JP4215283B2 - 多重放送用受信装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、番組放送及び当該番組放送に多重化されたデータを含む多重放送電波から番組放送を受信すると共に、当該番組放送に多重化されたデータを抽出する多重放送用受信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、このような多重放送としては、FMラジオ放送の放送電波に当該番組放送に関連する情報や交通情報等の情報を多重化し、受信側が当該多重化された情報を解読することにより、当該ラジオ放送の受聴者に対して様々なサービスを提供することができるラジオ・データ・システム(以下、単にRDSと称する)方式がある。
【0003】
当該RDS方式においては、主に多くの放送局がネットワークを組んで同一番組を放送することが多い欧州等で広く普及しており、FM変調波の周波数帯域外で19kHzのステレオパイロット信号の3次高調波である57kHzを副搬送波とし、フィルタリング及びバイフェーズコード化された番組関連情報や交通情報等の情報を示すデータ信号により、前記副搬送波を振幅変調してラジオデータ信号(以下、単にRDSデータと称する)とし、当該振幅変調された副搬送波を主搬送波に周波数変調して放送するようになされている。
【0004】
図12は当該RDSデータのベースバンドコーディング構造を示す説明図である。
【0005】
当該RDSデータは、図12に示すように104ビットから成るグループ単位で構成され、各グループは夫々26ビットの4ブロックから成り、各ブロックは、16ビットの情報語(m0〜m15)と、10ビットの検査語及びオフセット語(c´0〜c´9)とから構成されている。
【0006】
ブロックAには、国名データや番組データから成るネットワークを示す番組識別データ(以下、単にPIコードと称する)が、ブロックBには、交通情報放送局の識別データを示す交通番組識別データ(以下、単にTPデータと称する)や交通情報中の識別データを示す交通アナウンス識別データ(以下、単にTAデータと称する)が、ブロックCには、同一番組を放送しているネットワーク局群の各局の周波数に係わるデータ、すなわち代替局周波数データ(以下、単にAFデータと称する)が、ブロックDには、放送局名やネットワーク名等の放送局名データ(以下、単にPSデータと称する)が夫々配置されている。
【0007】
また、各グループは、その内容に応じて4ビットにてタイプ0〜15の16通りに区別され、さらに各タイプ(0〜15)に対して夫々A,Bの二つのバージョンが定義されており、これらの認識コードはブロックBに配置されている。
【0008】
尚、通常、前記バージョンAに定義されたタイプとしては、ブロックAにPIコードが必ず含まれているのであるが、前記バージョンBに定義されたタイプとしては、ブロックAに加えてブロックCにもPIコードが含まれている。しかしながら、当該バージョンBのタイプが送信される割合は非常に少ない。
【0009】
このようなRDSデータを受信する多重放送用受信装置としてのRDS受信装置によれば、当該RDSデータ受信時に復調して得られるAFデータを取り込んで記憶しておき、例えばマルチパス妨害等の外乱により現在受信中の放送局における受信レベルが低下した場合、先に記憶したAFデータに基づいて受信レベルの良好な他のネットワーク局である代替局を選局する自動追従システムがある。
【0010】
当該自動追従システムによれば、外乱の影響を受けることなく、常に受信状態の良好な同一番組の放送をユーザーに提供することができる。
【0011】
また、当該自動追従システムにて代替局である追従先放送局を選局した場合、当該追従先放送局が追従前放送局と同一内容の番組を放送しているか否かの判断は、当該RDSデータ内のPIコードにて確認するものであり、当該自動追従を迅速に実行するためにもブロックAのPIコードをできるだけ迅速に取り込むことが必要である。
【0012】
また、当該RDS受信装置によれば、通常、各RDS局が各RDSデータの同期を同じくして送信しているために、当然、追従先放送局におけるRDSデータの同期がとりやすくなっている。
【0013】
だが、当該RDS受信装置は、自動追従システムによる周波数変更時、すなわち追従前放送局から追従先放送局への切換受信時において当該RDSデータの同期を再び検出し直さなければならない。
【0014】
では、当該RDS受信装置におけるRDSデータの再同期検出動作について説明する。
【0015】
当該RDS受信装置には、1系統の同期検出回路が設けられており、当該同期検出回路にて検出されたオフセットデータに基づいてRDSデータの同期状態を判断するものである。図13は当該同期検出回路の同期検出時におけるオフセットデータの検出及び判定状況を示す説明図であり、図13(a)は最初のオフセットデータに誤検出が生じた場合、図13(b)は二回目のオフセットデータに誤検出が生じた場合である。
【0016】
当該RDS受信装置は、図13(a)に示すように周波数を変更すると、すなわち、追従先放送局に切換受信すると、とにかくデータ同期はとれているのであるが、現在復号されているRDSデータが例えばPIコード、PTYコード等のデータであるか、又はオフセットデータであるかを判別することができず、当該復号されたRDSデータからオフセットデータを判別し、当該判別されたオフセットデータの検出を直ちに開始する。尚、当該オフセットデータは、他のデータと同様“0”又は“1”の組み合わせで識別されているために、当該オフセットデータを誤って判別してしまうことが多々ある。
【0017】
前記同期検出回路は、図13(a)に示すように最初に現れた同期信号としてのオフセットデータ、例えばオフセットC(orC´)を検出し、当該検出されたオフセットC(orC´)が本当のオフセットデータであるか否かを所定タイミング後のオフセットデータにより判別する。
【0018】
つまり、RDS局側は各ブロックデータ及びオフセットデータをA→B→C(orC´)→D→A…といった所定順序に送信しているため、当該同期検出回路においては、当該検出されたオフセットC(orC´)が本当のオフセットデータであれば、所定タイミング後にオフセットDが検出されるはずである。
【0019】
しかしながら、当該同期検出回路においては、図13(a)に示すように検出されるにはまだ早いオフセットAを検出してしまい、前記検出されたオフセットC(orC´)を誤検出と判断して同期検出をやり直す。
【0020】
