JP4213418B2 - 靴下用型差し装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、靴下用型差し装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
パンティストッキングやストッキングなどの長靴下(以下、単に「靴下」と言う)の製造工程では、その仕上げ段階に、蒸気を当てて皺延ばし等を行ったり編成不良等の検査を行ったりする仕上げ工程が含まれているが、この仕上げ工程では靴下を実際の着用状態に延ばす必要がある。
そのため、人の足の形を模して板材より形成した「ヒール付き人体足型」と呼ばれる足型(以下、単に「足型」と言う)に靴下を装着する作業が必要になっている。この作業は、その全てを人手作業で行うには余りにも手間のかかるものであると共に、熟練された相当の作業スピードが要求されるため、従来、この作業の一部を機械化するための装置が提案されている(例えば特開平5−339872号公報、特開平7−3619号公報等参照)。
【0003】
なお、上記足型は、そのつま先を上方へ向けた状態で起立し左右一対並設されていることで足型組体が形成されているのが一般的である。そして、このような足型組体が列を成して仕上げ工程を縦貫状に搬送されるようになっている。
これに対し、従来公知の装置は、予め、長手方向を蛇腹状にたくし上げた靴下を、作業者が足型のつま先部分へ被せた後、装置側が靴下のパンティ部等をチャックしたり又は股間部を係合状態にしたりしたうえで、このチャック部分や係合部分を下方へ移動させ、もって足型の全長にわたり靴下を引き下げるという構造になっていた。
【0004】
なお、靴下を足型のつま先部分へ被せる作業をも含めて、装着作業全体を機械化した装置も知られている(特開平7−138868号公報参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
特開平5−339872号公報や特開平7−3619号公報等によって開示された従来装置では、靴下を足型に沿って引き下げるときに、足型のヒール部を通過させるときの高面圧作用で靴下に局部延伸異常や引っ掻き傷を発生させる結果となってしまい、靴下としての商品価値をなくならせることが少なくなかった。
結果、このことが、靴下の製造ライン全体として製品歩留まりを低下させる原因の一つになっていた。
【0006】
特開平7−138868号公報によって開示された従来装置は、このような足型のヒール部通過時における欠点を解消することを考慮したものとなっている。
しかし、そのためにこの装置では検査型板、装着プレート、足型の3種類の型部材が必要となっており、作業者が検査型板(足首から先を持たないまっすぐな板)に靴下を差し込んで目視検査を行った後、機械動作により、この検査足型から装着プレート(湾曲した短い板)への靴下の抜き差し、及びこの装着プレートから足型(これがヒール付き人体足型に相当)への靴下の抜き差しという、複雑で且つ複数の動きが必要になっている。
【0007】
すなわち、それだけ機構的にも複雑且つ大型なものとなっており、また稼働効率としても、決して高率であるとは言えないものであった。
のみならず、上記したように動きが複雑であり、靴下の抜き差しを2回も行っている関係で、動作ミスやタイミングズレ、或いは靴下の引っ掛かり等を原因とする靴下の破損も少なからず生じていた。そのため、やはり靴下の製造ライン全体として製品歩留まりに悪影響を及ぼすものとなっていたのである。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、構造簡潔且つコンパクトであり、また稼働効率が高く、靴下を確実にヒール付き人体足型へ装着できるようにした靴下用型差し装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明は次の手段を講じた。
すなわち、本発明に係る靴下用型差し装置1は、人の足の形を模して板材より形成した左右一対のヒール付き人体足型6に靴下5を装着する装置であって、足型6のヒール部11に対応する部分に、つま先8側からヒール部11側へ向けて靴下5を手繰り寄せ可能とする手繰りローラ15が設けられている。
このような構成であると、作業者によって足型6のつま先8側に被せられた靴下5は、手繰りローラ15の回転を受け、つま先8側からヒール部11側へ向けて略直線状に手繰られるようになるため、このヒール部11では、靴下生地が容易にヒール部11を乗り越えるような作用(ヒール部11に対応して靴下生地に弛みが生じるような状態)が得られることになる。
