいは、他のエッチング処理、研磨処理、酸化処理、酸化還元処理により形成することができる。粗化面を形成した導体回路の基板上には、層間絶縁層である無電解めっき用接着剤を形成させる。
【0029】
かかる層間絶縁樹脂として用いる無電解めっき用接着剤は、酸や酸化剤に可溶性の硬化処理された耐熱性樹脂粒子が、酸や酸化剤に難溶性の未硬化の耐熱性樹脂中に分散されてなるものが最適である。かかる耐熱性樹脂粒子は、酸や酸化剤で処理することによって溶解除去され、表面に蛸つぼ状のアンカーからなる粗化面を形成するからである。なお、かかる無電解めっき用接着剤は、組成の異なる2層により構成してもよい。
【0030】
酸や酸化剤に可溶性の硬化処理された耐熱性樹脂粒子としては、(1) 平均粒径が10μm以下の耐熱性樹脂粉末、(2) 平均粒径が2μm以下の耐熱性樹脂粉末を凝集させた凝集粒子、(3) 平均粒径が2〜10μmの耐熱性樹脂粉末と平均粒径が2μm未満の耐熱性樹脂粉末との混合物、(4) 平均粒径が2〜10μmの耐熱性樹脂粉末の表面に、平均粒径が2μm以下の耐熱性樹脂粉末及び無機粉末の少なくとも1種を付着させた疑似粒子、(5) 平均粒径が0.1〜0.8μmの耐熱性樹脂粉末と平均粒径が0.8μmを超え2μm未満の耐熱性樹脂粉末との混合物、(6) 平均粒径が0.1〜1.0μmの耐熱性樹脂粉末からなる群より選ばれる少なくとも1種の粒子を用いることが望ましい。これらは、より複雑なアンカーを形成するからである。これらの粒子により得られる粗化面は、0.1〜20μmの最大粗度(Rmax)を有することができる。
【0031】
かかる耐熱性樹脂粒子の混合比は、耐熱性樹脂からなるマトリックスの固形分の5〜50重量%、望ましくは10〜40重量%がよい。また、かかる耐熱性樹脂粒子は、アミノ樹脂(メラミン樹脂、尿素樹脂、グアナミン樹脂等)、エポキシ樹脂等からなるのがよい。
【0032】
酸や酸化剤に難溶性の未硬化の耐熱性樹脂としては、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂との樹脂複合体、又は感光性樹脂と熱可塑性樹脂との樹脂複合体からなるのが望ましい。前者については耐熱性が高く、後者についてはバイアホ−ル用の開口をフォトリソグラフィ−により形成できるからである。
【0033】
かかる熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノ−ル樹脂、ポリイミド樹脂等を用いることができる。また、感光化する場合は、熱硬化基をメタクリル酸やアクリル酸等とアクリル化反応させる。特に、エポキシ樹脂のアクリレ−トが最適である。エポキシ樹脂としては、フェノ−ルノボラック型、クレゾ−ルノボラック型等のノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン変性させた脂環式エポキシ樹脂等を用いることができる。
【0034】
熱可塑性樹脂としては、ポリエ−テルスルフォン(PES)、ポリスルフォン(PSF)、ポリフェニレンスルフォン(PPS)、ポリフェニレンサルファイド(PPES)、ポリフェニルエ−テル(PPE)、ポリエ−テルイミド(PI)等を用いることができる。
【0035】
熱硬化性樹脂(感光性樹脂)と熱可塑性樹脂の混合割合は、熱硬化性樹脂(感光性樹脂)/熱可塑性樹脂=95/5〜50/50がよい。耐熱性を損なうことなく、高い物性値が得られるからである。
【0036】
次に、かかる無電解めっき用接着剤を硬化させて、層間絶縁樹脂層を形成する一方、この層間樹脂樹脂層には、バイアホ−ル形成用の開口を設けることができる。
【0037】
バイアホール形成用の開口は、無電解めっき用接着剤の樹脂マトリックスが熱硬化樹脂である場合は、レ−ザ−光や酸素プラズマ等を用いて穿孔し、感光性樹脂である場合は、露光現像処理にて穿孔する。なお、露光現像処理は、バイアホ−ル形成用に円パタ−ンが描画されたフォトマスク(ガラス基板がよい)を、円パタ−ン側が感光性の層間樹脂絶縁層の上に密着するように載置した後、露光、現像処理する。
【0038】
次に、バイアホ−ル形成用開口を設けた層間樹脂絶縁層(無電解めっき用接着剤層)の表面を粗化する。特に、無電解めっき用接着剤層の表面に存在する耐熱性樹脂粒子を、酸や酸化剤で溶解除去することにより、接着剤層表面を粗化処理する。このとき、層間樹脂絶縁層に粗化面が形成される。この時、粗化面に形成される窪みの深さは1〜5μm 程度が好ましい。
【0039】
酸による処理としては、リン酸、塩酸、硫酸等の無機酸、又は蟻酸や酢酸等の有機酸を用いることができる。特に、有機酸を用いるのが望ましい。粗化処理した場合に、バイアホ−ルから露出する金属導体層を腐食させ難いからである。酸化剤による処理は、クロム酸、クロム酸塩、過マンガン酸塩(過マンガン酸カリウム等)を用いるのが望ましい。
