JP4267255B2 - 回路基板の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、絶縁フィルムの表裏に設けた配線パターン間をスルーホール内に設けた導電部により導通する回路基板の製造方法に関する。詳しくは、そのような回路基板のうち、フレキシブル回路基板やリジッド回路基板の製造方法に関する。さらに詳しくは、そのようなフレキシブル回路基板やリジッド回路基板のうち、例えばCSP(Chip Size Package)インターポーザーに用いるものの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、絶縁フィルムの表裏に設けた配線パターン間をスルーホール内に設けた導電部により導通する回路基板は、例えば以下の製造方法により製造していた。
【0003】
先ず、シート状、あるいは、テープ状の絶縁フィルムの表裏に金属層を設ける。次に、その金属層を設けた絶縁フィルムに多数の貫通孔、必要があればスプロケットホールを形成する。次いで、絶縁フィルムの表裏に設けた金属層間の導通を得るため、絶縁フィルムの貫通孔内に導電部を設けてスルーホールを形成する。次に、金属層をエッチングして所望の配線パターンを設ける。必要があれば次に、その配線パターンの端子部分以外の個所にソルダーレジスト層を設けてから、配線パターンの端子部分に仕上げメッキ層を設けて、回路基板としていた。
【0004】
そのような回路基板を、例えばCSPインターポーザーに用いた場合、CSPに接続する際に熱が加わると、スルーホールが空洞となっているため、その中の空気が膨張して破裂し、CSPインターポーザーの信頼性を著しく落とす問題があった。
【0005】
そこで、その問題を解決するため、スルーホールの空洞を埋めるべく充填部を設けていた。そのような回路基板の製造方法は、上述したのと同様に、表裏に金属層を設けた絶縁フィルムに貫通孔を形成した後、表裏の金属層間の導通を得るため、図8(A)に示すように、絶縁フィルム1の貫通孔内に導電部4を設けてスルーホール3を形成する。次に、そのスルーホール3内に充填部を設けて後、上述したのと同様に、金属層2をエッチングして所望の配線パターンを設けるなどして、回路基板としていた。
【0006】
そして、スルーホール3内に充填部を設けるには、▲1▼熱硬化性樹脂をスクリーン印刷法を用いて塗布した後、加熱処理をして、その熱硬化性樹脂を硬化する方法、▲2▼熱硬化性樹脂をローラーコーティング法を用いて塗布した後、加熱処理をして、その熱硬化性樹脂を硬化する方法、▲3▼メッキにより充填部を設ける方法、などがある。
【0007】
▲1▼ スクリーン印刷法を用いて熱硬化性樹脂を塗布した場合、スルーホール3の大きさが小さくなると、位置合わせすることが困難となる問題がある。そこで、熱硬化性樹脂の塗布面積を広くすることによりその問題を解決していた。しかし、そのように熱硬化性樹脂を塗布すると、図8(B)に示すようにスルーホール内に充填する熱硬化性樹脂5とともに、そのスルーホールの周囲に不要な熱硬化性樹脂部5aが設けられてしまった。
【0008】
そして、加熱処理を行うと、その熱硬化性樹脂5が充填部となるとともに熱硬化性樹脂部5aも硬化樹脂部となる。その後、金属層2をエッチングして配線パターンを設けるときに、その硬化樹脂部が邪魔し、微細な配線パターンを設けることができないから、その硬化樹脂部を除去しなければならなかった。しかし、大きさが小さくて多数のスルーホールの周囲の硬化樹脂部のみを除去することは、困難であるため、絶縁フィルム1の表面の金属層2の全面を研磨しなければならなかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、そのように研磨を行うと、図8(C)に示すように、充填部6が設けられるが、硬化樹脂部とともに、金属層2の一部も研磨し、それにより金属層2の厚さが不均一となり、配線パターンを設ける際、エッチングする金属層2の厚さが場所により異なるため、微細な配線パターンを設けることが困難となる問題があった。また、そのように研磨を行うと、絶縁フィルム1または金属層2に残留応力が発生することにより、回路基板に反りが発生するなどの問題があった。
