JP4214312B2 - 粘着テープ - Google Patents

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Description

本発明は、支持基材と、前記支持基材上に形成された粘着剤層とを有する粘着テープ、特に、物品の仮留め、マスキング、絶縁等に有用な粘着テープに関する。
近年、耐熱性および防湿性を有する粘着テープが望まれており、その支持基材として、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムやナイロンフィルム等を用いることが提案されている(特許文献1、2)。しかし、これらは高温焼き付け塗装時の非塗装部保護のために用いるマスキングテープ(120℃〜180℃に耐えることを要す)、発動機やエンジンルーム内の機構部品の保護テープ、高温下にて金属表面を水蒸気から遮断する高温防湿テープ、ICなど電子部品をリフロー炉などでハンダ処理する際の短い時間にハンダが溶融する温度に耐えることを要する粘着テープ等として使用した場合、耐熱性、防湿性等の点で満足し得るものではない。
ポリイミドフィルムを支持基材とした粘着テープも公知である(特許文献3)。しかし、高湿度環境では、この粘着テープは貼付した物品からのフクレや剥離などが生じやすい。ポリイミドフィルムに酸素バリア性素材を組み合わせる提案もなされている(特許文献4)。このフィルムは、フィルムのガス透過性が低下しているために、フクレなどが発生しやすくなっている。また耐薬品性、特に強アルカリへの耐久性が低い。
水蒸気透過率が非常に低い液晶ポリマーフィルムを支持体とした粘着テープが提案されている(特許文献5)。液晶フィルムは寸法安定性に優れ、吸水率が低く、水蒸気透過性が非常に低い。しかし、液晶フィルムはポリイミドフィルムよりも耐熱性が劣り、特に、近年、環境問題からその使用量が増加している鉛フリー半田の半田付け温度では用い得ない。
特開平9−239301号公報 特開2001−115106号公報 特開2002−226795号公報 特開2002−226797号公報 特開2001−200222号公報
例えばプリント配線板や半導体ウエハの製造では、製造工程ごとに、異なる薬品が使用されたり、異なる温度・湿度環境が適用される。その場合、従来は、製造の対象物に貼付するテープ(マスキングテープ、仮留めテープ、保護テープ)を、環境や薬品が変化するたびに交換しなければならない。ここで、耐熱性、耐湿性、耐薬品性を高度なレベルで兼ね備える粘着テープが存在すれば、上述の製造におけるテープの交換に伴う、労力および材料を顕著に低減し得る。本発明の課題は耐熱性、耐湿性、耐薬品性を高度なレベルで兼ね備える粘着テープを提供することにある。
本発明者らは鋭意検討した結果、以下の発明を完成した。
(1)支持基材と、前記支持基材上に形成された粘着剤層とを有し、
上記支持基材が、ベンゾオキサゾール構造を有する芳香族ジアミン類と、芳香族テトラカルボン酸無水物類とを縮重合してなるポリイミドを含むフィルムからなる、粘着テープ。
(2)芳香族ジアミン類が、5−アミノ−2−(p−アミノフェニル)ベンゾオキサゾールである上記(1)記載の粘着テープ。
(3)23℃、65%RHにて測定される上記フィルムの酸素透過率をT(O2)とし、40℃、90%RHにて測定される上記フィルムの水蒸気透過率をT(H2O)とするとき、上記フィルムが下記(a)および(b)を具備する上記(1)または(2)に記載の粘着テープ。
(a)T(O2)が1〜20ml/m・day・atmである。
(b)T(H2O)/T(O2)が1〜20である。
(4)粘着剤層がシリコーン系粘着剤からなる上記(1)〜(3)のいずれかに記載の粘着テープ。
(5)100℃以上に加熱すべき部位に貼付するための上記(1)〜(4)のいずれかに記載の粘着テープ。
本発明の粘着テープは、耐熱性、耐湿性、耐薬品性を高度なレベルで兼ね備える。本発明の粘着テープは、プリント配線板の種々の加工工程で用い得るので、工程間で貼り替える必要が少なくなる。
本発明の粘着テープは、支持基材と粘着剤層とを有する。支持基材は粘着テープ自体の構造を維持し得るものであり、ポリイミドを含むフィルムからなる(以下、ポリイミドフィルムとも記載する)。本発明ではポリイミドフィルムのポリイミドが特定の化学構造をもつ。粘着剤層は支持基材の上に直接に、または他の層(例えば、アンカー層、着色層、シールド層等)を介して形成される。支持基材の上に形成するとは、支持基材の一主面または両主面に形成することを意味する。本発明の粘着テープのサイズは特に限定されないが、取り扱い上の観点からは、支持基材の厚さは、好ましくは3〜250μmであり、より好ましくは5〜75μmであり、粘着剤層の厚さは好ましくは0.5〜50μmであり、より好ましくは2〜10μmである。
本発明で用いるポリイミドフィルムのポリイミドは、ベンゾオキサゾール構造を有する芳香族ジアミン類と、芳香族テトラカルボン酸無水物類とを縮重合してなるポリイミドである。好ましくは、支持基材を構成するフィルムは上記ポリイミドのみからなる。上述の「縮重合」は、まず、溶媒中でジアミン類とテトラカルボン酸無水物類とを開環重付加反応に供してポリアミド酸溶液を得て、次いで、このポリアミド酸溶液から必要に応じてグリーンフィルムなどを成形した後に脱水縮合(イミド化)することによりなされる。
