JP2005020140A - アンテナスイッチモジュール及びそれを用いた無線電話通信装置 - Google Patents

アンテナスイッチモジュール及びそれを用いた無線電話通信装置 Download PDF

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惠哉 青山
Kazuhiro Yamada
和弘 山田
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Abstract

【課題】アンテナスイッチの整合性能並びにフィルタ性能を向上できるアンテナスイッチモジュールを安価に提供する。
【解決手段】高周波トランジスタスイッチ42ICの使用に伴なって発生するインピーダンス問題を解決するために、各通信バンドに対応して設けられている複数の個別整合回路を省いて、アンテナと高周波スイッチの間において共用的に作用する共通整合回路47を設け、アンテナ伝送路のインピーダンスと高周波トランジスタスイッチ42IC側のインピーダンスを整合させることで、課題を解決している。
【選択図】図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、無線電話端末に使用するアンテナスイッチモジュールとそれを用いた無線電話端末に関する。なお、本発明の適用対象となる無線電話端末は、無線電話回線網を利用して双方向通信を行なう装置全般を意味し、携帯電話機やPHS(Personal Handy phone System)などの一般的な意味での無線電話器はもちろん、端末機能を組み込んだ電話機や逆に電話回線接続機能を有した可搬型コンピュータなどの携帯型端末装置、無線電話回線接続用モデム、及び該モデムを組み込んだ可搬型コンピュータなども概念として包含する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】
特開2000−278168号公報
【0003】
高周波スイッチとして従来、PINダイオードを用いたダイオードスイッチが用いられてきたが、バイアス回路が必要なため回路が複雑であり、モジュールの軽薄短小が求められる近年の傾向に逆行する問題がある。特に近年の無線電話端末においては、使用される国によって地域によって通信方式が異なる場合が多々あり、1台の電話機で通信方式の異なる、複数の通信バンドの送受信を取り扱うことのできる、マルチバンド電話機の需用が高まり、その電話機は市場において急速に普及しつつある。このようなマルチバンド電話機では、スイッチの複雑化及び大型化の影響が特に著しい。そこで特許文献1には、上記のごとく、ダイオードスイッチに代えてGaAsFETなどからなる高周波トランジスタを用いたスイッチモジュールが開示されている。従来、上記の高周波スイッチをダイオードスイッチからGaAsスイッチに置き換えると、スイッチのON/OFFのアイソレーションが向上すると共に、高レベルの受信信号に対して、スイッチの直線性に伴なう伝送歪を低減できるというメリットがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来多用されているダイオードスイッチモジュールにおいては、配線部分を小型の積層体基板(例えばセラミック積層体基板)にて構成し、ダイオードや大形のコイルないしコンデンサなど、基板への内層が不能あるいは困難な素子類を基板上への面実装素子として配置した構成が採用されている。積層体基板には、上記の配線部分の他、電源用あるいはグランド用の面導体のほか、ダイオードスイッチのバイアス回路の一部などが内層される。また、マルチバンド電話機の場合、アンテナが受信する信号を低周波側の信号と高周波側の信号とに切り分けるダイプレクサも積層体基板内部に組み込まれる。このような構成のダイオードスイッチモジュールは、これに接続されるアンテナや送受信回路などとの整合を考慮して、基板と面実装素子との複合インピーダンスを、標準値(例、伝送経路の特性インピーダンス:50Ω)に合わせ込む形で設計がなされる。特に積層体基板側は上記ごとく構成要素が多いため、インピーダンス整合上考慮すべき因子も多岐にわたる。
【0005】
上記のダイオードスイッチモジュールにおいて、ダイオードスイッチをトランジスタスイッチで置き換えようとした場合、スイッチの主要な構成要素である高周波トランジスタを、積層体基板上への実装素子として取り扱う必要がある。高周波トランジスタとして市販の素子を採用する場合、対応周波数でのインピーダンスが予め標準値に合わせこまれていることが多い。そこで、この高周波トランジスタと積層体基板とのインピーダンス整合を新たに考慮する必要が生ずるが、ダイオードスイッチを実装対象として設計されている従来の積層体基板は当然、高周波トランジスタとのインピーダンス整合等に関して特段配慮されているはずがない。従って、スイッチ部分(バイアス回路を含む)を除いた基本回路構成がほとんど同じであるにもかかわらず、高周波トランジスタとのインピーダンス整合に配慮した積層体基板を新たに設計しなおさなければならなくなり、製品納期の長期化などさまざまな弊害につながる問題がある。本発明の課題は、高周波トランジスタを装着した積層体基板側の大幅な設計変更を避けつつも、高周波トランジスタと積層体基板とのインピーダンスの不整合を効率よく解決し,かつ,積層体基板の大型化や高背化の問題も生じにくいアンテナスイッチモジュールと、これを用いた無線電話通信装置とを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段及び作用・効果】
本発明のアンテナスイッチモジュールの、構成の前提となる要部は以下の如くである。
複数の導体層と複数の誘電体層とが交互に積層され、かつ誘電体層を厚さ方向に貫通し、ビア導体により複数の導体層を互いに接続するビア導体を有する積層体基板と、アンテナにつながるアンテナ側入出力端子と、該アンテナ側入出力端子からの受信信号を無線電話通信装置の受信回路側へ出力する1又は複数の受信出力端子と、無線電話通信装置の送信回路側からアンテナ側入出力端子に向かう送信信号を入力する1又は複数の送信入力端子と、アンテナ側入出力端子に対応したアンテナ側スイッチ実装端子と、受信出力端子に対応した受信側スイッチ実装端子と、送信入力端子に対応した送信側スイッチ実装端子と、アンテナ側入出力端子をアンテナ側スイッチ実装端子に接続する第一経路部と、受信側スイッチ実装端子及び送信側スイッチ実装端子を対応する受信出力端子及び送信入力端子にそれぞれ接続する第二経路部とを有する信号伝送経路とを備え、導体層とビア導体とが信号伝送経路を形成し、積層体基板の表面に、アンテナ側入出力端子、受信出力端子、アンテナ側スイッチ実装端子、受信側スイッチ実装端子、送信入力端子及び送信側スイッチ実装端子が露出形成された積層体基板と、
アンテナ側入出力端子への送信入力端子及び受信出力端子の接続を切替え、各受信側スイッチ実装端子及び送信側スイッチ実装端子にそれぞれ実装される半導体スイッチ回路とを備える。
【0007】
そして、上記の課題を解決するために、その第1の構成は、
前記半導体スイッチ回路は、受信出力端子及び送信入力端子から選ばれる信号周波数帯の互いに異なる2以上の端子を切替対象端子として、積層体基板のアンテナ側スイッチ実装端子と、切替対象端子に対応する受信側スイッチ実装端子又は/及び送信側スイッチ実装端子とに実装される高周波トランジスタにて構成され、アンテナ側入出力端子を前記切替対象端子のいずれかに選択的に接続され、切替対象端子が取り扱う複数の信号の割り当て周波数帯域において、積層体基板に内層された各信号伝送経路のインピーダンスを、半導体スイッチ回路のインピーダンスに整合する共通整合回路が、アンテナ側入出力端子と半導体スイッチ回路との間に設けられてなることを特徴とする。
【0008】
上記本発明のアンテナスイッチモジュールは、アンテナ伝送経路と送受信回路の間に挿入されて、複数の割り当て周波数帯(通信バンドともいう)を切り替え制御する複数の半導体スイッチ回路と、その半導体スイッチ回路とアンテナ伝送経路の間で両者のインピーダンスを整合する共通整合回路とで、構成されるアンテナスイッチ(回路機能)を、積層体基板に面実装/形成した積層セラミックモジュールを指す。具体的には、アンテナ伝送経路と送受信回路を接続する第一経路部と第二経路部からなる信号伝送経路と、この半導体スイッチ回路を構成する複数の高周波トランジスタと、この共通整合回路とを積層体基板に一体形成することで、前記の高周波トランジスタと積層体基板に形成された信号伝送経路との間のインピーダンス不整合の問題を、この共通整合回路の働きによって容易に解決することが出来る。すなわちアンテナスイッチモジュールの積層体基板側の大幅な設計変更を避けて、該当するアンテナスイッチモジュールの改良設計を迅速/柔軟にして、多種の製品を迅速に、かつ効率よく市場に提供することができる。
【0009】
