JP2007001174A - 多層ポリイミドフィルム - Google Patents

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郷司 前田
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Abstract

【課題】引張破断強度と引張弾性率が高く、線膨張係数が低い特定範囲であるポリイミドフィルムであって、表面特性の改良された多層ポリイミドフィルムを提供する。
【解決手段】(a)層:ポリアミド酸(1)と、1分子中に1つの水酸基を持つエポキシ化合物(A)とアルコキシシラン部分縮合物(B)との脱アルコール反応によって得られるエポキシ基含有アルコキシシラン部分縮合物(2)とを反応させてなるアルコキシ基含有シラン変性ポリアミド酸、および極性溶剤を含有することを特徴とするシラン変性ポリアミド酸樹脂組成物を乾燥、硬化して得られるシラン変性ポリイミドの層と(b)層:少なくとも芳香族テトラカルボン酸類の残基としてピロメリット酸残基、芳香族ジアミン類の残基としてベンゾオキサゾール骨格を有するジアミン残基を有するポリイミドとが少なくとも積層されてなる構成の多層ポリイミドフィルム。
【選択図】なし

Description

本発明は、ベンゾオキサゾール環を主鎖に有するポリイミドフィルム(ポリイミドベンゾオキサゾールフィルム)の引張破断強度、引張弾性率における優れた機械的特性と好適な線膨張係数を持ち、かつ接着性などの表面特性が改良されたフィルムを提供することを課題とする。
ポリイミドフィルムは、−269〜300℃までの広い温度範囲での物性変化が極めて少ないために、電気および電子分野での応用、用途が拡大している。電気分野では、例えば車両用モーターや産業用モーター等のコイル絶縁、航空機電線および超導電線の絶縁等に使用されている。一方、電子分野では、例えばフレキシブルプリント基板や、半導体実装用フィルムキャリヤーのベースフィルム等に利用されている。このようにポリイミドフィルムは、種々の機能性ポリマーフィルムの中でも極めて信頼性の高いものとして、電気および電子分野で広く利用されている。しかしながら、最近では電気および電子分野等のファイン化にともなって大きな問題が顕在化してきている。例えば、銅を蒸着又はメッキ等によって銅張したポリイミドフィルム基材からなるプリント基板は、経時変化、環境変化によって銅層の密着力が低下し、更には剥離が発生する傾向にあった。
また、情報通信機器(放送機器、移動体無線、携帯通信機器等)、レーダーや高速情報処理装置などといった電子部品の基材の材料として、従来、セラミックが用いられていた。セラミックからなる基材は耐熱性を有し、近年の情報通信機器の信号帯域の高周波数化(GHz帯に達する)にも対応し得る。しかし、セラミックはフレキシブルでなく、薄くできないので使用できる分野が限定される。
そのため、有機材料からなるフィルムを電子部品の基材として用いる検討がなされ、ポリイミドからなるフィルム、ポリテトラフルオロエチレンからなるフィルムが提案されている。ポリイミドからなるフィルムは耐熱性に優れ、また、強靭であるのでフィルムを薄くできるという長所を備えているが、高周波の信号への適用において、信号強度の低下や信号伝達の遅れなどといった問題が懸念され、引張破断強度、引張弾性率でまだ不十分であり、線膨張係数においても大きすぎるなどの課題を有している。ポリテトラフルオロエチレンからなるフィルムは、高周波にも対応し得るが、引張弾性率が低いのでフィルムを薄くできない点、表面への金属導体や抵抗体などとの接着性が悪いという点、線膨張係数が大きく温度変化による寸法変化が著しくて微細な配線をもつ回路の製造に適さない点等が問題となり、使用できる分野が限定される。このように、耐熱性、高機械的物性、フレキシブル性を具備した基材用として十分な物性のフィルムは未だ得られていない。
弾性率を高くしたポリイミドフィルムとして、ベンゾオキサゾール環を主鎖に有するポリイミドからなるポリイミドベンゾオキサゾールフィルムが提案されている(特許文献1参照)。このポリイミドベンゾオキサゾールフィルムを誘電層とするプリント配線板も提案されている(特許文献2、特許文献3参照)。
これらのベンゾオキサゾール環を主鎖に有するポリイミドからなるポリイミドベンゾオキサゾールフィルムは、引張破断強度、引張弾性率で改良され、線膨張係数において満足し得る範囲のものとなっているが、その優れた機械的物性の反面でその表面特性が接着性において不十分であるなどの課題を有していた。
優れた物性のポリイミドの接着性を改良するために種々の提案がなされている、例えば接着性を有しないポリイミドフィルムの少なくとも片面に熱可塑性樹脂層を形成するもの(特許文献4参照)、ポリイミドフィルムとポリアミド系樹脂からなるフィルムとが積層される少なくとも2層フイルム(特許文献5参照)などである。
これらのポリイミドフィルム上に熱可塑性樹脂層を設けたものは、接着性の改良においては満足し得ても、これら熱可塑性樹脂の耐熱性の低さは折角のポリイミドフィルムの耐熱性を台無しにする傾向を有していた。
特開平06−56992号公報 特表平11−504369号公報 特表平11−505184号公報 特開平09−169088号公報 特開平07−186350号公報
本発明は、ベンゾオキサゾール環を主鎖に有するポリイミドからなるポリイミドベンゾオキサゾールフィルムの、引張破断強度、引張弾性率における優れた物性、線膨張係数において満足し得る範囲のものを保持し、その優れた機械的物性を損なわないようにその表面特性が可撓性や接着性などにおいて改良されたものとする課題を解決したものである。
本発明は、特定ポリイミドのベンゾオキサゾール構造を有する芳香族ジアミン類と芳香族テトラカルボン酸無水物類とを反応させて得られるポリイミドベンゾオキサゾールを主成分とするフィルム(層)の少なくとも片面にシラン変性ポリイミド層を積層することで前記の課題を解決しその目的を達成したものである。
すなわち本発明は、下記の構成からなる。
1.少なくとも下記(a)層と(b)層とが積層されてなる構成の多層ポリイミドフィルム。
(a)層:ポリアミド酸(1)と、1分子中に1つの水酸基を持つエポキシ化合物(A)とアルコキシシラン部分縮合物(B)との脱アルコール反応によって得られるエポキシ基含有アルコキシシラン部分縮合物(2)とを反応させてなるアルコキシ基含有シラン変性ポリアミド酸、および極性溶剤を含有するシラン変性ポリアミド酸樹脂組成物を乾燥、硬化して得られるシラン変性ポリイミドの層、
(b)層:少なくとも芳香族テトラカルボン酸類の残基としてピロメリット酸残基、および芳香族ジアミン類の残基としてベンゾオキサゾール骨格を有するジアミン残基を有するポリイミドの層。
