JP2001138446A - 積層体 - Google Patents

積層体

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JP2001138446A
JP2001138446A JP36270599A JP36270599A JP2001138446A JP 2001138446 A JP2001138446 A JP 2001138446A JP 36270599 A JP36270599 A JP 36270599A JP 36270599 A JP36270599 A JP 36270599A JP 2001138446 A JP2001138446 A JP 2001138446A
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JP
Japan
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thermoplastic resin
film
laminate
resin film
polymer
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JP36270599A
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English (en)
Inventor
Yoji Inui
洋治 乾
Yuzo Sugita
裕三 杉田
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Tokuyama Corp
Original Assignee
Tokuyama Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】熱可塑性樹脂フィルムに高分子ガスバリア層を
積層する場合に用いられる、アンカーコート層と熱可塑
性樹脂フイルム間、および熱可塑性樹脂フイルムと高分
子ガスバリア層間において充分な接着性を有する積層体
を提供すること。 【解決手段】本発明は、少なくとも片面が(a)フレー
ムプラズマ処理、および/または(b)窒素および/ま
たは二酸化炭素の雰囲気下でコロナ放電処理されている
熱可塑性樹脂フィルム層とアンカーコート層との積層体
であり、該処理面にアンカーコート層が積層されてなる
積層体である

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、包装用フィルムと
して好適な積層体に関するものであり、詳しくはガスバ
リアフィルムとして好適な積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリプロピレンフィルムやPETフィル
ム等の熱可塑性樹脂フィルムは、良好な加工適性、優れ
た機械強度、透明性、製袋性等の二次加工性等により、
包装用フィルムとして汎用されている。
【0003】さらに、ガスバリアー性(特に湿度依存性
の低い酸素バリアー性)機能を付与させる目的で、これ
ら熱可塑性樹脂フィルムの表面に、塩化ビニリデン系樹
脂からなる層や、無機物質とポリビニルアルコール系樹
脂との高分子ガスバリア層を積層することが行われてい
る。
【0004】上記した積層をおこなう際、特にポリプロ
ピレンフィルム等の表面極性の低い熱可塑性樹脂フィル
ムにおいては、熱可塑性樹脂フイルム/高分子ガスバリ
ア層間の接着性が不足しているため、両層間にアンカー
コート剤等による接着層が一般的に設けられている。さ
らには、上記アンカーコート層を熱可塑性樹脂フィルム
上に設ける際に、熱可塑性樹脂フイルム/アンカーコー
ト層間の接着性を充分なものとするため、一般的に熱可
塑性樹脂フィルムの表面にコロナ放電処理が施されてい
る。
【0005】しかしながら、特に比較的高いシール強度
が要求される用途においては、上記コロナ放電処理によ
る接着性改良でも未だ充分でなく、改良の余地があっ
た。
【0006】上記問題を解決する手段として、特開平6
−134942号公報には、コロナ放電処理やオゾン処
理を施した、特定のプロピレン−α−オレフィン共重合
体フィルムの表面に、アンカーコート層を設け、さらに
エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂層のような高
分子ガスバリア層を積層した積層体が開示されている。
【0007】また、特開平9−111017号公報に
は、熱可塑性樹脂基材フイルム表面に、実質的に窒素ガ
ス雰囲気下または窒素/炭酸ガス雰囲気下でコロナ放電
処理を施し、該表面処理面に水溶性高分子及び無機系層
状化合物を主たる構成成分とした塗膜を形成したガスバ
リアフイルムが開示されている。
【0008】しかしながら、特開平6−134942号
公報記載の方法では、上記したオゾン処理が、オゾンを
溶融状態にあるシート状樹脂表面に吹き付けることによ
って行われるため、生産工程上の制約があり、生産性に
関して未だ充分でなく改良の余地がある。また、上記の
ような大気下のコロナ放電処理では、接着性に関して充
分でなく、特に比較的高いシール強度が要求される用途
においては、未だ改良の余地がある。
【0009】また、特開平9−111017号公報記載
の方法では、上記発明はガスバリア性に関してはある程
度の改良効果はあるものの、特に比較的高いシール強度
が要求される用途において、接着性に関しては未だ充分
でなく改良の余地がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、熱可塑性樹脂フィルムに高分子ガスバリア層を
積層する場合に用いられる、アンカーコート層と熱可塑