【0040】
かかる粗化面は、0.1〜20μmの最大粗度(Rmax)を有するのが好ましい。厚過ぎると層自体が損傷、剥離し易く、薄過ぎると密着性が低下するからである。特に、セミアディティブ法では、0.1〜5μmがよい。密着性が確保されつつ、無電解めっき膜が除去されるからである。
【0041】
次に、粗化した層間樹脂絶縁層上に触媒核を付与し、全面に薄付けの無電解めっき膜を形成する。この無電解めっき膜は、無電解銅めっきがよく、厚みは、0.5〜5μm,より望ましくは、1〜3μmとする。なお、無電解銅めっき液としては、常法で採用される液組成のものを使用することができる。例えば、硫酸銅:29g/L、炭酸ナトリウム:25g/L、EDTA: 140g/L、水酸化ナトリウム:40g/L、37%ホルムアルデヒド: 150mL、(PH=11.5)からなる液組成のものがよい。
【0042】
かかる無電解めっきによる金属層を熱処理することにより、層間絶縁樹脂層と金属層との密着性を向上させることができる。例えば、一例として、100℃/30分+120℃/30分+150℃/1時間熱処理することができる。
【0043】
かかる熱処理条件は、金属層の種類、厚み、パタ−ンレジスト(ドライフィルム)の厚み、露光条件、生産タクト等により変えることができる。
【0044】
温度のホ−ルド時間は、少なくとも10分以上が好ましい。昇温時に受ける金属層のダメージを低減するためである。また、冷却の際も、急激に温度を下げるより、段階的にゆっくりと温度を下げるのが望ましい。その理由として、冷却時の金属層へのダメ−ジが低減されるからである。
【0045】
次に、このように形成した無電解めっき膜上に、感光性樹脂フィルム(ドライフィルム)をラミネ−トし、この感光性樹脂フィルム上に、めっきレジストパタ−ンが描画されたフォトマスク(ガラス基板がよい)を密着させて載置し、露光し、現像処理することにより、めっきレジストパタ−ンを配設した非導体部分を形成することができる。
【0046】
次に、無電解銅めっき膜上の非導体部分以外に電解めっき膜を形成し、導体回路とバイアホ−ルとなる導体部を設ける。電解めっきとしては、電解銅めっきを用いることが望ましく、その厚みは、5〜20μmがよい。
【0047】
次に、非導体回路部分のめっきレジストを除去した後、100℃/130分+120℃/30分+150℃/2時間、熱処理することにより、電解めっき層の光沢度を1.20〜1.85にする。かかる熱処理条件は、電解めっき膜の種類、厚み、エッチング液の種類、エッチング量、生産タクト等により変えることができる。
【0048】
温度のホールド時間は、少なくとも10分以上が好ましい。昇温時に受ける電解めっき層のダメージを低減するためである。また、冷却の際も、急激に温度を下げるより、段階的にゆっくりと温度を下げるのが望ましい。冷却時に受ける電解めっき層のダメージを低減するためである。
【0049】
更に、硫酸と過酸化水素の混合液や過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、塩化第二鉄、塩化第二銅等のエッチング液にて無電解めっき膜を除去し、無電解めっき膜と電解めっき膜の2層からなる独立した導体回路とバイアホ−ルを得ることができる。
【0050】
このようにして得られる導体回路等では、電解めっき層が所定の光沢度を有するように熱処理されており、過剰なエッチングによる導体回路等の線細りや断線が生じない。なお、非導体部分に露出した粗化面上のパラジウム触媒核は、クロム酸、硫酸と過酸化水素との混合液等により溶解除去する。
【0051】
次いで、表層の導体回路には、粗化面を形成することができる。かかる粗化面は、銅−ニッケル−リンからなる合金をめっきにより粗化層を形成させる方法、叉は、アゾ−ル類の第二銅錯体と有機酸の水溶液からなるエッチング液を導体回路表面にスプレイするか、かかるエッチング液に導体回路を浸漬し、バブリングして粗化面を形成する方法、あるいは、他のエッチング処理、研磨処理、酸化処理、酸化還元処理によって形成させることができる。
【0052】
このようにして形成された粗化面は、更に、その後、エッチング処理、研磨処理、酸化処理、酸化還元処理等によって処理することができ、めっき被膜で被覆することもできる。かかる粗化面は、層間絶縁層の形成以外に、ソルダーレジスト層を形成する際にも用いることができる。
【0053】