<芳香族ジアミン類>
本発明で用いるベンゾオキサゾール構造を有する芳香族ジアミン類の分子構造は特に限定されるものではなく、具体的には以下のものが挙げられる。
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これらの中でも、合成のし易さの観点から、アミノ(アミノフェニル)ベンゾオキサゾールの各異性体が好ましく、5−アミノ−2−(p−アミノフェニル)ベンゾオキサゾールがより好ましい。ここで、「各異性体」とは、アミノ(アミノフェニル)ベンゾオキサゾールが有する2つアミノ基が配位位置に応じて定められる各異性体である(例;上記「化1」〜「化4」に記載の各化合物)。これらのジアミンは、単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
本発明においては、全ジアミンの50モル%以下であれば下記に例示されるベンゾオキサゾール構造を有しないジアミン類を一種または二種以上を併用しても構わない。そのようなジアミン類としては、例えば、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、m−フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−アミノベンジルアミン、p−アミノベンジルアミン、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルホキシド、3,4’−ジアミノジフェニルスルホキシド、4,4’−ジアミノジフェニルスルホキシド、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、1,4−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノシ)フェニル]ブタン、2,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、2−[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−2−[4−(4−アミノフェノキシ)−3−メチルフェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)−3−メチルフェニル]プロパン、2−[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−2−[4−(4−アミノフェノキシ)−3,5−ジメチルフェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)−3,5−ジメチルフェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホキシド、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,4−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、4,4’−ビス[(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,1−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,3−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、3,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、2,2−ビス[3−(3−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、1,1−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホキシド、4,4’−ビス[3−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ジフェニルエーテル、4,4’−ビス[3−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ジフェニルエーテル、4,4’−ビス[4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ]ベンゾフェノン、4,4’−ビス[4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ]ジフェニルスルホン、ビス[4−{4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ}フェニル]スルホン、1,4−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノ−6−トリフルオロメチルフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノ−6−フルオロフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノ−6−メチルフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノ−6−シアノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジフェノキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノ−5,5’−ジフェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−4,5’−ジフェノキシベンゾフェノン、3,3’−ジアミノ−4−フェノキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノ−5−フェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−4−フェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−5’−フェノキシベンゾフェノン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジビフェノキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノ−5,5’−ジビフェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−4,5’−ジビフェノキシベンゾフェノン、3,3’−ジアミノ−4−ビフェノキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノ−5−ビフェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−4−ビフェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−5’−ビフェノキシベンゾフェノン、1,3−ビス(3−アミノ−4−フェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノ−4−フェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノ−5−フェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノ−5−フェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノ−4−ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノ−4−ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノ−5−ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノ−5−ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、2,6−ビス[4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ]ベンゾニトリルおよび上記芳香族ジアミンの芳香環上の水素原子の一部もしくは全てがハロゲン原子、炭素数1〜3のアルキル基またはアルコキシル基、シアノ基、またはアルキル基またはアルコキシル基の水素原子の一部もしくは全部がハロゲン原子で置換された炭素数1〜3のハロゲン化アルキル基またはアルコキシル基で置換された芳香族ジアミン等が挙げられる。
<芳香族テトラカルボン酸無水物類>
本発明で用いられるテトラカルボン酸無水物は芳香族テトラカルボン酸無水物類である。芳香族テトラカルボン酸無水物類としては、具体的には、以下のものが挙げられる。
Figure 0004214312
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これらのテトラカルボン酸二無水物は単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
本発明においては、全テトラカルボン酸二無水物の30モル%以下であれば下記に例示される非芳香族のテトラカルボン酸二無水物類を一種または二種以上を併用しても構わない。そのようなテトラカルボン酸無水物としては、例えば、ブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、ペンタン−1,2,4,5−テトラカルボン酸二無水物、シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、シクロヘキサン−1,2,4,5−テトラカルボン酸二無水物、シクロヘキサ−1−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、3−エチルシクロヘキサ−1−エン−3−(1,2),5,6−テトラカルボン酸二無水物、1−メチル−3−エチルシクロヘキサン−3−(1,2),5,6−テトラカルボン酸二無水物、1−メチル−3−エチルシクロヘキサ−1−エン−3−(1,2),5,6−テトラカルボン酸二無水物、1−エチルシクロヘキサン−1−(1,2),3,4−テトラカルボン酸二無水物、1−プロピルシクロヘキサン−1−(2,3),3,4−テトラカルボン酸二無水物、1,3−ジプロピルシクロヘキサン−1−(2,3),3−(2,3)−テトラカルボン酸二無水物、ジシクロヘキシル−3,4,3’,4’−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、1−プロピルシクロヘキサン−1−(2,3),3,4−テトラカルボン酸二無水物、1,3−ジプロピルシクロヘキサン−1−(2,3),3−(2,3)−テトラカルボン酸二無水物、ジシクロヘキシル−3,4,3’,4’−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。これらのテトラカルボン酸二無水物は単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
ジアミン類と、テトラカルボン酸無水物類とを重合してポリアミド酸を得るときに用いる溶媒は、原料となるモノマーおよび生成するポリアミド酸のいずれをも溶解するものであれば特に限定されないが、極性有機溶媒が好ましく、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N−アセチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホリックアミド、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、スルホラン、ハロゲン化フェノール類等があげられる。これらの溶媒は、単独あるいは混合して使用することができる。溶媒の使用量は、原料となるモノマーを溶解するのに十分な量であればよく、具体的な使用量としては、モノマーを溶解した溶液に占めるモノマーの重量が、通常5〜50重量%、好ましくは10〜30重量%となるような量が挙げられる。
ポリアミド酸を得るための重合反応(以下、単に「重合反応」ともいう)の条件は従来公知の条件を適用すればよく、具体例として、有機溶媒中、0〜80℃の温度範囲で、10分〜30時間連続して撹拌および/または混合することが挙げられる。必要により重合反応を分割したり、温度を上下させてもかまわない。この場合に、両モノマーの添加順序には特に制限はないが、芳香族ジアミン類の溶液中に芳香族テトラカルボン酸無水物類を添加するのが好ましい。重合反応によって得られるポリアミド酸溶液に占めるポリアミド酸の重量は、好ましくは5〜50重量%、より好ましくは10〜30重量%であり、前記溶液の粘度はブルックフィールド粘度計による測定(25℃)で、送液の安定性の点から、好ましくは10〜2000Pa・sであり、より好ましくは100〜1000Pa・sである。
重合反応中に真空脱泡することは、良質なポリアミド酸の有機溶媒溶液を製造するのに有効である。また、重合反応の前に芳香族ジアミン類に少量の末端封止剤を添加して重合を制御することを行ってもよい。末端封止剤としては、無水マレイン酸等といった炭素−炭素二重結合を有する化合物が挙げられる。無水マレイン酸を使用する場合の使用量は、芳香族ジアミン類1モル当たり好ましくは0.001〜1.0モルである。
重合反応により得られるポリアミド酸溶液から、ポリイミドフィルムを形成するためには、ポリアミド酸溶液を支持体上に塗布して乾燥することによりグリーンフィルムを得て、次いで、グリーンフィルムを熱処理に供することでイミド化反応させる方法が挙げられる。
ポリアミド酸溶液を塗布する支持体は、ポリアミド酸溶液をフィルム状に成形するに足る程度の平滑性、剛性を有していればよく、表面が金属、プラスチック、ガラス、磁器などからなるドラムまたはベルト状回転体などが挙げられる。中でも、支持体の表面は好ましくは金属であり、より好ましくは錆びなくて耐腐食に優れるステンレスである。支持体の表面にはCr、Ni、Snなどの金属メッキを施してもよい。支持体表面は必要に応じて鏡面にしたり、あるいは梨地状に加工することができる。支持体へのポリアミド酸溶液の塗布は、スリット付き口金からの流延、押出機による押出し、スキージコーティング、リバースコーティング、ダイコーティング、アプリケータコーティング、ワイヤーバーコーティング等を含むが、これらに限られず、従来公知の溶液の塗布手段を適宜用いることができる。
支持体上に塗布したポリアミド酸溶液を乾燥してグリーンフィルムを得る条件は特に限定はなく、温度としては60〜150℃が例示され、好ましくは80〜120℃であり、乾燥時間としては、5〜180分間が例示され、好ましくは10〜120分間、より好ましくは30〜90分間である。そのような条件を達する乾燥装置も従来公知のものを適用でき、熱風、熱窒素、遠赤外線、高周波誘導加熱などを挙げることができる。次いで、得られたグリーンフィルムから目的のポリイミドフィルムを得るために、イミド化反応を行わせる。一般には上記乾燥よりも高温での処理によりイミド化反応が進行して、ポリイミドフィルムを得ることができる。
上記イミド化反応に際しては、ポリアミド酸溶液に閉環触媒および脱水剤を含有させておいて、上記閉環触媒および脱水剤の作用によって当該イミド化反応を促進しても構わない。この方法では、ポリアミド酸溶液を支持体に塗布した後、イミド化反応を一部進行させて自己支持性を有するフィルムを形成した後に、加熱によってイミド化を完全に行わせることができる。