具体的には、高周波トランジスタの使用に伴なって発生するインピーダンス不整合の問題を解決するために、各通信バンドに対応して設けられている複数の個別整合回路を省いて、アンテナと複数の半導体スイッチ回路の間においてこの間の整合を共通的に行なう共通整合回路を設け、アンテナ伝送経路のインピーダンスと半導体スイッチ回路側のインピーダンスを整合させることで、上記の課題を解決している。この構成によって、アンテナスイッチの回路構成を簡単にすることが出来、アンテナスイッチ及び複数の信号伝送経路を積層体基板に形成したアンテナスイッチモジュールは、使用する積層体基板のサイズを小さくできると同時に、複数の個別整合回路に使用する部品材料費並びに製造工程費用を含めた製造コストを低減して、このアンテナスイッチモジュールを小形にかつ安く生産出来る。さらに、その回路構成において、上記の複数の個別整合回路で使われる多数の回路部品数が減少することは、コストの低下を実現するだけでなく、部品点数の減少による総合的な故障率の軽減に伴って、製品の信頼性を向上させることもできる。
【0010】
また、前記共通整合回路は、前記切替対象端子が取り扱う複数の信号のいずれの割り当て周波数帯域にも属さず、かつ、それら複数の信号に共通の予め定められた対象周波数帯域において、それらの信号に包含される不要信号成分を除去/低減する共通フィルタとして、機能するものを採用するすることができる。
なお、この発明概念は「前記の要部を有し、かつ、複数の信号に共通の対象周波数帯域において、信号に包含される不要信号成分を除去/低減する共通フィルタをアンテナ側入力端子と半導体スイッチ回路の間に設けたアンテナスイッチモジュール」として独立した発明概念としてとらえることもできる。
【0011】
上記構成によると、アンテナスイッチモジュールの入出力回路側に設けられていた複数の個別整合回路を削除した場合に、特に送信回路の最終段に設けられるパワーアンプで発生する高調波信号、あるいは周波数シンセサイザ等で生じるイメージ信号などの不要信号成分が除去されずに、アンテナスイッチモジュールを通過してアンテナから放射されてしまうという、問題を解決することができる。
具体的には、アンテナスイッチモジュールに共通フィルタが設けられているので、半導体スイッチ回路を通過した前記の不要信号成分を削除して、アンテナから放射されることを防ぐことができる。共通フィルタは、たとえばLPF(低域通過フィルタ)、BPF(帯域通過フィルタ)あるいはBEF(バンドエリミネーションフィルタ=帯域阻止フィルタ、これをバンドリジェクトフィルタとも言う)とすることができ、送信信号に含まれる上記の高調波、イメージ等の不要信号成分を効果的に除去ないし低減することができる。
【0012】
さらには、アンテナが受信する不要信号成分、すなわち妨害波(本無線電話通信装置の対象とする通信以外の電波で、本無線電話通信装置の周囲に存在する、業務用無線、衛星通信、航空機無線あるいはラジオ・TV等の放送などの様々な電波が妨害波となる)に対する除去/低減に有効である。例えば、受信された妨害波のレベルが高い場合には、アンテナスイッチの基本構成である、FETスイッチあるいはPINダイオードスイッチ等の半導体を使用したスイッチにて、その高調波成分が発生することは避けられない。妨害波の周波数条件によって、その高調波が受信回路の各通信バンド(周波数割り当て)の周波数帯域に、落ち込む場合がある。この場合には、受信回路の入力端に設けられている各通信バンド毎の、周波数選択性能に優れたBPFでもこの妨害波を本質的に除去できない。このとき、本発明のアンテナスイッチモジュールを適用することで、アンテナで受信したこの妨害波を、無線電話通信装置の入り口にある、この共通フィルタの働きで除去/低減できる。これによって、アンテナスイッチモジュールにおけるその高調波の発生を未然に防ぎ、それが受信回路に侵入して雑音あるいは、混信等を発生することを防止できる。
【0013】
次に、共通整合回路(又は共通フィルタ、以下両者を総称して「共通回路」という)は、アンテナ側のインピーダンスと、前記半導体スイッチ回路を含む前記無線電話装置の入力回路側あるいは出力回路側の複合インピーダンスとを整合させる整合回路と、送信回路で生じた不要信号成分、あるいはアンテナが受信した不要信号成分を取り除くフィルタとに兼用することができる。この場合、その共通回路は、回路形状の小形化および整合性の向上または周波数選択性の向上を満たす、回路定数を選定した集中定数回路又は分布定数回路として構成することができる。
【0014】
アンテナスイッチモジュールを積層体基板で形成する場合に、それに実装/形成する各回路素子のサイズを小さくすることと、同時にその特性を安定化・高性能化することが大切になる。具体的には、携帯電話機に使用される積層体基板は、一辺が1cmの正方形よりも小面積の平面寸法にて、高密度実装することが必要である。携帯電話等の無線電話通信装置で使用される周波数帯(およそ1GHzから3GHz)では、インダクタンス、コンデンサなどの回路素子を小形にできる集中定数回路と、回路特性を安定化・高性能化できる分布定数回路とを適宜使い分けると、上記の小形化の観点において有利となることが多い。
【0015】
コイル、コンデンサ等の集中定数回路素子を使用すると寄生・浮遊インピーダンス等の付加的なインピーダンス(例えば、コンデンサの場合には電極あるいはリードに生じる直列インダクタンス、そしてコイルの場合ルにはコイルの各エレメント間に生じる並列容量など)の作用で、回路素子の特性(インピーダンス)が周波数の増大につれて本来の特性から離れてくる。
【0016】
このために、これらの素子を組み合わせた回路の特性(挙動)が複雑になって、希望の性能が得られないことが時々発生する。例えば、フィルタでは周波数特性に不要の凹凸を生じたり、アンプでは発振・歪等の不安定現象を伴うこともある。これにくらべて、分布定数回路は回路素子の特性は、その形状と材質(電気的特性、たとえば誘電率など)で一義的に定まり、本質的に上記の寄生・浮遊インピーダンスは殆ど無いので、サイズ等の設計精度を保てば、例えば周波数1GHzのストリップラインで線路波長をλ=10cm(積層体基板の比誘電率等で定まる)として、約0.1%程度、100μの精度を実現すれば、希望の特性を安定(例、フィルタの通過帯域が広く、平坦部分の周波数特性に凹凸が無い)に実現することができる。ただし、すこし大きめのインダクタンス(10nH以上)、キャパシタンス(10pF以上)を作製しようとすると、その形状が線路波長との関係から大きく(数cm以上)なり、前記積層体基板に導体パターンとして形成する際に必要な長さ・面積が大きくならざるを得ない。そこで、集中定数回路と分布定数回路の両者の長所を組み合わせた複合回路で、上述の共通回路を構成することも有効な方法である。
【0017】
一般的にいえば、フィルタの負荷となるインピーダンス(入出力回路側のインピーダンス)が伝送経路の特性インピーダンス(Z=50Ω)と比べて、著しく高い(数百Ω以上)か、あるいは著しく低い(10Ω以下)場合には、その両者の整合に際して、集中定数回路素子の寄生・浮遊インピーダンスが大きな影響を与える傾向がある。この場合には、アンテナ側インピーダンスとの整合において不安定な周波数領域を生じるおそれがあり、後述のような分布定数回路(素子、たとえばλ/4変成器など)を使用することで、安定な性能を実現できることが多い。
【0018】
また、切替対象端子が取り扱う2以上の信号の割り当て周波数帯域が、中心周波数にて、300MHz以内の周波数範囲内に収まるように設定することが好ましい。このようにすると、上記の複数の信号の割り当て周波数帯の帯域幅(B)と使用周波数帯の中心周波数(f)とを比較したB/f(これを比帯域という)が小さくなり、共通整合回路の整合を良好に達成できる。共通フィルタを使用する場合は、高調波等の不要信号成分をより効果的に除去/低減することもできる。
【0019】
さらに、共通整合回路は、複数の信号に共通の予め定められた対象周波数帯域における各前記伝送経路のインピーダンスの関係において、前記の信号成分を減衰する共通フィルタとしてもよい。この共通回路が信号に対する減衰機能(複数の通信バンドに対する送受信信号の、共通的なレベル調整用に)を同時に果たすこともできるため、新たな減衰回路を、複数の通信バンドに対応して個別に設ける必要がなくなり、アンテナスイッチモジュールの回路構成の簡素化とそれに伴なう小形化を可能にする。
【0020】
上記の共通フィルタは、前記対象周波数帯域内に減衰極を有するトラップ回路とすることができる。このトラップ回路は、その極を、高調波等の不要信号成分の帯域に設定することで、高域阻止フィルタとして不要信号成分を効率的に減衰させると共に、上記の整合を十分に実現できる。
【0021】
又、トラップ回路は、伝送経路の第一経路部から分岐する直列共振回路あるいは並列共振回路から成るバンドリジェクタフィルタとすることができる。この共振回路を用いたトラップ回路ではLCの簡単な回路で優れた高域阻止性能を発揮できるので、上記の不要信号成分を十分に減衰/低減させることが出来る。
【0022】
上記の直列共振回路又は並列共振回路は、積層体基板に内層されるLC共振回路として形成することができる。これにより、上記のトラップ回路である共振回路が積層体基板に小さく高密度で実装されることになり、アンテナスイッチモジュールを小形にすることができる。これに伴なって、共振回路に対する寄生・浮遊インピーダンスの影響を少なくすることができるので、不要信号成分を安定に除去することができる。
【0023】