本発明では、このようにして形成される所定形状の導体回路上に、ソルダーレジスト層を形成することができる。かかるソルダーレジスト層の厚さは、5〜40μmがよい。薄過ぎると、ソルダーレジスト層がソルダーダムとして機能せず、また、厚過ぎると、はんだバンプ用の開口部を形成し難くなる上、はんだ体と接触して、はんだ体にクラックが生じる原因となるからである。
【0054】
ソルダーレジスト層は、種々の樹脂から形成することができる。例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂やそのアクリレートか、ノボラック型エポキシ樹脂やそのアクリレートを、アミン系硬化剤やイミダゾール硬化剤等で硬化させた樹脂を用いることができる。
【0055】
特に、ソルダーレジスト層に開口を設けて、はんだバンプを形成する場合、ノボラック型エポキシ樹脂かそのアクリレートを、イミダゾール硬化剤で硬化させるのが好ましい。かかる樹脂からなるソルダーレジスト層は、鉛のマイグレーション(鉛イオンがソルダーレジスト層内を拡散する現象)が少ないという利点を持つ。
【0056】
また、ノボラック型エポキシ樹脂のアクリレートをイミダゾール硬化剤で硬化させた樹脂の場合、耐熱性、耐アルカリ性に優れ、はんだが溶融する温度(200 ℃前後)でも劣化せず、ニッケルめっきや金めっきのような強塩基性のめっき液で分解しない。ノボラック型エポキシ樹脂のアクリレートとしては、フェノールノボラックやクレゾールノボラックのグリシジルエーテルを、アクリル酸やメタクリル酸等と反応させたエポキシ樹脂等を挙げることができる。
【0057】
しかし、かかるノボラック型エポキシ樹脂のアクリレートから形成されるソルダーレジスト層は、剛直骨格を持つ樹脂で構成されるので、導体回路との間で剥離が生じ易い。導体回路上の粗化面は、かかる剥離を防止でき、有利である。
【0058】
イミダゾール硬化剤は、25℃で液状であるのが望ましい。液状であれば、均一混合し易いからである。かかる硬化剤としては、1-ベンジル−2-メチルイミダゾール(品名:1B2MZ )、1-シアノエチル−2-エチル−4-メチルイミダゾール(品名:2E4MZ-CN)、4-メチル−2-エチルイミダゾール(品名:2E4MZ )を挙げることができる。
【0059】
かかる樹脂及び硬化剤は、グリコールエーテル系の溶剤に溶解し、ソルダーレジスト用組成物とするのが望ましい。かかる組成物からソルダーレジスト層を形成すると、遊離酸素が発生せず、銅パッド表面を酸化させない。また、人体に対する有害性も少ない。
【0060】
グリコールエーテル系の溶剤としては、次の一般式:
CH3 O−(CH2 CH2 O) n −CH3 (n=1〜5)
で表される溶媒を用いることができる。
【0061】
特に望ましくは、ジエチレングリコールジメチルエーテル(DMDG)及びトリエチレングリコールジメチルエーテル(DMTG)からなる群より選ばれる少なくとも1種を用いる。これらの溶剤は、30〜50℃程度の加温により、ベンゾフェノンやミヒラーケトン等の反応開始剤を完全に溶解させることができる。かかる溶剤の量は、ソルダーレジスト用組成物の10〜40重量%がよい。
【0062】
イミダゾール硬化剤の添加量は、ソルダーレジスト用組成物の総固形分に対して、1〜10重量%とすることが望ましい。添加量がこの範囲内にあれば、均一混合し易いからである。
【0063】
上述したようなソルダーレジスト用組成物には、この他に、各種消泡剤やレベリング剤、耐熱性や耐塩基性の改善と可撓性付与のための熱硬化性樹脂、解像度改善のための感光性モノマー等を添加することができる。
【0064】
レベリング剤としては、アクリル酸エステルの重合体からなるものがよい。また、開始剤としては、チバガイギー製のイルガキュアI907、光増感剤としては日本化薬製のDETX−Sがよい。
【0065】
熱硬化性樹脂には、ビスフェノール型エポキシ樹脂を用いることができる。このビスフェノール型エポキシ樹脂には、ビスフェノールA型エポキシ樹脂とビスフェノールF型エポキシ樹脂があり、耐塩基性を重視する場合には前者が、低粘度化が要求される場合(塗布性を重視する場合)には後者がよい。
【0066】
感光性モノマーには、多価アクリル系モノマーを用いることができる。多価アクリル系モノマーは、解像度を向上させることができるからである。例えば、日本化薬製のDPE−6Aや共栄社化学製のR−604等の多価アクリル系モノマーを用いることができる。
【0067】
かかるソルダーレジスト用組成物には、色素や顔料等を添加してもよい。配線パターンを隠蔽できるからである。かかる色素としては、フタロシアニングリーンを用いることが望ましい。
【0068】
