JP4348612B2 - 金属化耐熱フィルム及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は電子機器、部品の小型化、軽量化をになうフレキシブルプリント配線基板に用いられる金属化耐熱フィルムに関する。さらに詳しくは、半導体パッケージングにおけるTAB、COF、PGA等で利用されるフレキシブルプリント配線基板用の金属化耐熱フィルムに関する。なおさらに詳しくは、金属箔、好ましくは銅箔に特定組成のポリイミドフィルムを直接塗布製膜して得られる金属化耐熱フィルム及びその製造方法に関する。
従来、ポリイミドフィルムに銅箔、アルミニウム箔等の金属箔を接着剤で貼り合わせた、いわゆる3層タイプフレキシブルプリント配線基板に用いられる金属化耐熱フィルムが知られている。このものは使用する接着剤に起因すると考えられる次のような問題点がある。まずフィルムより熱的劣性能による寸法精度低下、不純物イオン汚染による電気特性が低下する欠点があり、高密度配線には限界がある。また接着層の厚み分や、両面用のスルホール穴あけ等の加工性が低下する欠点もある。よって、小型、軽量化対応に極めて不都合な点が多いといえる。
一方、ポリイミドフィルム上に接着剤を用いず、真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング、銅めっき等の方法で金属層を形成させた、いわゆる薄膜タイプの接着剤レスの2層フレキシブルプリント配線基板用の金属化耐熱フィルムが提案されている(特許文献1〜6参照)。
特開平4−329690号公報 特開平6−29634号公報 特開平4−290742号公報 特開昭62−293689号公報 特開平8−330728号公報 特開2002−252257号公報
かかる方法においては、接着剤を介することなく耐熱フィルムに金属箔を形成できるが、真空装置を使用する必要があり、大きな設備投資が必要であり、ひいては金属化耐熱フィルムの価格も大変に高価な物となっていた。また、特性上も、金属箔と基材フィルムの接着性が低く、あるいは、主金属(銅)を接着させるための下地金属に環境上好ましくないクロムや、あるいはエッチングで足残りの原因となり易い耐食性金属、耐食性合金などを使用しなければならない、等の問題点を抱えている物である。
かかる問題点を解決するために、金属箔に耐熱フィルムを直接塗布乾燥することにより金属化耐熱フィルムを得る方法が提案されている(例えば、特許文献7参照)。特許文献7においては、ピロメリット酸等のテトラカルボン酸と、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルなどの芳香族ジアミンとの重合により得られたポリアミド酸溶液を銅箔に直接塗布し乾燥後、加熱して脱水閉環反応を行いポリイミド化することにより接着剤無しにて銅箔とポリイミドフィルムの積層体を作製する方法が例示されている。
米国特許第3179634
この上記方法では、脱水閉環反応により塗布膜が収縮するため、積層板のカール、シワ、チヂレ等が生じ実用に耐える物は出来ないことを理由として、脱水閉環反応を、反りとは逆の方向、すなわち金属箔面側を内側に向けて円柱状に巻いた状態で行う改善方法が開示されている(特許文献8参照)。
特開昭63−161023号公報
上記方法では、金属箔裏面とポリアミド酸塗膜裏面とが接触しているために、両者の癒着が生じる。かかる問題を解消するためにポリアミド酸を塗布・乾燥した銅箔と表面粗さ0.5μm以上のシート状物、具体的には不織布やステンレス鋼製の金網とを伴巻にすることが提案されている(特許文献9参照)。
伴巻スペーサを用いる方法ではスペーサの表面形状がポリイミドフィルムに転写されてしまい、製品の品位が低下する問題が生じると、指摘されている(特許文献10参照)。かかる問題点を解決するために当該特許提案では、フレキシブル銅張り積層基板をエッチングすることにより、特殊な形状のスペーサを提案している。かかるスペーサは目的とする金属化ポリイミドフィルムそのもから作製されているわけである。イミド化処理は、銅箔およびポリイミド自体の劣化が始まる高温で行われるため処理時間は必要最低限度に抑えられている。スペーサは、かかる過酷な条件に繰り返し曝される訳であり、その寿命は極めて短いものである。
特開平4−84488号公報 特開平8−224797号公報
一方、厚さ20μm以上の厚みを有するテープを供巻きすることにより、銅箔とポリイミドフィルムの積層体が得られることが例示されている(特許文献11参照)。実際に例示されている素材は紙テープである。かかる提案は、比較的低い温度域にて熱処理がなされる素材に対しては有効である。紙の素材であるセルロースは、比較的耐熱性の高い素材ではあるが、一部のポリイミドに必要な350℃超、望ましくは400℃超という高温においては分解し、黒鉛化した状態でポリイミド層に固着し、製品の品位が下がるという問題を残している。
特開平5−50547号公報
