JP2000077846A - プリント配線板の製造方法 - Google Patents

プリント配線板の製造方法

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JP2000077846A
JP2000077846A JP24145098A JP24145098A JP2000077846A JP 2000077846 A JP2000077846 A JP 2000077846A JP 24145098 A JP24145098 A JP 24145098A JP 24145098 A JP24145098 A JP 24145098A JP 2000077846 A JP2000077846 A JP 2000077846A
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resin
layer
drying
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hot air
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JP24145098A
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English (en)
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Yasushi Inagaki
靖 稲垣
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Ibiden Co Ltd
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Ibiden Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 樹脂充填層の乾燥(プリベーク)後の硬化を
十分にして、樹脂充填層と層間絶縁樹脂層との剥離を起
こさない、密着性に優れたプリント配線板の製造方法に
ついて提案すること。 【解決手段】 本発明にかかるプリント配線板の製造方
法は、コア基板に導体回路とスルーホールを有するプリ
ント配線板の製造方法において、その導体回路間の凹部
およびスルーホール内に樹脂充填剤を充填し、この樹脂
充填剤を乾燥,研磨,硬化処理することにより、基板表
面の平滑化を行うに当たり、前記樹脂充填剤の乾燥処理
を、風速 2.0m/sec.以下の熱風下で行うことを特徴と
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プリント配線板の
製造方法に関し、樹脂充填層とその上層に設ける層間絶
縁樹脂層との界面で剥がれが生じない、信頼性に優れる
プリント配線板の製造方法について提案する。
【0002】
【従来の技術】特開平8−262811号公報や特願平8−20
9820公報などには、コア基板に設けた導体回路の間隙に
生じる凹部あるいはスルーホールを樹脂で埋める技術が
開示されている。
【0003】この技術によれば、凹部を有するコア基板
表面に、樹脂成分であるビスフェノール型エポキシ樹脂
と硬化剤であるイミダゾール硬化剤と添加成分である無
機粒子を含む無溶剤の樹脂充填剤を塗布してその凹部を
充填し、乾燥(プリベーク)した後、研磨してから本硬
化を行うことにより、コア基板に設けた導体回路および
スルーホールに起因した表面凹凸部を平滑化することが
できる。
【0004】特に、層間樹脂絶縁層と導体回路層を繰り
返し形成してなるビルドアップ多層プリント配線板にあ
っては、コア基板が平滑化されているので、上層に設け
る層間絶縁層および導体回路層に凹凸部が生じることは
なく、しかも、層間剥離が生じないので、ヒートサイク
ル等の信頼性試験においてもクラックや剥がれなどを引
き起こすことがない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、コア基
板表面の凹部に充填した樹脂充填剤は、乾燥(プリベー
ク)の段階では、60%〜80%程度の硬化が必要であるに
もかかわらず未だ硬化してない部分があり、その未硬化
部分には、十分に硬化の進んだ部分に比べて柔らかく粘
着性が高いため異物が付きやすい。そのため、乾燥後に
行う研磨工程において、前記樹脂充填剤の未硬化部分に
は、導体回路の研磨片や研磨紙の砥粒などが異物として
突き刺さりやすくなる。
【0006】したがって、このようにして樹脂充填層表
面に異物が付着した基板の上層に、層間樹脂絶縁層と導
体回路層を繰り返し形成してなるビルドアップ多層プリ
ント配線板においては、コア基板や各層の表面が平滑化
されていても、ヒートサイクル試験などの信頼性試験の
際に、その異物が起点となって樹脂充填層と層間樹脂絶
縁層の界面で剥離を招くという問題があった。
【0007】そこで、本発明は、上記従来技術が抱える
問題を解決するためになされたものであり、その主たる
目的は、樹脂充填層の乾燥(プリベーク)後の硬化を十
分にして、樹脂充填層と層間絶縁樹脂層との剥離を起こ
さない、密着性に優れたプリント配線板の製造方法につ
いて提案する。
【0008】
【課題を解決するための手段】発明者は、上記目的の実
現に向け鋭意研究した。その結果、乾燥後の樹脂充填層
の未硬化部分は、十分に硬化した部分に比べて膜厚が薄
く、乾燥炉内で熱風が吹きつけられる配線板の風上部分
に発生することを知見した。この原因は、熱風により、
樹脂充填層中の硬化剤や重合剤などが気化して減少して
しまい、硬化反応が進行せず、乾燥後に未硬化部分が生
じるものと考えられる。