また、かかるソルダーレジスト用組成物は、25℃で0.5〜10Pa・s、より望ましくは、1〜10Pa・sの粘度を有するのがよい。ロールコータで塗布し易いからである。かかる組成物は、ソルダ−レジスト層を形成した後、開口部を、露光、現像処理により形成することができる。開口径は、80〜150μmの範囲がよい。
【0069】
その後、ソルダ−レジスト層形成後に開口部に無電解めっきにてニッケルめっき層を形成させることができる。ニッケルめっき液の組成の例として、硫酸ニッケル4.5g/l、次亜リン酸ナトリウム25g/l、クエン酸ナトリウム40g/l、ホウ酸12g/l、チオ尿素0.1g/l(PH=11)がある。かかるめっき層を形成するには、脱脂液により、ソルダ−レジスト層開口部、表面を洗浄し、パラジウムなどの触媒を開口部に露出した導体部分に付与し、活性化させた後、めっき液に浸漬し、ニッケルめっき層を形成させることができる。
【0070】
ニッケルめっき層の厚みは、0.5〜20μmで、特に3〜10μmの厚みが望ましい。それ以下では、はんだバンプとニッケルめっき層の接続が取れ難く、それ以上では、開口部に形成したはんだバンプが収まりきれず、剥がれたりすることがある。
【0071】
ニッケルめっき層形成後、金めっき層を形成させることができる。金めっき層の厚みは、0.01〜0.1μm、特に望ましくは0.03μm前後である。
【0072】
【実施例】
図面を参照して、本発明を実施例及び比較例に基づいて説明する。
実施例1
A.層間絶縁樹脂剤調製用の原料組成物(上層用層間絶縁樹脂剤)
〔樹脂組成物A〕
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬製、分子量2500)の25%アクリル化物を80wt%の濃度でDMDGに溶解させた樹脂液を35重量部、感光性モノマー(東亜合成製、アロニックスM315 )3.15重量部、消泡剤(サンノプコ製、S−65)0.5 重量部、NMP 3.6重量部を攪拌混合して得た。
【0073】
〔樹脂組成物B〕
ポリエーテルスルフォン(PES)12重量部、エポキシ樹脂粒子(三洋化成製、ポリマーポール)の平均粒径 1.0μmのものの 7.2重量部と、平均粒径 0.5μmのものの3.09重量部とを混合した後、更にNMP30重量部を添加し、ビーズミルで攪拌混合して得た。
【0074】
〔硬化剤組成物C〕
イミダゾール硬化剤(四国化成製、2E4MZ-CN)2重量部、光開始剤(チバガイギー製、イルガキュア I−907 )2重量部、光増感剤(日本化薬製、DETX-S)0.2 重量部、NMP 1.5重量部を攪拌混合して得た。
【0075】
B.層間絶縁樹脂剤調製用の原料組成物(下層用層間絶縁樹脂剤)
〔樹脂組成物D〕
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬製、分子量2500)の25%アクリル化物を80wt%の濃度でDMDGに溶解させた樹脂液を35重量部、感光性モノマー(東亜合成製、アロニックスM315 )4重量部、消泡剤(サンノプコ製、S−65)0.5 重量部、NMP 3.6重量部を攪拌混合して得た。
【0076】
〔樹脂組成物E〕
ポリエーテルスルフォン(PES)12重量部とエポキシ樹脂粒子(三洋化成製、ポリマーポール)の平均粒径 0.5μmのものの 14.49重量部とを混合した後、更にNMP30重量部を添加し、ビーズミルで攪拌混合して得た。
【0077】
〔硬化剤組成物F〕
イミダゾール硬化剤(四国化成製、2E4MZ-CN)2重量部、光開始剤(チバガイギー製、イルガキュア I−907 )2重量部、光増感剤(日本化薬製、DETX-S)0.2 重量部、NMP1.5 重量部を攪拌混合して得た。
【0078】
C.樹脂充填剤調製用の原料組成物
〔樹脂組成物G〕
ビスフェノールF型エポキシモノマー(油化シェル製、分子量310 、YL983U) 100重量部、表面にシランカップリング剤がコーティングされた平均粒径 1.6μmのSiO2 球状粒子(アドマテック製、CRS 1101−CE、ここで、最大粒子の大きさは後述する内層銅パターンの厚み(15μm)以下とする) 170重量部、レベリング剤(サンノプコ製、ペレノールS4)1.5 重量部を攪拌混合することにより、その混合物の粘度を23±1℃で45,000〜49,000cps に調整して得た。
【0079】
〔硬化剤組成物H〕
イミダゾール硬化剤(四国化成製、2E4MZ-CN)6.5 重量部。
【0080】
プリント配線板の製造
図1〜18は、一例の製造工程に従って示す、本発明にかかるプリント配線板の縦断面図である。