性樹脂フイルムとの間において充分な接着性を有する積
層体を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく、熱可塑性樹脂フィルムとアンカーコート
層との間において、強固な接着性を得ることについて、
鋭意研究を重ねてきた。
【0012】その結果、熱可塑性樹脂フィルムに(a)
フレームプラズマ処理、および/または(b)窒素およ
び/または二酸化炭素の雰囲気下でコロナ放電処理を行
ない、該処理面にアンカーコート層を積層することによ
り、上記課題が解決できることを見い出し、本発明を完
成するに至った。
【0013】すなわち、本発明は、少なくとも片面が
(a)フレームプラズマ処理、および/または(b)窒
素および/または二酸化炭素の雰囲気下でコロナ放電処
理されている熱可塑性樹脂フィルム層とアンカーコート
層との積層体であり、該処理面にアンカーコート層が積
層されてなる積層体である。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明において基材フィルムとし
て使用される熱可塑性樹脂フィルムは、特に限定されず
公知のフイルムを用いることができるが、その中でも、
主として機械的性質やフィルムの二次加工性等に優れた
フイルムが好適である。
【0015】かかるフィルムの原料樹脂である熱可塑性
樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレ
フィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチ
レンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレ
ート等のポリエステル系樹脂、ナイロン6、ナイロン1
2等のポリアミド系樹脂、ポリ塩化ビニル、エチレン酢
酸ビニル共重合体またはそのけん化物、ポリスチレン、
ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリフェニレンオキ
サイド、ポリフェニレンサルファイド、芳香族ポリアミ
ド、ポリイミド、ポリアミドイミド、セルロース、酢酸
セルロース、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリ
ル、ポリビニルアルコール等、およびこれらの混合物が
挙げられる。
【0016】これらの中で、透明性、二次加工性等を勘
案すると、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレ
フィン系樹脂もしくはポリエチレンテレフタレート、ポ
リブチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナ
フタレート等のポリエステル系樹脂が好ましく、さらに
防湿性を勘案するとポリエチレン、ポリプロピレン等の
オレフィン系樹脂がより好ましく、ポリプロピレンが特
に好ましい。
【0017】本発明で用いられる熱可塑性樹脂フィルム
の原料樹脂として使用されるポリプロピレンとしては、
プロピレン単独重合体、プロピレンとプロピレン以外の
エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、
4−メチル−1−ペンテン等のα−オレフィンとのラン
ダムまたはブロック共重合体、さらにこれら重合体の混
合物が挙げられ、その中でも、プロピレン単独重合体、
プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−
エチレン−ブテン三元共重合体が好適である。
【0018】また、上記ポリプロピレンの製造方法は、
公知の方法が何ら制限なく使用でき、例えば、TiC
l3、担持型TiCl3、メタロセン系触媒等の公知のポリ
プロピレン用重合触媒を用いて、上記した単量体を重合
する方法が挙げられる。また、上記触媒を用いて重合し
た後、過酸化物などで分解する方法を行ってもよい。
【0019】上記ポリプロピレン示差走査熱測定(以
下、DSCという)におけるピークトップの測定値は、
フィルムの耐熱性を勘案すると、130〜165℃であ
ることが好ましく、135〜165℃であることがより
好ましい。また、メルトフローレート(以下、MFRと
いう)は、押出性を勘案すると、0.1〜10g/10
分であることが好ましく、0.5〜5g/10分である
ことがより好ましい。
【0020】また、上記ポリプロピレンには、本発明の
効果を阻害しない程度、他の樹脂を混合することができ
る。混合する樹脂としては、特に制限されないが、一般
的にはポリエチレン、ポリブテン等のポリオレフィン樹
脂、ポリオレフィン系ワックス、ポリオレフィン系エラ
ストマー、または石油樹脂、テルペン樹脂等の炭化水素
系樹脂、エチレンと酢酸ビニル、アクリル酸エステル、
アクリル酸モノマー等との共重合体、またはこれらの重
合体の2種以上の混合物を挙げることができる。
【0021】本発明で用いられる熱可塑性樹脂フィルム
は、単層フィルムでも積層フィルムでもよい。具体的に
例示すると、たとえばポリプロピレンを原料樹脂として
用いた場合では、プロピレン単独重合体を主成分とした
単層フイルム、プロピレン単独重合体を主成分とした層
と、プロピレンとプロピレン以外のα−オレフィンとの
ランダム共重合体を主成分とした層との積層フィルム等
が挙げられる。
【0022】本発明で用いられる熱可塑性樹脂フィルム
は、未延伸、一軸延伸、二軸延伸のいずれでも良いが、
機械的性質、二次加工性等を勘案すると、二軸延伸フィ
ルムであることが好ましい。
【0023】本発明で用いられる熱可塑性樹脂フィルム
の製膜方法としては、公知の方法が制限なく使用でき