また、上記の積層板のカール、皺、縮れ等の改善方法として、硬化収縮率が4.0%以下で、硬化物の線膨張係数が3.0×10-5(30ppm)/℃以下であり、ラダー化率が50〜60%以下となるポリアミック酸を金属箔に直接塗布し、加熱して硬化させる方法が開示されている(特許文献12参照)。該特許文献12の実施例においては、ポリアミック酸と金属箔との積層体の硬化反応は、枚様サンプルについて実施されており、ロール状での連続硬化法に関しては言及されていない。また、線膨張係数は17〜116ppmのポリイミドで実施されている。該方法は実施例で記載されている枚様サンプルでは改善効果があるが、ロール状での連続硬化法で実施した場合は、カール、シワ、チヂレ等の改善効果が不十分であり更なる改善が嘱望されていた。
特開昭62−212140号公報
本発明者らは、かかる状況に鑑み、銅箔と基材との接着性に優れ、反りや捩れ、縮みが無く、かつ絶縁信頼性、耐マイグレーション性に優れ、さらに高信頼のCOF、TAB、FPCなどの基材として、デバイスとの良好な接続信頼性を実現する金属化耐熱フィルムを実現することを目的として研究を続けた結果、特定のポリイミド前駆体を金属箔に塗布し、所定の方法にて処理することにより、前記目的が達成し得ることを知見した。
すなわち本発明は、以下の構成によるものである。
[1]アミノ(アミノフェニル)ベンズオキサゾールと、ピロメリット酸二無水物および/またはビフェニルテトラカルボン酸二無水物とを反応させて得られる線膨張係数が1〜16ppm/℃のポリイミドフィルムと金属箔が接着剤を介さずに積層されている金属化耐熱フィルムであって、(1)〜(4)の工程を経て製造されることを特徴とする金属化耐熱フィルム。
(1)アミノ(アミノフェニル)ベンズオキサゾールと、ピロメリット酸二無水物および/またはビフェニルテトラカルボン酸二無水物とを反応させて得られるポリアミド酸溶液を、金属箔に塗布する工程、
(2)次いで、残溶剤量が45質量%以下になるように乾燥する工程、
(3)次いで、乾燥塗膜と金属箔の裏面との間に20μm以上の空隙を設けて金属箔が外側となるように巻き取る工程、
(4)次いで、巻き取ったロールを350〜540℃の温度で熱処理する工程。
[2]熱処理する温度が420〜540℃である[1]に記載の金属化耐熱フィルム。
[3]アミノ(アミノフェニル)ベンズオキサゾールと、ピロメリット酸二無水物および/またはビフェニルテトラカルボン酸二無水物とを反応させて得られるポリアミド酸溶液を、
(1)金属箔に塗布し、
(2)残溶剤量が45質量%以下になるように乾燥後、
(3)乾燥塗膜と金属箔の裏面との間に20μm以上の空隙を設けて金属箔が外側となるように巻き取り、
(4)巻き取ったロールを350〜540℃の温度で熱処理する、
ことを特徴とする[1]記載の金属化耐熱フィルムの製造方法。
[4]熱処理する温度が420〜540℃である[3]に記載の金属化耐熱フィルムの製造方法。
[5]乾燥塗膜と金属箔の裏面との間に20μm以上の空隙を設けて巻き取りを行うに際し、通気性があり、20μm以上の厚みを有し、かつ300℃以上の耐熱性がある布帛状物を供巻きすることを特徴とする[3]又は[4]いずれかに記載の金属化耐熱フィルムの製造方法。
[6]供巻きされる布帛状物をロールの両端にのみ供巻きすることを特徴とする[3]〜[5]いずれかに記載の金属化耐熱フィルムの製造方法。
[7]熱処理を、不活性ガス中にて行うことを特徴とする[3]〜[6]いずれかに記載の金属化耐熱フィルムの製造方法。
本発明に用いられる特定組成のポリイミドフィルムは、誘電特性、電気絶縁特性、寸法安定性に優れ、また、引張弾性率が高く金属箔表面への投錨効果が効果的に発現する。
従来技術において、塗布フィルムを巻物とした状態で熱処理を行う際には、開示されている技術は、いずれも金属箔が内側となるように巻くことが求められている。これは金属箔に比較して熱膨張係数が高いポリイミドを、外周側に配置するという措置である。本発明における特定のポリイミド樹脂は銅箔よりも小さい熱膨張係数を有するため、この関係を逆にする必要がある。すなわち外周側に銅箔、内周側にポリイミドを配するわけである。かかる配置は、ポリイミド層から排出される溶剤や縮合水を速やかに外部に移行させるには不都合となる。かかる点が、本発明において従来技術に増して通気性の良いスペーサが求められる所以である。なお本発明においては、ポリイミド樹脂の熱膨張率は、処理温度が高いほど低くなるため、スペーサ素材にも耐熱性が要求される訳である。かかる製造方法により得られた金属化耐熱フィルムは、反り、捩れ等の外観上の問題はもちろん、電気特性、機械的特性にも優れる物である、さらに驚くべき事に、従来、熱処理温度が350℃を越えると銅箔の劣化が激しくなり、実用的でないと云われていたが、本発明では、350℃を越えて熱処理を行っても銅箔の特性劣化が生じず、良好な特性が維持されているのである。本発明者らは、まだその理由を解明するに至ってはいないが、樹脂自体の熱膨張係数が小さいことと、発生したガスが速やかに巻物の中から排出されるため、熱処理時に銅箔に加わるストレスが低減されていることが、その理由であろうと推測している。