(1) 図1に示すような、厚さ1mmのガラスエポキシ樹脂又はBT(ビスマレイミドトリアジン)樹脂からなる基板1の両面に18μmの銅箔2がラミネートされている銅張積層板3を出発材料とした。
【0081】
まず、この銅張積層板3には、図2に示すように、ドリル孔4を削孔し、無電解めっき処理を施し、パターン状にエッチングすることにより、基板3の両面に内層銅パターン(下層導体回路)5とスルーホール6を形成した。
【0082】
(2) 内層銅パターン5とスルーホール6を形成した基板を水洗いし、乾燥した後、酸化浴(黒化浴)として、NaOH(10g/L)、NaClO2 (40g/L)、Na3PO4(6g/L)、還元浴として、NaOH(10g/L)、NaBH4 (6g/L)を用いた酸化−還元処理により、内層銅パターン5とスルーホール6の表面に粗化面7,8,9を設け、図2に示すような配線基板10を製造した。
【0083】
(3)Cの樹脂充填剤調製用の原料組成物を混合混練して樹脂充填剤を得、この樹脂充填剤を、調製後24時間以内に、基板10の両面にスキージを用いた印刷法で塗布することにより、導体回路5間又はスルーホール6内に充填し、乾燥炉内で100 ℃、20分間乾燥させ、他方の面についても同様にして樹脂充填剤を導体回路5間あるいはスルーホール6内に充填し、70℃、20分間で加熱乾燥させ、樹脂層11,12を形成した。
【0084】
(4) また、2回目の印刷塗布を行った。この塗布では、主に導体回路の形成で生じた凹部を充填して、導体回路間及びスル−ホ−ル内に充填剤を充填した後、前述の乾燥条件で乾燥させた(図示していない)。
【0085】
(5) 前記(4) の処理を終えた基板の片面を、#600 のベルト研磨紙(三共理化学製)を用いたベルトサンダー研磨により、内層銅パターン5の表面やスルーホール6のランド8の表面に樹脂充填剤が残らないように研磨し、次いで、前記ベルトサンダー研磨による傷を取り除くためのバフ研磨を行った。このような一連の研磨を基板の他方の面についても同様に行った。
【0086】
(6) 次いで、120 ℃で1時間、 150℃で1時間の加熱処理を行って樹脂充填剤を硬化し、図3に示すような配線基板13を作製した。この配線基板13では、スルーホール6等に充填された樹脂充填剤の表層部及び内層導体回路5の上面の粗化面7,8が除去されており、基板の両面が平滑化され、樹脂層11と内層導体回路5の側面とスルーホール6のランド表面とが粗化面7a,8aを介して強固に密着し、また、スルーホール6の内壁面と樹脂層12とが粗化面9を介して強固に密着している。即ち、この工程により、樹脂層11,12の表面と内層銅パターン5の表面が同一平面となる。
【0087】
(7) 導体回路を形成したプリント配線板13に、アルカリ脱脂してソフトエッチングして、次いで、塩化パラジウウムと有機酸からなる触媒溶液で処理して、Pd触媒を付与し、この触媒を活性化した後、硫酸銅3.9×10-2モル/L、硫酸ニッケル3.8×10-3モル/L、クエン酸ナトリウム7.8×10-3モル/L、次亜りん酸ナトリウム2.3×10-1モル/L、界面活性剤(日信化学工業製、サーフィール465)1.1×10-4モル/L、PH=9からなる無電解めっき液に浸積し、浸漬1分後に、3秒当たり1回に割合で縦及び横振動させて、図4に示すように、銅導体回路5とスルーホール6のランドの表面にCu−Ni−Pからなる針状合金の粗化層14,15を設けた。
【0088】
更に、ホウフッ化スズ0.1モル/L、チオ尿素1.0モル/L、温度35℃、PH=1.2の条件でCu−Sn置換反応させ、粗化層14,15の表面に厚さ0.3μmSn層を設けた。Sn層は特に図示していない。
【0089】
(8) Bの層間絶縁樹脂剤調製用の原料組成物を攪拌混合し、粘度1.5 Pa・sに調整して層間絶縁樹脂剤(下層用)を得た。次いで、Aの層間絶縁樹脂剤調製用の原料組成物を攪拌混合し、粘度7Pa・sに調整して層間絶縁樹脂剤溶液(上層用)を得た。
【0090】
(9) 前記(7) の基板16の両面に、前記(8) で得られた粘度 1.5Pa・sの層間樹脂絶縁剤(下層用)を、調製後24時間以内にロールコータで塗布し、水平状態で20分間放置してから、60℃で30分の乾燥(プリベーク)を行い、次に、前記(7) で得られた粘度7Pa・sの感光性の層間絶縁樹脂剤溶液(上層用)を、調製後24時間以内に塗布し、水平状態で20分間放置してから、60℃で30分の乾燥(プリベーク)を行い、図5に示すような厚さ35μmの層間絶縁樹脂層17を形成した。
【0091】