る。具体的には、熱可塑性樹脂を溶融押出後、冷却して
未延伸フィルムを得るTダイ法やチューブラー法が挙げ
られる。また、機械物性等を勘案すると、さらに延伸し
て延伸フィルムとする方法が好ましい。上記延伸方法と
しては、縦または横一軸延伸法、縦横逐次二軸延伸法、
同時二軸延伸法、圧延法、カレンダー成形により製膜し
たシートを引き続き少なくとも一方向に延伸する方法等
が挙げられる。これらの延伸方法の中で、厚薄精度や機
械物性等を勘案すると、縦横逐次二軸延伸法、テンター
法同時二軸延伸法が好ましい。
【0024】本発明で用いられる熱可塑性樹脂フィルム
の厚みは、特に制限されないが、一般的には1〜500
μmの範囲で適宜選択される。
【0025】本発明で用いられる熱可塑性樹脂フィルム
には、必要に応じて帯電防止剤、防曇剤、アンチブロッ
キング剤、酸化防止剤、光安定剤、結晶核剤、滑剤、滑
り性付与およびアンチブロッキング性付与を目的とした
界面活性剤等の公知の添加剤を、本発明の効果を阻害し
ない程度配合してもよい。
【0026】本発明で用いられる熱可塑性樹脂フィルム
は、包装用途、特にガスバリア性フィルムとして好適に
使用されることを勘案すると、透明であることが好まし
い。具体的には、ヘイズ値が15%以下であることが好
ましく、10%以下であることがより好ましい。
【0027】本発明において、上記熱可塑性樹脂フイル
ムの少なくとも片面の、アンカーコート層を積層する面
に、(a)フレームプラズマ処理、および/または
(b)窒素および/または二酸化炭素の雰囲気下でのコ
ロナ放電処理、を行なう必要がある。
【0028】上記した処理のうち、アンカーコート層と
の接着性を勘案すると、(a)フレームプラズマ処理単
独、または(a)フレームプラズマ処理と(b)窒素お
よび/または二酸化炭素の雰囲気下でのコロナ放電処理
との併用が好適である。
【0029】上記した熱可塑性樹脂フィルムに施す
(a)フレームプラズマ処理は、天然ガス、LPG、プ
ロパンガス、ブタンガス等をバーナー等により燃焼させ
た時に生じる火炎内のイオン化したプラズマを、熱可塑
性樹脂フィルムの表面に吹き付ける処理である。
【0030】上記、フレームプラズマ処理における処理
強度は、処理される熱可塑性樹脂フィルムによって多少
異なるが、一般的には1〜15kcal/m2の範囲か
ら適宜選択され、2〜10kcal/m2であることが
好ましい。
【0031】すなわち、処理強度が1kcal/m2
り低い場合は、アンカーコート層と熱可塑性樹脂フイル
ムとの接着性が低下するために好ましくなく、15kc
al/m2より高い場合は、熱可塑性樹脂フィルムが、
熱収縮等によるシワの発生や、冷却不良が原因と考えら
れる端部が熱収縮により厚くなる現象(以下、耳立ち現
象という)が発生し易くなるために好ましくない。
【0032】尚、上記処理強度は、単位時間(mi
n)、単位バーナー長さ(m)当たりのバーナー出力
(kcal/m・min)により表される火炎のエネル
ギー、フィルム走行速度(m/min)、フィルム幅
(m)、該フィルムの処理に使用したバーナー長さ(フ
ィルム幅と同じ長さ)(m)から、下記式(1)により
算出される。
【0033】
【数1】 上記フレームプラズマ処理において、フレームの内炎の
先端から被処理物である熱可塑性樹脂フィルム表面との
距離は、処理レベルの安定性等を勘案すると、1〜5m
mであることが好ましく、1〜3mmであることがより
好ましい。また、フレームプラズマ処理は、フィルムの
片面に冷却ロールを接触させた状態で、該フィルムの反
対面に、フィルムが走行状態でフレームプラズマを吹き
付ける方法が一般的である。その際の冷却ロールの温度
としては、室温〜60℃の範囲から適宜選択され、30
〜45℃であることが好ましい。
【0034】上記フレームプラズマ処理した熱可塑性樹
脂フィルム処理面における濡れ指数は、35〜65mN
/mであることが好ましく、40〜60mN/mである
ことがより好ましく、45〜60mN/mであることが
さらに好ましい。
【0035】濡れ指数が35mN/mより小さい場合
は、アンカーコート層との接着性が低下するために好ま
しくなく、65mN/mより大きい場合は、フィルムの
熱収縮によるシワが発生するためや、基材フィルム同士
のブロッキングが発生するために好ましくない。
【0036】フレームプラズマ処理された熱可塑性樹脂
フィルムの処理面の表面粗さ(Ra値)は、接着性を勘
案すると、0.5〜100nmであることが好ましく、
1〜80nmであることがより好ましく、2〜50nm
であることがさらに好ましい。
【0037】一方、上記した熱可塑性樹脂フィルムに施
す(b)窒素および/または二酸化炭素の雰囲気下での
コロナ放電処理は、処理時の雰囲気が窒素および/また
は炭酸ガス雰囲気であることが必要であり、経済性を勘
案すると窒素雰囲気であることが好ましい。
【0038】また、窒素および/または炭酸ガス雰囲気
下での酸素濃度は、熱可塑性樹脂フィルムとアンカーコ
ート層との接着性を勘案すると、5容量%以下であるこ
とが好ましく、3容量%以下であることがより好まし
い。
【0039】本発明において、電圧×電流/(電極幅×
フィルム走行速度)(W・min/m2)によって算出
されるコロナ放電処理密度は、5〜100W・min/
2であることが好ましく、10〜70W・min/m2
であることがより好ましい。
【0040】すなわち、熱可塑性樹脂フィルム表面に対
する処理密度が5W・min/m2より低い場合は、接
着性が低下するために好ましくなく、100W・min
/m 2より高い場合は熱可塑性樹脂フィルム同士のブロ
ッキングが発生し、またフィルムの幅方向に対して処理
度の異なる処理ムラが発生するために好ましくない。
