JP2004135316A - 高周波部品及び高周波モジュール並びにこれらを用いた通信機 - Google Patents
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Abstract
【課題】 必要な基本周波数帯域での挿入損失を最小に抑え、不用な周波数帯域での高調波減衰量を最大にすると共に静電気サージを行える高周波部品等を提供する。
【解決手段】 通過帯域が異なる複数の送受信系に信号を分波する分波回路と、前記各送受信系のそれぞれに送信系と受信系を切り替えるスイッチ回路と、前記スイッチ回路の各送信系にはローパスフィルタを有したスイッチ回路と、半導体素子と電源供給回路と整合回路とを有する高周波増幅器回路とを有し、前記高周波増幅器回路の出力整合回路とスイッチ回路の送信端子との間にハイパスフィルタによる位相調整回路を設け、前記スイッチ回路と高周波増幅器回路との整合が、必要な基本周波数帯域においては共役整合に相当する位相の関係にあるが、不要な2,3倍の周波数帯域においては非共役整合に相当する関係に位相調整し、尚且つこのハイパスフィルタにより静電気サージ対策が出来る高周波部品である。
【選択図】 図1
【解決手段】 通過帯域が異なる複数の送受信系に信号を分波する分波回路と、前記各送受信系のそれぞれに送信系と受信系を切り替えるスイッチ回路と、前記スイッチ回路の各送信系にはローパスフィルタを有したスイッチ回路と、半導体素子と電源供給回路と整合回路とを有する高周波増幅器回路とを有し、前記高周波増幅器回路の出力整合回路とスイッチ回路の送信端子との間にハイパスフィルタによる位相調整回路を設け、前記スイッチ回路と高周波増幅器回路との整合が、必要な基本周波数帯域においては共役整合に相当する位相の関係にあるが、不要な2,3倍の周波数帯域においては非共役整合に相当する関係に位相調整し、尚且つこのハイパスフィルタにより静電気サージ対策が出来る高周波部品である。
【選択図】 図1
Description
本発明は2つ以上の異なる周波数の信号を1つのアンテナを共用して送受信する無線通信システムに関し、スイッチ回路と高周波増幅器回路を複合化したマルチバンド用高周波部品及びこれらを一つの積層体に構成したマルチバンド用高周波モジュール並びにこれらを用いた通信機に関するものである。
携帯無線システムには、例えば主に欧州で盛んなEGSM(Extended Global System for Mobile Communications)方式およびDCS(Digital Cellular System)方式、米国で盛んなPCS(Personal Communication Service)方式、日本で採用されているPDC(Personal Digital Cellular )方式などの時分割マルチプルアクセス(TDMA)を用いた様々なシステムがある。昨今の携帯電話の急激な普及に伴い、特に先進国の主要な大都市部においては各システムに割り当てられた周波数帯域ではシステム利用者を賄いきれず、接続が困難であったり、通話途中で接続が切断するなどの問題が生じている。そこで、利用者が複数のシステムを利用できるようにして、実質的に利用可能な周波数の増加を図り、さらにサービス区域の拡充や各システムの通信インフラを有効活用することが提唱されている。
従来、複数のシステムに対応した小型軽量の高周波回路部品として、例えばEGSMとDCSの2つのシステムに対応した携帯通信機に用いられるデュアルバンド対応の高周波スイッチモジュールが特許文献1に開示されている。また、EGSM、DCS、PCSの3つのシステムに対応した携帯通信機に用いられるトリプルバンド対応の高周波スイッチモジュールが特許文献2で提案されている。
従来、複数のシステムに対応した小型軽量の高周波回路部品として、例えばEGSMとDCSの2つのシステムに対応した携帯通信機に用いられるデュアルバンド対応の高周波スイッチモジュールが特許文献1に開示されている。また、EGSM、DCS、PCSの3つのシステムに対応した携帯通信機に用いられるトリプルバンド対応の高周波スイッチモジュールが特許文献2で提案されている。
図19にトリプルバンド高周波スイッチモジュールのブロック構成の一例を示す。共用のアンテナANT端子に接続された分波回路Dip(以下、分波器あるいはダイプレクサと言うことがあるが同等のものである。)によりEGSMの周波数帯の信号とDCS/PCSの周波数帯の信号を分波し(逆方向では合成するが、本明細書では分波で説明する。)、第1の高周波スイッチSW1はEGSM送信端子TxとEGSM受信端子Rxとを切り替え、第2の高周波スイッチSW2はDCS/PCS送信端子TxとDCS受信端子Rx及びPCS受信端子Rxとを切り替える。ローパスフィルタLPF1、LPF2は送信経路に挿入されハイパワーアンプで発生する高調波歪発生量を低減する。バンドパスフィルタSAW1、SAW2、SAW3はアンテナANTからの受信信号のうち不要周波数成分を除去し、必要成分だけをローノイズアンプに送る。従って、EGSM送信端子TxとDCS/PCS送信端子Txの前段にはハイパワーアンプHPA1、HPA2が設けられ、EGSM受信端子RxとDCS受信端子Rx及びPCS受信端子Rxの後段にはローノイズアンプLNA1、LNA2、LNA3が設けられている。
一般に携帯電話システムでは、周囲の携帯電話機との混信を避けるため、基地局から携帯電話へ向けて、発信出力が交信に必要な最小限度のパワーとなるように制御信号(パワーコントロール信号)が送られている。この制御信号に基づいて動作するAPC(Automatic Power Control)回路によって、送信側出力段の高周波増幅器では、その送信出力が通話に必要な出力となるようにゲート電圧が制御される。これは実際に高周波増幅器から出力されている電力をカプラによりモニタして得られた検知信号と、基地局からのパワーコントロール信号とを比較し制御される。このように、携帯電話の通信システムでは周囲環境に適応するよう出力を可変させて通話をおこなうことにより、他の携帯電話との間で混信を生じ難くくし、通話品質を安定維持できるように構築されている。
尚、欧州のデジタル携帯電話のシステムにおいて高周波増幅器の出力検出回路は大きく分けて2つの方式がある。一つは高周波増幅器の出力端子にカプラ回路を取り付け、出力電力を検出する方式と、もう一つの方式は高周波増幅器部に1〜10Ω程度の抵抗を付け、電圧降下から消費電力を求め、高周波電力に換算する方式の2つである。一般的に前者は積層体への回路形成で実現され、後者には色々な種類の派生手段がある。例えば搭載部品や半導体チップへの回路集積で実現される等である。本発明はどちらの方式でも適用可能であるが、以下の説明は後者の方式を例に説明する。
尚、欧州のデジタル携帯電話のシステムにおいて高周波増幅器の出力検出回路は大きく分けて2つの方式がある。一つは高周波増幅器の出力端子にカプラ回路を取り付け、出力電力を検出する方式と、もう一つの方式は高周波増幅器部に1〜10Ω程度の抵抗を付け、電圧降下から消費電力を求め、高周波電力に換算する方式の2つである。一般的に前者は積層体への回路形成で実現され、後者には色々な種類の派生手段がある。例えば搭載部品や半導体チップへの回路集積で実現される等である。本発明はどちらの方式でも適用可能であるが、以下の説明は後者の方式を例に説明する。
さて、携帯通信機の小型軽量化の要求は依然として強く、部品の共有化や機能を集約したモジュール化が進められている。例えば、図19の点線で囲まれた回路部品は、LTCC(Low Temperature Co-fired Ceramics)等の誘電体シートを多層に積み重ねた積層体内に伝送線路やコンデンサを電極パターンにより形成し、ダイオード等を積層体上に搭載したマルチバンド用アンテナスイッチモジュールASMとして実現されている(上記特許公報参照)。また、一点鎖線で囲まれた範囲のモジュール化についてもディスクリートのSAWフィルタを積層体上に搭載した形で実現されている。
一方、携帯通信機の送信側では比較的大電力の信号を出力するために、数W程度のハイパワーアンプ(本発明ではパワーアンプ等と区別をせず高周波増幅器と言うがパワーアンプ、アンプ等と記す場合がある。)が用いられる。携帯電話機等は小型で低消費電力にする必要があるため、DC電力の大部分を消費するハイパワーアンプには、DC−RF電力変換効率(電力付加効率とも言う。)が高く小型であることが求められる。特に携帯電話機等においては、機器が小型であることと、電池の1回充電当たりの通話時間の長さが製品の重要なセールス・ポイントであるために、ハイパワーアンプの小型化と高効率化が必須である。
これらアンプとアンテナ或いはアンテナスイッチモジュールに関与する従来技術として、受信専用アンテナとアンプを積層体上に搭載し、両者間に位相調整回路を設けたアンテナ装置が特許文献3にある。しかしながら、このものはアンプから漏れた電磁波を当該受信専用アンテナ(パッチアンテナ)自身が受信した場合の閉ループの位相ずれを調整するためのものであった。即ち、高周波スイッチ機能を複合化したものではない。