【0010】
▲2▼ 一方、2本のローラの間に絶縁フィルムをはさみ、それら2本のローラに熱硬化性樹脂を供給しつつ転がし、それにより熱硬化性樹脂を金属層2を介して絶縁フィルム面上に転写するローラーコーティング法を用いて塗布すると、絶縁フィルムの表裏の全面に不要なうすい硬化樹脂層ができてしまった。
【0011】
そのような硬化樹脂層があると、金属層に配線パターンを設けることができないため、その硬化樹脂層を除去しなければならなかった。しかし、金属層の上にあるうすい硬化樹脂層のみを除去することが困難であるため、絶縁フィルムの表裏の金属層の全面をそれぞれ研磨しなければならなかった。
【0012】
しかし、その研磨を行うと、硬化樹脂層とともに金属層の一部も研磨するため、上述したのと同様に、配線パターンを設ける際、エッチングする金属層の厚さが場所により異なるので、微細な配線パターンを設けることが困難となる問題があった。また、そのように研磨を行うと、絶縁フィルムまたは金属層に残留応力が発生することにより、回路基板に反りが発生するなどの問題があった。
【0013】
▲3▼ ところで、メッキにより充填部を設ける方法は、上述したスルーホール内に導電部を設ける際、スルーホール内のすべてをメッキによる充填部とするものである。
【0014】
しかし、充填部のすべてをメッキで設けるので、充填部以外の金属層にもメッキがつき、それにより金属層の表面にメッキ層が設けられ厚くなるので、微細な配線パターンを得ることが困難となった。また、多数のスルーホールの充填部が均一となるようにメッキを施そうとすると、メッキ液に特殊な添加剤が必要となり、その管理が困難であった。また、そのように多数のスルーホールの充填部が均一となるようにメッキを施そうとすると、パルス電流などを用いることが必要となり、時間がかかる問題もあった。さらに、スルーホールの大きさが小さいと、スルーホール内のメッキ液が十分に対流せず新しいメッキ液が供給されないため、またはスルーホール内に気泡が残ってしまうため、空洞が形成されてしまう問題もあった。
【0015】
以上説明したように、従来技術において、▲1▼スクリーン印刷法または▲2▼ローラコーティング法を用いて熱硬化性樹脂によりスルーホールに充填部を設けた場合、微細な配線パターンを設けるのが困難であり、または反りが発生する問題があり、▲3▼メッキによりスルーホールに充填部を設けた場合、微細な配線パターンを設けるのが困難であり、充填部を設けるのに時間がかかる問題や、スルーホールに空洞が形成されてしまう問題もあった。
【0016】
そこで、それらの問題を解決すべく、この発明の第1の目的は、回路基板の製造方法において、微細な配線パターンの回路基板を提供するとともに、その回路基板を容易に製造できるようにすることにある。
【0017】
この発明の第2の目的は、それらに加えて、スルーホール内の光透過性を向上して、スルーホール内の厚さ方向の全体に光を当てて、絶縁フィルムの厚さが厚いものであってもスルーホール内の光硬化性樹脂を硬化することにある。
【0018】
この発明の第3の目的は、それらに加えて、回路基板を一層容易に製造することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】
そのため、請求項1に係る発明は、上記第1の目的を達成すべく、
回路基板の製造方法において、表裏に金属層を設けた絶縁フィルムに貫通孔を形成し、
その後、表裏の金属層間の導通を得るため、貫通孔内に導電部を設けてスルーホールを形成した後、