本発明のポリイミドはベンゾオキサゾール構造を有するジアミン類と芳香族テトラカルボン酸無水物類の縮合により得られる物である。
本発明におけるベンゾオキサゾール構造を有する芳香族ジアミン類としては、具体的には以下のものが挙げられる。
Figure 0004348612
Figure 0004348612
Figure 0004348612
を例示することができる。該ジアミンは、単独であっても二種以上を用いることも可能である。
本発明においては、全ジアミンの30モル%以下であれば下記に例示されるベンゾオキサゾール構造を有しないジアミン類を一種または二種以上を併用しても構わない。例えば、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、m−フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−アミノベンジルアミン、p−アミノベンジルアミン、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルホキシド、3,4’−ジアミノジフェニルスルホキシド、4,4’−ジアミノジフェニルスルホキシド、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、1,4−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、2,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、2−[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−2−[4−(4−アミノフェノキシ)−3−メチルフェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)−3−メチルフェニル]プロパン、2−[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−2−[4−(4−アミノフェノキシ)−3,5−ジメチルフェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)−3,5−ジメチルフェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン,4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホキシド、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,4−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,1−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,3−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、3,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、2,2−ビス[3−(3−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、1,1−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホキシド、4,4’−ビス[3−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ジフェニルエーテル、4,4’−ビス[3−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ジフェニルエーテル、4,4’−ビス[4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ]ベンゾフェノン、4,4’−ビス[4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ]ジフェニルスルホン、ビス[4−{4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ}フェニル]スルホン、1,4−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノ−6−トリフルオロメチルフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノ−6−フルオロフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノ−6−メチルフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノ−6−シアノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジフェノキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノ−5,5’−ジフェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−4,5’−ジフェノキシベンゾフェノン、3,3’−ジアミノ−4−フェノキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノ−5−フェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−4−フェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−5’−フェノキシベンゾフェノン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジビフェノキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノ−5,5’−ジビフェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−4,5’−ジビフェノキシベンゾフェノン、3,3’−ジアミノ−4−ビフェノキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノ−5−ビフェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−4−ビフェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−5’−ビフェノキシベンゾフェノン、1,3−ビス(3−アミノ−4−フェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノ−4−フェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノ−5−フェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノ−5−フェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノ−4−ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノ−4−ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノ−5−ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノ−5−ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、2,6−ビス[4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ]ベンゾニトリル、および上記芳香族ジアミンの芳香環上の水素原子の一部もしくは全てがハロゲン原子、炭素数1〜3のアルキル基またはアルコキシ基、シアノ基、またはアルキル基またはアルコキシ基の水素原子の一部もしくは全部がハロゲン原子で置換された炭素数1〜3のハロゲン化アルキル基またはアルコキシ基で置換された芳香族ジアミン等が挙げられる。
本発明において用いられるテトラカルボン酸無水物は芳香族テトラカルボン酸無水物類である。芳香族テトラカルボン酸無水物類としては、具体的には、以下のものが挙げられる。
Figure 0004348612
Figure 0004348612
の使用が好ましい。これらのテトラカルボン酸二無水物は単独でも二種以上を用いることも可能である。
本発明においては、全テトラカルボン酸二無水物の30モル%以下であれば下記に例示される非芳香族のテトラカルボン酸二無水物類を一種または二種以上を併用しても構わない。用いられるテトラカルボン酸無水物としては、例えば、ブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、ペンタン−1,2,4,5−テトラカルボン酸二無水物、シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、シクロヘキサン−1,2,4,5−テトラカルボン酸二無水物、シクロヘキサ−1−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、3−エチルシクロヘキサ−1−エン−3−(1,2),5,6−テトラカルボン酸二無水物、1−メチル−3−エチルシクロヘキサン−3−(1,2),5,6−テトラカルボン酸二無水