JP3761030B2 - Tab用キャリアテープ - Google Patents

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Description

本発明は、TAB(Tape Automated Bonding)技術を用いて半導体チップを実装する場合に適用して好適なキャリアテープ、特に製品である半導体回路素子パッケージの使用環境変化に対する信頼性を高めたTAB用キャリアーテープに関するものである。
TAB技術は、回路素子パッケージの薄型化や多ピン化への対応が容易であるほか、半導体チップ当の実装においてギャングボンディング(一括ボンディング)を採用することが可能であること等、数多くの優れた特徴を有する。特にギャングボンディングは、リードフレームを使用したワイヤボンディングの場合に比較して、ボンディング時間を著しく短縮することがかのうであり、例えば300ピンのパッケージの場合、ワイヤボンディング法によっては45〜60秒を必要とするボンディング作業を僅か1〜2秒程度で完了することが出来る。そのため、現在では、半導体装置の実装、特には液晶表示素子、EL表示素子、電気泳動表示素子、粒子回転型表示素子、等、薄型ディスプレイ、電子ペーパーなどの駆動ICの実装方法として広く用いられている。また最近ではTAB用キャリアテープを経て、BGA:ボールグリッドアレイ、マイクロ・ボールグリッドアレイ、チップスケールパッケージを得るパッケージ方法が広く実用化されている。該TAB技術は、1970年代にその基本技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
米国特許第3689991号明細書
TAB用キャリアテープは、通常、長尺の絶縁材料製フィルム(例えばポリイミドフィルム)に導電材料として機能する銅箔を貼り合わせたような構造となっており、銅箔に所定のエッチングを施すことによって所望のパターンのインナーリード部分やアウターリード部分を形成する。これらのリード部分には、半導体チップのボンディング作業を容易かつ確実にするため、必要な箇所に金、錫又は半田めっきを施すのが普通である。また接合部には場合によってバンプと呼ばれる突起が形成される。
TAB技術を用いて生産した半導体回路素子パッケージの信頼性を阻害する一つの大きな要因は、冷却と加熱の繰返しの結果として発生する熱歪によるクラック(導電材料や半導体チップ、チップ/基板間の接続部などの破断又は亀裂)である。この種のクラックは、導電材料である銅と、半導体(シリコン)チップ、および支持基材との間の熱膨張差に起因するものである。信頼性を阻害する他の要因として、支持体フィルムの吸湿による伸縮の結果として発生する歪によるクラックを、同様に例示する事ができる。
TAB技術が適用される、最も大きな用途は 液晶表示素子などの平面型ディスプレイの駆動用ICの実装である。かかる駆動用ICは平面型ディスプレイの2辺ないし4辺に取り付けられる。TABのいわゆるアウターリードが、平面型表示素子の2辺ないし4辺から引き出されている電極に接続される訳である。組立工程の合理化の観点よりは、この接続が、なるべく一度に行えることが好ましい、つまりTABのアウターリード側のワーク幅、リード数は多ければ多いほど良いということである。現状では、ワーク幅が広がる以上にリード数が増えており、リード線幅とリード線間は非常に狭くなってきている。かかる狭い間隔のリード線が広いワーク幅に配置された場合、一般に累積ピッチ問題と呼ばれる誤差の累積によるリード端子の位置ずれが発生する。誤差は熱膨張係数の差、湿度膨張係数の差によって生ずるため、これらの特性は非常に重要である。
また近年ではチップ面積が大きくなり、同時に入力、出力信号線の数も増えているため、同様の問題はインナーリード側でも生じている。
これらの問題の解決のために、基材に用いられる材料に、温度膨張係数、湿度膨張係数のなるべく小さい材料を用いようと云う考え方は広く一般化しているが、現実には、適当な材料が無く実用化には、至っていない。
また導体側の観点より、導電材料に不純物を添加し、熱膨張係数を半導体であるシリコンに近づけようとする提案が成されている。例えば、導電材料として42アロイ(ニッケル42%、残部鉄である合金材料)や、コバール(ニッケル29重量%、コバルト17重量%、残部鉄である合金)をTAB用キャリアテープの導電材料として使用することが開示されている(例えば、特許文献2参照)。
特開平5−275494号公報
しかしながら導電材料を合金とすることは、その導電性を著しく低下せしめ、また、回路パターンを形成するエッチングに使う薬液が限定される等の問題点がある。導電材料の導電性は電気信号の伝送速度に著しい悪影響を与え、また回路の発熱も増加する。