【0009】
従って、靴下5は、ヒール部11を通過することによっても、局部延伸異常や引っ掻き傷等が発生することがなく、スムーズに足型6に沿って引き下げられることになる。
また、このように装置としての構成は、手繰りローラ15を所定角度で足型6のヒール部11へ近接させるだけでよいから、極めて簡潔であり、またコンパクトに収められるものである。
なお、手繰りローラ15は、その先端が足型6のくびす部相当部位17へ向けられたものとなるが、この先端部分には先細り状となるテーパアールを設けておくのが好適となる。
【0010】
このようにすることで、手繰りローラ15と靴下5との接触がソフトタッチとなり、靴下5への傷付けを略完璧に解消させることができる。
手繰りローラ15は、足型6のヒール部11をサンドイッチ状に挟持する配置で2個一対で設けるのが好適である。
即ち、手繰りローラ15(回転駆動されるもの)を2個一対で設けることにより、靴下5に対する手繰り寄せ作用を高めることができ、それだけ確実で且つ高速な、足型6への靴下5の装着が可能となる。
【0011】
また、このように2個一対の手繰りローラ15で足型を挟持させるようにすると、不安定な足型6をフラツキ等が生じず且つねじれ等も生じない安定的な状態に保持できる利点がある。
足型6は、殊に対象とする靴下5がパンティストッキングである場合には、つま先8(足型6のつま先8)を上方へ向けた状態で起立し、板面を対向させて左右一対並設され、これによって全体として足型組体7が形成されているのが一般的である。
このような場合にあって、本発明に係る靴下用型差し装置1は、手繰りヘッド2と位置決めユニット12とを有したものとして構成すればよいことになる。
【0012】
即ち、手繰りヘッド2は、足型組体7における左右の足型6の各ヒール部11に対応させて設けられる各別の手繰りローラ15と、これら手繰りローラ15を回転駆動させるためのローラ駆動部16とを具備したものである。この場合、2個一対の手繰りローラ15は、左右一対の足型(6)の間に配置される内側配置の手繰りローラ(15B)に対して、左右一対の足型(6)の外側に配置される手繰りローラ(15A)を相互近接・離反方向へ移動可能に設けられている。
また位置決めユニット12は、この手繰りヘッド2の下部側に設けられるもので、上記足型組体7における左右の足型6を開閉させたり開脚保持させたりするものである。
このような構成として、靴下5の製造ライン(仕上げ工程)へ組み込めばよい。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づき説明する。
図1は本発明に係る靴下用型差し装置1の第1実施形態を示した全体斜視図であり、図2乃至図4は、この装置構成のなかで主要部となる手繰りヘッド2を拡大して示している。
なお、この第1実施形態は、靴下5がパンティストッキング(パンティ部を介して2本のストッキングが連結されたもの)であり、したがってこの靴下5を装着すべき足型6(人の足の形を模して板材より形成した左右一対のヒール付き人体足型)は板面を対向させて左右一対並設されてその全体として足型組体7が形成されている場合のものである。
【0014】
この足型組体7において、各足型6は、それらのつま先8を上方へ向けた状態で起立している。また互いの足型6は、それらの下端部相互が例えばバネ蝶番9等によってヒンジ結合されて、各つま先8が相互近接する方向へ付勢されつつそれぞれ揺動可能になっている。
そして、このような足型組体7は、例えばチェンコンベアなどの適宜搬送手段10に対してその搬送方向で互いに所定間隔をおいて設けられ、靴下の製造ライン(仕上げ工程)中を間欠的又は連続的に縦貫移動するものとされている。
【0015】
このような足型組体7に対応させるかたちで構成された本第1実施形態の靴下用型差し装置1は、手繰りヘッド2と位置決めユニット12とを有している。
手繰りヘッド2は、複数の手繰りローラ15を有している。
この第1実施形態では、足型組体7における左右の各足型6に対し、それぞれをサンドイッチ状に挟持する配置で各2個の手繰りローラ15がそれぞれ対を成すかたちで設けられている。すなわち、手繰りローラ15は、全部で4個(二対)設けられていることになる。
【0016】
また、この手繰りヘッド2には、個々の手繰りローラ15を回転駆動させるためのモータ及び減速機からなるローラ駆動部16が設けられている。
このローラ駆動部16は、個々の足型6に対応した2個一対の手繰りローラ15を、互いに巻き込み方向へ回転させるようになっている。
