JP2002223060A - スルーホールの閉鎖方法 - Google Patents
スルーホールの閉鎖方法Info
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Abstract
ようにして,製品の信頼性や上層の平坦性の向上を図
り,また汚染の問題も生じないようにしたスルーホール
の閉鎖方法を提供すること。 【解決手段】 基板のスルーホールを閉鎖するに際し,
スルーホールの箇所20に穴を有するマスク22を板面
上に形成する。そして,液状の熱硬化型樹脂10をスル
ーホールの箇所20に供給してスルーホールを充填し,
指触乾燥した後,溶媒処理に供する。これにより,マス
ク22および余分な熱硬化型樹脂10を除去する。この
ため,現像後に板面上にフォトソルダレジストが汚染物
として残ることがなく,また,現像後におけるスルーホ
ール中のフォトソルダレジストSRの上下の凹みが小さ
い。
Description
ールを閉鎖する方法に関する。例えば,プリント配線板
の製造プロセスでスルーホールの穴埋めに用いて好適な
方法に関するものである。
ては,層間導通構造の形成のため,基板にスルーホール
を開ける場合がある。かかるスルーホールは,層間導通
構造ができてしまえばその後は貫通している必要はな
い。むしろ貫通したままであると,後の部品実装時に吸
着固定ができない等の問題の原因となる。このためスル
ーホールは,層間導通構造が形成された後に閉鎖される
のが一般的である。
説明する。従来の方法では,まず,スルーホールの箇所
20に対し印刷により液状フォトソルダレジストSRを
供給する。これにより,液状フォトソルダレジストSR
が供給側(図2中上側)にややはみ出し,その反対側
(図2中下側)はくぼんだ状態となる。この状態で指触
乾燥してから,図2中下側から露光する。これにより,
液状フォトソルダレジストSRの図2中下側の表面付近
に,感光層21が形成される。そしてこれを現像する。
すると,液状フォトソルダレジストSRの図2中下側の
感光層21は溶けないが,上側の表面付近が溶けるの
で,上面も下面のようにくぼんだ状態となる。この状態
では液状フォトソルダレジストSRの上面側に未感光の
部分が若干残っているので,その後両面露光硬化および
熱硬化が施される。
た従来の方法には,次のような問題点があった。すなわ
ち,閉鎖後の形状として上下の凹みが大きく,400μ
m程度もあるのである。このため,この凹みが後の工程
で液溜まりとなったりボイドとして残ったりする場合が
あった。これにより,製品の信頼性が低下したり,上層
の平坦性が損なわれたりしていた。また,図2中下側の
面が印刷時等に液状フォトソルダレジストで汚染される
と,そのまま露光により硬化してしまい,欠陥の原因と
なった。
る問題点を解決するためになされたものである。すなわ
ちその課題とするところは,充填物の上下にさほど大き
な凹みができないようにして,製品の信頼性や上層の平
坦性の向上を図り,また汚染の問題も生じないようにし
たスルーホールの閉鎖方法を提供することにある。
してなされた本発明に係るスルーホールの閉鎖方法で
は,スルーホールを有する板状体に対し,スルーホール
の箇所に液状の熱硬化型樹脂を供給してスルーホールを
熱硬化型樹脂で充填し(工程1),熱硬化型樹脂に溶媒
を接触させてスルーホールからのはみ出し部分を除去す
る(工程2)ことにより,板状体のスルーホールを閉鎖
する。
型樹脂を供給側の面の反対側の面まで到達させ,工程2
に供する前に液状の熱硬化型樹脂を指触乾燥することが
望ましい。さらに,工程2の後,スルーホール内に残っ
ている熱硬化型樹脂を加熱により本硬化することが好ま
しい。
ールが液状の熱硬化型樹脂で塞がれる。仮にこのとき余
分な熱硬化型樹脂が板面上に付着したとしても,工程2
で溶媒に接触させる際に溶出するので,そのまま残留し
て欠陥の原因となることはない。また,工程1でスルー
ホール内の大部分が液状の熱硬化型樹脂で充填されるの
で,工程2の溶解は,はみ出し部分を除去する程度の軽
い条件で十分である。この結果,閉鎖後の形状は,上下
の凹みが小さいものとなる。このため,製品の信頼性や
上層の平坦性を損なうことがない。
穴の開いたマスクを介して液状の熱硬化型樹脂を供給す
ることが望ましい。さらに,そのマスクとして,工程2
で使用する溶媒により溶ける材質のものを使用すること
が好ましい。
り,板状体の板面の熱硬化型樹脂による汚染が防止され
る。そして,マスクの材質を上記の如く選べば,工程2
の際に自然にマスクが除去される。このため,マスクを
除去するための工程を設ける必要がない。
形態について,添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
本実施の形態は,プリント配線板の製造において,基板
に形成したスルーホールを絶縁性物質で閉鎖する方法と
して,本発明を具体化したものである。ここでは,絶縁
性物質として,熱硬化型樹脂を用いている。また,スル
ーホールについては,めっきによる層間導電層がすでに
形成済みであることとする。
うに,まず,スルーホールの箇所20に対し印刷により
液状の熱硬化型樹脂10を,図1中上方から供給する。
その際あらかじめ,図1中上方側の板面に,スルーホー
ルの箇所20に穴を有するマスク22を形成しておく。
マスク22は,後述する溶媒処理の際に溶解する性質を
有している。このマスク22は,日立化成工業(株)製
HW440のようなフォトレジストを板面上に塗布して
露光および現像を行うことにより形成される。
合と異なり,液状の熱硬化型樹脂10が,スルーホール
の図1中下側の開口端まで達するように,供給量を調節
して行う。この作業は,基板をジグ板上に載置した状態
で行い,液状の熱硬化型樹脂10が下側へ流出しないよ
うにするとよい。このときの熱硬化型樹脂としては,エ
ポキシ系ソルダレジストインキなどが使用可能である。
触乾燥を行う。その条件は,上記の熱硬化型樹脂を使用
する場合で80℃30分程度のやや強めの条件とする。
指触乾燥後の状態で,熱硬化型樹脂10のスルーホール
からのはみ出し量は,図1中上側が50μm程度(マス
ク22の厚さを含む),下側が5〜10μm程度であ
る。
いる溶媒は,熱硬化型樹脂10とマスク22とをともに
溶解させる性質のものである。例えば,使用したエポキ
シ系ソルダレジストインキの溶剤などが使用可能であ
る。処理時間は,板面上のマスク22や熱硬化型樹脂が
全部溶解し,スルーホール内の熱硬化型樹脂10が少し
溶ける程度とする。これにより,図1の(b)に示すよ
うに,熱硬化型樹脂10の上下のはみ出し部分が除去さ
れ,上下ともややくぼんだ状態となる。この状態での凹
みの深さは,上下とも50〜150μm程度であり,図
2に示した従来技術の場合より小さい。このため,後の
工程におけるこの凹みへの液溜まりや,ボイド,上層の
平坦性,といった問題が少ない。また,印刷の段階で熱
硬化型樹脂が板面上に付着していたとしても,溶媒処理
時に除去される。このため,付着した熱硬化型樹脂が汚
染として残留し,欠陥不良の原因となることがない。
硬化を施すと,後続の工程(上層積層,ソルダレジスト
形成,部品実装など)へ供給できる状態となる。本硬化
は,温度150℃以上の時間が30分程度確保されるよ
うに行う。そうすると通常の設備では,前後の昇温時間
および降温時間も含めたトータルの本硬化時間として,
1時間程度要する。
て,本硬化(従来のものでは本乾燥)後の状態における
スルーホール中の熱硬化型樹脂10(従来のものではフ
ォトソルダレジストSR)の厚さを測定し,比較する試
験を本発明者らが行ったので,その結果を簡単に説明す
る。この試験は,基板の全厚を1000μmとして行っ
た。この試験では,本実施の形態のものは平均で740
〜800μm程度の厚さが得られた。そしてばらつきは
さほど大きくなく,標準偏差で約35μm程度であっ
た。よって,上下の凹みの深さは概ね,50〜150μ
m程度であった。これに対し従来の方法によったもので
は,最大値はともかく最小値が著しく小さく,大きくば
らついた(標準偏差で約178μm)。このため平均値
も約218μmに留まった。このため,プロセスの安定
性に欠けるといわざるを得ない。上下の凹みの深さは,
平均でも400μm近くあり,ばらつきも大きいもので
あった。
は,プリント配線板の製造プロセス中で基板のスルーホ
ールを閉鎖するに際し,スルーホールの箇所20に穴を
有するマスク22を介して,液状の熱硬化型樹脂10を
スルーホール内に供給して充填し,指触乾燥した後,溶
媒処理してマスク22と余分な熱硬化型樹脂10とを除
去することとしている。このため,溶媒処理後に板面上
に熱硬化型樹脂が汚染物として残ることがなく,また,
溶媒処理後におけるスルーホール中の熱硬化型樹脂10
の上下の凹みが小さい。このようにして,製品の信頼性
や上層の平坦性の向上を図り,また汚染の問題も生じな
いようにしたスルーホールの閉鎖方法が実現されてい
る。
樹脂10の下側の表面も溶出するので,液状の熱硬化型
樹脂10の供給時に下側いっぱいまでスルーホールを充