【0041】上記コロナ放電処理後の熱可塑性樹脂フィ
ルム処理面の濡れ指数は、40〜55mN/mであるこ
とが好ましく、45〜50mN/mであることがより好
ましい。濡れ指数が40mN/mより小さい場合は、接
着性が低下するために好ましくなく、55mN/mより
高い場合は熱可塑性樹脂フィルム同士のブロッキングが
発生し、またフィルムの幅方向に対して処理度の異なる
処理ムラが発生するために好ましくない。該処理ムラ
は、コート時のコートムラや接着強度ムラの要因となる
ために好ましくない。
【0042】上記した(a)フレームプラズマ処理、お
よび/または(b)窒素および/または二酸化炭素の雰
囲気下でのコロナ放電処理は、それぞれ単独で熱可塑性
樹脂フィルム表面を処理してもよいし、併用して処理し
てもよいが、処理の順序は、フレームプラズマ処理を最
後に施すことが好ましい。
【0043】また、本発明で用いられる熱可塑性樹脂フ
ィルムの表面処理は、本発明の効果を損なわない範囲
で、上記処理以外の他の表面処理を併用してもよい。具
体的には、励起不活性ガスによるプラズマ処理、電子線
照射処理、紫外線照射処理等が挙げられる。
【0044】本発明の積層体は、上記した(a)フレー
ムプラズマ処理、および/または(b)窒素および/ま
たは二酸化炭素の雰囲気下でコロナ放電処理した熱可塑
性樹脂フイルム層とアンカーコート層との積層体であ
り、該処理面にアンカーコート層を積層することにより
得られる。
【0045】熱可塑性樹脂フイルムとアンカーコート層
との積層の態様は、特に限定されず、たとえば、熱可塑
性樹脂フイルムの片面のみに、上記処理を行なった場合
には、該処理面にアンカーコート層を積層すればよく、
熱可塑性樹脂フイルムの両面に上記処理を行なった場合
には、片面もしくは両面にアンカーコート層を積層すれ
ばよい。
【0046】本発明において、アンカーコート層に使用
されるアンカーコート剤としては、公知のものが特に制
限されず使用できる。たとえば、イソシアネート系、ポ
リウレタン系、ポリエステル系、ポリエチレンイミン
系、ポリブタジエン系、ポリオレフィン系、アルキルチ
タネート系等のアンカーコート剤が挙げられる。これら
の中で、本発明の効果を勘案すると、イソシアネート
系、ポリウレタン系、ポリエステル系のアンカーコート
剤が好ましく、イソシアネート化合物、ポリウレタン及
びウレタンプレポリマーの1種または2種以上の混合物
および反応生成物、ポリエステル、ポリオール及びポリ
エーテルの1種または2種以上とイソシアネートとの混
合物および反応生成物、またはこれらの溶液または分散
液であることがより好ましい。
【0047】上記(a)フレームプラズマ処理、および
/または(b)窒素および/または二酸化炭素の雰囲気
下でコロナ放電処理した熱可塑性樹脂フィルムの該処理
面にアンカーコート層を積層する積層方法としては、特
に制限されないが、具体的には、高速で薄膜コートする
ことを勘案すると、上記アンカーコート剤のコート液を
グラビアコート、リバースコート、スプレーコート、キ
ッスコート、ダイコート、メタリングバーコート、チャ
ンバードクター併用グラビアコートにより積層する方法
が好ましい。アンカーコート層の量としては、一般的に
は、乾燥重量で0.01〜5g/m2の範囲から適宜選
択され、0.1〜2g/m2であることが好ましい。
【0048】本発明の積層体は、上記したように(a)
フレームプラズマ処理、および/または(b)窒素およ
び/または二酸化炭素の雰囲気下でコロナ放電処理した
熱可塑性樹脂フイルム層とアンカーコート層とを、該処
理面側にアンカーコート層を積層した積層体であり、上
記アンカーコート層側に、さらに他の層を積層すること
により、種々の性質を有する積層体を得ることができ
る。
【0049】たとえば、高分子ガスバリア層を上記した
積層体に積層することにより、ガスバリアー性を有した
積層体を得ることができる。上記した本発明の積層体に
積層される高分子ガスバリア層としては、特に制限され
ず、従来公知のものを適宜選択して使用すればよい。た
とえば、水溶性高分子を含む組成物よりなる層が挙げら
れる。
【0050】上記水溶性高分子を含む組成物よりなる層
を例示すると、例えば、水溶性高分子のみからなる層;
水溶性高分子と、金属アルコキシド等をゾル−ゲル法に
より重縮合して得られる酸化物ポリマーとよりなり、必
要に応じて、該水溶性高分子と酸化物ポリマーとを縮合
させてなる複合ポリマー層等が挙げられる。
【0051】そのうち、上記複合ポリマー層が、水溶性
高分子単独よりなる層に比べて、ガスバリア性が優れ、
ガスバリア性の湿度依存性が小さく、アンカーコート層
との接着性に優れるため、本発明において好適に使用す
ることができる。
【0052】上記複合ポリマー層のなかで好適な態様を
具体的に例示すると、(1)水溶性高分子と、金属アル
コキシドおよびケイ素アルコキシドよりなる群から選ば
れる少なくとも1種のアルコキシドの部分加水分解重縮
合物との混合物、(2)水溶性高分子と該部分加水分解
重縮合物との反応生成物、または(3)水溶性高分子、
該部分加水分解重縮合物および該反応生成物との混合物
等が挙げられる。
【0053】上記水溶性高分子としては、常温で水に完
全に溶解もしくは微分散可能な高分子であれば特に限定
なく、具体的に例示すると、ポリビニルアルコールおよ
びその誘導体;一酸化炭素−エチレン系共重合体からな
るポリケトンを還元して得たポリアルコール;カルボキ
シメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなど
のセルロース誘導体;酸化でんぷん、エーテル化でんぷ
ん、デキストリン等のでんぷん類;ポリビニルピロリド