また、複数の誘電体層を積層してなる多層基板に高周波スイッチとアンプを構成する伝送線路やコンデンサを内蔵し、多層基板上にトランジスタ等を搭載してモジュール化することが特許文献4に開示されている。しかし、このものでは構想を示すだけで両者を一体化したときの現実的な問題点や解決手段は何ら開示されておらず実現困難なものであった。
さらに、ハイパワーアンプとこの出力電力をモニタするカプラを一体化し、両者間の整合をスプリアス周波数において非共役整合に設定した高周波用送信モジュールが特許文献5に開示されている。しかしながら、この高周波用送信モジュールは、ハイパワーアンプとカプラのモジュール化を対象とするものであり、さらに高周波部品間の挿入損失低減と高調波減衰特性の劣化についての具体的な解決手段は提示されていない。
また、複数の誘電体層を積層してなる多層基板に高周波スイッチとアンプを構成する伝送線路やコンデンサを内蔵し、多層基板上にトランジスタ等を搭載してモジュール化することが特許文献4に開示されている。しかし、このものでは構想を示すだけで両者を一体化したときの現実的な問題点や解決手段は何ら開示されておらず実現困難なものであった。
さらに、ハイパワーアンプとこの出力電力をモニタするカプラを一体化し、両者間の整合をスプリアス周波数において非共役整合に設定した高周波用送信モジュールが特許文献5に開示されている。しかしながら、この高周波用送信モジュールは、ハイパワーアンプとカプラのモジュール化を対象とするものであり、さらに高周波部品間の挿入損失低減と高調波減衰特性の劣化についての具体的な解決手段は提示されていない。
従来、マルチバンド用アンテナスイッチ回路と高周波増幅器回路までを一つの積層体内に複合モジュール化して実現した例は見当たらない。従い、携帯通信機の組立てメーカでは、既存の高周波増幅器回路と既存のアンテナスイッチモジュールを種々組み合わせ、変換効率や高調波発生量等の送信特性もしくはアンテナ出力特性をモニタした結果、相性の良い部品の組み合わせを選定する設計手法に留まっているのが実情である。
そこで、高周波増幅器HPAとアンテナスイッチモジュールASMの整合を図りながら一つの積層体内に複合モジュール化することが考えられる(図19のASM+HPAの範囲)。しかしながら、複合モジュール化して小型化は図れたとしても、ディスクリートで組み合わせた場合と同様の問題が解決されるわけではない。例えば、高周波増幅器の出力端子とアンテナスイッチモジュールの送信端子はそれぞれ略50Ω整合を狙って設計されるが、各々が厳密に50Ωになっているわけではなく、可能な範囲で50Ω近辺に設定されている場合が一般的である。例えば、高周波増幅器HPA側が45Ωで位相120度の位置にあり、アンテナスイッチモジュールASM側が52Ωで位相80度の位置にあったとしてもお互い50Ω整合していると見なしている。結局、送信帯域におけるスミスチャート中央の50Ω近辺を狙ってはいるが、お互いのリアクタンスまでも含んだインピーダンス関係を考慮していない。従い具体的な設計指針がないと実効を上げることが出来ず、結果として必要周波数帯域での損失が大きくなったり、また不要周波数帯域での減衰量が不充分であったりと言った問題が生じる。この問題は、回路基板上に高周波増幅回路とアンテナスイッチモジュールを個々実装し、例え両者間に整合回路を設けた場合でも同様に生じる。
そこで、高周波増幅器HPAとアンテナスイッチモジュールASMの整合を図りながら一つの積層体内に複合モジュール化することが考えられる(図19のASM+HPAの範囲)。しかしながら、複合モジュール化して小型化は図れたとしても、ディスクリートで組み合わせた場合と同様の問題が解決されるわけではない。例えば、高周波増幅器の出力端子とアンテナスイッチモジュールの送信端子はそれぞれ略50Ω整合を狙って設計されるが、各々が厳密に50Ωになっているわけではなく、可能な範囲で50Ω近辺に設定されている場合が一般的である。例えば、高周波増幅器HPA側が45Ωで位相120度の位置にあり、アンテナスイッチモジュールASM側が52Ωで位相80度の位置にあったとしてもお互い50Ω整合していると見なしている。結局、送信帯域におけるスミスチャート中央の50Ω近辺を狙ってはいるが、お互いのリアクタンスまでも含んだインピーダンス関係を考慮していない。従い具体的な設計指針がないと実効を上げることが出来ず、結果として必要周波数帯域での損失が大きくなったり、また不要周波数帯域での減衰量が不充分であったりと言った問題が生じる。この問題は、回路基板上に高周波増幅回路とアンテナスイッチモジュールを個々実装し、例え両者間に整合回路を設けた場合でも同様に生じる。
また、一般に携帯電話などの通信機器は人体や静電気の発生しやすい布などと接触し摩擦し易いので静電気に対する対策が必要である。従来アンテナスイッチモジュール等ではアンテナトップにフィルタ回路を挿入して静電サージ対策をする例は見られるが、これはアンテナスイッチモジュール自体の静電破壊防止が主な目的であった。一方、アンテナスイッチモジュールの送信側に接続される高周波増幅回路の耐圧は300V程度であるため、アンテナスイッチモジュールからの漏れ電圧量はそれ以下にする必要がある。しかし、従来の対策では送信側への漏れ電圧レベルまでを考慮した構成となっていないのが現状である。
本発明はこのような問題に鑑み、必要な基本周波数帯域での挿入損失を最小に抑えると共に、不用なn倍周波数帯域での高調波減衰量を最大にする位相調整回路と静電気による高周波部品の破壊を防止することを兼ねた高周波部品を提供する。さらに両者を一つの積層基板内に構成し且つ後で調整がし易い高周波モジュールを提供するものである。また、これらを用いた通信機を提供する。
本発明は、通過帯域が異なる複数の送受信系を扱う高周波部品であって、高周波数側の信号と低周波数側の信号を分波する分波回路と、前記分波回路に接続され、送信系又は受信系との接続を切り替えるスイッチ回路と、前記スイッチ回路の各送信系にはローパスフィルタとを有し、少なくとも半導体素子と電源供給回路と整合回路とを有する高周波増幅器回路と、前記スイッチ回路と高周波増幅器回路との間に位相調整の機能と静電気破壊防止の機能を有するハイパスフィルタを設けた高周波部品である。
より好ましくは180度±90度、更に好ましくは180度±45度の領域に位相調整することである。
より好ましくは180度±90度、更に好ましくは180度±45度の領域に位相調整することである。
本発明の高周波部品は、前記ハイパスフィルタは、少なくともグランドとの間に接続されたインダクタと、前記高周波増幅器の出力端と前記インダクタとの間に接続されたコンデンサとからなり、当該ハイパスフィルタにより、基本周波数帯域においては共役整合に相当する位相の関係にあるが、n倍(nは2以上の自然数)の周波数帯域においては、前記スイッチ回路と高周波増幅器回路との間の接続基準面から高周波増幅器側を見たときのインピーダンスZ1と、前記接続基準面からスイッチ回路側を見たときのインピーダンスZ2との関係が、前記Z1の位相θの共役整合の関係にある位相をθ1としたとき、前記Z2の位相θ2をθ1に対し逆位相であるθ0を中心に±120度(θ0±120度)の非共役整合領域に位相調整したものである。
本発明は、通過帯域が異なる複数の送受信系を扱う高周波部品であって、複数の誘電体層を積層してなる積層基板からなり、高周波数側の信号と低周波数側の信号を分波する分波回路と、前記分波回路に接続され、送信系又は受信系との接続を切り替えるスイッチ回路と、前記スイッチ回路の各送信系にはローパスフィルタとを有し、前記分波回路はLC回路で構成され、前記スイッチ回路はスイッチング素子と伝送線路を主構成とし、前記ローパスフィルタはLC回路で構成され、前記分波回路のLC回路、前記ローパスフィルタのLC回路及び前記スイッチ回路の伝送線路の少なくとも一部は、電極パターンと誘電体層との積層体内に電極パターンにより構成し、前記スイッチング素子またはLC回路の一部を構成するチップ素子は前記積層体上に配置したスイッチモジュール部と、少なくとも半導体素子と電源供給回路と整合回路とを有し、前記電源供給回路と整合回路を構成する伝送線路及びLC回路の少なくとも一部は、電極パターンと誘電体層との前記積層体内に、電極パターンにより構成し、前記半導体素子またはLC回路の一部を構成するチップ素子は前記積層体上に配置した高周波増幅器モジュール部と、前記高周波増幅器モジュール部と前記スイッチモジュール部との間に少なくともグランドとの間に接続されたインダクタと、高周波増幅器の出力端と前記インダクタとの間に接続されたコンデンサとからなるハイパスフィルタを設け、前記インダクタ及びコンデンサは電極パターンと誘電体層との前記積層体内に、電極パターンあるいはLC回路により構成し、且つ前記インダクタの伝送線路あるいはLC回路は積層基板の最上層面あるいは内層に形成した高周波モジュールである。