【0009】発明者は、この知見に基づいてさらに研究
した結果、乾燥時の乾燥炉内における熱風の風速を 2.0
m/sec.以下にすることにより、樹脂充填層中の硬化剤
や重合剤などの硬化反応に必要な成分の気化が抑制で
き、未硬化部分がなくなることを見出した。さらに、上
記乾燥における熱風の風速条件を2段階にすること、即
ち 2.0m/sec.を超えるような風速条件下の熱風乾燥
(プリベーク)工程を付加することにより、乾燥炉内の
温度バラツキをなくすことができ、風速を抑えながら
も、乾燥(プリベーク)後の未硬化部分の発生がなく、
かつ硬化反応を十分にすることができることを見出し
た。このようにして、乾燥による樹脂充填層の硬化が十
分に行われると、ヒートサイクル試験などの信頼性試験
においても、樹脂充填層と層間絶縁樹脂層との剥離を起
こさず、層間絶縁樹脂層との密着性が向上することを知
見した。
【0010】本発明はこのような知見に基づいてなされ
たものであり、その要旨構成は以下のとおりである。即
ち、本発明にかかるプリント配線板の製造方法は、コア
基板に導体回路とスルーホールを有するプリント配線板
の製造方法において、その導体回路間の凹凸部およびス
ルーホール内に樹脂充填剤を充填し、この樹脂充填剤を
乾燥,研磨,硬化処理することにより、基板表面の平滑
化を行うに当たり、前記樹脂充填剤の乾燥処理を、風速
2.0m/sec.以下の熱風下で行うことを特徴とする。な
お、前記樹脂充填剤の乾燥処理を、風速 2.0m/sec.以
下の熱風下で行った後、さらに、 2.0〜10m/sec.の熱
風下で行うことが好ましく、また、風速 2.0m/sec.以
下の熱風下で行う前記樹脂充填剤の乾燥処理は、80〜15
0 ℃の熱風を用いて行うことが好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明にかかるプリント配線板の
製造方法は、配線を施したプリント配線板上に樹脂充填
剤を印刷することにより、その配線に起因した凹凸部を
充填して基板表面を平滑化するに当たり、その樹脂充填
剤の乾燥処理を、風速 2.0m/sec.以下の熱風下で行う
点に特徴がある。
【0012】特に本発明では、樹脂充填剤を印刷した後
の乾燥(プリベーク)を、プリント配線板を熱風にさら
すことにより行うが、その熱風乾燥は、熱風条件を2段
階にして行うことが望ましい。ここで、1段階目の熱風
乾燥は、80〜150 ℃の熱風で風速条件を 2.0m/sec.以
下にして行ない、より好ましくは 100℃の熱風で風速条
件を 1.0m/sec.以下にして行う。2段階目の熱風乾燥
は、前段階と同一温度かそれより高い温度である80〜15
0 ℃の熱風で風速条件を 2.0〜10m/sec.の範囲にして
行うことが望ましい。2段階目の風速条件を 2.0〜10m
/sec.とした理由は、 2.0m/sec.未満では、乾燥炉内
の温度バラツキが発生し、乾燥(プリベーク)時の硬化
反応が不均一になる。一方、10m/sec.を超えると硬化
剤などの硬化反応成分が気化して減少するため、乾燥時
の硬化反応が不十分になるからである。場合によって
は、熱風条件を3段階以上にして行うこともあるが、3
段階目以降の熱風条件は、上記2段階目の熱風条件とす
ることが望ましい。
【0013】上記熱風の風速条件を調整する方法とし
て、例えば、ただ単に熱風吹き出し口の角度および開口
径などを変更する方法があるが、その他、乾燥炉に設定
されている送風用ファンのインバーターのHz数を変え
たり、電流値を変更したりする方法などがある。
【0014】なお、本発明での熱風の風速は、例えば、
熱風吹き出し口から 1.0mの位置に基板を置き、その基
板の風上側の端部に測定器械を設置して測定することが
できる。この測定器械としては、例えば、ニホンカガク
(株)製のANOMAX ANEMOMASTER MODEL-6631 を用いるこ
とができる。
【0015】このようにして乾燥(プリベーク)処理し
た後の樹脂充填剤は、研磨可能な状態(全モノマー数の
60〜80%を硬化させた状態)とし、完全に硬化した状態
ではないことが望ましい。この理由は、次工程の研磨工
程における研磨がしやすい状態だからである。
【0016】本発明における基板表面の平滑化は、導体
回路間の凹凸部およびスルーホール内に充填して乾燥し
た樹脂充填剤を、表面研磨して、導体回路、スルーホー
ルのランド部分、バイアホールのランド部分を露出させ
ることにより行う。これらの導体表面を露出させるの
は、充填樹脂が導体回路やランド部分に付着していると
導通不良の原因になるからである。なお、研磨方法は、
バフ研磨やベルトサンダーなどの方法が好ましい。本発
明では、基板表面を平滑化した後、本硬化を行って樹脂
充填剤を完全に硬化させる。
【0017】このような本発明の製造方法において、樹
脂充填剤は、樹脂成分、硬化剤、添加成分から構成され
ていることが好ましい。また、この樹脂充填剤は、23±
1℃における粘度を 0.3×105cps〜 1.0×105cps( 0.5
×102 Pa・s〜 1.0×102 Pa・s)程度になるように調
整しておくことが好ましい。樹脂成分としては、ビスフ
ェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキ
シ樹脂を用いることができ、特にビスフェノールF型エ
ポキシ樹脂を用いることが望ましい。硬化成分として
は、イミダゾール硬化剤を用いることが望ましい。イミ
ダゾール硬化剤としては、2−メチルイミダゾール(品
名;2MZ)、4−メチル−2−エチルイミダゾール
(品名;2E4MZ)、2−フェニルイミダゾール(品
名;2PZ)4−メチル−2−フェニルイミダゾール