以上述べてきたように、従来のTAB用キャリアテープにおいては、温湿度による膨張係数の差に起因する位置ずれや、端子間の接続信頼性低下、導電材料や半導体チップに応力歪みが生じ、クラックが発生する可能性があるといった問題点を持つ物であった。
本発明は、温湿度による伸び縮みが小さく、結果として製品である半導体回路素子パッケージに高い信頼性を与えるTAB用キャリアテープを提供することにある。
すなわち本発明は、一層、または二層以上の導電層を有するTAB用キャリアテープにおいて、ベンゾオキサゾール構造を有する芳香族ジアミン類と、芳香族テトラカルボン酸無水物類とを反応させて得られる還元粘度1.5以上のポリアミド酸を加熱乾燥して得た引張破断強度340MPa以上、伸度24%以上、線膨張係数5ppm/℃以下のポリイミドからなるフィルムを基材として用い、かつ導電層と基材を接着する接着剤として引張弾性率が、基材の引張弾性率に対して下式の範囲である接着剤を用いることを特徴とするTAB用キャリアテープである。
0.01 ≦ 接着剤の引張弾性率/基材の引張弾性率 ≦ 0.7
好ましい態様としては、ベンゾオキサゾール構造を有する芳香族ジアミン類が、5−アミノ−2−(p−アミノフェニル)ベンズオキサゾールである。
本発明のポリイミドフィルムは、従来よりTABキャリアーテープの基材として使用されてきたポリイミドフィルムに比して高い剛性と低い線膨張係数、湿度膨張係数を有する物である。かかる特性のポリイミドフィルムは、フィルムそのものの寸法安定性や形態保持性は高いので前記した例えば、冷却と加熱の繰返しの結果として発生する熱歪によるクラック、すなわち導電材料や半導体チップ、チップ/基板間の接続部などの破断又は亀裂発生による接点不良等による半導体回路パッケージの信頼性低下が改善できる。該クラックは、導電材料である銅と、半導体(シリコン)チップ、および支持基材との間の熱膨張差に起因するものである。信頼性を阻害する他の要因として、支持体フィルムの吸湿による伸縮の結果として発生する歪によるクラックを、同様に例示する事ができる。本発明のポリイミドフィルムはこの点も改善される。
しかしながら、従来よりTABキャリアーテープの基材として使用されてきたポリイミドフィルムに比して基材フィルムと異種素材である導電体(より好ましくは金属、さらに好ましくは銅)、あるいは半導体チップ(シリコン)との線膨張係数の差は改善されているものの一致はしていないので、張り合わせて用いる場合にはソリや内部歪みが発生することが予想される。
通常、このような場合には特にデリケートな半導体チップと導電層の接続点の周囲に封止材、アンダーフィル材を塗布することにより、応力歪みを拡散させる、という手法が取られている。かかる方法により信頼性の向上は認められるが、抜本的な解決法とは云えない。
本発明では、請求項2に記載のごとく導電層と基材を接着する接着剤の引張弾性率が、基材より小さいことが好ましい実施態様である。剛性が高く、寸法安定性の高い基材上に、基材より低弾性率の接着層を挟んで導電層と半導体チップを搭載するため、半導体チップ/導体間の接続部には、基材の線膨張の影響が及ぶことなく、また、線膨張係数の離れた基板/導電体の応力歪みを接着剤層で緩和吸収することが出来るため、結果として半導体と導電層との接続信頼性が著しく向上するという効果を得ることが出来る。
本発明のポリイミドはベンゾオキサゾール構造を有するジアミン類と芳香族テトラカルボン酸無水物類の縮合により得られる物である。
一般にポリイミドは、溶媒中でジアミン類とテトラカルボン酸無水物を反応して得られるポリアミド酸溶液を、支持体に塗布・乾燥してグリーンフィルムと成し、さらに支持体上で、あるいは支持体から剥がした状態でグリーンフィルムを高温熱処理することにより脱水閉環反応を行うことによって得られる物である。
本発明におけるベンゾオキサゾール構造を有する芳香族ジアミン類としては、具体的には以下のものが挙げられる。
Figure 0003761030
Figure 0003761030
Figure 0003761030
を例示することができる。該ジアミンは、単独であっても二種以上を用いることも可能である。
