JP2005277692A - 高周波スイッチ回路 - Google Patents

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Abstract

【課題】スイッチ回路に高調波を減衰させるトラップ機能を包含させることで、マルチバンド携帯電話のフロントエンド部の小型化を図ることが出来る、低損失な高周波スイッチ回路を提供する。
【解決手段】第1ポートが第1フィルタに接続され、第2ポートが第1、第2の通信システム共通の送信回路に接続され、第4ポートが前記第1の通信システムの受信回路に接続され、第5ポートが前記第2の通信システムの受信回路に接続され、第3、第6ポートが制御電源に接続されており、第1インダクタンス素子、第2インダクタンス素子を伝送線路とした。
【選択図】図1

Description

アンテナより受信した受信信号と、アンテナへ送信する送信信号を切り替えるスイッチ回路に関する。
現在、移動体通信装置として複数の周波数帯の通信システム、例えばDCS1800(送信周波数1710〜1785MHz、受信周波数1805〜1880MHz)とGSM900(送信周波数880〜915MHz、受信周波数925〜960MHz)とで動作が可能なデュアルバンド携帯電話、DCS1800及びPCS1900(送信周波数1850〜1910MHz、受信周波数1930〜1990MHz)とGSM900とで動作が可能なトリプルバンド携帯電話や、前記トリプルバンド携帯電話にGSM850(送信周波数824〜849MHz、受信周波数869〜894MHz)のシステムを加えたクワッドバンド携帯電話が提案されており、これを総称してマルチバンド携帯電話と呼称している。
このようなマルチバンド携帯電話は、図6の回路ブロック図に示すように、一つのマルチバンドアンテナを複数の通信システムで共用している。図6は、トリプルバンド携帯電話器のフロントエンド部の一例を示す回路ブロック図であり、マルチバンドアンテナ1
、複数の通信システムの高周波信号を分波するダイプレクサ回路2 、不要な周波数成分を除去するフィルタ回路3,4、高周波信号の経路を切り替えるスイッチ回路5,6を備えるものである。
このようなフロントエンド部では、ダイプレクサ回路、フィルタ回路、スイッチ回路を複合一体化した、例えば特許文献1に開示された複合高周波部品が用いられる。
図11の等価回路は、特許文献1に開示された複合高周波部品において、近接した周波数を備える第1及び第2の通信システムにおいて、高周波信号の経路を切り替えるスイッチ回路5を抜き出したものであり、第1、第2の通信システムのアンテナ側回路、第1、第2の通信システムの送信回路、第1の通信システムの受信回路、第2の通信システムの受信回路への信号の経路を切り替えるスイッチ回路である。以下、第1の通信システムをDCS1800、第2の通信システムをPCS1900として説明する。
DCS1800及びPCS1900の送信経路には、カソードが第1ポートP1に接続されアノードが第2ポートP2に接続された第1ダイオードD1と、前記第1ダイオードD1のアノード側に第1キャパシタンス素子C2を介して接地される第1インダクタンス素子L2とを有し、前記第1インダクタンス素子L2と第1キャパシタンスC2の間の第3ポートP3に制御電源V1が接続されている。
また、DCS1800の受信経路には、第1ポートP1と第3ポートP3間に、送信信号の周波数帯域に対して1/4波長に相当する線路長に設定された第2インダクタンス素子L3と、前記第2インダクタンス素子L3の第3ポートP3側にアノードを接続した第2ダイオードD2とを有し、前記第2ダイオードD2のカソードは、抵抗R1と第2キャパシタンス素子C3を介して接地されている。
また、PCS1900の受信経路には、カソードが第1ポートP1に接続され、アノードが第5ポートP5に接続された第3ダイオードD3と、前記第3ダイオードD3のアノード側に第3キャパシタンス素子C5を介して接地される第3インダクタンス素子L5とを有し、前記第3インダクタンス素子L5と第3キャパシタンスC5の間の第6ポートP6に制御電源V2が接続されている。
前記スイッチ回路は、制御電源(コントロール回路)から電圧を給電してダイオードスイッチをオン状態/オフ状態に制御することにより、各送受信回路を選択するようになっている。
