JP3909711B2 - 高周波スイッチモジュール及びその制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は複数の異なる通信システムに使用できる無線通信機(携帯電話など)に用いる高周波複合部品に関し、特に3つの通信システムを取り扱う無線通信機に使用する高周波スイッチモジュールに関する。
携帯無線システムには、例えば主に欧州で盛んなEGSM(Extended Global System for Mobile Communications)方式およびDCS(Digital Cellular System)方式、米国で盛んなPCS(Personal Communication Service)方式、日本で採用されているPDC(Personal Digital Cellular )方式などの時分割マルチプルアクセス(TDMA)を用いた様々なシステムがある。昨今の携帯電話の急激な普及に伴い、特に先進国の主要な大都市部においては各システムに割り当てられた周波数帯域ではシステム利用者を賄いきれず、接続が困難であったり、通話途中で接続が切断するなどの問題が生じている。そこで、利用者が複数のシステムを利用できるようにして、実質的に利用可能な周波数の増加を図り、さらにサービス区域の拡充や各システムの通信インフラを有効活用することが提唱されている。
従来、複数の通信システムに対応した小型軽量の高周波回路部品として、EGSM、DCS、PCSの3つのシステムに対応した携帯通信機に用いられるトリプルバンド対応の高周波スイッチモジュールが特許文献1に開示されている。
図5は特許文献1に開示されたトリプルバンド対応の高周波スイッチモジュールのブロック図を、図6はその回路図を示す(但しコントロール端子の符号は便宜上変更している)。この高周波スイッチモジュールは3つの送受信系を切り替えるもので、(a)アンテナANTに入射した信号を第1の送受信系の受信信号と第2及び第3の送受信系の受信信号とに分波する第1及び第2のフィルタ回路F1、F2からなる分波回路(ダイプレクサ)と、(b)第1のフィルタ回路F1の後段に配置され、コントロール回路VC1から供給される電圧により第1の送受信系の送信回路TX1と受信回路RX1とを切り替える第1のスイッチ回路SW1と、(c)第2のフィルタ回路F2の後段に配置され、コントロール回路VC2、VC3から供給される電圧により第2及び第3の送受信系の送信回路TX2と第2の送受信系の受信回路RX2と第3の送受信系の受信回路RX3とを切り替える第2のスイッチ回路SW2とから構成され、ここでは第1の通信システムにEGSM(送信周波数:880〜915MHz、受信周波数:925〜960MHz)、第2の通信システムにDCS(送信周波数:1710〜1785MHz、受信周波数:1805〜1880MHz)、第3の通信システムにPCS(送信周波数:1850〜1910MHz、受信周波数:1930〜1990MHz)の場合を例にとっている。これらの構成要素の説明については特許文献1あるいは本発明の実施態様の欄を参照するとして、ここでは第1〜第3のコントロール回路とダイオードスイッチの動作について説明する。
(A)DCS/PCS TXモード
第2及び第3の送信回路TX2と第2のフィルタ回路F2とを接続する場合、コントロール回路VC2から正の電圧を与え、コントロール回路VC3から0の電圧を与える。コントロール回路VC2から与えられた正の電圧は、CP2、CP3、CP4、CP5、CP6及びCF4のコンデンサにより直流分がカットされて、ダイオードDP1、DP2を含む回路に印加される。その結果、ダイオードDP1、DP2はON状態となる。ダイオードDP1がON状態となると、第2及び第3の送信回路TX2と入出力端子IP2との間のインピーダンスが低くなる。またON状態となったダイオードDP2及びコンデンサCP6により伝送線路LP2は高周波的に接地されることにより共振し、入出力端子IP2から出力端子IP3を見たインピーダンスが非常に大きくなる。さらにダイオードDD2がOFF状態となることにより出力端子IP3と第3の受信回路RX3との間のインピーダンスが大きくなる。その結果、第2及び第3の送信回路TX2から来る送信信号は第2の受信回路RX2及び第3の受信回路RX3に漏洩することなく、第2のフィルタ回路F2に伝送される。
(B)DCS RXモード
第2の受信回路RX2と第2のフィルタ回路F2を接続する場合、コントロール回路VC2及びVC3からの電圧は0であり、ダイオードDP1、DP2、DD1及びDD2はOFF状態となる。ダイオードDP1がOFF状態となることにより、入出力端子IP2と第2及び第3の送信回路TX2との間のインピーダンスが大きくなる。またダイオードDD2がOFF状態となることにより、出力端子IP3と第3の受信回路RX3との間のインピーダンスが大きくなる。そして伝送線路LP2と伝送線路LD1を介して入出力端子IP2と第2の受信回路RX2が接続される。その結果、第2のフィルタ回路F2から来る受信信号は、第2及び第3の送信回路TX2及び第3の受信回路RX3に漏洩することなく、第2の受信回路RX2に伝送される。
(C)PCS RXモード
第3の受信回路RX3と第2のフィルタ回路F2とを接続する場合、コントロール回路VC3から正の電圧を与え、コントロール回路VC2の電圧は0とする。コントロール回路VC3から与えられた正の電圧は、CDP1、CDP2、CDP3及びCP5のコンデンサにより直流分がカットされて、ダイオードDD1、DD2を含む回路に印加される。その結果、ダイオードDD1及びDD2がON状態となる。ダイオードDD2がON状態となることにより、第3の受信回路RX3と出力端子IP3の間のインピーダンスが低くなる。またON状態となったダイオードDD1及びコンデンサCDP2により伝送線路LD1は高周波的に接地されることにより共振し、出力端子IP3から第2の受信回路RX2を見たインピーダンスは非常に大きくなる。さらにダイオードDP1がOFF状態となることにより入出力端子IP2と第2及び第3の送信回路TX2との間のインピーダンスが大きくなる。その結果、第2のフィルタ回路F2から来る受信信号は、第2及び第3の送信回路TX2及び第2の受信回路RX2に漏洩することなく、第3の受信回路RX3に伝送される。