ン、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、またはそのエ
ステル、塩類およびそれらの共重合体等のビニル系共重
合体;あるいはこれらの各種重合体のカルボキシル基、
シリル基等による官能基変性重合体等が挙げられる。
【0054】これらの水溶性高分子の中で、ポリビニル
アルコール系重合体およびその誘導体が好ましく、さら
に、けん化度75モル%以上のポリビニルアルコール、
全水酸基の40モル%以下がアセタール化されているポ
リビニルアルコール、ビニルアルコール単位が60モル
%以上であるエチレン−ビニルアルコール共重合体(以
下、EvOHという)等の共重合ポリビニルアルコール
がより好ましい。
【0055】また、上記ポリビニルアルコール系重合体
およびその誘導体の重合度は、ガスバリア性や加工性を
勘案すると、100〜5,000であることが好まし
く、500〜3,000であることがより好ましい。
【0056】一方、複合ポリマー層の形成において使用
される前記金属アルコキシドおよびケイ素アルコキシド
は、ゾル−ゲル法により重縮合し、酸化金属化合物ポリ
マーまたは酸化ケイ素化合物ポリマー等の酸化物ポリマ
ーが形成可能であれば特に制限されない。具体的には、
テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチル
トリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、イソ
プロピルトリメトキシシラン、ブチルトリメトキシシラ
ン等の酸化ケイ素形成可能なケイ素アルコキシド;テト
ラメトキシチタン、テトラエトキシチタン、メチルトリ
メトキシチタン、テトラブトキシチタン、テトライソプ
ロポキシチタン、メチルトリイソプロポキシチタン等の
酸化チタン形成可能なチタンアルコキシド;テトラメト
キシジルコニウム、テトラエトキシジルコニウム、テト
ラブトキシジルコニウム、メチルトリメトキシジルコニ
ウム、メチルトリエトキシジルコニウム、メチルトリエ
トキシジルコニウム、メチルトリイソプロポキシジルコ
ニウム等の酸化ジルコニウム形成可能なジルコニウムア
ルコキシド;トリメトキシアルミニウム、トリエトキシ
アルミニウム、トリイソプロポキシアルミニウム、メチ
ルジイソプロポキシアルミニウム等の酸化アルミニウム
形成可能なアルミニウムアルコキシド;テトラメトキシ
マグネシウム、テトラエトキシマグネシウム、テトライ
ソプロポキシマグネシウム等の酸化マグネシウム形成可
能なマグネシウムアルコキシド;グリシドキシメチルト
リメトキシシラン、2−グリシドキシエチルトリメトキ
シシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン、3−グリシドキシプロピルトリブトキシシラン、
(3,4−エポキシシクロへキシル)メチルトリプロポ
キシシラン、2−(3,4−エポキシシクロへキシル)
エチルトリメトキシラン、3−(3,4−エポキシシク
ロへキシル)プロピルトリメトキシシラン等のエポキシ
基を有するケイ素アルコキシド;アミノメチルトリエト
キシシラン、2−アミノエチルトリメトキシシラン、1
−アミノエチルトリメトキシシラン、3−アミノプロピ
ルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキ
シシラン、N−アミノメチルアミノメチルトリメトキシ
シラン、N−アミノメチル−3−アミノプロピルトリメ
トキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノ
プロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチ
ル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン等の
アミノ基を有するケイ素アルコキシド;ビニルトリメト
キシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、N−β−
(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロ
ピルトリメトキシシランまたはその塩酸塩等のビニル基
を有するケイ素アルコキシド;等の1種または2種以上
の混合物を挙げることができる。
【0057】上記金属アルコキシドおよびケイ素アルコ
キシドのうち、特に好適なものは、テトラメトキシシラ
ン、テトラエトキシシラン、テトラメトキシチタン、テ
トラエトキシチタン、テトラブトキシチタン、テトライ
ソプロポキシチタン、テトラメトキシジルコニウム、テ
トラエトキシジルコニウム、テトラブトキシジルコニウ
ム、トリメトキシアルミニウム、トリエトキシアルミニ
ウム、トリイソプロポキシアルミニウム、グリシドキシ
メチルトリメトキシシラン、2−グリシドキシエチルト
リメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメト
キシシラン、3−グリシドキシプロピルトリブトキシシ
ランである。
【0058】本発明において、複合ポリマー層を形成す
るための組成物は、上記水溶性高分子と上記金属アルコ
キシドおよび/またはケイ素アルコキシドとを適宜選択
して混合することにより得ることができる。この場合、
上記水溶性高分子と上記金属アルコキシドおよび/また
はケイ素アルコキシドとの混合割合は、積層フィルムに
形成されるの複合ポリマー中における、水溶性高分子と
酸化金属化合物ポリマーおよび/または酸化ケイ素化合
物ポリマーとの配合割合(水溶性高分子/酸化金属化合
物および/または酸化ケイ素化合物ポリマー wt%/