(10)前記(9) で層間絶縁樹脂層17を形成した基板の両面に、図6に示すように、85μmφの黒円18が印刷されたフォトマスクフィルム19を密着させ、超高圧水銀灯により 500mJ/cm2 で露光した。この基板をDMTG溶液でスプレー現像し、更に、超高圧水銀灯により3000mJ/cm2 で露光し、100 ℃で1時間、120 ℃で1時間、その後 150℃で3時間の加熱処理(ポストベーク)することにより、図7に示すような、フォトマスクフィルム19に相当する寸法精度に優れた85μmφの開口(バイアホール形成用開口)20を有する厚さ35μmの層間樹脂絶縁層(2層構造)17とした。なお、バイアホールとなる開口20には、スズめっき層を部分的に露出させた。
【0092】
(11)開口20が形成された基板を、クロム酸に19分間浸漬し、層間樹脂絶縁層17の表面に存在するエポキシ樹脂粒子を溶解除去することにより、この層間樹脂絶縁層17の表面を粗化し、図8に示すような粗化面21,22を形成し、その後、中和溶液(シプレイ社製)に浸漬してから水洗いし、粗化面及び層間絶縁樹脂層に残留したクロム酸等を除去した。
【0093】
更に、粗面化処理(粗化深さ3μm)した基板の表面に、パラジウム触媒(アトテック製)を付与することにより、層間樹脂絶縁層17の表面21とバイアホール用開口の内壁面22とに触媒核を付けた。
【0094】
(12)このようにして形成した配線基板を、以下に示す組成の無電解銅めっき水溶液中に基板を浸漬して、図9に示すように、粗面全体に厚さ0.6 〜1.2 μmの無電解銅めっき膜23を形成した。
〔無電解めっき水溶液〕
EDTA 0.080モル/L
硫酸銅 0.031モル/L
HCHO 0.053モル/L
NaOH 0.055モル/L
α、α’−ビピリジル 80 mg/L
PEG 0.1 g/L
〔無電解めっき条件〕
65℃の液温度で20分
【0095】
めっきによる金属層形成後、熱処理を100℃/30分+150℃/2時間にて行った。
【0096】
(13)前記(12)で形成した無電解銅めっき膜23上に、図10に示すように、黒円24が印刷された市販の感光性ドライフィルム25を張り付け、マスク26を載置して、100 mJ/cm2 で露光、0.8 %炭酸ナトリウムで現像処理し、図11に示すような、厚さ15μmのめっきレジスト27を設けた。
【0097】
(14)次いで、レジスト非形成部分に以下の条件で電解銅めっきを施し、図12に示すような厚さ15μmの電解銅めっき膜28を形成した。
〔電解めっき水溶液〕
硫酸 2.25モル/L
硫酸銅 0.26モル/L
添加剤(アトテックジャパン製、カパラシドHL)
19.5mL/L
〔電解めっき条件〕
電流密度 1A/dm2
時間 65分
温度 22±2℃
【0098】
(15)めっきレジスト27を5%KOHで剥離除去した後、電解めっき膜28の結晶状態を均一にするため、50℃/30分+80℃/30分+100℃/30分+120℃/30分+150℃/5時間熱処理し、電解めっき層の光沢度を1.20〜1.85にした。
【0099】
(16)熱処理後、めっきレジスト27の下の無電解めっき膜23を、硫酸と過酸化水素との混合液でエッチング処理して溶解除去し、図13に示すような、金属パターン層29と電解銅めっき膜28とからなる、厚さ18μmの導体回路30(バイアホール31を含む)を形成した。
【0100】
(17)導体回路が形成された多層プリント配線板の粗化面上の触媒を、クロム酸、過マンガン酸塩等の酸化剤に浸漬させて除去した後、(7) と同様の処理を行い、図14に示すようなCu-Ni-P からなる粗化層32を形成し、更に、その表面にSn置換を行った。(18)前記(8) 〜(17)の工程を繰り返すことにより、更に上層の導体回路を形成し、多層配線基板を得た。但し、表層の粗化面には、Sn置換は行わなかった。
【0101】
(19)一方、DMDGに溶解させた60重量%のクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬製)のエポキシ基50%をアクリル化した感光性付与のオリゴマー(分子量4000)を 46.67g、メチルエチルケトンに溶解させた80重量%のビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェル製、エピコート1001)15.0g、イミダゾール硬化剤(四国化成製、2E4MZ-CN)1.6 g、感光性モノマーである多価アクリルモノマー(日本化薬製、R604 )3g、同じく多価アクリルモノマー(共栄社化学製、DPE6A ) 1.5g、分散系消泡剤(サンノプコ社製、S−65)0.71gを混合し、更に、この混合物に対して光開始剤としてのベンゾフェノン(関東化学製)を2g、光増感剤としてのミヒラーケトン(関東化学製)を 0.2g加えて、粘度を25℃で 2.0Pa・sに調整したソルダーレジスト用組成物を得た。なお、粘度測定は、B型粘度計(東京計器、 DVL-B型)で 60rpmの場合はローターNo.4、6rpm の場合はローターNo.3によった。
