JP4210978B2 - マルチバンドアンテナスイッチ回路及びマルチバンドアンテナスイッチ積層モジュール複合部品並びにこれを用いた通信装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、マルチバンドアンテナスイッチ回路およびマルチバンドアンテナスイッチ積層モジュール複合部品及びこれらを用いた通信装置に関し、特に2つ以上の異なる周波数の信号を1つのアンテナを共用して送受信する無線通信システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
携帯無線システムには、例えば主に欧州で盛んなEGSM(ExtendedGlobal System for Mobile Communications)方式およびDCS(Digital Cellular System)方式、米国で盛んなPCS(Personal Communication Service)方式、日本で採用されているPDC(Personal Digital Cellular )方式などの時分割マルチプルアクセス(TDMA)を用いた様々なシステムがある。昨今の携帯電話の急激な普及に伴い、特に先進国の主要な大都市部においては各システムに割り当てられた周波数帯域ではシステム利用者を賄いきれず、接続が困難であったり、通話途中で接続が切断するなどの問題が生じている。そこで、利用者が複数のシステムを利用できるようにして、実質的に利用可能な周波数の増加を図り、さらにサービス区域の拡充や各システムの通信インフラを有効活用することが提唱されている。
【0003】
前記利用者が複数のシステムを利用したい場合には、各システムに対応した携帯通信機を必要な分だけ持つか、あるいは複数のシステムで通信できる小型軽量の携帯通信機を持つ必要がある。後者の場合、1台の携帯通信機で複数のシステムを利用可能とするには、システム毎の部品を用いて携帯通信機を構成すればよいが、信号の送信系においては、例えば希望の送信周波数の送信信号を通過させるフィルタ、送受信回路を切り換える高周波スイッチや送受信信号を入放射するアンテナ、また信号の受信系では、前記高周波スイッチを通過した受信信号の希望の周波数を通過させるフィルタ等の高周波回路部品が各システム毎に必要となる。このため、携帯通信機が高価になるとともに、体積および重量ともに増加してしまい携帯用としては不適であった。そこで複数のシステムに対応した小型軽量の高周波回路部品が必要になってきた。例えば、EGSMとDCSの2つのシステムに対応した携帯通信機に用いられるデュアルバンド対応の高周波スイッチモジュールが特開平11−225088号公報に、またEGSM、DCS、PCSの3つのシステムに対応した携帯通信機に用いられるトリプルバンド対応の高周波スイッチモジュールが特開2000−165288号公報にそれぞれ開示されている。
【0004】
【本発明が解決しようとする課題】
次世代携帯無線システムとしてW−CDMA(Wide−band CodeDivision Multiple Access)方式のサービスが開始されつつあり、データ転送レートの高速化、通信チャネルの多重化などが期待できるため、急速に普及することが予想される。このため現在携帯電話通信システムで大きなウェートを占めている、EGSM、DCS、PCSなどとあわせて、W−CDMAにも対応した携帯無線機が必要となってきた。例えばEGSM方式(送信周波数:880〜915MHz、受信周波数:925〜960MHz)とDCS方式(送信周波数:1710〜1785MHz、受信周波数:1805〜1880MHz)、W−CDMA方式(送信周波数:1920〜1980MHz、受信周波数:2110〜2170MHz)の3つのシステムに対応した高周波スイッチ回路としては、従来技術より図18のような回路ブロックが実現できる。図18において、分波器(ダイプレクサ)DipによりEGSMの周波数帯の信号とDCSあるいはW−CDMAの周波数帯の信号を2分波した後に、第1の高周波スイッチSW1によりEGSMの送信信号と受信信号を切り換え、第2の高周波スイッチSW2によりDCSの送信号と受信信号とW−CDMAの送受信信号とを切り換える回路構成である。しかしながら図18の回路構成では、W−CDMAの送信信号がSW2を通過する際に、高調波歪みが発生することが問題であった。
【0005】
一般的にダイオードやGaAsスイッチなどの非線形デバイスに高電力の高周波信号を投入すると、高調波歪みが発生することが知られている。特にPINダイオードの場合はOFF状態の時が顕著である。この理由は図17に示すダイオードのV−I特性からも明らかであり、ON状態ではコントロール電源の電圧Vcにより比較的線形性の良い動作点でダイオードが駆動しているため、高周波信号による電圧変動に対しても線形的な応答をするため高調波発生量は少ない。これに対して、OFF状態ではV=0付近が動作点となり、高周波信号による電圧変動に対しても非線形的な応答をするため高調波発生量が大きくなることに由来する。
【0006】
図19に図18に示したEGSM、DCS、W−CDMA対応のトリプルバンドアンテナスイッチ回路の等価回路の例を示す。また、表1に各動作モードにおけるコントロール電源とPINダイオードのON/OFF状態を示した。ここでコントロール電源のHighは+1V〜+5V、Lowは−0.5V〜+0.5Vが望ましい。
【0007】
【表1】
【0008】
以上より、EGSM送信(Tx)モード時にはEGSM TX端子からアンテナANTの経路にはON状態のダイオードD1、D2が接続され、OFF状態のダイオードD3、D4、D5、D6は回路的に離れているため、高調波発生量は少ない。
【0009】
DCS送信(Tx)モード時も同様にDCS TX端子からアンテナANTの経路にはON状態のダイオードD3、D4が接続され、OFF状態のダイオードD1、D2、D5、D6は回路的に離れているため、高調波発生量は少ない。
【0010】
これに対し、W−CDMAモード時にはW−CDMA端子からアンテナANTの経路にはOFF状態のダイオードD3、D4、D5、D6が接続されており、高電力の信号がW−CDMA端子から入力されるとアンテナANT端子から大きな高調波信号が放射される。これは携帯電話のアンテナから本来発信してはいけない信号が発信されることを意味し、従来技術では回避できない問題であった。また、上記した特開平11−225088号公報、特開2000−165288号公報によっても完全には回避が出来ていなかった。