本発明の高周波モジュールは、接続基準面から高周波増幅器側を見たときのインピーダンスZ1、前記接続基準面からスイッチ側を見たときのインピーダンスZ2、前記位相調整回路のスイッチ側からスイッチ側を見たときのインピーダンスZ3との関係が、Z1の位相θの共役整合の関係にある位相をθ1、θ1に対する180度の逆位相をθ0としたとき、Z3の位相θ3がθ0に対し時計回り方向にあるとき、前記位相調整回路である前記ハイパスフィルタを用いて、Z2の位相θ2がθ3よりもθ0に近づくように調整することが望ましい。
このとき、前記ハイパスフィルタを伝送線路で構成した場合、前記Z2の位相θ2がθ3よりもθ0に近づくように、現在の伝送線路の長さよりも短くなる方向に調整することが望ましい。
このとき、前記ハイパスフィルタを伝送線路で構成した場合、前記Z2の位相θ2がθ3よりもθ0に近づくように、現在の伝送線路の長さよりも短くなる方向に調整することが望ましい。
本発明では、高周波増幅器回路とスイッチ回路の間にカプラ回路を介するか、またはスイッチ回路の代わりにカプラ回路を構成しても実現できる。
また、本発明は、上記した高周波部品または高周波モジュールを搭載することにより小型軽量で電力付加効率の高い通信機となすことができる。
また、本発明は、上記した高周波部品または高周波モジュールを搭載することにより小型軽量で電力付加効率の高い通信機となすことができる。
本発明によれば、必要な基本周波数帯域での挿入損失を最小に抑えると共に、不用周波数帯域での高調波減衰量を最大にした、損失が無く電力付加効率の高いアンテナ出力特性が優れており、尚且つ静電気破壊対策のとれたマルチバンド用高周波複合部品が得られた。さらに一つの積層体内に2つ或いは2つ以上の機能を一体化したマルチバンド用の高周波モジュールとなり安価で一層の軽量小型が達成できた。そしてこれらを用いた高性能な通信機を提供することができた。
本願発明者は、まず高周波増幅器回路とアンテナスイッチモジュール回路間の位相関係がアンテナ出力特性に及ぼす影響について、図13に示すモデルを用いて検討した。具体的には高周波増幅器回路の出力整合回路端とアンテナスイッチモジュールの送信端子との位相関係を、アンテナスイッチモジュールASMの前に移相器PSを置き、接続基準面から見た高周波増幅器側のインピーダンスZ1を固定し、アンテナスイッチモジュール側のインピーダンスZ2を変化させ、位相変化と挿入損失及び基本波周波数、2倍波周波数、3倍波周波数の減衰量とその傾向についてスミスチャート上にプロットした。
尚、本発明では便宜上、高周波増幅器側のインピーダンスZ1を固定し、アンテナスイッチモジュール側のインピーダンスZ2を変化調整した例に基づいて説明するが、逆にアンテナスイッチモジュール側のインピーダンスZ2を固定し、高周波増幅器側のインピーダンスZ1を変化調整することでも本発明は実施できる。さらに、両側(高周波増幅器HPA、アンテナスイッチモジュールASM)を適宜調整することでも本発明は実施できる。これらは特許請求の範囲についても言えることである。また、本明細書においてアンテナスイッチモジュールとあるのは、本発明の高周波モジュールを共用のアンテナに接続したときの呼称として用いているものであって、本発明の高周波部品並びに高周波モジュールと実質的に同等のものである。
尚、本発明では便宜上、高周波増幅器側のインピーダンスZ1を固定し、アンテナスイッチモジュール側のインピーダンスZ2を変化調整した例に基づいて説明するが、逆にアンテナスイッチモジュール側のインピーダンスZ2を固定し、高周波増幅器側のインピーダンスZ1を変化調整することでも本発明は実施できる。さらに、両側(高周波増幅器HPA、アンテナスイッチモジュールASM)を適宜調整することでも本発明は実施できる。これらは特許請求の範囲についても言えることである。また、本明細書においてアンテナスイッチモジュールとあるのは、本発明の高周波モジュールを共用のアンテナに接続したときの呼称として用いているものであって、本発明の高周波部品並びに高周波モジュールと実質的に同等のものである。
以上の検討の結果、位相の変化量とアンテナ出力特性(挿入損失や高調波減衰量など)には密接な関係があり、n次高調波帯域での相互のインピーダンス特性も全体特性に強く影響を与えることを知見した。図1を参照してまとめると、
(1)基準面から見たアンテナスイッチモジュール側の位相が、高周波増幅器側の位相θの符号を反転させた位相θ1(−θ)のとき挿入損失及び減衰量は最小となる。即ち、インピーダンスZ1の共役整合に相当する位相θ1で挿入損失が最小となる。しかしこのとき減衰量も最小となる。
(2)基準面から見たアンテナスイッチモジュール側の位相が、θ1の逆位相θ0(θ1±180度)で挿入損失及び減衰量は最大となる。即ち、共役インピーダンスに相当する位相θ1の逆位相θ0で減衰量が最大となる。しかし、このとき挿入損失も最大となる。
尚、共役インピーダンスとは、あるインピーダンスに対して複素共役の関係にあるインピーダンスである。等しい抵抗成分と大きさが等しく符号が反対のリアクタンス分をもつインピーダンスの関係をいい、θのインピーダンス(R+jX)とθ1のインピーダンス(R−jX)は複素共役である。このような関係を共役整合と言いインピーダンス整合が実現する。ここで(R+jX)と(R−jX)による共役整合が理想的で最適であるが、(R’−jX)というリアクタンス部分のみを考慮し調整するだけでも効果があることを本検討により知見した。また、インピーダンス(R+jX)全てを合わせるのは難しいが、少なくとも位相を考慮すれば十分な効果があり、且つ現実的な調整手段であることを見出した。
また、更なる検討の結果、上記条件を満足する回路構成の中でも、更に静電気対策にも有効な回路構成があることを知見した。具体的には、ハイパスフィルタ型の位相調整回路が静電気対策には有効である。このとき、ハイパスフィルタの定数値をコンデンサ、インダクタともに小さな定数を選択するとより有効であることを見出した。
(1)基準面から見たアンテナスイッチモジュール側の位相が、高周波増幅器側の位相θの符号を反転させた位相θ1(−θ)のとき挿入損失及び減衰量は最小となる。即ち、インピーダンスZ1の共役整合に相当する位相θ1で挿入損失が最小となる。しかしこのとき減衰量も最小となる。
(2)基準面から見たアンテナスイッチモジュール側の位相が、θ1の逆位相θ0(θ1±180度)で挿入損失及び減衰量は最大となる。即ち、共役インピーダンスに相当する位相θ1の逆位相θ0で減衰量が最大となる。しかし、このとき挿入損失も最大となる。
尚、共役インピーダンスとは、あるインピーダンスに対して複素共役の関係にあるインピーダンスである。等しい抵抗成分と大きさが等しく符号が反対のリアクタンス分をもつインピーダンスの関係をいい、θのインピーダンス(R+jX)とθ1のインピーダンス(R−jX)は複素共役である。このような関係を共役整合と言いインピーダンス整合が実現する。ここで(R+jX)と(R−jX)による共役整合が理想的で最適であるが、(R’−jX)というリアクタンス部分のみを考慮し調整するだけでも効果があることを本検討により知見した。また、インピーダンス(R+jX)全てを合わせるのは難しいが、少なくとも位相を考慮すれば十分な効果があり、且つ現実的な調整手段であることを見出した。
また、更なる検討の結果、上記条件を満足する回路構成の中でも、更に静電気対策にも有効な回路構成があることを知見した。具体的には、ハイパスフィルタ型の位相調整回路が静電気対策には有効である。このとき、ハイパスフィルタの定数値をコンデンサ、インダクタともに小さな定数を選択するとより有効であることを見出した。
本発明では上記共役整合の関係を位相で捉え、必要な基本周波数帯域においては(1)を満足させて、挿入損失を最小に抑え、インピーダンスZ1の共役整合に相当する位相関係を設定することが第1の指針となる。即ち、高周波増幅器とアンテナスイッチモジュールを繋ぐ位相調整回路によりLCを調整し両者間を略50Ωかつ共役整合となし挿入損失を最小にする。
次に、不要な2倍波、3倍波のn次周波数帯域においては高調波減衰量を最大にするため(2)を満足するように、インピーダンスZ2を非共役整合に相当する位相θ2に調整する。非共役整合とは共役整合以外の状態である。これはθ1に対して逆位相にあるθ0が最も望ましい位置であることを知見し、且つ許容範囲があることを見出した。この点が本発明の特徴の一つであり、これを最大減衰量に対し5dB劣化を許容するθ0±120度の位相θ2の領域とした。好ましくは3dB劣化を許容するθ0±90度であり、更に好ましくはθ0±45度である。領域としたのは個々の場合によって条件が異なるし移動する方向も異なるので±の範囲としてとらえた。よって、まずは共役整合に相当する位相θ1から逆位相の方向に位相をずらすことを行い、より具体的にはθ2の領域内に位相調整することが第2の指針となる。