(品名;2P4MZ)、1−ベンジル−2−メチルイミ
ダゾール(品名;1B2MZ)、2−メチルイミダゾー
ル(品名;2EZ)、2−イソプロピルイミダゾール
(品名;2IZ)、1−シアノエチル−2−エチル−4
−メチルイミダゾール(品名;2E4MZ−CN)、1
−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール(品名;
11Z−CN)などがある。なかでも、25℃で液状のイ
ミダゾール硬化剤を用いることが望ましく、例えば、1
−ベンジル−2−メチルイミダゾール(品名;1B2M
Z)、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミ
ダゾール(品名;2E4MZ−CN)、4−メチル−2
−エチルイミダゾール(品名;2E4MZ)が挙げられ
る。このイミダゾール硬化剤は、樹脂充填剤中の含有量
で、1〜10重量%であることが望ましい。添加成分とし
ては、シリカ、アルミナ、ムライト、ジルコニアなどの
無機粒子を用いることが望ましい。この無機粒子は、平
均粒子径が 0.1〜5.0 μmであり、配合量がビスフェノ
−ル型エポキシ樹脂に対して 1.0〜2.0 倍程度であるこ
とが望ましい。
【0018】以下、本発明のプリント配線基板を製造す
る方法について一例を挙げて具体的に説明する。なお、
以下に説明する方法は、セミアディティブ法によるもの
であるが、本発明の製造方法では、フルアディティブ法
を採用してもよい。 (1)まず、基板の表面に導体回路を形成した配線基板を
作成する。基板としては、ガラスエポキシ基板、ポリイ
ミド基板、ビスマレイミド−トリアジン樹脂基板等の樹
脂絶縁基板、セラミック基板、金属基板等を用いること
ができる。この基板への導体回路の形成は、該基板に無
電解めっき用接着剤層を形成し、この接着剤層表面を粗
化して粗面とし、この粗面全体に薄付けの無電解めっき
を施し、次いで、めっきレジストを形成し、該めっきレ
ジストの非形成部分に厚付けの電解めっきを施した後、
めっきレジストを除去し、さらにエッチング処理して、
電解めっき膜と無電解めっき膜とからなる導体回路とす
る方法により行われる。この導体回路は、いずれも銅パ
タ−ンがよい。なお、基板には、スルーホールが形成さ
れ、このスルーホールを介して表面と裏面の配線層を電
気的に接続することができる。
【0019】(2)このようにして導体回路を形成した基
板には、導体回路あるいはスルーホールにより、凹凸部
が形成される。本発明では、この凹部を埋めて配線基板
の表面を平滑化するために、まず基板上に樹脂充填剤を
印刷にて塗布し、乾燥した後、不要な樹脂充填剤を研磨
により研削し、導体回路を露出させたのち、樹脂充填剤
を本硬化させる。特に本発明では、この工程での乾燥処
理を、前述したように風速 2.0m/sec.以下の熱風下で
行う点に特徴がある。
【0020】(3)次に、前記(2) で表面を平滑化した配
線基板の上に、層間樹脂絶縁層を形成する。特に層間樹
脂絶縁層としては、無電解めっき用接着剤を用いること
が望ましい。なお、層間樹脂絶縁層は組成の異なる2層
の絶縁層にて構成してもよい。
【0021】この無電解めっき用接着剤は、硬化処理さ
れた酸あるいは酸化剤に可溶性の耐熱性樹脂粒子が、酸
あるいは酸化剤に難溶性の未硬化の耐熱性樹脂中に分散
されてなるものが最適である。この理由は、酸、酸化剤
で処理することにより、耐熱性樹脂粒子が溶解除去され
て、表面に蛸つぼ状のアンカーからなる粗化面を形成で
きるからである。上記無電解めっき用接着剤において、
特に硬化処理された前記耐熱性樹脂粒子としては、平
均粒径が10μm以下の耐熱性樹脂粉末、平均粒径が2
μm以下の耐熱性樹脂粉末を凝集させた凝集粒子、平
均粒径が2〜10μmの耐熱性粉末樹脂粉末と平均粒径が
2μm以下の耐熱性樹脂粉末との混合物、平均粒径が
2〜10μmの耐熱性樹脂粉末の表面に平均粒径が2μm
以下の耐熱性樹脂粉末または無機粉末のいずれか少なく
とも1種を付着させてなる疑似粒子、平均粒径が0.1
〜0.8 μmの耐熱性樹脂粉末と平均粒径が 0.8μmを超
え、2μm未満の耐熱性樹脂粉末との混合物、平均粒
径が 0.1〜1.0 μmの耐熱性樹脂粉末を用いることが望
ましい。これらは、より複雑なアンカーを形成できるか
らである。
【0022】上記無電解めっき用接着剤を構成する酸や
酸化剤に難溶性の前記耐熱性樹脂としては、「熱硬化性
樹脂および熱可塑性樹脂からなる樹脂複合体」または
「感光性樹脂および熱可塑性樹脂からなる樹脂複合体」
を用いることが望ましい。前者については耐熱性が高
く、後者についてはバイアホール用の開口をフォトリソ
グラフィーにより形成できるからである。ここで、熱硬
化性樹脂(感光性樹脂)と熱可塑性樹脂の混合割合は、
熱硬化性樹脂(感光性樹脂)/熱可塑性樹脂=95/5〜
50/50がよい。この理由は、耐熱性を損なうことなく、
高い靱性値を確保できる範囲だからである。熱硬化性樹
脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミ
ド樹脂などを用いることができる。また、感光性樹脂と
しては、熱硬化性樹脂の熱硬化基をメタクリル酸やアク
リル酸などと反応させてアクリル化させたものがある。
なかでもエポキシ樹脂のアクリレートが最適である。な
お、エポキシ樹脂としては、フェノールノボラック型、
クレゾールノボラック型などのノボラック型エポキシ樹
脂、ジシクロペンタジエン変成した脂環式エポキシ樹脂
などを使用することができる。熱可塑性樹脂としては、
ポリエーテルスルフォン(PES)、ポリスルフォン
(PSF)、ポリフェニレンスルフォン(PPS)、ポ