次に当該同期検出回路は、当該オフセットAを再び検出しなおし、当該オフセットA検出後の所定タイミング後にオフセットBが検出されると、当該周波数を変更した追従先放送局におけるRDSデータの同期がとれたことになる。
【0021】
逆に当該同期検出回路は、図13(b)に示すように当該オフセットAを検出して、当該オフセットA検出後の所定タイミング後にオフセットC(orC´)が検出されると、前記検出されたオフセットAを誤検出と判断して同期検出をやり直す。
【0022】
次に当該同期検出回路は、オフセットC(orC´)を再び検出しなおし、当該オフセットC(orC´)検出後の所定タイミング後にオフセットDが検出されると、当該周波数を変更した追従先の放送局におけるRDSデータの同期がとれたことになる。
【0023】
従って、当該同期検出回路によれば、前記オフセットデータの送信に係わる所定順序に2つのオフセットデータを検出すると、当該周波数を変更した追従先放送局におけるRDSデータの同期がとれたことになる。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のRDS受信装置によれば、自動追従システム等の周波数変更時の再同期検出においては同期検出回路が1系統しかないために、オフセットデータの誤検出が発生した場合には当該同期検出回路にて同期検出をやり直さなければならず、最終的に同期が検出されるまでの時間が非常に長くなり、しかも当該同期検出時間中においては音声出力にミュートがかかるためユーザーに不快感を与えてしまうといった問題点があった。
【0025】
また、当該RDS受信装置によれば、自動追従システム等の周波数変更時においてはPIコードの確認時間を比較的長くとっており、当該変更された追従先の放送局が異なる番組内容の放送であったり、又は受信レベルの低い局である場合には、当該PIコードの確認が終了するまでに当該追従先放送局を受信してしまう時間が約数百msec〜1sec 存在するために、当該PIコード確認時間中においては音声出力にミュートがかかり、ユーザーに不快感を与えてしまうといった問題点があった。
【0026】
また、当該RDS受信装置によれば、自動追従システム等の周波数変更時においては当該変更された追従先放送局が受信レベルの良好な局である場合、当該同期検出信号がRDSデータの再同期検出を開始し、当該同期検出後にPIコードを確認するまで当該追従先放送局が同一番組であるかどうかを判断することができず、当該再同期検出開始からPIコードを確認するまで音声出力にミュートがかかり、ユーザーに不快感を与えてしまうといった問題点があった。
【0027】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、周波数変更に伴うユーザーへの不快感を軽減することができる多重放送用受信装置を提供することにある。
【0028】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明の多重放送用受信装置発明は、放送局から到来する、番組放送及び当該番組放送に多重化されたデータを含む放送電波から予め定められた順序にブロック単位で送信されたデータを当該予め定められた順序で抽出するデータ抽出手段と、当該抽出されたデータの中から、同一番組を放送している代替局である追従先放送局の周波数データ及び当該同一番組であることを識別する番組識別データを記憶する記憶手段と、現在受信中の放送局である追従前放送局から送信された放送電波の受信状態が劣化したとき、前記記憶手段に記憶された周波数データに基づいて前記追従前放送局よりも受信状態が良好な追従先放送局に関する同期を検出及び保持し、当該同期保持された追従先放送局と前記追従前放送局との番組識別データが同一のときに当該追従先放送局から送信された放送電波を受信させる制御手段とを有する多重放送用受信装置であって、前記制御手段は、該追従先放送局から予め定められた順序にブロック単位で送信されたデータの中から少なくとも2つのオフセットデータをチューナを介して当該予め定められた順序で検出した場合に、該追従先放送局に関する同期がとれたと判定する複数の同期検出手段を有し、前記周波数データに基づいて前記追従前放送局よりも受信状態が良好な追従先放送局に切換えるとき、少なくとも何れか一つの同期検出手段が前記追従先放送局に関する同期検出を開始し、且つ前記追従先放送局に関する同期検出を行っている同期検出手段が前記追従先放送局から送信された一つのオフセットデータを検出する毎に、前記追従先放送局に関する同期検出を行っている同期検出手段以外の他の同期検出手段が新たに前記追従先放送局に関する同期検出を開始し、前記制御手段は、前記複数の同期検出手段のうち追従先放送局に関する同期が最初にとられた同期検出手段に当該同期を保持させることを特徴とし、又、前記制御手段は、前記周波数データに基づいて前記追従前放送局よりも受信状態が良好な追従先放送局に切換えるとき、前記複数の同期検出手段の内の一つの同期検出手段に追従前放送局に関する同期を保持させ、当該同期検出手段以外の他の同期検出手段に前記追従先放送局に関する同期の検出を開始させ、追従前放送局に関する同期を保持する同期検出手段により追従先放送局に関する同期がとれている場合には、前記他の同期検出手段による前記追従先放送局に関する再同期検出を行うことなしに、当該追従前放送局に関する同期を保持する同期検出手段による追従先放送局に関する同期の保持を継続するように構成することができる。
【0029】
また、第2の発明は、放送局から到来する、番組放送及び当該番組放送に多重化されたデータを含む放送電波から予め定められた順序にブロック単位で送信されたデータを当該予め定められた順序で抽出するデータ抽出手段と、当該抽出されたデータの中から、同一番組を放送している代替局である追従先放送局の周波数データ及び当該同一番組であることを識別する番組識別データを記憶する記憶手段と、現在受信中の放送局である追従前放送局から送信された放送電波の受信状態が劣化したとき、前記記憶手段に記憶された周波数データに基づいて前記追従放送局よりも受信状態が良好な追従先放送局に関する同期を検出及び保持し、当該同期保持された追従先放送局と前記追従前放送局との番組識別データが同一のときに当該追従先放送局から送信された放送電波を受信させる制御手段とを有する多重放送用受信装置であって、前記制御手段は、当該追従先放送局から予め定められた順序にブロック単位で送信されたデータの中から少なくとも2つのオフセットデータをチューナを介して当該予め定められた順序で検出した場合に、該追従先放送局に関する同期がとれたと判定する同期検出手段を有し、前記同期検出手段による前記追従先放送局に関する同期検出を開始するタイミングは、前記予め定められた順序にブロック単位で送信されデータのうち、前記番組識別データを含むブロックより予め定められたブロック数前のブロックから前記番組識別データを含むブロックの直前のブロックまでのデータの受信中のタイミングであることを特徴とする。