(D)EGSM RXモード
第1の受信回路RX1と第1のフィルタ回路F1とを接続する場合、コントロール回路VC1に0の電圧を与え、ダイオードDG1及びDG2をOFF状態とする。OFF状態となったダイオードDG2により、伝送線路LG2を介して入出力端子IP1と第1の受信回路RX1が接続される。またダイオードDG1がOFF状態となることにより入出力端子IP1と第1の送信回路TX1との間のインピーダンスが大きくなる。その結果、第1のフィルタ回路F1から来る受信信号は第1の送信回路TX1に漏洩することなく、第1の受信回路RX1に伝送される。
(E)EGSM TXモード
第1の送信回路TX1と第1のフィルタ回路F1とを接続する場合、コントロール回路VC1から正の電圧を与える。正の電圧はCG6、CG5、CG4、CG3、CG2及びCG1のコンデンサにより直流分がカットされて、ダイオードDG2及びDG1を含む回路に印加される。その結果、ダイオードDG2及びDG1はON状態となる。ダイオードDG1がON状態となることにより、第1の送信回路TX1と入出力端子IP1の間のインピーダンスが低くなる。またON状態となったダイオードDG2及びコンデンサCG6により伝送線路LG2は高周波的に接地されて共振し、入出力端子IP1から第1の受信回路RX1を見たインピーダンスは非常に大きくなる。その結果、第1の送信回路TX1から来る送信信号は第1の受信回路RX1に漏洩することなく、第1のフィルタ回路F1に伝送される。
以上の制御ロジックをまとめると表1のようになる。このようにコントロール回路から電圧を給電してダイオードスイッチをON/OFF状態に制御することにより、第1、第2、第3の送受信系のいずれか一つのモードを選択するようになっている。
Figure 0003909711
再公表WO00/55983号
高周波スイッチモジュールにおいて挿入損失は、送信モードでは携帯電話のバッテリー動作時間に影響し、受信モードでは受信感度に影響するため出来るだけ低い方が良い。また、高調波発生量についても各システムにおいて不要電力を制限できるため出来るだけ少ない方が良い。特に2倍波高調波を制限することが重要である。例えばEGSM側で-35dB以上、DCS/PCS側で-25dB以上の減衰量が望まれる。この高調波発生量の抑制については、従来種々の対策がとられてきたが、今やコンマ数dBレベルの向上のために高周波スイッチモジュールの分波器回路の低周波側フィルタあるいは送信用ローパスフィルタの特性を最適化することで行ってきている。しかしながら、このような手段には限界があり、結局、このままの手法では上記したレベル以上の高調波減衰量を得ることが困難であるという問題が生じてきた。
本発明はこのような問題に鑑み、高調波の発生を抑制し、さらなる高調波減衰量レベルを達成するために、従来とは異なる視点から解決を図らんとするもので、その為の高周波スイッチモジュールの制御方法およびそれに適した高周波スイッチモジュールを提供するものである。また、一つの積層体内に構成し小型軽量化を図った高周波スイッチモジュールとなし、携帯電話に用いられ易くしたものを提供する。
本発明は、ダイオードスイッチの特性並びにこれらをON/OFF制御する制御ロジックの面に注目し、高調波を抑制し減衰量を増加させることが出来る高周波スイッチモジュールとその制御方法を見出したものである。
先ず、本発明の高周波スイッチモジュールの制御方法は、アンテナに入射した信号を第1の送受信系の受信信号と第2及び第3の送受信系の受信信号とに分波する第1及び第2のフィルタ回路F1、F2からなる分波回路と、第1のフィルタ回路F1の後段に配置され、コントロール回路VC1から供給される電圧により第1の送受信系の送信回路TX1と受信回路RX1とを切り替える第1のスイッチ回路SW1と、第2のフィルタ回路F2の後段に配置され、コントロール回路VC2から供給される電圧により第2及び第3の送受信系の送信回路TX2と第2の送受信系の受信回路RX2と第3の送受信系の受信回路RX3とを切り替える第2のスイッチ回路SW2と、第2のスイッチ回路SW2の後段に配置され、コントロール回路VC3から供給される電圧により第2の受信回路RX2と第3の受信回路RX3とを切り替える第3のスイッチ回路SW3とからなる高周波スイッチモジュールのスイッチ回路の制御において、前記第1のスイッチ回路SW1において、前記コントロール回路VC1に正の電圧を与えることにより、前記第1の送受信系の送信回路TX1とアンテナを接続するものであって、更にこのとき、前記コントロール回路VC3からも正の電圧を与えることを特徴とするものである。尚、通常は上記のようにコントロール電圧として正の電圧を与えて制御する。しかしながら、上記ダイオードの極性を逆にしてコントロール電圧として負の電圧を与えて同様の制御をすることも可能である。従って、本発明は上記において「正の電圧を与えることにより」の記載を「正又は負の電圧を与えることにより」と置換した構成についても本発明の範疇である。