絶縁フィルムの一方からスルーホール内に光硬化性樹脂を充填し、その充填した光硬化樹脂が前記絶縁フィルムの他方から溢れ出して絶縁フィルムの表面に付着しないように塗布し、
その後、絶縁フィルムの他方から光を照射して、スルーホール内の光硬化性樹脂を硬化する一方、絶縁フィルムの他方側にある金属層および導電部で遮光して絶縁フィルム面上の光硬化性樹脂は未硬化の状態のままとして後、
絶縁フィルム面上の未硬化の光硬化性樹脂を除去して金属層上には光硬化性樹脂が残らないが、スルーホール内には光硬化性樹脂が一杯に充満した充填部を設け、
その後、金属層の表面にフォトレジストを塗布した後、露光と現像を行ってから、金属層をエッチングして配線パターンを設けることを特徴とする。
【0021】
請求項2に係る発明は、上記第2の目的を達成すべく、
請求項1に記載の回路基板の製造方法において、絶縁フィルムの一方からスルーホール内に、硬化波長領域の光吸収率が光硬化性樹脂よりも低い添加物を混ぜた光硬化性樹脂を充填するように塗布することを特徴とする。
【0022】
請求項3に係る発明は、上記第3の目的を達成すべく、
請求項1または2に記載の回路基板の製造方法において、光硬化性樹脂をスキージを用いて、絶縁フィルムの一方からスルーホール内に充填するように塗布することを特徴とする。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、この発明の実施の形態につき説明する。図1には、この発明による回路基板の製造方法の一例を示す。
【0024】
先ず、例えばテープ状の絶縁フィルムの表裏に金属層を設ける(金属層形成工程)。
【0025】
その絶縁フィルムの材料には、例えばポリイミド系樹脂、エポキシ系樹脂または液晶ポリマなどがある。
【0026】
また、金属層を設ける方法には、例えば銅箔を接着材を介して絶縁フィルムの表裏にラミネートする方法、または絶縁フィルムの表裏に金属をスパッタリングしてから、銅メッキする方法などがある。
【0027】
次に、金属層を設けた絶縁フィルムに、例えば碁盤目状に多数の貫通孔などを形成する(穴あけ工程)。この際、必要があれば絶縁フィルムの両側にスプロケットホールを形成する。
【0028】
貫通孔を形成する方法には、金型を用いるパンチングによる方法、ドリルを用いる方法、レーザーを用いる方法などがある。
【0029】
次いで、絶縁フィルムの表裏に設けた金属層間の導通を得るため、貫通孔内に導電部を設ける(導電部形成工程)。
【0030】
その導電部を設けるには、例えば貫通孔内壁の絶縁フィルム側面に導電性寄与処理を施してから、メッキ液に浸漬して、絶縁フィルムの全面に電解銅メッキを施す。
【0031】
上述のような工程を経ると、図2に示すように、絶縁フィルム11の表裏に金属層12が設けられ、その金属層12を設けた絶縁フィルム11にスルーホール13が形成され、表裏の金属層12間の導通を得るため、スルーホール13内に表裏の金属層12を繋ぐように導電部14が設けられている。
【0032】
次に、スルーホール13内に例えばアクリル系の光硬化性樹脂を充填するように塗布する。(塗布工程)。
【0033】
その塗布方法には、1本のローラに絶縁フィルム11を接触させ、そのローラに光硬化性樹脂を供給しつつ、そのローラを転がし、それにより光硬化性樹脂を絶縁フィルム11面上に転写することにより塗布するローラーコーティング法がある。このように塗布すると、絶縁フィルム11の一方からスルーホール内に光硬化性樹脂を充填するように塗布することとなる。また、この際には、絶縁フィルム11の一方からスルーホール内に充填した光硬化性樹脂が、絶縁フィルム11の他方から溢れ出し、その溢れ出した光硬化性樹脂が絶縁フィルム11の表面に付着しないように、絶縁フィルム11を支持する。
【0034】
