JP4120927B2 - 高周波スイッチモジュール及び複合積層モジュール並びにこれらを用いた通信機 - Google Patents

高周波スイッチモジュール及び複合積層モジュール並びにこれらを用いた通信機 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は2つ以上の異なる周波数の信号を1つのアンテナを共用して送受信する無線通信システムに関し、マルチバンド型の高周波スイッチモジュールと、この高周波スイッチモジュールと高周波増幅器を一つの積層体に構成したマルチバンド型の複合積層モジュール及びこれを用いた通信機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
携帯無線システムには、例えば主に欧州で盛んなEGSM(Extended Global System for Mobile Communications)方式およびDCS(Digital Cellular System)方式、米国で盛んなPCS(Personal Communication Service)方式、日本で採用されているPDC(Personal Digital Cellular )方式などの時分割マルチプルアクセス(TDMA)を用いた様々なシステムがある。昨今の携帯電話の急激な普及に伴い、特に先進国の主要な大都市部においては各システムに割り当てられた周波数帯域ではシステム利用者を賄いきれず、接続が困難であったり、通話途中で接続が切断するなどの問題が生じている。そこで、利用者が複数のシステムを利用できるようにして、実質的に利用可能な周波数の増加を図り、さらにサービス区域の拡充や各システムの通信インフラを有効活用することが提唱されている。
従来、複数のシステムに対応した小型軽量の高周波回路部品として、例えばEGSMとDCSの2つのシステムに対応した携帯通信機に用いられるデュアルバンド対応の高周波スイッチモジュールが特許文献1に開示されている。また、EGSM、DCS、PCSの3つのシステムに対応した携帯通信機に用いられるトリプルバンド対応の高周波スイッチモジュールが特許文献2に開示されている。
【0003】
図9にトリプルバンド型アンテナスイッチモジュール(アンテナまでを含めてアンテナスイッチモジュールと言っている)のブロック構成の一例を示す。アンテナANT端子に接続された分波器(ダイプレクサDip)によりEGSMの周波数帯の信号とDCS/PCSの周波数帯の信号を分波し(逆方向では合成するが、本明細書では分波で説明する。)、第1の高周波スイッチSW1はEGSM送信端子TxとEGSM受信端子Rxとを切り替え、第2の高周波スイッチSW2はDCS/PCS送信端子TxとDCS受信端子Rx及びPCS受信端子Rxとを切り替える。ローパスフィルタLPF1、LPF2は送信経路に挿入されパワーアンプで発生する高調波歪発生量を低減する。バンドパスフィルタSAW1、SAW2、SAW3はアンテナANTからの受信信号のうち不要周波数成分を除去し、必要成分だけをローノイズアンプに送る。従って、EGSM送信端子TxとDCS/PCS送信端子Txの前段にはパワーアンプHPA1、HPA2が設けられ、EGSM受信端子RxとDCS受信端子Rx及びPCS受信端子Rxの後段にはローノイズアンプLNA1、LNA2、LNA3が設けられている。
【0004】
携帯通信機の小型軽量化の要求は依然として強く、部品の共有化や機能を集約したモジュール化が進められている。例えば、図9の点線で囲まれた回路部品は、LTCC(Low Temperature Co-fired Ceramics)等の誘電体シートを多層に積み重ねた積層体内に伝送線路やコンデンサを電極パターンにより形成し、ダイオード等を積層体上に搭載したマルチバンド型アンテナスイッチモジュールとして実現されている。また、一点鎖線で囲まれた範囲のモジュール化についてもディスクリートのSAWフィルタを積層体上に搭載した形で実現されている。
【0005】
一方、携帯通信機の送信側では比較的大電力の信号を出力するために、数W程度のハイパワーアンプ(本発明ではパワーアンプ等と区別をせず高周波増幅器と言うがパワーアンプ等と記す場合がある。)が用いられる。携帯電話機等は小型で低消費電力にする必要があるため、DC電力の大部分を消費するハイパワーアンプには、DC−RF電力変換効率(電力付加効率とも言う。)が高く小型であることが求められる。特に携帯電話機等においては、機器が小型であることと、電池の1回充電当たりの通話時間の長さが製品の重要なセールス・ポイントであるために、ハイパワーアンプの小型化と高効率化が必須である。
【0006】
従来、高周波増幅器とアンテナスイッチ等を積層体内に複合モジュール化する従来技術としては、例えば、受信専用アンテナとアンプを積層体上に搭載し両者間に位相調整回路を設けたアンテナ装置がある(特許文献3参照)。しかしながら、このものはアンプから漏れた電磁波を当該受信専用アンテナ(パッチアンンテナ)自身が受信した場合の閉ループの位相ずれを調整するためのものであった。即ち、高周波スイッチ機能を複合化したものではない。
また、複数の誘電体層を積層してなる多層基板に高周波スイッチとアンプを構成する伝送線路やコンデンサを内蔵し、多層基板上にトランジスタ等を搭載してモジュール化したものがある(特許文献4参照)。しかし、このものでは構想を示すだけで両者を一体化したときの現実的な問題点や手段は何ら開示されておらず実現困難なものであった。
さらに、ハイパワーアンプとこの出力電力をモニタするカプラを一体化した高周波用送信モジュールがある(特許文献5参照)に開示されている。しかしながら、このものはパワーアンプとカプラを積層モジュール化するに留まっていた。
【0007】
【特許文献1】
特開平11−225088号公報
【特許文献2】
特開2000−165288号公報
【特許文献3】