また、本発明の高周波スイッチモジュールは、アンテナに入射した信号を第1の送受信系の受信信号と第2及び第3の送受信系の受信信号とに分波する第1及び第2のフィルタ回路F1、F2からなる分波回路と、第1のフィルタ回路F1の後段に配置され、コントロール回路VC1から供給される電圧により第1の送受信系の送信回路TX1と受信回路RX1とを切り替える第1のスイッチ回路SW1と、第2のフィルタ回路F2の後段に配置され、コントロール回路VC2、VC3から供給される電圧により第2及び第3の送受信系の送信回路TX2と第2の送受信系の受信回路RX2と第3の送受信系の受信回路RX3とを切り替える第2のスイッチ回路SW2とからなる高周波スイッチモジュールにおいて、前記第1のスイッチ回路SW1は、第1の送受信系の受信信号が入力するとともに送信信号を出力する入出力端子IP1と、第1の送受信系の送信回路TX1からの送信信号が入力する接続端P13と、第1の送受信系の受信信号を受信回路RX1へ出力する接続端P16とを有し、前記入出力端子IP1と接続端P13との間に配置された第1のダイオードDG1と、接続端P13とアースとの間に設けられた第1のインダクタンス素子LG1と、前記入出力端子IP1と接続端P16との間に設けられた第2のインダクタンス素子LG2と、接続端P16とアースとの間に設けられた第2のダイオードDG2とを有し、前記第2のスイッチ回路SW2は、第2及び第3の送受信系の受信信号が入力するとともに送信信号を出力する入出力端子IP2と、第2及び第3の送受信系の送信回路TX2からの送信信号が入力する接続端P7と、第2及び第3の送受信系の受信信号を出力する出力端子IP3と、第2の送受信系の受信信号を受信回路RX2へ出力する接続端P9と、第3の送受信系の受信信号を受信回路RX3へ出力する接続端P10とを有し、前記入出力端子IP2と接続端P7との間に配置された第3のダイオードDP1と、接続端P7とアースとの間に設けられた第3のインダクタンス素子LP1と、前記入出力端子IP2と出力端子IP3との間に設けられた第4のインダクタンス素子LP2と、出力端子IP3とアースとの間に設けられた第4のダイオードDP2と、前記出力端子IP3と接続端P9との間に設けられた第5のインダクタンス素子LD1と、接続端P9とアースとの間に設けられた第5のダイオードDD1と、前記出力端子IP3と接続端P10との間に配置された第6のダイオードDD2と、接続端P10とアースとの間に設けられた第6のインダクタンス素子LD2又はインダクタとを有し、前記第1の送受信系の送信回路TX1と入出力端子IP1との接続には、前記第1のダイオードDG1と第2のダイオードDG2及び第5のダイオードDD1と第6のダイオードDD2とをON状態にしてなることを特徴とするものである。
さらに、本発明の高周波スイッチモジュールでは、分波回路はLC回路で構成され、前記第1及び第2のスイッチ回路はスイッチング素子からなり、スイッチ回路の各送信系にローパスフィルタを有し、該ローパスフィルタはLC回路で構成され、前記分波回路のLC回路、ローパスフィルタのLC回路及びスイッチ回路のインダクタンス素子の少なくとも一部は、電極パターンと誘電体層との積層体内に、前記電極パターンにより構成し、前記スイッチング素子やLC回路等の一部を構成するチップ素子は前記積層体上に配置して構成することができる。尚、上記スイッチング素子としては、ダイオード、電界効果スイッチングトランジスタ等を用いることが出来る。
また、本発明の高周波スイッチモジュールでは、少なくとも半導体素子と電源供給回路と整合回路とを有し、前記電源供給回路と整合回路を構成するインダクタンス素子及びLC回路の少なくとも一部は、電極パターンと誘電体層との前記積層体内に、前記電極パターンにより構成し、前記半導体素子やLC回路等の一部を構成するチップ素子は前記積層体上に配置して構成された高周波増幅器部とを前記積層体に一体的に構成し増幅器機能を備えるようにすることが望ましい。尚、本発明において上記してきたインダクタンス素子は、電極パターンによる伝送線路、インダクタで構成しても良いし、またチップインダクタなどの素子を積層体上に搭載するようにしても良い。
本発明による高周波スイッチモジュール及びその制御方法によれば、ダイオードスイッチの特性とインピーダンスマッチングの特性を有利にとらえることが出来ている。これにより高調波の発生を抑制し、高い高調波減衰量を達成することができる。また、これらの機能部品を一つの積層体内に構成した場合でも小型軽量化と高効率化を図ることが出来で、携帯電話等の移動体通信機器に有用である。
本発明によるコントロール回路の制御方法は、従来、単一モードの選択を単一のコントロール回路による電圧制御により行っていたのを、本発明では単一モードの選択において双方のスイッチ回路のコントロール回路から電圧を付与するという双方向からの電圧制御としたものである。これを上述の図6の通信システムを例に説明すると、EGSM TX送信モード時において、第1のスイッチ回路のコントロール回路VC1と、さらに第2のスイッチ回路のコントロール回路VC3からも正の電圧を付与すると言う制御ロジックである。従いこのとき第1のスイッチ回路SW1を構成するダイオード(DG1、DG2)と、さらに第2のスイッチ回路のうち一方のコントロール回路が制御するダイオード(DD1、DD2)がON状態となる。一般にOFF状態のダイオードは歪みを起こし高調波を発生するので、このように第2のスイッチ回路のダイオードをもON状態とすることで高調波を抑制することが出来る。この点が本発明の一つの特徴である。