【0030】
また、第3の発明は、放送局から到来する、番組放送及び当該番組放送に多重化されたデータを含む放送電波から予め定められた順序にブロック単位で送信されたデータを当該予め定められた順序で抽出するデータ抽出手段と、当該抽出されたデータの中から、同一番組を放送している代替局である追従先放送局の周波数データ及び当該同一番組であることを識別する番組識別データを記憶する記憶手段と、前記データ抽出手段により現在受信中の放送局である追従前放送局から送信された放送電波に含まれるデータが抽出できなくなったとき、前記記憶手段に記憶された周波数データに基づいて受信状態が良好な追従先放送局に関する同期を検出及び保持し、当該同期保持された追従先放送局と前記追従前放送局との番組識別データが同一のときに当該追従先放送局から送信された放送電波を受信させる制御手段とを有する多重放送用受信装置であって、前記制御手段は、当該追従先放送局から予め定められた順序にブロック単位で送信されたデータの中から少なくとも2つのオフセットデータをチューナを介して当該予め定められた順序で検出した場合に、該追従先放送局に関する同期がとれたと判定する同期検出手段を有し、さらに、前記制御手段は、前記データ抽出手段により追従前放送局から送信された放送電波に含まれるデータが抽出できなくなったとき、当該抽出できなくなる直前のブロックから成るデータを前記記憶手段に記憶し、当該記憶された直前のブロックから成るデータに基づいて、現在受信中のデータが、前記予め定められた順序にブロック単位で送信されるデータのうち、前記番組識別データを含むブロックより予め定められたブロック数前のブロックから前記番組識別データを含むブロックの直前のブロックまでの何れかのブロックであるか否かを判定して、当該何れかのブロックである場合に、前記同期検出手段により前記受信状態が良好な追従先放送局に関する同期検出を開始して、検出された同期を保持し、当該同期保持された追従先放送局と前記追従前放送局との番組識別データが同一のときに当該追従先放送局から送信された放送電波を受信させることを特徴とする。
【0031】
【作用】
かかる構成により、第1の発明によれば、夫々異なるタイミングで追従先放送局の同期を検出する複数の同期検出手段を有し、周波数データに基づいて所定レベルよりも良好な受信レベルの追従先放送局に切替えたとき、前記複数の同期検出手段の中でも最初に同期がとられた同期検出手段に当該同期を保持させるようにしたので、追従先放送局の同期に誤検出が生じたとしても迅速に最終的な正しい同期を検出することができ、従来の同期検出時間を大幅に短縮することができ、強いては当該同期検出時間中のミュートによるユーザーの不快感を軽減することができる。
【0032】
また、第2の発明によれば、追従先放送局における同期検出のタイミングを所定順序に送信されたデータからデータ抽出手段による番組識別データの抽出直前付近のタイミングとしたので、当該同期検出と共に、番組識別データをも抽出して迅速に確認することができ、強いては当該同期検出開始から番組識別データ確認に要するまでのミュートによるユーザーへの不快感を軽減することができる。
【0033】
また、第3の発明によれば、データ抽出手段により追従前放送局におけるデータが抽出できなくなったとき、当該抽出できなくなる直前のデータを記憶手段に記憶し、当該記憶された直前データに基づいて前記データ抽出手段による番組識別データの抽出直前付近のタイミングを推測し、当該推測されたタイミングに基づいて前記良好な受信レベルの追従先放送局における同期を検出及び保持し、当該同期保持された追従先放送局と前記追従前放送局との番組識別データが同一のときに当該追従先放送局を受信させるようにしたので、当該同期検出と共に、番組識別データをも抽出して迅速に確認することができ、強いては当該同期検出開始から番組識別データ確認に要するまでのミュートによるユーザーへの不快感を軽減することができる。
【0034】
【実施例】
以下、図面に基づいて本発明の多重放送用受信装置を適用したRDS受信装置について説明する。図1は本発明の多重放送用受信装置を適用したRDS受信装置の概略を示すブロック図である。
【0035】
図1におけるRDS受信装置には、ラジオチューナー機能はもちろん、CDオートチェンジャー機能及びテープデッキ機能が設けられており、前記ラジオチューナー機能には、放送局から到来する、番組放送及び当該番組放送に多重化されたデータを含む放送電波を受ける受信アンテナ11と、所望の放送電波を受信するFMチューナー12と、当該FMチューナー12にて受信すべき所望の放送電波に対応した電圧信号を生成するPLL−IC回路13と、当該PLL−IC回路13にて生成された電圧信号における低域成分を抽出するLPF14と、前記FMチューナー12にて受信された放送電波からRDSデータを抽出するRDSデコーダ15とを有している。
【0036】
前記FMチューナー12には、前記PLL−IC回路13からの電圧信号に応じて所望周波数の放送電波を前記受信アンテナ11より受信して、所定の中間周波数信号に変換し、当該変換された中間周波数信号を増幅するフロントエンド部16と、当該フロントエンド部16の出力信号をFM検波するFM検波回路17と、当該FM検波回路17の検波出力をステレオ信号に復調し、ステレオ放送の場合にはL(左),R(右)チャンネルのオーディオ信号に分離するマルチプレクサ18とを有している。尚、前記RDSデコーダ15は、当該FMチューナー12内にあるFM検波回路17の検波出力からラジオデータ信号を抽出するものである。
【0037】
また、当該RDS受信装置には、当該FMチューナー12、前記オートチェンジャー(以下、単にCD/ACと称する)19やテープデッキのメカニカルカセットメカ部20からのオーディオ信号を切換選択する入力切換部21と、当該入力切換部21にて切換選択されたオーディオ信号の音量を調整する電子ボリューム22と、当該電子ボリューム22にて音量調整されたオーディオ信号を増幅するパワーアンプ23と、当該増幅されたオーディオ信号を音声出力するスピーカ24と、様々な操作指令を入力する図示せぬ操作部のキーマトリクス25と、様々な情報データをLCD26に表示させるLCDドライバ27と、当該RDS受信装置全体への電力を監視する電源コントロール部28と、当該RDS受信装置に係わる情報データ、例えば自動追従システムに使用されるAFデータやPIコード等を記憶する外部メモリ29と、当該RDS受信装置全体を制御するマイコン30とを有している。