填できるのである。このため,図1中下側の凹みを小さ
くできるのである。従来のように液状フォトソルダレジ
ストを露光する方法だと,フォトソルダレジストSRの
下側の表面は溶出しないので,フォトソルダレジストS
Rがスルーホール下側から突出しないようにしなければ
ならない。このため,液状フォトソルダレジストSRの
供給の段階で,安全を見て下方には大きな隙間を残す必
要があるのである。本実施の形態の方法ではそのような
ことがない。
ず,本発明を何ら限定するものではない。したがって本
発明は当然に,その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改
良,変形が可能である。
うな内層パターンを含まないものに限らず,内層パター
ンを含むものでもよい。また,積層の初期段階でも最終
積層後でも適用可能である。また,本方法適用時の表裏
の導体パターンは,図1に示すようにパターニング済み
であってもよいし,パターニング前のベタの状態であっ
てもよい。パターニング前の状態であれば,溶媒処理前
に,スルーホールからはみ出ている熱硬化型樹脂10や
板面あるいはマスク22上に付着している熱硬化型樹脂
をスクレーパで掻き取ることもできる。また,マスク2
2を板面上に形成する代わりに,繰り返し使用可能な版
をあらかじめ用意しておき,これを板面上に位置合わせ
して配置した状態で印刷してもよい。
よれば,充填物の上下にさほど大きな凹みができないよ
うにして,製品の信頼性や上層の平坦性の向上を図り,
また汚染の問題も生じないようにしたスルーホールの閉
鎖方法が提供されている。
略手順を示す図である。
す図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 スルーホールを有する板状体に対し,ス
ルーホールの箇所に液状の熱硬化型樹脂を供給してスル
ーホールを熱硬化型樹脂で充填し(工程1),熱硬化型
樹脂に溶媒を接触させてスルーホールからのはみ出し部
分を除去する(工程2)ことを特徴とするスルーホール
の閉鎖方法。 - 【請求項2】 請求項1に記載するスルーホールの閉鎖
方法において,前記工程1の際に液状の熱硬化型樹脂を
供給側の面の反対側の面まで到達させ,前記工程2に供
する前に液状の熱硬化型樹脂を指触乾燥することを特徴
とするスルーホールの閉鎖方法。 - 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載するスル
ーホールの閉鎖方法において,前記工程2の後,スルー
ホール内に残っている熱硬化型樹脂を加熱により本硬化
することを特徴とするスルーホールの閉鎖方法。 - 【請求項4】 請求項1から請求項3までのいずれか1
つに記載するスルーホールの閉鎖方法において,前記工
程1の際,スルーホールの箇所に穴の開いたマスクを介
して液状の熱硬化型樹脂を供給することを特徴とするス
ルーホールの閉鎖方法。 - 【請求項5】 請求項4に記載するスルーホールの閉鎖
方法において,前記マスクとして,前記工程2で使用す
る溶媒により溶ける材質のものを使用することを特徴と
するスルーホールの閉鎖方法。
Priority Applications (1)
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JP2001018747A JP4727824B2 (ja) | 2001-01-26 | 2001-01-26 | スルーホールの閉鎖方法 |
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Citations (2)
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JPH1168297A (ja) * | 1997-08-18 | 1999-03-09 | Mitsui High Tec Inc | 回路基板の製造方法 |
JP2000077846A (ja) * | 1998-08-27 | 2000-03-14 | Ibiden Co Ltd | プリント配線板の製造方法 |
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- 2001-01-26 JP JP2001018747A patent/JP4727824B2/ja not_active Expired - Fee Related
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