次に、不要な2倍波、3倍波のn次周波数帯域においては高調波減衰量を最大にするため(2)を満足するように、インピーダンスZ2を非共役整合に相当する位相θ2に調整する。非共役整合とは共役整合以外の状態である。これはθ1に対して逆位相にあるθ0が最も望ましい位置であることを知見し、且つ許容範囲があることを見出した。この点が本発明の特徴の一つであり、これを最大減衰量に対し5dB劣化を許容するθ0±120度の位相θ2の領域とした。好ましくは3dB劣化を許容するθ0±90度であり、更に好ましくはθ0±45度である。領域としたのは個々の場合によって条件が異なるし移動する方向も異なるので±の範囲としてとらえた。よって、まずは共役整合に相当する位相θ1から逆位相の方向に位相をずらすことを行い、より具体的にはθ2の領域内に位相調整することが第2の指針となる。
ここで位相調整を行う位相調整回路は伝送線路あるいはLC回路で実施できる。ここで一例を述べると、図4は伝送線路での実施例である。増幅器出力側には半導体素子FET(電界効果型トランジスタ)Q1があり、このトランジスタQ1のドレイン端子Dには伝送線路あるいはインダクタSL1を介して電源供給端子Vdd1より電源が供給される。ドレイン端子Dは伝送線路ASL1と直流カットコンデンサCa2を介し出力端子P0に繋がっている。アンテナスイッチ送信側は送信端子P1に直流カットコンデンサCa1と伝送線路ASL2が接続され、その後方には送信系回路の一部である伝送線路L5とLC回路からなるローパスフィルタLPFが繋がっている。出力端子P0と送信端子P1を接続する際にはコンデンサCa1、Ca2の一方を省略できる。そして、ここに位相調整回路兼静電気破壊防止回路を挿入する。尚、伝送線路ASL2は送信端子P1とローパスフィルタLPFを積層体内で接続するために必要とされるのでこれを同時に利用する。実際の設定にあたっては、先ず、増幅器出力側の伝送線路ASL1の長さあるいは幅を調整しながら適切な位置に適切な容量のコンデンサCa3、Ca4を挿入し、アンテナスイッチの入力インピーダンスの略50Ω整合を図る。次に、必要に応じて伝送線路ASL2の長さあるいは幅を調整する。更に、必要に応じてL5の長さ、幅、LPF送信端子側の並列Cの容量値等も調整しても良い。このとき、位相調整回路にハイパスフィルタ型の回路を選択し、かつ、その定数値を適切に選択することによって、送信側へのサージ漏れ電圧を低減することが可能となる。
また、調整手段については以下のことが明らかになった。
位相θ3がθ0に対し時計回り方向にある場合は、狙いの位相領域θ2がθ3よりも最良位相θ0に近づくように、図3(1)〜(4)のLC回路からなるハイパスフィルタを挿入する。この場合もどちらか一方の直流カットコンデンサCa1、Ca2は省略できるし、他方のCは実質無くても動作するので、結局、高周波増幅器側のコンデンサCa2あるいはCだけを残しておき、他端が接地されたインダクタLあるいは伝送線路SLの一端をアンテナスイッチ側に接続して構成すれば良い。従って、ハイパスフィルタを挿入する場合の位相調整は回路が簡略されて望ましい。ここで静電気対策回路も同等の回路構成で実現できる。インダクタ値、コンデンサ値ともに小さい方がより漏れ電圧抑制には効果的であるが、後述するように、位相調整効果、漏れ電圧抑制効果を同時に満足する範囲が存在することが判明した。
位相θ3がθ0に対し時計回り方向にある場合は、狙いの位相領域θ2がθ3よりも最良位相θ0に近づくように、図3(1)〜(4)のLC回路からなるハイパスフィルタを挿入する。この場合もどちらか一方の直流カットコンデンサCa1、Ca2は省略できるし、他方のCは実質無くても動作するので、結局、高周波増幅器側のコンデンサCa2あるいはCだけを残しておき、他端が接地されたインダクタLあるいは伝送線路SLの一端をアンテナスイッチ側に接続して構成すれば良い。従って、ハイパスフィルタを挿入する場合の位相調整は回路が簡略されて望ましい。ここで静電気対策回路も同等の回路構成で実現できる。インダクタ値、コンデンサ値ともに小さい方がより漏れ電圧抑制には効果的であるが、後述するように、位相調整効果、漏れ電圧抑制効果を同時に満足する範囲が存在することが判明した。
以上のことより、高周波増幅器を含む高周波複合部品の回路設計にあたって、これに含まれる半導体素子、例えばトランジスタの出力整合回路からアンテナスイッチ部との接続部までを基本波周波数だけでなく高調波成分及び静電サージをも考慮して設計すれば、従来の基本波周波数だけを考慮して設計する手法に比べて、アンテナからの送信出力特性が格段に向上することを確認した。また、同時に静電サージ抑制をも可能になり、信頼性にも優れたモジュールを構成可能であることを確認した。
以下、図面を参照して本発明の高周波部品の一実施例(アンテナスイッチモジュール)を携帯電話システムを例に説明する。
さて、実施例の図5はEGSM、DCS、PCSトリプルバンド用アンテナスイッチモジュールの等価回路図を示す。図6には同じく高周波増幅器の等価回路図を示す。図4は両者を繋ぐ位相整合回路周辺を示している。また、本実施例では図19の実線で示す範囲を一つの積層体内に複合化した高周波モジュールであり、図12はその積層体シートの一部展開図である。
さて、実施例の図5はEGSM、DCS、PCSトリプルバンド用アンテナスイッチモジュールの等価回路図を示す。図6には同じく高周波増幅器の等価回路図を示す。図4は両者を繋ぐ位相整合回路周辺を示している。また、本実施例では図19の実線で示す範囲を一つの積層体内に複合化した高周波モジュールであり、図12はその積層体シートの一部展開図である。
図5においてダイプレクサDipは、伝送線路L1〜L4および容量C1〜C4により構成される。伝送線路L2と容量C1は直列共振回路を形成し、DCS帯域(送信周波数:1710〜1785MHz、受信周波数:1805〜1880MHz)およびPCS帯域(送信周波数:1850〜1910MHz、受信周波数:1930〜1990MHz)に共振周波数を持つように設計する。本例では1.8GHzに減衰極をあわせた。また、伝送線路L4と容量C3は直列共振回路を形成し、EGSM帯域(送信周波数:880〜915MHz、受信周波数:925〜960MHz)に共振周波数を持つように設計する。本例では0.9GHzに減衰極をあわせた。この回路により、EGSM系の信号とDCS/PCS系の信号とを分波合成することが可能となる。伝送線路L1、L3はDCS/PCS系の信号の周波数にとって高インピーダンスになるようにある程度の長さに設定するのが好ましい。これによりDCS/PCS系の信号がEGSM系の経路へ伝送しにくくなる。尚、伝送線路L3は省略しても良い。逆に容量C2、C4はEGSM系の信号の周波数にとって高インピーダンスになるように比較的小さい容量値に設定されるのが好ましい。これによりEGSM系の信号がDCS/PCS系の経路へ伝送しにくくなる。
第1のスイッチ回路SW1は、容量C5、C6、伝送線路L5、L6、PINダイオードD1、D2、および抵抗R1により構成される。伝送線路L5、L6はEGSMの送信周波数帯においてλ/4共振器となるように伝送線路の長さを設定する。ただし、伝送線路L5はEGSMの送信周波数においてグランドレベルがオープン(高インピーダンス状態)に見える程度のチョークコイルでも代用可能である。この場合インダクタンス値は10〜100nH程度が望ましい。抵抗R1はコントロール電源VC1がHigh状態での第1、第2のダイオードD1、D2に流れる電流を決定する。本例では100Ω〜200Ωを使用した。容量C5、C6はコントロール電源のDCカットのために必要である。コントロール電源VC1がHighの時にはPINダイオードD2には接続ワイヤなどの寄生インダクタンスが存在するため、これを打ち消すように容量C6と直列共振させる。容量C6の容量値は適宜設定する。
以上によりコントロール電源VC1がHighの時には、第1、第2のダイオードD1、D2は共にONとなり、第2のダイオードD2と伝送線路L6の接続点がグランドレベルとなり、λ/4共振器である伝送線路L6の反対側のインピーダンスが無限大となる。したがって、コントロール電源VC1がHighの時にはダイプレクサDip〜EGSM Rx間の経路では信号は通過できず、ダイプレクサDip〜EGSM Tx間の経路では信号が通過しやすくなる。一方、コントロール電源VC1がLowの時には第1のダイオードD1もOFFとなりダイプレクサDip〜EGSM Tx間の経路では信号は通過できず、また第2のダイオードD2もOFFであるので、ダイプレクサDip〜EGSM Rx間の経路では信号が通過しやすくなる。以上の構成により、EGSM信号の送受信の切り替えが可能となる。
第2のスイッチ回路SW2は、容量C7〜C10、伝送線路L7〜L10、PINダイオードD3〜D6、および抵抗R2、R3により構成される。伝送線路L7〜L10はDCS/PCSの信号の周波数においてλ/4共振器となるように伝送線路の長さを設定する。ただし、伝送線路L7、L9はそれぞれDCSの送信周波数において、PCSの送信周波数においてグランドレベルがオープン(高インピーダンス状態)に見える程度のチョークコイルでも代用可能である。この場合インダクタンス値は5〜60nH程度が望ましい。抵抗R2はコントロール電源VC2がHigh状態での第3、第4のダイオードD3、D4に流れる電流を決定する。本例では100Ω〜200Ωを使用した。抵抗R3はコントロール電源VC3がHigh状態での第5、第6のダイオードD5、D6に流れる電流を決定する。本実施例では100Ω〜2kΩを使用した。容量C7、C8、C10はコントロール電源のDCカットのために必要である。またコントロール電源VC2がHighの時にはPINダイオードD4には接続ワイヤなどの寄生インダクタンスが存在するため、容量C7と直列共振するように容量C7の容量値を設定する。