本発明においては、全ジアミンの30モル%以下であれば下記に例示されるベンゾオキサゾール構造を有しないジアミン類を一種または二種以上を併用しても構わない。例えば、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、m−フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−アミノベンジルアミン、p−アミノベンジルアミン、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルホキシド、3,4’−ジアミノジフェニルスルホキシド、4,4’−ジアミノジフェニルスルホキシド、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、1,4−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、2,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、2−[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−2−[4−(4−アミノフェノキシ)−3−メチルフェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)−3−メチルフェニル]プロパン、2−[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−2−[4−(4−アミノフェノキシ)−3,5−ジメチルフェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)−3,5−ジメチルフェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン,4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホキシド、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,4−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,1−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,3−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、3,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、2,2−ビス[3−(3−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、1,1−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホキシド、4,4’−ビス[3−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ジフェニルエーテル、4,4’−ビス[3−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ジフェニルエーテル、4,4’−ビス[4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ]ベンゾフェノン、4,4’−ビス[4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ]ジフェニルスルホン、ビス[4−{4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ}フェニル]スルホン、1,4−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノ−6−トリフルオロメチルフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノ−6−フルオロフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノ−6−メチルフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノ−6−シアノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジフェノキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノ−5,5’−ジフェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−4,5’−ジフェノキシベンゾフェノン、3,3’−ジアミノ−4−フェノキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノ−5−フェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−4−フェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−5’−フェノキシベンゾフェノン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジビフェノキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノ−5,5’−ジビフェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−4,5’−ジビフェノキシベンゾフェノン、3,3’−ジアミノ−4−ビフェノキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノ−5−ビフェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−4−ビフェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−5’−ビフェノキシベンゾフェノン、1,3−ビス(3−アミノ−4−フェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノ−4−フェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノ−5−フェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノ−5−フェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノ−4−ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノ−4−ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノ−5−ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノ−5−ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、2,6−ビス[4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ]ベンゾニトリル、および上記芳香族ジアミンの芳香環上の水素原子の一部もしくは全てがハロゲン原子、炭素数1〜3のアルキル基またはアルコキシ基、シアノ基、またはアルキル基またはアルコキシ基の水素原子の一部もしくは全部がハロゲン原子で置換された炭素数1〜3のハロゲン化アルキル基またはアルコキシ基で置換された芳香族ジアミン等が挙げられる。
本発明において用いられるテトラカルボン酸無水物は芳香族テトラカルボン酸無水物類である。芳香族テトラカルボン酸無水物類としては、具体的には、以下のものが挙げられる。
Figure 0003761030
の使用が好ましい。これらのテトラカルボン酸二無水物は単独でも二種以上を用いることも可能である。
本発明においては、全テトラカルボン酸二無水物の30モル%以下であれば下記に例示される非芳香族のテトラカルボン酸二無水物類を一種または二種以上を併用しても構わない。用いられるテトラカルボン酸無水物としては、例えば、ブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、ペンタン−1,2,4,5−テトラカルボン酸二無水物、シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、シクロヘキサン−1,2,4,5−テトラカルボン酸二無水物、シクロヘキサ−1−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、3−エチルシクロヘキサ−1−エン−3−(1,2),5,6−テトラカルボン酸二無水物、1−メチル−3−エチルシクロヘキサン−3−(1,2),5,6−テトラカルボン酸二無水物、1−メチル−3−エチルシクロヘキサ−1−エン−3−(1,2),5,6−テトラカルボン酸二無水物、1−エチルシクロヘキサン−1−(1,2),3,4−テトラカルボン酸二無水物、1−プロピルシクロヘキサン−1−(2,3),3,4−テトラカルボン酸二無水物、1,3−ジプロピルシクロヘキサン−1−(2,3),3−(2,3)−テトラカルボン酸二無水物、ジシクロヘキシル−3,4,3’,4’−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3,5,6ラカルボン酸二無水物、1−プロピルシクロヘキサン−1−(2,3),3,4−テトラカルボン酸二無水物、1,3−ジプロピルシクロヘキサン−1−(2,3),3−(2,3)−テトラカルボン酸二無水物、ジシクロヘキシル−3,4,3’,4’−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物等である。これらのテトラカルボン酸二無水物は単独でも二種以上を用いることも可能である。