例えば、第1ポートと第2ポートを接続する場合、制御電源V1から正の電圧を与え、制御電源V2から0の電圧を与えると、制御電源V1から与えられた正の電圧は、第1乃至第3ダイオードD1〜D3を含む回路に印加される。その結果、第1、第2ダイオードD1、D2はON状態となり、第3ダイオードD3はOFF状態となる。第1ダイオードD1がON状態となると、第1ポートP1と第2ポートP2の間のインピーダンスが低くなり、またON状態となった第1ダイオードD2及び第2キャパシタンス素子C3により、第2インダクタンス素子L3が高周波的に接地され共振し、第1ポートP1から第3ポートP3を見たインピーダンスが非常に大きくなる。さらに第3ダイオードD3がOFF状態となることにより第1ポートP1と第4ポートP4との間のインピーダンスが大きくなり、その結果、第1、第2の通信システムの送信信号は、第1の受信回路Rx1及び第2の受信回路Rx2に漏洩することなく、第1ポートP1に伝送される。
一般に、ダイオード、トランジスタなどの非線形デバイスに高電力の高周波信号を投入すると、基本波の整数倍の周波数をもった高調波が現れることが知られている。この高調波と基本波との出力の比が高調波歪として定義され、携帯電話の各通信システムでは、アンテナに表れる高調波歪が規格化され、管理される。
前記トリプルバンド携帯電話器では、送信回路に含まれる高出力増幅器で高調波が生じ、送信信号に重畳してスイッチ回路に入力する。さらにスイッチ回路においても、スイッチング素子として用いたPINダイオードにより高調波が発生する。前記スイッチ回路においては、大きな電力を有する送信信号がスイッチ回路に投入される時(送信時)に、第3ダイオードD3がOFF状態に制御されている。ON状態では、制御電源の電圧により比較的線形性の良い動作点でダイオードが駆動し、高周波信号による電圧変動に対しても線形的な応答をするため高調波発生量は少ないが、OFF状態ではV=0付近が動作点となり、高周波信号による電圧変動に対しても非線形的な応答をするため高調波発生量が大きくなる。そこで、マルチバンド携帯電話のフロントエンド部では、高出力増幅器及びスイッチ回路で発生する高調波を除去するように第1ポートP1にバンドパスフィルタやローパスフィルタなどのフィルタ回路3を接続していた。
特開2000−165274号
2次高調波及び3次高調波を含む高調波を減衰させるには、多段接続されたフィルタ回路が必要である。しかしながら接続段数に従い、使用するインダクタンス素子、キャパシタンス素子が増え、高周波信号の伝送損失が増加するという問題があった。また、フィルタ回路を構成する素子数が多いと、フィルタ回路が大型化し、その結果として、フロントエンド部を構成するのに小型化の妨げとなる問題点があった。
そこで本発明は、スイッチ回路に高調波を減衰させるトラップ機能を包含させることで、マルチバンド携帯電話のフロントエンド部の小型化を図ることが出来る、低損失な高周波スイッチ回路を提供することを目的とする。
本発明は、カソードが第1ポートに接続されアノードが第2ポートに接続された第1ダイオードと、前記第2ポートに接続され接地される第1キャパシタンス素子と、前記第1ダイオードのアノード側に接続され、第2キャパシタンス素子を介して接地される第1インダクタンス素子と、前記第1インダクタンス素子と第2キャパシタンス素子の間に接続される第3ポートと、前記第1ポートと第4ポートとの間に接続される第2インダクタンス素子と、前記第2インダクタンス素子の第4ポート側とアノードが接続し接地される第2ダイオードと、カソードが第1ポートに接続され、アノードが第5ポートに接続された第3ダイオードと、前記第3ダイオードのアノード側に第3キャパシタンス素子を介して接地される第3インダクタンス素子と、前記第3インダクタンス素子と第3キャパシタンス素子の間に接続される第6ポートとを備え、前記第1ポートが第1フィルタに接続され、前記第2ポートが第1、第2の通信システム共通の送信回路に接続され、前記第4ポートが前記第1の通信システムの受信回路に接続され、前記第5ポートが前記第2の通信システムの受信回路に接続され、前記第3、第6ポートが制御電源に接続されており、 前記第1インダクタンス素子、第2インダクタンス素子を伝送線路とした高周波スイッチ回路である。
第1インダクタンス素子は、第3ポートに印加される制御電圧のチョークコイルとして機能するとともに、第3ポートを介して接地されるショートスタブとして機能する。本発明者等が鋭意検討したところ、第1インダクタンス素子により2次、3次高調波の周波数帯域で減衰を得ようとすると、インピーダンスの不整合により送信周波数帯での伝送損失が増加することを知見した。