以上によりコントロール電源VC2がHighの時には、第3、第4のダイオードD3、D4は共にONとなり、第4のダイオードD4と伝送線路L8の接続点がグランドレベルとなり、λ/4共振器である伝送線路L8の反対側のインピーダンスが無限大となる。したがって、コントロール電源VC2がHighの時にはダイプレクサDip〜PCS RxおよびダイプレクサDip〜DCS Rx間の経路では信号は通過できず、ダイプレクサDip〜DCS/PCS Tx間の経路では信号が通過しやすくなる。一方、コントロール端子VC2がLowの時には第3のダイオードD3もOFFとなりダイプレクサDip〜DCS/PCS Tx間の経路では信号は通過できず、また第4のダイオードD4もOFFであるのでダイプレクサDip〜PCS RxおよびダイプレクサDip〜DCS Rx間の経路では信号が通過しやすくなる。
また、コントロール端子VC3がHighの時には、PINダイオードD6には接続ワイヤなどの寄生インダクタンスが存在するため、容量C10と直列共振するように容量C10の容量値を設定する。これによりコントロール端子VC3がHighの時には、第5、第6のダイオードD5、D6は共にONとなり、第6のダイオードD6と伝送線路L10の接続点がグランドレベルとなり、λ/4共振器である伝送線路L10の反対側のインピーダンスが無限大となる。したがって、コントロール端子VC3がHighの時にはDCS Rx間の経路には信号は通過できず、PCS Rx間の経路では信号が通過しやすくなる。逆にコントロール端子VC3がLowの時には第5のダイオードD5もOFFとなり、PCS Rx間の経路には信号は通過できず、また第6のダイオードD6もOFFであるのでDCS Rx間の経路では信号が通過しやすくなる。以上の構成により、コントロール端子VC2がHighの時にはDCS/PCS Txへ、コントロール端子VC2、VC3がそれぞれLow、Highの時にはPCS Rxへ、コントロール端子VC2およびコントロール端子VC3がLowの時にはDCS Rxへの切り替えが可能となる。
第1のローパスフィルタLPF1は、伝送線路L11および容量C11〜C13より構成されるπ型のローパスフィルタである。ここでL11とC11は並列共振回路を構成し、その共振周波数はEGSMの送信周波数の2倍もしくは3倍の周波数に設定する。本実施例では3倍の2.7GHzに設定した。以上の構成によりパワーアンプから入力されるEGSM側の送信信号に含まれる高調波歪みを除去できる。従って、このローパスフィルタLPF1を送信経路に設けることは特性上好ましいが、必ずしも必須のものではない。また、第1のローパスフィルタLPF1は第1の高周波スイッチSW1の第1のダイオードD1と伝送線路L5の間に配置しているが、これはダイプレクサDipと第1の高周波スイッチSW1との間に配置しても良いし、前記伝送線路L5とEGSM Txとの間に配置しても良い。前記第1のローパスフィルタLPF1のグランドに接続する容量を伝送線路L5と並列に配置すれば、並列共振回路を構成することとなり、伝送線路L5の線路長をλ/4よりも短く構成でき、またチョークコイルのインダクタンス値を小さくすることが出来る。
第2のローパスフィルタLPF2は、伝送線路L12および容量C14〜C16より構成されるπ型のローパスフィルタである。ここで伝送線路L12と容量C14は並列共振回路を構成し、その共振周波数はDCS/PCS送信周波数の2倍もしくは3倍の周波数に設定する。本実施例では2倍の3.6GHzに設定した。以上の構成によりパワーアンプから入力されるDCS/PCS側の送信信号に含まれる高調波歪みを除去できる。従って、このローパスフィルタLPF2を送信経路に設けることは特性上好ましいが、必ずしも必須のものではない。また、第2のローパスフィルタLPF2も第1のローパスフィルタLPF1と同様に、ダイプレクサDipと第2の高周波スイッチSW2との間に配置しても良いし、前記伝送線路L7とDCS送信端子DCS Txとの間に配置しても良い。第1、第2のローパスフィルタLPF1、LPF2は、ダイオードD1と伝送線路L5との間、及びダイオードD3と伝送線路L7との間に構成されて、スイッチ回路の中に設けられている。これは回路設計上好ましいが必須ではない。ローパスフィルタは送信信号が通過するダイプレクサ〜送信端子との間の送信経路のどこかの位置に設けてあれば良い。
以上の高周波部品(アンテナスイッチモジュール)の制御ロジックをまとめると表1のようになる。
以上の高周波部品(アンテナスイッチモジュール)の制御ロジックをまとめると表1のようになる。
また実施態様によっては、EGSM系をさらにGSM850(送信周波数:824〜849MHz、受信周波数:869〜894MHz)とEGSMに分けて、クワッドバンド対応とすることもできる。この場合、送信系は共通端子を用いることができ、受信系は前記トリプルバンド対応アンテナスイッチのEGSM受信端子部にGSM850とEGSMを切り替えるスイッチを接続することにより構成できる。また、前記スイッチの代わりにGSM850、EGSM帯のλ/4共振器である伝送線路を用いて、両者間の周波数を分けることでも実現できる。
図6は本実施例の高周波部品を構成する高周波増幅器側の回路図を示す。高周波増幅器側の整合回路端の出力端子P0を図5のアンテナスイッチモジュールの例えばEGSM Txの送信端子P1に接続し、増幅した送信信号をアンテナスイッチ側に送る役割を果たす。出力端子P0には、直流カットコンデンサCa2を介して、伝送線路ASL1の一端が接続される。伝送線路ASL1には一端を接地されたコンデンサCa3、Ca4が接続されて出力整合回路を構成する。伝送線路ASL1の他端は、半導体素子の一種である電界効果スイッチングトランジスタ(FET)Q1のドレインに接続される。また、FETQ1のソースは接地され、ゲートはバイポーラスイッチング素子(B−Tr)Q2のコレクタに接続される。
他方、伝送線路ASL1の他端と電界効果スイッチングトランジスタFET Q1のドレインDとの接続点は、λ/4ストリップライン等からなるインダクタSL1とコンデンサCa5との直列回路を介して接地され、インダクタSL1とコンデンサCa5との接続点はドレイン電圧端子Vdd1に接続されている。また、電界効果スイッチングトランジスタFET Q1のゲートとバイポーラスイッチング素子Q2のコレクタとの接続点は、コンデンサCa6を介して接地されると共にゲート電圧端子Vgにも接続される。
更に、バイポーラスイッチング素子Q2のエミッタは接地され、ベースは伝送線路SL3の一端に接続される。バイポーラスイッチング素子Q2のコレクタは、ストリップライン等からなるインダクタSL2とコンデンサCa7との直列回路を介して接地され、インダクタSL2とコンデンサCa7との接続点は、コレクタ電圧端子Vcに接続される。また、インダクタSL2とコンデンサCa7との接続点は、バイポーラスイッチング素子Q2のベースと伝送線路SL3の一端との接続点にも接続される。伝送線路SL3の他端は、コンデンサCa8を介して接地されると共に入力端子Pinに接続される。
尚、図5及び図6の等価回路において伝送線路及びインダクタはストリップラインで構成されることが多いものの、マイクロストリップライン、コプレーナガイドライン等で構成されていてもよい。また、増幅器回路側は、半導体素子Q3と電源供給回路を同様に付加して増幅回路を3段、またそれ以上の多段となしハイパワーアンプとして構成することも出来る。尚、トランジスタはQ1をFET、Q2をB-Trとしたが、それぞれ他の種類のトランジスタでも良い。例えば、Si-MOSFET、GaAsFET、Siバイポーラトランジスタ、GaAsHBT(ヘテロ接合バイポーラトランジスタ)、HEMT(高電子移動度トランジスタ)等があげられる。もちろん、いくつものトランジスタを集積化したMMIC(モノリシックマイクロ波集積回路)を用いても良い。また、本実施例では伝送線路SL3とトランジスタQ2の間を直接繋いでいるが、抵抗を介して接続しても良い。