また、本発明の線状ポリイミドまたは線状ポリアミド酸の分子末端を炭素−炭素二重結合を有する末端基で封止するために無水マレイン酸等を用いることが出来る。無水マレイン酸の使用量は、芳香族ジアミン成分1モル当たり0.001〜1.0モル比である。
本発明で使用する極性有機溶剤としては、原料モノマーおよび生成するポリアミド酸のいずれをも溶解するものであれば特に限定されないが、例えば,N−メチル−2−ピロリドン,N−アセチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホリックアミド、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、スルホラン、ハロゲン化フェノール類等があげられ,これらの溶媒は,単独あるいは混合して使用することができる。極性有機溶媒の使用量は,仕込みモノマーを溶解するのに十分な量であればよく,通常は5〜50重量%であり,好ましくは10〜20重量%の固形分を含むものであればよい。
本発明で用いるポリアミド酸の有機溶媒溶液は、固形分を好ましくは5〜40重量%、より好ましくは10〜30重量%を含有するものであって、またその粘度はブルックフィールド粘度計による測定で10〜2000Pa・s、好ましくは100〜1000Pa・sのものが、安定した送液が可能であることから好ましい。重合反応は、有機溶媒中で撹拌および/または混合しながら、0〜80℃の温度範囲で、10分〜30時間連続して進められるが、必要により重合反応を分割したり、温度を上下させてもかまわない。この場合に、両反応体の添加順序には特に制限はないが、芳香族ジアミン類の溶液中に芳香族テトラカルボン酸無水物類を添加するのが好ましい。
重合反応中に真空脱泡することは、良質なポリアミド酸の有機溶媒溶液を製造するのに有効な方法である。また、重合反応の前に芳香族ジアミン類に少量の末端封鎖剤を添加して重合を制御することを行ってもよい。
本発明で使用される閉環触媒の具体例としては、トリメチルアミン、トリエチルアミンなどの脂肪族第3級アミンおよびイソキノリン、ピリジン、ベータピコリンなどの複素環式第3級アミンなどが挙げられるが、複素環式第3級アミンから選ばれる少なくとも一種のアミンを使用するのが好ましい。
重合反応中に真空脱泡することは、良質なポリアミド酸の有機溶媒溶液を製造するのに有効な方法である。また、重合反応の前に芳香族ジアミン類に少量の末端封鎖剤を添加して重合を制御することを行ってもよい。
本発明では閉環触媒を用いても良い。本発明で使用される閉環触媒の具体例としては、トリメチルアミン、トリエチルアミンなどの脂肪族第3級アミンおよびイソキノリン、ピリジン、ベータピコリンなどの複素環式第3級アミンなどが挙げられるが、複素環式第3級アミンから選ばれる少なくとも一種のアミンを使用することが好ましい。
本発明で使用される脱水剤の具体例としては、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸などの脂肪族カルボン酸無水物、および無水安息香酸などの芳香族カルボン酸無水物などが挙げられるが、無水酢酸および/または無水安息香酸が好ましい。ポリアミド酸に対する閉環触媒の含有量は、閉環触媒の含有量(モル)/ポリアミド酸の含有量(モル)が0.5〜8となる範囲が好ましい。また、ポリアミド酸に対する脱水剤の含有量は、脱水剤の含有量(モル)/ポリアミド酸の含有量(モル)が0.1〜4となる範囲が好ましい。尚、この場合には、アセチルアセトンなどのゲル化遅延剤を併用してもよい。
本発明のポリイミドフィルムは、ポリアミド酸溶液を支持体にフィルム状に連続的に押し出し又は塗布し、次いで乾燥することにより得たグリーンフィルムを、前記支持体から剥離し、延伸、乾燥、熱処理することにより製造されるが、ポリアミド酸の有機溶媒からポリイミドフィルムを製造する代表的な方法としては、閉環触媒および脱水剤を含有しないポリイミド酸の有機溶媒溶液をスリット付き口金から支持体上に流延してフィルムに成形し、支持体上で加熱乾燥することにより自己支持性を有するグリーンフィルムにした後、支持体よりフィルムを剥離し、更に高温下で乾燥熱処理することによりイミド化する熱閉環法、および閉環触媒および脱水剤を含有せしめたポリド酸の有機溶媒をスリット付き口金から支持体上に流延してフィルム状に成形し、支持体上でイミド化を一部進行させて自己支持性を有するフィルムとした後、支持体よりフィルムを剥離し、加熱乾燥/イミド化し、熱処理を行う化学閉環法が挙げられる。
本発明における支持体とは、ポリアミド酸溶液をフィルム状に成形する際に用いられるドラムまたはベルト状回転体である。ポリアミド酸溶液は支持体上に塗布され、加熱乾燥により自己支持性を与えられる。支持体の表面は金属、プラスチック、ガラス、磁器などが挙げられ、好ましくは金属であり、更に好ましくは錆びなくて耐腐食に優れるSUS材である。また、Cr、Ni、Snなどの金属メッキをしても良い。本発明における支持体表面は必要に応じて鏡面にしたり、あるいは梨地状に加工することができる。