【0038】
当該マイコン30には、前記RDSデコーダ15からのRDSデータを解析し、当該解析されたRDSデータに対して順次にグループ及びブロック同期をとるブロック・グループ同期機能と、当該解析されたRDSデータに対するエラーを検出し、当該検出されたエラーを訂正するエラー検出・訂正機能とを有しており、当該ブロック・グループ同期&エラー検出・訂正機能としては、当該RDSデコーダ15からのRDSデータに対して各ブロックの10ビットの検査データに夫々割り当てられた10ビットのオフセットデータに基づいてグループ及びブロック同期が順次とられると共に、当該検査データに基づいて16ビットのデータに対するエラー検出を順次行うものである。
【0039】
当該マイコン30には、このようなブロック・グループ同期&エラー検出・訂正機能を夫々有する第1同期検出回路(以下、単に第1回路と称する)31aと第2同期検出回路(以下、単に第2回路と称する)31bとを有している。
【0040】
また、当該マイコン30は、前記操作部からの選局指令に基づいて前記PLL−IC回路13の電圧信号を制御することにより選局動作を実行すると共に、前記フロントエンド部16の中間周波数信号に基づいてシグナルメータ電圧(以下、単にSD信号と称する)を検出し、当該検出されたSD信号に基づいて当該受信中の放送局における受信レベルを認識し、当該受信中の放送局における受信状態が悪化した場合には、自動追従システムにより前記外部メモリ29に記憶したAFデータに基づいて受信レベルの良好な代替局を選局するものである。
【0041】
では、第1実施例のRDS受信装置における動作について説明する。図2は当該第1実施例のRDS受信装置の自動追従システムにおけるマイコン30の処理動作を示すフローチャートである。
【0042】
図2において当該マイコン30は、AFデータによる当該自動追従システムの起動待ちランダムタイマーが終了したか否かを判定する(ステップS11)。当該ランダムタイマーが終了したのであれば、前記外部メモリ29に記憶中のAFデータに基づいて代替局、すなわち追従先放送局に対する電界テストを実行して受信レベルを検出し(ステップS12)、当該代替局の受信レベルが受信条件に適っている否かを判定する(ステップS13)。
【0043】
当該代替局が受信条件に適っていれば、後述する図3及び図4に示す当該代替局における再同期検出処理に移行する(ステップS14)。
【0044】
次にステップS14の当該再同期検出処理終了後に当該受信中の代替局におけるPIコードを検出したか否かを判定する(ステップS15)。当該PIコードを検出したのであれば、当該代替局におけるPIコードが先に受信していた元の受信局である追従前放送局のPIコードと同一であるか否かを判定する(ステップS16)。当該PIコードが同一であれば、当該代替局及び追従前放送局が同一番組であると判断し、当該代替局に受信を切り換える切換処理を実行し(ステップS17)、当該処理動作を終了する。
【0045】
また、ステップS13にて代替局の受信レベルが受信条件に適っていなければ、元の放送局である追従前放送局に戻し、次のAFデータに基づく他の代替局への受信待ちを実行して(ステップS18)、ステップS11に移行する。
【0046】
また、ステップS15にてPIコードが検出されたのでなければ、当該PIコード検出待ち時間が最大時間maxに達したか否かを判定する(ステップS19)。当該PIコード検出待ち時間が最大時間maxに達したのであれば、ステップS18に移行するのであるが、当該PIコード検出待ち時間が最大時間maxに達したのでなければ、ステップS15に移行する。
【0047】
また、ステップS16にてPIコードが同一でなければ、当該代替局及び追従前放送局が異なる番組であると判断し、ステップS18に移行する。
【0048】
では、次に図2に示すステップS14の再同期検出処理について説明する。図3は第1回路31aにおけるマイコン30の処理動作を示すフローチャートである。図4は第2回路31bにおけるマイコン30の処理動作を示すフローチャートである。図5は第1回路31a及び第2回路31bの同期検出時におけるオフセットデータの検出及び判定状況を示す説明図であり、図5(a)は最初のオフセットデータ検出に誤検出が生じた場合、図5(b)は2回目のオフセットデータ検出に誤検出が生じた場合である。
【0049】
図2に示すステップS14の再同期検出処理に移行すると、まずは図3に示す処理動作を開始する。
【0050】
図3に示すようにマイコン30は、第1回路31aによる同期検出を開始させ(ステップS31)、当該第1回路31aによる最初のオフセットデータが検出されたか否かを判定する(ステップS32)。
【0051】
当該第1回路31aによる最初のオフセットデータが検出されたのであれば、当該オフセットデータをオフセットコードとして記憶し、当該オフセットデータ検出時の同期用カウンタをリセットし、第2回路31bによる同期検出を開始させる開始フラグαを“1”にし(ステップS33)、当該第1回路31aにより次のオフセットデータが検出されたか否かを判定する(ステップS34)。
【0052】
当該第1回路31aにより次のオフセットデータが検出されたのであれば、正しいオフセットデータであるか否か、すなわち所定順序のオフセットデータが検出されたか否かを判定する(ステップS35)。
【0053】
当該オフセットデータが正しければ、当該同期検出をOKとし当該第1回路31aによる同期を保持して、当該第1回路31aによる同期検出を終了させる終了フラグβを“1”にして(ステップS36)、当該処理動作を終了する。
【0054】
また、ステップS32にて第1回路31aによる最初のオフセットデータが検出されなければ、後述する終了フラグγが“1”であるか否かを判定する(ステップS37)。当該終了フラグγが“1”であれば、当該処理動作を終了し、当該終了フラグγが“1”でなければ、ステップS32に移行する。
【0055】
また、ステップS34にて次のオフセットデータが検出されなかったのであれば、終了フラグγが“1”であるか否かを判定する(ステップS38)。当該終了フラグγが“1”であれば、当該処理動作を終了し、当該終了フラグγが“1”でなければ、ステップS38に移行する。
【0056】