リフェニレンサルファイド(PPES)、ポリフェニル
エーテル(PPE)、ポリエーテルイミド(PI)など
が使用できる。
【0023】上記無電解めっき用接着剤を構成する耐熱
性樹脂粒子としては、アミノ樹脂(メラミン樹脂、尿素
樹脂、グアナミン樹脂)、エポキシ樹脂などを用いるこ
とが望ましい。この耐熱性樹脂粒子の配合量は、上記耐
熱性樹脂マトリックスの固形分に対して5〜50重量%、
望ましくは10〜40重量%がよい。
【0024】(4)次に、層間樹脂絶縁層を硬化する一方
で、その層間樹脂絶縁層にはバイアホール形成用の開口
を設ける。層間樹脂絶縁層の硬化および開口は、無電解
めっき用接着剤の樹脂マトリックスが熱硬化樹脂である
場合には、100 ℃×30分以上で硬化してからレーザー光
や酸素プラズマ等を用いて穿孔し、感光性樹脂である場
合には、露光現像処理にて穿孔してから 150℃×3時間
以上で熱硬化する。なお、露光現像処理は、バイアホ−
ル形成のための円パタ−ンが描画されたフォトマスク
(ガラス基板がよい)を、円パタ−ン側を感光性の層間
樹脂絶縁層の上に密着させて載置したのちに行う。
【0025】(5)次に、バイアホ−ル形成用開口を設け
た層間樹脂絶縁層(無電解めっき用接着剤層)の表面を
粗化する。特に本発明では、無電解めっき用接着剤層の
表面に存在する耐熱性樹脂粒子を酸または酸化剤で溶解
除去することにより、接着剤層表面を粗面化する。これ
により、層間絶縁樹脂層に粗化層が形成される。
【0026】前記酸としては、リン酸、塩酸、硫酸、ま
たは蟻酸や酢酸等の有機酸を用いることができ、なかで
も有機酸を用いることが望ましい。この理由は、粗化処
理した場合に、バイアホ−ル用開口から露出する金属導
体層を腐食させにくいからである。前記酸化剤として
は、クロム酸、過マンガン酸塩(過マンガン酸カリウム
等)の水溶液を用いることが望ましい。
【0027】このようにして形成した粗化層は、最大粗
度Rmax で 0.1〜20μmであることが望ましい。この理
由は、粗化層の粗度が大きすぎると粗化層自体が損傷、
剥離しやすく、一方、薄すぎると密着性が低下するから
である。特にセミアディティブ法では、 0.1〜5μmで
あることが望ましい。この理由は、密着性を確保しつ
つ、無電解めっき膜を除去できるからである。
【0028】(6)次に、層間樹脂絶縁層表面を粗化した
基板に、触媒核を付与した後、その基板全面に薄付けの
無電解めっき膜を形成する。この無電解めっき膜は無電
解銅めっき膜であることが望ましく、その厚みは、1〜
5μm、より望ましくは2〜3μmがよい。なお、無電
解銅めっき水溶液としては、常法で採用される液組成の
ものを使用することができ、例えば、硫酸銅:29g/
l、炭酸ナトリウム:25g/l、EDTA: 140g/
l、水酸化ナトリウム:40g/l、37%ホルムアルデヒ
ド: 150mlの水溶液(pH=11.5)からなる液組成の
ものがよい。
【0029】(7)次に、このようにして形成した無電解
めっき膜上に感光性樹脂フィルム(ドライフィルム)を
ラミネ−トし、この感光性樹脂フィルム上に、めっきレ
ジストパタ−ンが描画されたフォトマスク(ガラス基板
がよい)を密着させて載置し、露光し、現像処理するこ
とにより、めっきレジストパタ−ンを配設した非導体部
分を形成する。
【0030】(8)次に、無電解銅めっき膜上のめっきレ
ジストパターン(非導体部分)以外に電解めっき膜を形
成し、導体回路とバイアホ−ルとなる導体部を設ける。
この電解めっき膜は電解銅めっき膜であることが望まし
く、その厚みは10〜20μmがよい。
【0031】(9)次に、非導体部分のめっきレジストを
除去した後、さらに、硫酸と過酸化水素の混合液や過硫
酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、塩化第二鉄、塩化
第二銅等の水溶液からなるエッチング液にて無電解めっ
き膜を除去し、無電解めっき膜と電解めっき膜の2層か
らなる独立した導体回路とバイアホ−ルを得る。なお、
非導体部分に露出した粗化面上のパラジウム触媒核は、
クロム酸、硫酸過水等の水溶液により溶解除去する。こ
のようにして本発明方法で形成される導体は、無電解め
っき膜または電解めっき膜からなることが望ましい。こ
の理由は、厚延銅箔をエッチングした導体回路では、次
工程の粗化層が表面に形成されにくいからである。
【0032】(10) 次に、表層の導体回路に粗化層を形
成する。形成される粗化層は、エッチング処理、研磨処
理、酸化処理、酸化還元処理により形成された銅の粗化
面もしくはめっき被膜により形成された粗化面であるこ
とが望ましい。
【0033】(11) 次に、前記導体回路上にソルダ−レ
ジスト層を形成する。このソルダーレジスト層は、その
厚さが5〜40μmであることが望ましい。この理由は、
薄すぎるとソルダーダムとして機能せず、厚すぎると開
口しにくくなる上、はんだ体と接触してはんだ体に生じ
るクラックの原因となるからである。ソルダーレジスト
層としては、種々の樹脂を使用でき、例えば、ビスフェ
ノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ
樹脂のアクリレート、ノボラック型エポキシ樹脂、ノボ
ラック型エポキシ樹脂のアクリレートを、アミン系硬化
剤やイミダゾール硬化剤などで硬化させた樹脂が使用で
きる。特に、ソルダーレジスト層に開口を設けてはんだ
バンプを形成する場合には、「ノボラック型エポキシ樹
脂、もしくはノボラック型エポキシ樹脂のアクリレー
ト」からなり、「イミダゾール硬化剤」を硬化剤として
含むものが好ましい。このような構成のソルダーレジス
ト層は、鉛のマイグレーション(鉛イオンがソルダーレ