2.(a)層が、芳香族ジアミン類の残基としてベンゾオキサゾール骨格を有するジアミン残基を有するポリアミド酸(1)と、1分子中に1つの水酸基を持つエポキシ化合物(A)とアルコキシシラン部分縮合物(B)との脱アルコール反応によって得られるエポキシ基含有アルコキシシラン部分縮合物(2)とを反応させてなるアルコキシ基含有シラン変性ポリアミド酸、および極性溶剤を含有することを特徴とするシラン変性ポリアミド酸樹脂組成物を乾燥、硬化して得られるシラン変性ポリイミドの層である1.記載の多層ポリイミドフィルム。
3.層ポリイミドフィルムの構成が(a)/(b)/(a)の三層構造である1.又は2.いずれかに記載の多層ポリイミドフィルム。
4.(a)層と(b)層の厚さの比(a)/(b)が0.001〜0.5であり、(b)層の厚さのが3〜50μmである1.〜3.記載の多層ポリイミドフィルム。
5.面方向での線膨張係数が1〜10ppm/℃である1.〜4.いずれかに記載の多層ポリイミドフィルム。
6.引張破断強度が300MPa以上、引張弾性率が5GPa以上である1.〜5.いずれかに記載の多層ポリイミドフィルム。
本発明の(a)層:ポリアミド酸(1)と、1分子中に1つの水酸基を持つエポキシ化合物(A)とアルコキシシラン部分縮合物(B)との脱アルコール反応によって得られるエポキシ基含有アルコキシシラン部分縮合物(2)とを反応させてなるアルコキシ基含有シラン変性ポリアミド酸、および極性溶剤を含有するシラン変性ポリアミド酸樹脂組成物を乾燥、硬化して得られるシラン変性ポリイミドの層と(b)層:少なくとも芳香族テトラカルボン酸類の残基としてピロメリット酸残基、芳香族ジアミン類の残基としてベンゾオキサゾール骨格を有するジアミン残基を有するポリイミドの層とを積層したフィルムは、(b)層:少なくとも芳香族テトラカルボン酸類の残基としてピロメリット酸残基、芳香族ジアミン類の残基としてベンゾオキサゾール骨格を有するジアミン残基を有するポリイミドフィルムの有する高い引張弾性率と引張破断強度と低い特定範囲の低い線膨張係数とを保持し、かつその金属などと接する表面が(a)ポリアミド酸(1)と、1分子中に1つの水酸基を持つエポキシ化合物(A)とアルコキシシラン部分縮合物(B)との脱アルコール反応によって得られるエポキシ基含有アルコキシシラン部分縮合物(2)とを反応させてなるアルコキシ基含有シラン変性ポリアミド酸、および極性溶剤を含有することを特徴とするシラン変性ポリアミド酸樹脂組成物を乾燥、硬化して得られるシラン変性ポリイミドの層の保有する接着性等が優れた物性となり両者の優れた点を具備するフィルムとなり、金属薄膜積層材の基材フィルム、金属箔との接合積層フィルムの基材フィルムなどに有効であり例えばフレキシブルプリント基板などとして極めて有用である。
本発明の多層ポリイミドフィルムは、(a)層と(b)層とが少なくとも積層されてなる構成の多層ポリイミドフィルムであり、(a)層はポリアミド酸(1)と、1分子中に1つの水酸基を持つエポキシ化合物(A)とアルコキシシラン部分縮合物(B)との脱アルコール反応によって得られるエポキシ基含有アルコキシシラン部分縮合物(2)とを反応させてなるアルコキシ基含有シラン変性ポリアミド酸、および極性溶剤を含有することを特徴とするシラン変性ポリアミド酸樹脂組成物を乾燥、硬化して得られるシラン変性ポリイミドの層であり、(b)層は少なくとも芳香族テトラカルボン酸類の残基としてピロメリット酸残基、および芳香族ジアミン類の残基としてベンゾオキサゾール骨格を有するジアミン残基を有するポリイミドの層である。
本発明における(b)層である、少なくとも芳香族テトラカルボン酸類の残基としてピロメリット酸残基、芳香族ジアミン類の残基としてベンゾオキサゾール骨格を有するジアミン残基を有するポリイミドフィルムは、例えばピロメリット酸(無水物、誘導体も含む)とベンゾオキサゾール骨格を有するジアミンとを溶媒中で反応せしめそのポリイミドの前駆体であるポリアミド酸溶液を得て、該溶液を支持体上に流延し、乾燥してポリイミドの前駆体フィルム(グリーンフィルム)を得て、該前駆体フィルムをさらに熱処理してイミド化しポリイミドフィルムを得る方法で製造することができる。
本発明に用いられるベンゾオキサゾール構造を有する芳香族ジアミン類としては、具体的には以下のものが挙げられる。
Figure 2007001174
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これらの中でも、得られるポリイミドフィルムの物性や、合成のし易さの観点などから、アミノ(アミノフェニル)ベンゾオキサゾールの各異性体がより好ましい。ここで、「各異性体」とは、アミノ(アミノフェニル)ベンゾオキサゾールが有する2つのアミノ基が配位位置に応じて定められる各異性体である(例;上記「化1」〜「化4」に記載の各化合物)。これらのジアミンは、単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
本発明においては、前記ベンゾオキサゾール構造を有する芳香族ジアミンを70モル%以上、好ましくは80モル%以上、さらに好ましくは90モル%以上使用する。
本発明においては、下記の芳香族ジアミンを使用してもよいが、好ましくは全ジアミンの30モル%未満であり、下記に例示されるベンゾオキサゾール構造を有しないジアミン類を一種又は二種以上、併用してのポリイミドフィルムであってもよい。
そのようなジアミン類としては、例えば、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、m−フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−アミノベンジルアミン、p−アミノベンジルアミン、
3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルホキシド、3,4’−ジアミノジフェニルスルホキシド、4,4’−ジアミノジフェニルスルホキシド、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、
1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、1,4−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノシ)フェニル]ブタン、2,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、2−[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−2−[4−(4−アミノフェノキシ)−3−メチルフェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)−3−メチルフェニル]プロパン、2−[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−2−[4−(4−アミノフェノキシ)−3,5−ジメチルフェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)−3,5−ジメチルフェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、