【0011】
また、別の問題としてアンテナスイッチ回路で使用されるPINダイオード、GaAs FET、SAWフィルタなどの高周波部品は静電気に弱く、特に携帯電話の場合、人体からの静電サージがアンテナに入力された場合に上記の高周波部品が破壊されるという問題がある。また、アンテナスイッチ回路自身は破壊まで至らなくても、送信端子に接続されるパワーアンプや、受信端子に接続されるローノイズアンプなどアンテナスイッチ回路の後段に接続される回路を破壊する可能性もあり、静電サージに対する対策を講じることが重要であった。
【0012】
静電サージ対策に係る従来技術として、例えば特開2001−186047号公報に開示された図16(a)に示す回路がある。このものは、2つのダイプレクサのうち低周波数帯側のダイプレクサにグランドに接続したインダクタLを挿入したものであった。つまり静電サージ対策として、ダイプレクサの一部にインダクタを追加したものであるが、静電サージから保護するためにはグランドに落ちるインダクタを5nH以下に設定する必要がある。しかし、単にアンテナトップに5nH以下のインダクタを接続した場合900MHz〜1.8GHz帯域までの広帯域での整合を取ることが困難になる。また、実際には後述する図14の減衰特性に示すように300MHz付近での減衰量は5dB以下と僅かなものしか得られず静電サージを対策するには不十分であった。
【0013】
また、特開2001−44883号公報に開示されたものは、アンテナ端子ANT、送信端子Tx、受信端子Rxの各々の信号ラインに図16(b)に示すようなグランドに接続されたインダクタL1とコンデンサC1をLCフィルタとしてそれぞれ挿入したものであった。しかし、このものでは静電サージ対策として、アンテナ端子、送信端子、受信端子のそれぞれにインダクタおよび容量を必要とするため、小型化、低コスト化の妨げになることはもちろんのこと、挿入損失の劣化の原因にもなっていた。
【0014】
本発明では以上のような問題に鑑み、高調波発生量を抑制し、さらに静電気破壊に対しても強いマルチバンドアンテナスイッチ回路およびマルチバンドアンテナスイッチ積層モジュール複合部品並びにこれらを用いた通信装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は、PINダイオードやGaAsスイッチを使用したマルチバンドアンテナスイッチ回路で発生する高調波発生量を抑制するために、ダイプレクサとスイッチ回路との間あるいはダイプレクサとアンテナ端子との間に高調波信号を減衰させる下記するノッチフィルタを挿入したことを要旨とするものである。また本発明では、GaAsスイッチやPINダイオードを使用したマルチバンドアンテナスイッチ回路で発生する静電気破壊を防止するために、ダイプレクサとアンテナ端子との間に下記するハイパスフィルタを挿入したものである。
【0016】
本発明は、アンテナとスイッチ回路との間の信号経路に、500MHz以下での静電サージを対策するハイパスフィルタ回路と、高調波信号を抑制するノッチ回路を備え、前記ハイパスフィルタ回路は、第1のインダクタと、第1の容量と、第2のインダクタと第2の容量とを備えた直列共振回路とを有し、前記第1のインダクタと前記直列共振回路はそれぞれ接地され、前記第1のインダクタと前記直列共振回路との間の信号経路に第1の容量が接続され、前記第1のインダクタと前記第1の容量とは200MHz以下の静電サージを減衰するように構成され、前記直列共振回路は共振周波数が100MHz〜500MHzとなるように構成されたことを特徴とするマルチバンドアンテナスイッチ回路である。
【0017】
本発明のマルチバンドアンテナスイッチ回路においては、アンテナ端子に接続された通過帯域の異なる信号を分波するダイプレクサと、前記ダイプレクサで分波された低周波数側の信号を複数の送受信端子へ切り換える第1のスイッチ回路と、前記ダイプレクサで分波された高周波数側の信号を複数の送受信端子へ切り換える第2のスイッチ回路を有する構成とし、前記ダイプレクサと前記第1のスイッチ回路との間、あるいは前記ダイプレクサと前記第2のスイッチ回路との間の少なくとも一方が前記ノッチフィルタを介して接続されるのが好ましい。
【0018】
また本発明のマルチバンドアンテナスイッチ回路においては、通過帯域の異なる信号を分波するダイプレクサと、前記ダイプレクサで分波された低周波数側の信号を複数の送受信端子へ切り換える第1のスイッチ回路と、前記ダイプレクサで分波された高周波数側の信号を複数の送受信端子へ切り換える第2のスイッチ回路を有するように構成し、前記ダイプレクサとアンテナ端子との間に前記ノッチフィルタを接続するのも好ましい。
【0019】
また、第2のスイッチ回路にデュプレクサを接続してもよい。
【0021】
また、本発明は、上記したマルチバンドアンテナスイッチ回路を構成する伝送線路および容量の一部を積層基板に内蔵し、前記マルチバンドアンテナスイッチ回路の一部を構成するスイッチ素子、および抵抗、容量、インダクタなどのチップ部品を積層基板上に搭載したことを特徴とするマルチバンドアンテナスイッチ積層モジュール複合部品である。
また、本発明は、上記したマルチバンドアンテナスイッチ回路又はマルチバンドアンテナスイッチ積層モジュール複合部品を用いたことを特徴とする通信装置である。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明のマルチバンドアンテナスイッチ回路は、ダイプレクサとスイッチ回路の間あるいはダイプレクサとアンテナ端子との間にノッチフィルタを挿入したものである。このノッチフィルタは、それぞれのスイッチ回路の送信端子に入力される高調波送信信号の周波数に減衰極を持つように設定したもので、例えば送信信号がW−CDMA送信信号(1920MHz〜1980MHz)の場合はW−CDMA送信信号の2倍あるいは3倍の周波数に減衰極をもつノッチフィルタとする。これによりスイッチ回路で発生した高調波歪みがノッチフィルタにより遮断されるため、アンテナから放射される高調波発生量は抑制される。ここでノッチフィルタを挿入する場所により、回路全体の整合が異なる場合がある。このためダイプレクサとスイッチ回路の間あるいはダイプレクサとアンテナ端子との間のうち、全体の整合が取れる方を、適宜選択する必要がある。
