JP4215522B2 - ガスバリア性組成物及びこれを用いたガスバリア性フィルム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ガスバリア性組成物、及びこれを用いたガスバリア性フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
食品や薬品の包装分野において、内容物の品質劣化を防ぐ目的で、酸素ガスバリア性等のガスバリア性に優れている包装材料が使用されている。このようなガスバリア性フィルムとしては、ポリ塩化ビニリデンを積層したフィルム、ポリビニルアルコール系樹脂を用いたフィルム等が知られている。特に、上記ポリ塩化ビニリデンを積層したフィルムは、食品包装用として幅広く使用されている。
【0003】
しかし、上記ポリ塩化ビニリデンを積層したフィルムは、近年のダイオキシンをはじめとする環境問題から、使用が控えられる傾向にある。また、上記ポリビニルアルコール系樹脂を用いたフィルムは、ポリビニルアルコール系樹脂が水酸基を含有するため、高湿度下でのガスバリア性が低下する問題点を有する。
【0004】
これに対し、高湿度下でのガスバリア性を向上させる方法として、ポリビニルアルコール系樹脂あるいはエチレン−ビニルアルコールコポリマーとアルコキシシランを含有する組成物を、ゾル−ゲル法によって重縮合した複合ポリマーをフィルムに塗工した例が特許文献1,2に開示されている。
【0005】
【特許文献1】
特許第2556940号公報
【特許文献2】
特許第2880654号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の各特許文献に記載のフィルムは、高湿度下におけるガスバリア性は、必ずしも十分でない場合がある。
【0007】
そこで、この発明は、高湿度下におけるガスバリア性が格段に向上したガスバリア性フィルムを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明は、分子中に少なくとも1個のカルボジイミド基を有する化合物、金属アルコキシドの加水分解物及び/又はその縮合物、並びに水溶性高分子を含有するガスバリア性組成物を、基材の少なくとも片面に塗工したガスバリア性フィルムを用いることにより、上記課題を解決したのである。
【0009】
水溶性高分子と、金属アルコキシドの加水分解物及び/又はその縮合物とが重縮合反応するので、有機物と無機物とが複合した緻密な構造体ができ、この隙間を分子中に少なくとも1個のカルボジイミド基を有する化合物が架橋で埋めた非常に緻密で強固な構造の膜が生成する。さらに、カルボジイミド化合物の効果で、基材密着性が向上するため、高湿度条件下で優れた酸素ガスバリア性を発揮するコートフィルムが得られる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下において、この発明について詳細に説明する。
この発明にかかるガスバリア性組成物は、分子中に少なくとも1個のカルボジイミド基を有する化合物、金属アルコキシドの加水分解物及び/又はその縮合物、並びに水溶性高分子を含有する組成物である。
【0011】
分子中に少なくとも1個のカルボジイミド基を有する化合物(以下、「特定カルボジイミド化合物」と称する。)とは、上記ガスバリア性組成物中の他の成分と架橋反応し得るものであれば特に制限されない。この例としては、ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジイソブチルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド、ジフェニルカルボジイミド等のモノカルボジイミド化合物、ポリウレタンの技術分野において公知のジイソシアネート化合物の脱炭酸反応によって得られるポリカルボジイミド化合物等があげられる。上記のポリウレタンの技術分野において公知のジイソシアネート化合物としては、メチレンジフェニルジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ナフチレンー1,5−ジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、ノルボルネン・ジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等があげられる。この中でも、特に親水性のカルボジイミド化合物が好適であり、具体例としては、日清紡(株)製:商品名 カルボジライト等があげられる。
【0012】