図3に、図2に示す回路、即ち第1インダクタンス素子を線路長が略λ/6のストリップラインとして接地したモデルにおいて、Port1からPort2への通過周波数特性をシミュレーションした結果を示す。図3において、マーカm1、m2で示した範囲が送信周波数帯域であり、マーカm3、m4で示した範囲が2倍周波数帯域、マーカm5、m6で示した範囲が3倍波周波帯域である。ここで、3倍波周波数帯域では大きな減衰が得られるが、送信周波数帯域での損失が大きいことがわかる。これは、送信周波数帯域において測定系のインピーダンスの不整合が生じていることに起因する。また実際にスイッチ回路として構成する場合には、更に浮遊容量などによるインピーダンスの不整合も生じる。
送信周波数帯域において測定系のインピーダンスと整合のため、図4に示すように、送信経路から適当な容量のキャパシタンス素子を接地すると、送信周波数帯域での損失を低減するとともに、2倍周波数帯域の減衰量を増加させ、3倍波周波帯域における減衰量を確保することが出来ることを知見した(図5)。そこで、本発明においては、前記第2ポートに接続され接地される第1キャパシタンス素子を、第1、第2の通信システム共通の送信回路との整合に用いることで、送信信号の伝送損失を増加させることなく、高調波を減衰させる本発明を想到した。
前記第1キャパシタンス素子で減衰させる周波数は、その線路長によって決まる。λを第1、第2の通信システムの送信周波数における波長としたとき、前記第1インダクタンス素子を構成する伝送線路の線路長を略λ/4とすれば、2次高調波の周波数に減衰極を形成し、線路長を略λ/6とすれば、3次高調波の周波数に減衰極を形成することが出来る。
伝送線路の線路長を略λ/6として、3次高調波の周波数に減衰極を形成し、高周波スイッチ回路において3次高調波を主に減衰させ、さらに高周波スイッチ回路の第1ポートP1に接続するフィルタ回路(ローパスフィルタあるいはバンドパスフィルタ)で、2次高調波を主に減衰させるように構成すれば、フィルタ回路を構成する回路素子の増加を抑えながら、高出力増幅器及びスイッチ回路で発生する高調波を除去することが可能となるので好ましい。
ここで伝送線路の線路長は、伝送線路を支持する構成物や伝送線路のラインパターンによって変化する。例えば支持構成物が誘電体である場合には、その実効比誘電率に反比例して波長短縮効果により波長が短くなり、結果線路長も短くなる。また、伝送線路のラインパターンをミアンダライン、スパイラルライン、あるいはコイル状ラインとするかでも線路長が変化する。従って、実質的な線路長としては、第1、第2の通信システムにおいて、その2次高調波或いは、3次高調波の周波数帯域におけるインピーダンスが、ほぼ短絡となるような線路長としている。
本発明においては、前記第1インダクタンス素子、第2インダクタンス素子をストリップ線路、マイクロストリップ線路、コプラナー線路のいずれかで形成するのが好ましい。特にストリップ線路とすれば、他の回路素子を形成する電極パターンとの干渉を防ぐことが出来るので好ましい。
前記第1インダクタンス素子、第2インダクタンス素子、及び前記第1キャパシタンス素子を、電極パターンで形成し、セラミクスからなる複数のシート層を積層してなる多層基板に内蔵するとともに、前記第1キャパシタンス素子を形成する電極パターンの上下に、グランド電極パターンを形成するのも好ましい。
前記第1キャパシタンス素子は、第1、第2の通信システムの送信周波数における送信回路とのインピーダンス整合を行うための回路素子として機能し、その容量値は10pF以下に設定される。第1キャパシタンス素子をチップコンデンサとして、前記多層基板に実装しても良いが、送信経路やグランドとの接続のために必要な接続線路により形成される浮遊インダクタンスを低減するように、多層基板に電極パターンで第1キャパシタンスを構成するのが好ましい。前記第1キャパシタンス素子を形成する電極パターンの上下に、グランド電極パターンを形成すれば、他の電極パターンとの干渉による浮遊容量の発生を防ぎ、インピーダンスの不整合による伝送損失の増加を防ぐことが出来る。
本発明の高周波スイッチ回路によれば、送信経路とグランドとの間に配置される第1インダクタンス素子を伝送線路とし、その線路長を所定の長さとし、さらに送信経路とグランドとの間に、整合用のキャパシタンス素子を接続することで、第1、第2の通信システムにおける送信周波数の2次高調波、或いは3次高調波の周波数帯域に減衰極を形成して減衰させ、フィルタ回路の接続段数を減じて、構成素子を少なくし、伝送損失を低減することが出来、マルチバンド携帯電話のフロントエンド部の小型化を図ることが出来る。
以下に、本発明の高周波スイッチ回路について説明する。