本発明のもう一つの特徴は、EGSM TX送信モード時の2倍波減衰量が増加することにある。これは、従来の制御方法と本発明の制御方法とでは、DCS、PCS側の高周波的な等価回路が変化するためである。従来の制御ロジックでは第1のコントロール回路VC1に電圧を与えることによって、EGSM TX送信モードへ切り替え、この際、第2のコントロール回路は制御しない。このため、DCS、PCS側の第2のフィルタ回路F2から先の回路構成としては、伝送線路LP2、および伝送線路LD1によりDCS RX端子まで接続された状態となる。つまり、アンテナ端子からDCS、PCS側を見た場合、伝送線路を介してDCS RX受信端子まで直結されているように見えていた。この状態のDCS、PCS側の回路では、GSM帯の2倍波付近を減衰させる効力はほとんど無い。一方、本発明の制御ロジックでは第1のコントロール回路VC1に電圧を与えることによって、EGSM TX送信モードへ切り替え、同時に、第2のコントロール回路のうち一方のVC3から電圧を与えるため、ダイオード(DD1、DD2)がON状態となる。このため、DCS、PCS側の第2のフィルタ回路F2から先の回路構成としては、まず、伝送線路LP2が接続され、その先では、DCS RX側は伝送線路LD1により高周波的に短絡され、PCS RX側は伝送線路LD2により短絡されながら、PCS RX端子まで接続された状態となる。つまり、アンテナ端子からDCS、PCS側を見た場合、伝送線路LP2と伝送線路LD1によるλ/4共振回路、および、伝送線路LP2と伝送線路LD2によるλ/4共振回路が接続されながら、PCS RX端子まで接続されているように見えるのである。このとき、伝送線路LP2はDCS帯の波長の1/4程度の長さであり、伝送線路LD1、および伝送線路LD2はPCS帯の波長の1/4程度の長さである。ここで、DCS帯とPCS帯の波長はほぼ同等程度であり、GSM帯の波長の1/2程度である。したがって、伝送線路LP2と伝送線路LD1によるλ/4共振回路と、伝送線路LP2と伝送線路LD2によるλ/4共振回路との共振周波数はほぼ同等でGSM帯である。この状態のDCS、PCS側の回路では、EGSM帯の2倍波を短絡するような回路となるため、EGSMの2倍波付近を減衰させる効力を発揮するのである。
従来のEGSM TX送信モード時にはアンテナから見たGSM TX(TX1)とDCS RX(RX2)側の経路のインピーダンスは50Ωに見え、DCS経路のインピーダンス整合が高調波発生量に影響を与えるものであった。ところが、本発明の制御ロジックではコントロール回路VC3からも電圧を付与するのでPCS RX(RX3)側がON状態となり、DCS経路に代わってPCS RX経路側のインピーダンスが50Ωに見えるようになる。このとき、DCS RX受信モードよりもPCS RX受信モードのインピーダンスもしくは位相状態の相性が良くなり、その結果DCS側経路よりPCS側経路のインピーダンス整合が良く、高調波を抑制し2倍波減衰量が高まると考えられる。
以下、本発明の実施例を図面を参照して説明する。
(実施例1)
図1は図5と同様のブロック構成で同じ通信システムを用いた高周波スイッチモジュールの回路図である。従って上述の図6と同様の構成については同一符号を付し、ここでは異なる部分を中心に説明する。図2は2倍波減衰量を示す特性線図である。
図1において第1のフィルタ回路F1と第2のフィルタ回路F2からなる分波器(ダイプレクサDip)は、伝送線路LL1〜LL3、コンデンサCL1及び伝送線路LH1、コンデンサCH1〜CH3により構成される。伝送線路LL2とコンデンサCL1は直列共振回路を形成し、DCS帯域(送信周波数:1710〜1785MHz、受信周波数:1805〜1880MHz)およびPCS帯域(送信周波数:1850〜1910MHz、受信周波数:1930〜1990MHz)に共振周波数を持つように設計する。本例では1.8GHzに減衰極をあわせた。また、伝送線路LH1とコンデンサCH1は直列共振回路を形成し、EGSM帯域(送信周波数:880〜915MHz、受信周波数:925〜960MHz)に共振周波数を持つように設計する。本例では0.9GHzに減衰極をあわせた。この回路により、EGSM系の信号とDCS/PCS系の信号とを分波合成することが可能となる。伝送線路LL1、LL3はDCS/PCS系の信号の周波数にとって高インピーダンスになるようにある程度の長さに設定するのが好ましい。これによりDCS/PCS系の信号がEGSM系の経路へ伝送しにくくなる。尚、伝送線路LL3は省略しても良い。逆にコンデンサCH2、CH3はEGSM系の信号の周波数にとって高インピーダンスになるように比較的小さい容量値に設定されるのが好ましい。これによりEGSM系の信号がDCS/PCS系の経路へ伝送しにくくなる。尚、コンデンサCH3は図6のCF4を兼ねるものである。
第1のスイッチ回路SW1は、コンデンサCG1、CG6、伝送線路LG1、LG2、ダイオードDG1、DG2、および抵抗R1により構成される。伝送線路LG1、LG2はEGSMの送信周波数帯においてλ/4共振器となるように伝送線路の長さを設定する。ただし、伝送線路LG1はEGSMの送信周波数においてグランドレベルがオープン(高インピーダンス状態)に見える程度のチョークコイルでも代用可能である。この場合インダクタンス値は10〜100nH程度が望ましい。また、上記および下記で用いる伝送線路は、特性と搭載場所が確保できる範囲でチップ素子に置き換えることは可能である。抵抗R1はコントロール回路VC1がHigh状態での第1、第2のダイオードDG1、DG2に流れる電流を決定する。本例では100Ω〜200Ωを使用した。コンデンサCG1、CG6はコントロール電源のDCカットのために必要である。コントロール回路VC1がHighの時にはダイオードDG2には接続ワイヤなどの寄生インダクタンスが存在するため、これを打ち消すようにコンデンサCG6と直列共振させる。CG6の容量値は適宜設定する。
第2のスイッチ回路SW2は、コンデンサCP5、CP6、CP9、CDP2、伝送線路LP1、LP2、LD1、LD2、ダイオードDP1、DP2、DD1、DD2、および抵抗R2、R3により構成される。伝送線路LP1、LP2、LD1、LD2はDCS/PCSの信号の周波数においてλ/4共振器となるように伝送線路の長さを設定する。ただし、伝送線路LP1、LD2はそれぞれDCSの送信周波数において、PCSの送信周波数においてグランドレベルがオープン(高インピーダンス状態)に見える程度のチョークコイルでも代用可能である。この場合インダクタンス値は5〜60nH程度が望ましい。抵抗R2はコントロール回路VC2がHigh状態での第3、第4のダイオードDP1、DP2に流れる電流を決定する。本例では100Ω〜200Ωを使用した。抵抗R3はコントロール回路VC3がHigh状態での第5、第6のダイオードDD1、DD2に流れる電流を決定する。本実施例では100Ω〜2kΩを使用した。コンデンサCP6、CP5、CDP2はコントロール電源のDCカットのために必要である。またコントロール回路VC2がHighの時にはダイオードDP2には接続ワイヤなどの寄生インダクタンスが存在するため、容量CP6と直列共振するようにCP6の容量値を設定する。