上記の特定のカルボジイミド基を有する化合物の添加量は、特に限定されないが、水溶性高分子内の反応性基1モルに対して、0.1×10-3〜0.1モルがよく、0.5×10-3〜0.05モルが好ましい。0.1×10-3モルより少ないと得られるガスバリア性組成物からなる層の緻密さが欠け、十分なガスバリア性が発現しにくくなる傾向がある。一方、0.1モルより多いと、溶液がゲル化したり、得られるガスバリア性フィルムの性能が低下する傾向がある。
【0013】
上記金属アルコキシドは、下記の化学式(I)であらわされる化合物をいう。
M(OR)n (I)
上記式(I)において、Mは、ケイ素、チタン、ジルコニウム、アルミニウム等から選ばれる少なくとも一種の金属元素を示し、Rは、炭素数1〜8の低級アルキル基を示し、nは1〜4の整数を示す。
【0014】
上記金属アルコキシドは、この加水分解物及び/又はその縮合物を使用するので、触媒の作用で加水分解及び縮合するものであれば特に限定されない。この金属アルコキシドの例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトラ−tert−ブトキシシラン、テトラ−sec−ブトキシシラン等のアルコキシシラン化合物、テトラメトキシチタン、テトラエトキシチタン、テトライソプロポキシチタン、テトラ−n−プロポキシチタン、テトラ−n−ブトキシチタン、テトラ−tert−ブトキシチタン、テトラ−sec−ブトキシチタン等のチタンアルコキシド化合物、テトラメトキシジルコニウム、テトラエトキシジルコニウム、テトライソプロポキシジルコニウム、テトラ−n−プロポキシジルコニウム、テトラ−n−ブトキシジルコニウム、テトラ−tert−ブトキシジルコニウム、テトラ−sec−ブトキシジルコニウム等のジルコニウムアルコキシド化合物、トリメトキシアルミニウム、トリエトキシアルミニウム、トリイソプロポキシアルミニウム、トリ−n−プロポキシアルミニウム、トリ−n−ブトキシアルミニウム、トリ−tert−ブトキシアルミニウム、トリ−sec−ブトキシアルミニウム等のアルミニウムアルコキシド化合物等があげられる。これらの中でも、アルコキシシラン化合物が最も好適である。これらは、少なくとも1種が使用され、1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0015】
上記金属アルコキシドの使用量は、特に限定されないが、上記水溶性高分子100重量部に対して、50〜5000重量部がよく、1100〜4000重量部が好ましい。50重量部より少ないと、十分なガスバリア性や耐熱水性が発現しにくくなる傾向にある。また、5000重量部より多いと、得られるガスバリア性組成物からなるコート層の脆性が増し、性能が悪くなる傾向がある。
【0016】
上記水溶性高分子とは、水溶性を有する高分子物質をいい、官能基として、水酸基、アミノ基、酸アミド基、チオール基、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基等を有するものがあげられる。この水溶性高分子の例としては、ポリビニルアルコール系重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、アミロース、アミロペクチン、プルラン、カードラン、ザンタン、キチン、キトサン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリベンゼンスルホン酸、ポリベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン、ポリアクリルアミド、ゼラチン、ポリビニルピロリドン等や、これらの共重合体、変性体等の誘導体があげられる。これらの中でも、高分子中に窒素含有官能基を2個以上含有する水溶性高分子が好ましく、ポリアクリルアミドが特に好ましい。ポリアクリルアミドを用いることにより、得られるガスバリア性組成物を塗工する後述の基材と、この基材に上記ガスバリア性組成物を塗工して形成されたガスバリア層との密着性が向上し、より良好な性能が得られる。これらは、少なくとも1種が使用され、1種のみを使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
【0017】
上記水溶性高分子の重量平均分子量は、特に限定されないが、500〜1500万が好ましく、5000〜1000万がより好ましい。500より小さいと、最終的に得られる組成物のガスバリア性が悪くなる傾向がある。一方、1500万より大きいと、水溶液とした場合の粘度が高くなりすぎる傾向がある。
【0018】
上記金属アルコキシドの加水分解反応や縮合反応を行うためには、水、加水分解反応や縮合反応を行う触媒、及び有機溶媒が用いられる。さらに、上記の水溶性高分子と金属アルコキシドの加水分解物及び/又はその縮合物の結合性をより向上するため、有機官能基及び加水分解基を有するシラン化合物(以下、「特定シラン化合物」と称する。)を添加してもよい。
【0019】