ジスト層内を拡散する現象)が少ないという利点を持
つ。なかでも、ノボラック型エポキシ樹脂のアクリレー
トをイミダゾール硬化剤で硬化した樹脂層からなるソル
ダーレジスト層は、耐熱性、耐アルカリ性に優れ、はん
だが溶融する温度(200 ℃前後)でも劣化しないし、ニ
ッケルめっきや金めっきのような強塩基性のめっき液で
分解することもない。このようなソルダーレジスト層
は、剛直骨格を持つ樹脂で構成されるので剥離が生じや
すい。この点では、上記導体表面に設けた粗化層が、こ
のような剥離を防止することができる。
【0034】ここで、上記ノボラック型エポキシ樹脂の
アクリレートとしては、フェノールノボラックやクレゾ
ールノボラックのグリシジルエーテルを、アクリル酸や
メタクリル酸などと反応させたエポキシ樹脂などを用い
ることができる。上記イミダゾール硬化剤は、25℃で液
状であることが望ましい。液状であれば均一混合できる
からである。このような液状イミダゾール硬化剤として
は、1-ベンジル−2-メチルイミダゾール(品名:1B2MZ
)、1-シアノエチル−2-エチル−4-メチルイミダゾー
ル(品名:2E4MZ-CN)、4-メチル−2-エチルイミダゾー
ル(品名:2E4MZ )を用いることができる。このイミダ
ゾール硬化剤の添加量は、上記ソルダーレジスト組成物
の総固形分に対して1〜10重量%とすることが望まし
い。この理由は、添加量がこの範囲内にあれば均一混合
がしやすいからである。
【0035】なお、上記ソルダーレジストの硬化前組成
物は、溶媒としてグリコールエーテル系の溶剤を使用す
ることが望ましい。このような溶媒を用いたソルダーレ
ジスト層は、遊離酸素が発生せず、銅パッド表面を酸化
させない。また、人体に対する有害性も少ない。このよ
うなグリコールエーテル系溶媒としては、下記構造式の
もの、特に望ましくは、ジエチレングリコールジメチル
エーテル(DMDG)およびトリエチレングリコールジ
メチルエーテル(DMTG)から選ばれるいずれか少な
くとも1種を用いる。これらの溶剤は、30〜50℃程度の
加温により反応開始剤であるベンゾフェノンやミヒラー
ケトンを完全に溶解させることができるからである。 CH3O-(CH2CH2O) n −CH3 (n=1〜5) このグリコールエーテル系溶媒の配合量は、ソルダーレ
ジスト組成物の全重量に対して10〜40wt%がよい。
【0036】以上説明したようなソルダーレジスト組成
物には、その他に、各種消泡剤やレベリング剤、耐熱性
や耐塩基性の改善と可撓性付与のために熱硬化性樹脂、
解像度改善のために感光性モノマーなどを添加すること
ができる。例えば、レベリング剤としてはアクリル酸エ
ステルの重合体からなるものがよい。また、開始剤とし
ては、チバガイギー製のイルガキュアI 907、光増感剤
としては日本化薬製のDETX−Sがよい。
【0037】添加成分としての上記熱硬化性樹脂として
は、ビスフェノール型エポキシ樹脂を用いることができ
る。このビスフェノール型エポキシ樹脂には、ビスフェ
ノールA型エポキシ樹脂とビスフェノールF型エポキシ
樹脂があり、耐塩基性を重視する場合には前者が、低粘
度化が要求される場合(塗布性を重視する場合)には後
者がよい。添加成分としての上記感光性モノマーとして
は、多価アクリル系モノマーを用いることができる。多
価アクリル系モノマーは、解像度を向上させることがで
きるからである。例えば、多価アクリル系モノマーが望
ましい。具体的には、日本化薬製のDPE−6A、共栄
社化学製のR−604 がある。
【0038】さらに、ソルダーレジスト組成物には、色
素や顔料を添加してもよい。配線パターンを隠蔽できる
からである。この色素としてはフタロシアニングリーン
を用いることが望ましい。
【0039】また、これらのソルダーレジスト組成物
は、25℃で 0.5〜10Pa・s、より望ましくは1〜10Pa・
sがよい。ロールコータで塗布しやすい粘度だからであ
る。
【0040】(12) 前記(11)でソルダ−レジスト層を形
成した後、はんだバンプ形成用の開口を設け、この開口
部に無電解ニッケルめっきにてニッケルめっき層を形成
し、さらにニッケルめっき層上に無電解金めっきにて金
めっき層を形成する。ソルダ−レジスト層の開口は、露
光、現像処理により設けることが望ましい。無電解ニッ
ケルめっきは、ソルダーレジスト層の開口部および表面
を脱脂液にて洗浄し、開口部に露出した導体部分にパラ
ジウムなどの触媒を付与し、活性化させた後、ニッケル
めっき液に浸漬することにより行う。このニッケルめっ
き液としては、例えば、硫酸ニッケル 4.5g/l、次亜
リン酸ナトリウム25g/l、クエン酸ナトリウム40g/
l、ホウ酸12g/l、チオ尿素 0.1g/lの水溶液から
なるpH=11のめっき液がある。このニッケルめっきに
よるめっき層は、その厚みを 0.5〜20μm、より好まし
くは3〜10μmとすることが好ましい。この理由は、
0.5μm未満では、はんだバンプとニッケルめっき層の
接続が取れにくく、一方20μm超では、開口部に形成し
たはんだバンプが収まりきれず、剥がれたりするからで
ある。無電解金めっきは、金イオン、錯化剤、還元剤等
からなるめっき液を60℃以上の温度にした中に10分以上
浸すことにより、0.01〜0.1 μmの金めっき層を形成さ
せる。この金めっきによるめっき層は、その厚みを0.03
μmとすることが好ましい。
【0041】(13) そして、ソルダ−レジスト層の開口
部にはんだペーストを印刷してリフローすることにより
はんだバンプを形成し、はんだバンプを有するプリント
配線板を形成する。
【0042】