また、ステップS35にて正しいオフセットデータでなければ、終了フラグγが“1”であるか否かを判定する(ステップS39)。当該終了フラグγが“1”であれば、当該処理動作を終了し、当該終了フラグγが“1”でなければ、ステップS31に移行する。
【0057】
図4に示す第2回路31bによる再同期検出処理は、図3に示すステップS33の開始フラグαが“1”になると起動を開始する。
【0058】
図4においてマイコン30は、開始フラグαが“1”であるか否かを判定する(ステップS41)。当該開始フラグαが“1”であれば、当該第2回路31bによるオフセットデータの検出を開始し(ステップS42)、当該第2回路31bによりオフセットデータが検出されたか否かを判定する(ステップS43)。当該オフセットデータが検出されたのであれば、当該検出されたオフセットデータをオフセットコードとして記憶し、当該オフセットデータ検出時における同期用カウンタをリセットし(ステップS44)、当該第2回路31bによる次のオフセットデータが検出されたか否かを判定する(ステップS45)。
【0059】
当該第2回路31bによる次のオフセットデータが検出されたのであれば、当該検出されたオフセットデータが正しいか否か、つまり所定順序のオフセットデータが検出されたか否かを判定する(ステップS46)。当該オフセットデータが正しいのであれば、当該同期検出をOKとし、当該第2回路31bによる同期を保持して、当該第2回路31bによる同期検出を終了させる終了フラグγを“1”にし(ステップS47)、当該処理動作を終了する。
【0060】
また、ステップS43にてオフセットデータが検出されたのでなければ、第1回路31aの終了フラグβが“1”であるか否かを判定する(ステップS48)。当該終了フラグβが“1”であれば、当該処理動作を終了するのであるが、当該終了フラグβが“1”でなければ、ステップS43に移行する。
【0061】
また、ステップS45にて次のオフセットデータが検出されたのでなければ、終了フラグβが“1”であるか否かを判定する(ステップS49)。当該終了フラグβが“1”であれば、当該処理動作を終了するのであるが、当該終了フラグβが“1”でなければ、ステップS45に移行する。
【0062】
また、ステップS46にて正しいオフセットデータでなければ、終了フラグβが“1”であるか否かを判定する(ステップS50)。当該終了フラグβが“1”であれば、当該処理動作を終了するのであるが、当該終了フラグβが“1”でなければ、ステップS42に移行する。
【0063】
つまり、当該第1実施例のRDS受信装置によれば、例えば自動追従システムによる周波数変更時において第1回路31aが最初のオフセットデータとして第1オフセットデータを検出し、当該第1オフセットデータ検出後に次のオフセットデータである第2オフセットデータを検出するが、前記第1回路31aによる第1オフセットデータ検出後に第2回路31bにおいても前記第2オフセットデータにおける検出を開始させる。
【0064】
例えば図5(a)に示すように第1回路31aは第1オフセットデータとしてオフセットC(orC´)を検出し、当該オフセットC(orC´)検出後に第2オフセットデータを当該第1回路31a及び第2回路31bに検出させる。
【0065】
当該第1回路31aが第2オフセットデータとしてオフセットDを検出すれば問題ないのであるが、オフセットAを検出してしまうことにより、当該マイコン30は前記第1オフセットデータであるオフセットC(orC´)が誤検出であったと判断する。
【0066】
また、前記第2回路31bは、当該第1回路31aによる第1オフセットデータ検出後に第2オフセットデータであるオフセットAを検出し、当該オフセットA検出後に第3オフセットデータであるオフセットBを検出し、当該マイコン30は、正しく同期がとれていると判断して、当該第2回路31bの同期を保持して当該データの同期検出を完了する。
【0067】
また、図5(b)に示すように前記第2回路31bにおいても第2オフセットデータであるオフセットA検出後に第3オフセットデータとしてオフセットBでなくオフセットC(orC´)を検出して、前記第2オフセットデータであるオフセットAが誤検出であると当該マイコン30が判断した場合、前記第1回路31aは、当該第2回路31bによる第2オフセットデータであるオフセットA検出後に当該第3オフセットデータであるオフセットC(orC´)を検出し、当該オフセットC(orC´)検出後に第4オフセットデータであるオフセットDを検出することにより、当該マイコン30は、正しく同期がとれていると判断して、当該第1回路31aの同期を保持して当該データの同期検出を完了する。
【0068】
従って、上記第1実施例のRDS受信装置によれば、当該マイコン30内に2系統の同期検出回路を設けておき、周波数変更時による代替局の同期検出を実行する場合、最初のオフセットデータによる出現と共に前記第1回路31aの同期検出動作を開始し、次に当該第1回路31aの同期検出動作を継続したまま、当該第1回路31aによる最初のオフセットデータ検出後に次タイミングのオフセットデータから第2回路31bによる同期検出動作を開始し、どちらか速く同期がとれた方の同期検出回路の同期を保持するようにしたので、当該同期に誤検出が生じたとしても迅速に最終的な正しい同期を検出することができ、従来の同期検出時間を大幅に短縮することができ、強いては当該同期検出時間中のミュートによるユーザーの不快感を軽減することができる。
【0069】
では、第2実施例のRDS受信装置について説明する。当該第2実施例のRDS受信装置において、図1に示す第1実施例のRDS受信装置と重複するものには、同一符号を付すと共に、その構成及び動作の説明を省略する。
【0070】
当該第2実施例におけるRDS受信装置のマイコン30内の同期検出回路は、複数系統でなく第1回路31aのみとする。
【0071】
では、当該第2実施例のRDS受信装置における動作について説明する。図6は第2実施例のRDS受信装置におけるRDSデータ受信時の自動追従システムにおけるマイコン30の処理動作を示すフローチャートである。図7は当該自動追従システムにおける各ブロックデータの検出状況を示す説明図である。
【0072】
図6に示す自動追従処理は、ステップS11及びステップS12間に現在受信中のRDSデータがブロックC又はブロックDであるか否かを判定する判断処理(ステップS61)を設け、ステップS11にてランダムタイマーが終了し、かつステップS61にて現在受信局である追従前放送局におけるRDSデータがブロックC又はブロックDを受信中のときに起動を開始するものである。
【0073】