そのローラーコーティング法を用いて、絶縁フィルム11に光硬化性樹脂を塗布すると、図3に示すようになる。このとき、スルーホール内に充填する光硬化性樹脂15とともに、絶縁フィルム11の一方の金属層12上に、うすい光硬化性樹脂膜15aが設けられる。
【0035】
次いで、絶縁フィルム11の片面側に設けた光源により、絶縁フィルム11の他方から光を照射すると、スルーホール内の光硬化性樹脂15のみが硬化する(硬化工程)。
【0036】
このとき、絶縁フィルム11の一方の金属層12上の光硬化性樹脂膜15aは、金属層12および導電部14が遮光性を有するため、光が当たらないから、未硬化の状態のままである。
【0037】
そこで次に、その未硬化の光硬化性樹脂膜15aのみを選択的に溶解する薬液例えば炭酸ソーダ水溶液、アセトン、または酢酸エチル等を用いて、それらをスプレーまたはそれらの薬液に浸漬することにより、未硬化の光硬化性樹脂のみを溶解することで除去して(除去工程)、図4に示すように、スルーホール内に充填部16を設ける。
【0038】
次いで、その除去後、図1に示すように、絶縁フィルムの表裏の金属層に配線パターンを設ける(配線パターン形成工程)。
【0039】
それらの配線パターンを設けるには、フォトエッチング法を用いる。そのフォトエッチング法は、先ず、金属層の表面にフォトレジストを塗布した後、そのフォトレジストに所望の配線パターンを露光により焼き付けてマスキング材としてから、そのマスキング材以外の個所のフォトレジストを現像にて除去する。その後、例えば塩化第二鉄のエッチング溶液に浸漬し、マスキング材のない個所の金属層を溶出する。すると、絶縁フィルムの表面には、マスキング材のある個所の金属層が残り、その後、そのマスキング材を金属層から剥離する。これにより、配線パターンが得られる。
【0040】
次に、絶縁フィルムの表裏の配線パターンの端子部分以外の個所に、ソルダーレジストを塗布してから、例えば熱処理を施して硬化し、配線パターンを保護するためのソルダーレジスト層を設ける(ソルダーレジスト層形成工程)。
【0041】
最後に、配線パターンの端子部分の個所に、仕上げメッキをして(仕上げメッキ層形成工程)、回路基板を得る。
【0042】
なお、光硬化性樹脂の塗布方法には、上述したローラーコーティング法の他にスクリーン印刷法を用いてもよい。
【0043】
そのスクリーン印刷法を用いて、絶縁フィルムに光硬化性樹脂を塗布すると、図5に示すようになる。このとき、スルーホール内に充填する光硬化性樹脂15とともに、絶縁フィルム11の一方の金属層12上でスルーホールの周囲に、光硬化性樹脂部15bが設けられる。
【0044】
その後、光硬化性樹脂を上述したのと同様にして硬化すると、光硬化性樹脂部15bは、金属層12および導電部14が遮光性を有するため、光が当たらないから、未硬化の状態のままである。
【0045】
そこで、上述したのと同様にして、その未硬化の光硬化性樹脂部15bを除去してから、同様の工程を経て回路基板を得る。
【0046】
ところで、光硬化性樹脂の塗布方法には、上述したローラーコーティング法およびスクリーン印刷法の他に、スキージを用いる方法もある。
【0047】
このスキージを用いる方法は、図6に示すように、負荷ローラー17と駆動ローラー18の間に、テープ状の絶縁フィルム11を掛け渡し、その負荷ローラー17と駆動ローラー18の間にある絶縁フィルム11を支えるための2つのガイドローラ19間において、絶縁フィルム11の一方から光硬化性樹脂15を滴下し、その絶縁フィルム11に一定の力がかかるように、へら状のスキージ20を絶縁フィルム11の一方から当てつつ、駆動ローラー18により絶縁フィルム11を搬送しながら、スルーホール内に光硬化性樹脂15が充填するように塗布するものである。
【0048】