尚、ダイプレクサとスイッチ回路と送信端子との間の送信経路に接続されたローパスフィルタは、送信信号の増幅を行うパワーアンプで発生する高調波発生量を抑制する働きをする。よって、上記のノッチフィルタとローパスフィルタの両方が挿入された経路では、高調波発生量の抑制がさらに強化される。
【0023】
また、別のマルチバンドアンテナスイッチ回路によれば、GSM、DCS等の第1、第2の送受信端子に加えて、W−CDMAなどのシステムに対応した第3の送受信用の共通端子が得られる。この送受信共通端子に送受信信号の周波数差を利用して送信信号と受信信号を分波するデュプレクサDupを接続することにより、GSM、DCSなどのGSM系のシステムとW−CDMA系のシステムに対応したマルチバンドアンテナスイッチ回路が得られる。つまり、GSM系のシステムは、TDMA方式(Time Division Multiple Access:時分割多元接続)であり、W−CDMA系のシステムは、その名の通りCDMA方式(Code Division Multiple Access:符号分割多重接続)である。このため、本発明のマルチバンドアンテナスイッチ回路はマルチモード対応となっている。
【0024】
さらに、本発明のマルチバンドアンテナスイッチ回路では、少なくともダイプレクサとアンテナ端子の間にハイパスフィルタを挿入している。図12にその等価回路の一例を示す。このハイパスフィルタは、第1のインダクタL1と第1の容量C1により静電気放電によるサージ電圧をグランド側へ逃がし、さらに第2のインダクタL2とグランドに接続された第2の容量C2からなる直列共振回路により共振周波数帯での静電サージを効果的にグランドへ吸収すると共に、第1のインダクタL1、第1の容量C1、第2のインダクタL2、第2の容量C2の定数値を調整することにより900MHz帯域〜1.8GHz帯域までの広帯域での整合を取ることが出来る。
【0025】
また、本発明のマルチバンドアンテナスイッチ積層モジュール複合部品は、マルチバンドアンテナスイッチ回路を構成するダイプレクサとスイッチ回路の伝送線路および容量の一部を積層基板に内蔵し一体化するため、ダイプレクサとスイッチ回路の配線も積層基板の表面又は内部に形成され、配線による損失を低減でき、また両者間の整合調整が容易となる。一方、マルチバンドアンテナスイッチ回路の一部を構成するスイッチ素子、抵抗、容量およびインダクタなどのチップ部品は積層基板上に搭載することにより、小型で安価なマルチバンドアンテナスイッチ積層モジュール複合部品が得られる。
また、本発明のマルチバンドアンテナスイッチ積層モジュール複合部品とデュプレクサとを組み合わせることで、W−CDMAの送受信の切り換えにも対応でき、GSM系システムとCDMA系の異なるマルチプルアクセスにも対応した、携帯電話端末に適合したマルチモードのマルチバンドアンテナスイッチ回路を構築できる。
これらのマルチバンドアンテナスイッチ回路、又はマルチバンドアンテナスイッチ積層モジュール複合部品を用いた通信装置は装置の小型化と低消費電力仕様となる。
【0026】
以上のことより、本発明のマルチバンドアンテナスイッチ回路およびマルチバンドアンテナスイッチ積層モジュール複合部品並びに通信装置は、パワーアンプでの高調波発生量およびスイッチ回路での高調波発生量の抑制、GaAsスイッチやPINダイオード等の高周波部品の静電気破壊の保護及び小型化、低コスト化、低消費電力化を図ることができる。
【0027】
以下、本発明に係るマルチバンドアンテナスイッチ回路、およびマルチバンドアンテナスイッチ積層モジュール複合部品の実施形態について図面を参照して説明する。
(実施例1)
図1に本発明の一実施例である、EGSM、DCS、W−CDMA対応のトリプルバンドアンテナスイッチ回路のブロック図を示す。ダイプレクサDipはEGSM系(送信周波数:880〜915MHz、受信周波数:925〜960MHz)の880MHz〜960MHz帯の信号とDCS系(送信周波数:1710〜1785MHz、受信周波数:1805〜1880MHz)およびW−CDMA系(送信周波数:1920〜1980MHz、受信周波数:2110〜2170MHz)の1710MHz〜2170MHz帯のアンテナからの信号を分波する。スイッチ回路SW1は、ダイプレクサDipで分波されたEGSM系の信号を送信端子EGSM Txと受信端子EGSM Rxへ切り換える。スイッチ回路SW2は、ダイプレクサDipで分波されたDCS系およびW−CDMA系の信号を送信端子DCS Tx、受信端子DCS Rx及び送受信端子W−CDMAへ切り換える。第1のローパスフィルタLPF1は、EGSM側のパワーアンプから入力される送信信号に含まれる高次高調波歪みを抑制するため、EGSM送信信号を通過し、EGSM送信信号の2倍以上の周波数を十分に減衰するような特性のフィルタが用いられる。同様に第2のローパスフィルタLPF2は、DCS側のパワーアンプから入力される送信信号に含まれる高次高調波歪みを抑制するため、DCS送信信号を通過し、DCS送信信号の2倍以上の周波数を十分に減衰するような特性のフィルタが用いられる。よって、パワーアンプで発生される高調波歪みが第1、第2のローパスフィルタLPF1、LPF2により低減される。さらに、ノッチフィルタNFは第2の高周波スイッチSW2で発生する高調波歪みを低減するために、W−CDMA送信信号の2倍あるいは3倍の周波数に減衰極をもつノッチフィルタが用いられ、スイッチ回路からの高調波発生量を低減している。これらによりアンテナANTから放射される高調波発生量を低減できている。また、ここでのスイッチ回路SW1、SW2はPINダイオードを使用したが、このようなダイオードスイッチ回路の他にGaAsスイッチも使用できる。一般的にPINダイオードを使用したスイッチ回路はGaAsスイッチと比較して低コストで回路を構築できるというメリットがあり、逆にGaAsスイッチはPINダイオードを使用したスイッチ回路と比較すると低消費電力化が可能になるというメリットがあるので、これらの特徴を生かすように選択することが望ましい。
【0028】
図2に本実施例の具体的な等価回路の一例を示した。ここで、本実施例におけるEGSM、DCS、W−CDMAの各動作モードとコントロール電源の関係は表1に示した通りである。