閉環触媒をポリアミド酸溶液に加えるタイミングは特に限定はなく、ポリアミド酸を得るための重合反応を行う前に予め加えておいてもよい。閉環触媒の具体例としては、トリメチルアミン、トリエチルアミンなどといった脂肪族第3級アミンや、イソキノリン、ピリジン、ベータピコリンなどといった複素環式第3級アミンなどが挙げられ、中でも、複素環式第3級アミンから選ばれる少なくとも一種のアミンが好ましい。ポリアミド酸1モルに対する閉環触媒の使用量は特に限定はないが、好ましくは0.5〜8モルである。
脱水剤をポリアミド酸溶液に加えるタイミングも特に限定はなく、ポリアミド酸を得るための重合反応を行う前に予め加えておいてもよい。脱水剤の具体例としては、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸などといった脂肪族カルボン酸無水物や、無水安息香酸などといった芳香族カルボン酸無水物などが挙げられ、中でも、無水酢酸、無水安息香酸あるいはそれらの混合物が好ましい。また、ポリアミド酸1モルに対する脱水剤の使用量は特に限定はないが、好ましくは0.1〜4モルである。脱水剤を用いる場合には、アセチルアセトンなどといったゲル化遅延剤を併用してもよい。
支持体に形成されたポリイミドフィルムの前駆体(グリーンシート、フィルム)を完全にイミド化する前に支持体から剥離してもよいし、イミド化後に剥離してもよい。
ポリイミドフィルムの厚さを制御するために、ポリアミド酸溶液を支持体に塗布する際の塗布量や、ポリアミド酸溶液の濃度を適宜調節し得る。
上述したような本発明で用いるポリイミドフィルムは高い軟化温度を備える。高い軟化温度とは、好ましくは、280℃以上である。軟化温度はTMAを用いて求められ、より具体的には、フィルム引張りモードでの加熱温度と変形量の関係から、JIS K7196−1991記載の軟化温度の求め方に準じて求められる。鉛フリー半田を用いる作業における耐性を考慮すると、上記軟化温度はより好ましくは310℃以上である。軟化温度の上限は特に定められるものではないが、一般的には500℃程度である。ポリイミドフィルムの軟化温度を高くするには、例えば、ポリイミドの製造のためのジアミン成分のうちのベンゾオキサゾール構造を有するジアミンの割合を増すことが挙げられる。
好ましくは、上記ポリイミドフィルムの吸水率は0.1%以上である。吸水率はJIS C6481−1996記載の方法で求められる。上記ポリイミドフィルムの吸水率はより好ましくは0.15%以上であり、さらに好ましくは0.25%以上であり、特に好ましくは0.5%以上である。一方、上記ポリイミドフィルムの吸水率は、好ましくは8%以下であり、より好ましくは5%である。吸水率は高分子素材の極性と自由体積を間接的に示唆する数値である。吸水率が上記範囲内であれば、粘着剤と支持基材とが良好に接着し、かつ、水分の悪影響を低減し得る。ポリイミドフィルムの吸水率を上記範囲内にするには、例えば、イミド化率を制御したり、フィルムの配向やフィルムの密度を制御することなどが挙げられる。
本発明で用いるポリイミドフィルムは低い酸素透過率を呈する。酸素透過率は支持基材の酸化劣化防止の直接的な尺度である。粘着剤層と支持基材との界面で酸化が起こると、界面近傍に水分が侵入しやすくなり好ましくない。よって、酸素透過率は小さければ小さいほど好ましい。具体的には、23℃、65%RHにて測定される上記ポリイミドフィルムの酸素透過率(T(O2))は、好ましくは20ml/m・day・atm以下であり、より好ましくは14ml/m・day・atm以下であり、さらに好ましくは9ml/m・day・atm以下であり、なおさらに好ましくは7ml/m・day・atm以下である。T(O2)の具体的な測定手順は実施例の欄に記載する。ポリイミドフィルムの酸素透過率を小さくするには、例えば、ポリイミドの製造のためのジアミン成分のうちのベンゾオキサゾール構造を有するジアミンの割合を増すことが挙げられる。
本発明で用いるポリイミドフィルムは酸素透過率に比して高い水蒸気透過率を呈する。酸素透過率に対して水蒸気透過率が高いことによって、粘着フィルムが温度変化する場合であっても、支持基材に吸収された水分が速やかに除去されて、特に界面などでフクレなどが生じることが防止される。具体的には、40℃、90%RHにて測定される上記ポリイミドフィルムの水蒸気透過率をT(H2O)とするとき、ポリイミドフィルムのT(H2O)/T(O2)は、好ましくは1〜20であり、より好ましくは1.5〜20であり、さらに好ましく2〜20であり、なおさらに好ましくは4〜20である。T(H2O)の具体的な測定手順は実施例の欄に記載する。上記T(H2O)/T(O2)の値を好ましい範囲にするためには、例えば、ポリイミドの製造のためのジアミン成分のうちのベンゾオキサゾール構造を有するジアミンの割合を増すことが挙げられる。