【実施例】(実施例1) A.上層用無電解めっき用接着剤の調製 .クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬
製、分子量2500)の25%アクリル化物を80wt%の濃度で
DMDGに溶解させた樹脂液を35重量部、感光性モノマ
ー(東亜合成製、アロニックスM315 )3.15重量部、消
泡剤(サンノプコ製、S−65)0.5 重量部、NMP 3.6
重量部を攪拌混合した。 .ポリエーテルスルフォン(PES)12重量部、エポ
キシ樹脂粒子(三洋化成製、ポリマーポール)の平均粒
径 1.0μmのものを 7.2重量部、平均粒径 0.5μmのも
のを3.09重量部、を混合した後、さらにNMP30重量部
を添加し、ビーズミルで攪拌混合した。 .イミダゾール硬化剤(四国化成製、2E4MZ-CN)2重
量部、光開始剤(チバガイギー製、イルガキュア I−
907 )2重量部、光増感剤(日本化薬製、DETX-S)0.2
重量部、NMP 1.5重量部を攪拌混合した。 これらを混合して無電解めっき用接着剤を調製した。
【0043】B.下層用層間樹脂絶縁剤の調製 .クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬
製、分子量2500)の25%アクリル化物を80wt%の濃度で
DMDGに溶解させた樹脂液を35重量部、感光性モノマ
ー(東亜合成製、アロニックスM315 )4重量部、消泡
剤(サンノプコ製、S−65)0.5 重量部、NMP 3.6重
量部を攪拌混合した。 .ポリエーテルスルフォン(PES)12重量部、エポ
キシ樹脂粒子(三洋化成製、ポリマーポール)の平均粒
径 0.5μmのものを 14.49重量部、を混合した後、さら
にNMP30重量部を添加し、ビーズミルで攪拌混合し
た。 .イミダゾール硬化剤(四国化成製、2E4MZ-CN)2重
量部、光開始剤(チバガイギー製、イルガキュア I−
907 )2重量部、光増感剤(日本化薬製、DETX-S)0.2
重量部、NMP1.5 重量部を攪拌混合した。 これらを混合して、2層構造の層間樹脂絶縁層を構成す
る下層側の絶縁剤層として用いられる樹脂組成物を調製
した。
【0044】C.樹脂充填剤の調製 .ビスフェノールF型エポキシモノマー(油化シェル
製、分子量310,YL983U)100重量部、表面にシランカッ
プリング剤がコーティングされた平均粒径 1.6μmのSi
2 球状粒子(アドマテック製、CRS 1101−CE、ここ
で、最大粒子の大きさは後述する内層銅パターンの厚み
(15μm)以下とする) 170重量部、レベリング剤(サ
ンノプコ製、ペレノールS4)1.5 重量部を攪拌混合す
ることにより、その混合物の粘度を23±1℃で45,000〜
49,000cps に調整した。 .イミダゾール硬化剤(四国化成製、2E4MZ-CN)6.5
重量部。 これらを混合して樹脂充填剤を調製した。
【0045】D.プリント配線板の製造 (1) 厚さ1mmのガラスエポキシ樹脂またはBT(ビスマ
レイミドトリアジン)樹脂からなる基板の両面に18μm
の銅箔がラミネートされている銅張積層板を出発材料と
した。まず、この銅張積層板をドリル削孔し、無電解め
っき処理を施し、パターン状にエッチングすることによ
り、基板の両面に内層銅パターンとスルーホールを形成
した。
【0046】(2) 内層銅パターンおよびスルーホールを
形成した基板を水洗いし、乾燥した後、酸化浴(黒化
浴)として、NaOH(20g/l),NaClO2 (50g/
l),Na3PO4(15.0g/l)、還元浴として、NaOH(
2.7g/l),NaBH4 ( 1.0g/l)を用いた酸化−還
元処理により、内層銅パターンおよびスルーホールの表
面に粗化層を設けた。
【0047】(3) 前記Cで得た樹脂充填剤を、調製後24
時間以内に導体回路間あるいはスル−ホ−ル内に塗布
し、充填した。この樹脂充填剤の充填は、スキ−ジを用
いた印刷法による2回の塗布方法で行った。この2回の
印刷塗布により、導体回路間およびスル−ホ−ル内が樹
脂充填剤にて充填される。ここで、1回目の印刷塗布で
は、主にスルホ−ル内が充填され、充填された樹脂充填
剤の乾燥処理は、まず1段目の乾燥を、乾燥炉内の温度
を100 ℃,風速を1m/sec.にして5分間行ない、次い
で2段目の乾燥を、乾燥炉内の温度を100 ℃,風速を3
m/sec.にして15分間行った。2回目の印刷塗布では、
主に導体回路の形成で生じた凹部が充填され、充填され
た樹脂充填剤の乾燥処理は、前述と同じ乾燥条件にて行
った。なお、前記風速の調整は、風速1m/sec.のとき
には、インバーター値を30Hzにし、風速3m/sec.の
ときには、インバ−タ−値を60Hzにして行った。ま
た、乾燥炉は、 (株) ファーネス製のラック式乾燥炉を
使用した。
【0048】(4) 前記(3) の処理を終えた基板の片面
を、#600 のベルト研磨紙(三共理化学製)を用いたベ
ルトサンダー研磨により、内層銅パターンの表面やスル
ーホールのランド表面に樹脂充填剤が残らないように研
磨し、次いで、前記ベルトサンダー研磨による傷を取り
除くためのバフ研磨を行った。このような一連の研磨を
基板の他方の面についても同様に行った。次いで、100
℃で1時間、 150℃で1時間の加熱処理を行って樹脂充
填剤を本硬化した。
【0049】このようにして、スルーホール等に充填さ
れた樹脂充填剤の表層部および内層導体回路上面の粗化
層を除去して基板両面を平滑化し、樹脂充填剤と内層導
体回路の側面とが粗化層を介して強固に密着し、またス
ルーホールの内壁面と樹脂充填剤とが粗化層を介して強
固に密着した配線基板を得た。即ち、この工程により、
樹脂充填剤の表面と内層銅パターンの表面が同一平面と
なる。ここで、充填した硬化樹脂のTg点は155.6 ℃、
線熱膨張係数は44.5×10-6/℃であった。
【0050】(5) 次に、樹脂充填剤を充填して平滑化し
た配線基板をアルカリ脱脂してソフトエッチングし、次
いで、塩化パラジウウムと有機酸からなる触媒溶液で処
理してPd触媒を付与し、この触媒を活性化した後、硫
酸銅 3.9×10-2 mol/l、硫酸ニッケル 3.8×10-3 mol
/l、クエン酸ナトリウム 7.8×10-3 mol/l、次亜り
ん酸ナトリウム 2.3×10-1 mol/l、界面活性剤(日信
化学工業製、サーフィール465 ) 1.1×10-4 mol/lの
水溶液からなるpH=9の無電解めっき液に浸漬し、浸
漬1分後に、4秒当たり1回の割合で縦および横の振動
をさせ、導体回路およびスルーホールのランド表面にC
u−Ni−Pからなる針状合金の被覆層と粗化層を設け
た。さらに、ホウフッ化スズ 0.1 mol/l、チオ尿素
1.0 mol/l、温度35℃、pH=1.2 の条件でCu−S
n置換反応させ、粗化層の表面に厚さ 0.3μmのSn層
を設けた。
【0051】(6) 前記(5) の処理を施した基板の両面
に、前記Bで得た層間樹脂絶縁剤(粘度1.5Pa・s)を
調製後24時間以内にロールコータで塗布し、水平状態で
20分間放置してから、60℃で30分の乾燥(プリベーク)
を行い、次いで、前記Aで得た感光性の無電解めっき用
接着剤(粘度7Pa・s)を調製後24時間以内に塗布し、
水平状態で20分間放置してから、60℃で30分の乾燥(プ
リベーク)を行い、厚さ35μmの2層からなる層間絶縁
剤の層を形成した。
【0052】(7) 前記(6) で層間絶縁剤の層を形成した
基板の両面に、85μmφの黒円が印刷されたフォトマス
クフィルムを密着させ、超高圧水銀灯により 500mJ/cm
2 で露光した。これをDMTG溶液でスプレー現像し、
さらに、当該基板を超高圧水銀灯により3000mJ/cm2
露光し、100 ℃で1時間、120 ℃で1時間、その後 150
℃で3時間の加熱処理(ポストベーク)をすることによ
り、フォトマスクフィルムに相当する寸法精度に優れた
85μmφの開口(バイアホール形成用開口)を有する厚
さ35μmの層間樹脂絶縁層(2層構造)を形成した。な
お、バイアホールとなる開口には、スズめっき層を部分
的に露出させた。
【0053】(8) 開口が形成された基板を、 800g/l
のクロム酸に70℃で19分間浸漬し、層間樹脂絶縁層の接
着剤層の表面に存在するエポキシ樹脂粒子を溶解除去す
ることにより、当該層間樹脂絶縁層の表面を粗面(深さ
6μm)とし、その後、中和溶液(シプレイ社製)に浸
漬してから水洗いした。さらに、粗面化処理した該基板
の表面に、パラジウム触媒(アトテック製)を付与する
ことにより、層間樹脂絶縁層の表面およびバイアホール
用開口の内壁面に触媒核を付けた。
【0054】(9) 以下に示す組成の無電解銅めっき水溶
液中に基板を浸漬して、粗面全体に厚さ 0.6μmの無電
解銅めっき膜を形成した。 〔無電解めっき水溶液〕 EDTA 150 g/l 硫酸銅 20 g/l HCHO 30 ml/l NaOH 40 g/l α、α’−ビピリジル 80 mg/l PEG 0.1 g/l 〔無電解めっき条件〕 70℃の液温度で30分
【0055】(10)前記(9) で形成した無電解銅めっき膜
上に市販の感光性ドライフィルムを張り付け、マスクを
載置して、100 mJ/cm2 で露光、0.8 %炭酸ナトリウム
で現像処理し、厚さ15μmのめっきレジストを設けた。
【0056】(11)ついで、レジスト非形成部分に以下の
条件で電解銅めっきを施し、厚さ15μmの電解銅めっき
膜を形成した。 〔電解めっき水溶液〕 硫酸 180 g/l 硫酸銅 80 g/l 添加剤(アトテックジャパン製、カパラシドGL) 1 ml/l 〔電解めっき条件〕 電流密度 1A/dm2 時間 30分 温度 室温
【0057】(12)めっきレジストを5%KOHで剥離除
去した後、そのめっきレジスト下の無電解めっき膜を硫
酸と過酸化水素の混合液でエッチング処理して溶解除去
し、無電解銅めっき膜と電解銅めっき膜からなる厚さ18
μmの導体回路(バイアホールを含む)を形成した。
【0058】(13)前記(5) と同様の処理を行い、Cu−
Ni−Pからなる粗化面を形成し、さらにその表面にSn
置換層を設けた。
【0059】(14)前記 (6)〜(13)の工程を繰り返すこと
により、さらに上層の導体回路を形成し、多層配線基板
を得た。但し、表層の粗化面には、Sn置換は行わなかっ
た。
【0060】(15)一方、DMDGに溶解させた60重量%
のクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬製)
のエポキシ基50%をアクリル化した感光性付与のオリゴ
マー(分子量4000)を 46.67g、メチルエチルケトンに
溶解させた80重量%のビスフェノールA型エポキシ樹脂
(油化シェル製、エピコート1001)15.0g、イミダゾー
ル硬化剤(四国化成製、2E4MZ-CN)1.6 g、感光性モノ
マーである多価アクリルモノマー(日本化薬製、R604
)3g、同じく多価アクリルモノマー(共栄社化学
製、DPE6A ) 1.5g、分散系消泡剤(サンノプコ社製、
S−65)0.71gを混合し、さらにこの混合物に対して光
開始剤としてのベンゾフェノン(関東化学製)を2g、
光増感剤としてのミヒラーケトン(関東化学製)を 0.2
g加えて、粘度を25℃で 2.0Pa・sに調整したソルダー
レジスト組成物を得た。なお、粘度測定は、B型粘度計
(東京計器、 DVL-B型)で 60rpmの場合はローターNo.