ステップS61にて図7に示すようにブロックC受信中のときに同期の取り直しを開始するとブロックD及びブロックAにより同期検出を実行し、ブロックD受信中のときに同期の取り直しを開始するとブロックA又はブロックBにより同期検出を実行する。
【0074】
従って、当該第2実施例のRDS受信装置によれば、周波数変更時の同期検出をブロックC又はブロックD受信中に実行するようにすれば、当該同期検出と共に、PIコードをも抽出することができ、当該周波数変更時におけるPIコード確認を迅速に行うことができ、強いては当該同期検出開始からPIコード確認に要するまでの時間のミュートによるユーザーへの不快感を大幅に軽減することができる。
【0075】
では、第3実施例のRDS受信装置について説明する。尚、当該第3実施例におけるRDS受信装置において、図1に示す第1実施例のRDS受信装置と重複するものには、同一符号を付すと共に、その構成及び動作の説明を省略する。
【0076】
当該第3実施例のRDS受信装置におけるマイコン30内の同期検出回路は、複数系統でなく第1回路31aのみとする。
【0077】
当該第3実施例のRDS受信装置は、図6に示すようなステップS11のランダムタイマーに関係なく、現在受信中の放送局から到来するRDSデータが取り込めなくなったときに起動を開始するものである。
【0078】
では、当該第3実施例のRDS受信装置の動作について説明する。図8は第3実施例のRDS受信装置の自動追従システムにおけるマイコン30の処理動作を示すフローチャートである。
【0079】
図8においてマイコン30は、RDSデータを取り込むことができないNGが発生したか否かを判定する(ステップS71)。当該RDSデータにおけるNGが発生したのであれば、当該NG直前に取り込まれたRDSデータがブロックC又はブロックDであるか否かを判定する(ステップS72)。当該NG直前のRDSデータがブロックC又はブロックDであれば、前述したステップS12に移行する。
【0080】
また、ステップS72にて当該NG直前のRDSデータがブロックC又はブロックDでなければ、当該NG直前のRDSデータがブロックAであるか否かを判定する(ステップS73)。当該NG直前のRDSデータがブロックAであれば、次にブロックCが受信されるまでの時間として87.6×2msec待機してから(ステップS74)、ステップS12に移行する。また、当該NG直前のRDSデータがブロックAでなければ、次にブロックCが受信されるまでの時間として87.6×4msec待機してから(ステップS75)、ステップS12に移行する。
【0081】
また、ステップS18の処理後においては、ステップS71に移行する。
【0082】
従って、当該第3実施例のRDS受信装置によれば、現在受信中の放送局におけるRDSデータが取り込めなくなったとしても、自動追従システムによる周波数変更時の同期検出をブロックC又はブロックD受信中に実行するようにすれば、当該同期検出と共に、PIコードをも抽出することができ、当該同期検出開始から周波数変更時におけるPIコード確認を迅速に行うことができ、強いては当該同期検出開始からPIコード確認に要するまで時間のミュートによるユーザーへの不快感を大幅に軽減することができる。
【0083】
尚、上記第2及び第3実施例においては、マイコン30内の同期検出回路を第1回路31aのみとしたが、複数系統としても良いことはいうまでもない。
【0084】
では、第4実施例のRDS受信装置について説明する。尚、当該第4実施例のRDS受信装置において、図1に示す第1実施例のRDS受信装置と重複するものには、同一符号を付すと共に、その構成及び動作の説明を省略する。
【0085】
当該第4実施例のRDS受信装置の動作について説明する。図9及び図10は第4実施例のRDS受信装置の自動追従システムにおけるマイコン30の処理動作を示すフローチャートである。図11は当該自動追従システムによる周波数変更時のブロックデータの抽出及びPIコードの検出状況を示す説明図であり、図11(a)は追従前放送局と追従先放送局とのRDSデータが同期している場合であり、図11(b)は追従前放送局と追従先放送局とのRDSデータが同期していない場合である。
【0086】
図9においてマイコン30は、自動追従システム起動待ちランダムタイマーが終了したか否かを判定する(ステップS81)。当該ランダムタイマーが終了したのであれば、現在受信中のRDSデータがブロックDであるか否かを判定する(ステップS82)。当該受信中のRDSデータがブロックDであれば、前記外部メモリ29に記憶中のAFデータに基づく代替局における電界テストを図11(a)及び(b)に示すように実行して受信レベルを検出し(ステップS83)、当該代替局の受信条件が適っているか否かを判定する(ステップS84)。
【0087】
当該代替局の受信条件が適っていれば、前記第1回路31aにより追従前放送局における同期に基づいて追従先放送局である代替局における同期を保持する同期保持処理を実行し、前記第2回路31bにより当該追従先放送局における再同期検出処理を開始し(ステップS85)、当該追従先放送局である代替局のPIコードが検出されたか否かを判定する(ステップS86)。
【0088】
当該PIコードが検出されたのであれば、当該検出された追従先放送局のPIコードが追従前放送局のPIコードと同一であるか否かを判定する(ステップS87)。当該PIコードが同一であれば、当該代替局に受信局を切り換える切換処理を行って、前記第2回路31bによる同期検出処理を終了し(ステップS88)、当該処理動作を終了する。
【0089】
また、ステップS84にて受信条件が適っていなければ、又はステップS87にてPIコードが同一でなければ、受信局を元の受信局である追従前放送局に戻し、次のAFデータに基づく他の代替局への受信待ちを実行して(ステップS89)、ステップS81に移行する。
【0090】
また、ステップS86にてPIコードが検出されなければ、図10に示すM1に移行する。
【0091】
図10に示すM1においてマイコン30は、当該第1回路31aによる同期保持処理の開始、すなわち図9に示すステップS85の処理から最大87.6×2msec以上経過したか否かを判定する(ステップS91)。当該第1回路31aによる同期保持処理の開始から最大87.6×2msec以上経過したのであれば、第2回路31bによる同期検出がOKとなったか否かを判定する(ステップS92)。当該第2回路31bによる同期検出がOKとなれば、当該同期検出がOKとされた代替局のPIコードが検出されたか否かを判定する(ステップS93)。当該PIコードが検出されたのであれば、PIコードが同一であるか否かを判定する(ステップS94)。当該PIコードが同一であれば、第2回路31bにより同期保持処理を実行し(ステップS95)、当該代替局に受信局を切り換える切換処理を行って、第1回路31aによる再同期検出処理を終了して(ステップS96)、当該処理動作を終了する。