ダイプレクサDipは、伝送線路L1〜L4および容量C1〜C4により構成される。伝送線路L2と容量C1は直列共振回路を形成し、DCSおよびW−CDMA帯域に共振周波数を持つように設計することが望ましい。本実施例では1.9GHzに減衰極をあわせた。また、伝送線路L4と容量C3は直列共振回路を形成し、EGSM帯域に共振周波数を持つように設計することが望ましい。本実施例では0.9GHzに減衰極をあわせた。この回路により、EGSM系の信号とDCS系、W−CDMA系の信号とを分波合成することが可能となる。伝送線路L1、L3はDCS系、W−CDMA系の信号の周波数にとって高インピーダンスになるようにある程度の長さに設定するのが好ましい。これによりDCS系、W−CDMA系の信号がEGSM系の経路へ伝送しにくくなる。逆に容量C2、C4はEGSM系の信号の周波数にとって高インピーダンスになるように比較的小さい容量値に設定されるのが好ましい。これによりEGSM系の信号がDCS/WCDMA系の経路へ伝送しにくくなる。
【0029】
第1のスイッチ回路SW1は、容量C5、C6、伝送線路L5、L6、PINダイオードD1、D2、および抵抗R1により構成される。伝送線路L5、L6はEGSMの送信周波数帯においてλ/4共振器となるように伝送線路の長さを設定する。ただし、伝送線路L5はEGSMの送信周波数においてグランドレベルがオープン(高インピーダンス状態)に見える程度のチョークコイルでも代用可能である。この場合インダクタンス値は10〜100nH程度が望ましい。抵抗R1はコントロール電源VC1がHigh状態での第1、第2のダイオードD1、D2に流れる電流を決定する。本実施例では100Ω〜200Ωを使用した。容量C5、C6はコントロール電源のDCカットのために必要である。コントロール電源VC1がHighの時にはPINダイオードD2には接続ワイヤなどの寄生インダクタンスが存在するため、これを打ち消すように容量C6と直列共振させる。容量C6の容量値は適宜設定する。
以上によりコントロール電源VC1がHighの時には、第1、第2のダイオードD1、D2は共にONとなり、第2のダイオードD2と伝送線路L6の接続点がグランドレベルとなり、λ/4共振器である伝送線路L6の反対側のインピーダンスが無限大となる。したがって、コントロール電源VC1がHighの時にはダイプレクサDip〜EGSM受信端子EGSM Rx間の経路では信号は通過できず、ダイプレクサDip〜EGSM送信端子EGSM Tx間の経路では信号が通過しやすくなる。一方、コントロール電源VC1がLowの時には第1のダイオードD1もOFFとなりダイプレクサDip〜EGSM送信端子EGSM Tx間の経路では信号は通過できず、また第2のダイオードD2もOFFであるので、ダイプレクサDip〜EGSM受信端子EGSM Rx間の経路では信号が通過しやすくなる。以上の構成により、EGSM信号の送受信の切り換えが可能となる。
【0030】
第2のスイッチ回路SW2は、容量C7〜C10、伝送線路L7〜L10、PINダイオードD3〜D6、および抵抗R2、R3により構成される。伝送線路L7〜L10はDCS〜W−CDMAの信号の周波数においてλ/4共振器となるように伝送線路の長さを設定する。ただし、伝送線路L7、L9はそれぞれDCSの送信周波数において、W−CDMAの送信周波数においてグランドレベルがオープン(高インピーダンス状態)に見える程度のチョークコイルでも代用可能である。この場合インダクタンス値は5〜60nH程度が望ましい。抵抗R2はコントロール電源VC2がHigh状態での第3、第4のダイオードD3、D4に流れる電流を決定する。本実施例では100Ω〜200Ωを使用した。抵抗R3はコントロール電源VC3がHigh状態での第5、第6のダイオードD5、D6に流れる電流を決定する。本実施例では100Ω〜2kΩを使用した。容量C7、C8、C10はコントロール電源のDCカットのために必要である。またコントロール電源VC2がHighの時にはPINダイオードD4には接続ワイヤなどの寄生インダクタンスが存在するため、容量C7と直列共振するように容量C7の容量値を設定する。
以上によりコントロール電源VC2がHighの時には、第3、第4のダイオードD3、D4は共にONとなり、第4のダイオードD4と伝送線路L8の接続点がグランドレベルとなり、λ/4共振器である伝送線路L8の反対側のインピーダンスが無限大となる。したがって、コントロール電源VC2がHighの時にはダイプレクサDip〜DCS受信端子DCS RxおよびダイプレクサDip〜W−CDMA送受信端子W−CDMA間の経路では信号は通過できず、ダイプレクサDip〜DCS送信端子DCS Tx間の経路では信号が通過しやすくなる。一方、コントロール端子VC2がLowの時には第3のダイオードD3もOFFとなりダイプレクサDip〜DCS送信端子DCS Tx間の経路では信号は通過できず、また第4のダイオードD4もOFFであるのでダイプレクサDip〜DCS受信端子DCS RxおよびダイプレクサDip〜W−CDMA送受信端子間の経路では信号が通過しやすくなる。
【0031】
また、コントロール端子VC3がHighの時には、PINダイオードD6には接続ワイヤなどの寄生インダクタンスが存在するため、容量C10と直列共振するように容量C10の容量値を設定する。これによりコントロール端子VC3がHighの時には、第5、第6のダイオードD5、D6は共にONとなり、第6のダイオードD6と伝送線路L10の接続点がグランドレベルとなり、λ/4共振器である伝送線路L10の反対側のインピーダンスが無限大となる。したがって、コントロール端子VC3がHighの時にはW−CDMA送受信端子間の経路には信号は通過できず、また第6のダイオードD6もOFFであるのでDCS受信端子DCS Rx間の経路では信号が通過しやすくなる。逆にコントロール端子VC3がLowの時には第5のダイオードD5もOFFとなり、DCS受信端子DCS Rx間の経路には信号は通過できず、W−CDMA送受信端子W−CDMA間の経路では信号が通過しやすくなる。以上の構成により、コントロール端子VC2がHighの時にはDCS送信端子DCS Txへ、コントロール端子VC2、VC3がそれぞれLow、Highの時にはDCS受信端子DCS Rxへ、コントロール端子VC2およびコントロール端子VC3がLowの時にはW−CDMA送受信端子W−CDMAへの切り換えが可能となる。
【0032】
第1のローパスフィルタLPF1は、伝送線路L11および容量C11〜C13より構成されるπ型のローパスフィルタである。ここでL11とC11は並列共振回路を構成し、その共振周波数はEGSMの送信周波数の2倍もしくは3倍の周波数に設定する。本実施例では3倍の2.7GHzに設定した。以上の構成によりパワーアンプから入力されるEGSM側の送信信号に含まれる高調波歪みを除去できる。