次に、切替対象端子は、割り当て周波数帯域の互いに異なる複数の受信入力端子を含むものとすることができる。これによって、複数の通信バンド(割り当て周波数帯)に対して、共通整合回路又は共通フィルタを適用させることが可能となり、アンテナスイッチモジュールの回路構成を簡素化して、それを小形化することができる。また、アンテナ側入出力端子に入力されるアンテナからの受信信号を高域側信号と低域側信号とに分波するための、ローパスフィルタとハイパスフィルタとからなるダイプレクサを前記積層体基板に内層することができる。この場合、高域側信号と前記低域側信号とのそれぞれに対応して、受信出力端子及び受信側スイッチ実装端子と送信入力端子及び前記送信側スイッチ実装端子とが積層体基板に設けられ、アンテナ側入出力端子への送信入力端子及び受信出力端子の接続を切替える半導体スイッチ回路が、高域側信号と低域側信号との各受信側スイッチ実装端子及び送信側スイッチ実装端子にそれぞれ実装される形で設けられ、
トラップ回路が、ダイプレクサと前記アンテナ側入出力端子との間に設けられる構成とすることができる。
【0024】
このような構成により、複数の割り当て周波数帯をダイプレクサの働きで、高域側と低域側に適切に分波(分離)できるので、多数の通信バンド(その送信バンドの割り当て周波数帯と受信バンド割り当て周波数帯を併せたバンド)をこのアンテナスイッチで適切に切り替えることができる。同時に、極近い周波数で隣接する送受信バンド(例、PCSの送信バンドTx:1850−1910MHzと同受信バンドRx:1930−1990MHz)を使用する場合に、前記スイッチのON/OFFアイソーレションに、この分波回路の周波数分離性能を足し合わせることにより、通信バンド間の送受信信号の干渉を解消することができる。
【0025】
特に、ダイプレクサで切り分けられた高域側信号と低域側信号との少なくともいずれかが、複数の隣接する送受信バンドを含み、それらの送受信バンドに係る2つの切替対象端子に対し、上記の共通整合回路を適用すればダイプレクサで切り分けられる限定された帯域内の信号が、インピーダンス整合の対象となるので、前記の比帯域の縮小効果が顕著となり、整合効果(あるいは不要信号成分の除去効果)をより高めることができる。
【0026】
このダイプレクサとアンテナとの間に共通整合回路、あるいは共通フィルタの働きを示すトラップ回路(直列共振回路あるいは並列共振回路、又は両者の複合回路、詳細を後述)を挿入されて、送受信回路(複数の通信バンド)の入出力インピーダンス等とアンテナとのインピーダンスの整合を向上させることができる。さらに、送信回路のパワーアンプ等で生じる高調波等の不要信号成分を、このトラップ回路の帯域阻止作用で除去/低減することができる。その結果、送受信回路側とアンテナとの間の電力伝達効率を向上させると共に、不要信号成分が大幅に減じられた通信信号をアンテナから送信できる、ひいては、無線電話通信装置の基本的な性能向上を実現することができる。
【0027】
なお、参考技術としては、トラップ回路を前記ダイプレクサの一部回路で兼用させることも可能である。これは、上記のダイプレクサのLPF或いはHPFの基本構成要素となっている直列共振回路、並列共振回路(詳細後述)に上述のトラップ回路の働きを兼用させる(アンテナとダイプレクサ間に設けられたトラップ回路を省いて)ということである。これによって、ダイプレクサは前記分波回路の働きと前記トラップ回路の働きを両立させることができるようになり、アンテナスイッチモジュールの回路構成が簡単になって、その形状を小形にできる。
【0028】
又、トラップ回路と半導体スイッチ回路との間において、信号伝送経路の前記第一経路部から、送信入力端子につながる送信信号用の伝送経路が分岐している場合、トラップ回路は送信信号の対象周波数帯域における減衰回路に共用することができる。これによって、複数の通信バンドに対応した個別の減衰回路を設ける必要がなくなり、アンテナスイッチモジュールの回路構成を簡素化できて、その形状を小形にできる。
【0029】
なお、切替対象端子は、周波数帯域の互いに異なる複数の送信入力端子を含む形態とすることができる。この構成によって、複数の通信バンドの送信信号に対応した個別の整合回路(あるいはフィルタ)を設ける必要がなくなり、アンテナスイッチモジュールの回路構成を簡素化できて、その形状を小形にできる。
【0030】
また、切替対象端子は、周波数帯域の互いに異なる送信入力端子と受信入力端子とを含む形態とすることもできる。この構成にれば、送信信号と受信信号に対応した個別の整合回路をに設ける必要がなくなり、アンテナスイッチモジュールの回路構成を簡素化できて、その形状を小形にできる。
【0031】
また本発明では、上述のアンテナスイッチモジュールと、
アンテナ側入出力端子に接続されるアンテナと、
受信出力端子に接続される受信回路と、
送信入力端子に接続される送信回路と、
を備えた無線電話通信装置も提供する。アンテナスイッチモジュールが、上記に説明されたように、小形でかつ優れた仕様となるため、無線電話通信装置をコンパクトにかつ、高性能に実現することができる。
【0032】
上記の無線電話通信装置において共通整合回路は、アンテナの伝送経路のインピーダンスと、半導体スイッチ回路を含む受信回路の複合インピーダンス或いは半導体スイッチ回路を含む送信回路の複合インピーダンスの何れかと、複数の割り当て周波数帯域において、整合する方向に調整する機能を有するものとして構成することもできる。つまり、アンテナスイッチモジュールの積層体基板とこれに実装される半導体スイッチ回路とのインピーダンス整合(あらゆる不要信号成分除去)に留まらず、これにつながる無線電話通信装置側の送信回路や受信回路のインピーダンスも考慮に入れた整合効果も達成できる。またモジュール内部の回路要素に起因した不要信号成分だけでなく、受信回路や送信回路(あるいは、これらとモジュールとの相互作用)に由来した不要信号成分の除去も可能となる。これによって、送信回路又は受信回路とアンテナ間における入出力信号の電力伝達性能を一層向上させることができるため、無線電話通信装置の通信性能(例、受信感度並びに送信電力の向上など)を向上することができる。この結果として、授受する情報の通信品質(音声の明瞭度向上あるいは符号化情報の誤り率の低減など)も実現することが可能である。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を用いて説明する。
(実施形態1)
図1は、複数の周波数帯域を扱う無線電話端末の一例である、クワッドバンド型(4通信バンド対応)デジタル携帯電話機(以下、単に携帯電話機ともいう)の電気的構成を示すブロック図である。携帯電話機1は、入出力インターフェース11と、これに接続されるCPU12、ROM13及びRAM14等からなる主制御部としての制御用マイクロプロセッサ10を有し、その入出力インターフェース11には、テンキー型の周知のプッシュボタンで構成されたダイアル入力部5、携帯電話機1をオンフック状態とオフフック状態との間で切り替えるオンフック/オフフック切換スイッチ6、及び通信周波数帯を切り替えるバンド切換スイッチ7が接続される。本実施形態では、EGSM(第一方式)、GSM850(第二方式)、PCS(第三方式)及びDCS(第四方式)の4つの通信方式間にて切り替えが可能とされている。
【0034】
受話器3はアンプ15とD/A変換器16を介して、送話器4はアンプ17とA/D変換器18とを介して、さらに液晶モニタ(LCD)19がモニタ制御回路20を介して、それぞれ入出力インターフェース11に接続されている。この入出力インターフェース11には電話接続回路9が接続されている。該電話接続回路9は、EGSM用の第一変調部32A、第一送信部33A、第一受信部35A及び第一復調部36A、GSM850用の第二変調部32B、第二送信部33B、第一受信部35B及び第一復調部36B、PCS用の第三変調部32C、第三送信部33C、第三受信部35C及び第三復調部36C、DCS用の第四変調部32D、第四送信部33D、第四受信部35D及び第四復調部36D、通信搬送波を必要な周波数にて合成する周波数シンセサイザ34、本発明の一実施形態をなすアンテナスイッチモジュール2及びこれに接続されるアンテナ39、アンテナスイッチモジュール2に含まれる分波回路44(図2:後述)を経て、各帯域に分波された分波受信信号から、各通信周波数帯における端末受信帯に属した受信信号を抽出する端末受信帯抽出用バンドパスフィルタ回路40A,40B,40C,40D等を含んで構成される。また、図示は省略しているが、電話接続回路9には、ハンドオーバー用の制御用電波発信部も含まれている。
【0035】
アンテナスイッチモジュール2以外の部分は、一般のデジタル携帯電話機と何ら変わりはなく周知のものと同様であるが、概略を述べれば以下の通りである。
すなわち、送話器4から入力された音声はアンプ17で増幅され、さらにA/D変換器18によりデジタル変換された後、選択された通信周波数帯に対応する変調部(32A〜32D)により変調され、さらに送信部(33A又は33B)にて搬送波と合成・増幅され、アンテナスイッチモジュール2及びアンテナ39から送信される。他方、受信電波はアンテナ39及びアンテナスイッチモジュール2を介して選択された通信周波数帯に対応する受信部(35A〜35DB)で受信され、搬送波成分が取り除かれた後、復調部(36A〜36D)でデジタル音声信号に復調され、D/A変換機16及びアンプ15を介して受話器3から出力される。