上記金属アルコキシドの加水分解反応及びその縮合反応、又はそれらの反応生成物と上記水溶性高分子との重縮合反応は、酸性条件、塩基性条件のいずれの条件下においても促進される。酸性条件下における触媒としては、塩酸、硝酸、硫酸等の鉱酸、リン酸、酢酸、クエン酸、シュウ酸、p−トルエンスルホン酸等の有機酸があげられる。また、塩基性条件下における触媒としては、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等の無機塩基、アンモニア、ピリジン、トリエチルアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン等の有機塩基があげられる。これらの中でも、酸性条件が好ましく、塩酸が特に好ましい。さらに、これらの触媒は、1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。さらにまた、触媒は、加水分解反応を目的とする触媒と、重縮合反応を目的にする触媒とに分けて用いてもよい。
【0020】
上記の触媒の添加量は、特に限定されず、溶液がゲル化しない範囲内で、任意の量を添加することができる。
【0021】
上記有機溶媒は、上記の金属アルコキシドを溶解させ、さらに、上記水溶性高分子の水溶液と相溶するものであれば特に限定はされないが、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等の低級アルコールが好ましい。これらは、1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0022】
上記有機溶媒の添加量は、特に限定されないが、金属アルコキシド100重量部に対し、2〜500重量部がよく、10〜300重量部が好ましい。2重量部より少ないと、金属アルコキシドが十分に溶解せず、加水分解反応が抑制される。一方、500重量部より多いと、水溶性高分子の溶解性が低下する傾向がある。
【0023】
この発明にかかるガスバリア性組成物には、得られるガスバリア性組成物を後述する基材の少なくとも片面に塗工して形成されるガスバリア層の緻密性をより向上させるために、モンモリロナイト、バーミキュライト、膨潤性合成フッ素雲母系鉱物等を添加することができる。
【0024】
上記ガスバリア性組成物には、最終的に得られるガスバリア性フィルムの性能を低下させない範囲で、架橋剤、分散剤、可塑剤等の各種添加剤を必要に応じて含有させることができる。
【0025】
次に、この発明にかかるガスバリア性組成物の製造方法について説明する。この発明にかかるガスバリア性組成物は、上記の各種原料を混合することにより製造される。このとき、上記の金属アルコキシドは、あらかじめ加水分解したものを用いてもよい。
【0026】
上記各種原料の混合順序は、特に制限されないが、金属アルコキシドを直接加える場合は、まず、上記水溶性高分子の水溶液に有機溶媒及び触媒を添加し、次いで、金属アルコキシド及び、必要に応じて、特定シラン化合物を混合して溶液を完全に相溶させ、次いで、特定カルボジイミド化合物、及び必要に応じて、さらにその他の各種添加剤を加えることが好ましい。
【0027】
この発明にかかるガスバリア性組成物を周知の方法で成形することにより、ガスバリア性フィルムを得ることができる。また、上記ガスバリア性組成物を基材の少なくとも片面に塗工することによっても、ガスバリア性フィルムを製造することができる。
【0028】
上記基材としては、ガス透過性の有無に関わらず、基材としての強度を有していればよく、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン46等のポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート等のポリエステル樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン樹脂、及びそれらの混合樹脂から選ばれる少なくとも1種の樹脂からなる高分子樹脂フィルム、又はそれらの高分子樹脂フィルムの積層体があげられる。この高分子樹脂フィルムは、未延伸フィルムであってもよく、また、延伸フィルムであってもよい。
【0029】
なお、上記基材の表面には、接着性を向上させるため、公知のコロナ放電処理、火炎処理、紫外線処理、アンカーコート剤塗布処理などを行ってもよい。
【0030】
また、上記基材として、上記樹脂フィルムの表面に無機酸化物蒸着層を形成した蒸着フィルム等を用いてもよい。この場合、上記ガスバリア性組成物を、上記蒸着フィルムの蒸着面に塗工してもよい。
【0031】