図2において、第1のローパスフィルタLPF1は第1の高周波スイッチSW1の第1のダイオードD1と伝送線路L5の間に配置しているが、これはダイプレクサDipと第1の高周波スイッチSW1との間に配置しても良いし、前記伝送線路L5とEGSM送信端子EGSM Txとの間に配置しても良い。前記第1のローパスフィルタLPF1のグランドに接続する容量を伝送線路L5と並列に配置すれば、並列共振回路を構成することとなり、伝送線路L5の線路長をλ/4よりも短く構成でき、またチョークコイルのインダクタンス値を小さくすることが出来る。
【0033】
第2のローパスフィルタLPF2は、伝送線路L12および容量C14〜C16より構成されるπ型のローパスフィルタである。ここで伝送線路L12と容量C14は並列共振回路を構成し、その共振周波数はDCS送信周波数の2倍もしくは3倍の周波数に設定する。本実施例では2倍の3.6GHzに設定した。以上の構成によりパワーアンプから入力されるDCS側の送信信号に含まれる高調波歪みを除去できる。
第2のローパスフィルタLPF2も第1のローパスフィルタLPF1と同様に、ダイプレクサDipと第2の高周波スイッチSW2との間に配置しても良いし、前記伝送線路L7とDCS送信端子DCS Txとの間に配置しても良い。
図2の実施例では第1、第2のローパスフィルタLPF1、LPF2は、ダイオードD1と伝送線路L5との間、及びダイオードD3と伝送線路L7との間に構成されて、スイッチ回路の中に設けられている。これは回路設計上好ましいが必須ではない。ローパスフィルタは送信信号が通過するダイプレクサ〜送信端子との間の送信経路のどこかの位置に設けてあれば良い。
【0034】
ダイプレクサDipと第2のスイッチ回路SW2の間に接続されたノッチフィルタNFは、伝送線路L13および容量C17より構成される。ここで伝送線路L13と容量C17は並列共振回路を構成し、その共振周波数はW−CDMA送信周波数の2倍もしくは3倍の周波数に設定する。本実施例では2倍の3.9GHzに設定した。W−CDMAモードにおいてはコントロール電源VC2およびコントロール電源VC3がLowとなり、W−CDMAの経路にはOFF状態のダイオードD3〜D6が接続された状態となる。したがって、高電力のWCDMA送信信号が入力されるとダイオードの非線形性より大きな高調波歪みが発生する。しかし、本実施例ではダイプレクサDipと高周波スイッチSW2の間に接続されたノッチフィルタNFにより高調波歪みが除去されるため、アンテナからの高調波発生量を抑制することができる。
【0035】
さらに、DCSの送信周波数の2倍の周波数が3.5GHzであるのに対し、ノッチフィルタNFの共振周波数が3.9GHzと比較的近いところに減衰極があるため、DCSの送信周波数の2倍高調波発生量も同時に抑制することができる。表2に図19の従来技術による回路と図2に示した本発明の回路との特性比較を示した。本実施例ではDCSの送信周波数の2倍および3倍高調波発生量、W−CDMAの送信周波数の2倍および3倍高調波発生量ともに従来技術と比較して15dBc以上の改善効果が得られた。
【0036】
【表2】
【0037】
なお、図1のノッチフィルタNFは図6のような伝送線路と容量の並列共振回路だけではなく、図7に示した伝送線路と容量の直列共振でも実現可能である。本実施例ではマッチングの関係で、並列共振回路を適用したが、直列共振回路の方が通過帯域の信号の通過経路に直列に伝送線路が追加されることがなく、抵抗損失に伴う挿入損失の劣化が少なくて済む。
【0038】
(実施例2)
図3は本発明の他の一実施例である、EGSM、DCS、W−CDMA対応のアンテナスイッチ回路のブロック図を示す。この実施例では実施例1の回路に加えて、ダイプレクサDipと第1のスイッチ回路SW1の間に第1のノッチフィルタNF1が挿入されている。NF1は図6および図7にそれぞれ示した並列共振回路及び/又は直列共振回路を使用することができる。この場合、共振周波数はEGSMの送信周波数の2倍もしくは3倍の周波数に設定するのが好ましい。本実施例により第1の高周波スイッチSW1で発生する高調波歪みをノッチフィルタNF1が除去するため、アンテナからの高調波発生量をさらに抑制することができる。
【0039】
(実施例3)
図4は本発明の他の一実施例である、EGSM、DCS、W−CDMA対応のアンテナスイッチ回路のブロック図を示す。この実施例では図18の従来の回路に加えて、アンテナ端子ANTとダイプレクサDipの間にノッチフィルタNFを挿入した回路構成になっている。ここでの第1、第2のスイッチ回路SW1、SW2はPINダイオードを使用したスイッチ回路の他に第1のスイッチ回路SW1をSPDT(Single Pole Dual Throw)、SW2をSP3T(Single Pole 3 Throw)と呼ばれるGaAsスイッチも使用できる。一般的にGaAsスイッチはPINダイオードを使用したスイッチ回路と比較すると低消費電力化が可能になるというメリットがある。
ノッチフィルタNFは図6および図7にそれぞれ示した並列共振回路または直列共振回路を使用することができる。この場合、共振周波数はW−CDMAの送信周波数の2倍もしくは3倍の周波数に設定するのが好ましい。本実施例により第2の高周波スイッチSW2で発生するW−CDMA信号の高調波歪みをノッチフィルタNFが除去するため、アンテナからの高調波発生量を抑制することができる。
【0040】
また、本実施例のノッチフィルタNFの共振周波数をW−CDMA送信周波数の2倍の周波数(3.9GHz)に設定した場合、DCS送信周波数の2倍の周波数(3.6GHz)およびEGSM送信周波数の4倍の周波数(3.4GHz)と比較的近くに減衰極を設けることができる。このため、W−CDMA送信周波数の2倍、DCS送信周波数の2倍、およびEGSM送信周波数の4倍の高次高調波発生量を同時に抑制することが可能となる。
さらに、本実施例のノッチフィルタNFにバラクタダイオードなどの可変容量やPINダイオードなどを組み込んだ減衰極を外部信号でコントロールできる可変ノッチフィルタを使用することも可能である。これによりノッチフィルタの減衰極をEGSM、DCS、W−CDMAそれぞれの動作モードに最適な周波数に調整可能となるため、高調波発生量を最小限に抑制することが可能となる。
【0041】
(実施例4)