【0102】
(20)前記(18)で得られた多層プリント配線基板(図面では2層の導体回路を有するプリント配線板を図示した)の両面に、図15に示すようにして、このソルダーレジスト用組成物33を20μmの厚さで塗布した。次いで、70℃で20分間、70℃で30分間の乾燥処理を行った後、図16に示すように、円パターン(マスクパターン)34が描画された厚さ5mmのフォトマスクフィルム35を密着させて載置し、1000mJ/cm2 の紫外線で露光し、DMTG現像処理した。そして、更に、80℃で1時間、 100℃で1時間、 120℃で1時間、 150℃で3時間の条件で加熱処理し、図17に示すように、はんだパッド部分36(バイアホールとそのランド部分37を含む)を開口した(開口径 200μm)ソルダーレジスト層(厚み20μm)38を形成し、プリント配線板39を製造した。
【0103】
(21)次に、ソルダーレジスト層38を形成した基板39を、塩化ニッケル2.3×10-1モル/L、次亜リン酸ナトリウム2.8×10-1モル/L、クエン酸ナトリウム1.6×10-1モル/LからなるpH=4.5の無電解ニッケルめっき液に20分間浸漬して、図18に示すような、厚さ5μmのニッケルめっき層40を開口部36,37に形成した。更に、その基板を、シアン化金カリウム7.6 ×10-3モル/L、塩化アンモニウム1.9 ×10-1モル/L、クエン酸ナトリウム1.2 ×10-1モル/L、次亜リン酸ナトリウム1.7 ×10-1モル/Lからなる無電解金めっき液に80℃の条件で7.5分間浸漬して、ニッケルめっき層40上に厚さ0.03μmの金めっき層41を形成した。
【0104】
(22)そして、ソルダーレジスト層38の開口部に、はんだペーストを印刷して 230℃でリフローすることによりはんだバンプ(はんだ体)42を形成し、はんだバンプ42を有するプリント配線板43を製造した。
【0105】
比較例1
基本的に実施例と同様であるが、めっきレジスト層除去後の電解めっき層の熱処理を150℃/1時間+180℃/1時間+270℃/2時間で行った。
【0106】
比較例2
基本的に実施例と同様であるが、めっきレジスト層除去後の熱処理を45℃/30分で行った。
【0107】
以上、実施例および比較例で製造されたプリント配線板について、熱処理後のめっき層の光沢度、導体回路形成後の線細り、断線の発生率、導体回路と層間絶縁樹脂層との剥離の有無の4項目について評価した。表1に実施例と比較例の評価結果を示した
【0108】
【表1】
Figure 0004215872
【0109】
表1に示すように、実施例では、電解めっき層の光沢度は、1.20〜1.85の範囲に制御されており、配線の線細り、断線、剥離は発生しなかった。
【0110】
【発明の効果】
上述したように、本発明によれば、金属層をエッチングする前の電解めっき層が1.20〜1.85の表面光沢度になるように熱処理されており、電解めっき層が過剰エッチングされることなく、金属層を上層導体回路の所望パターンに従ってパターン化するためのエッチングレジスト層として働き、得られる導体回路に線細りや断線が起きず、接続信頼性に優れたプリント配線板を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる一例の多層プリント配線板の製造工程図である。
【図2】本発明にかかる一例の多層プリント配線板の製造工程図である。
【図3】本発明にかかる一例の多層プリント配線板の製造工程図である。
【図4】本発明にかかる一例の多層プリント配線板の製造工程図である。
【図5】本発明にかかる一例の多層プリント配線板の製造工程図である。
【図6】本発明にかかる一例の多層プリント配線板の製造工程図である。
【図7】本発明にかかる一例の多層プリント配線板の製造工程図である。
【図8】本発明にかかる一例の多層プリント配線板の製造工程図である。
【図9】本発明にかかる一例の多層プリント配線板の製造工程図である。
【図10】本発明にかかる一例の多層プリント配線板の製造工程図である。
【図11】本発明にかかる一例の多層プリント配線板の製造工程図である。
【図12】本発明にかかる一例の多層プリント配線板の製造工程図である。
【図13】本発明にかかる一例の多層プリント配線板の製造工程図である。
【図14】本発明にかかる一例の多層プリント配線板の製造工程図である。
【図15】本発明にかかる一例の多層プリント配線板の製造工程図である。