図2に示すように、各手繰りローラ15は、足型6のヒール部11に対応する部分に設けられており、且つ、その先端部が足型6のくびす部相当部位17に向くように、回転軸心を斜め上方へ向けられた状態で設けられている。
【0017】
各手繰りローラ15は、ゴムや樹脂等の弾性材によって形成され又はこれら弾性材により外周面が被覆された構造を有している。また、この手繰りローラ15の先端部分は先細り状となるテーパに形成され、且つこのテーパには外膨れ方向の緩やかなアールが設けられている。
図3に基づいて具体的寸法の一例を挙げると、手繰りローラ15の本体外径Dを22mm、先端外径dを17mmとし、このテーパを形成させる部分の軸方向長さLを12mmとした。付言すると、手繰りローラ15の外周面では、本体部分の直線ラインとテーパ部分の外膨れによる曲面ラインとのつなぎ目に段差が生じないように留意した。
【0018】
また、手繰りローラ15の形成素材にはゴム硬度50度のシリコンゴムを用いた。
足型6に対して手繰りローラ15を設ける角度は、足型6において、つま先8とヒール部11とを結ぶ軸線をPとおくとき、この軸線Pと手繰りローラ15の回転軸心Rとの間の角度θをおおよそ90°〜120°の範囲で設定しておくのが好ましいことが、試行錯誤の結果より判っている。
図1に示したように、各手繰りローラ15は、ローラ駆動部16を伴った状態でクランプ駆動ユニット20に設けられている。
【0019】
図4に示すように、このクランプ駆動ユニット20は、各足型6を挟持する2個一対の手繰りローラ15うち、外側配置となるもの(15Aとおく)を内側配置となる手繰りローラ15(15Bとおく)に対して相互近接・離反方向(図4の左右方向)へ移動可能にするものである。
すなわち、このように外側配置となる手繰りローラ15Aを左右移動させることにより、内側配置となる手繰りローラ15Bとの間で足型6の挟持動作及び解放動作を行う。図5は、このうち挟持状態を示している。
【0020】
なお、図例では、各足型6を挟持する2個一対の手繰りローラ15がそれらの回転軸心Rを互いに平行させたものとしてあるが、これに限らず、各手繰りローラ15の先端部が相互近接する向きに、若干、回転軸心Rを斜めに傾けてもよい。
図1に示したように、この手繰りヘッド2は、上下方向に延びる縦型装置フレーム21に対して上下動可能に設けられた昇降台22に保持されたものとなっている。
【0021】
従って、昇降台22の上昇により足型組体7に対する退避位置(待機位置)へ移動し、昇降台22の下降により足型組体7(各足型6)に対する動作位置へ移動することになる。
一方、上記した位置決めユニット12(図1参照)は、手繰りヘッド2の下部側に設けられている。図例では、上記縦型装置フレーム21の下端部に、前後駆動ユニット23を介して設けられたものとしてある。
この位置決めユニット12は、足型組体7に対し、左右の足型6を開閉させたり、開脚させた状態を保持させたりするものである。
【0022】
この第1実施形態においてこの位置決めユニット12は、左右の足型6に対してそれらの両脇方へ向けて突出するようになるアーム25が設けられ、これら両アーム25に、それぞれ対向する向きに吸盤26が設けられたものとしてある。また、このように吸盤26を有するアーム25が、適宜の開閉駆動機構27により、相互近接及び離反可能に設けられたものとなっている。
そして、全ての吸盤26は、吸引装置(図示略)とエア配管によって結ばれており、吸引状態のオンオフが可能になっている。
【0023】
すなわち、当初、相互離反状態で待機する両アーム25が開閉駆動機構27により相互近接方向へ移動され、吸盤26が吸引状態にされると、これら吸盤26が左右の足型6に当接してこれらを吸着した状態になる。
そこで開閉駆動機構27により両アーム25を相互離反方向へ移動させれば、図4に示したように、左右の足型6が開脚状態になり、この状態を保持するようになる。
そのため、この開脚状態とすることにより、左右の足型6の相互間へ内側配置の手繰りローラ15Bを挿入することができるのである。
【0024】
なお、この位置決めユニット12は、上記したように前後駆動ユニット23を介して縦型装置フレーム21に設けられている。
そのためこの位置決めユニット12は、前後駆動ユニット23の後退動により足型組体7に対する退避位置(待機位置)へ移動し、前後駆動ユニット23の前進動により足型組体7(両足型6)に対する動作位置へ移動することになる。
また、この前後駆動ユニット23が設けられているため、上記のように吸盤26で左右の足型6を吸着した状態から、これら吸盤26と共に足型6を前倒し方向へ押し、少しだけ傾けさせることが可能になっている。