【0036】
アンテナスイッチモジュール2は、受信信号と送信信号とを、スイッチ制御用信号(VC1〜VC6:信号制御は制御用マイクロプロセッサ10が行なう)を受けて、時分割方式で切り替える。他方、通信周波数帯の切り替えは、本実施形態ではバンド切換スイッチ7の操作により制御用マイクロプロセッサ10が行なうようにしているが、周波数シンセサイザ34を用いてバンドスキャンを行い、適合する周波数帯に自動切り替えを行なうようにしてもよい。なお、制御用マイクロプロセッサ10が行なう切換処理は、主として、入出力インターフェース11における変調部32A〜32D及び復調部36A〜36Dのポート切換処理、及び周波数シンセサイザ34への指示周波数切換処理等である。
【0037】
次に、図2は、アンテナスイッチモジュール2の電気的構成を示すブロック図である。このアンテナスイッチモジュール2は多層のセラミック積層体を基板とし、その基板には高周波スイッチに関連する多数の回路素子が一体的に実装されている。アンテナスイッチモジュール2は前述の通りアンテナ39に接続して使用される高周波回路であり、アンテナ受信信号とアンテナ送信信号との入出力に共用されるアンテナ側入出力端子ANTと、該アンテナ側入出力端子ANTにつながり、アンテナ39を介して送受信する送受信信号を、低域側信号▲2▼と高域側信号▲4▼とに分離する分波回路44を備えている。前記アンテナ側入出力端子ANTと前記ダイプレクサ44の間には共通整合回路47が設けられ、前記アンテナ側入出力端子ANTのインピーダンスと半導体スイッチ回路42A,42Bの高周波トランジスタ(GaAsスイッチ)のインピーダンスとを整合させる方向に調整する。該ダイプレクサ44により分波される低域側信号▲2▼と高域側信号▲4▼とは、双方がそれぞれ複数の通信周波数帯を含んだ分波信号とされている。本実施形態では、低域側信号▲2▼がEGSM及びGSM850、高域側信号▲4▼がDCS及びPCSとなっている。そして、各分波信号の出力側にそれぞれ低域側半導体スイッチ回路42A及び高域側半導体スイッチ回路42Bが設けられている。
【0038】
図2において、前記ダイプレクサ44の働きとして、低域側信号▲2▼はローパスフィルタ45により、高域側信号▲4▼はハイパスフィルタ46により、それぞれ分波・抽出される。ローパスフィルタ45及びハイパスフィルタ46は、本実施形態ではいずれもアナログフィルタ(ここではLCパッシブフィルタ)にて構成されている。ダイプレクサ44からの各端末受信帯の受信信号は、各送信部33A〜33Dからアンテナ39に向かう各端末送信帯の送信信号との間で、対応する半導体スイッチ回路42A,42Bにより切り替えられる。
【0039】
図3は、アンテナスイッチモジュール2の詳細を示す回路図である。アンテナ側入出力端子ANTと前記ダイプレクサ44の間に共通整合回路47(詳細な説明を後述する)が設けられている。該共通整合回路47は、前記アンテナ側の伝送経路インピーダンスと,半導体スイッチ回路42A,42B(高周波トランジスタ:GaAsスイッチ)との、整合を向上させる。ダイプレクサ44において、ローパスフィルタ45は、遮断高域信号に対して高インピーダンスとなる通過信号経路JL上のコイルL106と、これに並列挿入され、遮断高域信号を接地短絡させる低インピーダンスのコンデンサC107とが基本素子をなす。他方、ハイパスフィルタ46は、遮断低域信号に対して高インピーダンスとなる通過信号経路JH上のコンデンサC207,C208と、これに並列挿入され、遮断低域信号を接地短絡させる低インピーダンスのコイルL206とが基本素子をなす。
【0040】
本実施形態において、ダイプレクサ44のローパスフィルタ45とハイパスフィルタ46とは、減衰特性を十分に急峻化させるために、ローパスフィルタ45及びハイパスフィルタ46のいずれについても、遮断信号域を接地短絡させる経路RL,RH上に、上記基本素子であるコンデンサC107又はコイルL206とともに直列LC共振回路を形成するコイルL107又はコンデンサC209が挿入されている。このような直列LC共振回路を挿入することにより、フィルタ減衰特性を急峻化することができる。その共振周波数は、切り分けすべき周波数境界付近に共振極の位置が合わせ込まれるよう、各直列共振回路のコンデンサC107/コイルL107、コンデンサC209/コイルL206のキャパシタンス及びインダクタンスの値により調整する必要がある。
【0041】
また、本実施形態では、減衰特性をさらに急峻化するために、通過信号経路JL上に、コイルL106とともに高域遮断用の並列LC共振回路を構成するコンデンサC108が挿入されている。該並列LC共振回路は、フィルタ遷移域の通過帯域側に生ずる極(ポール)を鋭くする働きをなす。その共振周波数は、切り分けすべき周波数境界付近に上記の極の位置が合わせ込まれるよう、コンデンサC108とコイルL106とのキャパシタンス及びインダクタンスの夫々の値を最適化する。
【0042】
半導体スイッチ回路42A,42Bは、いずれも送信入力端子がアンテナ側入出力端子ANTに接続された送信接続モードと、受信出力端子がアンテナ側入出力端子ANTに接続された受信接続モードとの間で相互切り替えを行なうものである。半導体スイッチ回路42Aは低域側信号▲2▼の処理用であり、EGSM用の受信端子RX1、GSM850用の受信端子RX2、及びEGSMとGSM850とで共用される送信端子TX1X2を有する。また、半導体スイッチ回路42Bは高域側信号▲4▼の処理用であり、PCS用の受信端子RX3、DCS用の受信端子RX4及びPCSとDCSとで共用される送信端子TX3X4とを備えている。
【0043】
低域側の半導体スイッチ回路42Aは、アンテナ側入出力端子ANTと、受信出力端子RX1、受信出力端子RX2及び送信入力端子TX1X2とをつなぐ各経路上にドレイン及びソースが接続されたGaAs系MESFET(高周波トランジスタ:MESFETに代えてHEMTを用いてもよい)よりなるFETスイッチ1、FETスイッチ2、FETスイッチ3がそれぞれ設けられ、それらFETスイッチの夫々のゲートにスイッチ制御用信号VC1,VC2,VC3が個別に入力される。VC1,VC2,VC3はいずれも二値の制御信号であり、送信接続モードでは、送信入力端子TX1X2に対応したFETスイッチ3のみがONとなり、他はOFFとなるようにVC1,VC2,VC3の入力状態が制御される。また、受信接続モードでは、受信出力端子RX1及び受信出力端子RX2のいずれか一方に対応したFETスイッチ1又はFETスイッチ2が選択的にONとなり、他はOFFとなるようにVC1,VC2,VC3の入力状態が制御される。
【0044】
また、高域側の半導体スイッチ回路42Bは、アンテナ側入出力端子ANTと、受信出力端子RX3、受信出力端子RX4及び送信入力端子TX3X4とをつなぐ各経路上にドレイン及びソースが接続されたGaAs系MESFET(高周波トランジスタ)よりなるFETスイッチ4、FETスイッチ5、FETスイッチ6がそれぞれ設けられ、それらFETスイッチ4、FETスイッチ5、FETスイッチ6のゲートにスイッチ制御用信号VC4,VC5,VC6が個別に入力される。VC4,VC5,VC6はいずれも二値の制御信号であり、送信接続モードでは、送信入力端子TX3X4に対応したFETスイッチ6のみがONとなり、他はOFFとなるようにVC4,VC5,VC6の入力状態が制御される。また、受信接続モードでは、受信出力端子RX3及び受信出力端子RX4のいずれか一方に対応したFETスイッチ4又はFETスイッチ5が選択的にONとなり、他はOFFとなるようにVC4,VC5,VC6の入力状態が制御される。
【0045】
なお、半導体スイッチ回路42Aと半導体スイッチ回路42Bとが分担する4つの通信周波数帯(通信バンド)の送受信は、どれか1つだけが選択されるので、送受信に関与しない半導体スイッチ回路は全てのFETスイッチがOFFとなるようにスイッチ制御用信号の入力状態が制御される。
【0046】
図2の、端末受信帯抽出用バンドパスフィルタ回路40A(EGSM用:通過帯域880〜915MHz),40B(GSM850用:通過帯域824〜850MHz),40C(PCS用:通過帯域1850〜1910MHz),40D(DCS用:通過帯域1710〜1785MHz)は、受信出力端子RX1、RX2、RX3、RX4に接続され、本実施形態ではいずれも弾性表面波共振器を含んで構成された狭帯域フィルタ回路(いわゆるSAWフィルタ)として構成されている。
【0047】
なお、図3の半導体スイッチ回路42A,42Bのうち、ダイプレクサ44の少なくとも高域側信号▲4▼の出力側に設けられたもの(42A)、本実施形態では高域側信号▲4▼と低域側信号▲2▼との双方の出力側に設けられたもの(42A,42B)の送信入力端子TX1X2及びTX3X4は、当該半導体スイッチ回路42A,42Bが取り扱う2つの通信周波数帯において共用化される単一端子として構成されている。図1に示すように、各送信入力端子TX1X2,TX3X4への送信信号の入力は、高周波用パワーアンプ21,22を介してなされる。
【0048】