そのように塗布する場合、2つのガイドローラ19とスキージ20のみで絶縁フィルム11を支持するとともに、スキージ20と絶縁フィルム11との接触角度を最適に調整、およびスキージ20の材料を最適に選択(例えば樹脂性のものから金属性のものに変えること)するので、スルーホールから光硬化性樹脂15が溢れ出ないように、光硬化性樹脂15を充填することができるとともに、それにより絶縁フィルム11面上の不要な光硬化性樹脂15の量を最小限にし、光硬化性樹脂15の量を減らしてコストダウンすることができる。
【0049】
次いで、上述したのと同様に、図7に示すように、絶縁フィルム11の片面側で、2つのガイドローラ19の後に設けた光源により、絶縁フィルム11の他方から光21を照射して、スルーホール内の光硬化性樹脂を硬化して、充填部を設ける。
【0050】
その後、上述したのと同様の工程を経て回路基板を得る。
【0051】
なお、以上説明した塗布方法のうち、絶縁フィルム面上の除去する未硬化の光硬化性樹脂の量が最も少ない、スキージを用いた方法により塗布する方法が最も好ましい。
【0052】
ところで、遮光性を有する絶縁フィルムを用いて、上述した配線パターン形成工程を、導電部形成工程と塗布工程との間で行ってもよい。
【0053】
そのような工程とすると、硬化工程の際、遮光性を有する金属層がエッチングされているが、絶縁フィルムおよび導電部が遮光性を有するので、絶縁フィルムの一方の金属層上の光硬化性樹脂は、光が当たらないから未硬化の状態のままである。その後、未硬化の状態のまま、光硬化性樹脂を除去して、上述したのと同様にして回路基板を得る。
【0054】
また、絶縁フィルムの一方からスルーホール内に、硬化波長領域の光吸収率が光硬化性樹脂よりも低い添加物を混ぜた光硬化性樹脂を充填するように塗布してもよい。
【0055】
このようにすると、その添加物により光硬化性樹脂の体積比を減じて、スルーホール内の硬化波長領域の光透過率を上げることができる。
【0056】
例えば、上記したアクリル系の光硬化性樹脂の硬化波長領域は、およそ100nmから500nmであるので、この波長領域の光吸収率が50%以下の添加物を、その光硬化性樹脂に対し体積比で5%から98%の間で混ぜるとよい。このようにすると、スルーホール内の硬化波長領域の光透過率を上げることができるので、スルーホール内の厚さ方向の全体に光を当てて、絶縁フィルムの厚さが厚いものであっても、スルーホール内の光硬化性樹脂を硬化することができる。
【0057】
また、上記した添加物は、硬化波長領域の光吸収率が、光硬化性樹脂よりも低ければ、有機物または無機物のいずれでも構わない。
【0058】
なお、上述した光硬化性樹脂に熱硬化性樹脂を加えた樹脂を用いてもよい。そのような樹脂を用いると、上述したのと同様にして光を照射し、スルーホール内の樹脂を仮硬化して後、未硬化の樹脂を除去し、その後、熱を加えてスルーホール内の樹脂を本硬化して、確実に充填部を設けることができる。
【0059】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、回路基板の製造方法において、絶縁フィルムの一方からスルーホール内に光硬化性樹脂を充填するように塗布し、その後、絶縁フィルムの他方から光を照射し、スルーホール内の光硬化性樹脂を硬化するとともに、金属層および導電部、または絶縁フィルムおよび導電部が遮光性を有するので、絶縁フィルム面上の光硬化性樹脂を未硬化の状態とし、その未硬化の状態のまま除去して充填部を設け、絶縁フィルム面上の金属層の全面を研磨することを不要とするため、回路基板に反りが発生せず、また、金属層の厚さが不均一となるような研磨工程がないので、微細な配線パターンの回路基板を提供することができる。
【0060】