4、6rpm の場合はローターNo.3によった。
【0061】(16)前記(14)で得られた多層配線基板の両
面に、上記(15)で得たソルダーレジスト組成物を20μm
の厚さで塗布した。次いで、70℃で20分間、70℃で30分
間の乾燥処理を行った後、円パターン(マスクパター
ン)が描画された厚さ5mmのフォトマスクフィルムを密
着させて載置し、1000mJ/cm2 の紫外線で露光し、DMTG
現像処理した。そしてさらに、80℃で1時間、 100℃で
1時間、 120℃で1時間、150℃で3時間の条件で加熱
処理し、はんだパッド部分(バイアホールとそのランド
部分を含む)を開口した(開口径 200μm)ソルダーレ
ジスト層(厚み20μm)を形成した。
【0062】(17)次に、塩化ニッケル 2.3×10-1 mol/
l、次亜リン酸ナトリウム 2.8×10-1mol/l、クエン
酸ナトリウム 1.6×10-1 mol/lの水溶液からなるpH
=4.5の無電解ニッケルめっき液に20分間浸漬して、開
口部に厚さ5μmのニッケルめっき層を形成した。さら
に、その基板を、シアン化金カリウム 7.6×10-3 mol/
l、塩化アンモニウム 1.9×10-1 mol/l、クエン酸ナ
トリウム 1.2×10-1 mol/l、次亜リン酸ナトリウム
1.7×10-1 mol/lの水溶液からなる無電解金めっき液
に80℃の条件で 7.5分間浸漬して、ニッケルめっき層上
に厚さ0.03μmの金めっき層を形成した。
【0063】(18)そして、ソルダーレジスト層の開口部
に、はんだペーストを印刷して 200℃でリフローするこ
とにより、はんだバンプ(はんだ体)を形成し、はんだ
バンプを有するプリント配線板を製造した。
【0064】(比較例)樹脂充填剤の乾燥処理(プリベ
−ク)を温度 100℃,風速 3.0m/sec.の条件で行った
こと以外は、実施例1と同様にしてはんだバンプを有す
るプリント配線板を製造した。
【0065】このようにして製造した実施例および比較
例のプリント配線板について、乾燥(プリベ−ク)後の
樹脂充填層の状態、硬化後の異物付着数、層間樹脂絶縁
層との剥離の有無を評価した。その結果を表1に示す。
この表に示す結果から明らかなように、実施例の方法で
は、樹脂充填層は、乾燥後の未硬化部分はなく、また異
物付着もなく、層間絶縁樹脂層との剥離もみられなかっ
た。
【0066】
【表1】
【0067】
【発明の効果】以上説明したように本発明の方法によれ
ば、樹脂充填層の乾燥(プリベーク)後の硬化を十分に
して、樹脂充填層と層間絶縁樹脂層との剥離を起こさな
い、密着性に優れたプリント配線板を製造することがで
きる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コア基板に導体回路とスルーホールを有
    するプリント配線板の製造方法において、その導体回路
    間の凹部およびスルーホール内に樹脂充填剤を充填し、
    この樹脂充填剤を乾燥,研磨,硬化処理することによ
    り、基板表面の平滑化を行うに当たり、前記樹脂充填剤
    の乾燥処理を、風速 2.0m/sec.以下の熱風下で行うこ
    とを特徴とするプリント配線板の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記樹脂充填剤の乾燥処理を、風速 2.0
    m/sec.以下の熱風下で行った後、さらに、 2.0〜10m
    /sec.の熱風下で行うことを特徴とする請求項1に記載
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 風速 2.0m/sec.以下の熱風下で行う前
    記樹脂充填剤の乾燥処理は、80〜150 ℃の熱風を用いて
    行うことを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2001291956A (ja) * 2000-04-05 2001-10-19 Ngk Spark Plug Co Ltd 多層プリント配線板、及び、多層プリント配線板の製造方法
JP2002223060A (ja) * 2001-01-26 2002-08-09 Ibiden Co Ltd スルーホールの閉鎖方法
JP2003008239A (ja) * 2001-06-21 2003-01-10 Ibiden Co Ltd 多層プリント配線板

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