上記ポリイミドフィルムの線膨張係数は、好ましくは0〜20ppm/℃であり、より好ましくは0〜16ppm/℃であり、さらに好ましくは2〜15ppm/℃であり、なおさらに好ましくは3〜6ppm/℃である。線膨張係数が上記範囲内であれば、急激な温度変化(熱ショック)があっても加わる応力が過大にならない。ポリイミドフィルムの線膨張係数の測定方法は実施例の欄で詳述する。ポリイミドフィルムの線膨張係数は、その前駆体(ポリアミド酸)の分子量や熱処理の条件によって容易に制御し得る。
本発明の粘着テープは、上述したポリイミドを含むフィルムからなる支持基材と、後述する粘着剤層のみから構成される。
<粘着剤層>
次に本発明の粘着テープに使用する粘着剤層について説明する。
粘着剤層の形成のための粘着剤は特に限定はなく、従来公知のものを適宜用いることができる。粘着剤としては、例えば、一般的に知られる、アクリル系、ゴム系、シリコーン系などの粘着剤が挙げられる。粘着剤層を支持基材上に形成する手段も特に限定はなく、例えば、支持基材上に粘着剤を含むエマルション、溶液や融液を塗布するなどの手段が挙げられる。この場合の塗布手段は特に制限はなく、公知の塗布手段を適用してよい。具体的には、たとえば溶液状の粘着剤を塗布する場合は、ナイフコーターやリバースコーターを用いて離型紙に粘着剤を塗布し、乾燥後、離型紙を調湿してから、支持基材に貼りあわせるなどの方法が好ましく用いられる。
粘着剤がアクリル系粘着剤である場合には、当該粘着剤として、粘着性を発現させるための主モノマー、凝集力を高めるためのコモノマー、ならびに、接着力の向上および架橋剤との反応のための官能基を有するモノマーからなる共重合体が挙げられ、さらに架橋剤を用いて架橋させてなる共重合体を挙げることもできる。
上記の場合の主モノマーとしては、たとえば、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸n−オクチルなどといった、アルキル基の炭素数が2〜14のアクリル酸アルキルエステルや、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチルなどといった、アルキル基の炭素数が4〜14のメタクリル酸アルキルエステル等が挙げられ、それらは単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
凝集力を高めるためのコモノマーとしては、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピルなどといった、アルキル基の炭素数が1〜8のアクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アルキルエステル、スチレン、酢酸ビニル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドなどが挙げられ、それらは単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
接着力の向上および架橋剤との反応のための官能基を有するモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸などといったモノカルボン酸とその無水物、マレイン酸、グルタミン酸などといった多価カルボン酸とその無水物、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレートなどといったヒドロキシ基を有するカルボン酸誘導体などが挙げられ、それらは単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
架橋剤としては、一般に、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ポリイソシアネート、フェノール化合物、アミノ化合物、酸無水物、金属酸化物などが用いられ、上述の官能基を有するモノマーに適応するよう適宜選択し得る。
粘着剤がシリコーン系粘着剤である場合には、当該粘着剤として、ポリマー成分と架橋成分とからなるシリコーン系樹脂が好適に用いられる。その場合のポリマー成分としては、−SiO(CH−を繰り返し単位とするポリマーの末端にシラノール基(SiOH)を持つ高分子量のポリジメチルシロキサン、ポリジメチルジフェニルシロキサン等が挙げられる。架橋成分としては、3次元シリケート構造を有していて末端にトリメチルシロキシ基を有する成分が挙げられる。
好ましくは、ポリマー成分のシラノール基と架橋成分のトリメチルシロキシ基とを反応させてなる、部分架橋したポリシロキサンを用いる。部分架橋することで、長連鎖部分と架橋部分および末端部とがミクロに相分離し不連続相となり粘着性を発現すると考えられる。
シリコーン系粘着剤の粘着力を向上するために、シロキサン架橋密度を高くすることもでき、部分架橋反応の触媒として有機過酸化物、アミノシラン、有機酸金属塩などを用いることができる。
粘着剤がゴム系粘着剤である場合には、当該粘着剤として、天然ゴム、スチレン/ブタジエンラテックス、熱可塑性ゴム、ブチルゴムなどを適宜用いることができる。
耐熱性という観点からは、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤が好ましく用いられる。ゴム系粘着剤は、耐熱性、耐老化性が十分でない傾向にある。防湿性という観点からは、シリコーン系粘着剤が特に好ましく用いられる。