物、1−メチル−3−エチルシクロヘキサ−1−エン−3−(1,2),5,6−テトラカルボン酸二無水物、1−エチルシクロヘキサン−1−(1,2),3,4−テトラカルボン酸二無水物、1−プロピルシクロヘキサン−1−(2,3),3,4−テトラカルボン酸二無水物、1,3−ジプロピルシクロヘキサン−1−(2,3),3−(2,3)−テトラカルボン酸二無水物、ジシクロヘキシル−3,4,3’,4’−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3,5,6ラカルボン酸二無水物、1−プロピルシクロヘキサン−1−(2,3),3,4−テトラカルボン酸二無水物、1,3−ジプロピルシクロヘキサン−1−(2,3),3−(2,3)−テトラカルボン酸二無水物、ジシクロヘキシル−3,4,3’,4’−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物等である。これらのテトラカルボン酸二無水物は単独でも二種以上を用いることも可能である。
また、本発明の線状ポリイミドまたは線状ポリアミド酸の分子末端を炭素−炭素二重結合を有する末端基で封止するために無水マレイン酸等を用いることが出来る。無水マレイン酸の使用量は、芳香族ジアミン成分1モル当たり0.001〜1.0モル比である。
上記の本発明のポリイミドフイルムは、特許文献12に記載されているラダー化率は特許文献12で規制されている規制値の範囲外である60〜70%が好ましい。この理由は明確化できていないが、ベンゾオキサゾール構造という特定化された構造のポリイミドフィルムであることが大きな要因になっていると推察している。
本発明のポリアミド酸の合成時に使用する極性有機溶剤としては、原料モノマーおよび生成するポリアミド酸のいずれをも溶解するものであれば特に限定されないが、例えば、N−メチル−2−ピロリドン,N−アセチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホリックアミド、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、スルホラン、ハロゲン化フェノール類等があげられ,これらの溶媒は,単独あるいは混合して使用することができる。極性有機溶媒の使用量は,仕込みモノマーを溶解するのに十分な量であればよく,通常は5〜50質量%であり,好ましくは10〜20質量%の固形分を含むものであればよい。
本発明で用いるポリアミド酸の有機溶媒溶液は、固形分を好ましくは5〜40質量%、より好ましくは10〜30質量%を含有するものであって、またその粘度はブルックフィールド粘度計による測定で10〜2000Pa・s、好ましくは100〜1000Pa・sのものが、安定した送液が可能であることから好ましい。重合反応は、有機溶媒中で撹拌および/または混合しながら、0〜80℃の温度範囲で、10分〜30時間連続して進められるが、必要により重合反応を分割したり、温度を上下させてもかまわない。この場合に、両反応体の添加順序には特に制限はないが、芳香族ジアミン類の溶液中に芳香族テトラカルボン酸無水物類を添加するのが好ましい。
本発明では閉環触媒を用いても良い。本発明で使用される閉環触媒の具体例としては、トリメチルアミン、トリエチルアミンなどの脂肪族第3級アミンおよびイソキノリン、ピリジン、ベータピコリンなどの複素環式第3級アミンなどが挙げられるが、複素環式第3級アミンから選ばれる少なくとも一種のアミンを使用することが好ましい。
本発明で使用される閉環触媒の具体例としては、トリメチルアミン、トリエチルアミンなどの脂肪族第3級アミンおよびイソキノリン、ピリジン、ベータピコリンなどの複素環式第3級アミンなどが挙げられるが、複素環式第3級アミンから選ばれる少なくとも一種のアミンを使用するのが好ましい。
重合反応中に真空脱泡することは、良質なポリアミド酸の有機溶媒溶液を製造するのに有効な方法である。また、重合反応の前に芳香族ジアミン類に少量の末端封鎖剤を添加して重合を制御することを行ってもよい。
本発明で使用される脱水剤の具体例としては、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸などの脂肪族カルボン酸無水物、および無水安息香酸などの芳香族カルボン酸無水物などが挙げられるが、無水酢酸および/または無水安息香酸が好ましい。ポリアミド酸に対する閉環触媒の含有量は、閉環触媒の含有量(モル)/ポリアミド酸の含有量(モル)が0.5〜8となる範囲が好ましい。また、ポリアミド酸に対する脱水剤の含有量は、脱水剤の含有量(モル)/ポリアミド酸の含有量(モル)が0.1〜4となる範囲が好ましい。尚、この場合には、アセチルアセトンなどのゲル化遅延剤を併用してもよい。
本発明においては以上のようにして得られた、ベンゾオキサゾール構造を有する芳香族ジアミン類と、芳香族テトラカルボン酸無水物類とを反応させて得られるポリアミド酸溶液を