【0092】
ステップS91にて第1回路31aによる同期保持処理の開始から最大87.6×2msec以上経過したのでなければ、図9に示すM2に移行する。
【0093】
また、ステップS93にてPIコードが検出されなければ、前記第2回路31bによる再同期検出処理の開始、すなわち図9に示すステップS85の処理から最大87.6×2msec+規定時間以上経過したか否かを判定する(ステップS97)。当該再同期検出処理の開始から最大87.6×2msec+規定時間以上経過したのであれば、図9に示すM3に移行する。また、当該再同期検出処理の開始から最大87.6×2msec+規定時間以上経過したのでなければ、ステップS93に移行する。
【0094】
また、ステップS94にてPIコードが同一でなければ、図9に示すM3に移行する。
【0095】
従って、当該第4実施例のRDS受信装置によれば、図11(a)に示すように追従先放送局と追従前放送局との同期が取れている場合には第2回路31bによる再同期検出を行うことなしに第1回路31aにて同期を検出してRDSデータを取り込み、しかもブロックDを受信中に受信周波数を移せば、その次のブロックAのPIコードを迅速に確認することができ、当該同期検出開始からPIコード確認に要するまでのミュート時間を最小限にすることができ、強いては当該ミュート時間によるユーザーへの不快感を軽減することができる。
【0096】
また、図11(b)に示すように追従先放送局と追従前放送局との同期が取れていない場合には、第1回路31aにて受信中の追従前放送局における同期外れを検出し、第2回路31bにて新たな追従先放送局における同期を検出してRDSデータを取り込み、しかも、図11(b)には示されていないが、ブロックDを受信中に受信周波数を移せばその次のブロックAのPIコードを迅速に確認することができ、当該同期検出開始からPIコード確認に要するまでのミュート時間を最小限にすることができ、強いては当該ミュート時間によるユーザーへの不快感を軽減することができる。
【0097】
尚、上記第1及び第2実施例においては、マイコン30内の同期検出回路を2系統としたが、それ以上の複数系統でも良く、この場合にはより一層の効果を上げられることは言うまでもない。
【0098】
【発明の効果】
上記のように構成された本発明の多重放送用受信装置における第1の発明によれば、夫々異なるタイミングで追従先放送局の同期を検出する複数の同期検出手段を有し、周波数データに基づいて追従先放送局よりも良好な従先放送局に切替えたとき、前記複数の同期検出手段の中でも最初に同期がとられた同期検出手段に当該同期を保持させるようにしたので、追従先放送局の同期に誤検出が生じたとしても迅速に最終的な正しい同期を検出することができ、従来の同期検出時間を大幅に短縮することができ、いては当該同期検出時間中のミュートによるユーザの不快感を軽減することができる。
【0099】
また、第2の発明によれば、追従先放送局における同期検出のタイミングを所定順序に送信されたデータからデータ抽出手段による番組識別データの抽出直前付近のタイミングとしたので、当該同期検出と共に、番組識別データをも抽出して迅速に確認することができ、いては当該同期検出開始から番組識別データ確認に要するまでのミュートによるユーザーへの不快感を軽減することができる。
【0100】
また、第3の発明によれば、データ抽出手段により追従前放送局におけるデータが抽出できなくなったとき、当該抽出できなくなる直前のデータを記憶手段に記憶し、当該記憶された直前データに基づいて前記データ抽出手段による番組識別データの抽出直前付近のタイミングを推測し、当該推測されたタイミングに基づいて前記良好な受信レベルの追従先放送局における同期を検出及び保持し、当該同期保持された追従先放送局と前記追従前放送局との番組識別データが同一のときに当該追従先放送局を受信させるようにしたので、当該同期検出と共に、番組識別データをも抽出して迅速に確認することができ、いては当該同期検出開始から番組識別データ確認に要するまでのミュートによるユーザーへの不快感を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の多重放送用受信装置を適用したRDS受信装置の概略を示すブロック図である。
【図2】第1実施例のRDS受信装置の自動追従システムにおけるマイコンの処理動作を示すフローチャートである。
【図3】第1実施例のRDS受信装置の第1回路による再同期検出処理におけるマイコンの処理動作を示すフローチャートである。
【図4】第1実施例のRDS受信装置の第2回路による再同期検出処理におけるマイコンの処理動作を示すフローチャートである。
【図5】第1実施例のRDS受信装置における第1及び第2回路の同期検出時におけるオフセットデータの検出及び判定状況を示す説明図である。
(a)最初のオフセットデータに誤検出が生じた場合
(b)二回目のオフセットデータに誤検出が生じた場合
【図6】第2実施例のRDS受信装置の自動追従システムにおけるマイコンの処理動作を示すフローチャートである。
【図7】第2実施例のRDS受信装置における図6に示す処理時の同期検出時におけるオフセットデータの検出及び判定状況を示す説明図である。
【図8】第3実施例のRDS受信装置の自動追従システムにおけるマイコンの処理動作を示すフローチャートである。
【図9】第4実施例のRDS受信装置の自動追従システムにおけるマイコンの処理動作を示すフローチャートである。
【図10】第4実施例のRDS受信装置の自動追従システムにおけるマイコンの処理動作を示すフローチャートである。
【図11】第4実施例のRDS受信装置の自動追従システムによる周波数変更時のブロックデータの検出及び検出状況を示す説明図である。
(a)追従前放送局と追従先放送局とのRDSデータが同期している場合
(b)追従前放送局と追従先放送局都のRDSデータが同期していない場合
【図12】一般的なRDSデータのベースバンドコーディング構造を示す説明図である。
【図13】従来のRDS受信装置における同期検出回路の同期検出時におけるオフセットデータの検出及び判定状況を示す説明図である。
(a)最初のオフセットデータに誤検出が生じた場合
(b)二回目のオフセットデータに誤検出が生じた場合
【符号の説明】
12 FMチューナー