特開2000−183612号公報
【特許文献4】
特開平10−126307号公報
【特許文献5】
特開2002−141827号公報
【0008】
【本発明が解決しようとする課題】
このように、従来、マルチバンド型のアンテナスイッチモジュールと高周波増幅器までを含めた積層モジュール化は検討課題であるが、実際LTCC等の一つの積層体内にモジュール化することは実現されていない。
例え実現したとしても大型のものでは意味がなく、例えば15mm×10mm×2mm以下のサイズが必要である。しかしながら、高周波回路モジュールの小型、高集積化を図ることは、すなわち、各内部回路間の密集度を上げることにつながり、その結果、各受信回路および送信回路への挿入損失の増大といった問題が生じる。この問題はアンテナスイッチモジュール単体でも共通の問題である。
【0009】
本発明はこのような問題に鑑み、限られた小サイズの積層体でも低挿入損失である高周波スイッチモジュールを提供することを目的とする。また同様にマルチバンド型の高周波スイッチモジュールと高周波増幅器を一つの積層体内に構成した低挿入損失の複合積層モジュールを提供することを目的とする。さらに、これらを用いたマルチバンド型の小型通信機を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、通過帯域が異なる複数の送受信系に信号を分波する低域通過フィルタと高域通過フィルタとからなる分波回路と、前記分波回路に接続され、前記各送受信系のそれぞれに送信系と受信系を切り替えるスイッチ回路を有し、前記スイッチ回路の各送信系にローパスフィルタを有し、前記分波回路はLC回路で構成され、前記スイッチ回路はスイッチング素子と伝送線路を主構成とし、前記ローパスフィルタはLC回路で構成され、前記分波回路のLC回路、前記ローパスフィルタのLC回路及び前記スイッチ回路の伝送線路の少なくとも一部は、電極パターンと誘電体層との積層体内に、前記電極パターンにより構成し、前記スイッチング素子およびLC回路の一部を構成するチップ素子は前記積層体上に配置して構成された高周波スイッチモジュールにおいて、前記分波回路の高域通過フィルタを構成するコンデンサ電極パターンと、それと直接、電気的に接続された前記スイッチ回路の受信系のλ/4共振器を構成する、複数層に渡って螺旋状に形成された伝送線路電極パターンとを、他の電極パターンを介さずに前記積層体内で上下方向に重なる位置に配置したことを特徴とする高周波スイッチモジュールである。
【0011】
本発明は、通過帯域が異なる複数の送受信系に信号を分波する低域通過フィルタと高域通過フィルタとからなる分波回路と、前記分波回路に接続され、前記各送受信系のそれぞれに送信系と受信系を切り替えるスイッチ回路を有し、前記スイッチ回路の各送信系にローパスフィルタを有し、前記分波回路はLC回路で構成され、前記スイッチ回路はスイッチング素子と伝送線路を主構成とし、前記ローパスフィルタはLC回路で構成され、前記分波回路のLC回路、前記ローパスフィルタのLC回路及び前記スイッチ回路の伝送線路の少なくとも一部は、電極パターンと誘電体層との積層体内に、前記電極パターンにより構成し、前記スイッチング素子およびLC回路の一部を構成するチップ素子は前記積層体上に配置して構成された高周波スイッチモジュールにおいて、前記分波回路の低域通過フィルタを構成するアンテナ端子側の伝送線路電極パターン及び/又は高域通過フィルタを構成するアンテナ端子側のコンデンサ電極パターンの上層には、前記分波回路の低域通過フィルタを構成するアンテナ端子側の伝送線路電極パターン及び/又は高域通過フィルタを構成するアンテナ端子側のコンデンサ電極パターンと上下方向で重なる電極は形成されていないことを特徴とする高周波スイッチモジュールである。さらに、前記分波回路の低域通過フィルタを構成するアンテナ端子側の伝送線路電極パターンと高域通過フィルタを構成するアンテナ端子側のコンデンサ電極パターンは、上下方向で重なるように配置されていることが好ましい。
【0012】
本発明は、通過帯域が異なる複数の送受信系に信号を分波する低域通過フィルタと高域通過フィルタをLC回路で構成した分波回路と、前記分波回路に接続され、前記各送受信系のそれぞれに送信系と受信系を切り替えるスイッチング素子と伝送線路を主構成としたスイッチ回路と、LC回路で構成され前記スイッチ回路の各送信系に挿入されるローパスフィルタとを有し、前記分波回路のLC回路、前記ローパスフィルタのLC回路及び前記スイッチ回路の伝送線路の少なくとも一部は、電極パターンと誘電体層との積層体内に、前記電極パターンにより構成し、この電極パターンのうち前記分波回路の高域通過フィルタを構成するコンデンサ電極パターンと、それと直接、電気的に接続された前記スイッチ回路の受信系のλ/4共振器を構成する、複数層に渡って螺旋状に形成された伝送線路電極パターンとを、他の電極パターンを介さずに前記積層体内で上下方向に重なる位置に配置しており、前記スイッチング素子抵抗及びLC回路の一部を構成するチップ素子は前記積層体上に配置して構成された高周波スイッチ積層モジュール部と、少なくとも半導体素子と電源供給回路と整合回路とを有し、前記電源供給回路と整合回路を構成する伝送線路及びLC回路の少なくとも一部は、電極パターンと誘電体層との前記積層体内に、前記電極パターンにより構成し、前記半導体素子およびLC回路の一部を構成するチップ素子は前記積層体上に配置して構成された高周波増幅器積層モジュール部とを有し、前記高周波スイッチ積層モジュール部と高周波増幅器積層モジュール部とを前記一つの積層体に構成したことを特徴とする複合積層モジュールである。
【0013】