尚、上記ダイオードのうちDG1、DG2、DP1、DP2は8mA程度の消費電流のものを用いても良い。しかしながら、DD1、DD2については、1mA以下たとえば0.8mA程度の消費電流の低消費電力型を用いており、それが望ましい。
第1のローパスフィルタLPF1は、伝送線路LG3およびコンデンサCG3、CG4、CG7より構成されるπ型のローパスフィルタである。ここでLG3とCG7は並列共振回路を構成し、その共振周波数はEGSMの送信周波数の2倍もしくは3倍の周波数に設定する。本実施例では3倍の2.7GHzに設定した。以上の構成によりパワーアンプから入力されるEGSM側の送信信号に含まれる高調波歪みを除去できる。
第1のローパスフィルタLPF1は第1の高周波スイッチSW1の第1のダイオードDG1と伝送線路LG1の間に配置しているが、これはダイプレクサDipと第1の高周波スイッチSW1との間に配置しても良いし、前記伝送線路LG1とTx1との間に配置しても良い。前記第1のローパスフィルタLPF1のグランドに接続するコンデンサを伝送線路LG1と並列に配置すれば、並列共振回路を構成することとなり、伝送線路LG1の線路長をλ/4よりも短く構成でき、またチョークコイルのインダクタンス値を小さくすることが出来る。
第2のローパスフィルタLPF2は、伝送線路LP3およびコンデンサCP3、CP4、CP7より構成されるπ型のローパスフィルタである。ここで伝送線路LP3とコンデンサCP7は並列共振回路を構成し、その共振周波数はDCS/PCS送信周波数の2倍もしくは3倍の周波数に設定する。本実施例では2倍の3.6GHzに設定した。以上の構成によりパワーアンプから入力されるDCS/PCS側の送信信号に含まれる高調波歪みを除去できる。
第2のローパスフィルタLPF2も第1のローパスフィルタLPF1と同様に、ダイプレクサDipと第2の高周波スイッチSW2との間に配置しても良いし、前記伝送線路LP1とDCS送信端子Tx2との間に配置しても良い。第1、第2のローパスフィルタLPF1、LPF2は、ダイオードDG1と伝送線路LG1との間、及びダイオードDP1と伝送線路LP1との間に構成されて、スイッチ回路の中に設けられている。これは回路設計上好ましいが必須ではない。ローパスフィルタは送信信号が通過するダイプレクサ〜送信端子との間の送信経路のどこかの位置に設けてあれば良い。
尚、EGSM系をさらにGSM850(送信周波数:824〜849MHz、受信周波数:869〜894MHz)とEGSMに分けて、クワッドバンド対応とすることもできる。この場合、送信系は共通端子を用いることができ、受信系は前記トリプルバンド対応アンテナスイッチのEGSM受信端子部にGSM850とEGSMを切り替えるスイッチを接続することにより構成できる。また、前記スイッチの代わりにGSM850、EGSM帯のλ/4共振器である伝送線路を用いて、両者間の周波数を分けることでも実現できる。
本例の高周波スイッチモジュールにおける第1〜第3のコントロール回路とダイオードスイッチの動作の制御ロジックは、(A)DCS/PCS TXモード(B)DCS RXモード(C)PCS RXモード(D)EGSM RXモードにおいて上述した従来の制御ロジックと同じである。しかし、次の(E)EGSM TXモードで異なる。尚、通常ではとらない実施例なので詳述しないが、図1においてダイオードの極性を逆にしてコントロール電圧として負の電圧を与えてスイッチ制御することも可能である。
(E)EGSM TXモード
第1の送信回路TX1と第1のフィルタ回路F1とを接続する場合、コントロール回路VC1から正の電圧を与える。正の電圧はCG6、CG5、CG4、CG3、CG2及びCG1のコンデンサにより直流分がカットされて、ダイオードDG2及びDG1を含む回路に印加される。その結果、ダイオードDG2及びDG1はON状態となる。ダイオードDG1がON状態となることにより、第1の送信回路TX1と入出力端子IP1の間のインピーダンスが低くなる。またON状態となったダイオードDG2及びコンデンサCG6により伝送線路LG2は高周波的に接地されて共振し、入出力端子IP1から第1の受信回路RX1を見たインピーダンスは非常に大きくなる。その結果、第1の送信回路TX1から来る送信信号は第1の受信回路RX1に漏洩することなく、第1のフィルタ回路F1に伝送される。
さらにこの時、同時にコントロール回路VC3から正の電圧を与える。尚、コントロール回路VC2の電圧は0のままとする。コントロール回路VC3から与えられた正の電圧により、ダイオードDD1及びDD2がON状態となる。またダイオードDP1、DP2はOFF状態のままであるから、結局PCS RXモードと同様の動きをとる。しかし、第2のフィルタ回路F2からの受信信号はここでは元々伝送されない。
以上の制御ロジックをまとめると表2のようになる。