1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホキシド、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,4−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、4,4’−ビス[(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,1−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,3−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、3,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、
2,2−ビス[3−(3−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、1,1−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホキシド、4,4’−ビス[3−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ジフェニルエーテル、4,4’−ビス[3−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ジフェニルエーテル、4,4’−ビス[4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ]ベンゾフェノン、4,4’−ビス[4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ]ジフェニルスルホン、ビス[4−{4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ}フェニル]スルホン、1,4−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノ−6−トリフルオロメチルフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノ−6−フルオロフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノ−6−メチルフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノ−6−シアノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、
3,3’−ジアミノ−4,4’−ジフェノキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノ−5,5’−ジフェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−4,5’−ジフェノキシベンゾフェノン、3,3’−ジアミノ−4−フェノキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノ−5−フェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−4−フェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−5’−フェノキシベンゾフェノン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジビフェノキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノ−5,5’−ジビフェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−4,5’−ジビフェノキシベンゾフェノン、3,3’−ジアミノ−4−ビフェノキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノ−5−ビフェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−4−ビフェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−5’−ビフェノキシベンゾフェノン、1,3−ビス(3−アミノ−4−フェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノ−4−フェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノ−5−フェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノ−5−フェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノ−4−ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノ−4−ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノ−5−ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノ−5−ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、2,6−ビス[4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ]ベンゾニトリルおよび上記芳香族ジアミンにおける芳香環上の水素原子の一部もしくは全てがハロゲン原子、炭素数1〜3のアルキル基又はアルコキシル基、シアノ基、又はアルキル基又はアルコキシル基の水素原子の一部もしくは全部がハロゲン原子で置換された炭素数1〜3のハロゲン化アルキル基又はアルコキシル基で置換された芳香族ジアミン等が挙げられる。
本発明で用いられるテトラカルボン酸無水物は芳香族テトラカルボン酸無水物類の中でピロメリット酸であり好ましくは、下記化14に示す無水物が使用できる。
ピロメリット酸は、全テトラカルボン酸に対して70モル%以上、好ましくは80モル%、さらに好ましくは90モル%以上使用し、ピロメリット酸以外に使用することができる芳香族テトラカルボン酸無水物類としては、具体的に、化15以下のものが挙げられる。
Figure 2007001174
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これらのテトラカルボン酸二無水物は単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
本発明における(a)層である、ポリアミド酸(1)と、1分子中に1つの水酸基を持つエポキシ化合物(A)とアルコキシシラン部分縮合物(B)との脱アルコール反応によって得られるエポキシ基含有アルコキシシラン部分縮合物(2)とを反応させてなるアルコキシ基含有シラン変性ポリアミド酸、および極性溶剤を含有することを特徴とするシラン変性ポリアミド酸樹脂組成物を乾燥、硬化して得られるシラン変性ポリイミドの層(フィルム)において、ポリアミド酸(1)は上記(b)層のポリイミド製造時と同様に、テトラカルボン酸(無水物、誘導体も含む)とジアミン(その誘導体をも含む)とを溶媒中で反応せしめ、ポリイミドの前駆体であるポリアミド酸溶液として得ることができ、そのテトラカルボン酸(無水物、誘導体も含む)とジアミンとは上記(b)層のポリイミド製造時に使用できるものとして例示したものが使用できる。また、本発明の効果を失わない範囲で、トリメリット酸無水物、ブタン−1,2,4−トリカルボン酸、ナフタレン−1,2,4−トリカルボン酸などのトリカルボン酸類、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ビメリン酸、スベリン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸など脂肪族ジカルボン酸類やそれらの酸無水物、イソフタル酸、テレフタル酸、ジフェニルメタン−4,4’−ジカルボン酸など芳香族ジカルボン酸類やそれらの酸無水物を併用することが出来る。但し、テトラカルボン酸類に対するこれらの割合が多すぎると、得られる硬化物の絶縁性や耐熱性が落ちる傾向があるため、通常、その使用量はテトラカルボン酸に対し、30モル%以下であることが好ましい。
例えばテトラカルボン酸類とジアミン類を、極性溶剤中、通常−20℃〜60℃で反応させて得られるポリアミド酸溶液が使用できる。ポリアミド酸(1)の分子量は特に限定されないが、数平均分子量3000〜50000程度のものが好ましい。
ポリアミド酸(1)は、上記テトラカルボン酸類とジアミン類を、(テトラカルボン酸類のモル数/ジアミン類をモル数)=0.9〜1.1の範囲で極性溶剤中で反応させて得られる。当該極性溶剤としては、生成するポリアミド酸(1)を溶解するものであれば、種類および使用量は特に限定されないが、N−メチル−2−ピロリドンやジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、クレゾールなど非プロトン性極性溶剤をポリイミド換算固形残分5〜40質量%で製造するのが好ましい。
本発明で使用されるエポキシ基含有アルコキシシラン部分縮合物(2)は、1分子中に1つの水酸基を持つエポキシ化合物(A)(以下、単にエポキシ化合物(A)という)とアルコキシシラン部分縮合物(B)との脱アルコール反応によって得られるものである。
かかるエポキシ化合物(A)としては、1分子中に水酸基を1つもつエポキシ化合物であれば、エポキシ基の数は特に限定されない。また、エポキシ化合物(A)としては、分子量が小さいもの程、アルコキシシラン部分縮合物(B)に対する相溶性がよく、耐熱性や密着性付与効果が高いことから、炭素数が15以下のものが好適である。これらのエポキシ化合物の中でも、グリシドールが耐熱性付与効果の点で最も優れており、またアルコキシシラン部分縮合物(B)との反応性も高いため、最適である。
アルコキシシラン部分縮合物(B)としては、一般式(1):R1 mSi(OR2(4-m)(式中、mは0又は1の整数示し、R1は炭素数8以下のアルキル基又はアリール基、R2は炭素数4以下の低級アルキル基を示す。)で表される加水分解性アルコキシシランモノマーを、酸又は塩基触媒、および水の存在下で加水分解し、部分的に縮合させて得られるものが用いられる。アルコキシシラン部分縮合物(B)原料である加水分解性アルコキシシランモノマーの具体的としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン等のテトラアルコキシシラン類、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、イソプロピルトリエトキシシラン等のトリアルコキシシラン類などがあげられる。通常、これらのなかでも特に、グリシドールとの反応性が高いことから、アルコキシシラン部分縮合物(B)としてはテトラメトキシシラン又はメチルトリメトキシシランを70モル%以上用いて合成されたものが好ましい。
アルコキシシラン部分縮合物(B)の数平均分子量は230〜2000程度、1分子中のSiの平均個数は2〜11程度であることが好ましい。
エポキシ基含有アルコキシシラン部分縮合物(2)は、エポキシ化合物(A)とアルコキシシラン部分縮合物(B)を脱アルコール反応させることにより得られる。エポキシ化合物(A)とアルコキシシラン部分縮合物(B)との使用割合は、アルコキシ基が実質的に残存するような割合であれば特に制限されないが、得られるエポキシ基含有アルコキシシラン部分縮合物(2)中のエポキシ基の割合が、通常は、エポキシ化合物(A)の水酸基の当量/アルコキシシラン縮合物(B)のアルコキシル基の当量=0.01/1〜0.5/1となる仕込み比率で、アルコキシシラン縮合物(B)とエポキシ化合物(A)を脱アルコール反応させることが好ましい。アルコキシシラン部分縮合物(B)とエポキシ化合物(A)の反応は、たとえば、前記各成分を仕込み、加熱して生成するアルコールを留去しながら、脱アルコール反応を行なう。反応温度は50〜150℃程度、好ましくは70〜110℃であり、全反応時間は1〜15時間程度である。
アルコキシシラン部分縮合物(B)とエポキシ化合物(A)の脱アルコール反応に際しては、反応促進のために従来公知のエステルと水酸基のエステル交換触媒の内、エポキシ環を開環しないものを使用することができる。たとえば、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、アルミニウム、チタン、コバルト、ゲルマニウム、錫、硼素、カドミウム、マンガンのような金属や、これら酸化物、有機酸塩、ハロゲン化物、アルコキシド等があげられる。これらのなかでも、特に有機錫、有機酸錫が好ましく、具体的には、ジブチル錫ジラウレート、オクチル酸錫などが有効である。反応は溶剤中で行うこともできる。溶剤としては、アルコキシシラン縮合物とグリシドールを溶解し、且つエポキシ化合物(A)のエポキシ基に対して不活性なものであれば、特に限定されない。このような有機溶剤としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、キシレンなどの溶媒を用いるのが好ましい。