本発明は、通過帯域が異なる複数の送受信系に信号を分波する低域通過フィルタと高域通過フィルタをLC回路で構成した分波回路と、前記分波回路に接続され、前記各送受信系のそれぞれに送信系と受信系を切り替えるスイッチング素子と伝送線路を主構成としたスイッチ回路と、LC回路で構成され前記スイッチ回路の各送信系に挿入されるローパスフィルタとを有し、前記分波回路のLC回路、前記ローパスフィルタのLC回路及び前記スイッチ回路の伝送線路の少なくとも一部は、電極パターンと誘電体層との積層体内に、前記電極パターンにより構成し、この電極パターンのうち前記分波回路の低域通過フィルタを構成するアンテナ端子側の伝送線路電極パターン及び/又は高域通過フィルタを構成するアンテナ端子側のコンデンサ電極パターンの上層には、前記分波回路の低域通過フィルタを構成するアンテナ端子側の伝送線路電極パターン及び/又は高域通過フィルタを構成するアンテナ端子側のコンデンサ電極パターンと上下方向で重なる電極は形成されておらず、前記スイッチング素子抵抗及びLC回路の一部を構成するチップ素子は前記積層体上に配置して構成された高周波スイッチ積層モジュール部と、少なくとも半導体素子と電源供給回路と整合回路とを有し、前記電源供給回路と整合回路を構成する伝送線路及びLC回路の少なくとも一部は、電極パターンと誘電体層との前記積層体内に、前記電極パターンにより構成し、前記半導体素子およびLC回路の一部を構成するチップ素子は前記積層体上に配置して構成された高周波増幅器積層モジュール部とを有し、前記高周波スイッチ積層モジュール部と高周波増幅器積層モジュール部とを前記一つの積層体に構成したことを特徴とする複合積層モジュールである。前記分波回路の低域通過フィルタを構成するアンテナ端子側の伝送線路電極パターンと高域通過フィルタを構成するアンテナ端子側のコンデンサ電極パターンは、上下方向で重なるように配置されていることが好ましい。
【0014】
本発明は、2つ以上の異なる周波数の信号を1つのアンテナを共用して送受信する通信機であって、上記高周波スイッチモジュールあるいは複合積層モジュールに1つの共用アンテナを接続して搭載したことを特徴とする通信機である。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施例を、高周波スイッチモジュールと高周波増幅器を例に図面を参照して説明する。図1はEGSM、DCS、PCSトリプルバンド用の高周波スイッチモジュール(以下、アンテナスイッチモジュールと言う。)の等価回路図の一例を示し、図2は高周波増幅器の等価回路図の一例を示す。図3は積層体の高周波スイッチモジュール部分を構成する誘電体シートの展開図を示し、図4は分波器の一部を構成するコンデンサ電極とスイッチ回路の一部を構成する伝送線路電極との重なり状態を説明する展開図、図5は分波器の一部を構成するコンデンサ電極と伝送線路電極とチップ素子との接続を図るマウント電極との重なり状態を説明する展開図である。
【0016】
先ず、アンテナスイッチモジュールの回路について図1を用いて説明する。図1において分波器(ダイプレクサ)Dipは、伝送線路L1〜L4および容量C1〜C4により構成される。伝送線路L2と容量C1は直列共振回路を形成し、DCS帯域(送信周波数:1710〜1785MHz、受信周波数:1805〜1880MHz)およびPCS帯域(送信周波数:1850〜1910MHz、受信周波数:1930〜1990MHz)で減衰量が得られるように設計する。本例では前記周波数帯のほぼ中心である1.8GHzに共振周波数をあわせた。伝送線路L1、L3はDCS/PCS系の信号の周波数にとって高インピーダンスになるようにある程度の長さに設定するのが好ましい。これらの伝送線路L2と容量C1及び伝送線路L1、L3により低域通過フィルタを構成し、DCS/PCS系の信号がEGSM系の経路へ伝送しにくくなる。なおL3は必ずしも必要とは限らない。例えばL1、L2、C1によって低域通過フィルタを構成することができることを確認している。
一方、伝送線路L4と容量C3は直列共振回路を形成し、EGSM帯域(送信周波数:880〜915MHz、受信周波数:925〜960MHz)に減衰量が得られるように設計する。本例では前記周波数帯域のほぼ中心である0.9GHzに共振周波数をあわせた。容量C2、C4はEGSM系の信号の周波数にとって高インピーダンスになるように比較的小さい容量値に設定するのが好ましい。これらの伝送線路L4と容量C3及び容量C2、C4により高域通過フィルタを構成し、EGSM系の信号がDCS/PCS系の経路へ伝送しにくくなる。以上の低域通過フィルタ回路と高域通過フィルタ回路とにより、EGSM系の信号とDCS/PCS系の信号とを分波合成することが可能となる。
【0017】
第1のスイッチ回路SW1は、容量C5、C6、伝送線路L5、L6、PINダイオードD1、D2、および抵抗R1により構成される。伝送線路L5、L6はEGSMの送信周波数帯においてλ/4共振器となるように伝送線路の長さを設定する。ただし、伝送線路L5はチョークコイルでも代用可能であり、その場合EGSMの送信周波数において、接地されている端子と反対の端子がオープンのインピーダンス状態になるようなインダクタンスである必要がある。この場合インダクタンス値は10〜100nH程度が望ましい。抵抗R1はコントロール電源VC1がHigh状態での第1、第2のダイオードD1、D2に流れる電流を決定する。本例では100Ω〜200Ωを使用した。容量C5、C6はコントロール電源のDCカットのために必要である。また容量C6はDCカットだけでなく、EGSM Tx〜EGSM Rx間のアイソレーションを調整する役割を持つ。伝送線路L6はλ/4共振器となるような伝送線路の長さが基本的に必要であるが、EGSM Rxのインピーダンス整合のために長さなどを調整するため、アイソレーションが十分に取れないような伝送線路長になる場合がある。このような場合、前記インピーダンス整合を保つよう伝送線路L6を変化させずに、容量C6を調整することによりアイソレーション量を最適にすることができる。本実施例では容量C6を積層体上面のチップ部品で構成した。よって積層体内部の電極パターンで容量を構成する場合に比べ、積層体内部の面積、層数を考慮する必要が無く、比較的自由に調整をすることができた。よって伝送線路またはインダクタL40を挿入してアイソレーションを調整しなくともチップ部品の容量C6で調整できるので、このインダクタを設けるには及ばなかった。よって点線で示している。