次に本発明のTABキャリアテープの製法を、図1を用いて説明する。本発明のTABテープは通常法により作製される。
(1)まず、所定の幅にスリットされたポリイミドフィルムを基材テープとして用いる。
(2)接着剤は、基材テープの両端部分を除いて基材にコーティングされる。
(3)次いで、両端の接着剤が塗布されていない部分に、搬送用のスプロケット穴を、接着剤が塗布されている部分に、アウターリード用のスリットを、インナーリードが飛び出すデバイスホールをパンチング、レーザー加工などで開ける。
(4)導電層(銅箔)を張り合わせる。
(5)先に打ち抜いた部分のフィルム側に裏面保護材を塗布する。
(6)通常のサブトラクティブ法により銅箔をパターン化し、表面処理、常法により接続用バンプを形成する。
(7)裏面保護材を剥離する。
ここまでがTAB用キャリアテープの製法となる。得られたTABテープは、さらに、
(8)ICチップを実装する。
(9)ICチップを封止する工程を経て、主基板に実装される。
ここでは、基本的な構成として導体層が1層の場合について説明したが、2層以上の場合についても、一般的に知られている方法を適用することが出来る。
本発明に用いられる接着剤としては、請求項2に記載のごとく接着剤の引張弾性率が基材の引張弾性率より小さいことが好ましい。接着剤引張弾性率/基材引張弾性率(引張弾性率の比)が0.01〜0.7が好ましく、0.5以下がさらに好ましく、0.2以下がなお好ましく、0.1以下が特に好ましい。接着剤の引張弾性率が基材フィルムのそれより高いと線膨張係数の離れた基板/導電体の応力歪みを接着剤層で緩和吸収することが出来なくなり、結果として半導体と導電層との接続信頼性が向上するという効果が発現されなくなるので好ましくない。
本発明に用いられる接着剤は、上記特性を有し、かつ基材と導電層との接着性が実用レベルであれば制限はなく任意に選択できるが、エポキシ系、ウレタン系、アクリル系、シリコーン系、ポリエステル系、イミド系、ポリアミドイミド系等例示することができる。またさらに詳しくは、例えば、主としてポリアミド樹脂等のフレキシブルな樹脂とフェノール等の硬質の材料とを主成分として、エポキシ樹脂、イミダゾール類等を含むものが例示される。さらに具体的には、ダイマー酸ベースのポリアミドイミド樹脂、常温固体のフェノール、常温液状のエポキシ等を適度に混合したもの等を例示できる、適度な軟らかさ、硬さ、接着性等を有し、半硬化状態を容易にコントロールできる。また、ポリアミドイミド樹脂としては重量平均分子量が5000〜100000のものが好適である。さらに、ポリアミドイミド樹脂原料のカルボン酸とアミンとによりアミドイミド樹脂の凝集力も変化するため、適宜フェノールやエポキシ樹脂の分子量、軟化点等を選択することが好ましい。また、ポリアミドイミド樹脂の代わりにポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、アクリロニトリルブタジエン樹脂、ポリイミド樹脂、ブチラール樹脂等が使用できる。さらにこれらのシリコーン変性された材料などはフレキシビリティも発現するのでより好ましい。また、フェノール樹脂やエポキシ樹脂だけでなく、マレイミド樹脂、レゾール樹脂、トリアジン樹脂等も使用できる。またニトリルブタジエンゴムなどを配合、共重合する事も可能である。
本発明の接着剤は硬化状態を半硬化状態にコントロールされるが、硬化状態をコントロールする方法としては、例えば、接着剤を基材上に塗布、乾燥させる際の温風による加熱、遠/近赤外線による加熱、電子線の照射などが挙げられる。加熱によるコントロールでは、100〜200℃で、1〜60分加熱することが好ましく、130〜160℃で、5〜10分加熱することがさらに好ましい。また、TAB用テープをロール状に巻回した状態で、例えば40〜90℃程度の比較的低温で数時間〜数百時間熱処理することにより硬化状態をコントロールすることもできる。なお、硬化状態をコントロールする際の条件は、接着剤の組成や硬化機構、硬化速度を考慮して決定することが好ましい。このようにして、硬化状態をコントロールすることにより、半硬化状態の接着剤を得ることが可能となる。
本発明の接着剤は、いったん半硬化状態とされた状態で用いられる。ここで、半硬化状態とは、加熱することにより軟化又は溶融することが可能な固相状態のことである。本発明の接着剤には、半硬化状態を維持できるように、基本的にはフレキシビリティを与える成分と耐熱性を付与する成分とが含まれている。
なお、接着剤を塗布する前にポリイミドフィルム表面をプラズマ処理、コロナ処理、アルカリ処理することは、接着力を高めるために好ましい方法である。