上記塗工とは、基材表面に上記ガスバリア性組成物からなる層を形成させる方法であれば特に限定されるものではなく、グラビアコーティング、リバースロールコーティング、ワイヤーバーコーティング、ダイコーティング等の通常の塗工方法を採用することができる。なお、上記塗工は、フィルムの延伸前であっても延伸後であってもよい。
【0032】
上記ガスバリア性組成物を上記基材に塗工することによって形成されるガスバリアコート層の乾燥は特に限定されないが、基材の融点及び軟化点以下の温度で行うことができ、架橋反応が十分に行われる温度でよい。本発明の上記ガスバリア性組成物は非常に反応性に富むため、架橋反応に120℃を超える温度・長時間での熱処理を必要としない。120℃以下、数秒の比較的低温・短時間での乾燥・熱処理で十分である。
【0033】
さらに、上記ガスバリア性組成物を塗工し、乾燥させた基材を、エージングすることにより、形成されたガスバリアコート層の架橋密度を増大させ、よりバリア性を向上させることができる。このエージングの温度や時間は、特に限定されないが、20〜120℃で1〜150時間が好ましく、30〜70℃で6〜100時間がより好ましい。
【0034】
上記温度が20℃より低いと、エージング時間がかかりすぎる傾向にあり、一方、120℃を超えると、基材にダメージを与える場合がある。また、上記時間が、1時間より短いと、十分に架橋密度を増大させることができない場合がある。一方、150時間を超えてもよいが、特に性能向上に与える効果はない。
【0035】
上記ガスバリア性組成物は、例えば、溶液を加熱する等の操作によって、急激に有機物と無機物とを複合化させてしまうと、多孔質な構造となってしまい、十分な性能が得られない場合がある。このため、基材に塗工、乾燥させてから、上記エージング等の操作で徐々に反応させることによって、より緻密な構造を造ることができる。
【0036】
このガスバリア性フィルムは、非常に緻密な構造を有するガスバリア層を有するので、高湿度条件下で十分なガスバリア性を発揮し、また、表面の平滑性及び透明性に優れる。
【0037】
この発明にかかるバリア性フィルムは、高湿度下、具体的には23℃、90%RHでのガスバリア性が非常に良好であるハイバリアフィルムである。このガスバリアコート層1μmあたりの23℃、90%RHでの酸素透過度は、1cc/m2・day・atm以下がよく、0.8cc/m2・day・atm以下が好ましい。1cc/m2・day・atmより大きいと、ハイバリア性包装材料とした場合の実用性に欠ける。
【0038】
この発明にかかるガスバリア性フィルムは、そのままガスバリア性フィルムとして使用することができ、また、このガスバリア性フィルムを他のフィルム又はシートに積層して、積層体を形成することができる。この積層体は、ガスバリア性を有する積層体として使用することができる。
【0039】
【実施例】
以下に実施例及び比較例をあげてこの発明をさらに具体的に説明する。まず、使用原料及び評価方法について下記に示す。
[使用原料]
【0040】
(特定カルボジイミド化合物)
日清紡(株)製:カルボジライト V−02−L2(有効成分40重量%、カルボジイミド当量385)
【0041】
(水溶性高分子)
・ポリビニルアルコール…(株)クラレ製:PVA117(平均重合度1700、以下、「PVA」と略する。)
・ポリアクリルアミド…東京化成工業(株):試薬(10%水溶液、重量平均分子量70万〜100万、以下、「PAM」と略する。)
【0042】
(金属アルコキシド)
・テトラエトキシシラン…多摩化学工業(株)製:正珪酸エチル(以下、「TEOS」と略する。)
・テトラプロピルチタネート…松本製薬工業(株)製:オルガチックスTA−10(以下、「TA−10」と略する。)
・テトラプロピルジルコニウム…松本製薬工業(株)製:オルガチックスZA−40(以下、「ZA−40」と略する。)
【0043】
(特定シラン化合物)
・3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン…信越シリコーン(株)製:KBM−403
【0044】
[評価方法]
(フィルムのガスバリア性)[酸素透過度]
酸素透過試験器(Modern Contorol社製、OX−TRAN2/20)により、23℃、相対湿度90%の雰囲気下における酸素透過度を測定した。
フィルムのガスバリア性は基材のフィルムの種類や厚み、およびコート層の厚みにより変化するため、下記の式に従って、ガスバリアコート層1μmあたりの酸素透過度(Psamp1e)(単位:cc・1μm/m2・day・atm)を算出した。
1/Ptotal=1/Psamp1e+1/Pbase
total;測定結果
base;基材フィルムの酸素透過度
samp1e;ガスバリアコート層の酸素透過度
【0045】
(実施例1〜4)