アルコキシ基含有シラン変性ポリアミド酸は、前記ポリアミド酸(1)と前記エポキシ基含有アルコキシシラン部分縮合物(2)とを反応させて得られる。ポリアミド酸(1)とエポキシ基含有アルコキシシラン部分縮合物(2)の使用割合は、特に制限されないが、(エポキシ基含有アルコキシシラン部分縮合物(2)のエポキシ基の当量)/(ポリアミド酸(1)に使用したテトラカルボン酸類のカルボン酸基の当量)が0.01〜0.4の範囲とするのが好ましい。
上記の反応に際しては、反応促進のために従来公知のエポキシ基とカルボン酸とを反応させる際に使用する触媒を使用することができる。1,8−ジアザ−ビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールなどの三級アミン類;2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、ベンズイミダゾールなどのイミダゾール類;トリブチルホスフィン、メチルジフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィン、ジフェニルホスフィン、フェニルホスフィンなどの有機ホスフィン類;テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボーレート、2−エチル−4−メチルイミダゾール・テトラフェニルボーレート、N−メチルモルホリン・テトラフェニルボーレートなどのテトラフェニルボロン塩などをあげることができる。反応触媒はポリアミド酸のポリイミド換算固形残分10質量部に対し、0.01〜5質量部の割合で使用するのが好ましい。
反応は、溶剤中で行うことが好ましい。溶剤としては、ポリアミド酸(1)およびエポキシ基含有アルコキシシラン部分縮合物(2)を溶解する溶剤であれば特に制限はない。このような溶剤としては、例えば、ポリアミド酸製造時に使用したものが例示できる。
上記に述べたようにして得られたアルコキシ基含有シラン変性ポリアミド酸樹脂組成物は、その分子中にアルコキシシラン部分縮合物(B)に由来するアルコキシ基を有している。当該アルコキシ基の含有量は、特に限定はされないが、このアルコキシ基は溶剤の蒸発や加熱処理により、又は水分(湿気)との反応によりゾル−ゲル反応や脱アルコール縮合して、相互に結合した硬化物を形成するために必要となるため、アルコキシ基含有シラン変性ポリアミド酸は通常、アルコキシシラン部分縮合物(B)のアルコキシ基の50〜95モル%、好ましくは60〜90モル%を未反応のままで保持しておくのが良い。アルコキシ基含有シラン変性ポリアミド酸樹脂組成物を(a)層に使用する場合、アルコキシ基含有シラン変性ポリアミド酸樹脂を含有していれば、その他の成分は特に限定されるものではなく、充填剤、離型剤、表面処理剤、難燃剤、粘度調節剤、可塑剤、抗菌剤、防黴剤、レベリング剤、消泡剤、着色剤、安定剤、カップリング剤等を配合してもよい。
本発明の(a)層である、シラン変性ポリイミドは、前記シラン変性ポリアミド酸樹脂組成物から得られるものである。すなわち、シラン変性ポリアミド酸樹脂組成物から、当該組成物を基材にコーティングの加工を施した後、150〜500℃程度で硬化させることで得られる。
ポリアミド酸溶液(又はシラン変性ポリアミド酸樹脂組成物)を塗布する支持体は、ポリアミド酸溶液をフィルム状に成形するに足る程度の平滑性、剛性を有していればよく、表面が金属、プラスチック、ガラス、磁器などであるドラム又はベルト状回転体などが挙げられる。また、適度な剛性と高い平滑性を有する高分子フィルムを利用する方法も好ましい態様である。中でも、支持体の表面は好ましくは金属であり、より好ましくは錆びなくて耐腐食に優れるステンレスである。支持体の表面にはCr、Ni、Snなどの金属メッキを施してもよい。支持体表面は必要に応じて鏡面にしたり、あるいは梨地状に加工することができる。支持体へのポリアミド酸溶液の塗布は、スリット付き口金からの流延、押出機による押出し、スキージコーティング、リバースコーティング、ダイコーティング、アプリケータコーティング、ワイヤーバーコーティング等を含むが、これらに限られず、従来公知の溶液の塗布手段を適宜用いることができる。
本発明の多層ポリイミドフィルムの多層化(積層)方法は、両層の密着に問題が生じなければ、特に限定されるものではなくて、かつ他の層例えば接着剤層などを介することなく密着するものであればよく、例えば、共押し出しによる方法、(b)層上に(a)層のシラン変性ポリアミド酸樹脂組成物を流延、乾燥、硬化してシラン変性ポリイミドとする方法、(b)層上に(a)層のシラン変性ポリアミド酸樹脂組成物をスプレーコートなどの塗布を行い、乾燥、硬化してシラン変性ポリイミドとする方法などが挙げられる。
多層の構成は、少なくとも(a)層、(b)層が積層されておれば良いが、(b)層上に(a)層が積層されたもの、(a)/(b)/(a)の構成である(b)層の両面に(a)層が積層されたものが好ましい。
本発明の多層ポリイミドフィルムにおける(a)/(b)の厚さのの比は特に限定されないが、本発明の主旨からして(a)/(b)の厚さの比(三層構成の場合においても(a)は単層での計算である)は0.001〜0.5であり、より好ましくは0.3以下である。(a)/(b)の厚さの比が0.5を超えると機械的強度が不足したり線膨張係数が大きくなりすぎる場合がある。一方0.001未満の場合、表面特性の改良効果が不足する場合がある。
本発明の多層ポリイミドフィルムの厚さは特に限定されないが、フレキシブルプリント回路板の基材として用いる場合は、機械的強度を主に担う(b)層の厚さが3〜50μmであると好適である。
また、本発明における(b)層である、少なくとも芳香族テトラカルボン酸類の残基としてピロメリット酸残基、芳香族ジアミン類の残基としてベンゾオキサゾール骨格を有するジアミン残基を有するポリイミドフィルムは、優れた引張破断強度と引張弾性率とを有し、線膨張係数も比較的低い値を有するものであるが、好ましくはこれらの少なくとも芳香族テトラカルボン酸類の残基としてピロメリット酸残基、芳香族ジアミン類の残基としてベンゾオキサゾール骨格を有するジアミン残基を有するポリイミドフィルムが、引張破断強度が300MPa以上、引張弾性率が5GPa以上、面方向での線膨張係数が1〜5ppm/℃であるフィルムである。これらの(b)層である、少なくとも芳香族テトラカルボン酸類の残基としてピロメリット酸残基、芳香族ジアミン類の残基としてベンゾオキサゾール骨格を有するジアミン残基を有するポリイミドフィルムを使用して得られる多層ポリイミドフィルムは、多層ポリイミドフィルムの面方向での線膨張係数が1〜10ppm/℃のものとなる。
本発明における線膨張係数(面方向における線膨張係数)の測定は下記による。
<ポリイミドフィルムの線膨張係数測定>