以下、本発明の有効性を実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、以下の実施例における物性の評価方法は以下の通りである。
1.ポリアミド酸の還元粘度(ηsp/C)
ポリマー濃度が0.2g/dlとなるようにN−メチル−2−ピロリドンに溶解した溶液をウベローデ型の粘度管により30℃で測定した。
2.フィルム厚さ
フイルムの厚さは、マイクロメーター(ファインリューフ社製、ミリトロン1245D)を用いて測定した。
3.ポリイミドフィルムの引張弾性率、引張破断強度および破断伸度
乾燥後のフィルムを長手方向(MD方向)および幅方向(TD方向)にそれぞれ長さ100mm、幅10mmの短冊状に切り出して試験片とし、引張試験機(島津製作所製オートグラフ(R) 機種名AG−5000A)を用い、引張速度50mm/分、チャック間距離40mmで測定し、引張弾性率、引張強度及び破断伸度を求めた。
4.接着剤の引張弾性率
ポリテトラフルオロエチレンシートに接着剤を乾燥後厚さが10μmとなるように塗布し、実施例に示される各々の接着剤の所定の硬化条件(温度、時間)にて硬化させた。該硬化膜をポリテトラフルオロエチレンシートより剥離し、上記ポリイミドフィルムと同様の方法で引張弾性率を測定した。
5.ポリイミドフィルムの線膨張係数(CTE)
下記条件で伸縮率を測定し、30〜300℃までを15℃間隔で分割し、各分割範囲の伸縮率/温度の平均値より求めた。
装置名 ; MACサイエンス社製TMA4000S
試料長さ ; 20mm
試料幅 ; 2mm
昇温開始温度 ; 25℃
昇温終了温度 ; 400℃
昇温速度 ; 5℃/min
雰囲気 ; アルゴン
6.ポリイミドフィルムの融点、ガラス転位温度
試料を下記条件でDSC測定し、融点(融解ピーク温度Tpm)とガラス転移点(Tmg)をJIS K 7121に準拠して下記測定条件で求めた。
装置名 ; MACサイエンス社製DSC3100S
パン ; アルミパン(非気密型)
試料重量 ; 4mg
昇温開始温度 ; 30℃
昇温速度 ; 20℃/min
雰囲気 ; アルゴン
7.熱分解温度
熱分解温度は、充分に乾燥した試料を下記条件でTGA測定(熱天秤測定)して、5%重量減をもって規定した。
装置名 ; MACサイエンス社製TG−DTA2000S
パン ; アルミパン(非気密型)
試料重量 ; 10mg
昇温開始温度 ; 30℃
昇温速度 ; 20℃/min
雰囲気 ; アルゴン
(実施例1)
(ポリアミド酸の重合およびポリイミドフィルムの製造)
窒素導入管,温度計,攪拌棒を備えた反応容器内を窒素置換した後,5−アミノ−2−(p−アミノフェニル)ベンズオキサゾール500重量部を仕込んだ。次いでN−メチル−2−ピロリドン5000重量部を加えて完全に溶解させた後,ピロメリット酸二無水物485重量部を加え、25℃の反応温度で15時間攪拌すると,褐色で粘調なポリアミド酸溶液が得られた。このもののηsp/Cは2.0であった。
続いて、このポリアミド酸溶液をステンレスベルトにウエット膜厚180ミクロンとなるようにコーティングし、80℃にて60分間乾燥した。乾燥後に自己支持性となったポリアミド酸フィルムをステンレスベルトから剥離しグリーンフィルムを得た。得られたグリーンフィルムを、連続式の乾燥炉に通し、200℃から400℃まで、ほぼ直線的に20分間にて昇温し10分間で冷却、厚み25μmの褐色のポリイミドフィルムを得た。
(キャリアテープおよび半導体回路素子パッケージの製造)
上記方法により得られたポリイミドフィルムを用い、先に説明したTAB製法をもちいてTAB用キャリアテープを作製した。
まず幅140mmにスリットした基材フィルムの表面に接着剤として、東洋紡績株式会社製RV50を塗布厚み35μmとなるように塗布し、80℃のドライオーブンにて15分間乾燥させ、連続パンチング機にて、搬送用のスプロケット孔、およびデバイスホールの打ち抜きを行った。
次いで、ジャパンエナジー製圧延銅箔、BHY−22−T(18μm)の接着処理面と前記フィルムの接着剤塗布面とを合わせ、シリコンゴムローラ式のラミネータにてロール温度120℃、送り速度60cm/分にてラミネートし、巻き取り後、真空乾燥器内にて150℃5時間処理して接着剤を硬化させた。
次に、デバイスホールの裏側に相当する箇所に、エッチングレジストインキをスクリーン印刷し、紫外線にて硬化させた。さらに圧延銅箔の表面にフォトレジストを塗布、し、所定のパターンを露光して現像を行なった後、パターニングしたレジストをマスクとし、塩化第二鉄水溶液を用いてエッチング処理を施した。 最後にインナーリード部分とアウターリード部分に厚さ1.5μmの錫めっきを施し、50枚のTAB用キャリアテープを完成した。得られたテープの最も線幅の細い部分は線幅/線間=60/60μmである。