ここで、前記の共通整合回路47の詳細な動作を説明する。各通信バンド(GSM850のTx,Rx,EGSMのTx,Rx,PCSのTx,Rx,そしてDCSのTx,Rx)におけるアンテナ39のインピーダンスが概ねZ=50Ωであるとしたときに、ダイプレクサ44と上記各バンドに対応したFETスイッチ1〜6を介してみた入出力回路(33A,33B,33C,33Dと35A,35B,35C,35Dおよび21,22で構成される)の複合インピーダンスと上記アンテナインピーダンスZとの整合性を向上させる。
【0049】
これによって、送受信回路側とアンテナ側の信号に対する反射を低減して、上記送受信回路とアンテナ39間の電力伝達性能を一層向上させることができる。
その整合動作については上記複合インピーダンスが、入出力回路の電気特性、アンテナスイッチモジュールのFETスイッチの高周波特性及びそれらの信号伝送経路の電気的特性等の組み合わせによって、様々に変化するので定量的に説明することを省略する。一般的に、この複合インピーダンスがスミスチャートの原点Zの周辺に分布するときは比較的に整合し易いことはよく知られている。そこで、以下において、入出力回路のインピーダンス:Rが相当に高い場合の整合を取り上げて、整合回路に使用される代表的な各フィルタに対して、その整合動作をスミスチャートを利用して定性的に後述することにする。
【0050】
次にこの共通整合回路47として使用される共通フィルタ47の働きについて説明を行う。この共通整合回路47にLPF/BPF/BEF等の高域通過阻止形のフィルタを適用する(即ち共通整合回路と共通フィルタを共通回路47にする)ことで、送信回路のパワーアンプ21,22が送出する送信信号に含まれる高調波、あるいは周波数シンセサイザ34から発生するイメージなどの、不要信号成分を除去/低減することができる。その結果、基本波の希望信号成分が選択されてアンテナ39から良好な通信電波として送出することが出来る。また、共通フィルタとしての共通整合回路47は、アンテナが受信する妨害波に対する除去/低減にも有効であり、それが受信回路に侵入して雑音あるいは、混信等を発生することを防止することが出来る。
【0051】
図2のアンテナスイッチモジュール2は、具体的には図4に示すように、導体層M1〜M11と誘電体層D1〜D11とが交互に積層された積層体基板80を有する。該積層体基板80は、導体層M1〜M11により、ダイプレクサ44の積層回路パターンを形成する。導体層M1〜M11は、誘電体層D1〜D11に形成されたビア導体VAにより層厚方向に結合される。誘電体層は、例えばホウケイ酸塩鉛ガラスとアルミナからなるガラスセラミック等のセラミックで構成される。積層体基板80は、誘電体層の原料となるセラミックグリーンシート上に、導電性ペーストを用いて導体層M1〜M11の回路パターンを厚膜印刷し、積層して焼成する方法により製造される。
【0052】
積層体基板80は、最表面側誘電体層D11の主表面の一部領域が、高周波回路の外付け部品42IC用の実装スペースとして確保されている。本実施形態において、外付け部品42ICは、第一及び第二の半導体スイッチ回路42A,42Bのスイッチ素子をなす、高周波用化合物半導体トランジスタ(FETスイッチ1〜FETスイッチ6)を集積したGaAs系のICスイッチである(以下、ICスイッチ42ICともいう)。図5は、積層体基板80の最表面側誘電体層(D11)側の平面図である。また、図6は、各導体層M1〜M11の導体配置レイアウトを示す平面図である。図6に示すように、最表面側誘電体層D11の主表面において、ICスイッチ42ICの実装スペースが、導体層M11を構成する実装下地面導体MG1にて覆われてなり、該実装下地面導体MG1上に外付け部品であるICスイッチ42ICが配置されている。
【0053】
また、該最表面側誘電体層D11の主表面には、実装下地面導体MG1とは別に、ICスイッチ42IC(外付け部品)側の端子を接続するための実装用パッドPDが、導体層M11の一部をなす形で配置されてなる。本実施形態において実装用パッドPDは、上記主表面上において実装下地面導体MG1の外側に配置され、図4に示すように、ICスイッチ42IC(外付け部品)側の端子TMと該実装用パッドPD(これらのパッドPDをスイッチ実装端子という)とが金ワイヤ50によりワイヤボンディングされている。なお、図5に示すように、該積層体基板80の表面、具体的には側面に、アンテナ側入出力端子ANT及び送受信のための入出力端子(RX1、RX2、TX1X2、RX3、RX4、TX3X4)、複数のグランド端子GND、及び半導体スイッチ回路42A,42BのON/OFF制御端子CTL1,CTL2,CTL3(これらの入力状態の組み合わせにより、図2のVC1〜VC6の必要な設定状態を作り出す)が形成されている。
【0054】
上述した共通整合回路47について、入出力回路の入出力インピーダンスRが高い場合(数百Ω以上でアンテナ39側とその入出力回路側の整合が難しい状況)について、整合動作原理を(整合実現の手順として、即ちその回路定数を最適化するために)以下に説明する。図10は共通整合回路47を説明するための、上記のアンテナスイッチモジュール2の基本構成である。スイッチA、Bは上記のFETスイッチに相当し、共通整合回路47はアンテナ側のインピーダンスと前記送受信回路側のインピーダンスとの整合を図る作用と、共通フィルタ47としての周波数選択作用(具体的には高調波等の不要信号成分とアンテナ39が受信した妨害波を除去/低減する作用)を共通回路で兼用する。ここで、共通整合回路47に直列共振トラップ回路471を適用したものを図11に、共通整合回路47として並列共振トラップ回路472に並列容量Cを接続したフィルタ適用したものを図12に、共通整合回路47にπ型LPF473を適用したものを図13に、そして直列共振回路47に分布定数線路を使用したBPF474を適用したものを図14に示す。
【0055】
最初に、前記の直列共振トラップ回路471を共通整合回路47に適用した場合について説明する。この直列共振トラップ回路471を使用した、アンテナスイッチモジュール2のアンテナスイッチ基本回路を図15に示す。ここで、負荷インピーダンスRは、送信回路のパワーアンプの出力インピーダンス、あるいは受信回路のBPFもしくはLNA(Low Noise Amplifier:低雑音前置増幅器)の入力インピーダンスで、その値が数百Ω以上の高インピーダンスを有するものとする。この直列共振トラップ回路471を使用周波数帯(通信バンド)において、図16に示される等価容量Cで表す。このときこの等価容量Cは使用周波数における角周波数次をωとして、次のように与えられる。C= C /[1−(ω/ω]−−−−(1)但し、ω =1/( L1/2−−−−(2)
前記FETスイッチがON(そのゲートGに印加されたスイッチ信号VCの働きによって該FETが導通状態)になったときの図15の等価回路を図17に示す。ここでC、Lは、このFETスイッチ及びその信号伝送経路等が積層体基板へ実装された状態における、寄生容量と寄生インダクタンスである。負荷R側をみた各点における合成インピーダンスZ,Z,Z,Zを図17記載のように定める。
【0056】
これらの合成インピーダンスZ,Z,Z,Zを利用して、図17の等価回路(即ち、図15のアンテナスイッチ基本回路)の整合動作を、図18のスミスチャートで説明する。負荷RであるインピーダンスZを、コンダクタンス一定の円上を並列容量Cで定まるサセプタンスに従って移動させ、インピーダンスZに移る。このインピーダンスZは、抵抗一定の円上を直列インダクタンスLで定まるリアクタンスに従って移動し、インピーダンスZに移る。最終的に、インピーダンスZは、コンダクタンス一定の円上を並列容量Cで定まるサセプタンスに従って移動してインピーダンスZとなり、原点であるアンテナインピーダンスZに一致して、アンテナ側インピーダンスと負荷Rの整合が達成できる。
【0057】
次に、並列共振トラップ回路472に並列容量Cを接続した回路を共通整合回路47に適用した場合について説明する。並列共振トラップ回路472に並列容量Cを接続した回路を使用した、アンテナスイッチモジュール2のアンテナスイッチ基本回路を図19に示す。この並列共振トラップ回路472を使用周波数帯(通信バンド)において、図20に示される等価インダクタンスLで表す。このときこの等価インダクタンスLは使用周波数における角周波数次をωとして、次のように与えられる。L= C /[1−(ω/ω]−−−−(3)但し、ω =1/(L1/2−−−−(4)
前記FETスイッチがON(そのゲートGに印加されたスイッチ信号VCの働きによって該FETが導通状態)になったときの図19の等価回路を図21に示す。負荷R側をみた各点における合成インピーダンスZ,Z,Z,Z,Zを図21記載のように定める。
【0058】
これらの合成インピーダンスZ,Z,Z,Z,Zを利用して、図21の等価回路(即ち、図19のアンテナスイッチ基本回路)の整合をとる手法を、図22のスミスチャートに示す。具体的な手順(スミスチャートの操作方法)については直列共振トラップ回路471と同様であるので詳細を省略する。
【0059】
次いで、π型LPF473を共通整合回路47に適用した場合について説明する。π型BPF473を使用した、アンテナスイッチモジュール2のアンテナスイッチ基本回路を図23に示す。前記FETスイッチがON(そのゲートGに印加されたスイッチ信号VCの働きによって該FETが導通状態)になったときの図23の等価回路を図24に示す。負荷R側をみた各点における合成インピーダンスZ,Z,Z,Z,Z,Zを図24記載のように定める。