【0018】
以上によりコントロール電源VC1がHighの時には、第1、第2のダイオードD1、D2は共にONとなり、第2のダイオードD2と伝送線路L6の接続点がグランドレベルとなり、λ/4共振器である伝送線路L6の反対側のインピーダンスが無限大となる。したがって、コントロール電源VC1がHighの時にはダイプレクサDip〜EGSM Rx間の経路では信号は通過できず、ダイプレクサDip〜EGSM Tx間の経路では信号が通過しやすくなる。一方、コントロール電源VC1がLowの時には第1のダイオードD1もOFFとなりダイプレクサDip〜EGSM Tx間の経路では信号は通過できず、また第2のダイオードD2もOFFであるので、ダイプレクサDip〜EGSM Rx間の経路では信号が通過しやすくなる。以上の構成により、EGSM信号の送受信の切り替えが可能となる。
【0019】
第2のスイッチ回路SW2は、容量C7〜C10、伝送線路L7〜L10、PINダイオードD3〜D6、抵抗R2、R3およびダイオードD4と抵抗R2との接点と容量C7との間に設けたインダクタ又は伝送線路L20により構成される。伝送線路L7〜L10はDCS/PCSの信号の周波数においてλ/4共振器となるように伝送線路の長さを設定する。ただし、伝送線路L7、L9はチョークコイルでも代用可能であり、その場合それぞれDCSの送信周波数において、PCSの送信周波数において、接地されている端子と反対の端子がオープンのインピーダンス状態になるようなインダクタンスである必要がある。この場合インダクタンス値は5〜60nH程度が望ましい。抵抗R2はコントロール電源VC2がHigh状態での第3、第4のダイオードD3、D4に流れる電流を決定する。本例では100Ω〜200Ωを使用した。抵抗R3はコントロール電源VC3がHigh状態での第5、第6のダイオードD5、D6に流れる電流を決定する。本実施例では100Ω〜2kΩを使用した。容量C7、C8、C10はコントロール電源のDCカットのために必要である。また容量C7及びC10はDCカットだけでなく、おのおのDCS/PCS Tx 〜 DCS Rx、PCS Rx間、及びPCS Rx 〜 DCS Rx間のアイソレーションを調整する役割を持つ。
【0020】
伝送線路L8はλ/4共振器となるような伝送線路の長さが基本的に必要であるが、DCS Rx及びPCS Rxのインピーダンス整合のために長さなどを調整するため、前記アイソレーションが十分に取れないような伝送線路長になる場合がある。このような場合、前記インピーダンス整合を保つよう伝送線路L8を変化させずに、容量C7を調整することによりアイソレーション量を最適にすることが望ましい。ここで本実施例ではC7を積層体内に構成しており、さらに面積的な制約、層数の制限で十分なアイソレーションを得るだけの容量をとることが出来なかった。従来、そのような場合は、伝送線路L8でアイソレーションを調整しているが、伝送線路L8を調整すると、その後段にあるPCS Rx、DCS Rxのインピーダンス特性が変化し、L8より後段の回路定数(L9、L10、C9、C10等)を調整する必要があり、その調整に相当な時間と積層構造の変更が必要であった。そこで容量C7と伝送線路L8を調整せずにDCS/PCS Tx 〜 DCS Rx、PCS Rx間のアイソレーションを得る為に、積層体内に伝送線路L20を設けている。これによりダイオードD3、D4がON時には、伝送線路L20は高周波的にL8の延長として考えることができ、その結果アイソレーション調整をすることができる。またダイオードD3、D4がOFF時(DCS Rx受信時)には伝送線路L20は、信号経路であるアンテナ〜DCS Rx、アンテナ〜PCS Rx間に存在しないので、挿入損失低減にも寄与する。また容量C7は積層した誘電体シート間に印刷した電極パターンによって形成されるが、小型で面積、層数で制限された誘電体シート上では十分な容量をとることが困難である。このような状況にあっても伝送線路L20は比較的容易に形成することが出来るので有利である。伝送線路L20の長さは伝送線路L8の長さの30%以下が好ましい。
【0021】
以上によりコントロール電源VC2がHighの時には、第3、第4のダイオードD3、D4は共にONとなり、第4のダイオードD4と伝送線路L8の接続点がグランドレベルとなり、λ/4共振器である伝送線路L8の反対側のインピーダンスが無限大となる。したがって、コントロール電源VC2がHighの時にはダイプレクサDip〜PCS RxおよびダイプレクサDip〜DCS Rx間の経路では信号は通過できず、ダイプレクサDip〜DCS/PCS Tx間の経路では信号が通過しやすくなる。一方、コントロール端子VC2がLowの時には第3のダイオードD3もOFFとなりダイプレクサDip〜DCS/PCS Tx間の経路では信号は通過できず、また第4のダイオードD4もOFFであるのでダイプレクサDip〜PCS RxおよびダイプレクサDip〜DCS Rx間の経路では信号が通過しやすくなる。
【0022】