図1は本発明の一実施例による高周波スイッチ回路を示す。この高周波スイッチ回路は3つの送受信系を切り替えるもので、制御電源V1、V2から供給される電圧により、第1及び第2の通信システムに共通の送信回路TX1,2と第1の通信システムの受信回路Rx1と第2の通信システムの受信回路Rx2とを切り替えるものである。以下第1の通信システムをDCS1800で、第2の通信システムをPCS1900として説明するが、これに限定されることは無く、GSM850,GSM900といった近接した周波数帯を利用する通信システムであっても良い。
本発明に係る高周波スイッチ回路は、第1〜第6のポートを備え、カソードが第1ポートP1に接続されアノードが第2ポートP2に接続された第1ダイオードD11と、前記第2ポートP2に接続され接地される第1キャパシタンス素子C13と、前記第1ダイオードD11のアノード側に接続され、第2キャパシタンス素子C12を介して接地される第1インダクタンス素子L12と、前記第1インダクタンス素子L12と第2キャパシタンス素子C12の間に接続される第3ポートV1と、前記第1ポートP1と第4ポートP3との間に接続される第2インダクタンス素子L13と、前記第2インダクタンス素子L13の第4ポート側P3とアノードが接続し、並列接続された第3キャパシタンス素子C14と抵抗素子R11を介して接地される第2ダイオードD12と、カソードが第1ポートP1に接続され、アノードが第5ポートP4に接続された第3ダイオードD13と、前記第3ダイオードD13のアノード側に第4キャパシタンス素子C16を介して接地される第3インダクタンス素子L15と、前記第3インダクタンス素子L15と第4キャパシタンス素子C16の間に接続される第6ポートV2とを備えるものである。
第1、第3ダイオードD11、D13には、OFF状態でのアイソレーション特性の改善のため、直列接続されたインダクタンス素子L11,L14、キャパシタンス素子C11,C15が、
第1、第3ダイオードと並列接続されている。
前記第1インダクタンス素子、第2インダクタンス素子は伝送線路で形成されており、λをDCS1800、DCS1900の送信周波数における波長としたとき、前記第1インダクタンス素子を構成する伝送線路の線路長を略λ/4或いは、略λ/6として形成して、2次高調波周波数帯、或いは3次高調波周波数帯に減衰極を形成し、高出力増幅器からの2次高調波、或いは3次高調波を減衰する。また第2インダクタンス素子は、略λ/4の線路長に形成されている。
送信時(第1ポートP1と第2ポートP2を接続)には、第3ポートV1に接続された制御電源から与えられた電圧により第1、第2ダイオードD11,D12がON状態となり、第2インダクタンスは高周波的に接地される。このためDCS1800、DCS1900の送信周波数において、第1ポートP1から第4ポートP3を見たインピーダンスが、高インピーダンス(オープン状態)となり、送信信号が第4ポートP3に表れない。また、第1ポートP1と第5ポートP4の間の第3ダイオードD13はOFF状態であるので、そのアイソレーション特性により、第5ポートP4にも送信信号が表れず、高出力増幅器からの送信信号は第1ポートP1に表れる。
高周波スイッチ回路の第1ポートP1には、高周波スイッチ回路、高出力増幅器で発生する高調波を除去するフィルタ回路が接続される。
高周波スイッチ回路を小型化するという観点からすると、トラップ回路で3次高調波を減衰させるように、第1インダクタンス素子の線路長を略λ/6として短くして、前記フィルタ回路で主に2次高調波を減衰させるように構成するのが好ましい。
第1ポートには、高出力増幅器からの2次高調波、高周波スイッチ回路で生じた2次、3次高調波が表れる。もともと3次高調波の高調波歪は、2次高調波と比べて相対的に小さい。予めスイッチ回路のトラップ回路で高出力増幅器からの3次高調波を除去しておくことで、主に2次高調波を減衰させるように構成されたフィルタ回路であっても、スイッチ回路で生じる3次高調波を必要十分に減衰させることが出来る。前記フィルタ回路としては、回路素子の少なく、バンドパスフィルタと比較し、低損失なL型、T型、π型のローパスフィルタを採用することが出来る。
高周波スイッチ回路の第2ポートP2には第1、第2の通信システム共通の送信回路が接続され、第4ポートP3には第1の通信システムの受信回路が接続され、第5ポートP4には前記第2の通信システムの受信回路が接続され、第3、第6ポートV1,V2には制御電源が接続されており、もってマルチバンド携帯電話のフロントエンド部を構成する。
本発明を以下の実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。