【0060】
これらの合成インピーダンスZ,Z,Z,Z,Z,Zを利用して、図24の等価回路(即ち、図23のアンテナスイッチ基本回路)の整合をとる手法を、図25のスミスチャートに示す。具体的な手順(スミスチャートの操作方法)については直列共振トラップ回路471と同様であるので詳細を省略する。
【0061】
π型LPF473を共通整合回路47に適用した場合には、上述の直列共振トラップ回路471、あるいは並列共振トラップ回路472を使用した場合に比べて整合手順の最終ステップあるいはその前のステップにおけるインピーダンスの移動量が相対的に小さくなる。このことは、使用する周波数が通信バンドのように、ある帯域を有する場合に、その帯域内の整合範囲がスミスチャート上の原点Z付近に収束して、共通整合回路47の整合性が良好であることが分かる。
【0062】
又、分布定数線路を使用したBPF474を共通整合回路47に適用した場合について説明する。分布定数線路を使用したBPF474を適用した、アンテナスイッチモジュール2のアンテナスイッチ基本回路を図26に示す。前記FETスイッチがON(そのゲートGに印加されたスイッチ信号VCの働きによって該FETが導通状態)になったときの図26の等価回路を図27に示す。負荷R側をみた各点における合成インピーダンスZ,Z,Z,Z,Zを図27記載のように定める。
【0063】
これらの合成インピーダンスZ,Z,Z,Z,Zを利用して、図27の等価回路(即ち、図26のアンテナスイッチ基本回路)の整合動作を、図29のスミスチャートで説明する。ここで、分布定数回路を使用した場合の整合手順は、前記の集中定数回路と異なるので、その要領を以下に説明をする。負荷RであるインピーダンスZを上記と同様に(集中定数回路で)移動し、インピーダンスZに移る。ここで負荷Rに前記の寄生容量Cと寄生インダクタンスLを包含した合成インピーダンスZを用いた図27の合成等価回路を図28に示す。図29のスミスチャート上において、合成インピーダンスZをスミスチャートの原点Z(アンテナインピーダンス)に、整合させる一般手法を以下に説明する。
【0064】
合成インピ−ダンスZ(Z: R, C, L の合成で与えられる任意のインピーダンス)を反射係数Γで表すと次のように与えられる
Γ= (Z−1)/ (Z+1) −−−−−−−−−−−−−−−−− (5)
ここでΓをその絶対値|Γ |と位相φで次のように表す
Γ= | Γ |・ exp( j φ)−−−−−−−−−−−−−(6)
特性インピーダンスZの分布定数線路を付加して、
(その位相をθだけ回転させることにより)インピーダンスZを、
リアクタンスが零であるインピーダンス Z = r に移す。
このとき、この分布定数線路の電気長θと、合成インピーダンスZの位相φの間に、は次の関係が成り立つ
θ= (π/2)+φ −−−−−−−−−−−−−−−−−−−(7)
次に、インピーダンス Z = rに、特性インピーダンスZであるλ/4 変成器を付加して、インピーダンスZをインピーダンスZに移動して、Z=50Ωのスミスチャートの原点に一致させる。これによって合成インピーダンスZと、アンテナインピーダンスZとの整合が成立する。このとき、λ/4
変成器の特性インピーダンスZと、アンテナインピーダンスZ及び上記抵抗 rとの間には、次の関係が必要になる。
=(Z・r1/2 −−−−−−−−−−−−−−−−−− (8)
このようにして、アンテナ側インピーダンスZと負荷Rの整合が達成できる。
【0065】
分布定数線路を使用したBPF474を、共通整合回路47に適用した場合には、上述のπ型LPF473を使用した場合と同様に、直列共振トラップ回路471、あるいは並列共振トラップ回路472を使用した場合に比べて、整合手順の最終ステップにおけるインピーダンスの移動量が相対的に小さくなる。このことは、使用する周波数が通信バンドのように、ある帯域を有する場合に、その帯域内の整合範囲がスミスチャート上の原点Z付近に収束して、共通整合回路47の整合性は一層良好になる。上述のように、分布定数線路の特性(インピーダンス、位相回転等)はその形状によって定まるので、この共通整合回路47の整合の安定性を向上する。さらに、集中定数回路のような寄生・浮遊インピーダンスの影響を殆んど受けないので、フィルタの周波数特性において、平坦領域での凹凸や遷移領域における断続等をなくすことができて、その周波数選択性能を向上することができる。
【0066】
(実施形態2)
次に、アンテナスイッチモジュール2の第2実施形態について図7を用いてを説明する。ダイプレクサ46と共通整合回路47については図3の実施形態1と同様であるのでその働きについての説明は省略する。
【0067】
半導体スイッチ回路52A,52Bは、いずれも送信入力端子がアンテナ側入出力端子ANTに接続された送信接続モードと、受信出力端子がアンテナ側入出力端子ANTに接続された受信接続モードとの間で相互切り替えを行なうものである。半導体スイッチ回路52Aは低域側信号▲2▼の処理用であり、DCSの受信端子RX1とDCSの送信端子TX1を有する。また、半導体スイッチ回路52Bは高域側信号▲4▼の処理用であり、UMTS用の受信端子RX2とUMTSの送信端子TX2を備えている。
【0068】
低域側の半導体スイッチ回路52Aは、アンテナ側入出力端子ANTと、受信出力端子RX1及び送信入力端子TX1をつなぐ各経路上にドレイン及びソースが接続されたGaAs系MESFETよりなるFETスイッチ11、FETスイッチ12、がそれぞれ設けられ、それらFETスイッチの夫々のゲートにスイッチ制御用信号VC11,VC12が個別に入力される。VC11,VC12はいずれも二値の制御信号であり、送信接続モードでは、送信入力端子TX1に対応したFETスイッチ3がONとなり、他はOFFとなるようにVC11,VC12,の入力状態が制御される。また、受信接続モードでは、受信出力端子RX1に対応したFETスイッチ12が選択的にONとなり、他はOFFとなるようにVC11,VC12の入力状態が制御される。
【0069】
また、高域側の半導体スイッチ回路52Bは、アンテナ側入出力端子ANTと、受信出力端子RX2、送信入力端子TX2とをつなぐ各経路上にドレイン及びソースが接続されたFETスイッチ13、FETスイッチ14がそれぞれ設けられ、それらFETスイッチ13、FETスイッチ14のゲートにスイッチ制御用信号VC13,VC14が個別に入力される。VC13,VC14はいずれも二値の制御信号であり、送信接続モードでは、送信入力端子TX2に対応したFETスイッチ13のみがONとなり、他はOFFとなるようにVC13,VC14の入力状態が制御される。また、受信接続モードでは、受信出力端子RX2に対応したFETスイッチ14が選択的にONとなり、他はOFFとなるようにVC13,VC14の入力状態が制御される。
【0070】
なお、半導体スイッチ回路52Aと半導体スイッチ回路52Bとが分担する2つの通信バンド(DCS/UMTS)の送受信は、どれか1つだけが選択されるので、送受信に関与しない半導体スイッチ回路は全てのFETスイッチがOFFとなるようにスイッチ制御用信号の入力状態が制御される。なお共通整合回路47の定性的な動作(入出回路のインピーダンス:Rが数百Ω以上と高い場合の整合手法)については実施形態1と同様であるのでその説明を省略する。
【0071】
(実施形態3)
次に、アンテナスイッチモジュール2の第3実施形態3について図8を用いてを説明する。このアンテナスイッチモジュール2では2つの通信バンド(DCS/PCS)の送受信を3つのFETスイッチ21〜23を使って選択する。このため、上述のダイプレクサを省くことができ回路構成を簡単にできる。具体的には、半導体スイッチ回路62は、アンテナ側入出力端子ANTと、受信出力端子RX1、RX2と送信入力端子TX1 X2とをつなぐ各経路上にドレイン及びソースが接続されたFETスイッチ21、FETスイッチ22、FETスイッチ23がそれぞれ設けられている。それらFETスイッチ21、FETスイッチ22、FETスイッチ23のゲートにスイッチ制御用信号VC21,VC22、VC23が個別に入力される。VC21,VC22、VC23はいずれも二値の制御信号であり、送信接続モードでは、送信入力端子TX1X2に対応したFETスイッチ21のみがONとなり、他はOFFとなるようにVC21,VC22、VC23の入力状態が制御される。また、受信接続モードでは、受信出力端子RX1、RX2に対応したFETスイッチ22、FETスイッチ23の何れかが選択的にONとなり、他はOFFとなるようにVC21,VC22、VC23の入力状態が制御される。
【0072】
共通制御回路47は後述のトラップ回路を使用してアンテナ39側と入出力回路側の整合を次のようにして図る。各通信バンド(PCSのTx,Rx,そしてDCSのTx,Rx)におけるアンテナ39のインピーダンスが概ねZ=50Ωであるとしたときに、上記各バンドに対応したFETスイッチ21〜23を介してみた前記入出力回路の複合インピーダンスと上記アンテナインピーダンスZとの整合性を向上させる。これによって、送受信回路側とアンテナ側の信号に対する反射を低減して、上記送受信回路とアンテナ39間の電力伝達性能を一層向上させることができる。