またコントロール端子VC3がHighの時には、第5、第6のダイオードD5、D6は共にONとなり、第6のダイオードD6と伝送線路L10の接続点がグランドレベルとなり、λ/4共振器である伝送線路L10の反対側のインピーダンスが無限大となる。したがって、コントロール端子VC3がHighの時にはC8とD5との接続点からDCS Rx間の経路には信号は通過できず、前記接続点〜PCS Rx間の経路では信号が通過しやすくなる。逆にコントロール端子VC3がLowの時には第5のダイオードD5もOFFとなり、前記接続点〜PCS Rx間の経路には信号は通過できず、また第6のダイオードD6もOFFであるので前記接続点〜DCS Rx間の経路では信号が通過しやすくなる。以上の構成により、コントロール端子VC2がHighの時にはDCS/PCS Txへ、コントロール端子VC2、VC3がそれぞれLow、Highの時にはPCS Rxへ、コントロール端子VC2およびコントロール端子VC3がLowの時にはDCS Rxへの切り替えが可能となる。
【0023】
VC3がHighの時のPCS Rx − DCS Rx間のアイソレーションの調整にインダクタ又は伝送線路L30を使用することも可能であるが、λ/4共振器であるL10と容量C10が、回路の末端であるDCS_Rx端子に接続されており、他の回路素子への影響度も少ないことから、比較的自由にL10、C10を前記アイソレーション、DCS_Rx端子の整合のために調整することができた。よってここではインダクタ又は伝送線路L30を挿入するに至らなかった。
【0024】
第1のローパスフィルタLPF1は、伝送線路L11および容量C11〜C13より構成されるπ型のローパスフィルタである。ここでL11とC11は並列共振回路を構成し、その共振周波数はEGSMの送信周波数の2倍もしくは3倍の周波数に設定する。本実施例では3倍の2.7GHzに設定した。以上の構成によりパワーアンプから入力されるEGSM側の送信信号に含まれる高調波歪みを除去できる。
第1のローパスフィルタLPF1は第1の高周波スイッチSW1の第1のダイオードD1と伝送線路L5の間に配置しているが、これはダイプレクサDipと第1の高周波スイッチSW1との間に配置しても良いし、前記伝送線路L5とEGSM Txとの間に配置しても良い。前記第1のローパスフィルタLPF1のグランドに接続する容量を伝送線路L5と並列に配置すれば、並列共振回路を構成することとなり、伝送線路L5の線路長をλ/4よりも短く構成でき、またチョークコイルのインダクタンス値を小さくすることが出来る。
【0025】
第2のローパスフィルタLPF2は、伝送線路L12および容量C14〜C16より構成されるπ型のローパスフィルタである。ここで伝送線路L12と容量C14は並列共振回路を構成し、その共振周波数はDCS/PCS送信周波数の2倍もしくは3倍の周波数に設定する。本実施例では2倍の3.6GHzに設定した。以上の構成によりパワーアンプから入力されるDCS/PCS側の送信信号に含まれる高調波歪みを除去できる。
第2のローパスフィルタLPF2も第1のローパスフィルタLPF1と同様に、ダイプレクサDipと第2の高周波スイッチSW2との間に配置しても良いし、前記伝送線路L7とDCS送信端子DCS Txとの間に配置しても良い。第1、第2のローパスフィルタLPF1、LPF2は、ダイオードD1と伝送線路L5との間、及びダイオードD3と伝送線路L7との間に構成されて、スイッチ回路の中に設けられている。これは回路設計上好ましいが必須ではない。ローパスフィルタは送信信号が通過するダイプレクサ〜送信端子との間の送信経路のどこかの位置に設けてあれば良い。
【0026】
また、EGSM系をさらにGSM850(送信周波数:824〜849MHz、受信周波数:869〜894MHz)とEGSMに分けて、クワッドバンド対応とすることもできる。この場合、送信系は共通端子を用いることができ、受信系は前記トリプルバンド対応アンテナスイッチのEGSM受信端子部にGSM850とEGSMを切り替えるスイッチを接続することにより構成できる。また、前記スイッチの代わりにGSM850、EGSM帯のλ/4共振器である伝送線路を用いて、両者間の周波数を分けることでも実現できる。
【0027】
次に、高周波増幅器を図2を参照して説明する。この高周波増幅器はハイパワーアンプで整合回路端の出力端子P0を図1のアンテナスイッチモジュールの例えばEGSM Txの送信端子P1に接続し、増幅した送信信号をアンテナスイッチ側に送る役割を果たす。出力端子P0には、直流カットコンデンサCa2を介して、伝送線路ASL1の一端が接続される。伝送線路ASL1には一端を接地されたコンデンサCa3、Ca4が接続されて出力整合回路を構成する。伝送線路ASL1の他端は、半導体素子の一種である電界効果スイッチングトランジスタ(FET)Q1のドレインに接続される。また、FET Q1のソースは接地され、ゲートはバイポーラスイッチング素子(B−Tr)Q2のコレクタに接続される。
【0028】
他方、伝送線路ASL1の他端と電界効果スイッチングトランジスタFET Q1のドレインDとの接続点は、λ/4ストリップライン等からなるインダクタSL1とコンデンサCa5との直列回路を介して接地され、インダクタSL1とコンデンサCa5との接続点はドレイン電圧端子Vdd1に接続されている。また、電界効果スイッチングトランジスタFET Q1のゲートとバイポーラスイッチング素子Q2のコレクタとの接続点は、コンデンサCa6を介して接地されると共にゲート電圧端子Vgにも接続される。
【0029】
更に、バイポーラスイッチング素子Q2のエミッタは接地され、ベースは伝送線路SL3の一端に接続される。バイポーラスイッチング素子Q2のコレクタは、ストリップライン等からなるインダクタSL2とコンデンサCa7との直列回路を介して接地され、インダクタSL2とコンデンサCa7との接続点は、コレクタ電圧端子Vcに接続される。また、インダクタSL2とコンデンサCa7との接続点は、バイポーラスイッチング素子Q2のベースと伝送線路SL3の一端との接続点にも接続される。伝送線路SL3の他端は、コンデンサCa8を介して接地されると共に入力端子Pinに接続される。
【0030】