【0025】
このように足型6を前倒し方向へ押すと、足型6が設けられた搬送手段10に生じているガタ(チェン等の動作用あそび等)を一方へ偏らせるような作用が得られるので、結果として足型6のヒール部11を手繰りヘッド2の下降位置(挟持位置)に対して一定に保持させることができることになり、この手繰りヘッド2の動作を確実化させることができるものである。
次に、このような構成とされた靴下用型差し装置1の動作状況を説明する。
なお、この靴下用型差し装置1の設置位置へ向けて足型組体7が搬送手段10により搬入される段階では、この足型組体7における左右の足型6に対し、予め、作業者により、長手方向を蛇腹状にたくし上げた靴下5がつま先8へ被せられた状態となっているものである。
【0026】
この段階が図1に示した状態である。
このとき、本発明の靴下用型差し装置1では、手繰りヘッド2が昇降台22の上昇によって上方待機し、且つクランプ駆動ユニット20によって手繰りローラ15が解放状態とされている。
また位置決めユニット12が前後駆動ユニット23の後退動によって後方待機し、且つ開閉駆動機構27によってアーム25(吸盤26)が相互離反状態とされている。
【0027】
このような靴下用型差し装置1に対してその作動対象位置へ足型組体7が搬入されると、まず、位置決めユニット12が前後駆動ユニット23の前進動によって足型組体7を挟み込む動作位置へと進出し、続いて開閉駆動機構27によってアーム25(吸盤26)が相互近接される。またこのとき、全ての吸盤26が吸引状態にされる。
次に、全ての吸盤26が吸引状態とされたまま、開閉駆動機構27がアーム25(吸盤26)を相互離反させる。これにより、足型組体7は左右の足型6が開脚されることとなる(図4参照)。
【0028】
次に、手繰りヘッド2が昇降台22の下降により、その動作位置、すなわち、全4個中で中央配置となっている手繰りローラ15(内側配置の手繰りローラ15Bとして説明したもの)が開脚状態とされた左右の足型6の相互間へ差し込まれる位置にセットされる。
このとき当然に、全4個中で左右両側配置となっている手繰りローラ15(外側配置の手繰りローラ15Aとして説明したもの)は、左右の足型6に対する両脇方に位置付けられている。
【0029】
そこでクランプ駆動ユニット20が、これら外側配置の手繰りローラ15Aを相互接近させる。これにより、左右の足型6は、それぞれ手繰りローラ15によって挟持された状態になる(図5参照)。
次に、手繰りヘッド2のローラ駆動部16が各手繰りローラ15を所定回転方向へ回転させる。
これにより、作業者によって各足型6のつま先8側に被せられた靴下5は、手繰りローラ15の回転を受け、つま先8側からヒール部11側へ向けて略直線状に(図2中の矢符X参照)手繰られるようになる。
【0030】
このときヒール部11では、靴下生地が容易にヒール部11を乗り越えるような作用(上記矢符Xの延長方向で、ヒール部11に対応して靴下生地に弛みが生じるような状態)が得られることになる。
従って、靴下5は、ヒール部11を通過することによっても、局部延伸異常や引っ掻き傷等が発生することがなく、スムーズに足型6に沿って自然落下的に引き下げられることになる(図2中の矢符Y参照)。
このようにして足型6に対する靴下5の装着ができた後は、手繰りヘッド2における解放及び退避動作並びに位置決めユニット12における解放及び退避動作が行われ、これによって1サイクル動が完了する。
【0031】
なお、上記した靴下用型差し装置1における1サイクル分の動作を、搬送手段10の連続搬送中に同時に行う必要がある場合には、この縦型装置フレーム21を、靴下用型差し装置1の1サイクル動作中だけ搬送手段10と同速同方向へ移動させるようにすればよい。
図6は、本発明に係る靴下用型差し装置1の第2実施形態を示した斜視図である。
この第2実施形態の靴下用型差し装置1が上記第1実施形態と最も異なるところは、手繰りヘッド2や位置決めユニット12を足型6に対して退避させたり動作位置へ進出させたりするための機構にある。
【0032】
すなわち、手繰りヘッド2は上部揺動台40に取り付けられており、この上部揺動台40は、長手方向を水平方向へ向けた支持軸41を介して上部取付基板42に上下揺動自在に保持されている。
この上部取付基板42は、装置フレーム(図示略)側に固定される。また、この上部取付基板42には、上部揺動台40に対して上下揺動駆動を伝える流体圧シリンダ等より成る駆動具43が設けられている。