wt%)が、10/90〜80/20となるようにその
比率を勘案して決定することが良好なガスバリア性を発
揮するために好ましい。該複合ポリマー中の上記割合
は、ガスバリア性及び湿度依存性等を勘案すると、特
に、20/80〜70/30であることがより好まし
い。
【0059】また、上記した高分子ガスバリア層を形成
する組成物には、良好なガスバリア性の発揮を阻害しな
いかぎり、上記以外の成分、たとえば、無機微粒子、無
機系層状化合物等の無機化合物や架橋剤を添加してもよ
い。無機化合物を具体的に例示すると、カオリン、炭酸
カルシウム、硫酸バリウム、フッ化カルシウム、フッ化
リチウム、リン酸カルシウム等の無機微粒子、モンモリ
ロナイト、カオリナイト、ハロイサイト、バーミキュラ
イト、ディッカイト、ナクライト、アンチゴライト、バ
イロフィライト、ヘクトライト、バイデライト、マーガ
ライト、タルク、テトラシリリックマイカ、白雲母、金
雲母、緑泥石等の無機層状化合物が挙げられる。架橋剤
を具体的に例示すると、ウレタン系架橋剤、イソシアネ
ート系架橋剤、メラミン系架橋剤、エポキシ系架橋剤等
が挙げられる。
【0060】上記高分子ガスバリア層を形成する組成物
は、上記成分がそれぞれお互いに分散混合された状態で
あっても、さらに架橋された状態であってもよい。
【0061】本発明において、上記高分子ガスバリア層
の厚みは、特に制限されないが、積層体のガスバリア性
を勘案すると、0.1μm以上、特に0.3μm以上が
好ましく、また、経済性や二次加工性等を勘案すると、
10μm以下が好ましく、特に6μm以下が好ましい。
【0062】本発明の積層体の前記処理面に、高分子ガ
スバリア層を積層する方法は、特に制限されるものでは
なく、公知の形成方法が制限なく採用される。
【0063】たとえば、水溶性高分子のみよりなる高分
子ガスバリア層の場合では、各種溶媒に溶解または分散
させたコート液を、公知の方法でコートし、これを乾燥
する方法が採用される。
【0064】また、前記複合ポリマーよりなる高分子ガ
スバリア層の場合では、前記積層体の処理面に、水溶性
高分子と上記金属アルコキシドおよび/またはケイ素ア
ルコキシドとを含む組成物からなる組成物よりなるコー
ト液を公知の方法でコートして、ゾル−ゲル法により金
属アルコキシドおよびまたはケイ素アルコキシドを重縮
合せしめた後、これを乾燥硬化する方法が一般に採用さ
れる。
【0065】上記複合ポリマーよりなる高分子ガスバリ
ア層の場合におけるコート液の組成は、乾燥硬化まで
に、積層体の表面処理面に上記金属アルコキシドおよび
/またはケイ素アルコキシドの重縮合物を形成可能なも
のであれば特に制限されない。例えば、水溶性高分子と
金属アルコキシドおよび/またはケイ素アルコキシドと
を溶媒に均一に溶解又は分散させた液状物よりなる組成
や、これに必要に応じて加水分解剤を配合した組成、さ
らには、金属アルコキシドおよび/またはケイ素アルコ
キシドを、加水分解剤を必要に応じて添加し、重縮合物
である酸化物ポリマーを予め調製した後、水溶性高分子
と共に溶媒に均一に溶解又は分散せしめた組成などが挙
げられる。
【0066】上記加水分解剤としては、公知のものが特
に制限なく使用される。具体的には、塩酸等の無機酸、
酢酸等の有機酸、または水酸化ナトリウム、アンモニ
ア、有機アミン化合物等のアルカリ水溶液が挙げられる
が、水のみでも加水分解剤としての機能を発揮させるこ
とが可能である。
【0067】上記コート液のコート方法としては、高速
での薄膜コート可能な、溶液または溶媒分散コーティン
グ法が本発明の実施において好ましく、好適に採用され
る。これらコーティング法を具体的に例示すると、コー
ト液を、グラビアコート、リバースコート、スプレーコ
ート、キッスコート、ダイコート、メタリングバーコー
ト、チャンバードクター併用グラビアコート、カーテン
コートにより積層体の表面処理面にコートする方法が好
適である。
【0068】上記水溶性高分子を溶解または分散させる
溶媒としては、水または水/低級アルコール混合溶媒が
好適である。そのうち、接着性および生産性を勘案する
と、水/低級アルコール混合溶媒を用いることがより好
ましい。
【0069】該低級アルコールとしては、炭素数が1〜
3のアルコール、具体的には、メタノール、エタノー
ル、n−プロピルアルコール、またはイソプロピルアル
コールが好ましい。水/アルコールの混合比率は、重量
比で99/1〜20/80の範囲から適宜選択される。
【0070】また、上記コート液中には、積層体の表面
処理面へのコート適性を高めるため、コート液の安定性
が阻害されない範囲で、他の水溶性有機化合物を添加し
てもよい。具体的には、溶媒として使用される上記低級
アルコール以外に、エチレングリコール、プロピレング
リコール等のグリコール類;メチルセロソルブ、エチル
セロソルブ、n−ブチルセロソルブ等のグリコール誘導
体;グリセリン、ワックス類等の多価アルコール類;ジ
オキサン、トリオキサン等のエーテル類;酢酸エチル等
のエステル類;メチルエチルケトン等のケトン類;水性
イソシアネート、ポリエチレンイミン、エポキシ樹脂等
の水性アンカーコート剤;が挙げられる。
【0071】これらコート液のpHは、コート液の安定
性を勘案すると、pH2〜11であることが好ましい。
【0072】上記積層体の表面処理面にコートしたコー
ト液の被膜を乾燥する方法としては、公知の乾燥方法が
特に制限なく使用できる。具体的には、熱ロール接触
法、熱媒(空気、オイル等)接触法、赤外線加熱法、マ
イクロ波加熱法等の1種または2種以上が挙げられる。
【0073】これらの中で、積層体外観等の仕上がりや
乾燥効率等を勘案すると、加熱空気接触法や赤外線加熱
法が好ましい。