尚、図1及び図2の等価回路において伝送線路及びインダクタはストリップラインで構成されることが多いものの、マイクロストリップライン、コプレーナガイドライン等で構成されていてもよい。また、図1のスイッチ回路ではpinダイオードは伝送線路側にカソードを接続した例を示したが、この向きに限るものではない。伝送線路側にアノードを接続しても良い。但し、この場合は送信系の伝送線路はコンデンサを介して接地するか、または伝送線路の他端を直接電圧制御端子にする。前記伝送線路にコンデンサを介して接地した場合、伝送線路とコンデンサの間に電圧制御端子を接続する。受信系のpinダイオードはアノードを伝送線路側に接続しており、カソードはコンデンサを介して接地されている。前記受信系pinダイオードとコンデンサの間には抵抗が接続されており、その一端は電圧制御端子、又は接地されている。電圧制御端子として使用される場合、その端子に正の電圧を印加することにより送受信系ダイオードに逆バイアスをかけることができ、ダイオードのアイソレーションを更に大きくすることができる。結果として、アンテナ〜受信経路の挿入損失低減、他経路の送信時では前記ダイオードからの高調波発生を抑制することができる。
【0031】
また、スイッチ回路のスイッチング素子としてpinダイオードを用いたが、これはSP3T(Single Pole 3 Throw)等のGaAsスイッチを用いても良い。さらにトランジスタはQ1をFET、Q2をB-Trとしたが、それぞれ他の種類のトランジスタでも良い。例えば、Si-MOSFET、GaAsFET、Siバイポーラトランジスタ、GaAsHBT(ヘテロ接合バイポーラトランジスタ)、HEMT(高電子移動度トランジスタ)等があげられる。もちろん、いくつものトランジスタを集積化したMMIC(モノリシックマイクロ波集積回路)を用いても良い。また、本実施例では伝送線路SL3とトランジスタQ2の間を直接繋いでいるが、抵抗を介して接続しても良い。
【0032】
図3は図1のアンテナスイッチモジュールと高周波増幅器を一つの積層体内に収めた複合積層モジュールの誘電体グリーンシートの展開図である。但し、高周波増幅器側は本発明の要旨とは直接関係しないし、また電極パターンについても特定されないので本実施例では図示していない。
誘電体グリーンシートは10層で構成され、1層目は上面に搭載するチップ素子用のマウント電極を示し、最後の展開図は積層体の裏面を示している。グリーンシートは伝送線路や容量を形成しやすいようにシート厚みは40〜200μmのものを使用し、電極材は銀系のものを用いた。このグリーンシートの各層に伝送線路やコンデンサ容量を電極パターンにより形成し、適宜スルーホールを設けて回路を構成している。このグリーンシートを順次積層圧着し、950℃で焼成することにより高周波部品が複合化された複合積層モジュールが得られる。積層体の大きさは横13.75mm×縦8mm×高さ0.75mm程度であり、積層体の上面にはダイオードやトランジスタ及びチップインダクタ、チップコンデンサ、抵抗体等のチップ素子を搭載し、その上に金属ケース(図示せず)を被せて完成品とする。完成後の全高は1.8mm程度である。ただし、金属ケースの代わりに、樹脂封止パッケージとしても良く、この場合の全高は1.5mm程度である。アンテナスイッチモジュールだけ場合は、積層体の大きさは横3mm×縦8mm×高さ0.8mm程度である。
【0033】
実施例で使用した誘電体グリーンシート(以下、グリーンシート或いはシートと言う。)は950℃以下の低温焼成が可能なLTCC材料からなる。例えば、Al換算で10〜60質量%、SiO換算で25〜60質量%、SrO換算で7.5〜50質量%、TiO換算で20質量%以下のAl,Si,Sr,Tiと、Bi換算で0.1〜10質量%、NaO換算で0.1〜5質量%、KO換算で0.1〜5質量%、CuO換算で0.01〜5質量%、MnO換算で0.01〜5質量%のBi、Na、K、Cu、Mnをそれぞれ含有した誘電体組成物が用いられる。
【0034】
積層体内のアンテナスイッチモジュールの概略構成は、上部層(1〜4層目)に分波器及びローパスフィルタを構成する伝送線路L1、L2、L3、L4、L11、L12等を、中間層(5〜7層目)に分波器、スイッチ回路及びローパスフィルタを構成するコンデンサ容量C1、C3、C4、C7、C9、C10、C11、C12、C13、C14、C15、C16等を、下部層(8〜10層目)にスイッチ回路を構成する伝送線路L5、L6、L7、L8、L9、L10等が主に形成されている。積層体への搭載部品あるいは基板外付け部品は、上記したようにダイオードD1〜D6、チップコンデンサC5、C6、C8、Ca5〜Ca7、抵抗体R1〜R3などがある。
【0035】
図4は7,9,10層目のシートを抜き出しており、図中(a)は本発明の電極パターンを、(b)は比較例の電極パターンの配置を示している。本発明と比較例では7層目に前記分波回路Dipの高域通過フィルタを構成するコンデンサC4の電極パターンを設け、9,10層目にスイッチ回路SW2のDCS Rx、PCS Rx受信経路でλ/4共振器を構成する伝送線路L8の電極パターンをスルーホールで繋いで設けている。ここで、比較例ではコンデンサの電極パターンC4と伝送線路の電極パターンL8(1)、L8(2)はそれぞれ上下方向に重ならないように配置している。これに対して本発明ではコンデンサの電極パターンC4と伝送線路の電極パターンL8(ここではL8(1))が上下方向に重なるように配置している。このように配置することにより、図6に示すようにアンテナANT〜DCS Rx受信経路の挿入損失が0.2[dB]程度低減できることが確認された。さらに、図7に示すようにアンテナANT〜PCS Rx受信経路の挿入損失も0.2[dB]程度低減できることが確認された。これらの理由は定かではないがコンデンサC4と伝送線路L8は電気的に直接接続した回路なので、干渉を避けるように配置するよりも電磁気的な結合を持たせたことが結果的に良い方向に作用しているのではと考えられる。