さらにまた、絶縁フィルムの一方からスルーホール内に光硬化性樹脂を充填するように塗布し、その後、絶縁フィルムの他方から光を照射し、スルーホール内の光硬化性樹脂を硬化するとともに、金属層および導電部、または絶縁フィルムおよび導電部が遮光性を有するので、絶縁フィルム面上の光硬化性樹脂を未硬化の状態とし、その未硬化の状態のまま除去して充填部を設けるので、上述した従来の▲1▼▲2▼熱硬化性樹脂を塗布する方法、および▲3▼メッキにより充填部を設ける方法に比べて、充填部を設けるのに時間がかからず、かつ容易に充填部を設けることができるので、回路基板を容易に製造することができる。
【0061】
加えて、請求項2に係る発明によれば、絶縁フィルムの一方からスルーホール内に、硬化波長領域の光吸収率が光硬化性樹脂よりも低い添加物を混ぜた光硬化性樹脂を充填するように塗布し、その添加物により光硬化性樹脂の体積比を減じて、スルーホール内の光透過率を上げることができるので、絶縁フィルムの厚さが厚いものであっても、スルーホール内の厚さ方向の全体に光を当てて、スルーホール内の光硬化性樹脂を硬化することができる。
【0062】
加えて、請求項3に係る発明によれば、光硬化性樹脂をスキージを用いて、絶縁フィルムの一方からスルーホール内に充填するように塗布し、硬化後に除去する光硬化性樹脂の量を少なくするため、一層簡単に充填部を設けることができることにより、回路基板を一層容易に製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による回路基板の製造方法の一例を示す説明図である。
【図2】その製造方法において、導電部を設けた後の部分拡大断面図である。
【図3】その製造方法において、光硬化性樹脂を塗布した後の部分拡大断面図である。
【図4】その製造方法において、充填部を設けた後の部分拡大断面図である。
【図5】他例の製造方法において、スクリーン印刷法により光硬化性樹脂を塗布した後の部分拡大断面図である。
【図6】また別の例の製造方法において、スキージを用いた方法により光硬化性樹脂を塗布する工程を説明する概略側面図である。
【図7】そのスキージを用いた方法により光硬化性樹脂を硬化する工程を説明する概略側面図である。
【図8】従来の回路基板の製造方法の工程において、(A)は、スルーホール形成後の部分拡大断面図、(B)は、熱硬化性樹脂を塗布した後の部分拡大断面図、(C)は、研磨後の部分拡大断面図である。
【符号の説明】
11 絶縁フィルム
12 金属層
13 スルーホール
14 導電部
15 光硬化性樹脂
16 充填部
20 スキージ
Claims (3)
- 表裏に金属層を設けた絶縁フィルムに貫通孔を形成し、
その後、表裏の金属層間の導通を得るため、前記貫通孔内に導電部を設けてスルーホールを形成した後、
前記絶縁フィルムの一方から前記スルーホール内に光硬化性樹脂を充填し、その充填した光硬化樹脂が前記絶縁フィルムの他方から溢れ出して絶縁フィルムの表面に付着しないように塗布し、
その後、絶縁フィルムの他方から光を照射して、前記スルーホール内の光硬化性樹脂を硬化する一方、前記絶縁フィルムの他方側にある前記金属層および前記導電部で遮光して前記絶縁フィルム面上の前記光硬化性樹脂は未硬化の状態のままとして後、
前記絶縁フィルム面上の未硬化の前記光硬化性樹脂を除去して前記金属層上には前記光硬化性樹脂が残らないが、前記スルーホール内には前記光硬化性樹脂が一杯に充満した充填部を設け、
その後、前記金属層の表面にフォトレジストを塗布した後、露光と現像を行ってから、前記金属層をエッチングして配線パターンを設ける、ことを特徴とする回路基板の製造方法。 - 前記絶縁フィルムの一方から前記スルーホール内に、硬化波長領域の光吸収率が前記光硬化性樹脂よりも低い添加物を混ぜた前記光硬化性樹脂を充填するように塗布する、ことを特徴とする請求項1に記載の回路基板の製造方法。
- 前記光硬化性樹脂をスキージを用いて、前記絶縁フィルムの一方から前記スルーホール内に充填するように塗布する、ことを特徴とする請求項1または2に記載の回路基板の製造方法。
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