測定対象のポリイミドフィルムについて、下記条件にてMD方向およびTD方向の伸縮率を測定し、90℃〜100℃、100℃〜110℃、・・・と10℃の間隔での伸縮率/温度を測定し、この測定を400℃まで行い、100℃から350℃までの全測定値の平均値をCTE(平均値)として算出した。MD方向、TD方向の意味は、流れ方向(MD方向;長尺フィルムの長さ方向)および幅方向(TD方向;長尺フィルムの幅方向)を示すものである。
面方向の線膨張係数はMD方向、TD方向の値の平均値である。
装置名 ; MACサイエンス社製TMA4000S
試料長さ ; 10mm
試料幅 ; 2mm
昇温開始温度 ; 25℃
昇温終了温度 ; 400℃
昇温速度 ; 5℃/min
雰囲気 ; アルゴン
引張破断強度、引張弾性率の測定は下記による。
<ポリイミドフィルムの引張破断強度、引張弾性率の測定>
測定対象のポリイミドフィルムを、MD方向およびTD方向にそれぞれ100mm×10mmの短冊状に切り出したものを試験片とした。引張試験機(島津製作所製、オートグラフ(登録商標)機種名AG−5000A)を用い、引張速度50mm/分、チャック間距離40mmの条件で、MD方向、TD方向それぞれについて、引張弾性率、引張破断強度および引張破断伸度を測定した。
本発明の多層ポリイミドフィルムにおける(a)層、(b)層には、滑剤をポリイミド中に添加含有せしめるなどして層(フィルム)表面に微細な凹凸を付与しフィルムの滑り性などを改善することが好ましい。
滑剤としては、無機や有機の0.03μm〜3μm程度の平均粒子径を有する微粒子が使用でき、具体例として、酸化チタン、アルミナ、シリカ、炭酸カルシウム、燐酸カルシウム、燐酸水素カルシウム、ピロ燐酸カルシウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、粘土鉱物などが挙げられる。
本発明においては得られた多層ポリイミドフィルムの表面(特に(a)層の表面)を、コロナ処理、大気圧プラズマ処理、真空プラズマ放電処理することは、更なる接着力を高めるために好ましい実施態様である。
大気圧プラズマ処理は好ましくは不活性ガスプラズマであり、不活性ガスとしては窒素ガス、Ne、Ar、Kr、Xeが用いられる。プラズマを発生させる方法に格別な制限はなく、不活性気体をプラズマ発生装置内に導入し、プラズマを発生させればよい。プラズマ処理に要する時間は特に限定されず、通常1秒〜30分、好ましくは10秒〜10分である。プラズマ処理時のプラズマの周波数と出力、プラズマ発生のためのガス圧、処理温度に関しても格別な制限はなく、プラズマ処理装置で扱える範囲であれば良い。周波数は通常13.56MHz、出力は通常50W〜1000W、ガス圧は通常0.01Pa〜10Pa、温度は、通常20℃〜250℃、好ましくは20℃〜180℃である。出力が高すぎるとフィルム表面に亀裂の入るおそれがある。また、ガス圧が高すぎるとフィルム表面の平滑性が低下するおそれがある。
以下、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。なお、実施例などでの評価、測定は前記したもの以外は下記による。また適宜実施例などの記述において記載する。
1.ポリアミド酸の還元粘度(ηsp/C)
ポリマー濃度が0.2g/dlとなるようにN−メチル−2−ピロリドンに溶解した溶液をウベローデ型の粘度管により30℃で測定した。
2.フィルムの厚さ
マイクロメーター(ファインリューフ社製、ミリトロン(登録商標)1254D)を用いて測定した。
3.剥離強度
測定対象の金属化フィルムを90μm配線幅のTABテープパターンに加工した後、90度方向に引き剥がしたときに要する強度を以って剥離強度とした。測定は、JIS C6418に準じて引張試験機(株式会社島津製作所製、オートグラフ(登録商標)機種名AG−5000A)を用いて行った。
〔ポリアミド酸の重合〕
<ベンゾオキサゾール構造を有するジアミンからなるポリアミド酸の重合>
窒素導入管,温度計,攪拌棒を備えた反応容器内を窒素置換した後、5−アミノ−2−(p−アミノフェニル)ベンゾオキサゾール500質量部を仕込んだ。次いで、N−メチル−2−ピロリドン5000質量部を加えて完全に溶解させた後,ピロメリット酸二無水物485質量部を加え,25℃の反応温度で48時間攪拌すると、淡黄色で粘調なポリアミド酸溶液(1)が得られた。得られた溶液のηsp/Cは4.2dl/gであった。
〔シラン変性ポリアミド酸の重合〕
攪拌機、分水器、温度計および窒素ガス導入管を備えた反応装置に、グリシドール(日本油脂(株)製、商品名「エピオールOH」)1400質量部およびテトラメトキシシラン部分縮合物(多摩化学(株)製、商品名「メチルシリケート51」、Siの平均個数が4)4478.9質量部を仕込み、窒素気流下、ジブチル錫ジラウレートを1.1質量部加え反応させた。反応中、分水器を使って生成したメタノールを留去し、その量が約580質量部に達した時点で冷却した。昇温後冷却までに要した時間は6時間であった。ついで、13KPaで約10分間、系内に残存するメタノール約30質量部を減圧除去した。このようにして、エポキシ基含有アルコキシシラン部分縮合物を得た。
なお、仕込み時のエポキシ化合物の水酸基の当量/アルコキシシラン部分縮合物のアルコキシ基(当量比)=0.20、エポキシ当量は279g/eqである。
窒素導入管,温度計,攪拌棒を備えた反応容器内を窒素置換した後、5−アミノ−2−(p−アミノフェニル)ベンゾオキサゾール500質量部を仕込んだ。次いで、N−メチル−2−ピロリドン5000質量部を加えて完全に溶解させた後,ピロメリット酸二無水物85質量部を加え,25℃の反応温度で48時間攪拌すると、淡黄色で粘調なポリアミド酸溶液が得られた。得られた溶液のηsp/Cは4.2dl/gであった。
次に、80℃まで昇温し、上記エポキシ基含有アルコキシシラン部分縮合物324質量部を加え、80℃で9時間攪拌し、シラン変性ポリアミド酸(2)を得た。(エポキシ基含有アルコキシシラン部分縮合物のエポキシ基の当量/ポリアミド酸に使用したテトラカルボン酸二無水物(A)のモル数)=0.52であった。
〔実施例1〕
上記のポリアミド酸溶液(1)とシラン変性ポリアミド酸(コンポセランH800:荒川化学工業(株)製)をステンレスベルトに3層共押し出しT型ダイを用いてコーティングした。ダイのリップギャップはスキン層150μm、コア層500μmであった。次いで、90℃にて60分間乾燥することにより得られた自己支持性をもつポリアミド酸フィルムをステンレスベルトから剥離して、厚さ40μmの前駆体フィルム(グリーンフィルム)を得た。