【0036】
次に、図5は1〜5層目のシートを抜き出しており、図中(a)は本発明の電極パターンを、(b)は比較例の電極パターンの配置を示している。比較例では3,4層目に前記分波回路Dipの低域通過フィルタを構成する伝送線路L1の電極パターンを設け、5層目に同じく分波回路Dipの高域通過フィルタを構成するコンデンサC2の電極パターンを設けている。また1層目の上面にはマウント電極が設けられておりEで示す領域にも電極が設けられている。従って、この例では伝送線路L1とコンデンサC2の各電極パターンの投影が上面電極のEの領域にあり、これらの電極は重なって配置されている。これに対して本発明では、1層目の上面のNで示す領域にはマウント電極を形成していない。よって、2,3,4層目に分波回路Dipの低域通過フィルタを構成する伝送線路L1の電極パターンを3層に分けて設けているものの上層には電極が無く電極の重なりは生じていない。また、分波回路Dipの高域通過フィルタを構成するコンデンサC2の電極パターンは5層目に設けているが、Nの領域にはマウント電極が無いので上面電極との重なりは生じていない。このような配置とすることにより、図8に示すようにGSM Tx送信経路〜アンテナANTの挿入損失が0.2[dB]程度低減できることが確認された。さらに、図示していないがアンテナANT〜GSM Rx受信経路の挿入損失が0.1[dB]程度低減できることが確認された。これらの理由は定かではないが、上面電極と低域通過フィルタを構成する伝送線路L1の干渉、上面電極と高域通過フィルタを構成するコンデンサC2の干渉がそれぞれ低減されたことによる効果との見方をしている。
【0037】
図1に示したアンテナスイッチモジュールの等価回路、図2に示した高周波増幅器の等価回路は一例である。増幅器回路側は、半導体素子Q3と電源供給回路を同様に付加して増幅回路を3段、またそれ以上の多段となしハイパワーアンプとして構成することも出来る。また、アンテナスイッチモジュールと高周波増幅器の間にカプラ回路やアイソレータ回路を備えても良く、受信系経路にはSAWフィルタを挿入しても良い。また、アンテナスイッチモジュール回路とカプラ回路を複合積層モジュールとしても良い。
上記した高周波スイッチモジュールやアンテナスイッチモジュールと高周波増幅器を複合化した複合積層モジュールをアンテナを共用とする携帯電話などの無線通信機に用いることによって小型軽量化の要求に答えることが出来る。
【0038】
また本発明で用いられる送受信系システムとしては、上記した以外にもPDC800帯域(810〜960MHz)、GPS帯域(1575.42MHz)、PHS帯域(1895〜1920MHz)、Bluetooth帯域(2400〜2484MHz)や、米国で普及が見込まれるCDMA2000、中国で普及が見込まれるTD-SCDMA、欧州で普及が見込まれるW-CDMAなどを組み合わせたマルチバンドアンテナスイッチ回路の場合も同様の効果が期待できる。これらの場合の回路を用いてデュアルバンド、3バンド、4バンド、5バンド等のマルチモードマルチバンドの高周波スイッチ回路が得られる。
【0039】
【発明の効果】
本発明によれば、挿入損失が低減された高周波スイッチモジュールとなる。さらに一つの積層体内にこれらの機能を一体化することにより損失が無く変換効率の高い特性の優れた複合積層モジュールが得られる。そしてこれらを用いることにより小型軽量のマルチバンド型の高性能な通信機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すトリプルバンド用アンテナスイッチモジュールの等価回路図である。
【図2】本発明の一実施例を示す高周波増幅器の等価回路図である。
【図3】本発明の複合積層モジュールの一実施例を示す、誘電体シートの展開図である。
【図4】分波器の一部を構成するコンデンサ電極とスイッチ回路の一部を構成する伝送線路電極との重なりを説明する誘電体シートの展開図である。
【図5】分波器の一部を構成するコンデンサ電極と伝送線路電極とマウント電極との重なりを説明する誘電体シートの展開図である。
【図6】図4に示す比較例と本発明の実施例によるANT〜DCS Rx間の挿入損失の測定結果を示す特性線図である。
【図7】図4に示す比較例と本発明の実施例によるANT〜PCS Rx間の挿入損失の測定結果を示す特性線図である。
【図8】図5に示す比較例と本発明の実施例によるGSM Tx〜ANT間の挿入損失の測定結果を示す特性線図である。
【図9】本発明の一例であるマルチバンド用アンテナスイッチモジュールの形態を説明するブロック図である。
【符号の説明】
ASM:アンテナスイッチモジュール(高周波スイッチモジュール)
HPA:ハイパワーアンプ(高周波増幅器)
Dip:ダイプレクサ(分波器)
SW:スイッチ回路
LPF:ローパスフィルタ回路
SAW:弾性表面波フィルタ
L、SL、ASL:インダクタ、伝送線路
C、Ca:コンデンサ
Q1、Q2:半導体スイッチング素子

Claims (7)

  1. 通過帯域が異なる複数の送受信系に信号を分波する低域通過フィルタと高域通過フィルタとからなる分波回路と、前記分波回路に接続され、前記各送受信系のそれぞれに送信系と受信系を切り替えるスイッチ回路を有し、前記スイッチ回路の各送信系にローパスフィルタを有し、前記分波回路はLC回路で構成され、前記スイッチ回路はスイッチング素子と伝送線路を主構成とし、前記ローパスフィルタはLC回路で構成され、前記分波回路のLC回路、前記ローパスフィルタのLC回路及び前記スイッチ回路の伝送線路の少なくとも一部は、電極パターンと誘電体層との積層体内に、前記電極パターンにより構成し、前記スイッチング素子およびLC回路の一部を構成するチップ素子は前記積層体上に配置して構成された高周波スイッチモジュールにおいて、前記分波回路の高域通過フィルタを構成するコンデンサ電極パターンと、それと直接電気的に接続された、前記スイッチ回路の受信系のλ/4共振器を構成する、複数層に渡って螺旋状に形成された伝送線路電極パターンとを、他の電極パターンを介さずに前記積層体内で上下方向に重なる位置に配置したことを特徴とする高周波スイッチモジュール。