【0074】また、上記乾燥温度としては、ガスバリア
性の発現や乾燥効率等を勘案すると、基材フィルムの融
点未満の温度範囲において、100℃以上の温度を採用
することが好ましい。また上記乾燥温度としては、11
0℃以上がより好ましく、120℃以上がさらに好まし
い。また、基材フィルムの融点より10℃低い温度以下
がより好ましく、15℃低い温度以下がさらに好まし
い。
【0075】上記乾燥時間は、バリア性や乾燥効率等を
勘案すると、5秒〜10分であることが好ましく、10
秒〜5分であることがより好ましい。
【0076】また、上記乾燥の前後に、必要に応じて、
紫外線、X線、電子線等の高エネルギー線照射を施して
もよく、高エネルギー線照射により重合する成分が配合
されている場合において、該高エネルギー線照射を施す
ことが好適である。
【0077】本発明の積層体には、さらに、印刷層およ
び/またはヒートシール性等を付与する目的で、市販の
ポリオレフィン、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル
共重合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体等
のシーラント層等を積層してもよい。
【0078】本発明の積層体の用途としては、特に制限
されないが、ガスバリアフィルム等の食品包装用フィル
ムとして好適である。
【0079】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例を掲げて説
明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。尚、以下の実施例及び比較例における樹脂及び
フィルム物性、表面処理法等については下記の方法によ
り行った。 (1)DSCによる主ピークの測定 約5〜6mgの試料を秤量後、アルミパンに封入し、示
差熱量計にて20ml/minの窒素気流中で室温から
235℃まで昇温し、この温度で10分間保持し、次い
で10℃/minで室温まで冷却する。この後、昇温速
度10℃/minで得られる融解曲線より、主ピークを
測定した。 (2)MFR JIS K7210に準拠して測定した。 (3)透明性(ヘイズ) JIS K6714に準拠して測定した。 (4)コロナ放電処理 春日電機社製コロナ放電処理機を使用したテスト機を用
い、以下の条件で表面処理を行った。空気雰囲気下のコ
ロナ放電処理も、同様の処理機により行った。
【0080】 導入気体 ;窒素または窒素/炭酸ガス 酸素濃度 ;5容量%以下フィルム 走行速度 ;100m/分 電極 ;アルミ3型電極 電極−フィルム間距離 ;2.0mm ジェネレータ ;春日電気社製 AGI−200 処理前ロール温度 ;65℃ 有効処理幅 ;1,000mm (5)フレームプラズマ処理 フリン・バーナー社(米)製フレームプラズマ処理テス
ト機を用い、以下の条件で表面処理を行った。
【0081】 燃料 ;天然ガス(空気混合) バーナー出力 ;500〜1300kcal/インチ・hr (ハ゛ーナー幅1インチ、1時間当たりの燃焼カロリー) フレーム内炎−フイルム表面間距離;2mm フイルム走行速度 ;100m/分 冷却ロール温度 ;38℃ 有効処理幅 ;600mm (6)ブロッキング 2枚の基材フィルム(12×12cm)の表面処理面と
反対面を重ね合わせ、全面に10kgの荷重をかけた状
態で、50℃、湿度90%RHの雰囲気下24時間放置
した。幅30mm、長さ40mmの重なり部分とチャッ
クの掴みしろ(上下チャックにそれぞれフィルム1枚づ
つ掴む)が残るようにサンプルを切り出し、引張試験機
(引張速度;100mm/分、チャック間距離40m
m)によりせん断剥離強度を測定し、表1に従いブロッ
キング性を評価した。
【0082】
【表1】 (7)表面粗さ(Ra) デジタルインスツルメンツ社製、走査型プローブ顕微鏡
(NanoScopeIIIa)を用い、以下の条件で測
定し、数回の平均値により中心線表面粗さを求めた。
【0083】 モード ;タッピングモードAFM 走査範囲 ;10μm×10μm 探針半径 ;5〜10nm 探針材質 ;単結晶シリコン 走査速度 ;1.5Hz カンチレバーの自由振幅 ;1.5V カンチレバーのセットポイント:1.1〜1.3V カンチレバーの共振周波数;300kHz (8)酸素バリア性 JIS K7126 B法に準じて、酸素透過率測定装
置(mocon社製;OX−TRAN100)を用いて
測定した。測定条件は、相対湿度80%、25℃で行っ
た。 (9)接着性 バーコーターにて熱可塑性樹脂フィルム表面に、アンカ
ーコート層重量2g/m2(乾燥時)となるようにマニ
ュアルコートし、乾燥させた。室温で1日以上放置後、
得られた積層体のコート面の中央部分を、Xカットテー
プ法(JISK5400)に順じ、表2に従い評価し
た。
【0084】
【表2】 (10)シール強度 積層体のシーラント面同士を5×200mmのヒートシ
ールバーを用い、150℃においてヒートシールした。
ヒートシール圧力1kg/cm2、ヒートシール時間
1.0秒の条件でシールした試料から15mm幅のサン
プルを切り取り、引張試験機を用い、引張速度100m
m/分、サンプル長40mm(チャック間)で引張強度
を測定し、シール強度とした。結果は5サンプルの平均
値とした。 実施例1 表3に示す組成の樹脂をTダイ押出機を用いて、280
℃で加熱溶融下シート状に押出し、チルロール上で冷却
固化した後、加熱ロール延伸機により5倍に縦延伸し、
続いてテンター横延伸機により8倍に横延伸した。その
後、フィルムの片面にフレームプラズマ処理(処理強
度;6.8kcal/m2)を行い、20μmの表面処
理基材フィルムを得た。