【0073】
次に、この共通整合回路47として使用される共通フィルタ47の働きについて説明を行う。この共通整合回路47にLPF/BPF/BEF等の高域通過阻止形のフィルタを適用する(即ち共通整合回路とフィルタを共通回路47にする)ことで、送信回路のパワーアンプ送出する送信信号に含まれる高調波、あるいは周波数シンセサイザから発生するイメージなどの、不要信号成分を除去/低減することができる。その結果、基本波の希望信号成分が選択されてアンテナ39から良好な通信電波として送出することが出来る。また、共通フィルタとしての共通整合回路47は、アンテナが受信する妨害波に対する除去/低減にも有効であり、それが受信回路に侵入して雑音あるいは、混信等を発生することを防止することが出来る。
【0074】
このように、共通整合回路47設けてダイプレクサ44を省き、ダイプレクサ44のフィルタ作用を共通整合回路47に兼用させると、アンテナスイッチモジュール2の回路構成を簡素化して、その小形化とコスト低減を実現できる。そして、送受信回路とアンテナ39間の電力伝達効率を向上させると共に、通信にとって邪魔になる高調波等の不要信号成分あるいは妨害波を除去することができる。なお共通整合回路47の定性的な動作(入出回路のインピーダンス:Rが数百Ω以上と高い場合の整合手法)については実施形態1と同様であるのでその説明を省略する。
【0075】
(実施形態4)
次に通信バンドが1つ(DCSの送信Tと受信R)の場合の、アンテナスイッチモジュール2の第4の実施形態について図9を用いて説明する。共通整合回路47の動作については上述の実施形態3(図8)と同様であるので説明を省略する。半導体スイッチ回路72は、アンテナ側入出力端子ANTと、受信出力端子Rと送信入力端子Tとをつなぐ各経路上にドレイン及びソースが接続されたFETスイッチ31、FETスイッチ32がそれぞれ設けられている。それらFETスイッチ31、FETスイッチ32のゲートにスイッチ制御用信号VC31,VC32が個別に入力される。VC31,VC32はいずれも二値の制御信号であり、送信接続モードでは、送信入力端子Tに対応したFETスイッチ31のみがONとなり、他はOFFとなるようにVC31,VC32の入力状態が制御される。また、受信接続モードでは、受信出力端子Rに対応したFETスイッチ32が選択的にONとなり、他はOFFとなるようにVC31,VC32の入力状態が制御される。このアンテナスイッチモジュール2は回路構成が最も簡単であり、その小形化とコスト低減を最大限に達成すると同時に、送受信回路とアンテナ39間の電力伝達効率を向上させ、通信にとって邪魔になる高調波等の不要信号成分あるいは妨害波を除去することができる。なお共通整合回路47の定性的な動作(入出回路のインピーダンス:Rが数百Ω以上と高い場合の整合手法)については実施形態1と同様であるのでその説明を省略する。
【0076】
(実施形態5)
次に、参考技術として、上記共通整合回路47をダイプレクサ44の一部回路で兼用させる場合の動作について説明する。ダイプレクサ44の基本構成要素であるLPF45の並列共振回路(L106:LとC108:C)をトラップ回路(BER:高域阻止フィルタ)を低域側の共通整合回路47(共通フィルタ47)として兼用させる。他方、ダイプレクサ44の基本構成要素であるHPF46の直列共振回路(L206:LとC209:C)をトラップ回路(BER:高域阻止フィルタ)を高域側の共通整合回路47(共通フィルタ47)として兼用させる。先ず低域側においては、送信入力端子TX1に供給される、送信回路のパワーアンプ から送出された送信信号が、FETスイッチ11を通過して上記並列共振回路(L106:LとC108:C)であるトラップ回路(BER:高域阻止フィルタ)に伝達されると、その高調波等の不要信号成分はそこで通過を阻止されて除去/低減され、基本波の希望信号成分が選択されてアンテナ39から良好な通信電波として送出される。
【0077】
次に、高域側においては、送信入力端子TX2に供給される、送信回路のパワーアンプ から送出された送信信号が、FETスイッチ13を通過して上記直列共振回路(L206:LとC209:C)であるトラップ回路(BER:高域阻止フィルタ)に伝達されると、その高調波等の不要信号成分はそこでグランドに短絡・吸収されて除去/低減され、基本波の希望信号成分が選択されてアンテナ39から良好な通信電波として送出される。
【0078】
このように、共通整合回路47を別に設けることなく、既存のダイプレクサ44において、そのフィルタならびに整合作用を兼用させる。具体的にはダイプレクサ44の並列共振回路(L106:LとC108:C)と、直列共振回路(L206:LとC209:C)の定数を、前述の整合手順に沿って最適化する。これによって、送受信回路とアンテナ39間の電力伝達効率を向上させると共に、通信にとって邪魔になる高調波等の不要信号成分あるいは妨害波を除去することが可能である。このことは、アンテナスイッチの回路の簡素化ならびにアンテナスイッチモジュール2の小形化とコスト低減に大きく貢献する。なお共通整合回路47の定性的な動作(入出回路のインピーダンス:Rが数百Ω以上と高い場合の整合手法)については実施形態1と同様であるのでその説明を省略する。
【0079】
次に、複数の通信バンド(割り当て周波数帯)に対する整合性能を前記直列共振トラップ回路471の有無について、回路シミュレーションで解析・調査した結果を表1に示す。回路シミュレーションでは、アンテナスイッチモジュール2で使用されるすべての半導体デバイスの高周波特性(例、Sパラメータなど)、すべての回路素子の電気的性能(インピーダンス他)そして、関連する信号伝送経路の寄生・浮遊インピーダンス、さらに、部品実装に使用されるボンディングワイヤ等の接続線のインダクタンス等、必要な電気的データをシミュレーション・コンピュータに入力する。そして、これらのデータ使用して、アンテナスイッチモジュール2の詳細な電気的特性をコンピュータ解析・調査する。このようにして、回路シミュレーションは、製品性能の最適化とその性能向上、並びに開発速度の向上に役立つ。
【0080】
【表1】
Figure 2005020140
【0081】
各信号の伝送経路における伝達特性、すなわち伝送損失を各周波数帯の平均値(dB)として、トラップ回路471の適用の有無について、表1に比較表示している。なお、この伝送損失は、アンテナと入出力回路の間にあって、通信バンドを切替制御(選択)するGaAs IC (半導体スイッチ回路42A/42B)であるFETスイッチ1〜6の損失を除いたものになっている。表1の結果から、トラップ回路471が複数の通信バンドにわたって、広い周波数帯でその整合性能を向上させていることが分かる。
【0082】
最後に、本発明の効果を確認するために行った回路シミュレーションの別の結果について、図30を用いて説明する。図30は、UMTSの送信回路の出力である、パワーアンプの出力信号に対して、アンテナスイッチモジュール2に、直列共振トラップ回路471を使用した共通整合回路47を設けた場合と、設けない場合について、その伝達特性(アンテナ39へ供給される送信信号の周波数特性)を比較したものである。前記共通整合回路を47を設けることで、UMTXの送信周波数帯域(1920MHz−1980MH0z)において伝達性能が約1.0dB向上していることが判る。さらに、その送信信号の高調波成分が第2高調波帯(3840MHz−3960MHz)において、約5dB減少し、かつ第3高調波帯(5760MHz−5940MHz)において、約20dB以上減少していることが分かる。
【0083】
これらの解析・調査の結果から、アンテナスイッチモジュール2に設けられた共通整合回路47としてのトラップ回路471は、複数の通信バンドにおいて、アンテナ39側と入出力回路側とのインピーダンス整合性能を向上して、両者間の電力伝達効率を向上する。それと共に、送信信号に含まれる高調波等の不要信号成分を除去・低減できることが分かる。換言すれば、本発明のアンテナスイッチモジュール2は、その基本性能である、整合性能並びに信号の周波数選択性能(フィルタ性能)というアンテナスイッチのもつ両面の性能を大きく向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のアンテナスイッチモジュールを使用した携帯電話機の全体構成を示すブロック図。
【図2】アンテナスイッチモジュールのブロック図。
【図3】アンテナスイッチモジュールの実施形態1の回路図。
【図4】アンテナスイッチモジュールに用いる積層体基板の一例を示す正面断面模式図。
【図5】図4の平面図。
【図6】積層体基板の第一の導体層レイアウトを示す説明図。
【図7】アンテナスイッチモジュールの実施形態2の回路図。
【図8】アンテナスイッチモジュールの実施形態3の回路図。
【図9】アンテナスイッチモジュールの実施形態4の回路図。
【図10】共通整合回路を説明するための、アンテナスイッチモジュールの基本構成。
【図11】直列共振トラップ回路を使用した共通整合回路。
【図12】並列共振トラップ回路を使用した共通整合回路。