図5に本発明の一実施例である、EGSM、DCS、W−CDMA対応のアンテナスイッチ回路のブロック図を示す。この実施例では実施例1の回路に加えて、W−CDMA送受信端子にW−CDMAの送受信信号を周波数的に切り換えるデュプレクサDupを接続した回路構成になっている。この場合、デュプレクサDupはW−CDMA帯域(1920MHz〜2170MHz)の送受信信号を送信信号と受信信号の周波数で分波し、W−CDMAの送信と受信を切り換えることができる。すなわちSW2を下端のW−CDMAに接続したときにはW−CDMAの送受信の切り換えはDupで可能となり、それ以外の接続ではEGSMまたはDCSの送受信が選択される。これによりTDMA系とCDMA系の異なるシステムにも対応した携帯電話端末に適合したマルチバンドアンテナスイッチ回路を構築できる。
【0042】
次に、上述してきたマルチバンドアンテナスイッチ回路において静電サージの対策をとることが望ましいことは言うまでもない。特にGaAs FETを用いたスイッチ回路ではPINダイオードに比べて静電気破壊に対して弱いという一面がある。これを対策するハイパスフィルタについて以下に説明する。
図12はそのハイパスフィルタの一実施例を示す等価回路図である。インダクタL1は入力端子P1とグランドとの間に接続され、容量C1は入力端子P1と出力端子P2との間に挿入され、さらにインダクタL2と容量C2からなる直列共振回路が出力端子P2とグランドとの間に接続されている。この場合、インダクタL1と容量C1の値を適宜選択することによって静電サージをグランドへ逃がし、高周波信号については低損失で伝達するようなハイパスフィルタが構成される。ここでインダクタL1は50nH以下、容量C1は10pF以下が望ましい。これにより約200MHz以下の静電サージをグランドへ逃がすことができる。また、インダクタL2および容量C2からなる直列共振回路は、その共振周波数が100MHz〜500MHzの間に設定されるようにインダクタL2、容量C2の値を設定する。この場合容量C2は10pF以上、インダクタL2は50nH以下が望ましい。これにより共振周波数前後の周波数の静電サージをグランドへ逃がすことができる。以上により200MHz以下と100MHz〜500MHz前後のサージ効果を合成することができており、静電破壊で問題となる約500MHz以下での静電サージを十分にグランドへ吸収することができ、静電サージ対策をより効率的に行うことが出来る。
【0043】
図13は静電サージ対策用ハイパスフィルタ回路の他の実施例である。図においてインダクタL1、L2、容量C1、C2の構成は図12に示したものと同じである。ここでは、容量C1と出力端子P2の間に容量C3とインダクタL3から構成される並列共振回路が挿入されている点が異なる。この並列共振回路はノッチフィルタとして機能し、通過する信号のN倍(Nは2以上の自然数)の周波数に減衰極を持つように設定することにより、アンテナから発信する高調波ノイズ信号を除去する働きをする。また、ハイパスフィルタを構成するインダクタL1、L2、容量C1、C2、に加えて容量C3、インダクタL3も整合回路の一部として機能するため、調整箇所が増えることになり回路全体の整合がより容易に調整可能となる。
【0044】
実際の携帯端末で起こりうる静電サージによる破壊は、人体が帯電した状態で携帯端末のアンテナに接触した場合が想定される。この状況を実験的に再現する方法としてHuman Body Modelが一般的に用いられる。このモデルより人体からのサージ波形はDC〜300MHzまでの周波数成分が支配的であることが知られている。よって、静電サージ対策部品としてはDC〜300MHzまでを除去でき、尚且つ高周波信号を低損失で伝送できるハイパスフィルタが理想的であると言える。そこで、本発明の図12の静電サージ対策回路と図16(a)(b)で示した従来の対策回路についてDC〜2GHzまでの減衰特性を測定した。図14に減衰特性を、図15に反射特性をそれぞれ示す。特性比較として、通過させる信号は900MHz帯域、1800MHz帯域を想定し、図15に示すようにそれぞれの帯域での反射特性V.S.W.Rが1.5以下となるように設定した。図14の減衰特性より静電破壊で問題となる300MHz以下の周波数帯での減衰量は、図16(a)(b)の静電サージ対策回路では5dB以下であるのに対し、本発明の図12の静電サージ対策回路では30dB以上であり、こちらの静電サージ対策回路の方が25dB強(17倍以上)の減衰量(静電サージ除去効果)が確保できることが確認できた。
【0045】
(実施例5)
図8はEGSM、DAMPS(送信周波数:824〜849MHz、受信周波数:869〜894MHz)、DCS、PCS、W−CDMA対応のアンテナスイッチ回路のブロック図を示す。第1のスイッチ回路SW1はEGSM及びDAMPSの送信端子、EGSMの受信端子、DAMPSの受信端子へ切り換えを行う。第2のスイッチ回路SW2はDCS及びPCSの送信端子、DCSの受信端子、PCSの受信端子、W−CDMAの送受信端子へ切り換えを行う。ノッチフィルタNF2はDCS、PCS、W−CDMAの送信帯域の2倍もしくは3倍の周波数に設定するのが好ましい。本実施例では2倍の周波数として3.7GHzに減衰極をもつノッチフィルタNFを採用した。これにより、DCS/PCS/W−CDMAの3つの送信モードにおいて、アンテナからの高調波発生量を同時に抑制することが可能となる。ノッチフィルタNF1はEGSM、DAMPSの送信帯域の2倍もしくは3倍の周波数に設定するのが好ましい。本実施例では2倍の周波数として1.7GHzに減衰極をもつノッチフィルタNFを採用した。なお、SW1、SW2はPINダイオードを使用したスイッチでも可能であるが、本実施例ではSW1としてSP3T、SW2としてSP4TのGaAsスイッチを使用した。
【0046】
静電サージ対策回路はアンテナ端子ANTとダイプレクサDipの間に挿入され、アンテナから入力された静電サージをグランドへ吸収する。点線枠内に示したインダクタL3と容量C3で構成される並列共振回路はオプションであるが、この並列共振回路を設けた場合は、減衰極をDCSとPCSの送信周波数の2倍の周波数(3420MHz〜3820MHz)に調整することにより、EGSM送信周波数の4倍の周波数(3520MHz〜3660MHz)とDAMPS送信周波数の4倍の周波数(3296MHz〜3396MHz)もほぼ同時に減衰させることができるため、DCSとPCS送信周波数の2倍波減衰量、EGSMG/DAMPSの送信信号の4倍波減衰量を同時に減衰させることができる。また並列共振回路を構成するインダクタL3、容量C3は整合回路としての機能も兼ね備えているため、アンテナスイッチ全体のマッチング調整用としても有用である。