図4に位相調整回路の周辺を図示している。位相調整回路はハイパスフィルタのLC回路を挿入することで実施でき、その設定指針と調整方法については上述した通りである。ここではEGSM Tx端子P1−P0間に図3(2)のハイパスフィルタを挿入した実施態様について説明を加える。図7は高周波増幅器側を固定しアンテナスイッチモジュール側を調整したときの基本波(f)、2倍高調波(2f)、3倍高調波(3f)の動向をスミスチャート上にプロットしたものである。パワーアンプ側を見た位相は2倍高調波(2f)、3倍高調波(3f)共にθの領域(左上)にある。出力整合回路の伝送線路ASL1の長さとコンデンサ付加を調整して共役整合の関係となし、アンテナスイッチモジュール側の基本波(f)はほぼ中心の略50Ωで共役整合関係に調整されている(略中央の点線丸内の■印)。2倍高調波(2f)、3倍高調波(3f)の現在位置は共役整合のθ1の領域(左下)にあるが、これを例えば18nHのインダクタと6pFのコンデンサで構成したハイパスフィルタを挿入したことにより上述した位相θ2の領域(右下)に移動しており、本例では2倍波(2f)の方が目標とするθ0の領域(右上)により近いθ0−90度の領域に、3倍波(3f)はθ0−120度の領域に調整することが出来ている。尚、調整する位相や方向は場合によって種々異なるが、不要高調波の主要成分である2倍波(2f)を優先させてθ0に近づけることを基本とし、場合によっては3倍波(3f)は犠牲にしてθ2の許容範外でも良いと見なせる。
次に、静電気対策についてEGSM送信側を例に検討結果を説明する。図8にインダクタ値と通過損失、図9にインダクタ値と2倍波位相変化量、図10にインダクタ値と最大漏れ電圧との関係を示す。なお、最大漏れ電圧はアンテナ端子に±8kVの静電パルスを印加した際のEGSM Tx端子からの漏れ電圧の最大値である。図8からインダクタ値は大きなほど、特性に与える影響が少ないことが判る。インダクタ値が小さくなると通過損失が劣化しており、劣化を最小限に抑えるためにはインダクタ値の下限を18nH近辺に設定することが必要である。ただし、同時にコンデンサ値を適宜変化させることにより、下限を若干下方に延ばせる場合もある。
次に、図9からインダクタ値が小さいほど、位相変化量が大きいことが判る。大きな位相調整が必要な場合、インダクタ値を小さくする必要があるが、前記の結果より、小さくしすぎると通過損失が劣化することとなり、適切な値を選択する必要がある。この場合も同時にコンデンサ値を変化させることにより、通過損失、位相変化量どちらも満足させる適性値を見つけられる場合もある。このとき、より小さなコンデンサ値を使用した場合、更に位相変化量を大きくすることが可能である。
次に、図10からインダクタ値が小さいほど最大漏れ電圧が抑制されることが判る。高周波電力増幅器の耐圧を300Vとすると、ASMのEGSM Tx端子部からの漏れ電圧は300V未満、信頼性を確保するためには10%程度余裕を持たせた270V以下のレベルに漏れ電圧を抑制する必要がある。図10から18nHで漏れ電圧が260Vとなるため、18nH以下を選択すると良い事がわかる。因みにインダクタ未接続の場合の最大漏れ電圧は560Vと高く静電気対策はとれないものであった。また、同時にコンデンサ値を小さい方向へ変更することにより、更に漏れ電圧を小さくすることが可能になり、使えるインダクタ値の幅が広がることが判る。例えば、33nHのインダクタ値であっても、6pFのコンデンサを使用することにより、250Vが達成できる。
以上のことより本実施例では、インダクタ値を18nH、コンデンサを6pFに設定することにより位相製調整と静電気対策の両方を達成することが出来た。
次に、図9からインダクタ値が小さいほど、位相変化量が大きいことが判る。大きな位相調整が必要な場合、インダクタ値を小さくする必要があるが、前記の結果より、小さくしすぎると通過損失が劣化することとなり、適切な値を選択する必要がある。この場合も同時にコンデンサ値を変化させることにより、通過損失、位相変化量どちらも満足させる適性値を見つけられる場合もある。このとき、より小さなコンデンサ値を使用した場合、更に位相変化量を大きくすることが可能である。
次に、図10からインダクタ値が小さいほど最大漏れ電圧が抑制されることが判る。高周波電力増幅器の耐圧を300Vとすると、ASMのEGSM Tx端子部からの漏れ電圧は300V未満、信頼性を確保するためには10%程度余裕を持たせた270V以下のレベルに漏れ電圧を抑制する必要がある。図10から18nHで漏れ電圧が260Vとなるため、18nH以下を選択すると良い事がわかる。因みにインダクタ未接続の場合の最大漏れ電圧は560Vと高く静電気対策はとれないものであった。また、同時にコンデンサ値を小さい方向へ変更することにより、更に漏れ電圧を小さくすることが可能になり、使えるインダクタ値の幅が広がることが判る。例えば、33nHのインダクタ値であっても、6pFのコンデンサを使用することにより、250Vが達成できる。
以上のことより本実施例では、インダクタ値を18nH、コンデンサを6pFに設定することにより位相製調整と静電気対策の両方を達成することが出来た。
EGSM(880〜960MHz)での2倍波(2f)、3倍波(3f)の位相と減衰量の関係は図11に示すようであった。即ち図11(A)は2倍波の位相―減衰量特性を、図11(B)は3倍波の位相―減衰量特性を示し、縦軸に減衰量(dB)を、横軸にアンテナスイッチモジュール側の入力位相(deg)を表している。(A)によれば最大減衰量を示す位相θ0は-73(dB)の30度付近にある。この位相まで調整できれば申し分無いが、実際の設計上は許容範囲を設けることが相当である。例えば3dB程度の減衰量の劣化を許容できる範囲は180度(θ0±90度)あり、5dB程度の劣化を許容できる範囲は240度(θ0±120度)であることが分かる。これは(B)の3倍波の減衰量特性においても同様の結果であった。実際3dB劣化でも-70(dB)を、5dB劣化でも-65(dB)以上を確保しているのでベストのθ0位相に対し±120度以内に位相調整すれば十分効果があることが分かった。そして、好ましくは±90度、更に好ましくは±45度程度であると言える。また、DCS/PCS系についても同様の範囲で効果が得られることが分かった。
また、この状態で漏れ電圧を測定したところ、図10に示すように156V程度であり、高周波電力増幅器への漏れ電流を十分に抑制でき、信頼性を確保できていることが分かった。
また、この状態で漏れ電圧を測定したところ、図10に示すように156V程度であり、高周波電力増幅器への漏れ電流を十分に抑制でき、信頼性を確保できていることが分かった。
次に、図12は図5の等価回路で示されるアンテナスイッチモジュールと図6の等価回路で示される高周波増幅器を一つの積層体内に収めた積層モジュールのうち上部2層と下部2層の誘電体グリーンシートを抜き出した展開図である。グリーンシートは(1)が最上層で以下順に15層で構成され、最後のシート(15)は積層体の裏面を示している。本実施例で使用したグリーンシートは950℃以下の低温同時焼成が可能なLTCC材料からなる。例えば、Al2O3換算で10〜60質量%、SiO2換算で25〜60質量%、SrO換算で7.5〜50質量%、TiO2換算で20質量%以下のAl,Si,Sr,Tiと、Bi2O3換算で0.1〜10質量%、Na2O換算で0.1〜5質量%、K2O換算で0.1〜5質量%、CuO換算で0.01〜5質量%、MnO2換算で0.01〜5質量%のBi、Na、K、Cu、Mnをそれぞれ含有した誘電体組成物が用いられる。
グリーンシートは伝送線路や容量を形成しやすいようにシート厚みは40〜200μmのものを使用した。電極材は銀系のものを用いた。このセラミックグリーンシートの各層に伝送線路やコンデンサ容量を電極パターンにより形成し、適宜スルーホールを設けて回路を構成した。このセラミックグリーンシートを順次積層圧着し、950℃で焼成することにより高周波部品が複合化された積層体モジュールが得られる。積層体の大きさは横13.75mm×縦8mm×高さ0.75mm程度であり、積層体の上面にはダイオードやトランジスタ及びチップインダクタ、チップコンデンサを搭載し、その上に金属ケースを被せて完成品とする。完成後の全高は1.8mm程度である。ただし、金属ケースの代わりに、樹脂封止パッケージとしても良く、この場合の全高は1.5mm程度である。また、他の積層体の大きさとしては横10mm×縦8mm×高さ0.75mmのものも実施した。この場合も完成品としての全高は、金属ケースの場合で1.8mm程度、樹脂封止パッケージの場合で1.5mm程度である。
積層体内の概略構成は、アンテナスイッチモジュール側は、上部層に分波器回路及びローパスフィルタを構成する伝送線路を、中部層に分波器回路、スイッチ回路及びローパスフィルタを構成するコンデンサ容量を、下部層にスイッチ回路を構成する伝送線路が主に形成されている。一方高周波増幅器側は、上部層に初段整合回路の主に伝送線路を、中部層に初段、後段整合回路の主にコンデンサ容量を、下部層にサーマルビアや後段整合回路の主に伝送線路、電源供給用ラインが主に形成されている。高周波増幅器とアンテナスイッチモジュールの接続は上層にあり、相互干渉を避けるためにグリーンシート(1)の伝送線路ASL1とグリーンシート(2)の伝送線路ASL2とは層を変えて且つ上下に重ならないような位置に形成している。両者の間に介在させるハイパスフィルタは、LC回路をチップインダクタとチップコンデンサで構成し積層体の上面に搭載する。これにより積層体モジュールを作成した後でも調整が出来るので、試作調整に時間がかからず望ましい。あるいはハイパスフィルタ回路を積層体の内部に電極パターンにより形成しても良いことは無論である。