そのため、この手繰りヘッド2を退避動させるとき、又は動作位置へ進出させるときに駆動具43を所定向きへ駆動させることで、支持軸41まわりで上部揺動台40を図示矢符方向へ揺動させることができるものであり、この上部揺動台40の揺動に伴って手繰りヘッド2を足型6に対して退避させたり動作位置へ進出させたりできるものである。
【0033】
一方、位置決めユニット12は下部揺動ブラケット45に取り付けられており、この下部揺動ブラケット45は、長手方向を水平方向へ向けた支持軸46を介して下部取付基板47に上下揺動自在に保持されている。
この下部取付基板47は、装置フレーム(図示略)側に固定される。また、この下部取付基板47には、下部揺動ブラケット45に対して上下揺動駆動を伝える流体圧シリンダ等より成る駆動具48が設けられている。
そのため、この位置決めユニット12を退避動させるとき、又は動作位置へ進出させるときに駆動具48を所定向きへ駆動させることで、支持軸46まわりで下部揺動ブラケット45を図示矢符方向へ揺動させることができるものであり、この下部揺動ブラケット45の揺動に伴って位置決めユニット12を足型6に対して退避させたり動作位置へ進出させたりできるものである。
【0034】
ところで、本発明は、上記各実施形態に限定されるものではなく、実施の形態に応じて適宜変更可能である。
例えば、搬送手段10に対して足型組体7の設けられるピッチが細かい場合は、図1や図6に示した本発明の靴下用型差し装置1を搬送手段10に沿って複数台並設し、これらを、複数ピッチおきの足型組体7(勿論、個々の靴下用型差し装置1ごとに異なるもの)へ対応させるように作動させればよい。
靴下5はパンティストッキングに限定されるものではなく、ストッキングなどでもよい。そのため、足型6としても、必ずしも足型組体7として構成されている必要はない。
【0035】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明に係る靴下用型差し装置は、構造簡潔且つコンパクトであり、また稼働効率が高く、確実に靴下をヒール付き人体足型へ装着できるようになっている。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る靴下用型差し装置の第1実施形態を示した斜視図である。
【図2】 図1の一部(手繰りローラ部周辺)を拡大して示した側面図である。
【図3】 図2の一部を更に拡大して示した側面図である。
【図4】 図2のA−A線拡大矢視図である。
【図5】 図4の一部を更に拡大して示した動作説明図である。
【図6】 本発明に係る靴下用型差し装置の第2実施形態を示した斜視図である。
【符号の説明】
1 靴下用型差し装置
2 手繰りヘッド
5 靴下
6 ヒール付き人体足型
7 足型組体
8 つま先
11 ヒール部
12 位置決めユニット
15 手繰りローラ
16 ローラ駆動部
17 くびす部相当部位
Claims (3)
- 人の足の形を模して板材より形成した左右一対のヒール付き人体足型(6)に靴下(5)を装着する装置であって、
前記足型(6)はそのつま先(8)を上方へ向けた状態で起立し、板面を対向させて左右一対並設されていることで足型組体(7)が形成されており、
左右一対の足型(6)のヒール部(11)に対応する部分に、つま先(8)側からヒール部(11)側へ向けて靴下(5)を手繰り寄せ可能とする手繰りローラ(15)が設けられており、
前記手繰りローラ(15)は、左右一対の足型(6)のヒール部(11)をサンドイッチ状に挟持する配置で2個一対で設けられており、
しかも、それらは、左右一対の足型(6)の間に配置される内側配置の手繰りローラ(15B)に対して、左右一対の足型(6)の外側に配置される手繰りローラ(15A)を相互近接・離反方向へ移動可能に設けられている
ことを特徴とする靴下用型差し装置。 - 前記手繰りローラ(15)の先端は足型(6)のくびす部相当部位(17)へ向けられており、この部分で先細り状となるテーパアールが設けられていることを特徴とする請求項1記載の靴下用型差し装置。
- 前記手繰りローラ(15)はそれらを回転駆動させるローラ駆動部(16)を伴ったかたちで手繰りヘッド(2)として形成されており、
この手繰りヘッド(2)の下部側には、上記足型組体(7)における左右の足型(6)を開閉させたり開脚保持させたりする位置決めユニット(12)が設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の靴下用型差し装置。
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