JP4727824B2 - スルーホールの閉鎖方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は,プリント配線板のスルーホールを閉鎖する方法に関する。例えば,プリント配線板の製造プロセスでスルーホールの穴埋めに用いて好適な方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から,プリント配線板の製造においては,層間導通構造の形成のため,基板にスルーホールを開ける場合がある。かかるスルーホールは,層間導通構造ができてしまえばその後は貫通している必要はない。むしろ貫通したままであると,後の部品実装時に吸着固定ができない等の問題の原因となる。このためスルーホールは,層間導通構造が形成された後に閉鎖されるのが一般的である。
【0003】
そのための従来一般的な方法を図2により説明する。従来の方法では,まず,スルーホールの箇所20に対し印刷により液状フォトソルダレジストSRを供給する。これにより,液状フォトソルダレジストSRが供給側(図2中上側)にややはみ出し,その反対側(図2中下側)はくぼんだ状態となる。この状態で指触乾燥してから,図2中下側から露光する。これにより,液状フォトソルダレジストSRの図2中下側の表面付近に,感光層21が形成される。そしてこれを現像する。すると,液状フォトソルダレジストSRの図2中下側の感光層21は溶けないが,上側の表面付近が溶けるので,上面も下面のようにくぼんだ状態となる。この状態では液状フォトソルダレジストSRの上面側に未感光の部分が若干残っているので,その後両面露光硬化および熱硬化が施される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら,前記した従来の方法には,次のような問題点があった。すなわち,閉鎖後の形状として上下の凹みが大きく,400μm程度もあるのである。このため,この凹みが後の工程で液溜まりとなったりボイドとして残ったりする場合があった。これにより,製品の信頼性が低下したり,上層の平坦性が損なわれたりしていた。また,図2中下側の面が印刷時等に液状フォトソルダレジストで汚染されると,そのまま露光により硬化してしまい,欠陥の原因となった。
【0005】
本発明は,前記した従来の閉鎖方法が有する問題点を解決するためになされたものである。すなわちその課題とするところは,充填物の上下にさほど大きな凹みができないようにして,製品の信頼性や上層の平坦性の向上を図り,また汚染の問題も生じないようにしたスルーホールの閉鎖方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この課題の解決を目的としてなされた本発明に係るスルーホールの閉鎖方法では,スルーホールを有するプリント配線板に対し,スルーホールの箇所に液状の熱硬化型樹脂を供給してスルーホールを熱硬化型樹脂で充填し(工程1),熱硬化型樹脂に溶媒を接触させてスルーホールからのはみ出し部分を除去する(工程3)ことにより,プリント配線板のスルーホールを閉鎖する。
【0007】
ここにおいて,工程1の際に液状の熱硬化型樹脂を供給側の面の反対側の面まで到達させ,工程3に供する前に液状の熱硬化型樹脂を指触乾燥する(工程2)。さらに,工程3の後,スルーホール内に残っている熱硬化型樹脂を加熱により本硬化する(工程4)。
【0008】
この方法によれば,工程1によりスルーホールが液状の熱硬化型樹脂で塞がれる。仮にこのとき余分な熱硬化型樹脂が板面上に付着したとしても,工程3で溶媒に接触させる際に溶出するので,そのまま残留して欠陥の原因となることはない。また,工程1でスルーホール内の大部分が液状の熱硬化型樹脂で充填されるので,工程3の溶解は,はみ出し部分を除去する程度の軽い条件で十分である。この結果,閉鎖後の形状は,上下の凹みが小さいものとなる。このため,製品の信頼性や上層の平坦性を損なうことがない。
【0009】
また,工程1の際,スルーホールの箇所に穴の開いたマスクをプリン配線板の上方側の面に有する状態として,そのマスクを介して液状の熱硬化型樹脂を供給する。これにより下側の開口まで液状の熱硬化型樹脂を到達させる。さらに,そのマスクとして,工程3で使用する溶媒により溶ける材質のものを使用する。
【0010】
工程1の際にマスクを使用するので,プリント配線板の板面の熱硬化型樹脂による汚染が防止される。そして,マスクの材質を上記の如く選んでいるので,工程3の際に自然にマスクが除去される。このため,マスクを除去するための工程を設ける必要がない。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下,本発明を具体化した実施の形態について,添付図面を参照しつつ詳細に説明する。本実施の形態は,プリント配線板の製造において,基板に形成したスルーホールを絶縁性物質で閉鎖する方法として,本発明を具体化したものである。ここでは,絶縁性物質として,熱硬化型樹脂を用いている。また,表裏の導体パターンはパターニング済みであり,スルーホールについては,めっきによる層間導電層がすでに形成済みであることとする。
【0012】
本実施の形態では,図1の(a)に示すように,まず,スルーホールの箇所20に対し印刷により液状の熱硬化型樹脂10を,図1中上方から供給する。その際あらかじめ,図1中上方側の板面に,スルーホールの箇所20に穴を有するマスク22を形成しておく。マスク22は,後述する溶媒処理の際に溶解する性質を有している。このマスク22は,日立化成工業(株)製HW440のようなフォトレジストを板面上に塗布して露光および現像を行うことにより形成される。
【0013】
そして印刷は,図2に示した従来技術の場合と異なり,液状の熱硬化型樹脂10が,スルーホールの図1中下側の開口端まで達するように,供給量を調節して行う。この作業は,基板をジグ板上に載置した状態で行い,液状の熱硬化型樹脂10が下側へ流出しないようにするとよい。このときの熱硬化型樹脂としては,エポキシ系ソルダレジストインキなどが使用可能である。