【0085】次いで、得られた基材フィルムの表面処理
面に、アンカーコート剤(東洋モートン社製TM329
/CAT−8B 100重量部/100重量部を、酢酸
エチル溶剤にて、不揮発分が10重量%となるよう調
整)をバーコーターによりマニュアルコートし、100
℃で5分間乾燥させ、さらに室温で一日以上放置し積層
体を得た。アンカーコート層の乾燥重量は、2g/m2
であった。結果を表5に示した。 実施例2、3、4、比較例1、2 表4に示す処理フイルムを使用した以外は、実施例1と
同様にして積層体を得、評価した。結果を表5に示し
た。 実施例5 アンカーコート剤として、東洋モートン社製AD335
A/CAT−10 100重量部/6重量部を、MEK
/トルエン 1重量部/1重量部の混合溶剤にて、不揮
発分が10重量%となるよう調整したものを使用する以
外は、実施例1と同様にして積層体を得、評価した。結
果を表5に示した。 実施例6 実施例1と同様な方法で得られた基材フィルムの表面処
理面に、井上金属社製テストコーター3号機を用い、ア
ンカーコート剤(東洋モートン社製AD335A/CA
T−10 100重量部/6重量部を、MEK/トルエ
ン 1重量部/1重量部の混合溶剤にて、不揮発分が1
0重量%となるよう調整)を、乾燥重量で1g/m2
なるように積層した。
【0086】次いで、テトラエトキシシラン30重量
部、エタノール20重量部、2N塩酸1重量部、水4重
量部を混合し、室温で1時間攪拌した。次いで、γ−グ
リシドキシトリメトキシシラン3重量部、ソアノール2
0L(日本合成化学社製エチレン−ビニルアルコール水
/IPA溶液)40重量部、N,N−ジメチルベンジル
アミン0.15重量部を加えて攪拌し、コート液を得
た。得られたコート液を乾燥膜厚3μmとなるようグラ
ビアコートし、積層体を得た。結果を表5に示した。 実施例7 実施例6で得られた積層体にさらに、アンカコート剤
(東洋モートン社製TM329/CAT−8B 100
重量部/100重量部を、酢酸エチル溶剤にて、不揮発
分が10重量%となるよう調整)を乾燥重量が2g/m
2となるように積層し、その上に40μmの無延伸LL
DPEフィルムをドライラミネートして、積層体を得
た。結果を表5に示した。 実施例8 40μmの無延伸LLDPEフィルムの代わりに、20
μmのシーラントCPP(融点140℃、エチレン含量
3モル%、1−ブテン含量1モル%のプロピレン−エチ
レン−1―ブテン三元ランダム共重合体フィルム)を使
用すること以外は、実施例7と同様にして積層体を得
た。結果を表5に示した。 比較例3 表4に示す処理フイルムを使用した以外は、実施例7と
同様にして積層体を得、評価した。結果を表5に示し
た。 比較例4 表4に示す処理フイルムを使用した以外は、実施例8と
同様にして積層体を得、評価した。結果を表5に示し
た。
【0087】
【表3】
【表4】
【表5】
【発明の効果】本発明の積層体は、熱可塑性樹脂フィル
ムに、(a)フレームプラズマ処理、および/または
(b)窒素および/または二酸化炭素の雰囲気下でコロ
ナ放電処理を行ない該処理面にアンカーコート層を積層
することにより、高分子ガスバリア層を形成させる際に
アンカーコート層と熱可塑性樹脂フイルム間および熱可
塑性樹脂フイルムと高分子ガスバリア層間の接着性が優
れたものとなる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 23/12 C08L 23/12 29/04 29/04 Fターム(参考) 3E086 AD01 BA04 BA15 BB01 DA01 4F006 AA02 AA12 AA15 AA16 AA35 AA36 AA38 AA40 AB03 AB20 AB24 AB64 AB67 BA05 CA07 DA01 EA03 4F073 AA01 BA03 BA06 BA07 BA08 BA10 BA23 BA24 BA26 BA29 BA32 BB01 CA01 CA21 4F100 AH02B AH06B AH08B AJ06 AK01A AK01B AK07 AK21 AK31B AK64 AL05B AL06B AL08B BA02 EJ55A EJ60A EJ61A GB15 JB09B JB16A JD02 JD02B JL11 4J002 AB031 AB041 BE021 BG011 BJ001 CP032 CP092 CP152 EC076 EX016 EX036 EX076 GF00 GG02

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも片面が(a)フレームプラズマ
    処理、および/または(b)窒素および/または二酸化
    炭素の雰囲気下でコロナ放電処理されている熱可塑性樹
    脂フィルム層とアンカーコート層との積層体であり、該
    処理面にアンカーコート層が積層されてなる積層体。
  2. 【請求項2】水溶性高分子を含む組成物からなる高分子
    ガスバリア層を、アンカーコート層側に積層したことを
    特徴とする請求項1記載の積層体。
  3. 【請求項3】水溶性高分子を含む組成物が、(1)水溶
    性高分子と、金属アルコキシドおよびケイ素アルコキシ
    ドよりなる群から選ばれる少なくとも1種のアルコキシ
    ドの部分加水分解重縮合物との混合物、(2)水溶性高
    分子と該部分加水分解重縮合物との反応生成物、または
    (3)水溶性高分子、該部分加水分解重縮合物および該
    反応生成物との混合物のいずれか1種からなる請求項2
    記載の積層体。
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