このようにEGSM TXモード時にはコントロール回路VC1とVC3から正の電圧を与えHigh状態となし、単一の制御モードに対し二つのコントロール回路を制御する新ロジックとした。これにより、ON状態となるダイオードが増えるのでそれだけ高調波を抑制することが出来る。また、インピーダンス整合がより望ましい状態となり2倍波減衰量が増加する。図2は従来と本発明の制御ロジックを用いた場合のEGSM TXモード時の2倍波減衰量を示す特性図である。図は縦軸に挿入損失特性、横軸に周波数を示し、(a)が本発明の場合を、(b)が従来例を示している。2倍波帯の特に高域において、図2(b)の従来の減衰量が約-40dBであるのに対し、本発明による図2(a)では約-50dBの減衰量が得られている。また、表2中のDCS/PCS TXモード時の第2のコントロール回路のVC3の制御ロジックにおいて、High状態を括弧で記載した。これは、トリプルバンド対応のアンテナスイッチ回路ではPCS TX帯域とDCS RX帯域とで、使用する通信帯域が重なる領域があるため、DCS/PCS TX端子から、DCS RX端子へのアイソレーション特性が重要である。この特性の改善方法として、DCS/PCS TX時に第2のコントロール回路のVC3をON状態とすることにより、DCS/PCS TX端子から、DCS RX端子へのアイソレーション特性を向上させることができる。
Figure 0003909711
(実施例2)
携帯電話の小型軽量化の要求は依然として強く、部品の共有化や機能を集約したモジュール化が進められている。上記した高周波スイッチモジュールは一つのアンテナを共用して3つの送受信システムを切替えるようにした、いわゆるトリプルバンド型アンテナスイッチモジュールと呼ばれる製品に実施される。これらは分波回路のLC回路、ローパスフィルタのLC回路及びスイッチ回路の伝送線路等の少なくとも電極パターンにより構成できる要素については、誘電体グリーンシートを複数層重ねた積層体内に、電極パターンにより構成し、ダイオードやLC回路等の内のチップ素子については積層体上に搭載してワンチップ型に構成している。
本実施例では、ハイパワーアンプを一体モジュール化した例を示すものである。DC電力の大部分を消費するハイパワーアンプではDC−RF電力変換効率(電力付加効率とも言う。)が高く小型であることが求められている。以下の実施例では上記した高周波スイッチモジュール(以下アンテナスイッチモジュールと言う)とハイパワーアンプ(以下パワーアンプと言う)を一つの積層体内に構成した例を示す。この場合も挿入損失の低減や高調波減衰量を高めることが高効率化にとって重要であるので上記した制御ロジックを用いることが出来る。
図3はパワーアンプ側の回路図を示す。ちなみにアンテナスイッチモジュール側は図1の高周波スイッチモジュールと同じものを用いる。
図3において高周波増幅器側の整合回路端の出力端子P0を図1のアンテナスイッチモジュールの例えばEGSM Txの送信端子P1に接続し、増幅した送信信号をアンテナスイッチ側に送る役割を果たす。出力端子P0には、直流カットコンデンサCa2を介して、伝送線路ASL1の一端が接続される。伝送線路ASL1には一端を接地されたコンデンサCa3、Ca4が接続されて出力整合回路を構成する。伝送線路ASL1の他端は、半導体素子の一種である電界効果スイッチングトランジスタ(FET)Q1のドレインに接続される。また、FETQ1のソースは接地され、ゲートはバイポーラスイッチング素子(B−Tr)Q2のコレクタに接続される。
他方、伝送線路ASL1の他端と電界効果スイッチングトランジスタFET Q1のドレインDとの接続点は、λ/4ストリップライン等からなるインダクタSL1とコンデンサCa5との直列回路を介して接地され、インダクタSL1とコンデンサCa5との接続点はドレイン電圧端子Vdd1に接続されている。また、電界効果スイッチングトランジスタFET Q1のゲートとバイポーラスイッチング素子Q2のコレクタとの接続点は、コンデンサCa6を介して接地されると共にゲート電圧端子Vgにも接続される。
更に、バイポーラスイッチング素子Q2のエミッタは接地され、ベースは伝送線路SL3の一端に接続される。バイポーラスイッチング素子Q2のコレクタは、ストリップライン等からなるインダクタSL2とコンデンサCa7との直列回路を介して接地され、インダクタSL2とコンデンサCa7との接続点は、コレクタ電圧端子Vcに接続される。また、インダクタSL2とコンデンサCa7との接続点は、バイポーラスイッチング素子Q2のベースと伝送線路SL3の一端との接続点にも接続される。伝送線路SL3の他端は、コンデンサCa8を介して接地されると共に入力端子Pinに接続される。
尚、図1、図3の等価回路において伝送線路及びインダクタはストリップラインで構成されることが多いものの、マイクロストリップライン、コプレーナガイドライン等で構成されていてもよい。また、トランジスタはQ1をFET、Q2をB-Trとしたが、それぞれ他の種類のトランジスタでも良い。例えば、Si-MOSFET、GaAsFET、Siバイポーラトランジスタ、GaAsHBT(ヘテロ接合バイポーラトランジスタ)、HEMT(高電子移動度トランジスタ)等があげられる。もちろん、いくつものトランジスタを集積化したMMIC(モノリシックマイクロ波集積回路)を用いても良い。また、本実施例では伝送線路SL3とトランジスタQ2の間を直接繋いでいるが、抵抗を介して接続しても良い。
図4は、図1のアンテナスイッチモジュールと図3のパワーアンプを一つの積層体内に収めた積層モジュールのうち上部の1〜3層、中間の7〜8層及び下層の13〜15層の誘電体グリーンシートを抜き出した展開図である。誘電体グリーンシートは(1)が最上層で以下順に15層で構成され、最後のシート(15)は積層体の裏面を示している。
本実施例で使用した誘電体グリーンシート(以下、グリーンシート或いはシートと言う。)は950℃以下の低温焼成が可能なLTCC材料からなる。例えば、Al換算で10〜60質量%、SiO換算で25〜60質量%、SrO換算で7.5〜50質量%、TiO換算で20質量%以下のAl,Si,Sr,Tiと、Bi換算で0.1〜10質量%、NaO換算で0.1〜5質量%、KO換算で0.1〜5質量%、CuO換算で0.01〜5質量%、MnO換算で0.01〜5質量%のBi、Na、K、Cu、Mnをそれぞれ含有した誘電体組成物が用いられる。