15 RDSデコーダ(データ抽出手段)
29 外部メモリ(記憶手段)
30 マイコン(制御手段)
31a 第1同期検出回路(第1回路)
31b 第2同期検出回路(第2回路)

Claims (4)

  1. 放送局から到来する、番組放送及び当該番組放送に多重化されたデータを含む放送電波から予め定められた順序にブロック単位で送信されたデータを当該予め定められた順序で抽出するデータ抽出手段と、
    当該抽出されたデータの中から、同一番組を放送している代替局である追従先放送局の周波数データ及び当該同一番組であることを識別する番組識別データを記憶する記憶手段と、
    現在受信中の放送局である追従前放送局から送信された放送電波の受信状態が劣化したとき、前記記憶手段に記憶された周波数データに基づいて前記追従前放送局よりも受信状態が良好な追従先放送局に関する同期を検出及び保持し、当該同期保持された追従先放送局と前記追従前放送局との番組識別データが同一のときに当該追従先放送局から送信された放送電波を受信させる制御手段とを有する多重放送用受信装置であって、
    前記制御手段は、該追従先放送局から予め定められた順序にブロック単位で送信されたデータの中から少なくとも2つのオフセットデータをチューナを介して当該予め定められた順序で検出した場合に、該追従先放送局に関する同期がとれたと判定する複数の同期検出手段を有し、
    前記周波数データに基づいて前記追従前放送局よりも受信状態が良好な追従先放送局に切換えるとき、少なくとも何れか一つの同期検出手段が前記追従先放送局に関する同期検出を開始し、且つ前記追従先放送局に関する同期検出を行っている同期検出手段が前記追従先放送局から送信された一つのオフセットデータを検出する毎に、前記追従先放送局に関する同期検出を行っている同期検出手段以外の他の同期検出手段が新たに前記追従先放送局に関する同期検出を開始し、前記制御手段は、前記複数の同期検出手段のうち追従先放送局に関する同期が最初にとられた同期検出手段に当該同期を保持させることを特徴とする多重放送用受信装置。
  2. 前記制御手段は、前記周波数データに基づいて前記追従前放送局よりも受信状態が良好な追従先放送局に切換えるとき、前記複数の同期検出手段の内の一つの同期検出手段に追従前放送局に関する同期を保持させ、当該同期検出手段以外の他の同期検出手段に前記追従先放送局に関する同期検出を開始させ、追従前放送局に関する同期を保持する同期検出手段により追従先放送局に関する同期がとれている場合には、前記他の同期検出手段による前記追従先放送局に関する再同期検出を行うことなしに、当該追従前放送局に関する同期を保持する同期検出手段による追従先放送局に関する同期の保持を継続することを特徴とする請求項1記載の多重放送用受信装置。
  3. 放送局から到来する、番組放送及び当該番組放送に多重化されたデータを含む放送電波から予め定められた順序にブロック単位で送信されたデータを当該予め定められた順序で抽出するデータ抽出手段と、
    当該抽出されたデータの中から、同一番組を放送している代替局である追従先放送局の周波数データ及び当該同一番組であることを識別する番組識別データを記憶する記憶手段と、
    現在受信中の放送局である追従前放送局から送信された放送電波の受信状態が劣化したとき、前記記憶手段に記憶された周波数データに基づいて前記追従放送局よりも受信状態が良好な追従先放送局に関する同期を検出及び保持し、当該同期保持された追従先放送局と前記追従前放送局との番組識別データが同一のときに当該追従先放送局から送信された放送電波を受信させる制御手段とを有する多重放送用受信装置であって、
    前記制御手段は、当該追従先放送局から予め定められた順序にブロック単位で送信されたデータの中から少なくとも2つのオフセットデータをチューナを介して当該予め定められた順序で検出した場合に、該追従先放送局に関する同期がとれたと判定する同期検出手段を有し、
    前記同期検出手段による前記追従先放送局に関する同期検出を開始するタイミングは、前記予め定められた順序にブロック単位で送信されデータのうち、前記番組識別データを含むブロックより予め定められたブロック数前のブロックから前記番組識別データを含 むブロックの直前のブロックまでのデータの受信中のタイミングであることを特徴とする多重放送用受信装置。
  4. 放送局から到来する、番組放送及び当該番組放送に多重化されたデータを含む放送電波から予め定められた順序にブロック単位で送信されたデータを当該予め定められた順序で抽出するデータ抽出手段と、
    当該抽出されたデータの中から、同一番組を放送している代替局である追従先放送局の周波数データ及び当該同一番組であることを識別する番組識別データを記憶する記憶手段と、
    前記データ抽出手段により現在受信中の放送局である追従前放送局から送信された放送電波に含まれるデータが抽出できなくなったとき、前記記憶手段に記憶された周波数データに基づいて受信状態が良好な追従先放送局に関する同期を検出及び保持し、当該同期保持された追従先放送局と前記追従前放送局との番組識別データが同一のときに当該追従先放送局から送信された放送電波を受信させる制御手段とを有する多重放送用受信装置であって、
    前記制御手段は、当該追従先放送局から予め定められた順序にブロック単位で送信されたデータの中から少なくとも2つのオフセットデータをチューナを介して当該予め定められた順序で検出した場合に、該追従先放送局に関する同期がとれたと判定する同期検出手段を有し、
    さらに、前記制御手段は、前記データ抽出手段により追従前放送局から送信された放送電波に含まれるデータが抽出できなくなったとき、当該抽出できなくなる直前のブロックから成るデータを前記記憶手段に記憶し、当該記憶された直前のブロックから成るデータに基づいて、現在受信中のデータが、前記予め定められた順序にブロック単位で送信されるデータのうち、前記番組識別データを含むブロックより予め定められたブロック数前のブロックから前記番組識別データを含むブロックの直前のブロックまでの何れかのブロックであるか否かを判定して、当該何れかのブロックである場合に、前記同期検出手段により前記受信状態が良好な追従先放送局に関する同期検出を開始して、検出された同期を保持し、当該同期保持された追従先放送局と前記追従前放送局との番組識別データが同一のときに当該追従先放送局から送信された放送電波を受信させることを特徴とする多重放送用受信装置。
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