【0014】
そしてこの状態で,熱硬化型樹脂10の指触乾燥を行う。その条件は,上記の熱硬化型樹脂を使用する場合で80℃30分程度のやや強めの条件とする。指触乾燥後の状態で,熱硬化型樹脂10のスルーホールからのはみ出し量は,図1中上側が50μm程度(マスク22の厚さを含む),下側が5〜10μm程度である。
【0015】
そしてこれに,溶媒処理を施す。ここで用いる溶媒は,熱硬化型樹脂10とマスク22とをともに溶解させる性質のものである。例えば,使用したエポキシ系ソルダレジストインキの溶剤などが使用可能である。処理時間は,板面上のマスク22や熱硬化型樹脂が全部溶解し,スルーホール内の熱硬化型樹脂10が少し溶ける程度とする。これにより,図1の(b)に示すように,熱硬化型樹脂10の上下のはみ出し部分が除去され,上下ともややくぼんだ状態となる。この状態での凹みの深さは,上下とも50〜150μm程度であり,図2に示した従来技術の場合より小さい。このため,後の工程におけるこの凹みへの液溜まりや,ボイド,上層の平坦性,といった問題が少ない。また,印刷の段階で熱硬化型樹脂が板面上に付着していたとしても,溶媒処理時に除去される。このため,付着した熱硬化型樹脂が汚染として残留し,欠陥不良の原因となることがない。
【0016】
その後,この状態のものに,加熱による本硬化を施すと,後続の工程(上層積層,ソルダレジスト形成,部品実装など)へ供給できる状態となる。本硬化は,温度150℃以上の時間が30分程度確保されるように行う。そうすると通常の設備では,前後の昇温時間および降温時間も含めたトータルの本硬化時間として,1時間程度要する。
【0017】
本実施の形態のものと従来のものとについて,本硬化(従来のものでは本乾燥)後の状態におけるスルーホール中の熱硬化型樹脂10(従来のものではフォトソルダレジストSR)の厚さを測定し,比較する試験を本発明者らが行ったので,その結果を簡単に説明する。この試験は,基板の全厚を1000μmとして行った。この試験では,本実施の形態のものは平均で740〜800μm程度の厚さが得られた。そしてばらつきはさほど大きくなく,標準偏差で約35μm程度であった。よって,上下の凹みの深さは概ね,50〜150μm程度であった。これに対し従来の方法によったものでは,最大値はともかく最小値が著しく小さく,大きくばらついた(標準偏差で約178μm)。このため平均値も約218μmに留まった。このため,プロセスの安定性に欠けるといわざるを得ない。上下の凹みの深さは,平均でも400μm近くあり,ばらつきも大きいものであった。
【0018】
以上詳細に説明したように本実施の形態では,プリント配線板の製造プロセス中で基板のスルーホールを閉鎖するに際し,スルーホールの箇所20に穴を有するマスク22を介して,液状の熱硬化型樹脂10をスルーホール内に供給して充填し,指触乾燥した後,溶媒処理してマスク22と余分な熱硬化型樹脂10とを除去することとしている。このため,溶媒処理後に板面上に熱硬化型樹脂が汚染物として残ることがなく,また,溶媒処理後におけるスルーホール中の熱硬化型樹脂10の上下の凹みが小さい。このようにして,製品の信頼性や上層の平坦性の向上を図り,また汚染の問題も生じないようにしたスルーホールの閉鎖方法が実現されている。
【0019】
ここにおいて,溶媒処理時には,熱硬化型樹脂10の下側の表面も溶出するので,液状の熱硬化型樹脂10の供給時に下側いっぱいまでスルーホールを充填できるのである。このため,図1中下側の凹みを小さくできるのである。従来のように液状フォトソルダレジストを露光する方法だと,フォトソルダレジストSRの下側の表面は溶出しないので,フォトソルダレジストSRがスルーホール下側から突出しないようにしなければならない。このため,液状フォトソルダレジストSRの供給の段階で,安全を見て下方には大きな隙間を残す必要があるのである。本実施の形態の方法ではそのようなことがない。
【0020】
なお,本実施の形態は単なる例示にすぎず,本発明を何ら限定するものではない。したがって本発明は当然に,その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良,変形が可能である。
【0021】
例えば,対象とする基板は,図1に示すような内層パターンを含まないものに限らず,内層パターンを含むものでもよい。また,積層の初期段階でも最終積層後でも適用可能である。
【0022】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように本発明によれば,充填物の上下にさほど大きな凹みができないようにして,製品の信頼性や上層の平坦性の向上を図り,また汚染の問題も生じないようにしたスルーホールの閉鎖方法が提供されている。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態に係るスルーホールの閉鎖方法の概略手順を示す図である。
【図2】従来のスルーホールの閉鎖方法の概略手順を示す図である。
【符号の説明】
10 熱硬化型樹脂
20 スルーホールの箇所
22 マスク
Claims (1)
- 表裏面の導体層がパターニング済みであり,スルーホールを有するプリント配線板に対し,
上方側の面に,スルーホールの箇所に穴の開いたマスクを有する状態として,前記マスクを介してスルーホールの箇所に液状の熱硬化型樹脂を供給し,下側の開口まで液状の熱硬化型樹脂を到達させてスルーホールを熱硬化型樹脂で充填し(工程1),
液状の熱硬化型樹脂を指触乾燥し(工程2),
熱硬化型樹脂に溶媒を接触させてスルーホールからのはみ出し部分を除去するとともに前記マスクを溶解させ(工程3),
スルーホール内に残っている熱硬化型樹脂を加熱により本硬化し(工程4),
前記マスクとして,前記工程3で使用する溶媒により溶ける材質のものを使用することを特徴とするスルーホールの閉鎖方法。
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