得られたグリーンフィルムを、連続式の乾燥炉にて、170℃で3分間、次いで、約20秒間で450℃にまで昇温して450℃にて7分間加熱して、その後、5分間で室温にまで冷却して、厚さ25μmの褐色のポリイミドベンゾオキサゾールフィルムを得た。このポリイミドベンゾオキサゾールフィルムを500mm幅にスリットして多層ポリイミドフィルムを得た。この多層ポリイミドフィルムにおける(a)/(b)/(a)の各層の厚さの比は、0.3/1/0.3である。得られた多層フィルムをエポキシ樹脂の包埋し、フィルム断面が観察できるようにミクロトームで切断し走査型電子顕微鏡にて断面を観察した。断面の電子顕微鏡画像においては組成の異なる層の境目が縞状に観察でき、その厚さの比率は塗布厚から求めた厚さの比率と一致していた。
上記フィルムを連続式スパッタ装置に装着し、周波数13.56MHz、出力400W、ガス圧0.8Paの条件、ニッケル−クロム(クロム含有量10%)合金のターゲットを用い、キセノン雰囲気下にてRFスパッタ法により、10Å/秒のレートで厚さ50Åのニッケル−クロム合金被膜を形成した。次いで、100Å/秒のレートで銅を蒸着し、厚さ0.3μmの銅薄膜を形成させた。その後、このフィルムを250mm×400mmに切り出し、プラスチック製の枠に固定し直し、硫酸銅めっき浴を用いて、厚さ5μmの厚付け銅メッキ層を上記銅薄膜上に形成して、金属化ポリイミドベンゾオキサゾールフィルムを得た。
測定対象の金属化フィルムを90μm配線幅のTABテープパターンに加工した後、90度方向に引き剥がしたときに要する強度を以って剥離強度とした。測定は、JIS C6418に準じて引張試験機(島津製作所製、オートグラフ(登録商標)機種名AG−5000A)を用いて行った。
〔実施例2〕
上記のポリアミド酸溶液(1)をステンレスベルトにT型ダイを用いてコーティングした。ダイのリップギャップは500μmであった。次いで、90℃にて60分間乾燥することにより得られた自己支持性をもつポリアミド酸フィルムをステンレスベルトから剥離して、厚さ30μmの前駆体フィルム(グリーンフィルム)を得た。
上記グリーンフィルム上にシラン変性ポリアミド酸(コンポセランH800:荒川化学工業(株)製)をT型ダイを用いて再度コーティングした。ダイのリップギャップは150μmであった。次いで、90℃にて60分間乾燥することにより得られた自己支持性をもつ厚さ40μmの多層ポリアミド酸前駆体フィルムを得た。この多層ポリイミドフィルムにおける(a)/(b)各層の厚さの比は、0.3/1である。
以下実施例1と同様の方法で金属化多層ポリイミドフィルムを得た。
〔実施例3〕
上記のポリアミド酸溶液(1)をステンレスベルトにT型ダイを用いてコーティングした。ダイのリップギャップは500μmであった。次いで、90℃にて60分間乾燥することにより得られた自己支持性をもつポリアミド酸フィルムをステンレスベルトから剥離して、厚さ30μmの前駆体フィルム(グリーンフィルム)を得た。
得られたグリーンフィルムを、連続式の乾燥炉にて、170℃で3分間、次いで、約20秒間で450℃にまで昇温して450℃にて7分間加熱して、その後、5分間で室温にまで冷却して、厚さ20μmの褐色のポリイミドベンゾオキサゾールフィルムを500mm幅にスリットしてポリイミドベンゾオキサゾールフィルムを得た。
得られたポリイミドベンゾオキサゾールフィルム上にシラン変性ポリアミド酸(コンポセランH800:荒川化学工業(株)製)をT型ダイを用いて再度コーティングした。ダイのリップギャップは150μmであった。次いで、90℃にて60分間乾燥することにより得られた自己支持性をもつ厚さ40μmの多層ポリアミド酸前駆体フィルムを得た。
得られた多層ポリアミド酸前駆体フィルムを、連続式の乾燥炉にて、170℃で3分間、次いで、約20秒間で450℃にまで昇温して450℃にて7分間加熱して、その後、5分間で室温にまで冷却して、厚さ25μmの褐色のフィルムを500mm幅にスリットして多層ポリイミドフィルムを得た。この多層ポリイミドフィルムにおける(a)/(b)各層のの厚さの比は、0.3/1である。
以下実施例1と同様の方法で金属化多層ポリイミドフィルムを得た。
〔実施例4〕
実施例1と同様の方法で多層ポリイミドフィルムを得た。この多層ポリイミドフィルムにおける(a)/(b)/(a)の各層の厚さの比は、0.3/1/0.3である。上記多層ポリイミドフィルムに対して、エポキシ系接着剤(UR2700:東洋紡績製)を塗工して、5分間80℃にすることで接着剤の溶媒を蒸発させた。その後、厚さ35μmの銅箔(BHY−22B−T、日鉱マテリアルズ製)をラミネーターで積層した。その後、150℃にて2時間処理することで接着剤を硬化させた。その後、このフィルムを250mm×400mmに切り出すことで、金属化多層ポリイミドフィルムを得た。
〔実施例5〕
実施例2と同様の方法で多層ポリイミドフィルムを得た後、実施例4と同様の方法で金属化多層ポリイミドフィルムを得た。この多層ポリイミドフィルムにおける(a)/(b)の厚さの比は、0.3/1である。
〔実施例6〕
実施例3と同様の方法で多層ポリイミドフィルムを得た後、実施例4と同様の方法で金属化多層ポリイミドフィルムを得た。この多層ポリイミドフィルムにおける(a)/(b)の厚さの比は、0.3/1である。
〔実施例7〕
上記のポリアミド酸溶液(1)をステンレスベルトにT型ダイを用いてコーティングした。ダイのリップギャップは520μmであった。次いで、90℃にて60分間乾燥することにより得られた自己支持性をもつポリアミド酸フィルムをステンレスベルトから剥離して、厚さ32μmの前駆体フィルム(グリーンフィルム)を得た。
得られたグリーンフィルムを、連続式の乾燥炉にて、170℃で3分間、次いで、約20秒間で450℃にまで昇温して450℃にて7分間加熱して、その後、5分間で室温にまで冷却して、厚さ20μmの褐色のポリイミドベンゾオキサゾールフィルムを500mm幅にスリットしてポリイミドベンゾオキサゾールフィルムを得た。
シラン変性ポリアミド酸(コンポセランH800:荒川化学工業(株)製)をDMAcで10倍に希釈した溶液を作製し、得られたポリイミドベンゾオキサゾールフィルム上にバーコーターを用いてコーティングした。次いで、90℃にて10分間乾燥することにより得られた自己支持性をもつ厚さ34μmの多層ポリアミド酸前駆体フィルムを得た。
得られた多層ポリアミド酸前駆体フィルムを、連続式の乾燥炉にて、170℃で3分間、次いで、約20秒間で450℃にまで昇温して450℃にて7分間加熱して、その後、5分間で室温にまで冷却して、厚さ21μmの褐色のフィルムを500mm幅にスリットして多層ポリイミドフィルムを得た。この多層ポリイミドフィルムにおける(a)/(b)の厚さの比は、0.05/1である。
以下実施例1と同様の方法で金属化多層ポリイミドフィルムを得た。
〔実施例8〕
上記のポリアミド酸溶液(1)をステンレスベルトにT型ダイを用いてコーティングした。ダイのリップギャップは180μmであった。次いで、90℃にて60分間乾燥することにより得られた自己支持性をもつポリアミド酸フィルムをステンレスベルトから剥離して、厚さ10μmの前駆体フィルム(グリーンフィルム)を得た。