以上により、SP3Tスイッチ、SP4Tスイッチ、送信端子に接続されるパワーアンプ、受信端子に接続されるローノイズアンプなどの回路を静電サージから効率的に保護することが出来る。
【0047】
図9は上述した図4のEGSM、DCS、W−CDMA対応のアンテナスイッチ回路に静電サージ対策回路を挿入した例を示している。図4におけるノッチフィルタNFとアンテナ端子ANTとの間に図13の静電サージ対策回路を挿入したものであるが、この実施例ではインダクタL3と容量C3で構成される並列共振回路の共振周波数をW−CDMAの送信周波数の2倍の周波数(3.9GHz)に設定し、これをノッチフィルタNFとしている。従って、インダクタL1と容量C1及びインダクタL2と容量C2からなる回路で500MHz以下の静電サージを対策し、インダクタL3と容量C3の並列共振回路でGHz帯のノッチフィルタとして兼用している。
他の実施例でも静電サージ対策回路を挿入することができる。但し、上記した例では静電サージ対策回路をアンテナトップに接続する場合を想定して述べているが、この静電サージ対策回路は900MHz〜2GHzまで十分広い帯域で整合がとれると言う特徴があり、アンテナトップだけでなく複数の場所に挿入することが可能である。例えばダイプレクサDipとノッチフィルタNFの間、ダイプレクサDipと高周波スイッチSWの間、高周波スイッチSWとローパスフィルタLPFの間、高周波スイッチSWとデュプレクサDupの間、またはダイプレクサDipと弾性表面波フィルタSAWの間などに適宜挿入してもよい。
【0048】
次に、本発明におけるダイプレクサやスイッチ回路、ローパスフィルタおよびノッチフィルタを構成する伝送線路および容量の一部を誘電体積層基板に内蔵し、スイッチ回路の一部を構成するPINダイオードやGaAsスイッチなどのスイッチ素子、および抵抗、容量、インダクタなどのチップ部品を誘電体積層基板上に搭載することにより、小型で安価なマルチバンドアンテナスイッチ積層モジュール複合部品が得られる。
【0049】
図10は図2の等価回路で示されるアンテナスイッチ積層モジュール複合部品の積層体を構成するグリーンシートおよび電極パターンを示す図である。グリーンシート1〜12は上から順番に積層されている。最後のシート13はグリーンシート12の裏面である。グリーンシート1にはダイオード、チップ抵抗、チップコンデンサを搭載するためのランド電極14およびメタルシールド(金属ケース)を搭載するためのランド電極16が印刷されている。また異なるグリーンシートに形成された電極パターン同士を接続するビアホール電極15(図中黒丸で表示)を形成している。シート13(グリーンシート12の底面)にはグランド端子61〜67、アンテナ端子68、EGSM送信端子69、DCS送信端子70、W−CDMA送受信端子71、DCS受信端子72、EGSM受信端子73、および電源端子74〜76が形成されている。グリーンシート2、3、4、9、10には主に伝送線路となるライン電極パターンが印刷されており、グリーンシート5、6、7、8、11には主に容量を形成する容量用の電極パターンが印刷されている。また、グリーンシート6、8、12にはグランド電極17〜19が印刷されている。
【0050】
以下では図2の等価回路との対応を説明する。図10において、20〜28はダイプレクサDipを構成する伝送線路で21と23でL1、25と27でL2、20と22でL3、26と28でL4を形成している。45〜50はダイプレクサDipを構成する容量用の電極パターンに対応し45と46でC2、47と48でC4、49と17でC1、50と17でC3を形成している。29〜34はスイッチ回路SW1を構成する伝送線路で29と30でL11、31と32でL533と34でL6を形成している。51〜54はスイッチ回路SW1を構成する容量用の電極パターンに対応し51と52でC11、53と18でC12、52と18でC1354と18でC6を形成している。35〜43はスイッチ回路SW2を構成する伝送線路で35と36でL12、37でL7、38と41でL10、39と42でL9、40と43でL8を形成している。55〜59はスイッチ回路SW2を構成する容量用の電極パターンに対応し55と58でC14、56と19でC10、57と19でC7、58と18でC15、59と17でC16を形成している。44はノッチフィルタNFを構成する伝送線路、60はノッチ回路NFを構成する容量用の電極パターンに対応する。またスルーホール電極15は各シート間の電気的な接続を行う。
【0051】
本実施例で使用したグリーンシートは950℃以下の低温焼成が可能なセラミック誘電材料を用いており、伝送線路、容量を形成しやすいように、シート厚みが40〜200μmのものを使用した。このセラミックグリーンシート1〜12を積層し、側面電極77を印刷した後に、950℃で焼成することにより、アンテナスイッチ積層モジュール複合部品の積層体が得られる。さらに、図11に示すように積層体上にダイオード78、チップ抵抗79、チップコンデンサ80を実装することにより、図2の等価回路で示されるアンテナスイッチ積層モジュール複合部品が得られる。
【0052】
(その他の実施例)
上記した以外にもPDC800帯域(810〜960MHz)、GPS帯域(1575.42MHz)、PHS帯域(1895〜1920MHz)、Bluetooth帯域(2400〜2484MHz)や、米国で普及が見込まれるCDMA2000、中国で普及が見込まれるTD−SCDMAなどを組み合わせたマルチバンドアンテナスイッチ回路の場合も同様の効果が期待できる。したがって、本発明によれば高調波発生量を抑制し静電気破壊を防止した、デュアルバンド、3バンド、4バンド、5バンド等のマルチモードマルチバンドのアンテナスイッチ回路が得られる。そして、これらの機能を積層体内に集約することができ、このような積層体モジュールを用いた携帯電話などの通信機器は小型で低消費電力化が可能となる。
【0053】
【発明の効果】
本発明によると、ダイプレクサとスイッチ回路の間またはアンテナとダイプレクサの間にノッチフィルタを挿入することにより、パワーアンプでの高調波発生量およびスイッチ回路での高調波発生量を抑制することができる。