得られたキャリアテープに半導体チップ5を搭載し、ギャングボンディングを用いてボンディング処理を施した後、ポッティング法による樹脂封止6を行なって半導体回路素子パッケージを製作した。得られた半導体回路素子パッケージのインナーボンディング側の接点数は256である。
当該パッケージをエタック製温度サイクル試験装置に装填して加熱冷却試験を実施した。試験は、−50℃の低温と150℃の高温との間を30分ごとに繰り返して加熱冷却させることによって行なった。試験時間は3000時間とした。試験後に導通検査を行い、接続点の不良率を求めた。ポリイミドフィルムの物性値、接着剤の引張弾性率および接続点の不良率を表1に示す。
(実施例2)
(ポリアミド酸の重合およびポリイミドフィルムの製造)
テトラカルボン酸二無水物として3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物653重量部を用いる以外は,実施例1と同様にしてポリアミド酸溶液を得た。このもののηsp/Cは1.5であり,実施例1と同様にして、厚み25μmの褐色のポリイミドフィルムを得た。
(キャリアテープおよび半導体パッケージの製造)
上記方法により得られたポリイミドフィルムを用いた他は実施例1と同様に操作して半導体回路素子パッケージを得た。以下同様に評価した。評価結果を表1に示す。
(比較例1)
基材フィルムとして東レ・デュポン社製ポリイミドフィルム、カプトン(R)H(25μm)を使用する以外は実施例1と同様に操作し、半導体回路素子パッケージを得た。以下同様に評価した。評価結果を表2に示す。
(比較例2)
基材フィルムとして宇部興産社製ポリイミドフィルム、ユーピレックス(R)S(25μm)を使用する以外は実施例1と同様に操作し、半導体回路素子パッケージを得た。以下同様に評価した。評価結果を表2に示す
(実施例3)
接着剤として宇部興産社製UPA−8517Cを用いる以外は実施例1と同様に操作し、半導体回路素子パッケージを製作し、評価した。評価結果を表1に示す。なお、接着剤の塗布後の乾燥条件は、90℃×5分間、ラミネート後の熱処理は真空乾燥器中で180℃×90分間である。
(実施例4)
接着剤として宇部興産社製UPA−8517Cを用いる以外は実施例2と同様に操作し、半導体回路素子パッケージを製作し、評価した。評価結果を表1に示す。
(比較例3)
接着剤として宇部興産社製UPA−8517Cを用いる以外は比較例1と同様に操作し、半導体回路素子パッケージを製作し、評価した。評価結果を表2に示す。
(比較例4)
接着剤として宇部興産社製UPA−8517Cを用いる以外は比較例2と同様に操作し、半導体回路素子パッケージを製作し、評価した。評価結果を表2に示す。
Figure 0003761030
Figure 0003761030
実施例1〜4で得られたTAB用キャリアテープを用いた半導体回路素子パッケージの不良率は低く高品質であったのに対して比較例1〜4で得られたTAB用キャリアテープを用いた半導体回路素子パッケージの不良率は高く品質が劣っていた。
以上、述べてきたように本発明のTAB用キャリアテープは、基材として熱線膨張係数の低いポリイミドフィルムを用いているので、温湿度による膨張係数の差に起因する位置ずれや、端子間の接続信頼性低下や導電材料や半導体チップの応力歪みにより引き起こされるクラック発生等の半導体回路素子パッケージの使用環境の温湿度変化による接続点の欠点発生等が抑制されるので、半導体回路素子パッケージの高い接続信頼性を実現し、電子機器の信頼性向上に大変に有用なる物であり、産業界に寄与することが大である。
本発明におけるTAB用キャリアテープの製造工程を説明した図である。
符号の説明
1.基材フィルム
2.接着剤
3.銅箔
4.裏面保護材
5.ICチップ
6.封止材

Claims (2)

  1. 一層、または二層以上の導電層を有するTAB用キャリアテープにおいて、ベンゾオキサゾール構造を有する芳香族ジアミン類と、芳香族テトラカルボン酸無水物類とを反応させて得られる還元粘度1.5以上のポリアミド酸を加熱乾燥して得た引張破断強度340MPa以上、伸度24%以上、線膨張係数5ppm/℃以下のポリイミドからなるフィルムを基材として用い、かつ導電層と基材を接着する接着剤として引張弾性率が、基材の引張弾性率に対して下式の範囲である接着剤を用いることを特徴とするTAB用キャリアテープ。
    0.01 ≦ 接着剤の引張弾性率/基材の引張弾性率 ≦ 0.7
  2. ベンゾオキサゾール構造を有する芳香族ジアミン類が、5−アミノ−2−(p−アミノフェニル)ベンズオキサゾールであることを特徴とする請求項1記載のTAB用キャリアテープ。
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