図7は本発明の高周波スイッチ回路を含む、マルチバンド携帯電話のフロントエンド部の等価回路であり、図8はその回路ブロックであり、図9は、図7のフロントエンド回路を多層基板に形成した複合高周波部品の斜視図であり、図10はその多層基板の構成を示す分解斜視図である。本実施例では、分波回路、フィルタ回路、スイッチ回路を多層基板に構成し、スイッチング素子や、高容量値のキャパシタンス素子や抵抗等のチップ部品を多層基板に搭載して、ワンチップ化した第1乃至4の通信システムに対応した高周波複合部品について説明する。なお説明においては、第1の通信システムをDCS1800、第2の通信システムをPCS1900、第3の通信システムをGSM850、第4の通信システムをGSM900としている。
前記高周波複合部品は、図8に示したクワッドバンド携帯電話器のフロントエンド部の、ダイプレクサ回路2、フィルタ回路3,4、スイッチ回路5,6を備えるものであり、本発明に係る高周波スイッチ回路はスイッチ回路5,6に対応する。
前記スイッチ回路5のアンテナ側ポートP351(第1ポートP1に対応)にはインダクタンス素子LF2、キャパシタンス素子CF3を備えたL型のローパスフィルタ3が接続されている。そして、ローパスフィルタ3のアンテナ側ポートP331には2つのフィルタ回路を並列接続したダイプレクサ回路2と接続されている。
前記ダイプレクサ回路2は、GSM850、GSM900或いはDCS1800,PCS1900の送受信信号が、互いの信号経路に回りこまないように、ローパスフィルタ、バンドパスフィルタ、ノッチフィルタから選ばれる複数のフィルタ回路で構成される。4つの通信システムにおいて、相対的に低周波であるGSM850、GSM900の信号経路には、ローパスフィルタを用い、DCS1800,PCS1900の信号経路にはハイパスフィルタを用いることが多い。実施例においても、インダクタンス素子DL1、キャパシタンス素子DC1,DC2で構成されたローパスフィルタと、インダクタンス素子DL2、キャパシタンス素子DC3,DC4、DC5で構成されたハイパスフィルタとでダイプレクサ回路2を構成している。なお、スイッチ回路5,6は等価回路として、図1で示した高周波スイッチ回路と同様の構成であり、動作も同様なのでその説明を省く。
本発明において、ダイプレクサ回路2、ローパスフィルタ回路3,4の構成については、特に限定されるものではなく、公知の他の回路構成を採用しても良い。
前記回路素子を形成した多層基板は、低温焼成が可能なセラミック誘電体材料からなり、厚さが10μm〜200μmのグリーンシートを作製し、各グリーンシート上にAg、あるいはCuを主体とする導電ペーストを印刷することにより所望の電極パターンを形成し、所望の電極パターンを有する複数のグリーンシートを積層して一体化し、焼成することにより製造することができる。
多層基板の内部構造について図10をもとに説明する。図10に付与した符号は、図7に付与した符号と対応し一致するものである。図10中に示されていない回路素子は、実装部品200として多層基板100に実装されている。
高周波スイッチ回路5を構成する第1乃至第3インダクタンス素子L30、L31、L32は電極パターンで形成されたコイル状のラインパターンで、多層基板内に形成されている。前記第1インダクタンス素子L31の積層方向上下には、グランド電極パターンGNDが配置されるとともに、前記第1インダクタンス素子L31を構成するラインパターンは、他の回路素子を構成するパターン電極と積層方向に重ならないように配置して干渉を防ぎ、電磁気的な結合や寄生インピーダンスの増加を防いでいる。なお第3インダクタンス素子L32はチョークコイルとして機能するものであり、チップインダクタとして多層基板に実装しても良い。またキャパシタンス素子の内、第1キャパシタンス素子C33の上下には、グランド電極パターンGNDを配置して、他の電極パターンとの干渉を防いでいる。
高周波スイッチ回路6の第1、第2インダクタンス素子L20、L21、第1キャパシタンス素子C23も、高周波スイッチ回路5のインダクタンス素子、キャパシタンス素子と同様に電極パターンで多層基板内に形成している。そして、第1インダクタンス素子L31、L21は、それぞれ3次高調波を減衰させるような線路長に形成されている。
高周波スイッチ回路5,6に接続されるローパスフィルタ回路3,4は、インダクタンス素子LF1,LF2、キャパシタンス素子CF1,CF2,CF3で構成され、それぞれに電極パターンで多層基板内に形成している。スイッチ回路5,6にトラップ機能を付与して、3次高調波を減衰させているので、ローパスフィルタ回路3,4は、回路素子数を抑えて構成することが出来た。