(1)金属箔に塗布し、
(2)残溶剤量が45質量%以下になるように乾燥後、
(3)乾燥塗膜と金属箔の裏面との間に20μm以上の空隙を設けて巻き取り、
(4)巻き取ったロールを熱処理する、
ことにより金属化耐熱フィルムを得る。
金属箔への塗布方法は特に限定されず、ドクターブレードなどで層厚を規制しながらコーティングする方法、グラビアロールを使う方法、スクリーン印刷を用いる方法など、多様な塗布方法を採用可能である。特に厚い膜を得る際に、無定型シリカなどを微量配合することは好ましい方法である。
乾燥は残溶剤量が45質量%以下となるように、好ましくは42質量%以下、さらのい好ましくは39質量%以下、なお好ましくは36質量%以下となるように行う。乾燥温度と時間は任意であるが、本発明では120℃以下、好ましくは112℃以下、なお好ましくは104℃以下で行う。乾燥温度が高すぎると、脱水反応が平行して起こり、塗膜内に組成の不均一性が生じて仕上がりの機械的物性値が低下する。また乾燥温度は低い方が良いが、時間がかかるため、概ね80℃以上で行った方が良い。残溶剤量が、この範囲に入れば、概ね指触乾燥状態となり、金属箔を乾燥塗膜ごと巻き取ることが可能となる。
本発明では巻き取る際に、乾燥塗膜と、金属箔の間を20μm以上、好ましくは40μm以上さらに好ましくは80μm以上なおさらに好ましくは150μm以上の空隙を設けて巻き取る。かかる空隙は、好ましくは適当なスペーサを供巻きすることにより形成される。
かかる、スペーサは、通気性があり、20μm以上の厚みを有し、かつ300℃以上の耐熱性がある布帛状物であることが好ましい。本発明において用いられる布帛状物の素材は、乾燥または硬化温度より高い温度で収縮や軟化、溶融などによって変形しないものを選択すれば良いのであるが、基本的にはいかなる温度でも溶融しないものを選択するのが好ましい。このような素材としてはセルロース繊維、ガラス繊維、カーボン繊維、アラミド繊維、アルミナ繊維、ポリベンゾオキサゾール繊維、金属繊維、金属細線等から作られる織布、不織布、あるいは耐熱素材からなる貫通孔を有する多孔質体などが挙げられる、かかる布帛状物には、少なくとも片面に粘着層を有していることが望ましい。なお布帛状物の厚みは20μm以上が必要であり、20μm未満では塗膜と被処理物の裏面との空隙が小さくなり、塗膜と被処理物の裏面とが接触して不良品が発生し易くなるので好ましくない。
かかる布帛状物は、金属箔全面に配されても良いが、供巻きされる布帛状物をロールの両端にのみ配することが好ましい。
本発明では、巻き取る際に、金属箔が外側となるように巻き取ることが好ましい。巻き取り面が逆になった場合、反り、カールの発生に繋がる。
このようにして巻き取られたロールは、熱処理が施される。これらの処理は、乾燥塗膜に残存する溶剤を除去し、さらにアミド酸を脱水閉環してイミド環を形成するものである。本発明方法において金属箔として銅などの酸化劣化を起こし易い金属を用いる場合には処理環境を窒素、アルゴン、ネオン、などの不活性ガスで置換したり、あるいは、真空にして処理することが好ましくい。
かかる、熱処理は、ロール温度が350℃以上になるように加熱することが好ましい。ただし、急激に温度を上げると塗膜の膨れや表面の荒れを生じる場合があるため、何段階化に分けてステップ状に温度を上げる、ないしはランプ関数的に徐々に温度を上げる事が好ましい。ロール温度の最高温度は370℃以上が好ましく、390℃以上がさらに好ましく、420℃以上がなお好ましく、450℃以上がなおさらに好ましい。本発明ではまず200℃程度で残溶剤を除去した後に400℃以上に急激に加熱することが、処理時間全体を短縮することに有効である。しかしながら、ロール温度が高すぎると、材質自体の熱劣化が生じる可能性があり、また熱処理炉の構造、素材などについても不具合が生じるため、ロール温度の上限は540℃以下が適切であり、好ましくは525℃以下、さらに好ましくは510℃以下、なお好ましくは495℃以下である。
かかる条件でイミド化されることにより線膨張係数の低いポリイミドよりなる塗膜が得られる。本発明では、線膨張係数が1〜16ppm/℃が好ましい。より好ましくは2〜15ppm/℃であり、さらに好ましくは3〜12ppm/℃であり、なお好ましくは4〜8ppm/℃である。線膨張係数がこの範囲を超えると、反り、捩れの原因となり回路加工工程を阻害する。また、デバイスとの接続信頼性にも大きな悪影響を与える。
以下、本発明の有効性を実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、以下の実施例における物性の評価方法は以下の通りである。
1.ポリアミド酸の還元粘度(ηsp/C)
ポリマー濃度が0.2g/dlとなるようにN−メチル−2−ピロリドンに溶解した溶液をウベローデ型の粘度管により30℃で測定した。
2.金属化ポリイミドフィルムの初期の導体接着性
90度剥離試験をJIS C5016準拠の方法にて行った。