この積層体モジュールは、高周波増幅器HPAを構成する電極パターンは左側領域に、他方アンテナスイッチモジュールASMを構成する電極パターンは右側領域に形成し、グリーンシートは積層方向全てに渡って2つの領域に区分して構成している。これにより機能毎の回路をまとめて設けたので特性劣化を招くことなく小型化ができる。さらに左右の領域の間に帯状のグランド電極G0を設け、以上により各電極パターンの配置設計が比較的簡易にできるし、高周波部品間の相互干渉が抑制できる。寸法配置的に余裕がある場合は全部のグリーンシートにこのようなグランド電極G0を設けることが望ましいが、小型化により多くの場合それが出来ないのでグリーンシート(2)に示すようにグランド電極G0に繋がるスルーホール電極HGを間欠的に設けることでグランド電極G0の作用をなすことができる。ここでスルーホール電極HGは簾状であるので間隔を考慮する必要があり、スルーホール電極HGの間隔gを干渉を防ぎたい最も高い周波数の波長(λ)の1/10以下とすることが望ましい。好ましくはλ/10〜λ/50程度で遮蔽効果が高まることが分かった。この実施例では間隔gは不等間隔であるが、おおよそDCS帯の3倍波のλ/20(略1mm)〜λ/25程度とした。
以上により、グランド電極G0及びスルーホール電極HGによるグランドによって両者間の干渉が無くなり、高周波増幅器の発振等の不安定動作を防止できる。また必要信号(送信信号)と不要信号とのスプリアス発生を抑えることができ、通過特性の悪化を防止できるものである。さらに、高周波部品を一つの積層体内に集約したので携帯電話内のプリント配線基板上の実装面積は、従来のパワーアンプとアンテナスイッチを別々に基板に実装した場合に比べて25%〜50%の小型化が出来た。よって、携帯電話やPDA等の小型情報端末などの通信機に搭載することで小型軽量化のニーズに答えることが出来る。
以上により、グランド電極G0及びスルーホール電極HGによるグランドによって両者間の干渉が無くなり、高周波増幅器の発振等の不安定動作を防止できる。また必要信号(送信信号)と不要信号とのスプリアス発生を抑えることができ、通過特性の悪化を防止できるものである。さらに、高周波部品を一つの積層体内に集約したので携帯電話内のプリント配線基板上の実装面積は、従来のパワーアンプとアンテナスイッチを別々に基板に実装した場合に比べて25%〜50%の小型化が出来た。よって、携帯電話やPDA等の小型情報端末などの通信機に搭載することで小型軽量化のニーズに答えることが出来る。
また、実施例のように高周波増幅器HPAとアンテナスイッチモジュールASMとを積層体内に一体化することによって、夫々の回路間を接続する線路の長さが短縮され、積層体内でも線路損失を低減でき、マッチングずれも発生しない。また、プリント配線基板上に従来両者を接続するために必要だった配線が必要でなくなり、直接高周波モジュールをプリント配線基板上に実装するため線路損失が低減でき、マッチングずれも発生しない。また、高周波増幅器HPAとアンテナスイッチモジュールASMとを一体設計することができるため、相互のインピーダンス整合を最適化した設定が行え、従来のようにHPAとASMの各々に設けられていた整合回路を簡略化できる。このような最適設計により、小型かつ低挿入損失、高出力電力、高出力効率である高周波モジュールが完成した。
特性について言えば、従来はGSM送信時において、効率35%、2倍高調波-25dBm、3倍高調波-25dBm 程度であったが、本実施例によれば効率43%以上、2倍高調波-38dBm以下、3倍高調波-36dBm以下と特性向上が図られた。このとき、DCS/PCS送信時の特性は効率34%以上、2倍高調波-38dBm以下、3倍高調波-36dBm以下を達成できた。これにより、GSM帯域のみならず、DCS/PCS帯域においても本発明の有効性を確認できた。
以上の特性向上により、この高周波モジュールを携帯電話に用いた場合、従来のように別々に部品を実装した場合と比べて、5〜10%程度の高効率化が可能となった。これにより、送信時の消費電力が少なくなり、バッテリーの持ちが良くなり、一充電あたりの通話時間として10〜20%程度の長期通話が可能となった。
また、上記のようにこれまでは携帯端末メーカが所望の特性を得るために複数種の高周波増幅器とアンテナスイッチモジュールを組合せて評価をしたり、また、それらを使いこなすために、プリント基板上に整合回路や高調波フィルタ等を形成するといった様々な工夫を行っていたが、これらを全て省略できる。
特性について言えば、従来はGSM送信時において、効率35%、2倍高調波-25dBm、3倍高調波-25dBm 程度であったが、本実施例によれば効率43%以上、2倍高調波-38dBm以下、3倍高調波-36dBm以下と特性向上が図られた。このとき、DCS/PCS送信時の特性は効率34%以上、2倍高調波-38dBm以下、3倍高調波-36dBm以下を達成できた。これにより、GSM帯域のみならず、DCS/PCS帯域においても本発明の有効性を確認できた。
以上の特性向上により、この高周波モジュールを携帯電話に用いた場合、従来のように別々に部品を実装した場合と比べて、5〜10%程度の高効率化が可能となった。これにより、送信時の消費電力が少なくなり、バッテリーの持ちが良くなり、一充電あたりの通話時間として10〜20%程度の長期通話が可能となった。
また、上記のようにこれまでは携帯端末メーカが所望の特性を得るために複数種の高周波増幅器とアンテナスイッチモジュールを組合せて評価をしたり、また、それらを使いこなすために、プリント基板上に整合回路や高調波フィルタ等を形成するといった様々な工夫を行っていたが、これらを全て省略できる。
また、図5に示したアンテナスイッチの等価回路、図6に示した高周波増幅器の等価回路は一例である。例えば、スイッチ回路はpinダイオードを用いた例を示したが、SPDT(Single Pole Dual Throw)、SP3T等のSPnT型のGaAsスイッチを用いてスイッチ回路を構成することも出来る。この場合、単純にpinダイオードスイッチをSPDTのGaAsスイッチに置き換えた場合、pinダイオードスイッチで必要なλ/4ラインが不要となるため、積層体内にその分の余裕ができる。このため、このスペースを削減したり、また新たに機能素子を形成するなどして更なる小型化、高集積化に有利である。また、分波器まで含めた全体を置き換えることもできる。この場合、トリプルバンドアンテナスイッチを例にとると、SP5TのGaAsスイッチで置き換えれば全経路のスイッチングが可能となる。その上、上記したようにλ/4ラインが数本不要となり更なる小型化、高集積化に有利である。ただし、送信側のローパスフィルタや特性を満足させるために挿入する各種フィルタ類は積層体および/または搭載部品で構成することになる。
以下にGaAsスイッチを用いてトリプルバンドのアンテナスイッチ回路を構成した実施例を図14〜図16を用いて説明する。高周波増幅器HPAとの一体化は図19のブロック図の左ブロックを図14〜図16のブロック図で置き換えることにより実施できる。図14ではSPDT(SP2T)スイッチSW1とSP3TスイッチSW2を用いている。まず、ダイプレクサDipにより、例えば低周波側のEGSM帯と高周波側のDCS/PCS帯を分波し、スイッチSW1でEGSM帯の送信(PA1に接続)と受信(RX1)を切り替え、スイッチSW2でDCS/PCS帯のDCS/PCS送信(PA2に接続)、DCS受信(RX2)またはPCS受信(RX3)の3経路を切り替えるようにしている。図15はSP2Tスイッチのみを3個使用した場合の例である。この場合も上記と同様に、ダイプレクサDipにより通信システムのうち低周波側であるEGSM帯と高周波側であるDCS/PCS帯を分波し、スイッチSW1でEGSM帯の送信(PA1に接続)と受信(RX1)を切り替え、スイッチSW2でDCS/PCS帯のDCS/PCS送信(PA2に接続)、DCS/PCS受信を切り替え、更に、スイッチSW3でDCS受信(RX2)とPCS受信(RX3)を切り替えている。図16はSP5Tスイッチを使用した場合の例である。この場合、ダイプレクサDipは使用せず、全ての経路をスイッチのみで切り替えるようにする。尚、図14、図15において、GaAsSPDTスイッチの回路ブロックを適宜、PINダイオードを使用したSPDTスイッチに置き換えた構成とすることも可能である。このようにGaAsスイッチを用いてアンテナスイッチモジュールを構成したとしても、上記したPINダイオードを用いた実施例と同様に、高周波増幅器HPAとアンテナスイッチモジュールASMとの間の整合(位相)関係を上述した位相調整回路により、通過帯域では共役整合関係となし、不要な高調波帯域では非共役整合関係へと位相調整することによって高周波モジュール全体の特性を向上することができる。更に、上記の出力検出器の検出値に基づいて出力トランジスタのゲート電圧を制御するAPC回路をも含んだ一体化モジュールとして構成することもできる。