また、静電サージ対策回路を用いればアンテナ端子からの静電サージをグランドに逃がし、かつ広範囲の周波数帯に対して静電サージを吸収し、より完全に静電気破壊対策ができる。
また、ダイプレクサとスイッチ回路の伝送線路および容量の一部を積層基板に内蔵し一体化するため、ダイプレクサとスイッチ回路との配線も積層基板の表面又は内部に形成され、配線による損失を低減し、また両者間の整合調整が容易となる。さらに、スイッチ素子、抵抗、容量およびインダクタなどのチップ部品は積層基板上に搭載するので、一層小型で安価な積層モジュール複合部品となる。
以上によりこれらのマルチバンドアンテナスイッチ回路、又はマルチバンドアンテナスイッチ積層モジュール複合部品を用いた通信装置は、従来の装置と比較して小型化と低消費電力が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るEGSM、DCS、W−CDMA対応アンテナスイッチ回路のブロック図である。
【図2】 本発明に係るEGSM、DCS、W−CDMA対応アンテナスイッチ回路の等価回路図である。
【図3】 本発明に係る他の実施例で、EGSM、DCS、W−CDMA対応アンテナスイッチ回路のブロック図である。
【図4】 本発明に係る他の実施例で、EGSM、DCS、W−CDMA対応アンテナスイッチ回路のブロック図である。
【図5】 本発明に係る他の実施例で、EGSM、DCS、W−CDMA対応アンテナスイッチ回路のブロック図である。
【図6】 本発明に用いるノッチフィルタ回路の一例である。
【図7】 本発明に用いるノッチフィルタ回路の一例である。
【図8】 本発明に係る他の実施例で、EGSM、DAMPS、DCS、PCS、W−CDMA対応アンテナスイッチ回路のブロック図に静電サージ対策回路を設けた図である。
【図9】 本発明に係る他の実施例で、EGSM、DCS、W−CDMA対応アンテナスイッチ回路のブロック図に静電サージ対策回路を設けた図である。
【図10】 図2の等価回路で示されるアンテナスイッチ複合部品の積層体を構成するグリーンシートの電極パターンを示す図である。
【図11】 図2の等価回路で示されるアンテナスイッチ複合部品の斜視図である。
【図12】 本発明に係る静電サージ対策用ハイパスフィルタの実施例の等価回路図である。
【図13】 本発明に係る他の静電サージ対策用ハイパスフィルタの等価回路図である。
【図14】 本発明の静電サージ対策回路の減衰特性を示す図である。
【図15】 本発明の静電サージ対策回路の反射特性を示す図である。
【図16】 従来の静電サージ対策回路を示す等価回路図である。
【図17】 PINダイオードの動作点を示す図である。
【図18】 従来のEGSM、DCS、W−CDMA対応アンテナスイッチ回路の等価回路である。
【図19】 従来のEGSM、DCS、W−CDMA対応アンテナスイッチ回路のブロック図である。
【符号の説明】
ANT:アンテナ
Dip:ダイプレクサ
LPF1、LPF2:ローパスフィルタ
SW1、SW2:スイッチ回路
NF、NF1、NF2:ノッチフィルタ
Dup:デュプレクサ
L、L1〜L13:伝送線路またはインダクタ
C、C1〜C17:容量
D1〜D6:PINダイオード
R1〜R3:抵抗
VC1〜VC3:コントロール電源
1〜12:誘電体積層シート
13:アンテナスイッチ積層部品の底面の電極パターン
14:搭載部品のランド電極
15:スルーホール電極
16:メタルシールド用ランド電極
17〜19:グランド電極
20〜44:ライン電極
45〜60:容量電極
61〜67:グランド端子
68:アンテナ端子
69:EGSM送信端子
70:DCS送信端子
71:W−CDMA送受信端子
72:DCS受信端子
73:EGSM受信端子
74〜76:電源端子
77:側面電極端子
78:PINダイオード
79:チップ抵抗
80:チップコンデンサ
Claims (6)
- アンテナとスイッチ回路との間の信号経路に、500MHz以下での静電サージを対策するハイパスフィルタ回路と、高調波信号を抑制するノッチ回路を備え、
前記ハイパスフィルタ回路は、第1のインダクタと、第1の容量と、第2のインダクタと第2の容量とを備えた直列共振回路とを有し、前記第1のインダクタと前記直列共振回路はそれぞれ接地され、前記第1のインダクタと前記直列共振回路との間の信号経路に第1の容量が接続され、
前記第1のインダクタと前記第1の容量とは200MHz以下の静電サージを減衰するように構成され、前記直列共振回路は共振周波数が100MHz〜500MHzとなるように構成されたことを特徴とするマルチバンドアンテナスイッチ回路。 - アンテナ端子に接続された通過帯域の異なる信号を分波するダイプレクサと、
前記ダイプレクサで分波された低周波数側の信号を複数の送受信端子へ切り換える第1のスイッチ回路と、前記ダイプレクサで分波された高周波数側の信号を複数の送受信端子へ切り換える第2のスイッチ回路を有し、
前記ダイプレクサと前記第1のスイッチ回路との間、あるいは前記ダイプレクサと前記第2のスイッチ回路との間の少なくとも一方が前記ノッチフィルタを介して接続されたことを特徴とする請求項1に記載のマルチバンドアンテナスイッチ回路。 - 通過帯域の異なる信号を分波するダイプレクサと、
前記ダイプレクサで分波された低周波数側の信号を複数の送受信端子へ切り換える第1のスイッチ回路と、前記ダイプレクサで分波された高周波数側の信号を複数の送受信端子へ切り換える第2のスイッチ回路を有し、
前記ダイプレクサとアンテナ端子との間に前記ノッチフィルタが接続されたことを特徴とする請求項1に記載のマルチバンドアンテナスイッチ回路。 - 請求項2または3記載のマルチバンドアンテナスイッチ回路において、第2のスイッチ回路にデュプレクサを接続したことを特徴とするマルチバンドアンテナスイッチ回路。
- 請求項1〜4の何れかに記載のマルチバンドアンテナスイッチ回路を構成する伝送線路および容量の一部を積層基板に内蔵し、前記マルチバンドアンテナスイッチ回路の一部を構成するスイッチ素子、および抵抗、容量、インダクタなどのチップ部品を積層基板上に搭載したことを特徴とするマルチバンドアンテナスイッチ積層モジュール複合部品。
- 前記請求項1〜4のいずれかに記載のマルチバンドアンテナスイッチ回路、又は請求項5記載のマルチバンドアンテナスイッチ積層モジュール複合部品を用いたことを特徴とする通信装置。
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