  2. 通過帯域が異なる複数の送受信系に信号を分波する低域通過フィルタと高域通過フィルタとからなる分波回路と、前記分波回路に接続され、前記各送受信系のそれぞれに送信系と受信系を切り替えるスイッチ回路を有し、前記スイッチ回路の各送信系にローパスフィルタを有し、前記分波回路はLC回路で構成され、前記スイッチ回路はスイッチング素子と伝送線路を主構成とし、前記ローパスフィルタはLC回路で構成され、前記分波回路のLC回路、前記ローパスフィルタのLC回路及び前記スイッチ回路の伝送線路の少なくとも一部は、電極パターンと誘電体層との積層体内に、前記電極パターンにより構成し、前記スイッチング素子およびLC回路の一部を構成するチップ素子は前記積層体上に配置して構成された高周波スイッチモジュールにおいて、前記分波回路の低域通過フィルタを構成するアンテナ端子側の伝送線路電極パターン及び/又は高域通過フィルタを構成するアンテナ端子側のコンデンサ電極パターンの上層には、前記分波回路の低域通過フィルタを構成するアンテナ端子側の伝送線路電極パターン及び/又は高域通過フィルタを構成するアンテナ端子側のコンデンサ電極パターンと上下方向で重なる電極は形成されていないことを特徴とする高周波スイッチモジュール。
  3. 前記分波回路の低域通過フィルタを構成するアンテナ端子側の伝送線路電極パターンと高域通過フィルタを構成するアンテナ端子側のコンデンサ電極パターンは、上下方向で重なるように配置されていることを特徴とする請求項2に記載の高周波スイッチモジュール。
  4. 通過帯域が異なる複数の送受信系に信号を分波する低域通過フィルタと高域通過フィルタをLC回路で構成した分波回路と、前記分波回路に接続され、前記各送受信系のそれぞれに送信系と受信系を切り替えるスイッチング素子と伝送線路を主構成としたスイッチ回路と、LC回路で構成され前記スイッチ回路の各送信系に挿入されるローパスフィルタとを有し、前記分波回路のLC回路、前記ローパスフィルタのLC回路及び前記スイッチ回路の伝送線路の少なくとも一部は、電極パターンと誘電体層との積層体内に、前記電極パターンにより構成し、この電極パターンのうち前記分波回路の高域通過フィルタを構成するコンデンサ電極パターンと、それと直接、電気的に接続された前記スイッチ回路の受信系のλ /4 共振器を構成する、複数層に渡って螺旋状に形成された伝送線路電極パターンとを、他の電極パターンを介さずに前記積層体内で上下方向に重なる位置に配置しており、前記スイッチング素子、抵抗及びLC回路の一部を構成するチップ素子は前記積層体上に配置して構成された高周波スイッチ積層モジュール部と、
    少なくとも半導体素子と電源供給回路と整合回路とを有し、前記電源供給回路と整合回路を構成する伝送線路及びLC回路の少なくとも一部は、電極パターンと誘電体層との前記積層体内に、前記電極パターンにより構成し、前記半導体素子およびLC回路の一部を構成するチップ素子は前記積層体上に配置して構成された高周波増幅器積層モジュール部 とを有し、
    前記高周波スイッチ積層モジュール部と高周波増幅器積層モジュール部とを前記一つの積層体に構成したことを特徴とする複合積層モジュール
  5. 通過帯域が異なる複数の送受信系に信号を分波する低域通過フィルタと高域通過フィルタをLC回路で構成した分波回路と、前記分波回路に接続され、前記各送受信系のそれぞれに送信系と受信系を切り替えるスイッチング素子と伝送線路を主構成としたスイッチ回路と、LC回路で構成され前記スイッチ回路の各送信系に挿入されるローパスフィルタとを有し、前記分波回路のLC回路、前記ローパスフィルタのLC回路及び前記スイッチ回路の伝送線路の少なくとも一部は、電極パターンと誘電体層との積層体内に、前記電極パターンにより構成し、この電極パターンのうち前記分波回路の低域通過フィルタを構成するアンテナ端子側の伝送線路電極パターン及び/又は高域通過フィルタを構成するアンテナ端子側のコンデンサ電極パターンの上層には、前記分波回路の低域通過フィルタを構成するアンテナ端子側の伝送線路電極パターン及び/又は高域通過フィルタを構成するアンテナ端子側のコンデンサ電極パターンと上下方向で重なる電極は形成されておらず、前記スイッチング素子、抵抗及びLC回路の一部を構成するチップ素子は前記積層体上に配置して構成された高周波スイッチ積層モジュール部と、
    少なくとも半導体素子と電源供給回路と整合回路とを有し、前記電源供給回路と整合回路を構成する伝送線路及びLC回路の少なくとも一部は、電極パターンと誘電体層との前記積層体内に、前記電極パターンにより構成し、前記半導体素子およびLC回路の一部を構成するチップ素子は前記積層体上に配置して構成された高周波増幅器積層モジュール部とを有し、
    前記高周波スイッチ積層モジュール部と高周波増幅器積層モジュール部とを前記一つの積層体に構成したことを特徴とする複合積層モジュール。
  6. 前記分波回路の低域通過フィルタを構成するアンテナ端子側の伝送線路電極パターンと高域通過フィルタを構成するアンテナ端子側のコンデンサ電極パターンは、上下方向で重なるように配置されていることを特徴とする請求項5に記載の複合積層モジュール。
  7. 2つ以上の異なる周波数の信号を1つのアンテナを共用して送受信する通信機であって、請求項1〜3のいずれかに記載の高周波スイッチモジュールあるいは請求項4〜6のいずれかに記載の複合積層モジュールに前記1つの共用アンテナを接続して搭載したことを特徴とする通信機。
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