表1に記載の水溶性高分子の2重量%水溶液250g(固形分5g)を調製し、次いで、エタノール75gを添加した後、表1に示す触媒(重縮合触媒と兼用)を適量添加してから、金属アルコキシドを75gを添加した。次に、液が均一になった時点で、上記特定カルボジイミド化合物を0.5g添加して撹拌し、ガスバリア性組成物を得た。
【0046】
得られたガスバリア性組成物を、基材フィルムである延伸ポリエステルフィルム(東洋紡績(株)製:E5100、厚さ12μm)のコロナ処理面に乾燥後の塗工厚みが1μmとなるようにメイヤーバーで塗工した。その後、100℃で5分間、熱風乾燥機中で乾燥・熱処理を行い、ガスバリア性フィルムを得た。得られたガスバリア性フィルムを用いて上記の試験及び評価を行った。その結果を表1に示す。
【0047】
(比較例1)
特定カルボジイミド化合物を添加しない以外は、実施例4と同様にしてガスバリア性組成物及びガスバリア性フィルムを得た。得られたガスバリア性フィルムを用いて上記の試験及び評価を行った。その結果を表1に示す。
【0048】
(比較例2)
表1に記載の水溶性高分子の2重量%水溶液250g(固形分5g)を調製し、次いで、エタノール75gを添加した後、表1に示す加水分解用触媒を適量添加してから、金属アルコキシドを75g、及び上記の特定シラン化合物を4g添加した。次に、液が均一になった時点で、重縮合触媒としてN,N−ジメチルベンジルアミン(表1において、「DMBA」と略する。)0.1gを添加して撹拌し、ガスバリア性組成物を得た。得られたガスバリア性組成物を、実施例1と同様にして、ガスバリア性フィルムを得た。得られたガスバリア性フィルムを用いて上記の試験及び評価を行った。その結果を表1に示す。
【0049】
(比較例3)
表1に記載の水溶性高分子の2重量%水溶液250g(固形分5g)を調製し、次いで、上記の特定カルボジイミド化合物0.5gを添加して撹拌し、ガスバリア性組成物を得た。得られたガスバリア性組成物を、実施例1と同様にして、ガスバリア性フィルムを得た。得られたガスバリア性フィルムを用いて上記の試験及び評価を行った。その結果を表1に示す。
【0050】
【表1】
Figure 0004215522
【0051】
【発明の効果】
この発明によると、水溶性高分子と金属アルコキシドとの加水分解物及び/又はその縮合物とが重縮合反応するので、有機物と無機物とが複合した緻密な構造体ができ、その隙間を分子中に少なくとも1個のカルボジイミド基を有する化合物が架橋で埋めた非常に緻密で強固な構造の膜が生成する。さらに、カルボジイミド化合物の効果で基材密着性が向上するため、高湿度条件下で優れた酸素ガスバリア性を発揮するコートフィルムが得られる。

Claims (7)

  1. 分子中に少なくとも1個のカルボジイミド基を有する化合物、金属アルコキシドの加水分解物及び/又はその縮合物、並びに水溶性高分子を含有し、前記カルボジイミド基を有する化合物の量は、前記水溶性高分子の分子内の反応性基 1 モルに対して0.1×10 −3 〜0.1モルであり、
    前記金属アルコキシドの量は、前記水溶性高分子100重量部に対して50〜5000重量部であるガスバリア性組成物。
  2. 上記水溶性高分子は、その高分子中に窒素含有官能基を2個以上有する請求項1に記載のガスバリア性組成物。
  3. 上記水溶性高分子がポリアクリルアミドである請求項1又は2に記載のガスバリア性組成物。
  4. 上記金属アルコキシドを構成する金属元素は、ケイ素、アルミニウム、チタン及びジルコニウムから選ばれる少なくとも一種である請求項1乃至3のいずれかに記載のガスバリア性組成物。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載のガスバリア性組成物を、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン46、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、及びそれらの混合樹脂から選ばれる少なくとも1種の樹脂からなるフィルム、又はそれらのフィルムの積層体の少なくとも片面に塗工したガスバリア性フィルム。
  6. 請求項1乃至4のいずれかに記載のガスバリア性組成物を、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン46、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、及びそれらの混合樹脂から選ばれる少なくとも1種の樹脂からなるフィルム、又はそれらのフィルムの積層体上に無機酸化物蒸着層を設けた蒸着フィルムの蒸着面に塗工したガスバリア性フィルム。
  7. 請求項5又は6に記載のガスバリア性フィルムを少なくとも1層積層したガスバリア性積層体。
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