本発明の粘着テープは、上述した支持基材と粘着剤層のほかに、通常の粘着テープが有し得る部材をさらに有していてもよい。そのような部材としては、離型剤層、ガイドテープ、保護層等が挙げられる。
本発明の粘着テープは、テープを貼付すべきところであれば特に用途が限定されるものではない。本発明の粘着テープの優れた耐熱性、耐湿性を考慮すると、高温域での使用が好適である。高温域での使用とは、例えば、100℃以上に加熱すべき部位を意味し、特には、120〜340℃に加熱すべき部位を意味する。そのような使用の具体例としては、例えば高温焼き付け塗装時の非塗装部保護のために用いるマスキングテープ、発動機やエンジンルーム内の機構部品の保護テープ、高温下にて金属表面を水蒸気から遮断する高温防湿テープ等が挙げられる。さらに高温域での使用例として、ICなど電子部品をリフロー炉などでハンダ処理する際の粘着テープとしての使用が挙げられ、この場合には粘着テープが貼付される部位は260〜340℃程度にまで達し得る。
以下、実施例及び比較例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例によって限定されるものではない。なお、以下の実施例における物性の評価方法は以下の通りである。
1.ポリアミド酸の還元粘度(ηsp/C)
ポリマー濃度が0.2g/dlとなるようにN−メチル−2−ピロリドンに溶解した溶液をウベローデ型の粘度管により30℃で測定した。
2.フィルムの厚さ
マイクロメーター(ファインリューフ社製、ミリトロン1245D)を用いて測定した。
3.フィルムの引張弾性率、引張破断強度および破断伸度
測定対象のフィルムを、長手方向(MD方向)および幅方向(TD方向)にそれぞれ100mm×10mmの短冊状に切り出したものを試験片とした。引張試験機(島津製作所製、オートグラフ(R) 機種名AG−5000A)を用い、引張速度50mm/分、チャック間距離40mmの条件で、MD方向、TD方向それぞれについて、引張弾性率、引張強度及び破断伸度を測定した。
4.フィルムの線膨張係数(CTE)
測定対象のフィルムについて、下記条件にてMD方向およびTD方向の伸縮率を測定し、30℃〜45℃、45℃〜60℃、…と15℃の間隔での伸縮率/温度を測定し、この測定を300℃まで行い、全測定値の平均値をCTEとして算出した。MD方向、TD方向の意味は上記「3.」の測定と同様である。
装置名 ; MACサイエンス社製TMA4000S
試料長さ ; 20mm
試料幅 ; 2mm
昇温開始温度 ; 25℃
昇温終了温度 ; 400℃
昇温速度 ; 5℃/min
雰囲気 ; アルゴン
5.フィルムの融点、ガラス転移温度
測定対象のフィルムについて、下記条件で示差走査熱量測定(DSC)を行い、融点(融解ピーク温度Tpm)とガラス転移点(Tmg)をJIS K 7121に準拠して求めた。
装置名 ; MACサイエンス社製DSC3100S
パン ; アルミパン(非気密型)
試料重量 ; 4mg
昇温開始温度 ; 30℃
昇温終了温度 ; 600℃
昇温速度 ; 20℃/min
雰囲気 ; アルゴン
6.フィルムの熱分解温度
測定対象のフィルムを充分に乾燥したものを試料として、下記条件で熱天秤測定(TGA)を行い、試料の重量が5%減る温度を熱分解温度とみなした。
装置名 ; MACサイエンス社製TG−DTA2000S
パン ; アルミパン(非気密型)
試料重量 ; 10mg
昇温開始温度 ; 30℃
昇温速度 ; 20℃/min
雰囲気 ; アルゴン
7.軟化温度
充分に乾燥したフィルムを下記条件にて、フィルム引張モードの加熱温度と変形量の関係を求め、JIS K7196−1991記載の軟化温度の求め方に準じて測定した。
装置名 ; 島津製作所製 熱機械分析装置TMA−60
試料サイズ ; 幅5mm、長さ10mm
加重 ; 5g
昇温開始温度 ; 30℃
測定終了温度 ; 400℃
昇温速度 ; 20℃/min
雰囲気 ; アルゴン
8.吸水率
フィルムを、10cm×10cmの大きさに裁断し、23℃の水中に24時間浸漬した。その後、水から取り出した直後のフィルムの水滴を濾紙でふき取って質量を測定した(W1)。次にこのフィルムを、23℃、55%RHの雰囲気下で24時間放置した後、その質量を測定した(W0)。それぞれの測定値からJIS C6481−1996記載の方法により算出した。すなわち、吸水率は(W1−W0)÷W0なる式から算出される。
9.酸素透過率
Modern Contrals MOCON 社製酸素透過率測定装置OX−TRAN ten.fiftyを用い、23℃、65%RHの雰囲気下で、JIS K7126 Bに準拠した方法で測定した。
10.水蒸気透過率
Modern Contrals MOCON 社製水蒸気透過率測定装置PERMATRAN−W 3/31を用い、40℃、90%RHの雰囲気下で、JIS K7129に準拠した方法で測定した。
11.接触角
フィルム純水を滴下して、協和界面科学社製接触角測定器FACE CA−Zを用いて、室温25℃下で接触角を測定した。
12.粘着強度・耐久性