以上の構成により、5.4mm×4.0mm×0.7mmの積層基板にダイプレクサ回路2、ローパスフィルタ回路3,4、スイッチ回路5,6を配置することが出来た。また、構成回路素子数を抑えることが出来たので、優れた高調波減衰量を得ながら、伝送損失の少ない高周波複合部品とすることが出来た。
本発明の高周波スイッチ回路は、第1、第2の通信システムにおける送信周波数の2次高調波、或いは3次高調波の周波数帯域に減衰極を形成するトラップ機能を有し、さらに送信経路とグランドとの間に、整合用のキャパシタンス素子を接続したことで、優れた高調波減衰量を得ながら、伝送損失が小さくすることが出来る。そして、フィルタ回路の接続段数を減じることが可能で、その結果構成素子を少なくしてマルチバンド携帯電話のフロントエンド部を構成することが出来るため、さらに伝送損失を低減するとともに、フロントエンド部の小型化を図ることが出来る。ひいては、マルチバンド携帯電話の小型化、低消費電力化に寄与するものである。
本発明の一実施例に係る高周波スイッチ回路の等価回路である。 ショートスタブを説明するための回路図である。 図2のショートスタブのシミュレーションによる周波数特性図である。 ショートスタブを説明するための他の回路図である。 図4のショートスタブのシミュレーションによる周波数特性図である。 マルチバンド携帯電話のフロンドエンド部の回路ブロックである。 本発明の他の実施例に係る高周波スイッチ回路の等価回路である。 マルチバンド携帯電話のフロンドエンド部の他の回路ブロックである。 本発明の一実施例に係る高周波複合部品の斜視図である。 図9の高周波複合部品を構成する多層基板の分解斜視図である。 従来の高周波スイッチ回路の等価回路である。
符号の説明
1 マルチバンドアンテナ
2 ダイプレクサ回路
3,4 フィルタ回路
5,6 スイッチ回路
100 多層基板
L21,L31 第1インダクタンス素子
L20.L30 第2インダクタンス素子
C23,C33 第1キャパシタンス素子

Claims (4)

  1. カソードが第1ポートに接続されアノードが第2ポートに接続された第1ダイオードと、前記第2ポートに接続され接地される第1キャパシタンス素子と、前記第1ダイオードのアノード側に接続され、第2キャパシタンス素子を介して接地される第1インダクタンス素子と、前記第1インダクタンス素子と第2キャパシタンス素子の間に接続される第3ポートと、
    前記第1ポートと第4ポートとの間に接続される第2インダクタンス素子と、前記第2インダクタンス素子の第4ポート側とアノードが接続し接地される第2ダイオードと、
    カソードが第1ポートに接続され、アノードが第5ポートに接続された第3ダイオードと、前記第3ダイオードのアノード側に第3キャパシタンス素子を介して接地される第3インダクタンス素子と、前記第3インダクタンス素子と第3キャパシタンス素子の間に接続される第6ポートとを備え、
    前記第1ポートが第1フィルタに接続され、
    前記第2ポートが第1、第2の通信システム共通の送信回路に接続され、
    前記第4ポートが前記第1の通信システムの受信回路に接続され、
    前記第5ポートが前記第2の通信システムの受信回路に接続され、
    前記第3、第6ポートが制御電源に接続されており、
    前記第1インダクタンス素子、第2インダクタンス素子を伝送線路としたことを特徴とする高周波スイッチ回路。
  2. λを第1、第2の通信システムの送信周波数における波長としたとき、前記第1インダクタンス素子を構成する伝送線路の線路長が略λ/4或いは、略λ/6であることを特徴とする請求項1に記載の高周波スイッチ回路。
  3. 前記第1インダクタンス素子、第2インダクタンス素子がストリップ線路、マイクロストリップ線路、コプラナー線路のいずれかで形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の高周波スイッチ回路。
  4. 前記第1インダクタンス素子、第2インダクタンス素子、及び前記第1キャパシタンス素子を、電極パターンで形成し、セラミクスからなる複数のシート層を積層してなる多層基板に内蔵するとともに、前記第1キャパシタンス素子を形成する電極パターンの上下には、グランド電極パターンが形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の高周波スイッチ回路。
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