【図16】本発明にかかる一例の多層プリント配線板の製造工程図である。
【図17】本発明にかかる一例の多層プリント配線板の製造工程図である。
【図18】本発明にかかる一例の多層プリント配線板の製造工程図である。
【符号の説明】
1 基板
2 銅箔
3 銅張積層板
4 ドリル孔
5 内層銅パターン(下層導体回路)
6 スルーホール
7,7a,8,8a,9 粗化面
10,13,16 配線基板
11,12 樹脂層
14,15,32 粗化層
17 層間絶縁樹脂層
18,24 黒円
19,35 フォトマスクフィルム
20 開口(バイアホール形成用開口)
23 無電解銅めっき膜
25 感光性ドライフィルム
26 マスク
27 めっきレジスト
28 電解銅めっき膜
29 金属パターン層
30 導体回路
31 バイアホール
33 ソルダーレジスト用組成物
34 円パターン(マスクパターン)
36 はんだパッド部分
37 バイアホールとそのランド部分
38 ソルダーレジスト層
39,43 プリント配線板
40 ニッケルめっき層
41 金めっき層
42 はんだバンプ(はんだ体)

Claims (8)

  1. 基板と前記基板上の下層導体回路と前記下層導体回路上の層間絶縁樹脂層と前記層間絶縁樹脂層上の上層導体回路とを備えている多層プリント配線板であって、
    上層導体回路が金属パターン層と前記金属パターン層上の電解めっき層とを備えており、前記電解めっき層が熱処理されており、前記電解めっき層の表面1.20〜1.85( グラフィックアーツマニュファクチャリングカンパニー製 GAMMODEL 144 DENSITOMETER による数値 )の光沢度を有しており、前記金属パターン層が層間絶縁樹脂層上の金属層のエッチングによって形成されており、前記金属層のエッチングの際、前記電解めっき層が、前記電解めっき層下の前記金属層のエッチングを防ぎ、前記金属層をパターン化するために働くことを特徴とする、多層プリント配線板。
  2. 前記電解めっき層が、5〜20μmの厚さを有していることを特徴とする、請求項1記載の多層プリント配線板。
  3. 前記電解めっき層が、銅又はニッケルから形成されていることを特徴とする、請求項1又は2記載の多層プリント配線板。
  4. 多層プリント配線板を製造するための被処理体であって、
    基板と前記基板上の下層導体回路と前記下層導体回路上の層間絶縁樹脂層と前記層間絶縁樹脂層上の金属層と前記金属層上の電解めっき層とを備えており、前記電解めっき層が熱処理されており、前記電解めっき層の表面1.20〜1.85( グラフィックアーツマニュファクチャリングカンパニー製 GAMMODEL 144 DENSITOMETER による数値 )の光沢度を有しており、多層プリント配線板を製造するために前記被処理体をエッチングして前記層間絶縁樹脂層上に上層導体回路を形成する際、前記金属層が前記電解めっき層の非形成部分でエッチングされ、前記電解めっき層が前記電解めっき層下の前記金属層のエッチングを防ぎ得ることを特徴とする、被処理体。
  5. 基板と前記基板上の下層導体回路と前記下層導体回路上の層間絶縁樹脂層と前記層間絶縁樹脂層上の上層導体回路とを備え、前記上層導体回路が金属パターン層と前記金属パターン層上の電解めっき層とを備えている多層プリント配線板を得るにあたり、
    (a)層間絶縁樹脂層上に金属層を設ける工程
    (b) 電解めっき層を金属層上に上層導体回路の所望パターンに従って形成する工程
    (c)電解めっき層を熱処理し、前記電解めっき層の表面を1.20〜1.85( グラフィックアーツマニュファクチャリングカンパニー製 GAMMODEL 144 DENSITOMETER による数値 )の光沢度に制御する工程及び
    (d)前記金属層を前記電解めっき層の非形成部分でエッチングし、金属パターン層を形成する工程
    を備えることを特徴とする、多層プリント配線板の製造方法。
  6. 前記熱処理の温度を、常温から段階的に上げていくことを特徴とする、請求項5記載の多層プリント配線板の製造方法。
  7. 前記熱処理を、50〜250℃の温度範囲で行うことを特徴とする、請求項5又は6記載の多層プリント配線板の製造方法。
  8. 基板と前記基板上の下層導体回路と前記下層導体回路上の層間絶縁樹脂層と前記層間絶縁樹脂層上の上層導体回路とを備えている多層プリント配線板であって、
    請求項 4 記載の被処理体の処理又は請求項5〜7のいずれか一項記載の多層プリント配線板の製造方法によって製造されていることを特徴とする、多層プリント配線板。
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