測定対象の粘着テープを下記(1)〜(3)の基材それぞれに貼りつけて、ゴム層で被覆された重さ2kgのローラーを1往復させることにより圧着した。次いで下記(a)〜(h)に示す条件でそれぞれ処理した。その後、外観を観察し、引張試験機を用いて300mm/分の速度で180゜の角度でテープを基材から引き剥がすのに要する力、すなわち剥離強度(N/cm)を測定した。
基材
(1)電解銅箔を用いたリジッド銅貼り積層板の銅箔面
(2)ポリイミドフィルム 東レ・デュポン社製カプトンH(50μm厚)
(3)ステンレススチール板SUS304(厚さ0.5mm)
条件
(a)室温20時間放置後
(b)模擬的なレジスト現像工程
25℃の炭酸ナトリウム水溶液(2.5重量%)に10分間浸積した後に、脱イオン水にて水洗した。次いで、25℃希硫酸(2.5重量%)に30秒間浸積した後に、脱イオン水にて水洗して、ヘアドライヤーにて乾燥した。
(c)模擬的なエッチング工程
40℃の塩化第二銅水溶液(10重量%)に15分間浸積した後に、脱イオン水にて水洗して、ヘアドライヤーにて乾燥した。
(d)模擬的なレジスト剥離工程
40℃の水酸化ナトリウム水溶液(5重量%)に10分間浸積した後に、脱イオン水にて水洗した。次いで、25℃希硫酸(2.5重量%)に30秒間浸積した後に、脱イオン水にて水洗して、ヘアドライヤーにて乾燥した。
(e)半田付け工程
300℃の鉛フリー半田(錫−銀−銅)浴に30秒浸積した。
(f)電気ニッケルめっき−電気金メッキ工程
中性洗剤を含む脱脂浴に浸した後に、水洗して、硫酸ニッケルめっきに供した。次いで、水洗した後に、シアン系金めっきに供して、水洗して、乾燥した。
(g)耐熱試験1
150℃のドライオーブン中に100時間放置した後に室温にまで冷却した。
(h)耐熱試験2
室温にて1時間、脱イオン水中に浸積した。次いで、表面の水滴を拭き取った後に、250℃の連続加熱炉を通過させた(3分間)。
(実施例1)
(ポリアミド酸溶液の調製)
窒素導入管、温度計、攪拌棒を備えた反応容器内を窒素置換した後、500重量部の5−アミノ−2−(p−アミノフェニル)ベンゾオキサゾールを入れた。次いで、5000重量部のN−メチル−2−ピロリドンを加えて完全に溶解させてから、485重量部のピロメリット酸二無水物を加えて、25℃にて15時間攪拌すると、褐色の粘調なポリアミド酸溶液が得られた。この還元粘度(ηsp/C)は2.0であった。
(ポリアミド酸のグリーンフィルムの製造)
このポリアミド酸溶液をステンレスベルトにコーティングし(ウェット膜厚:240μm)、80℃にて60分間乾燥した。乾燥後に自己支持性となったポリアミド酸フィルムをステンレスベルトから剥離してグリーンフィルムを得た。
(ポリイミドフィルムの製造)
得られたグリーンフィルムを、連続式の乾燥炉に通し、200℃から400℃にいたるまでほぼ一定の昇温速度で20分間かけて昇温した後、約10分間で室温にまで冷却して、褐色を呈するポリイミドフィルムを得た(厚さ25μm)。このフィルムをフィルム1とする。
(粘着テープの製造)
得られたフィルム1に東レダウコーニング社製のシリコーン系粘着剤、SD−4587Lを厚さ5μmに塗布することで、粘着テープを製造した。
(実施例2)
(ポリイミドフィルムの製造)
485重量部のピロメリット酸二無水物の代わりに、653重量部の3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を用いること以外は実施例1と同様の操作によってポリアミド酸溶液(ηsp/Cは2.0)を得て、さらにポリイミドフィルムを得た(厚さ25μm)。このフィルムをフィルム2とする。
(粘着テープの製造)
得られたフィルム2に東レダウコーニング社製のシリコーン系粘着剤、SD−4587Lを厚さ5μmに塗布することで、粘着テープを製造した。
(比較例1)
粘着テープの支持基材としての東レ・デュポン社製ポリイミドフィルム、カプトン(R)H(厚さ、25μm)に、東レダウコーニング社製のシリコーン系粘着剤、SD−4587Lを厚さ5μmに塗布することで、粘着テープを製造した。上記ポリイミドフィルム(カプトン)は、ピロメリット酸無水物とジアミノジフェニルエーテルとを縮重合してなるものである。
(比較例2)
粘着テープの支持基材としてのクラレ社製液晶ポリマー(全芳香族ポリエステル)フィルム、ベクスター(厚さ25μm)に、東レダウコーニング社製のシリコーン系粘着剤、SD−4587Lを厚さ5μmに塗布することで、粘着テープを製造した。
各実施例、比較例についての上述の評価結果を表1および2にまとめる。
Figure 0004214312
Figure 0004214312

Claims (4)

  1. 支持基材と、前記支持基材上に形成された粘着剤層のみから構成されてなり
    上記支持基材が、ベンゾオキサゾール構造を有する芳香族ジアミン類と、芳香族テトラカルボン酸無水物類とを縮重合してなるポリイミドを含むフィルムからなる、粘着テープ。
  2. 芳香族ジアミン類が、5−アミノ−2−(p−アミノフェニル)ベンゾオキサゾールである請求項1記載の粘着テープ。
  3. 粘着剤層がシリコーン系粘着剤からなる請求項1または2に記載の粘着テープ。
  4. 100℃以上に加熱すべき部位に貼付するための請求項1〜のいずれか一項に記載の粘着テープ。
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