得られたグリーンフィルムを、連続式の乾燥炉にて、170℃で3分間、次いで、約20秒間で450℃にまで昇温して450℃にて7分間加熱して、その後、5分間で室温にまで冷却して、厚さ6μmの褐色のポリイミドベンゾオキサゾールフィルムを500mm幅にスリットしてポリイミドベンゾオキサゾールフィルムを得た。
得られたポリイミドベンゾオキサゾールフィルム上にシラン変性ポリアミド酸(コンポセランH800:荒川化学工業(株)製)をコンマコーターを用いてコーティングした。コーターのギャップは、40μmであった。次いで、90℃にて15分間乾燥することにより得られた自己支持性をもつ厚さ13μmの多層ポリアミド酸前駆体フィルムを得た。
得られた多層ポリアミド酸前駆体フィルムを、連続式の乾燥炉にて、170℃で3分間、次いで、約20秒間で450℃にまで昇温して450℃にて7分間加熱して、その後、5分間で室温にまで冷却して、厚さ8μmの褐色のフィルムを500mm幅にスリットして多層ポリイミドフィルムを得た。この多層ポリイミドフィルムにおける(a)/(b)の厚さの比は、0.3/1である。
以下実施例1と同様の方法で金属化多層ポリイミドフィルムを得た。
〔実施例9〕
上記のポリアミド酸溶液(1)をステンレスベルトにT型ダイを用いてコーティングした。ダイのリップギャップは500μmであった。次いで、90℃にて60分間乾燥することにより得られた自己支持性をもつポリアミド酸フィルムをステンレスベルトから剥離して、厚さ30μmの前駆体フィルム(グリーンフィルム)を得た。
上記グリーンフィルム上にシラン変性ポリアミド酸(2)をT型ダイを用いて再度コーティングした。ダイのリップギャップは150μmであった。次いで、90℃にて60分間乾燥することにより得られた自己支持性をもつ厚さ40μmの多層ポリアミド酸前駆体フィルムを得た。この多層ポリイミドフィルムにおける(a)/(b)各層の厚さの比は、0.3/1である。
以下実施例1と同様の方法で金属化多層ポリイミドフィルムを得た。
〔比較例1〕
上記のポリアミド酸溶液(1)をステンレスベルトにT型ダイを用いてコーティングした。ダイのリップギャップは650μmであった。次いで、90℃にて60分間乾燥することにより得られた自己支持性をもつポリアミド酸フィルムをステンレスベルトから剥離して、厚さ40μmの前駆体フィルム(グリーンフィルム)を得た。
得られたグリーンフィルムを、連続式の乾燥炉にて、170℃で3分間、次いで、約20秒間で450℃にまで昇温して450℃にて7分間加熱して、その後、5分間で室温にまで冷却して、厚さ25μmの褐色のポリイミドフィルムを500mm幅にスリットした。
その後実施例1と同様の方法で金属化フィルムを得た。
〔比較例2〕
シラン変性ポリアミド酸(コンポセランH800:荒川化学工業(株)製)をステンレスベルトにT型ダイを用いてコーティングした。ダイのリップギャップは650μmであった。次いで、90℃にて60分間乾燥することにより得られた自己支持性をもつポリアミド酸フィルムをステンレスベルトから剥離して、厚さ40μmの前駆体フィルム(グリーンフィルム)を得た。
得られたグリーンフィルムを、連続式の乾燥炉にて、170℃で3分間、次いで、約20秒間で450℃にまで昇温して450℃にて7分間加熱して、その後、5分間で室温にまで冷却して、厚さ25μmの褐色のポリイミドフィルムを500mm幅にスリットした。
その後実施例1と同様の方法で金属化フィルムを得た。
Figure 2007001174
以上述べてきたように、本発明の(a)層:ポリアミド酸(1)と、1分子中に1つの水酸基を持つエポキシ化合物(A)とアルコキシシラン部分縮合物(B)との脱アルコール反応によって得られるエポキシ基含有アルコキシシラン部分縮合物(2)とを反応させてなるアルコキシ基含有シラン変性ポリアミド酸、および極性溶剤を含有することを特徴とするシラン変性ポリアミド酸樹脂組成物を乾燥、硬化して得られるシラン変性ポリイミドの層と(b)層:少なくとも芳香族テトラカルボン酸類の残基としてピロメリット酸残基、芳香族ジアミン類の残基としてベンゾオキサゾール骨格を有するジアミン残基を有するポリイミドの層とが積層された多層ポリイミドフィルムは、引張破断強度と引張弾性率が高く、線膨張係数が特定範囲にあり、耐熱性に優れたポリイミドフィルムを基材フィルム(b)層として使用して、その表面を(a)層で積層することで基材フィルム(b)層の前記特性を保持し、表面物性をシラン変性ポリイミド(a)層の持つ接着性等の優れた物性としたことで、耐熱特性に優れ、引張破断強度と引張弾性率が高く、線膨張係数が低い特定範囲であるポリイミドフィルムとなり、このフィルムを基材フィルムとして用いた場合に、高温での金属薄膜や金属箔との接合に優れ、かつ高温時における変形・反り・歪みなどのないフレキシブルな金属積層板たとえばフレキシブルプリント回路板として極めて有用である。

Claims (6)

  1. 少なくとも下記(a)層と(b)層とが積層されてなる構成の多層ポリイミドフィルム。
    (a)層:ポリアミド酸(1)と、1分子中に1つの水酸基を持つエポキシ化合物(A)とアルコキシシラン部分縮合物(B)との脱アルコール反応によって得られるエポキシ基含有アルコキシシラン部分縮合物(2)とを反応させてなるアルコキシ基含有シラン変性ポリアミド酸、および極性溶剤を含有するシラン変性ポリアミド酸樹脂組成物を乾燥、硬化して得られるシラン変性ポリイミドの層、
    (b)層:少なくとも芳香族テトラカルボン酸類の残基としてピロメリット酸残基、および芳香族ジアミン類の残基としてベンゾオキサゾール骨格を有するジアミン残基を有するポリイミドの層。
  2. (a)層が、芳香族ジアミン類の残基としてベンゾオキサゾール骨格を有するジアミン残基を有するポリアミド酸(1)と、1分子中に1つの水酸基を持つエポキシ化合物(A)とアルコキシシラン部分縮合物(B)との脱アルコール反応によって得られるエポキシ基含有アルコキシシラン部分縮合物(2)とを反応させてなるアルコキシ基含有シラン変性ポリアミド酸、および極性溶剤を含有することを特徴とするシラン変性ポリアミド酸樹脂組成物を乾燥、硬化して得られるシラン変性ポリイミドの層である請求項1に記載の多層ポリイミドフィルム
  3. 多層ポリイミドフィルムの構成が、三層構造(a)/(b)/(a)である請求項1又は2記載の多層ポリイミドフィルム。
  4. (a)層と(b)層の厚さの比(a)/(b)がが0.001〜0.5であり、(b)層の厚さのが3〜50μmである請求項1〜3いずれかに記載の多層ポリイミドフィルム。
  5. 面方向での線膨張係数が1〜10ppm/℃である請求項1〜4いずれかに記載の多層ポリイミドフィルム。
  6. 引張破断強度が300MPa以上、引張弾性率が5GPa以上である請求項1〜5いずれかに記載の多層ポリイミドフィルム。
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