【図13】π型LPFを使用した共通整合回路。
【図14】分布定数回路を使用したBPFを適用した共通整合回路。
【図15】共通整合回路に直列共振トラップ回路を使用したアンテナスイッチ基本回路。
【図16】直列共振トラップ回路の等価回路。
【図17】FETスイッチONにおける図15の等価回路。
【図18】図17の等価回路の整合動作を説明するためのスミスチャート。
【図19】共通整合回路に並列共振トラップ回路を使用したアンテナスイッチ基本回路。
【図20】並列共振トラップ回路の等価回路。
【図21】FETスイッチONにおける図19の等価回路。
【図22】図21の等価回路の整合動作を説明するためのスミスチャート。
【図23】共通整合回路にπ型LPFを使用したアンテナスイッチ基本回路。
【図24】FETスイッチONにおける図23の等価回路。
【図25】図24の等価回路の整合動作を説明するためのスミスチャート。
【図26】共通整合回路に分布定数回路を使用したBPFを適用したアンテナスイッチ基本回路。
【図27】FETスイッチONにおける図26の等価回路。
【図28】合成インピーダンスZを使用した図27の合成等価回路。
【図29】図28の等価回路の整合動作を説明するためのスミスチャート。
【図30】共通整合回路に直列共振トラップ回路を使用したアンテナスイッチモジュールの、伝達特性を示す回路シミュレーション結果。
【符号の説明】
1 無線電話端末(デジタル携帯電話機)
2 アンテナスイッチモジュール
33A〜33D 送信部(送信回路)
35A〜35D 受信部(受信回路)
39 アンテナ
44 ダイプレクサ(分波回路、デュープレクサ)
45 ダイプレクサのLPF
46 ダイプレクサのHPF
47 共通整合回路(共通フィルタ、トラップ回路、LPF,BPF)
42A 低域側半導体スイッチ回路(高周波トランジスタ)
42B 高域側半導体スイッチ回路(高周波トランジスタ)
42IC GaAs ICスイッチ(高周波トランジスタ)
80 積層体基板
471 直列共振トラップ回路
472 並列共振トラップ回路
473 π型LPF
474 分布定数回路を使用したBPF
VA ビア導体
D1〜D11 誘電体層
M1〜M11 導体層
ANT アンテナ(側入出力端子)
X1,RX2,TX1X2,RX3,RX4,TX3X4 入出力端子
PD 実装端子(各種信号のパッド)

Claims (14)

  1. 無線電話通信装置に使用されるアンテナスイッチモジュールであって、
    複数の導体層と複数の誘電体層とが交互に積層され、かつ誘電体層を厚さ方向に貫通し、ビア導体により前記複数の導体層を互いに接続するビア導体を有する積層体基板と、アンテナにつながるアンテナ側入出力端子と、該アンテナ側入出力端子からの受信信号を前記無線電話通信装置の受信回路側へ出力する1又は複数の受信出力端子と、前記無線電話通信装置の送信回路側から前記アンテナ側入出力端子に向かう送信信号を入力する1又は複数の送信入力端子と、前記アンテナ側入出力端子に対応したアンテナ側スイッチ実装端子と、前記受信出力端子に対応した受信側スイッチ実装端子と、前記送信入力端子に対応した送信側スイッチ実装端子と、前記アンテナ側入出力端子を前記アンテナ側スイッチ実装端子に接続する第一経路部と、前記受信側スイッチ実装端子及び前記送信側スイッチ実装端子を対応する前記受信出力端子及び前記送信入力端子にそれぞれ接続する第二経路部とを有する信号伝送経路とを備え、前記導体層と前記ビア導体とが前記信号伝送経路を形成し、前記積層体基板の表面に、前記アンテナ側入出力端子、前記受信出力端子、前記アンテナ側スイッチ実装端子、前記受信側スイッチ実装端子、前記送信入力端子及び前記送信側スイッチ実装端子が露出形成された積層体基板と、
    前記アンテナ側入出力端子への前記送信入力端子及び前記受信出力端子の接続を切替え、前記各受信側スイッチ実装端子及び前記各送信側スイッチ実装端子にそれぞれ実装される半導体スイッチ回路とを備え、
    前記半導体スイッチ回路は、前記受信出力端子及び前記送信入力端子から選ばれる信号周波数帯の互いに異なる2以上の端子を切替対象端子として、前記積層体基板の前記アンテナ側スイッチ実装端子と、前記切替対象端子に対応する前記受信側スイッチ実装端子又は/及び前記送信側スイッチ実装端子とに実装される高周波トランジスタにて構成され、前記アンテナ側入出力端子を前記切替対象端子のいずれかに選択的に接続され、
    前記切替対象端子が取り扱う複数の信号の割り当て周波数帯域において、前記積層体基板に内層された各信号伝送経路のインピーダンスを、前記半導体スイッチ回路のインピーダンスに整合する共通整合回路が、前記アンテナ側入出力端子と前記半導体スイッチ回路との間に設けられてなることを特徴とするアンテナスイッチモジュール。
  2. 前記共通整合回路は、前記切替対象端子が取り扱う複数の信号のいずれの割り当て周波数帯にも属さず、かつ、それら複数の信号に共通の予め定められた対象周波数帯において、それらの信号に包含される不要信号成分を除去又は低減する共通フィルタとして機能する請求項1に記載のアンテナスイッチモジュール。
  3. 前記共通整合回路は、前記アンテナ側のインピーダンスと、前記半導体スイッチ回路を含む前記無線電話装置の入力回路側あるいは出力回路側の複合インピーダンスとを整合させる整合回路と、送信回路で生じた不要信号成分、あるいはアンテナが受信した不要信号成分を取り除くフィルタとに兼用されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のアンテナスイッチモジュール。
  4. 前記切替対象端子が取り扱う2以上の信号の割り当て周波数帯域が、中心周波数にて300MHz以内の周波数範囲内に収まるように設定されている請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載のアンテナスイッチモジュール。
  5. 前記共通フィルタを、前記対象周波数帯域内に減衰極を有するトラップ回路にて構成する請求項2ないし請求項4のいずれか一項に記載のアンテナスイッチモジュール。
  6. 前記トラップ回路は、前記伝送経路の前記第一経路部から分岐する直列共振回路あるいは並列共振回路から成るバンドリジェクタフィルタである請求項5記載のアンテナスイッチモジュール。
  7. 前記直列共振回路又は並列共振回路は、前記積層体基板に内層されるLC共振回路である請求項6記載のアンテナスイッチモジュール。
  8. 前記切替対象端子が、割り当て周波数帯域の互いに異なる複数の受信入力端子を含む請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載のアンテナスイッチモジュール。
  9. 前記アンテナ側入出力端子に入力される前記アンテナからの受信信号を高域側信号と低域側信号とに分波するための、ローパスフィルタとハイパスフィルタとからなるダイプレクサが前記積層体基板に内層され、
    前記高域側信号と前記低域側信号とのそれぞれに対応して、前記受信出力端子及び前記受信側スイッチ実装端子と前記送信入力端子及び前記送信側スイッチ実装端子とが前記積層体基板に設けられ、前記アンテナ側入出力端子への前記送信入力端子及び前記受信出力端子の接続を切替える前記半導体スイッチ回路が、前記高域側信号と前記低域側信号との各受信側スイッチ実装端子及び各送信側スイッチ実装端子にそれぞれ実装される形で設けられ、
    前記トラップ回路が、前記ダイプレクサと前記アンテナ側入出力端子との間に設けられる請求項8記載のアンテナスイッチモジュール。
  10. 前記トラップ回路と前記半導体スイッチ回路との間において、前記信号伝送経路の前記第一経路部から、前記送信入力端子につながる送信信号用の伝送経路が分岐し、前記トラップ回路は前記送信信号の前記対象周波数帯域における減衰回路に共用される請求項8又は請求項9に記載のアンテナスイッチモジュール。
  11. 前記切替対象端子が、周波数帯域の互いに異なる複数の送信入力端子を含む請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載のアンテナスイッチモジュール。
  12. 前記切替対象端子が、周波数帯域の互いに異なる送信入力端子と受信入力端子とを含む請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載のアンテナスイッチモジュール。
  13. 請求項1ないし請求項12のいずれか一項に記載のアンテナスイッチモジュールと、
    前記アンテナ側入出力端子に接続されるアンテナと、
    前記受信出力端子に接続される受信回路と、
    前記送信入力端子に接続される送信回路と、を備えたことを特徴とする無線電話通信装置。
  14. 前記アンテナの伝送経路のインピーダンスと、前記半導体スイッチ回路を含む前記受信回路の複合インピーダンス或いは前記半導体スイッチ回路を含む前記送信回路の複合インピーダンスの何れかとを、前記複数の割り当て周波数帯域において、整合させる前記共通整合回路を、備えた前記アンテナスイッチモジュールを設けてなることを特徴とする請求項13記載の無線電話通信装置。
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