2.初期の導体接着性
銅箔面にフォトレジスト:FR−200、シプレー社製を塗布・乾燥後にガラスフォトマスクで密着露光し、さらに1.2質量%KOH水溶液にて現像した。次に、HClと過酸化水素を含む塩化第二銅のエッチングラインで、40℃、2kgf/cm2のスプレー圧でエッチングし、幅2.00mm長さ180mmの長矩形テストパターンを作製し、長矩形が中央になるように余白を配した幅20mm、長さ200mmに試験片を切り抜き、JIS C5016方法Aにより、90度剥離試験を行った。
3.金属化ポリイミドフィルムの加熱試験後の導体接着性
150℃のドライオーブン中に100時間放置した後、90度剥離試験をJIS C5016準拠の方法にて行った。
3.加熱試験後の導体接着性
150℃のドライオーブン中に100時間放置した後、初期の導体接着性評価と同じ方法にて、90度剥離試験を行った。
4.金属化ポリイミドフィルムの加熱試験後の導体接着性
150℃のドライオーブン中に100時間放置した後、90度剥離試験をJIS C5016準拠の方法にて行った。
4.加圧加湿試験後の導体接着性
平山製作所製PCT試験機にて、121℃にて2気圧(飽和水蒸気圧雰囲気)条件下にて100時間処理した後、初期と同じ方法にて90度剥離試験を行った。
5.金属化ポリイミドフィルムの体積抵抗率
得られた金属化耐熱フィルムの金属(銅)をエッチングにより除去し、得られたポリイミドフィルムについてJIS C6481準拠の方法にて行った。
6.金属化ポリイミドフィルムの表面抵抗
得られた金属化耐熱フィルムの金属(銅)をエッチングにより除去し、得られたポリイミドフィルムについてJIS C6481準拠の方法にて行った。
7.金属化ポリイミドフィルムの耐マイグレーション性
40μmピッチの櫛形電極に、電圧(DC60V)を印可し、85℃・85%RHの恒温恒湿槽(FX412Pタイプ、エタック社製)の中に入れ電圧負荷状態のまま5分毎に絶縁抵抗値を測定記録し、線間の抵抗値が100Mオーム以下に達する時間を測定しマイグレーション評価とした。
なお、評価パターンは初期の導体接着強度項と同じ手法で形成した。
8.フィルム厚さ
得られた金属化耐熱フィルムの金属(銅)をエッチングにより除去し、マイクロメーター(ファインリューフ社製、ミリトロン1245D)を用いて測定した。
9、ポリイミドフィルムの引張弾性率、引張破断強度および破断伸度
得られた金属化耐熱フィルムの金属(銅)をエッチングにより除去し、長手方向(MD方向)および幅方向(TD方向)にそれぞれ長さ100mm、幅10mmの短冊状に切り出して試験片とし、引張試験機(島津製作所製オートグラフ(R)、機種名AG−5000A)を用い、引張速度50mm/分、チャック間距離40mmで測定し、引張弾性率、引張強度及び破断伸度を求めた。
10.ポリイミドフィルムの線膨張係数(CTE)
得られた金属化耐熱フィルムの金属(銅)をエッチングにより除去し、下記条件で伸縮率を測定し、30〜300℃までを15℃間隔で分割し、各分割範囲の伸縮率/温度の平均値より求めた。
装置名 ; MACサイエンス社製TMA4000S
試料長さ ; 20mm
試料幅 ; 2mm
昇温開始温度 ; 25℃
昇温終了温度 ; 400℃
昇温速度 ; 5℃/min
雰囲気 ; アルゴン
11.ポリイミドフィルムの融点、ガラス転位温度
得られた金属化耐熱フィルムの金属(銅)をエッチングにより除去し、下記条件でDSC測定し、融点(融解ピーク温度Tpm)とガラス転移点(Tmg)をJIS K7121に準拠して下記測定条件で求めた。
装置名 ; MACサイエンス社製DSC3100SA
パン ; アルミパン(非気密型)
試料重量 ; 4mg
昇温開始温度 ; 30℃
昇温速度 ; 20℃/min
雰囲気 ; アルゴン
12.ポリイミドフィルムの熱分解温度
得られた金属化耐熱フィルムの金属(銅)をエッチングにより除去し、充分に乾燥した試料を下記条件でTGA測定(熱天秤測定)して、5%重量減をもって規定した。
装置名 ; MACサイエンス社製TG−DTA2000S
パン ; アルミパン(非気密型)
試料重量 ; 10mg
昇温開始温度 ; 30℃
昇温速度 ; 20℃/min
雰囲気 ; アルゴン
13、フロー半田耐熱性
得られた金属化フィルムを50.8mm×50.8mmの正方形にカットし、280℃に加熱した錫−銅−銀系の鉛フリー半田槽に10秒間浸績し、剥離、膨れ等の有無を目視にて観察した。
14、加湿後の半田耐熱性
得られた金属化フィルムを50.8mm×50.8mmの正方形にカットし、85℃85%RHの恒温恒湿槽に72時間放置後に、同様に280℃に加熱した錫−銅−銀系の鉛フリー半田槽に10秒間浸績し、剥離、膨れ等の有無を目視にて観察した。
15、手半田耐熱性
得られた金属化フィルムを50.8mm×50.8mmの正方形にカットし、金属面側に直径2mm、長さ10mmの糸半田を置き、こて先を450℃に加熱した半田ごてを糸半田に当てて、30秒間保持し、その後、フィルム面側の状態を観察した。