グリーンシートは伝送線路や容量を形成しやすいようにシート厚みは40〜200μmのものを使用した。電極材は銀系のものを用いた。このグリーンシートの各層に伝送線路やコンデンサを電極パターンにより形成し、適宜スルーホールを設けて回路を構成した。このグリーンシートを順次積層圧着し、950℃で焼成することにより高周波部品が複合化された積層体モジュールが得られる。積層体の大きさは横10mm×縦8mm×高さ0.75mm程度であり、積層体の上面にはダイオードやトランジスタ及びチップインダクタ、チップコンデンサ、抵抗体等のチップ素子を搭載し、その上に金属ケース(図示せず)を被せて完成品とする。完成後の全高は1.8mm程度である。ただし、金属ケースの代わりに、樹脂封止パッケージとしても良く、この場合の全高は1.5mm程度である。
積層体内の概略構成は、アンテナスイッチモジュール側は、上部層に分波器及びローパスフィルタを構成する伝送線路LL1、LL2、LL3、LH1等を、中間層に分波器、スイッチ回路及びローパスフィルタを構成するコンデンサ容量CL1、CH1、CG6、CDP2等を、下部層にスイッチ回路を構成する伝送線路LG1、LG2、LP1、LP2、LD2、LD1等が主に形成されている。一方高周波増幅器側は、上部層に初段整合回路の主に伝送線路を、中間層に初段、後段整合回路の主にコンデンサ容量を、下部層にサーマルビアや後段整合回路の主に伝送線路、電源供給用ラインが主に形成されている。グランド電極は第2、3、8、13、14、15層にそれぞれG1、G2、G3、G4、G5、G6と設けられている。本例では中間層を省略しているのでグランド電極や伝送線路、コンデンサ容量の全てを表していないが、概略上記のような配置によってそれぞれ電極パターンにより形成されている。積層体への搭載部品あるいは基板外付け部品は、上記したようにダイオードDG1〜DD2、トランジスタQ1〜Q3、チップコンデンサCG1、CP5、Ca5〜Ca7、抵抗体R1〜R3などがある。
高周波増幅器とアンテナスイッチモジュールの接続は上層にあり、相互干渉を避けるためにグリーンシート(1)の伝送線路ASL1(パワーアンプ側の線路)とグリーンシート(2)の伝送線路ASL2(アンテナスイッチモジュール側の引廻し線路)とは層を変えて且つ上下に重ならないような位置に形成している。本例では両者の間に位相調整用のハイパスフィルタを介在させているが、これはLC回路をチップインダクタとチップコンデンサで構成し積層体の上面に搭載している。これにより積層体モジュールを作成した後でも調整が出来るので、試作調整に時間がかからず望ましい。
図4に示すようにこの積層モジュールは、パワーアンプを構成する電極パターンは左側領域に、他方アンテナスイッチモジュールを構成する電極パターンは右側領域に形成し、グリーンシートは積層方向全てに渡って2つの領域に区分して構成している。さらに第1層の左右領域の間に帯状のシールド電極SGを設け、このシールド電極SGから積層方向の全層にわたってスルーホール電極HGを縦列して設けている。スルーホール電極HGは、シールド電極SGから3層目のグランド電極G2、8層目のグランド電極G3、13層目のグランド電極G4そして最下層のグランド電極G6にも繋がっており、両高周波部品間の相互干渉を抑制するとともに、上下方向にある電極パターン間の相互干渉の抑制にも効果がある。
以上の積層モジュールは、シールド電極SG及び/又はグランド電極とスルーホール電極HGによるグランド遮蔽効果により両者高周波部品間のノイズ等の相互干渉が無くなり、パワーアンプの発振等の不安定動作を防止できる。また必要信号(送信信号)と不要信号とのスプリアス発生を抑えることができ、通過特性の悪化を防止できる。さらに、高周波部品を一つの積層体の中に集約したのでその占有面積は、従来のパワーアンプとアンテナスイッチを別々に基板に実装した場合に比べて約50%の小型化が出来ており、携帯電話などの通信機に搭載することで小型軽量化のニーズに答えることが出来る。
また、実施例では高周波増幅器の半導体チップに出力電力をモニタする機能を複合した場合で説明してきたが、一方でカプラ回路により電力を検出する手法を用いた構成もありうる。即ち、アンテナスイッチモジュールと高周波増幅器の間にカプラ回路やアイソレータ回路を備えても良く、また、受信系経路にはSAWフィルタを挿入し、アンテナANTからの受信信号のうち不要周波数成分を除去し、必要成分だけをローノイズアンプに送るようになし、当該SAWフィルタは積層モジュール上に搭載する等の構成をとることができる。
上記したアンテナスイッチモジュールとパワーアンプを複合化した積層モジュールに共用のアンテナを接続し携帯電話などの無線通信機に用いることによって小型軽量化の要求に答えることが出来る。
尚、本発明で用いられる送受信系システムとしては、上記した以外にもPDC800帯域(810〜960MHz)、GPS帯域(1575.42MHz)、PHS帯域(1895〜1920MHz)、Bluetooth帯域(2400〜2484MHz)や、米国で普及が見込まれるCDMA2000、中国で普及が見込まれるTD-SCDMA、欧州で普及が見込まれるW-CDMAなどを組み合わせた3バンドアンテナスイッチ回路の場合も同様の効果が期待できる。
本発明の高周波スイッチモジュールの一例を示す等価回路図である。 本発明の制御ロジックと従来の制御ロジックの場合のEGSM TXモード時の2倍波減衰量を示す特性線図である。 パワーアンプの回路の一例を示す等価回路図である。 積層体を構成するグリーンシートの展開図である。 トリプルバンドに対応した高周波スイッチモジュールのブロック図である。 従来の高周波スイッチモジュールの一例を示す回路図である。
符号の説明