本発明の高周波モジュールは、アンテナスイッチモジュールと高周波増幅器の間にカプラ回路やアイソレータ回路を備えても良く、受信系経路にはSAWフィルタを挿入しても良い。上記実施例では高周波増幅器の半導体チップに出力電力をモニタする機能を複合した場合で説明してきた。一方でカプラ回路により電力を検出する手法を用いた構成もありうる。この場合の実施例を図17及び図18を用いて説明する。図17に示すようにカプラCPLはアンテナスイッチモジュールのローパスフィルタLPFと高周波増幅器PAとの間に挿入して使用される。図18に示す高周波増幅器HPAからの高周波出力の伝送経路CSL1を主線路、出力電力の一部を取り出すための伝送線路CSL2を結合線路と一般に呼ぶ。また、結合線路の一端は出力モニタとして検波器へ送られ、高周波増幅器HPAの出力電力制御に用いられる。一方、他端は抵抗Rにて終端される。一般に50Ωで終端されるが、結合度、アイソレーションの調整をするため、適宜、変更することも可能である。このように構成した場合、高周波増幅器HPAとアンテナスイッチモジュールASMとの間にカプラが挿入されるため、この場合は高周波増幅器とアンテナスイッチモジュールとの相対位相の調整をするのではなく、高周波増幅器HPAとカプラCPLとの相対位相を上述した実施例のように位相調整回路を設け、通過帯域では共役整合関係となし、不要高調波帯域では非共役整合関係へと調整することを行う。この場合、カプラCPLとアンテナスイッチモジュールASMは所望特性が得られるように一体設計することが望ましい。更に望ましい改良手段としては、カプラCPLとアンテナスイッチモジュールASMとの相対位相も上述のように、通過帯域では共役整合関係となし、不要高調波帯域では非共役整合関係へ調整すると言う本発明を実施することで全体特性は格段に向上する。
通常、カプラCPLを用いた場合は、カプラ回路による損失が0.2〜0.3dB程度発生するのが一般的である。しかしながら、高周波増幅器HPAとカプラ回路CPL及びアンテナスイッチモジュールASMを一つの積層体内に最適化設計することにより、従来の各回路を別々にプリント配線基板上に実装する場合と比較すると、25〜50%の小型化が達成でき、かつ、2〜7%程度の高効率化が達成できる。これにより、送信時の消費電力が少なくなり、バッテリーの持ちが良くなる。例えば一充電あたりの通話時間としては5〜15%程度の長期通話が可能となる。更に、上記カプラの検出値に基づいて出力トランジスタのゲート電圧を制御するAPC回路をも含んだ一体化モジュールとして構成することもできる。
尚、本発明で用いられる送受信系システムとしては、上記した以外にもPDC800帯域(810〜960MHz)、GPS帯域(1575.42MHz)、PHS帯域(1895〜1920MHz)、Bluetooth帯域(2400〜2484MHz)や、米国で普及が見込まれるCDMA2000、中国で普及が見込まれるTD-SCDMAなどを組み合わせたマルチバンド対応としたアンテナスイッチ回路の場合も同様の効果が期待できる。これらの場合の回路を用いてデュアルバンド、3バンド、4バンド、5バンド等のマルチモードマルチバンドのアンテナスイッチ回路が得られる。
本発明の高周波部品及び高周波モジュールは、2つ以上の異なる周波数の信号を1つのアンテナを共用して送受信する無線通信システム、例えばマルチバンド携帯電話システムに利用できる。
ASM:アンテナスイッチモジュール
HPA:ハイパワーアンプ
Dip:ダイプレクサ(分波器、分波回路)
SW:スイッチ回路
LPF:ローパスフィルタ回路
SAW:弾性表面波フィルタ
L、SL、ASL:インダクタ、伝送線路
C、Ca:コンデンサ
Q1、Q2:半導体スイッチング素子
G0:グランド電極
HG:スルーホールによるグランド電極
HPA:ハイパワーアンプ
Dip:ダイプレクサ(分波器、分波回路)
SW:スイッチ回路
LPF:ローパスフィルタ回路
SAW:弾性表面波フィルタ
L、SL、ASL:インダクタ、伝送線路
C、Ca:コンデンサ
Q1、Q2:半導体スイッチング素子
G0:グランド電極
HG:スルーホールによるグランド電極
Claims (6)
- 通過帯域が異なる複数の送受信系を扱う高周波部品であって、
高周波数側の信号と低周波数側の信号を分波する分波回路と、
前記分波回路に接続され、送信系又は受信系との接続を切り替えるスイッチ回路と、前記スイッチ回路の各送信系にはローパスフィルタとを有し、
少なくとも半導体素子と電源供給回路と整合回路とを有する高周波増幅器回路と、
前記スイッチ回路と高周波増幅器回路との間に位相調整の機能と静電気破壊防止の機能を有するハイパスフィルタを設けたことを特徴とする高周波部品。 - 前記ハイパスフィルタは、少なくともグランドとの間に接続されたインダクタと、前記高周波増幅器の出力端と前記インダクタとの間に接続されたコンデンサとからなり、当該ハイパスフィルタにより、
基本周波数帯域においては共役整合に相当する位相の関係にあるが、n倍(nは2以上の自然数)の周波数帯域においては、前記スイッチ回路と高周波増幅器回路との間の接続基準面から高周波増幅器側を見たときのインピーダンスZ1と、前記接続基準面からスイッチ回路側を見たときのインピーダンスZ2との関係が、前記Z1の位相θの共役整合の関係にある位相をθ1としたとき、前記Z2の位相θ2をθ1に対し逆位相であるθ0を中心に±120度(θ0±120度)の非共役整合領域に位相調整したことを特徴とする請求項1記載の高周波部品。 - 通過帯域が異なる複数の送受信系を扱う高周波部品であって、複数の誘電体層を積層してなる積層基板からなり、
高周波数側の信号と低周波数側の信号を分波する分波回路と、
前記分波回路に接続され、送信系又は受信系との接続を切り替えるスイッチ回路と、前記スイッチ回路の各送信系にはローパスフィルタとを有し、
前記分波回路はLC回路で構成され、前記スイッチ回路はスイッチング素子と伝送線路を主構成とし、前記ローパスフィルタはLC回路で構成され、前記分波回路のLC回路、前記ローパスフィルタのLC回路及び前記スイッチ回路の伝送線路の少なくとも一部は、電極パターンと誘電体層との積層体内に電極パターンにより構成し、前記スイッチング素子またはLC回路の一部を構成するチップ素子は前記積層体上に配置したスイッチモジュール部と、
少なくとも半導体素子と電源供給回路と整合回路とを有し、前記電源供給回路と整合回路を構成する伝送線路及びLC回路の少なくとも一部は、電極パターンと誘電体層との前記積層体内に、電極パターンにより構成し、前記半導体素子またはLC回路の一部を構成するチップ素子は前記積層体上に配置した高周波増幅器モジュール部と、
前記高周波増幅器モジュール部と前記スイッチモジュール部との間に少なくともグランドとの間に接続されたインダクタと、高周波増幅器の出力端と前記インダクタとの間に接続されたコンデンサとからなるハイパスフィルタを設け、前記インダクタ及びコンデンサは電極パターンと誘電体層との前記積層体内に、電極パターンあるいはLC回路により構成し、且つ前記インダクタの伝送線路あるいはLC回路は積層基板の最上面層あるいは内層に形成したことを特徴とする高周波モジュール。 - 接続基準面から高周波増幅器側を見たときのインピーダンスZ1、
前記接続基準面からスイッチ側を見たときのインピーダンスZ2、
前記位相調整回路のスイッチ側からスイッチ側を見たときのインピーダンスZ3との関係が、
Z1の位相θの共役整合の関係にある位相をθ1、
θ1に対する180度の逆位相をθ0としたとき、
Z3の位相θ3がθ0に対し時計回り方向にあるとき、
前記位相調整回路である前記ハイパスフィルタを用いて、Z2の位相θ2がθ3よりもθ0に近づくように調整したことを特徴とする請求項3に記載の高周波モジュール。 - 前記ハイパスフィルタを伝送線路で構成したとき、前記Z2の位相θ2がθ3よりもθ0に近づくように、現在の伝送線路の長さよりも短くなる方向に調整することを特徴とする請求項4記載の高周波モジュール。
- 請求項1に記載の高周波複合部品または請求項2〜5の何れかに記載の高周波モジュールを搭載したことを特徴とする通信機。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2005323063A (ja) * | 2004-05-07 | 2005-11-17 | Hitachi Metals Ltd | 分波回路 |
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US7356349B2 (en) | 2003-06-05 | 2008-04-08 | Murata Manufacturing Co., Ltd. | High-frequency module and communication apparatus |
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-
2003
- 2003-09-16 JP JP2003322457A patent/JP2004135316A/ja active Pending
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