(実施例1)
<ポリアミド酸の重合およびポリイミドフィルムの製造>
窒素導入管,温度計,攪拌棒を備えた反応容器内を窒素置換した後、5−アミノ−2−(p−アミノフェニル)ベンズオキサゾール500重量部を仕込んだ。次いで、N−メチル−2−ピロリドン5000重量部を加えて完全に溶解させた後,ピロメリット酸二無水物485重量部を加え,25℃の反応温度で15時間攪拌すると,淡黄色で粘調なポリアミド酸溶液が得られた。得られた溶液のηsp/Cは2.0であった。ラダ−化率は60%であった。
続いて得られたポリアミド酸溶液をコンマコーターを用いて幅600mm、厚さが18μmの銅箔の片面に塗膜乾燥厚みが20μmとなるようにコーティングして110℃で20分間乾燥した後、塗膜面の両端に幅が9mm、厚さが150μm、片面に粘着層を有するガラス繊維不織布テープを貼りながら銅箔面が外側になるように、直径75mmのアルミニウム管に巻取った。巻取ったロールを真空乾燥機にいれ、真空にしながら、210℃に昇温して10時間熱処理を行った。引き続き温度を430℃に上げ30分間保持した後、3時間かけて室温まで冷却した。ポリアミド酸は脱水閉環によりポリイミド化しており、反り、捩れ、カールのない金属化耐熱フィルムを得た。
(実施例2)
テトラカルボン酸二無水物として3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物653重量部を用いる以外は,実施例1と同様にしてポリアミド酸溶液を得た。得られた溶液のηsp/Cは1.5であった。ラダ−化率は63.7%であった。以下実施例1と同様に操作、反り、捩れ、カールのない金属化耐熱フィルムを得た。
(比較例1)
ピロメリット酸無水物と4,4’ジシアノジフェニルエーテルの等モルをジメチルアセトアミドに溶解し、温度を20℃以下に保ちながら同様に反応させてポリアミド酸溶液を得た。得られた溶液のηsp/Cは2.0であった。ラダ−化率は55.6%であった。以下実施例1と同様に操作、金属化耐熱フィルムを得た。得られた金属化耐熱フィルムは金属箔側を凸にした反りを有する物であった。
前述の方法にて、得られた金属化耐熱フィルムを評価した。結果を表1に示す。
Figure 0004348612
以上述べてきたように本発明の金属化耐熱フィルムは優れた電気特性、機械的特性を有し、プリント配線板用材料として有用であり、また、本発明に置ける製造方法によれば、従来の連続処理法に比べて、処理設備、そのスペース及び生産性において有利であり経済的に非常に安価であり、また乾燥や熱処理時に発生する塗膜の収縮力を抑えるという効果も発揮して、反り、カールの少ない金属化耐熱フィルムを容易に製造できるなど、産業界に寄与すること大である。

Claims (4)

  1. 5−アミノ−2−(p−アミノフェニル)ベンズオキサゾール、6−アミノ−2−(p−アミノフェニル)ベンズオキサゾール、5−アミノ−2−(m−アミノフェニル)ベンズオキサゾール、6−アミノ−2−(m−アミノフェニル)ベンズオキサゾールより選択されるベンゾオキサゾール構造を有する芳香族ジアミン類と、ピロメリット酸二無水物、3,3’4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸無水物、4,4’−オキシフタル酸無水物、3,3’4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、3,3’4,4’−ジフェニルテトラカルボン酸無水物、2,2−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン酸無水物から選択される酸二無水物とを反応させて得られるポリアミド酸溶液を、
    (1)金属箔に塗布し、
    (2)残溶剤量が45質量%以下になるように乾燥後、
    (3)乾燥塗膜と金属箔の裏面との間に20μm以上の空隙を設けて金属箔が外側となるように巻き取り、
    (4)巻き取ったロールを350〜540℃の温度で熱処理する、
    ことを特徴とする請求項1記載の金属化耐熱フィルムの製造方法。
  2. 熱処理する温度が420〜540℃である請求項に記載の金属化耐熱フィルムの製造方法。
  3. 乾燥塗膜と金属箔の裏面との間に20μm以上の空隙を設けて巻き取りを行うに際し、通気性があり、20μm以上の厚みを有し、かつ300℃以上の耐熱性がある布帛状物を供巻きすることを特徴とする請求項1又は2いずれかに記載の金属化耐熱フィルムの製造方法。
  4. 供巻きされる布帛状物をロールの両端にのみ供巻きすることを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の金属化耐熱フィルムの製造方法。
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