DG1、DG2、DP1、DP2、DD1、DD2:ダイオードスイッチ
LG1、LG2、LG3、LP1、LP2、LP3、LD1、LD2:伝送線路
LH1、LL1、LL2、LL3:伝送線路
CG1、CG2、CG3、CG4、CG5、CG6、CG7:コンデンサ
CP2、CP3、CP4、CP5、CP6、CP7、CP9:コンデンサ
CDP1、CDP2、CDP3:コンデンサ
R1、R2、R3:抵抗
VC1、VC2、VC3:電圧コントロール回路
ASM:アンテナスイッチモジュール(高周波スイッチモジュール)
HPA:ハイパワーアンプ(高周波増幅器)
Dip:ダイプレクサ(分波器)
SW:スイッチ回路
LPF:ローパスフィルタ回路

Claims (4)

  1. アンテナに入射した信号を第1の送受信系の受信信号と第2及び第3の送受信系の受信信号とに分波する第1及び第2のフィルタ回路F1、F2からなる分波回路と、第1のフィルタ回路F1の後段に配置され、コントロール回路VC1から供給される電圧により第1の送受信系の送信回路TX1と受信回路RX1とを切り替える第1のスイッチ回路SW1と、第2のフィルタ回路F2の後段に配置され、コントロール回路VC2、およびVC3から供給される電圧により第2及び第3の送受信系の送信回路TX2と第2の送受信系の受信回路RX2と第3の送受信系の受信回路RX3とを切り替える第2のスイッチ回路SW2で、コントロール回路VC3から供給される電圧により第2の受信回路RX2と第3の受信回路RX3とを切り替える高周波スイッチモジュールのスイッチ回路の制御において、
    前記第1のスイッチ回路SW1において、前記コントロール回路VC1に正の電圧を与えることにより、前記第1の送受信系の送信回路TX1とアンテナを接続するものであって、
    更にこのとき、前記コントロール回路VC3からも正の電圧を与えることを特徴とする高周波スイッチモジュールの制御方法。
  2. アンテナに入射した信号を第1の送受信系の受信信号と第2及び第3の送受信系の受信信号とに分波する第1及び第2のフィルタ回路F1、F2からなる分波回路と、第1のフィルタ回路F1の後段に配置され、コントロール回路VC1から供給される電圧により第1の送受信系の送信回路TX1と受信回路RX1とを切り替える第1のスイッチ回路SW1と、第2のフィルタ回路F2の後段に配置され、コントロール回路VC2、VC3から供給される電圧により第2及び第3の送受信系の送信回路TX2と第2の送受信系の受信回路RX2と第3の送受信系の受信回路RX3とを切り替える第2のスイッチ回路SW2とからなる高周波スイッチモジュールにおいて、
    前記第1のスイッチ回路SW1は、第1の送受信系の受信信号が入力するとともに送信信号を出力する入出力端子IP1と、第1の送受信系の送信回路TX1からの送信信号が入力する接続端P13と、第1の送受信系の受信信号を受信回路RX1へ出力する接続端P16とを有し、前記入出力端子IP1と接続端P13との間に配置された第1のダイオードDG1と、接続端P13とアースとの間に設けられた第1のインダクタンス素子LG1と、前記入出力端子IP1と接続端P16との間に設けられた第2のインダクタンス素子LG2と、接続端P16とアースとの間に設けられた第2のダイオードDG2とを有し、
    前記第2のスイッチ回路SW2は、第2及び第3の送受信系の受信信号が入力するとともに送信信号を出力する入出力端子IP2と、第2及び第3の送受信系の送信回路TX2からの送信信号が入力する接続端P7と、第2及び第3の送受信系の受信信号を出力する出力端子IP3と、第2の送受信系の受信信号を受信回路RX2へ出力する接続端P9と、第3の送受信系の受信信号を受信回路RX3へ出力する接続端P10とを有し、前記入出力端子IP2と接続端P7との間に配置された第3のダイオードDP1と、接続端P7とアースとの間に設けられた第3のインダクタンス素子LP1と、前記入出力端子IP2と出力端子IP3との間に設けられた第4のインダクタンス素子LP2と、出力端子IP3とアースとの間に設けられた第4のダイオードDP2と、前記出力端子IP3と接続端P9との間に設けられた第5のインダクタンス素子LD1と、接続端P9とアースとの間に設けられた第5のダイオードDD1と、前記出力端子IP3と接続端P10との間に配置された第6のダイオードDD2と、接続端P10とアースとの間に設けられた第6のインダクタンス素子LD2とを有し、
    前記第1の送受信系の送信回路TX1と入出力端子IP1との接続には、前記第1のダイオードDG1と第2のダイオードDG2及び第5のダイオードDD1と第6のダイオードDD2とをON状態にしてなることを特徴とする高周波スイッチモジュール。
  3. 前記分波回路はLC回路で構成され、前記第1及び第2のスイッチ回路はスイッチング素子からなり、スイッチ回路の各送信系にローパスフィルタを有し、該ローパスフィルタはLC回路で構成され、前記分波回路のLC回路、ローパスフィルタのLC回路及びスイッチ回路のインダクタンス素子の少なくとも一部は、電極パターンと誘電体層との積層体内に、前記電極パターンにより構成し、前記スイッチング素子やLC回路等の一部を構成するチップ素子は前記積層体上に配置して構成したことを特徴とする請求項2記載の高周波スイッチモジュール。
  4. 少なくとも半導体素子と電源供給回路と整合回路とを有し、前記電源供給回路と整合回路を構成するインダクタンス素子及びLC回路の少なくとも一部は、電極パターンと誘電体層との前記積層体内に、前記電極パターンにより構成し、前記半導体素子やLC回路等の一部を構成するチップ素子は前記積層体上に配置して構成された高周波増幅器部とを前記積層体に一体的に構成し増幅器機能を備えたことを特徴とする請求項3記載の高周波スイッチモジュール。
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